コンテンツ特定装置およびそのプログラム

【課題】 記憶媒体に記録されている、複数のコンテンツを含む放送データの中から、選択されたコンテンツのコンテンツ本体を特定する。
【解決手段】 コンテンツ特定装置は、コンテンツに対する正式コンテンツの総再生時間TIMEを取得する手段と、音楽認識技術によって、コンテンツにおける、コンテンツ本体の開始時刻S_TIMEおよび終了時刻E_TIMEを特定する手段と、キューシートに基づいて、コンテンツの放送開始時刻から放送終了時刻までの時間である再生時間Z_TIMEを特定する手段と、総再生時間TIME、開始時刻S_TIME、終了時刻E_TIMEおよび再生時間Z_TIMEに基づいて、コンテンツ本体の開始時刻C_S_TIMEおよびコンテンツ本体の終了時刻C_E_TIMEを特定する手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記憶媒体に記録されている、複数のコンテンツを含む放送データの中から、選択されたコンテンツのコンテンツ本体を特定するコンテンツ特定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
HDDレコーダやPC等のコンテンツ記録再生装置は、ラジオ又はテレビで放送される音楽や映像等のコンテンツをHDD等の記憶媒体に記録し、記録した放送データファイルの中から選択されたコンテンツを再生することができる。しかし、ユーザは所望のコンテンツがいつ放送されるかはわからない。例えばラジオのFM放送では、所望の曲がある番組中に放送されることがあらかじめわかる場合もあるが、番組中にはCMやDJが入るので、所望の曲が番組中のいつ放送されるかまではわからない。
【0003】
この問題を解決するために、下記特許出願1において、キューシートを利用して所望の曲を抽出して再生するコンテンツ記録再生装置が提案されている。このコンテンツ記録再生装置は、放送された曲の放送開始時刻および曲名等を記述したキューシートをサーバから取得する。コンテンツ記録再生装置は、常にFM放送を受信し、受信された放送データを全てHDDに記録する。そして、キューシートを参照して、録音された放送データから所望の曲を抽出して再生する。
【0004】
ここで、キューシートにおける各曲の放送終了時刻は次の曲の放送開始時刻になっている。従って、キューシートを参照して所望の曲を抽出して再生した場合に、曲本体の後に、CM、DJおよびニュース等の曲本体以外の音声データが含まれる場合がある。また、キューシートにおける各曲の放送開始時刻は秒単位ではなく分単位で記述されており、キューシートに記述の放送開始時刻から1分以内に必ずその曲が放送されるように規定されている。言い換えると、キューシートの放送開始時刻は、その曲の実際の放送開始時刻から最大1分のタイムラグが存在する場合がある。従って、キューシートを参照して所望の曲を抽出して再生した場合に、曲本体の前にも、CM、DJおよびニュース等の曲本体以外の音声データが含まれる場合がある。ユーザが、曲本体のみを聴取したい場合に、ユーザ操作によって曲本体以外の音声データを早送りする必要があり、その操作が非常に煩雑である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−59035号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、記憶媒体に記録されている、複数のコンテンツを含む放送データの中から、選択されたコンテンツのコンテンツ本体を特定するコンテンツ特定装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の好ましい実施形態によるコンテンツ特定装置は、記憶媒体に記録されている、複数のコンテンツを含む放送データの中から、選択されたコンテンツのコンテンツ本体を特定するコンテンツ特定装置であって、前記コンテンツに対する正式コンテンツの総再生時間TIMEを取得する手段と、音楽認識技術によって、前記コンテンツにおける、コンテンツ本体の開始時刻S_TIMEおよび終了時刻E_TIMEを特定する手段と、キューシートに基づいて、前記コンテンツの放送開始時刻から放送終了時刻までの時間である再生時間Z_TIMEを特定する手段と、前記総再生時間TIME、前記開始時刻S_TIME、前記終了時刻E_TIMEおよび前記再生時間Z_TIMEに基づいて、コンテンツ本体の開始時刻C_S_TIMEおよびコンテンツ本体の終了時刻C_E_TIMEを特定する手段とを備える。
【0008】
総再生時間TIME、開始時刻S_TIME、終了時刻E_TIMEおよび再生時間Z_TIMEを使用することにより、コンテンツ本体の開始時刻C_S_TIMEおよびコンテンツ本体の終了時刻C_E_TIMEを特定することができる。従って、再生すべきコンテンツが選択された際に、特定されたコンテンツ本体の開始時刻C_S_TIMEからコンテンツ本体の終了時刻C_E_TIMEまでを抽出して再生することにより、ユーザ操作によって早送り操作を実行することなく、コンテンツ本体のみを再生することができる。
【0009】
好ましい実施形態においては、前記開始時刻S_TIMEが所定値より小さい場合に、前記開始時刻C_S_TIMEに前記開始時刻S_TIMEを設定する手段と、前記開始時刻S_TIMEが前記所定値以上である場合に、前記開始時刻C_S_TIMEに前記所定値を設定する手段とをさらに備える。
【0010】
開始時刻S_TIMEが所定値以上である場合、音楽認識技術によって取得されたS_TIMEが誤っている可能性があるので、開始時刻C_S_TIMEに所定値を設定することにより、より正確にコンテンツ本体を特定することができる。
【0011】
好ましい実施形態においては、前記終了時刻E_TIMEが前記総再生時間TIME+前記所定値よりも小さく、かつ、前記終了時刻E_TIMEが前記再生時間Z_TIMEよりも小さい場合、前記終了時刻C_E_TIMEに前記終了時刻E_TIMEを設定する手段をさらに備える。
【0012】
この場合、音楽認識技術によって取得されたE_TIMEが正しいと判断されるので、終了時刻C_E_TIMEに終了時刻E_TIMEを設定することにより、より正確にコンテンツ本体を特定することができる。
【0013】
好ましい実施形態においては、前記終了時刻E_TIMEが前記総再生時間TIME+前記所定値よりも小さく、かつ、前記終了時刻E_TIMEが前記再生時間Z_TIME以上である場合、前記終了時刻C_E_TIMEに前記再生時間Z_TIMEを設定する手段をさらに備える。
【0014】
この場合、音楽認識技術によって取得されたE_TIMEが誤っている可能性があるので、終了時刻C_E_TIMEに再生時間Z_TIMEを設定することにより、より正確にコンテンツ本体を特定することができる。
【0015】
好ましい実施形態においては、前記終了時刻E_TIMEが前記総再生時間TIME+前記所定値以上である場合、前記再生時間Z_TIMEが前記総再生時間TIME+前記所定値よりも大きければ、前記終了時刻C_E_TIMEに前記総再生時間TIME+前記所定値を設定し、前記再生時間Z_TIMEが前記総再生時間TIME+前記所定値以下であれば、前記終了時刻C_E_TIMEに前記再生時間Z_TIMEを設定する手段をさらに備える。
【0016】
この場合、音楽認識技術によって取得されたE_TIMEが誤っている可能性があるので、終了時刻C_E_TIMEに総再生時間TIME+所定値、又は、再生時間Z_TIMEを設定することにより、より正確にコンテンツ本体を特定することができる。
【0017】
好ましい実施形態においては、前記再生時間Z_TIMEが前記総再生時間TIME以下である場合に、キューシートによって特定される放送開始時時刻を前記開始時刻C_S_TIMEに設定し、放送終了時刻を前記終了始時刻C_E_TIMEに設定する手段をさらに備える。
【0018】
好ましい実施形態においては、前記開始時刻C_S_TIMEから前記終了始時刻C_E_TIMEまでの時間であるC_TIMEが前記総再生時間TIMEよりも大きい場合、前記開始時刻C_S_TIMEを(C_TIME−TIME)÷2だけ遅らせ、前記終了時刻C_E_TIMEを(C_TIME−TIME)÷2だけ早める手段をさらに備える。
【0019】
この場合、コンテンツ本体の再生時間が正式コンテンツの総再生時間よりも大きくなるので、コンテンツ本体の再生時間を正式コンテンツの総再生時間と同じにすることができる。また、同じ時間だけ、開始時刻C_S_TIMEを遅くし、終了始時刻C_E_TIMEを早くすることにより、より正確にコンテンツ本体を特定することができる。
【発明の効果】
【0020】
記憶媒体に記録されている、複数のコンテンツを含む放送データの中から、選択されたコンテンツのコンテンツ本体を特定するコンテンツ特定装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の好ましい実施形態によるコンテンツ記録再生装置を示すブロック図である。
【図2】キューシートの一例を示す図である。
【図3】キューシートに基づいて各曲の再生開始値を管理する状態を示す図である。
【図4】曲リストの一例を示す図である。
【図5】放送データの録音から曲リスト表示までの処理を示すフローチャートである。
【図6】曲本体を特定する処理を示すフローチャートである。
【図7】再生時間Z_TIME、総再生時間TIME等を説明する図である。
【図8】図6の処理における曲本体の特定結果の一例を示す図である。
【図9】図6の処理における曲本体の特定結果の一例を示す図である。
【図10】図6の処理における曲本体の特定結果の一例を示す図である。
【図11】曲本体を抽出して再生する処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照して具体的に説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
【0023】
図1は、本発明の好ましい実施形態によるコンテンツ記録再生システムを示すブロック図である。コンテンツ記録再生システムは、コンテンツ記録再生装置(コンテンツ特定装置)1、サーバ(キューシートサーバ)100、および、サーバ(コンテンツ情報サーバ)200を備える。コンテンツ記録再生装置1はラジオやTV等の放送データ(以下、ラジオ放送データとする。)を受信し、所定時間毎の放送データを、放送データファイルとしてHDD3に記録する。サーバ100は、図示しない複数の放送局サーバについて、キューシート(番組進行表)を取得して保持している。コンテンツ記録再生装置1は、サーバ100からキューシートを取得し、キューシートに基づいて、記録した放送データファイルから所望の曲を抽出して再生する。サーバ200は、曲のメタデータ(本例では、アーティスト名及び曲名の組み合わせ)に対応付けて、正式曲(市販されているCDに記録されている曲)の総再生時間を管理している。
【0024】
コンテンツ記録再生装置1は、制御部2、HDD(Hard
Disk Drive)3、メモリ(ROM及び/又はRAM)4、再生部5、受信部6、通信部7、操作部8、および、表示部9を備える。制御部2は、メモリ4に格納されているコンテンツ特定プログラムに基づいて、以下に示す各処理を実行するものであり、例えば、マイコンやCPU等である。
【0025】
受信部6は、図示しない放送局から放送される複数のコンテンツを含む放送データを受信する。コンテンツは、音楽(曲)、映像および/または静止画等のデータの総称であり、本例では曲データである。放送はTV放送またはラジオ放送等であり、デジタル放送、アナログ放送、衛星放送またはインターネット放送等の任意の放送が採用され得る。本例では、複数の曲データを含むFM放送を例に説明する。
【0026】
HDD3は、受信部6によって受信された放送データを制御部2の指示により記録する。特に限定されないが、放送データは所定時間(例えば6時間)毎の放送データファイルに分割されて、HDD3に記録される。曲を再生する際に、キューシートに基づいて、放送データファイルの中から曲に対応する部分が抽出されて、再生される。
【0027】
通信部7は、インターネット等の任意の電気通信回線を介してサーバ100に接続し、サーバ100からキューシートを取得する。図2は、放送局Xのキューシートの一例を示す図である。キューシートは、放送局名と、アーティスト名と、曲名と、放送開始時刻と、放送終了時刻とを含む。放送終了時刻は、次の曲の放送開始時刻になっている。例えば、放送局Xについて、2009年1月1日の17時00分〜17時10分にアーティト名A、曲名aaaの曲が放送されたことを示している。また、通信部7は、インターネット等の任意の電気通信回線を介してサーバ200に接続し、サーバ200から正式曲の総再生時間を取得する。
【0028】
図3に示すように、キューシートに記述されている放送開始時刻及び放送終了時刻に基づいて、HDD3に記録された放送データファイルにおいて、各曲の再生開始アドレスがHDD3上で管理される。例えば、アーティスト名A、曲aaaの曲は放送データファイルの相対アドレス0バイト〜24533バイトまで、アーティスト名B、曲bbbの曲は放送データファイルの相対アドレス24533〜54232バイトまでであることが管理される。
【0029】
図4に示すように、キューシートに基づいて各曲のアーティスト名および曲名の一覧である曲リストが表示部9に表示される。曲リストの中からユーザ操作によって所望の曲が選択されると、再生部5は、選択された曲をキューシートに基づいて放送データファイルから抽出して再生する。
【0030】
制御部2は、曲リストに表示される各曲について、キューシートの放送開始時刻から放送終了時刻までで特定される曲データのうち、曲本体の開始時刻及び終了時刻を特定し、メモリ4に記憶させる。上記の通り、キューシートの放送開始時刻から放送終了時刻までで特定される曲データには、CM、DJ、ニュース等の音声データが含まれている。曲本体とは、これらのCM、DJ、ニュース等の音声データを除外した曲部分のみのデータである。
【0031】
制御部2は、サーバ200に曲のアーティスト名および曲名を送信し、正式曲の総再生時間TIMEを取得する。また、制御部2は、周知の音楽認識技術(例えば、特許第3156975号)を用いて、キューシートから特定される曲データの内、曲本体の開始時刻S_TIME及び終了時刻E_TIMEを特定する。また、制御部2は、キューシート上の放送開始時刻から放送終了時刻までの再生時間Z_TIMEを特定する。そして、制御部2は、総再生時間TIME、開始時刻S_TIME、終了時刻E_TIMEおよび再生時間Z_TIMEを使用して、以下に詳述する方法によって、曲本体の開始時刻C_S_TIMEおよび終了時刻C_E_TIMEを特定する。ユーザ操作によって曲リストから曲が選択されたとき、再生部5は、制御部2によって特定された曲本体の開始時刻C_S_TIMEから終了時刻C_E_TIMEまでのデータを放送データファイルから抽出して再生する。
【0032】
以下、本発明の動作を説明する。図5は、放送データを記録し、曲リストを表示する際の制御部2の処理を示すフローチャートである。制御部2は、受信部6にユーザ操作によって選択された放送局の放送データを受信させ、HDD3に放送データを記録開始させる(S301)。ユーザ操作によって記録停止指示が入力されると、制御部2は、HDD3に放送データの記録を終了させ、1つの放送データファイルとしてHDD3に記録させる(S302)。
【0033】
制御部2は、サーバ100にアクセスし、サーバ100からS1、S2でHDD3に記録した放送データに対応するキューシートを取得し、HDD3に保存する(S303)。制御部2は、キューシートに記述されている各曲の放送開始時刻および放送終了時刻に基づいて、図3に示すように、放送データファイルにおける各曲の再生開始位置(放送データファイルの先頭を0バイトとした場合の相対アドレス)を算出し、HDD3のデータベースに記憶させる(S4)。詳細には、各曲ファイルが含まれる放送データファイルの特定情報(ファイル名)および再生開始位置が、HDD3に格納されるデータベースにおいて管理される。
【0034】
続いて、制御部2は、キューシートに基づいて、各曲のアーティスト名および曲名の一覧である曲リストを生成し、表示部9に表示させる。曲リストは、放送された日時順に曲を並べてもよく、所望のアーティストの曲のみを並べてもよい。
【0035】
図6は、キューシートに記述されている放送開始時刻および放送終了時刻で特定される曲データのうち、曲本体を特定する処理を示すフローチャートである。制御部2は、曲リストに含まれている各曲についてループ処理を実行する(S601)。すなわち、曲リストに含まれている各曲について、以下の処理を順次実行する。
【0036】
制御部2は、曲リストに含まれている曲を1つ選択し、そのアーティスト名および曲名をキューシートから特定し、サーバ200にインターネット経由で送信する(S602)。サーバ200は、アーティスト名および曲名を受信すると、アーティスト名および曲名からその正式曲を特定し、特定した正式曲の総再生時間をデータベースから読み出して、コンテンツ記録再生装置1に返信する。制御部2は、正式曲の総再生時間を取得すると、メモリ4内において総再生時間TIMEとして記憶する(S603)。
【0037】
次に、制御部2は、上記の音楽認識技術を使用し、キューシートで特定される曲データの中から、曲本体を特定し、その開始時刻S_TIME、終了時刻E_TIMEを、メモリ4に記憶させる(S604)。なお、開始時刻S_TIME、終了時刻E_TIMEは、便宜上、キューシートに記述されている放送開始時刻を0としたときの相対値として算出されている。次に、制御部2は、その曲のキューシートにおける放送開始時刻から放送終了時刻までの再生時間をZ_TIMEとしてメモリ4に記憶させる(S605)。例えば、図2のキューシートのアーティスト名A、曲名aaaの場合、放送開始時刻2009/1/1/17:00、放送終了時刻2009/1/1/17:10であるので、再生時間Z_TIMEは10分となる。言い換えると、再生時間Z_TIMEは、キューシートにおける放送開始時刻を0とおいた場合の放送終了時刻と等価である。
【0038】
図7は、メモリ4に記憶した各値の関係を示す図であり、横軸に時間を示し、各曲に関して、キューシートに記述されている放送開始時刻をt=0として記述している。曲本体が最も早く開始する場合、t=0〜TIMEまでが曲本体となり、曲本体が最も遅く開始する場合、t=1から1+TIMEまでが曲本体となる。これは、キューシートに記述された放送開始時刻から、遅くとも1分以内に曲が放送されることが放送局によって規定されているからである。従って、最大t=1+TIME以内には、必ず曲は終了する。なお、以下においては、TIMEが1分未満の曲は放送されることがないものとする。
【0039】
図6に戻って、制御部2は、Z_TIMEがTIMEより大きいか否かを判断する(S606)。Z_TIMEがTIMEより小さい場合(S606でNO)、t=0から曲本体が放送されたとしても、曲本体の全てが放送されておらず、一部のみが放送されたことになる。従って、t=0からZ_TIMEまでの全データを曲本体とし(S607)、つまり、キューシートにおける放送開始時刻を開始位置C_S_TIMEに設定し、放送終了時刻を終了位置C_E_TIMEに設定し、処理を終了する。
【0040】
一方、Z_TIMEがTIMEより大きい場合(S606でYES)、制御部2は、S_TIME が1よりも小さいか否かを判断する(S608)。すなわち、音楽認識技術によって特定された曲本体の開始時刻が放送局によって規定されている所定時間(所定値、本例の場合、1分。)よりも小さいか否かを判断する。S_TIME が1分以上である場合(S608でNO)、キューシートに記述されている放送開始時刻から1分以内に曲が放送開始されるという条件と、音楽認識技術による結果とが矛盾する。この場合、音楽認識技術の結果が誤りであるので、曲本体の開始時刻C_S_TIMEに所定時間である1(分)を設定する(S609)。つまり、開始時刻を曲の最大遅延時間である1分に設定する。なお、本例において、設定するとはメモリ4に記憶させることをいう。
【0041】
S608において、S_TIME が1よりも小さい場合(S608でYES)、放送局によって規定されている所定時間内に、音楽認識技術による曲本体の開始時刻が含まれている。従って、制御部2は、C_S_TIME に S_TIMEを設定し(S610)、音楽認識技術によって特定された曲本体の開始時刻がそのまま曲本体の開始時間に設定される。
【0042】
次に、制御部2は、E_TIME が1+ TIMEよりも小さいか否かを判断する(S611)。E_TIME が 1+TIME以上である場合(S611でNO)、音楽認識技術によって特定された曲本体の終了時刻が、放送局によって規定されている所定時間及び正式曲の総再生時間に基づいて取り得る終了時刻の最大値を超えていると判断される。この場合、制御部2は、Z_TIMEが1+TIMEよりも大きいか否かをさらに判断する(S615)。
【0043】
Z_TIMEが1+TIMEよりも大きい場合(S615でYES)、制御部2は、曲本体の終了時刻C_E_TIME =1+TIMEに設定する(S616)。つまり、曲本体の終了時刻は1+TIMEを超えることはないので、1+TIME がC_E_TIMEに設定される。一方、Z_TIMEが1+TIME以下である場合(S615でNO)、制御部2は、E_TIME = Z_TIMEに設定し(S613)、そして、E_TIME(= Z_TIME)がC_E_TIMEに設定される(S614)。すなわち、Z_TIMEと1+TIMEとのうち小さい方がC_E_TIMEに設定されることになる。
【0044】
一方、E_TIME が 1 + TIMEよりも小さい場合(S611でYES)、すなわち、音楽認識技術による曲本体の終了時刻が、放送局によって規定される所定時間と正式曲の総再生時間とに基づく終了時刻の最大値内である場合、制御部2は、E_TIMEがZ_TIMEよりも小さいか否かを判断する(S612)。つまり、音楽認識技術による曲本体の終了時刻が、キューシート上の放送終了時刻以内であるか否かが判断される。
【0045】
E_TIMEがZ_TIME以上である場合(S612でNO)、制御部2は、E_TIME = Z_TIMEに設定し、Z_TIME以上にならないようにE_TIMEを最大値Z_TIMEと等しくする(S613)。その後、制御部2は、C_E_TIME = E_TIME(= Z_TIME)に設定する(S614)。一方、E_TIMEがZ_TIMEよりも小さい場合(S612でYES)、制御部2は、C_E_TIME = E_TIMEに設定する(S614)。以上の処理によって、C_S_TIMEとC_E_TIMEとが特定される。
【0046】
以下の処理では、C_S_TIMEとC_E_TIMEとによって特定される曲本体が妥当であるか否かをチェックする。まず、制御部2は、(C_E_TIME−C_S_TIME)の減算処理を実行し、この結果をC_TIMEとする(S617)。つまり、上記処理によって決定した曲本体の再生時間(長さ)がC_TIMEとされる。
【0047】
制御部2は、C_TIMEがTIME以下であるか否かを判断する(S618)。つまり、特定された曲本体の再生時間が、正式曲の総再生時間TIME以内であるか否かが判断される。C_TIMEがTIME以下である場合(S618でYES)、そのままC_E_TIMEとC_S_TIMEとが曲本体の開始時刻及び終了時刻として特定され、処理を終了する。
【0048】
一方、C_TIMEがTIME よりも大きい場合(S618でNO)、すなわち、曲本体の再生時間が正式曲の総再生時間よりも大きい場合、制御部2は、C_TIME―TIME = DIF_TIMEを算出する(S619)。そして、制御部2は、曲本体の開始時刻C_S_TIMEをDIF_TIMEの1/2だけ後に移動させ(遅らせ)、終了時刻C_E_TIMEをDIF_TIMEの1/2だけ前に移動させる(早める)(S620)。これにより、C_TIMEの長さをTIMEと一致させることができる。開始時刻を遅らせ、終了時刻を早めるのは、曲本体の中央部分を抽出することができ、曲の中心となる部分を抽出できる可能性を高くできるからである。以上の処理により、音楽認識技術と、キューシートの放送開始時刻及び放送終了時刻と、正式曲の総再生時間とから、より正確に曲本体を特定することができる。
【0049】
図8〜図10は、上記図6の処理における曲本体の特定結果の一例を示す図である。(1)に示す線は最終的に曲本体として特定される部分を示す(C_S_TIMEからC_E_TIMEまでのデータ)。(2)に示す線は、参考のために総再生時間TIMEを有する正式曲のデータサイズを示す線である。(3)に示す線は、音楽認識技術で取得したS_TIMEからE_TIME(S604で得られる値)までのデータをそのまま記述した線である。
【0050】
図8は、音楽認識技術によって、適切なS_TIME、E_TIMEを取得できた場合の例を示す。図8では、S606でYES、S608でYES、S611でYES、S612でYES、S618でYESと判断された場合のパターンである。S604で取得されたS_TIME、E_TIMEがそのまま曲本体のC_S_TIME、C_E_TIMEとして設定されていることが分かる。
【0051】
図9は、S_TIMEおよびE_TIMEが不正と判断され、かつ、曲本体の再生時間が総再生時間を超えている場合の例を示す。図9では、S606でYES、S608でNO、S611でNO、S615でYES、S618でYESと判断されたパターンである。S_TIMEが1を超えていたために、S609で開始時刻が1に補正されている。また、S611でE_TIMEが1+TIMEを超えていると判断され、S616でC_E_TIMEが1+TIMEに補正されている。この補正により、S618での補正が適用されないことになるパターンである。
【0052】
図10は曲本体の再生時間が総再生時間より大きく、かつ、キューシート上の次の曲の放送開始時刻を越えている場合の例である。図10では、S606でYES、S608でYES、S611でYES、S612でNO、S618でNOと判断されたパターンである。E_TIMEがZ_TIMEを超えており、キューシート上の次の曲の放送開始時刻を超えているので、これをS613で補正している。また、C_TIMEがTIMEを超えていると判断され、S620でその差分を補正している。
【0053】
図11は、曲データを再生する際の処理を示すフローチャートである。ユーザ操作によって曲が選択され、再生指示が入力される(S1101)。制御部2は、再生指示された曲のC_S_TIMEへ再生開始位置を移動させ、再生部5に再生開始させる(S1102)。続いて、制御部2は、曲データの再生中において、C_E_TIMEまで再生したか否かを判断する(S1103)。C_E_TIMEまで再生した場合(S1103でYES)、制御部2は、選択された曲の再生を終了させ、曲リストにおける次の曲を選択し、選択された曲のC_S_TIMEへ再生開始位置を移動させ、再生開始させる(S1102)。以上の処理により、特定された曲本体のみを自動的に特定し、再生するので、曲本体のみを聴取したいユーザにとって、曲本体以外の余計な部分をユーザ操作によって早送りやスキップする必要なく、操作性が向上する。
【0054】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。上記のコンテンツ特定装置をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムまたはそのコンピュータプログラムを記録した記録媒体という形態で提供されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は、HDDレコーダやPC等のコンテンツ記録再生装置に好適に採用され得る。
【符号の説明】
【0056】
1 コンテンツ記録再生装置
2 制御部
3 HDD
4 メモリ
5 再生部
6 受信部
7 通信部
8 操作部
9 表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶媒体に記録されている、複数のコンテンツを含む放送データの中から、選択されたコンテンツのコンテンツ本体を特定するコンテンツ特定装置であって、
前記コンテンツに対する正式コンテンツの総再生時間TIMEを取得する手段と、
音楽認識技術によって、前記コンテンツにおける、コンテンツ本体の開始時刻S_TIMEおよび終了時刻E_TIMEを特定する手段と、
キューシートに基づいて、前記コンテンツの放送開始時刻から放送終了時刻までの時間である再生時間Z_TIMEを特定する手段と、
前記総再生時間TIME、前記開始時刻S_TIME、前記終了時刻E_TIMEおよび前記再生時間Z_TIMEに基づいて、コンテンツ本体の開始時刻C_S_TIMEおよびコンテンツ本体の終了時刻C_E_TIMEを特定する手段とを備える、コンテンツ特定装置。
【請求項2】
前記開始時刻S_TIMEが所定値より小さい場合に、前記開始時刻C_S_TIMEに前記開始時刻S_TIMEを設定する手段と、
前記開始時刻S_TIMEが前記所定値以上である場合に、前記開始時刻C_S_TIMEに前記所定値を設定する手段とをさらに備える、請求項1に記載のコンテンツ特定装置。
【請求項3】
前記終了時刻E_TIMEが前記総再生時間TIME+前記所定値よりも小さく、かつ、前記終了時刻E_TIMEが前記再生時間Z_TIMEよりも小さい場合、前記終了時刻C_E_TIMEに前記終了時刻E_TIMEを設定する手段をさらに備える、請求項1または2に記載のコンテンツ特定装置。
【請求項4】
前記終了時刻E_TIMEが前記総再生時間TIME+前記所定値よりも小さく、かつ、前記終了時刻E_TIMEが前記再生時間Z_TIME以上である場合、前記終了時刻C_E_TIMEに前記再生時間Z_TIMEを設定する手段をさらに備える、請求項1〜3のいずれかに記載のコンテンツ特定装置。
【請求項5】
前記終了時刻E_TIMEが前記総再生時間TIME+前記所定値以上である場合、前記再生時間Z_TIMEが前記総再生時間TIME+前記所定値よりも大きければ、前記終了時刻C_E_TIMEに前記総再生時間TIME+前記所定値を設定し、前記再生時間Z_TIMEが前記総再生時間TIME+前記所定値以下であれば、前記終了時刻C_E_TIMEに前記再生時間Z_TIMEを設定する手段をさらに備える、請求項1〜4のいずれかに記載のコンテンツ特定装置。
【請求項6】
前記再生時間Z_TIMEが前記総再生時間TIME以下である場合に、キューシートによって特定される放送開始時時刻を前記開始時刻C_S_TIMEに設定し、放送終了時刻を前記終了始時刻C_E_TIMEに設定する手段をさらに備える、請求項1〜5のいずれかに記載のコンテンツ特定装置。
【請求項7】
前記開始時刻C_S_TIMEから前記終了始時刻C_E_TIMEまでの時間であるC_TIMEが前記総再生時間TIMEよりも大きい場合、前記開始時刻C_S_TIMEを(C_TIME−TIME)÷2だけ遅らせ、前記終了時刻C_E_TIMEを(C_TIME−TIME)÷2だけ早める手段をさらに備える、請求項1〜6のいずれかに記載のコンテンツ特定装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載のコンテンツ特定装置の各手段をコンピュータに実行させる、コンテンツ特定プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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