説明

コンテンツ再生装置及びそのプログラム

【課題】 複雑なユーザ操作を要することなく、複数のコンテンツ再生装置が同時にコンテンツを再生することなく、かつ、複数のコンテンツ再生装置が順番にコンテンツを再生する。
【解決手段】 携帯機器1Aは、曲ファイルを再生し終えるとき、再生順テーブルを参照し、次に曲ファイルを再生すべき携帯機器1Cを特定し、特定した携帯機器1Cに再生指示を送信する。携帯機器1Cは再生指示に応じて曲ファイルの再生を開始する。従って、再生順テーブルに曲ファイルを再生する携帯機器の順番を管理させることによって、ユーザ操作を要することなく、自動的に、携帯機器1Aが曲ファイルの再生を停止した後に、他の携帯機器1Cが曲ファイルの再生を開始することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のコンテンツ再生装置を含むコンテンツ再生システムに関する。
【背景技術】
【0002】
フラッシュメモリ等の記憶媒体を備え、フラッシュメモリに記録されている複数のコンテンツ(例えば曲ファイル)の中から選択された曲ファイルを再生する携帯機器が普及してきている。携帯機器は、FMトランスミッタを備え、再生した曲ファイルの音声信号をFM信号に変調して送信する。FM受信機内蔵のアンプ装置は、このFM信号を受信して復調し、音楽信号を増幅してスピーカーから音声を再生する。例えば、車内等の環境下において、1つのFM受信機内蔵のアンプ装置(カーオーディオ等)に対して、複数のユーザがそれぞれ携帯機器を所有するために複数の携帯機器1A〜1Cが存在する場合、各携帯機器が同時にFMトランスミッタを使用して音楽を再生すると、FM受信機内蔵のアンプ装置は、複数のFM信号を受信してしまい、正常に音楽信号を再生することができず、ノイズが再生されてしまう。
【0003】
この問題を解決するために、ユーザ操作によって、1つの携帯機器を再生状態にし、他の携帯機器を停止状態にしておく必要がある。例えば、携帯機器1Aに記録されている曲ファイルを再生したい場合、ユーザ操作によって、携帯機器1Aのみを再生状態に操作し、他の携帯機器1B,1Cを停止状態に操作する。次に、携帯機器1Aの曲ファイルに代えて携帯機器1Bの曲ファイルを再生したい場合、ユーザ操作によって、携帯機器1Aを停止状態に操作した後、携帯機器1Bを再生状態に操作する。このように、再生する曲ファイルを他の携帯機器に記録されている記録ファイルに変更する際に、複数の携帯機器をユーザ操作によって操作する必要があり、その操作が非常に煩雑である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−58947号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、複雑なユーザ操作を要することなく、複数のコンテンツ再生装置が同時にコンテンツを再生することなく、かつ、複数のコンテンツ再生装置が順番にコンテンツを再生することができるコンテンツ再生システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の好ましい実施形態によるコンテンツ再生装置は、複数のコンテンツ再生装置を含むコンテンツ再生システムにおけるコンテンツ再生装置であって、再生指示に応じてコンテンツを再生する再生手段と、前記コンテンツ再生システムに含まれる前記各コンテンツ再生装置の再生順序を管理する順序管理手段と、前記再生手段がコンテンツを再生し終える際に、前記順序管理手段の管理内容に基づいて次にコンテンツを再生すべきコンテンツ再生装置を特定する特定手段と、前記特定手段によって特定したコンテンツ再生装置に再生指示を送信する再生指示送信手段とを備える。
【0007】
ユーザ操作によってコンテンツ再生装置1Aに再生開始指示が入力されると、コンテンツ再生装置1Aがコンテンツの再生を開始する。コンテンツ再生装置1Aは、コンテンツを再生し終えるとき、順序管理手段を参照し、次にコンテンツを再生すべきコンテンツ再生装置1Cを特定し、特定したコンテンツ再生装置1Cに再生指示を送信する。コンテンツ再生装置1Cは再生指示に応じてコンテンツの再生を開始する。従って、順序管理手段にコンテンツを再生するコンテンツ再生装置の順番を管理させることによって、ユーザ操作を要することなく、コンテンツ再生装置1Aがコンテンツの再生を停止し、他のコンテンツ再生装置1Cがコンテンツの再生を開始することができる。また、コンテンツ再生装置1Cはコンテンツ再生装置1Aの再生が終了した後に再生開始するので、複数のコンテンツ再生装置が同時にコンテンツを再生することを防止できる。
【0008】
好ましい実施形態においては、前記コンテンツ再生装置が、前記コンテンツ再生システムに含まれる前記各コンテンツ再生装置の動作状態を管理する状態管理手段と、ユーザ操作に応じて再生指示が入力された際に、前記状態管理手段の管理内容に基づいてコンテンツを再生中である前記他のコンテンツ再生装置が存在するか否かを判断する判断手段と、コンテンツを再生中である前記他のコンテンツ再生装置が存在すると判断された場合に、コンテンツを再生中である前記他のコンテンツ再生装置に停止指示を送信する停止指示送信手段と、停止指示を受信した場合に、コンテンツの再生を停止する停止手段とをさらに備える。
【0009】
ユーザ操作によって、停止中のコンテンツ再生装置1Bに再生開始指示が入力される場合、コンテンツ再生装置1Bは、状態管理手段を参照して、現在再生中のコンテンツ再生装置1Cを特定する。コンテンツ再生装置1Bは、特定したコンテンツ再生装置1Cに停止指示を送信し、コンテンツ再生装置1Cは停止指示に応じてコンテンツの再生を停止する。従って、順序管理手段の順番にコンテンツ再生装置がコンテンツを再生している際に、ユーザ操作によって停止中のコンテンツ再生装置に再生開始指示が入力されると、再生中のコンテンツ再生装置がコンテンツの再生を停止するので、同時に複数のコンテンツ再生装置がコンテンツを再生することが防止される。
【0010】
好ましい実施形態においては、前記再生指示送信手段が、前記再生手段がコンテンツを再生し終える所定時間前に、前記特定手段によって特定したコンテンツ再生装置に再生準備指示を送信し、前記再生準備指示を受けた場合に、再生準備状態に移行する再生準備手段をさらに備え、前記再生指示送信手段が、前記再生手段がコンテンツを再生し終えたときに、前記特定手段によって特定したコンテンツ再生装置に再生指示を送信する。
【0011】
コンテンツ再生装置1Aがコンテンツを再生し終える所定時間前に、コンテンツ再生装置1Aは次に再生すべきコンテンツ再生装置1Cに再生準備指示を送信し、コンテンツ再生装置1Cは再生準備指示に応じて再生準備状態になる。従って、コンテンツ再生装置1Aがコンテンツを再生し終えたときに、コンテンツ再生装置1Cは再生指示に応じて直ぐにコンテンツを再生することができる。
【発明の効果】
【0012】
複雑なユーザ操作を要することなく、複数のコンテンツ再生装置が同時にコンテンツを再生することなく、かつ、複数のコンテンツ再生装置が順番にコンテンツを再生することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の好ましい実施形態によるコンテンツ再生システムを示すブロック図である。
【図2】機器テーブルを示す図である。
【図3】再生順テーブルを示す図である。
【図4】動作状態一覧を示す図である。
【図5】状態管理テーブルを示す図である。
【図6】携帯機器1A〜1Cの動作を示すシーケンス図である。
【図7】携帯機器1A〜1Cの制御部2の処理を示すフローチャートである。
【図8】携帯機器1A〜1Cの制御部2の処理を示すフローチャートである。
【図9】携帯機器1A〜1Cの制御部2の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照して具体的に説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
【0015】
図1は、本発明の好ましい実施形態によるコンテンツ再生システムを示すブロック図である。コンテンツ再生システムは、例えばカーオーディオ等のFM受信機内蔵のアンプ装置11と、複数の携帯機器(MP3プレーヤ又は携帯電話機等のコンテンツ再生装置)1A〜1Cとを備える。コンテンツは、映像データ、曲(音楽)データ、又は、静止画データ等の総称であるが、本例では曲ファイルである。携帯機器1A〜1Cは、内蔵するフラッシュメモリに記録されている曲ファイルを再生し、FMトランスミッタでFM信号に変調して送信する。アンプ装置11は、FM信号を受信して、音楽信号に復調し、増幅して、接続されているスピーカーから音声を再生する。
【0016】
[携帯機器1A〜1Cの構成]
携帯機器1A(1B,1Cも同様)は、制御部2、RAM3、ROM4、フラッシュメモリやHDD等のコンテンツ記憶部5、再生部6、FMトランスミッタ7、通信部8、表示部9、及び、操作部10を備える。これらは、バスを介して互いに接続されている。
【0017】
フラッシュメモリ5には複数の曲ファイルが記録されている。フラッシュメモリ5に記録されている曲ファイルは、制御部2の指示によって読み出され、再生部6によって再生される。
【0018】
フラッシュメモリ5には、図2に示す機器テーブルが格納されている。機器テーブルは、相互に通信可能であり、順番に曲ファイルを再生する複数の携帯機器1A〜1Cの情報を管理するテーブルである。機器テーブルは、通し番号である登録番号に対応付けて、相互に通信可能な携帯機器の通信先番号が登録されている。通信先番号は、通信方式に対応して任意の番号が採用される。ここでは、携帯機器1Aが「0xAA」であり、携帯機器1Bが「0xBB」であり、携帯機器1Cが「0xCC」である。他の携帯機器の通信先番号は、事前に通信部8を介して他の携帯機器から取得され、機器テーブルに登録されている。通信先番号は、例えば降順等の所定の順番でソートされているので、全ての携帯機器1A〜1Cには同じ機器テーブルが登録されている。
【0019】
フラッシュメモリ5には、図3に示す再生順テーブルが格納されている。再生順テーブルは、携帯機器1A〜1Cの再生順序を管理するテーブルである。図3の例では、携帯機器1C、携帯機器1B、携帯機器1A、携帯機器1C、・・の順番に曲ファイルを再生する。各携帯機器1A〜1Cは、1曲ずつ順番に曲ファイルを再生してもよく、2曲ずつ順番に曲ファイルを再生してもよい。携帯機器1A〜1Cの再生順番は、例えば、携帯機器1Aの表示部9に表示される画面においてユーザ操作によって設定され、携帯機器1Aから他の携帯機器1B,1Cに再生順テーブルの登録内容が通信部8を介して送信される。携帯機器1B,1Cは、取得した再生順テーブルの内容を登録する。従って、携帯機器1A〜1Cで登録されている再生順序は全て同じである。
【0020】
フラッシュメモリ5には、図4に示す動作状態一覧が格納されている。動作状態一覧は、携帯機器1Aが採りうる動作状態とそのコードとを管理するリストである。動作状態として、再生状態、停止状態、一時停止状態、早送り状態、早戻し状態等が存在する。
【0021】
フラッシュメモリ5には、図5に示す状態管理テーブルが格納されている。状態管理テーブルは、携帯機器1A〜1Cの動作状態を管理するテーブルである。携帯機器1A〜1Cの動作状態は、通信部8を介して相互に送受信され、状態管理テーブルに登録される。図5では、携帯機器1Aが再生状態であり、携帯機器1B,1Cが停止状態であることを示す。
【0022】
図1に戻り、制御部2は、携帯機器1A全体を制御するものであり、ROM4またはフラッシュメモリ5に格納された携帯機器1の動作プログラムをRAM3内に読み出して実行することにより、後述する各処理を実行する。
【0023】
制御部2は、ユーザ操作によって再生指示が入力されると、再生部6にフラッシュメモリ6から曲ファイルを読み出して再生させる。再生部6が曲ファイルを再生し終えるとき、制御部2は、再生順テーブルを参照して自身の次に曲ファイルを再生すべき携帯機器1を特定する。例えば、携帯機器1Aの次に再生する携帯機器は、携帯機器1Cである。制御部2は、特定した携帯機器1Cに通信部8を介して再生指示を送信する。再生指示を受信した携帯機器1Cは、再生指示に応答して曲ファイルを再生開始する。
【0024】
好ましくは、制御部2は、再生部6が曲ファイルを再生し終える所定時間前になると、再生順テーブルに基づいて特定した携帯機器1Cに再生準備指示を送信し、その後、再生部6が曲ファイルの再生を終了したときに、停止状態であることを示す動作状態通知を携帯機器1Cに送信する。このとき、携帯機器1Cは、再生準備指示に応答して再生準備状態になり、停止状態であることを示す動作状態通知に応答して、再生を開始する。従って、上記の所定時間を携帯機器1Cが再生準備に必要な時間に設定しておくことにより、携帯機器1Aが再生を終了した後すぐに、携帯機器1Cが再生開始することができる。
【0025】
再生部6は、フラッシュメモリ5から読み出された曲ファイルを再生(例えば、デコード、D/A変換等)する。再生部6は、再生した音楽信号をFMトランスミッタ7に供給する。FMトランスミッタ7は、再生部6が再生した曲ファイルの音楽信号をFM信号に変調し、送信する。
【0026】
通信部8は、他の携帯機器1B,1Cとの間で、後述する動作状態通知や各種指示等を送受信するものであり、インターネット、無線LAN、USB、IEEE1394等の任意の通信方式が採用され得る。
【0027】
表示部9は、LCD(液晶ディスプレイ)やFL管等であり、制御部2の指示に基づいて、ユーザが各設定を実行するための操作画面、曲ファイルの検索画面、又は、再生中の曲ファイルのコンテンツ情報等を表示する。操作部10は、ユーザからの指示を受け付けて制御部2に送信するものであり、操作ボタン等である。
【0028】
[アンプ装置11の構成]
アンプ装置11は、制御部12、RAM13、ROM14、FM受信部15、増幅部16、表示部17、及び、操作部18を備える。これらは、バスを介して互いに接続されている。増幅部16にはスピーカー20が接続されている。
【0029】
制御部12は、ROM14に格納されたアンプ装置11の動作プログラムをRAM13に読み出して実行することにより、アンプ装置11の各部を制御する。制御部12は、FM受信部15が受信するFM信号の周波数をユーザ操作に応じて設定する。FM受信部15は、携帯機器1A〜1CのFMトランスミッタ7から送信されるFM信号を受信し、復調し、音声信号を増幅部16に供給する。増幅部16は、受信した音声信号を増幅して、スピーカー20から音声を再生する。
【0030】
以上の構成を有するコンテンツ再生システムについて、その動作を説明する。図6は、携帯機器1A〜1Cの動作の一例を示すシーケンス図である。図7〜図9は、携帯機器1A〜1Cの制御部2の処理を示すフローチャートである。本例では、ユーザ操作によって携帯機器1Aに再生開始指示が入力され、携帯機器1Aから再生を開始する場合を説明する。
【0031】
携帯機器1Aは、ユーザ操作によって再生開始指示が入力されたか否かを判断する(図7のS1)。再生開始指示が入力された場合(S1でYES、図6のS601)、携帯機器1Aは、他の携帯機器1B,1Cの動作状態を既に取得して、状態管理テーブルに登録済であるか否かを判断する(図7のS2)。ここでは、未だ動作状態を取得していないので(S2でNO)、他の携帯機器1B,1Cに動作状態の問い合わせを送信する(図7のS3、図6のS602)。携帯機器1B,1Cは、動作状態の問い合わせを受信したか否かを判断しており(図8のS21)、動作状態の問い合わせを受信すると(S21でYES)、動作状態を携帯機器1Aに返信する(図8のS25、図6のS603,S604)。ここで送信される動作状態通知の内容は停止状態である。携帯機器1Aは、他の携帯機器1B,1Cから動作状態を受信したか否かを判断しており(図7のS4)、受信したとき(S4でYES)、受信した動作状態通知(停止状態)を状態管理テーブルに登録する(図7のS5、図6のS605)。
【0032】
携帯機器1Aは、状態管理テーブルを参照して、他の携帯機器1B,1Cの中に動作状態が再生状態である携帯機器が存在するか否かを判断する(図7のS6)。ここでは、他の携帯機器1B,1Cの動作状態は停止状態であるので(S6でNO)、携帯機器1Aは曲ファイルを再生開始する(図7のS10、図6のS606)。なお、曲ファイルはユーザ操作によって選択された曲ファイルが再生されてもよく、プレイリストから自動的に選択された曲ファイルが再生されてもよい。
【0033】
携帯機器1Aは、動作状態通知(再生状態)を他の携帯機器1B,1Cに送信する(図7のS11、図6のS607,S609)。携帯機器1B,1Cは、動作状態通知を受信したか否かを判断しており(図8のS22)、受信すると(S22でYES)、受信した動作状態通知(再生状態)を状態管理テーブルに登録して更新する(図8のS26、図6のS608,S610)。携帯機器1B,1Cは、受信した携帯機器1Aの動作状態が停止状態であるか否かを判断し(図8のS27)、停止状態ではないと判断する(S27でNO)。
【0034】
携帯機器1Aは、曲ファイルを再生終了する所定時間(例えば2秒)前であるか否かを判断する(図9のS41)。再生終了する所定時間前になると(S41でYES、図6のS611)、携帯機器1Aは、再生順テーブルを参照して、携帯機器1Aの次に曲ファイルを再生すべき携帯機器1B又は1Cを特定する(図9のS42、図6のS612)。ここでは、携帯機器1Aの次に曲ファイルを再生すべき携帯機器として、携帯機器1Cが特定される。
【0035】
携帯機器1Aは、特定した携帯機器1Cに再生準備指示を送信する(図9のS43、図6のS613)。携帯機器1B,1Cは、再生準備指示を受信したか否かを判断している(図8のS23)。携帯機器1Bは、再生準備指示を受信しないが(S23でNO)、携帯機器1Cは、再生準備指示を受信し(S23でYES)、再生準備状態に移行する(図8のS31、図6のS614)。再生準備状態とは、曲ファイルを選択して開いて、直ぐに再生できる状態にしておくことである。
【0036】
携帯機器1Aは、曲ファイルを再生し終えたか否かを判断する(図9のS44)。再生し終えた場合(S44でYES、図6のS615)、携帯機器1Aは、動作状態通知(停止状態)を携帯機器1B,1Cに送信する(図9のS45、図6のS616,S617)。携帯機器1Aは、自身の状態管理テーブルの自身の動作状態を停止状態に更新する。携帯機器1B,1Cは、動作状態通知を受信すると(図8のS22でYES)、状態管理テーブルに携帯機器1の動作状態通知(停止状態)を登録して更新する(図8のS26)。携帯機器1B,1Cは、受信した動作状態通知の内容が停止状態であると判断する(図8のS27でYES)。
【0037】
携帯機器1B,1Cは自身が再生準備状態であるか否かを判断する(図8のS28)。携帯機器1Bは、再生準備状態ではないと判断する(S28でNO)。携帯機器1Cは、再生準備状態であると判断し(S28でYES)、曲ファイルを再生開始する(図8のS29、図6のS618)。従って、動作状態通知(停止状態)は、再生準備状態である携帯機器1Cにとっては再生指示の役割を有する。携帯機器1Cは、携帯機器1A,1Bに動作状態通知(再生状態)を送信する(図8のS30)。携帯機器1A,1Bは、動作状態を受信して(図8のS22でYES)、状態管理テーブルを更新する(図8のS26、S27でNO)。
【0038】
以上のように、携帯機器1Aが1つの曲ファイルの再生を終了すると、携帯機器1Aが再生を停止し、再生順テーブルに登録されている順番に従って、次の携帯機器1Cが自動的に曲ファイルの再生を開始する。従って、ユーザ操作によって携帯機器1Aを停止状態に操作し、かつ、携帯機器1Cを再生状態に操作する必要がない。同様に、携帯機器1Cが1つの曲ファイルを再生し終えると、次の携帯機器1Bが曲ファイルの再生を開始する。また、携帯機器1Bが1つの曲ファイルを再生し終えると、次の携帯機器1Aが曲ファイルの再生を開始する。
【0039】
次に、携帯機器1Cが曲ファイルを再生している際に、ユーザ操作によって携帯機器1Bに再生開始指示が入力される場合を説明する。携帯機器1Bは、ユーザ操作によって再生開始指示を受信する(図7のS1でYES、図6のS619)。携帯機器2は、携帯機器1A,1Cから動作状態を取得して状態管理テーブルに登録済であると判断する(図7のS2でYES)。携帯機器1Bは、動作状態が再生状態である携帯機器が存在するか否かを判断する(図7のS6、図6のS620)。ここでは、携帯機器1Cの動作状態が再生状態であるので(S6でYES)、携帯機器1Bは、動作状態が再生状態である携帯機器1Cに停止指示を送信する(図7のS7、図6のS621)。携帯機器1Cは、停止指示を受信したか否かを判断しており(図8のS24)、停止指示を受信すると(S24でYES)、曲ファイルの再生を停止し(図8のS32、図6のS622)、動作状態通知(停止状態)を携帯機器1B,1Aに送信する(図8のS33、図6のS623、S626)。
【0040】
携帯機器1Bは、停止指示を送信した携帯機器1Cから停止状態を示す動作状態通知を受信したか否かを判断しており(図7のS8)、受信すると(S8でYES)、携帯機器1Cからの動作状態通知(停止状態)を状態管理テーブルに登録して更新し(図7のS9、図6のS624)、曲ファイルを再生開始する(図7のS10、図6のS624)。携帯機器1Bは、動作状態通知(再生状態)を携帯機器1A,1Cに送信する(図7のS11、図6のS625)。
【0041】
以上の処理によって、携帯機器1Cが曲ファイルを再生している際に、携帯機器1Bにユーザ操作によって再生開始指示が入力されると、携帯機器1Cが曲ファイルの再生を停止し、携帯機器1Bが曲ファイルを再生開始する。従って、複数の携帯機器1が同時に曲ファイルを再生することを防止できる。
【0042】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。携帯機器は、フラッシュメモリ5を内蔵していなくてもよく、外部から挿入されるメモリカードに記録されたコンテンツを再生するもの、又は、ネットワーク経由でサーバから取得したコンテンツを再生するものでもよい。また、携帯機器は、FMトランスミッタを使用してアンプ装置11に音声信号を送信するのではなく、無線LAN等を介して音声信号を送信してもよい。また、携帯機器自身が、増幅部およびスピーカーを備えており、携帯機器から音声が再生されてもよい。本発明は、上記のコンテンツ再生装置を動作させるためのコンピュータプログラムまたはそのコンピュータプログラムを記録した記録媒体という形態で提供されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明はコンテンツを再生する携帯機器等に好適に適用され得る。
【符号の説明】
【0044】
1A〜1C 携帯機器
2 制御部
3 RAM
4 ROM
5 フラッシュメモリ
6 再生部
7 FMトランスミッタ
8 通信部
9 表示部
10 操作部
11 アンプ装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のコンテンツ再生装置を含むコンテンツ再生システムにおけるコンテンツ再生装置であって、
再生指示に応じてコンテンツを再生する再生手段と、
前記コンテンツ再生システムに含まれる前記各コンテンツ再生装置の再生順序を管理する順序管理手段と、
前記再生手段がコンテンツを再生し終える際に、前記順序管理手段の管理内容に基づいて次にコンテンツを再生すべきコンテンツ再生装置を特定する特定手段と、
前記特定手段によって特定したコンテンツ再生装置に再生指示を送信する再生指示送信手段とを備える、コンテンツ再生装置。
【請求項2】
前記コンテンツ再生システムに含まれる前記各コンテンツ再生装置の動作状態を管理する状態管理手段と、
ユーザ操作に応じて再生指示が入力された際に、前記状態管理手段の管理内容に基づいて、コンテンツを再生中である前記他のコンテンツ再生装置が存在するか否かを判断する判断手段と、
コンテンツを再生中である前記他のコンテンツ再生装置が存在すると判断された場合に、コンテンツを再生中である前記他のコンテンツ再生装置に停止指示を送信する停止指示送信手段と、
停止指示を受信した場合に、コンテンツの再生を停止する停止手段とをさらに備える、請求項1に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項3】
前記再生指示送信手段が、前記再生手段がコンテンツを再生し終える所定時間前に、前記特定手段によって特定したコンテンツ再生装置に再生準備指示を送信し、
前記再生準備指示を受けた場合に、再生準備状態に移行する再生準備手段をさらに備え、
前記再生指示送信手段が、前記再生手段がコンテンツを再生し終えたときに、前記特定手段によって特定したコンテンツ再生装置に再生指示を送信する、請求項1または2に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載のコンテンツ再生装置の各手段をコンピュータに実行させる、コンテンツ再生プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−244619(P2010−244619A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−92381(P2009−92381)
【出願日】平成21年4月6日(2009.4.6)
【出願人】(000000273)オンキヨー株式会社 (502)
【Fターム(参考)】