コンバインの操作部構造
【課題】前部クラッチパネルと後部クラッチパネルを前後に分割して着脱自在に構成することで、個々のメンテナンスが容易に行えるようにし、また、後部クラッチパネルには前部クラッチパネルの外側方に沿わせて延出する延出パネル部を設けることによってレバーガイドの新設容易化並びに各種レバーの分解、組立の容易化を図る。
【解決手段】 運転席(5)の横側部に設置されたサイド操作ボックス(9)上には、レバーガイド溝(11)を備えた前部クラッチパネル(12)とレバーガイド溝(15)を備えた後部クラッチパネル(13)を前後に分割して設けると共に、後部クラッチパネル(13)を着脱可能に構成して設け、後部クラッチパネル(13)にはこの外側延出部より前部クラッチパネル(12)の側方を経て前部にまで延びる延出パネル部(13a)を設ける。
【解決手段】 運転席(5)の横側部に設置されたサイド操作ボックス(9)上には、レバーガイド溝(11)を備えた前部クラッチパネル(12)とレバーガイド溝(15)を備えた後部クラッチパネル(13)を前後に分割して設けると共に、後部クラッチパネル(13)を着脱可能に構成して設け、後部クラッチパネル(13)にはこの外側延出部より前部クラッチパネル(12)の側方を経て前部にまで延びる延出パネル部(13a)を設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コンバインの操作部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、運転席の左横側にあるサイド操作ボックス上には、変速レバーや副変速レバーなどを操作するためのレバーガイドを備えた前部操作パネルが設けられ、前部操作パネルの後方側には刈取クラッチレバー、脱穀クラッチレバーなどのレバーガイドを備えた後部操作パネルが設けられている。そして、これら前部操作パネル及び後部操作パネルは樹脂等によって一体成形されたものである(例えば、許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−63369号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、前部操作パネルと後部操作パネルを前後に分割して着脱自在に構成することで、個々のメンテナンスが容易に行えるようにし、また、後部操作パネルには前部操作パネルの外側方に沿わせて延出する延出パネル部を設けることによってレバーガイドの新設容易化並びに各種レバーの分解、組立の容易化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は、上記課題を解決すべく次のような技術的手段を講じた。
すなわち、請求項1記載の発明は、運転席(5)の横側に設置されたサイド操作ボックス(9)上に、レバーの操作案内用のガイド溝(11,15)を備えた操作パネルを設け、該操作パネルを前部操作パネル(12)と後部操作パネル(13)とに前後に分割し、前記後部操作パネル(13)には、該後部操作パネル(13)の外側延出部から前部操作パネル(12)の側方を経て前方に延びる延出パネル部(13a)を一体的に設け、該後部操作パネル(13)をサイド操作ボックス(9)上に着脱可能に構成したコンバインの操作部構造とする。
【0006】
操作パネルは前後に分割されているので、個々のメンテナンスが容易に行える。後部操作パネル(13)は、前部操作パネル(12)に対して単独で簡単に取外しすることができ、延出パネル部(13a)も後部操作パネル(13)と一緒に取り外すことができるので、各種レバーの分解、組立が容易にできる。延出パネル部(13a)には必要に応じてガイド溝を新設することができ、レバー操作が容易にできる。
【0007】
請求項2記載の発明は、前記前部操作パネル(12)に主変速レバー(10)用のガイド溝(11)を形成した請求項1記載のコンバインの操作部構造とする。
上記構成によると、前部操作パネル(12)の内側に変速レバー(10)のガイド溝を構成する別のパネルが不要となり、前部操作パネル(12)自体によってガイド溝(11)を構成することができて安価に実施できる。
【0008】
請求項3記載の発明は、前記後部操作パネル(13)の外側に防塵用のゴム垂れ(23)を垂下させて設けた請求項1又は請求項2記載のコンバインの操作部構造とする。
後部操作パネル(13)を取り外したときには、ゴム垂れ(23)も一緒に取り外しできるので、メンテナンス時に作業の邪魔にならない。
【0009】
請求項4記載の発明は、前記延出パネル部(13a)の前部にスロットルレバー(19)用のガイド溝(20)を設けた請求項1又は請求項2又は請求項3記載のコンバインの操作部構造とする。
【0010】
上記構成によると、スロットルレバー(19)の調整時には、簡単にパネルを取り外すことができるので、調整が容易に行える。
請求項5記載の発明は、前記前部操作パネル(12)および後部操作パネル(13)を取り付ける前後のフレーム(16,17)を、後部側のフレーム(17)が前部側のフレーム(16)よりも高くなる階段状に構成し、前部側のフレーム(16)の低位置にスロットルユニット(25)を配置した請求項1から請求項4のいずれか一項記載のコンバインの操作部構造とする。
【0011】
上記構成によると、前部側のフレーム(16)を低く、後部側のフレーム(17)を高くすることで、スロットルユニット(25)を支持するに充分なスペースを確保でき、コンパクトに構成することができる。
【発明の効果】
【0012】
請求項1記載の発明によれば、操作パネルを前後に分割することで、個々のメンテナンスが容易に行える。
また、後部操作パネル(13)は、前部操作パネル(12)に対して簡単に取外しすることができ、延出パネル部(13a)にあっても後部操作パネル(13)と一緒に取り外すことができるで、各種レバーの分解、組付けが容易にできる。
【0013】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加えて、前部操作パネル(12)の内側に主変速レバー(10)用のガイド溝を有する別のパネルが不要となり、前部操作パネル(12)自体によってガイド溝を構成するので、従来のような2重構成を要せず、安価に実施することができる。
【0014】
請求項3記載の発明によれば、請求項1又は請求項2記載の発明の効果に加えて、後部操作パネル(13)を取り外したときには、ゴム垂れ(23)も一緒に取り外しができるので、メンテナンス時に作業の邪魔にならず、作業が能率よく行える。
【0015】
請求項4記載の発明によれば、請求項1又は請求項2又は請求項3記載の発明の効果に加えて、スロットルレバー(19)の調整時には、簡単に延出パネル部(13a)を取り外すことができるので、レバー調整を容易に行うことができる。
【0016】
請求項5記載の発明によれば、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の効果に加えて、前部側のフレーム(16)を低くすることで、スロットルユニット(25)を装着するに足る充分なスペースを確保でき、コンパクトに構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】コンバインの左側面図
【図2】コンバインの正面図
【図3】コンバインの運転操作部の側面図
【図4】同上要部の平面図
【図5】コンバイン要部の右側面図
【図6】同上要部の側面図
【図7】同上要部の平面図
【図8】運転操作ボックスの平面図
【図9】運転操作部の要部の右側面図
【図10】同上要部の正面図
【図11】同上要部の平面図
【図12】走行クローラの要部の側面図
【図13】同上別実施例の側面図
【図14】同上別実施例の側面図
【図15】油圧回路図
【発明を実施するための形態】
【0018】
この発明の実施例を図面に基づき説明する。
コンバインの走行車体1には、左右一対の走行クローラ2,2を備え、後部に搭載した脱穀部(脱穀装置)3の前方部に刈取部4を設置し,刈取部4の横側部には運転席5や操作ボックス6等からなる運転操作部を備え、更に、その運転操作部の後方には脱穀粒を一時的に貯留するグレンタンクGを装備している。
【0019】
脱穀部3は、脱穀フィードチエンにより株元を挟持しながら搬送される穀稈の穂先部を扱室内で駆動回転する扱胴により脱穀処理するよう構成している。
刈取部4は、分草後の穀稈を引き起す引起し装置4a、引起し後の穀稈を刈り取る刈取装置4b、刈取後の穀稈を掻込搬送する掻込搬送装置、掻込搬送後の穀稈を脱穀部に揚上搬送する揚上搬送装置4c等からなる。
【0020】
操作ボックス6は、運転席5の前側に位置しパワステレバー7を備えたフロント操作ボックス8と運転席5の左側部に配置するサイド操作ボックス9からなる。
サイド操作ボックス9上には、主変速レバー(HSTレバー)10のガイド溝11を備えた前部操作パネル12と、副変速レバー14などのガイド溝15を備えた後部操作パネル13を前後二つに分割して設け、前部操作パネル12は、前部側を低くした前部フレーム16に取付支持し、後部操作パネル13は、後部側を高くした後部フレーム17にステー18を介して着脱自在にボルト止めしている。
【0021】
前記後部操作パネル13には、この左外側延出部より前部操作パネル12の左側方を経てこれの前部にまで延びる延出パネル部13aを一体的に連設した構成としている。なお、後部操作パネル13を後部フレーム17から取り外すと、延出パネル部13aも一緒に取り外しができるようになっている。
【0022】
そして、この延出パネル部13aの前部側には、スロットルレバー19の前後方向の操作を案内するガイド溝20を設けてあり、また、延出パネル部13aの後部側には刈脱クラッチレバー(刈取脱穀クラッチレバー)21の操作を案内する刈脱ガイド溝22を設けた構成としている。
【0023】
なお、前部操作パネル12の左側にスロットルレバーを配置した場合には、後部操作パネルを外すとスロットルレバーがむき出しになり、メンテナンスが容易で、スロットレバー溝の加工が不要となる。
【0024】
後部操作パネル13の左側には藁屑などの侵入を防ぐゴム垂れ23を取り付けて下方に垂下させている。
前後の操作パネル12,13を取付支持する後部フレーム17は高く、前部フレーム16は後部側より低くなるように階段状に構成している。そして、後部側より低くした前部側の低い位置にレバー19のスロットルユニット25を配置して支持するように構成している。
【0025】
スロットルレバー19は、支持プレート26に軸受保持された支点軸27を支点として前後に揺動操作できる構成であり、スロットルアーム28の作動によりスロットルワイヤー29を押し引きするようになっている。駆動ギヤ30は、スロットルレバー19と支点軸27周りに一体回動するようになっており、モータMによってピニオンギヤ33を介して駆動されるようになっている。なお、前記駆動ギヤ30の前方は、前記延出パネル部13aの前方延出部でガードするようになっている。
【0026】
支持プレート26は、フロント操作フレーム31と、前部フレーム16と後部フレーム17とを繋ぐ繋ぎ部材32とにわたって着脱自在に連結保持させている。
図8〜図11例について説明すると、刈脱クラッチレバー21の左右方向の操作で刈取SW35を「入」「切」させる構成のものにおいて、副変速レバー14を「走行速」位置に操作すると、該副変速レバー14に取り付けた牽制ガイド板36により、刈取クラッチ「切」方向、つまり、刈脱クラッチレバー21を切り方向に作動させるべく連動構成している。この構成によると、走行速での刈取作業を未然に防止することができ、常に適正な刈取速度でもって作業を行うことができる。
【0027】
走行クローラのイコライザ装置について説明すると、図12例では、横軸38を回動支点として前後の転輪39F1,39R1及び39F2,39R2を揺動可能に装備したイコライザ40を2個装備して互いに交差させて配置し、各イコライザ40,40の前側の転輪39F1,39F2の外径は、後側の転輪39R1,39R2の外径よりも大きくしている。この構成によると、各イコライザの前側の径を大きくすることで、障害物を乗り越えるときのショックを小さくすることができる。
【0028】
図13例では、前転輪39F1と後転輪39R2を径大とし、前転輪39F2と後転輪39R1は、前記前転輪39F1、後転輪39R2のそれよりも小径としている。かかる構成によっても、図12例と同様に障害物を乗り越えるときのショックを小さくすることができる。
【0029】
また、図14例に示すように、各イコライザの後転輪39R1,39R2の径を、前側のイコライザの転輪(39F1,39F2)径よりも大きくすることで、上記と同様の効果を奏することができる。
【0030】
通常作業中、油圧回路は通常に作動するが、図15に示すように、ウインカスイッチ42が左又は右に「ON」になった場合は、路上走行時の高速旋回が起こることを予測し、予め、パワーステアリングのパワステ油圧回路43を電子制御部44の出力により高圧低圧切替部45を制御して高圧側から低圧側に切り替えるように構成しておくと、高速移動時におけるパワステレバー7による左右旋回操作時に機体が急激に旋回してオペレータが振り落とされる等の不測の事故を未然に防止することができる。
【符号の説明】
【0031】
5 運転席
9 サイド操作ボックス
10 主変速レバー
11 ガイド溝
12 前部操作パネル
13 後部操作パネル
13a 延出パネル部
16 前部フレーム(前部側のフレーム)
17 後部フレーム(後部側のフレーム)
19 スロットルレバー
23 ゴム垂れ
25 スロットルユニット
【技術分野】
【0001】
この発明は、コンバインの操作部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、運転席の左横側にあるサイド操作ボックス上には、変速レバーや副変速レバーなどを操作するためのレバーガイドを備えた前部操作パネルが設けられ、前部操作パネルの後方側には刈取クラッチレバー、脱穀クラッチレバーなどのレバーガイドを備えた後部操作パネルが設けられている。そして、これら前部操作パネル及び後部操作パネルは樹脂等によって一体成形されたものである(例えば、許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−63369号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、前部操作パネルと後部操作パネルを前後に分割して着脱自在に構成することで、個々のメンテナンスが容易に行えるようにし、また、後部操作パネルには前部操作パネルの外側方に沿わせて延出する延出パネル部を設けることによってレバーガイドの新設容易化並びに各種レバーの分解、組立の容易化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は、上記課題を解決すべく次のような技術的手段を講じた。
すなわち、請求項1記載の発明は、運転席(5)の横側に設置されたサイド操作ボックス(9)上に、レバーの操作案内用のガイド溝(11,15)を備えた操作パネルを設け、該操作パネルを前部操作パネル(12)と後部操作パネル(13)とに前後に分割し、前記後部操作パネル(13)には、該後部操作パネル(13)の外側延出部から前部操作パネル(12)の側方を経て前方に延びる延出パネル部(13a)を一体的に設け、該後部操作パネル(13)をサイド操作ボックス(9)上に着脱可能に構成したコンバインの操作部構造とする。
【0006】
操作パネルは前後に分割されているので、個々のメンテナンスが容易に行える。後部操作パネル(13)は、前部操作パネル(12)に対して単独で簡単に取外しすることができ、延出パネル部(13a)も後部操作パネル(13)と一緒に取り外すことができるので、各種レバーの分解、組立が容易にできる。延出パネル部(13a)には必要に応じてガイド溝を新設することができ、レバー操作が容易にできる。
【0007】
請求項2記載の発明は、前記前部操作パネル(12)に主変速レバー(10)用のガイド溝(11)を形成した請求項1記載のコンバインの操作部構造とする。
上記構成によると、前部操作パネル(12)の内側に変速レバー(10)のガイド溝を構成する別のパネルが不要となり、前部操作パネル(12)自体によってガイド溝(11)を構成することができて安価に実施できる。
【0008】
請求項3記載の発明は、前記後部操作パネル(13)の外側に防塵用のゴム垂れ(23)を垂下させて設けた請求項1又は請求項2記載のコンバインの操作部構造とする。
後部操作パネル(13)を取り外したときには、ゴム垂れ(23)も一緒に取り外しできるので、メンテナンス時に作業の邪魔にならない。
【0009】
請求項4記載の発明は、前記延出パネル部(13a)の前部にスロットルレバー(19)用のガイド溝(20)を設けた請求項1又は請求項2又は請求項3記載のコンバインの操作部構造とする。
【0010】
上記構成によると、スロットルレバー(19)の調整時には、簡単にパネルを取り外すことができるので、調整が容易に行える。
請求項5記載の発明は、前記前部操作パネル(12)および後部操作パネル(13)を取り付ける前後のフレーム(16,17)を、後部側のフレーム(17)が前部側のフレーム(16)よりも高くなる階段状に構成し、前部側のフレーム(16)の低位置にスロットルユニット(25)を配置した請求項1から請求項4のいずれか一項記載のコンバインの操作部構造とする。
【0011】
上記構成によると、前部側のフレーム(16)を低く、後部側のフレーム(17)を高くすることで、スロットルユニット(25)を支持するに充分なスペースを確保でき、コンパクトに構成することができる。
【発明の効果】
【0012】
請求項1記載の発明によれば、操作パネルを前後に分割することで、個々のメンテナンスが容易に行える。
また、後部操作パネル(13)は、前部操作パネル(12)に対して簡単に取外しすることができ、延出パネル部(13a)にあっても後部操作パネル(13)と一緒に取り外すことができるで、各種レバーの分解、組付けが容易にできる。
【0013】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加えて、前部操作パネル(12)の内側に主変速レバー(10)用のガイド溝を有する別のパネルが不要となり、前部操作パネル(12)自体によってガイド溝を構成するので、従来のような2重構成を要せず、安価に実施することができる。
【0014】
請求項3記載の発明によれば、請求項1又は請求項2記載の発明の効果に加えて、後部操作パネル(13)を取り外したときには、ゴム垂れ(23)も一緒に取り外しができるので、メンテナンス時に作業の邪魔にならず、作業が能率よく行える。
【0015】
請求項4記載の発明によれば、請求項1又は請求項2又は請求項3記載の発明の効果に加えて、スロットルレバー(19)の調整時には、簡単に延出パネル部(13a)を取り外すことができるので、レバー調整を容易に行うことができる。
【0016】
請求項5記載の発明によれば、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の効果に加えて、前部側のフレーム(16)を低くすることで、スロットルユニット(25)を装着するに足る充分なスペースを確保でき、コンパクトに構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】コンバインの左側面図
【図2】コンバインの正面図
【図3】コンバインの運転操作部の側面図
【図4】同上要部の平面図
【図5】コンバイン要部の右側面図
【図6】同上要部の側面図
【図7】同上要部の平面図
【図8】運転操作ボックスの平面図
【図9】運転操作部の要部の右側面図
【図10】同上要部の正面図
【図11】同上要部の平面図
【図12】走行クローラの要部の側面図
【図13】同上別実施例の側面図
【図14】同上別実施例の側面図
【図15】油圧回路図
【発明を実施するための形態】
【0018】
この発明の実施例を図面に基づき説明する。
コンバインの走行車体1には、左右一対の走行クローラ2,2を備え、後部に搭載した脱穀部(脱穀装置)3の前方部に刈取部4を設置し,刈取部4の横側部には運転席5や操作ボックス6等からなる運転操作部を備え、更に、その運転操作部の後方には脱穀粒を一時的に貯留するグレンタンクGを装備している。
【0019】
脱穀部3は、脱穀フィードチエンにより株元を挟持しながら搬送される穀稈の穂先部を扱室内で駆動回転する扱胴により脱穀処理するよう構成している。
刈取部4は、分草後の穀稈を引き起す引起し装置4a、引起し後の穀稈を刈り取る刈取装置4b、刈取後の穀稈を掻込搬送する掻込搬送装置、掻込搬送後の穀稈を脱穀部に揚上搬送する揚上搬送装置4c等からなる。
【0020】
操作ボックス6は、運転席5の前側に位置しパワステレバー7を備えたフロント操作ボックス8と運転席5の左側部に配置するサイド操作ボックス9からなる。
サイド操作ボックス9上には、主変速レバー(HSTレバー)10のガイド溝11を備えた前部操作パネル12と、副変速レバー14などのガイド溝15を備えた後部操作パネル13を前後二つに分割して設け、前部操作パネル12は、前部側を低くした前部フレーム16に取付支持し、後部操作パネル13は、後部側を高くした後部フレーム17にステー18を介して着脱自在にボルト止めしている。
【0021】
前記後部操作パネル13には、この左外側延出部より前部操作パネル12の左側方を経てこれの前部にまで延びる延出パネル部13aを一体的に連設した構成としている。なお、後部操作パネル13を後部フレーム17から取り外すと、延出パネル部13aも一緒に取り外しができるようになっている。
【0022】
そして、この延出パネル部13aの前部側には、スロットルレバー19の前後方向の操作を案内するガイド溝20を設けてあり、また、延出パネル部13aの後部側には刈脱クラッチレバー(刈取脱穀クラッチレバー)21の操作を案内する刈脱ガイド溝22を設けた構成としている。
【0023】
なお、前部操作パネル12の左側にスロットルレバーを配置した場合には、後部操作パネルを外すとスロットルレバーがむき出しになり、メンテナンスが容易で、スロットレバー溝の加工が不要となる。
【0024】
後部操作パネル13の左側には藁屑などの侵入を防ぐゴム垂れ23を取り付けて下方に垂下させている。
前後の操作パネル12,13を取付支持する後部フレーム17は高く、前部フレーム16は後部側より低くなるように階段状に構成している。そして、後部側より低くした前部側の低い位置にレバー19のスロットルユニット25を配置して支持するように構成している。
【0025】
スロットルレバー19は、支持プレート26に軸受保持された支点軸27を支点として前後に揺動操作できる構成であり、スロットルアーム28の作動によりスロットルワイヤー29を押し引きするようになっている。駆動ギヤ30は、スロットルレバー19と支点軸27周りに一体回動するようになっており、モータMによってピニオンギヤ33を介して駆動されるようになっている。なお、前記駆動ギヤ30の前方は、前記延出パネル部13aの前方延出部でガードするようになっている。
【0026】
支持プレート26は、フロント操作フレーム31と、前部フレーム16と後部フレーム17とを繋ぐ繋ぎ部材32とにわたって着脱自在に連結保持させている。
図8〜図11例について説明すると、刈脱クラッチレバー21の左右方向の操作で刈取SW35を「入」「切」させる構成のものにおいて、副変速レバー14を「走行速」位置に操作すると、該副変速レバー14に取り付けた牽制ガイド板36により、刈取クラッチ「切」方向、つまり、刈脱クラッチレバー21を切り方向に作動させるべく連動構成している。この構成によると、走行速での刈取作業を未然に防止することができ、常に適正な刈取速度でもって作業を行うことができる。
【0027】
走行クローラのイコライザ装置について説明すると、図12例では、横軸38を回動支点として前後の転輪39F1,39R1及び39F2,39R2を揺動可能に装備したイコライザ40を2個装備して互いに交差させて配置し、各イコライザ40,40の前側の転輪39F1,39F2の外径は、後側の転輪39R1,39R2の外径よりも大きくしている。この構成によると、各イコライザの前側の径を大きくすることで、障害物を乗り越えるときのショックを小さくすることができる。
【0028】
図13例では、前転輪39F1と後転輪39R2を径大とし、前転輪39F2と後転輪39R1は、前記前転輪39F1、後転輪39R2のそれよりも小径としている。かかる構成によっても、図12例と同様に障害物を乗り越えるときのショックを小さくすることができる。
【0029】
また、図14例に示すように、各イコライザの後転輪39R1,39R2の径を、前側のイコライザの転輪(39F1,39F2)径よりも大きくすることで、上記と同様の効果を奏することができる。
【0030】
通常作業中、油圧回路は通常に作動するが、図15に示すように、ウインカスイッチ42が左又は右に「ON」になった場合は、路上走行時の高速旋回が起こることを予測し、予め、パワーステアリングのパワステ油圧回路43を電子制御部44の出力により高圧低圧切替部45を制御して高圧側から低圧側に切り替えるように構成しておくと、高速移動時におけるパワステレバー7による左右旋回操作時に機体が急激に旋回してオペレータが振り落とされる等の不測の事故を未然に防止することができる。
【符号の説明】
【0031】
5 運転席
9 サイド操作ボックス
10 主変速レバー
11 ガイド溝
12 前部操作パネル
13 後部操作パネル
13a 延出パネル部
16 前部フレーム(前部側のフレーム)
17 後部フレーム(後部側のフレーム)
19 スロットルレバー
23 ゴム垂れ
25 スロットルユニット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転席(5)の横側に設置されたサイド操作ボックス(9)上に、レバーの操作案内用のガイド溝(11,15)を備えた操作パネルを設け、該操作パネルを前部操作パネル(12)と後部操作パネル(13)とに前後に分割し、前記後部操作パネル(13)には、該後部操作パネル(13)の外側延出部から前部操作パネル(12)の側方を経て前方に延びる延出パネル部(13a)を一体的に設け、該後部操作パネル(13)をサイド操作ボックス(9)上に着脱可能に構成したコンバインの操作部構造。
【請求項2】
前記前部操作パネル(12)に主変速レバー(10)用のガイド溝(11)を形成した請求項1記載のコンバインの操作部構造。
【請求項3】
前記後部操作パネル(13)の外側に防塵用のゴム垂れ(23)を垂下させて設けた請求項1又は請求項2記載のコンバインの操作部構造。
【請求項4】
前記延出パネル部(13a)の前部にスロットルレバー(19)用のガイド溝(20)を設けた請求項1又は請求項2又は請求項3記載のコンバインの操作部構造。
【請求項5】
前記前部操作パネル(12)および後部操作パネル(13)を取り付ける前後のフレーム(16,17)を、後部側のフレーム(17)が前部側のフレーム(16)よりも高くなる階段状に構成し、前部側のフレーム(16)の低位置にスロットルユニット(25)を配置した請求項1から請求項4のいずれか一項記載のコンバインの操作部構造。
【請求項1】
運転席(5)の横側に設置されたサイド操作ボックス(9)上に、レバーの操作案内用のガイド溝(11,15)を備えた操作パネルを設け、該操作パネルを前部操作パネル(12)と後部操作パネル(13)とに前後に分割し、前記後部操作パネル(13)には、該後部操作パネル(13)の外側延出部から前部操作パネル(12)の側方を経て前方に延びる延出パネル部(13a)を一体的に設け、該後部操作パネル(13)をサイド操作ボックス(9)上に着脱可能に構成したコンバインの操作部構造。
【請求項2】
前記前部操作パネル(12)に主変速レバー(10)用のガイド溝(11)を形成した請求項1記載のコンバインの操作部構造。
【請求項3】
前記後部操作パネル(13)の外側に防塵用のゴム垂れ(23)を垂下させて設けた請求項1又は請求項2記載のコンバインの操作部構造。
【請求項4】
前記延出パネル部(13a)の前部にスロットルレバー(19)用のガイド溝(20)を設けた請求項1又は請求項2又は請求項3記載のコンバインの操作部構造。
【請求項5】
前記前部操作パネル(12)および後部操作パネル(13)を取り付ける前後のフレーム(16,17)を、後部側のフレーム(17)が前部側のフレーム(16)よりも高くなる階段状に構成し、前部側のフレーム(16)の低位置にスロットルユニット(25)を配置した請求項1から請求項4のいずれか一項記載のコンバインの操作部構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2013−94105(P2013−94105A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−239157(P2011−239157)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]