コンバイン用ホッパ
【課題】本発明の課題は、透視窓からの透視範囲がホッパ内全体に及ぶようにし、ホッパ内を一望することのできる貯留ホッパを具現することにある。
【解決手段】本発明は、ホッパ(8)前面に設けられた透視窓(12)からホッパ内を透視する視角範囲を視角下限(S1)と視角上限(S2)とに設定し、視角下限(S1)は、ホッパ傾斜底面(8a)が透視窓(12)下縁とホッパ出口(9)を結ぶ後方下りの急傾斜面とし、視角上限(S2)は、ホッパ天井壁面(8u)が透視窓(12)上縁からホッパ後端部を結ぶ略水平若しくは後方上りの緩傾斜面とするホッパ構造。
【解決手段】本発明は、ホッパ(8)前面に設けられた透視窓(12)からホッパ内を透視する視角範囲を視角下限(S1)と視角上限(S2)とに設定し、視角下限(S1)は、ホッパ傾斜底面(8a)が透視窓(12)下縁とホッパ出口(9)を結ぶ後方下りの急傾斜面とし、視角上限(S2)は、ホッパ天井壁面(8u)が透視窓(12)上縁からホッパ後端部を結ぶ略水平若しくは後方上りの緩傾斜面とするホッパ構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コンバイン用のホッパに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、脱穀部の側部に設置された穀粒貯留装置には、運転者の背中に面する側壁の一部に開口部が設けられ、更に、該開口部には透明な蓋体が設けられている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−113378号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記透明な蓋体は、穀粒量が満杯に近づいたことを目視できるように穀粒貯留装置内の比較的高い位置に設けられたものであるため、透視範囲が穀粒貯留装置内上部のみに限られ、穀粒貯留装置内全体の透視が困難であった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は、上記課題を解決すべく次のような技術的手段を講じた。
すなわち、請求項1記載の発明は、ホッパ(8)の前面に該ホッパ(8)の内部を透視する透視窓(12)を設け、該透視窓(12)からホッパ(8)内を透視する上下方向の視角範囲を視角下限(S1)と視角上限(S2)との間の範囲として設定するに、前記透視窓(12)の下縁とホッパ(8)の出口(9)とを結ぶ後方下がりの急傾斜面であるホッパ(8)の傾斜底面(8a)によって視角下限(S1)を設定し、前記透視窓(12)の上縁からホッパ(8)の後端部を結ぶ略水平若しくは後方上がりの緩傾斜面であるホッパ(8)の天井壁面(8u)によって視角上限(S2)を設定したことを特徴とするコンバイン用ホッパとする。
【0006】
作業者は、運転席から後方に振り向いてホッパ(8)内を透視窓から覗くだけで、ホッパ(8)内の後部、ホッパ(8)の出口(9)までの漏斗状の傾斜底面(8a)部など、ホッパ(8)内全体を一望することができる。そのため、作業者は、わざわざ点検蓋を開けてホッパ(8)内の籾の溜まり状態を確認する必要がなく、透視窓からホッパ(8)内の籾量を容易に確認することができる。
【0007】
また、請求項2記載の発明は、前記透視窓(12)を球面状の透明体によって構成したことを特徴とする請求項1記載のコンバイン用ホッパとする。
このように透視窓(12)を球面状の透明体で構成することで、この透視窓(12)の内面が穀粒によって傷付けられにくくなる。
【発明の効果】
【0008】
請求項1記載の発明によれば、ホッパ(8)の前面に設けられた透視窓(12)からホッパ(8)内全体を一望することができ、作業者はいちいち点検蓋を開けてホッパ(8)内の籾の溜まり状態を確認する必要がなく、透視窓(12)からホッパ(8)内の籾量を容易に確認することができ、コンバインによる作業能率を高めることができる。
【0009】
請求項2記載の発明によれば、上記請求項1記載の発明の効果を奏するうえに、透視窓(12)を球面状の透明体で構成することで、この透視窓(12)の内面を穀粒によって傷付けられにくくでき、ホッパ(8)内部の視認性を良好に維持して、コンバインの作業能率を更に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】コンバインの側面図
【図2】ホッパ要部の正面図
【図3】ホッパ内部の平面図
【図4】ホッパ及び揚穀筒の側面図
【図5】同上背面図
【図6】ホッパ内の籾排出分布状態を示す平面図
【図7】コンバインの側面図
【図8】貯留ホッパの要部破断側面図
【図9】貯留ホッパの要部の側面図
【図10】同上要部の背面図
【図11】同上要部の平面図
【図12】コンバインの側面図
【図13】同上背面図
【発明を実施するための形態】
【0011】
この発明の実施例を図面に基づき説明する。
図1は、コンバインの側面図を示すものであり、この走行車体1には、左右一対の走行クローラ2,2を備え、後部に搭載した脱穀部(脱穀装置)4の前方部に刈取部3を設置し,刈取部3の横側部には運転席5や操作ボックス6等からなる運転操作部を備え、更に、その運転操作部の後方で、且つ前記脱穀部4の横側部には、脱穀部4の1番揚穀装置(1番揚穀筒)7からの脱穀粒を受け入れて一時的に貯留する袋詰用のホッパ8を装備している。
【0012】
ホッパ8には、漏斗状の傾斜底面8a,8b,8c,8dの下端に出口9に通ずる排出筒10が設けられ、この排出筒10部に設けられた開閉シャッター11を開けると、ホッパ8内の穀粒が袋ホルダに吊持された袋内に詰め込まれるようになっている。
【0013】
ホッパ8の前側壁面部(前面)8fには、前方に向けて膨出する半球状(球面状)の透明体からなる透視可能な透視窓12が設けられている。この透視窓12は、半球状とすることで、左右上下の視角範囲を大きくとることができる。また、この透視窓12が球面状であることで、この透視窓12の内面に穀粒が当たりにくく、この透視窓12が傷付きにくくなり、ホッパ8内部の視認性を良好に維持できる。また、透視窓12は、正面視でホッパ8の左右幅方向中央部に設定され、しかも、ホッパ8の後傾斜前面8f、即ち、下端側より上端側ほど後位となるよう後傾斜角をもつ前面8fに設定することで、作業者は運転席に座ったままでも後方に振り向いて斜め下方を見下ろしながら透視窓を注視することができ、ホッパ8内の穀粒充填量が容易に確認できる。
【0014】
また、作業者が透視窓12からホッパ8内を透視する上下の視角範囲を視角下限S1と視角上限S2とに設定し、視角下限S1は、ホッパ8の傾斜底面8aが透視窓12下縁とホッパ8の出口(穀粒排出口)9を結ぶ後方下りの急傾斜面とし、視角上限S2は、ホッパ8の天井壁面8uが透視窓上縁からホッパ8後端部を結ぶ略水平若しくは後方上りの緩傾斜面となるよう形成している。従って、作業者が透視窓12から透視すれば、ホッパ8内全面を透視することができ、更に、ホッパ8下部の出口9部も透視できるので、出口9部での詰まりの状態や、シャッターの開閉の有無等早期に確認することができる。
【0015】
ホッパ8前面の左右中心部に設けた透視窓12の後方部で天井壁面8uに開閉可能な点検蓋13を設けることで、透視窓12より穀粒の充填量を確認し、点検蓋を開けてホッパ8内の点検が行えるようにしている。
【0016】
次に、前記1番揚穀装置7の構成例について詳しく説明すると、ホッパ8内に臨む揚穀筒7先端の籾吐出口部15の形状構成として、図4に示すように、該籾吐出口の前側を開口面積小(図例では上下幅を狭くしている。)の第1吐き出し口15aとし、後側を開口面積大(図例では上下幅を広くしている。)の第2吐き出し口15bとすべく大きさの異なった籾吐出口部の構成とすることで、第1吐き出し口15aでホッパ8の前面から右側面の前半分程度(図6の碁盤目部)の面積に籾を排出し、第2吐き出し口15bではホッパ8の右側面の後半分程度(図6の斜線部)から後面に至る面積に籾を排出させるようにしている。籾吐出口部15の形状が四角型であると、ホッパ8内の籾の充填量が不均一で、ホッパ8の容量を充分確保することができない。本例では、上記構成とすることで、ホッパ8内に籾が均一に溜まり、大容量を確保することができる。なお、籾吐出口の開口面積は、前側が小さく後側ほど順次大きくなるように構成するものであってもよい。
【0017】
図7に示す実施例は、ホッパ8の後面を側面視で脱穀部4の後部に配置された排藁カッタ16後面と同じ位置まで張り出した構成としている。これにより、機体全長を伸ばすことなく、大容量のホッパ形状を具現することができる。
【0018】
また、図8に示すように、ホッパ8において、これを側面視でホッパ8の出口9の垂直面に対する前側傾斜底面8aの傾斜角θ1、後側傾斜底面8bの傾斜角θ2、後側傾斜底面8bより更に後方に延出する部分8b1の傾斜角をθ3とすると、それらの角度θ1=θ2<θ3とすることにより容量を大きくとることができる。つまり、θ3をθ1,θ2より大きくとることで、ホッパ8の容量を大きくとることができ、また、θ1=θ2とすることで籾を均一に排出することができる。
【0019】
図9〜図11に示す実施例は、ホッパ8内において、揚穀筒7の籾吐出口15部の近傍でこれと略同じ高さ位置にグレンセンサ17をホッパ内壁面から突設する取付板18に装着して設け、グレンセンサ17と籾吐出口15との間には、該吐出口から排出される籾によって障害を受けないようにグレンセンサ17を防護するガードプレート19を前記取付板18に設けた構成としている。グレンセンサ17は籾吐出口部15の近傍で略同じ高さ位置に設けることで、大容量を確保しながら籾満杯状態を検出でき、グレンセンサ17の感度も正確となり、しかも、グレンセンサ17はガードされているので、吐出口からの籾が直接グレンセンサ17に当たることがなく、不慮の破損を招くことがない。
【0020】
貯留ホッパ8は、図12及び図13に示すように、5箇所の支持ステー21,22,23,24,25、によって機体側に装着支持されている。つまり、支持ステー21は、ホッパ8の傾斜底面(左側)8d側を揚穀筒7に連結保持させている。支持ステー22はホッパの前側傾斜底面8a側部分が、支持ステー23はホッパ8の後側傾斜底面8b側部分が機体側支持フレームに装着支持され、また、支持ステー24は、ホッパ8の後側壁面部(後面)8rの左右幅方向中央部分が排藁カッタ16上方のカバー支持枠26に装着支持され、更に、支持ステー25は、ホッパ8の後側壁面部(後面)8rの左側寄り部分が前記カバー支持枠26に装着支持された構造になっている。かかる支持構成により、ホッパ8を均等に支持することができ、安定した強度を保持することができる。
【符号の説明】
【0021】
8 貯留ホッパ
8a ホッパの傾斜底面(前側)
88u ホッパの天井壁面
12 透視窓
S1 視角下限
S2 視角上限
【技術分野】
【0001】
この発明は、コンバイン用のホッパに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、脱穀部の側部に設置された穀粒貯留装置には、運転者の背中に面する側壁の一部に開口部が設けられ、更に、該開口部には透明な蓋体が設けられている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−113378号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記透明な蓋体は、穀粒量が満杯に近づいたことを目視できるように穀粒貯留装置内の比較的高い位置に設けられたものであるため、透視範囲が穀粒貯留装置内上部のみに限られ、穀粒貯留装置内全体の透視が困難であった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は、上記課題を解決すべく次のような技術的手段を講じた。
すなわち、請求項1記載の発明は、ホッパ(8)の前面に該ホッパ(8)の内部を透視する透視窓(12)を設け、該透視窓(12)からホッパ(8)内を透視する上下方向の視角範囲を視角下限(S1)と視角上限(S2)との間の範囲として設定するに、前記透視窓(12)の下縁とホッパ(8)の出口(9)とを結ぶ後方下がりの急傾斜面であるホッパ(8)の傾斜底面(8a)によって視角下限(S1)を設定し、前記透視窓(12)の上縁からホッパ(8)の後端部を結ぶ略水平若しくは後方上がりの緩傾斜面であるホッパ(8)の天井壁面(8u)によって視角上限(S2)を設定したことを特徴とするコンバイン用ホッパとする。
【0006】
作業者は、運転席から後方に振り向いてホッパ(8)内を透視窓から覗くだけで、ホッパ(8)内の後部、ホッパ(8)の出口(9)までの漏斗状の傾斜底面(8a)部など、ホッパ(8)内全体を一望することができる。そのため、作業者は、わざわざ点検蓋を開けてホッパ(8)内の籾の溜まり状態を確認する必要がなく、透視窓からホッパ(8)内の籾量を容易に確認することができる。
【0007】
また、請求項2記載の発明は、前記透視窓(12)を球面状の透明体によって構成したことを特徴とする請求項1記載のコンバイン用ホッパとする。
このように透視窓(12)を球面状の透明体で構成することで、この透視窓(12)の内面が穀粒によって傷付けられにくくなる。
【発明の効果】
【0008】
請求項1記載の発明によれば、ホッパ(8)の前面に設けられた透視窓(12)からホッパ(8)内全体を一望することができ、作業者はいちいち点検蓋を開けてホッパ(8)内の籾の溜まり状態を確認する必要がなく、透視窓(12)からホッパ(8)内の籾量を容易に確認することができ、コンバインによる作業能率を高めることができる。
【0009】
請求項2記載の発明によれば、上記請求項1記載の発明の効果を奏するうえに、透視窓(12)を球面状の透明体で構成することで、この透視窓(12)の内面を穀粒によって傷付けられにくくでき、ホッパ(8)内部の視認性を良好に維持して、コンバインの作業能率を更に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】コンバインの側面図
【図2】ホッパ要部の正面図
【図3】ホッパ内部の平面図
【図4】ホッパ及び揚穀筒の側面図
【図5】同上背面図
【図6】ホッパ内の籾排出分布状態を示す平面図
【図7】コンバインの側面図
【図8】貯留ホッパの要部破断側面図
【図9】貯留ホッパの要部の側面図
【図10】同上要部の背面図
【図11】同上要部の平面図
【図12】コンバインの側面図
【図13】同上背面図
【発明を実施するための形態】
【0011】
この発明の実施例を図面に基づき説明する。
図1は、コンバインの側面図を示すものであり、この走行車体1には、左右一対の走行クローラ2,2を備え、後部に搭載した脱穀部(脱穀装置)4の前方部に刈取部3を設置し,刈取部3の横側部には運転席5や操作ボックス6等からなる運転操作部を備え、更に、その運転操作部の後方で、且つ前記脱穀部4の横側部には、脱穀部4の1番揚穀装置(1番揚穀筒)7からの脱穀粒を受け入れて一時的に貯留する袋詰用のホッパ8を装備している。
【0012】
ホッパ8には、漏斗状の傾斜底面8a,8b,8c,8dの下端に出口9に通ずる排出筒10が設けられ、この排出筒10部に設けられた開閉シャッター11を開けると、ホッパ8内の穀粒が袋ホルダに吊持された袋内に詰め込まれるようになっている。
【0013】
ホッパ8の前側壁面部(前面)8fには、前方に向けて膨出する半球状(球面状)の透明体からなる透視可能な透視窓12が設けられている。この透視窓12は、半球状とすることで、左右上下の視角範囲を大きくとることができる。また、この透視窓12が球面状であることで、この透視窓12の内面に穀粒が当たりにくく、この透視窓12が傷付きにくくなり、ホッパ8内部の視認性を良好に維持できる。また、透視窓12は、正面視でホッパ8の左右幅方向中央部に設定され、しかも、ホッパ8の後傾斜前面8f、即ち、下端側より上端側ほど後位となるよう後傾斜角をもつ前面8fに設定することで、作業者は運転席に座ったままでも後方に振り向いて斜め下方を見下ろしながら透視窓を注視することができ、ホッパ8内の穀粒充填量が容易に確認できる。
【0014】
また、作業者が透視窓12からホッパ8内を透視する上下の視角範囲を視角下限S1と視角上限S2とに設定し、視角下限S1は、ホッパ8の傾斜底面8aが透視窓12下縁とホッパ8の出口(穀粒排出口)9を結ぶ後方下りの急傾斜面とし、視角上限S2は、ホッパ8の天井壁面8uが透視窓上縁からホッパ8後端部を結ぶ略水平若しくは後方上りの緩傾斜面となるよう形成している。従って、作業者が透視窓12から透視すれば、ホッパ8内全面を透視することができ、更に、ホッパ8下部の出口9部も透視できるので、出口9部での詰まりの状態や、シャッターの開閉の有無等早期に確認することができる。
【0015】
ホッパ8前面の左右中心部に設けた透視窓12の後方部で天井壁面8uに開閉可能な点検蓋13を設けることで、透視窓12より穀粒の充填量を確認し、点検蓋を開けてホッパ8内の点検が行えるようにしている。
【0016】
次に、前記1番揚穀装置7の構成例について詳しく説明すると、ホッパ8内に臨む揚穀筒7先端の籾吐出口部15の形状構成として、図4に示すように、該籾吐出口の前側を開口面積小(図例では上下幅を狭くしている。)の第1吐き出し口15aとし、後側を開口面積大(図例では上下幅を広くしている。)の第2吐き出し口15bとすべく大きさの異なった籾吐出口部の構成とすることで、第1吐き出し口15aでホッパ8の前面から右側面の前半分程度(図6の碁盤目部)の面積に籾を排出し、第2吐き出し口15bではホッパ8の右側面の後半分程度(図6の斜線部)から後面に至る面積に籾を排出させるようにしている。籾吐出口部15の形状が四角型であると、ホッパ8内の籾の充填量が不均一で、ホッパ8の容量を充分確保することができない。本例では、上記構成とすることで、ホッパ8内に籾が均一に溜まり、大容量を確保することができる。なお、籾吐出口の開口面積は、前側が小さく後側ほど順次大きくなるように構成するものであってもよい。
【0017】
図7に示す実施例は、ホッパ8の後面を側面視で脱穀部4の後部に配置された排藁カッタ16後面と同じ位置まで張り出した構成としている。これにより、機体全長を伸ばすことなく、大容量のホッパ形状を具現することができる。
【0018】
また、図8に示すように、ホッパ8において、これを側面視でホッパ8の出口9の垂直面に対する前側傾斜底面8aの傾斜角θ1、後側傾斜底面8bの傾斜角θ2、後側傾斜底面8bより更に後方に延出する部分8b1の傾斜角をθ3とすると、それらの角度θ1=θ2<θ3とすることにより容量を大きくとることができる。つまり、θ3をθ1,θ2より大きくとることで、ホッパ8の容量を大きくとることができ、また、θ1=θ2とすることで籾を均一に排出することができる。
【0019】
図9〜図11に示す実施例は、ホッパ8内において、揚穀筒7の籾吐出口15部の近傍でこれと略同じ高さ位置にグレンセンサ17をホッパ内壁面から突設する取付板18に装着して設け、グレンセンサ17と籾吐出口15との間には、該吐出口から排出される籾によって障害を受けないようにグレンセンサ17を防護するガードプレート19を前記取付板18に設けた構成としている。グレンセンサ17は籾吐出口部15の近傍で略同じ高さ位置に設けることで、大容量を確保しながら籾満杯状態を検出でき、グレンセンサ17の感度も正確となり、しかも、グレンセンサ17はガードされているので、吐出口からの籾が直接グレンセンサ17に当たることがなく、不慮の破損を招くことがない。
【0020】
貯留ホッパ8は、図12及び図13に示すように、5箇所の支持ステー21,22,23,24,25、によって機体側に装着支持されている。つまり、支持ステー21は、ホッパ8の傾斜底面(左側)8d側を揚穀筒7に連結保持させている。支持ステー22はホッパの前側傾斜底面8a側部分が、支持ステー23はホッパ8の後側傾斜底面8b側部分が機体側支持フレームに装着支持され、また、支持ステー24は、ホッパ8の後側壁面部(後面)8rの左右幅方向中央部分が排藁カッタ16上方のカバー支持枠26に装着支持され、更に、支持ステー25は、ホッパ8の後側壁面部(後面)8rの左側寄り部分が前記カバー支持枠26に装着支持された構造になっている。かかる支持構成により、ホッパ8を均等に支持することができ、安定した強度を保持することができる。
【符号の説明】
【0021】
8 貯留ホッパ
8a ホッパの傾斜底面(前側)
88u ホッパの天井壁面
12 透視窓
S1 視角下限
S2 視角上限
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホッパ(8)の前面に該ホッパ(8)の内部を透視する透視窓(12)を設け、該透視窓(12)からホッパ(8)内を透視する上下方向の視角範囲を視角下限(S1)と視角上限(S2)との間の範囲として設定するに、前記透視窓(12)の下縁とホッパ(8)の出口(9)とを結ぶ後方下がりの急傾斜面であるホッパ(8)の傾斜底面(8a)によって視角下限(S1)を設定し、前記透視窓(12)の上縁からホッパ(8)の後端部を結ぶ略水平若しくは後方上がりの緩傾斜面であるホッパ(8)の天井壁面(8u)によって視角上限(S2)を設定したことを特徴とするコンバイン用ホッパ。
【請求項2】
前記透視窓(12)を球面状の透明体によって構成したことを特徴とする請求項1記載のコンバイン用ホッパ。
【請求項1】
ホッパ(8)の前面に該ホッパ(8)の内部を透視する透視窓(12)を設け、該透視窓(12)からホッパ(8)内を透視する上下方向の視角範囲を視角下限(S1)と視角上限(S2)との間の範囲として設定するに、前記透視窓(12)の下縁とホッパ(8)の出口(9)とを結ぶ後方下がりの急傾斜面であるホッパ(8)の傾斜底面(8a)によって視角下限(S1)を設定し、前記透視窓(12)の上縁からホッパ(8)の後端部を結ぶ略水平若しくは後方上がりの緩傾斜面であるホッパ(8)の天井壁面(8u)によって視角上限(S2)を設定したことを特徴とするコンバイン用ホッパ。
【請求項2】
前記透視窓(12)を球面状の透明体によって構成したことを特徴とする請求項1記載のコンバイン用ホッパ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−109981(P2011−109981A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−270248(P2009−270248)
【出願日】平成21年11月27日(2009.11.27)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月27日(2009.11.27)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
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