コンバイン
【課題】穀粒タンクの穀粒を外部へ排出するベルト式コンベアを内装した排出装置を備えたコンバインにおいて、穀粒の搬送が適切に行なわれるようにし、またベルトが傷ついたりしないようにする。
【解決手段】穀粒タンク5の穀粒を外部へ排出するベルト式コンベアを内装した排出装置70を備えたコンバインにおいて、該排出装置70内で回転駆動される排出コンベアベルト47の内周空間に、該排出コンベアベルト47の内周面に当接するスクレーパー53を配設するとともに、該スクレーパー53の固定位置を調節可能に構成した。
【解決手段】穀粒タンク5の穀粒を外部へ排出するベルト式コンベアを内装した排出装置70を備えたコンバインにおいて、該排出装置70内で回転駆動される排出コンベアベルト47の内周空間に、該排出コンベアベルト47の内周面に当接するスクレーパー53を配設するとともに、該スクレーパー53の固定位置を調節可能に構成した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバインの穀粒排出に係る装置に関するものであり、穀粒を搬送するベルト内周面に付着した粉塵等の付着物を除去するための構成と、除去された付着物を装置外に取出すための構造、また、排出過程における穀粒内に含まれる土等の不純物の除去に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のコンバインにおける穀粒の排出に関する構成において、機体上下方向に立設する排出用昇降機の下部を穀粒タンクに、上部を受継ぎ搬送装置に連通し、穀粒タンクより供給される穀粒を上方へ搬送して受継ぎ搬送装置へ投入し、受継ぎ搬送装置より排出装置の搬送始端部へ投入し、該排出装置先端から排出する構成としたものがある。上記受継ぎ搬送装置、及び排出装置には、それぞれ、穀粒を搬送するコンベアが備えられ、該コンベアの排出コンベアベルト表面に穀粒を載置して搬送することで、穀粒を傷つけずに排出できるようにしている。
【特許文献1】特開2002−65044号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上述した穀粒が載置される排出コンベアベルトにおいては、該排出コンベアベルトの内周面に粉塵等が付着することがあり、この付着物を放置したままにしておくと、駆動輪(駆動プーリ等)との間でスリップが生じたり、斜行したりして、穀粒の搬送が適切に行なわれなかったり、ベルトが傷ついたりすることがある。
このことから、排出コンベアベルトの内周面の付着物を剥ぎ取るための構成、そして、剥ぎ取られた付着物を装置外へ除去するための構成が必要となる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の解決しようとする課題は以上のごとくであり、次に該課題を解決する為の手段を説明する。
【0005】
請求項1においては、穀粒タンク(5)の穀粒を外部へ排出するベルト式コンベアを内装した排出装置(70)を備えたコンバインにおいて、前記排出装置(70)内で回転駆動される排出コンベアベルト(47)の内周空間に、該排出コンベアベルト(47)の内周面に当接するスクレーパー(53)を配設するとともに、該スクレーパー(53)の固定位置を調節可能に構成したものである。
【0006】
請求項2においては、請求項1記載のコンバインにおいて、前記排出装置(70)の搬送ケース(33)の左右側板複数箇所に、掃除口(28)を形成したものである。
【0007】
請求項3においては、請求項1記載のコンバインにおいて、前記排出装置(70)の穀粒搬送始端側に穀粒を投入する受継ぎ搬送装置(69)を配置し、該受継ぎ搬送装置(69)に内で回転駆動される受継ぎコンベアベルト(90)の内周空間に、該受継ぎコンベアベルト(90)の内周面に当接するスクレーパー(23)を配設するとともに、該スクレーパー(23)の固定位置を調節可能に構成したものである。
【0008】
請求項4においては、請求項3記載のコンバインにおいて、前記排出装置(70)の穀粒搬送始端側に穀粒を投入する受継ぎ搬送装置(69)を設け、該受継ぎ搬送装置(69)に内で回転駆動される受継ぎコンベアベルト(90)の内周空間で、該受継ぎコンベアベルト(90)を駆動する駆動プーリ(20)の外周面に当接するスクレーパー(26)を配設するとともに、該スクレーパー(26)の固定位置を調節可能に構成したものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明は以上のごとく構成したので、次のような効果を奏するのである。
請求項1に記載のごとく、穀粒タンク(5)の穀粒を外部へ排出するベルト式コンベアを内装した排出装置(70)を備えたコンバインにおいて、前記排出装置(70)内で回転駆動される排出コンベアベルト(47)の内周空間に、該排出コンベアベルト(47)の内周面に当接するスクレーパー(53)を配設するとともに、該スクレーパー(53)の固定位置を調節可能に構成したので、排出コンベアベルトの内周面の粉塵等の付着物を剥ぎ取ることができ、駆動プーリにおける排出コンベアベルトのスリップを防止し、穀粒の搬送を確実に行なうことができる。
また、スクレーパーの上下固定位置を調節自在とし、排出コンベアベルトに対する押圧力を調節自在となり、排出コンベアベルトの駆動トルクを過大とせずに、駆動ロスの防止を図ることができる。
【0010】
請求項2に記載のごとく、請求項1記載のコンバインにおいて、前記排出装置(70)の搬送ケース(33)の左右側板複数箇所に、掃除口(28)を形成したので、搬送ケースの複数箇所において、搬送ケース内の粉塵等を除去することができるようになって、粉塵除去作業の効率を向上させることができ、また、駆動プーリの周囲を開放させる構成とすれば、駆動プーリの周面に付着した粉塵等の除去作業ができるようになって、駆動プーリにおける排出コンベアベルトのスリップを防止することができる。
【0011】
また、請求項3に記載のごとく、請求項1記載のコンバインにおいて、前記排出装置(70)の穀粒搬送始端側に穀粒を投入する受継ぎ搬送装置(69)を配置し、該受継ぎ搬送装置(69)に内で回転駆動される受継ぎコンベアベルト(90)の内周空間に、該受継ぎコンベアベルト(90)の内周面に当接するスクレーパー(23)を配設するとともに、該スクレーパー(23)の固定位置を調節可能に構成したので、受継ぎコンベアベルトの内周面の粉塵等の付着物を剥ぎ取ることができ、駆動プーリにおける排出コンベアベルトのスリップを防止し、穀粒の搬送を確実に行なうことができる。
また、スクレーパーの固定位置を調節自在とし、排出コンベアベルトに対する押圧力を調節自在となり、排出コンベアベルトの駆動トルクを過大とせずに、駆動ロスの防止を図ることができる。
【0012】
また、請求項4に記載のごとく、請求項3記載のコンバインにおいて、該受継ぎ搬送装置(69)に内で回転駆動される受継ぎコンベアベルト(90)の内周空間で、該受継ぎコンベアベルト(90)を駆動する駆動プーリ(20)の外周面に当接するスクレーパー(26)を配設するとともに、該スクレーパー(26)の固定位置を調節可能に構成したしたので、駆動プーリの外周面の粉塵等の付着物を剥ぎ取ることができ、駆動プーリにおける排出コンベアベルトのスリップを防止し、穀粒の搬送を確実に行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次に、本発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
図1は本発明に係るコンバインの全体側面図、図2は同じく平面図、図3は同じく背面図、図4は同じく穀粒排出経路を示す後部側面図、図5は排出用昇降機の下部構成を示す図、図6は受継ぎ搬送装置周辺の側面一部断面図、図7は受継ぎ搬送装置に備える搬送部の構成を示す平面図、図8は同じく図7におけるB−B線断面図、図9は受継ぎ搬送装置を斜め下方からみた斜視図、図10は排出装置における搬送始端側の構成を示す一部断面図、図11は同じく排出装置の駆動構成を示す側面図、図12は同じく排出装置に形成する掃除口の配置を示す側面図である。
【0014】
図13は同じく排出コンベアベルトに作用するスクレーパーの構成を示す平面一部断面図、図14は同じく後面一部断面図、図15は排出コンベアベルトの搬送面角度に対する搬送板の高さの関係を示す図、図16は同じく搬送板の高さ設定でより多くの穀粒を載置した状態を示す図、図17は第一詰まりセンサの上下固定位置調節に関する構成を示す側面図、図18は同センサによる穀粒量の検出状態を示す一部断面図、図19はプレクリーナとエアクリーナの配置構成を示す正面図、図20は吸気ホースに取付ける保護カバーを示す正面図である。
【0015】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。はじめに、本発明に係るコンバインの全体構成について、図1乃至図4により説明する。図1乃至図4に示すように、クローラ1上にはシャーシ枠100が搭載され、該シャーシ枠100上には脱穀部2が搭載され、該脱穀部2の前方には、フィーダ室3を介して刈取部4が連設されるとともに、脱穀部2の横側方には穀粒タンク5が搭載され、該穀粒タンク5の前方側には、運転部6が連設されている。
【0016】
さらに、前記脱穀部2の下方には、揺動選別装置9(図3)が配置され、該揺動選別装置9の下方に横設された一番コンベア8の終端部には、連通してバケット式の揚穀コンベア7が立設されている。該揚穀コンベア7では、上下部に軸支されたスプロケット14・15間(図4)にコンベアチェーン16が巻回され、該コンベアチェーン16上には複数のバケット17が列設されており、前記揺動選別装置9で選別された一番物などの精粒は揚穀コンベア7下部の円弧状の受部に搬送され、該受部の精粒はコンベアチェーン16上のバケット17により掬い上げられ、そのまま揚穀コンベア7の上部まで搬送される。
【0017】
そして、該揚穀コンベア7の上部は連結パイプ68(図4)を介して穀粒タンク5に連通され、該穀粒タンク5に搬送されてきた精粒は、回転する図示せぬレベリングディスクなどで弾き飛ばされて、穀粒タンク5内に均一に分散され均等に貯留できるようにしている。また、揚穀コンベア7の前方には、プレクリーナ75が配設されており、吸気パイプ75aを介してのエンジンのエアクリーナ(不図示)へのクリーンな空気の供給を可能としている。
【0018】
また、穀粒タンク5の下部樋10には、スクリュー式の搬出コンベア11が横設され、該搬出コンベア11の終端部は、排出用昇降機13下部の受継ぎケース12を介して連通されている。
【0019】
また、該排出用昇降機13には、バケット式の上方搬送コンベア56が配設されており、該上方搬送コンベア56の上下部に軸支されたスプロケット88・89間には、コンベアチェーン67が巻回され、該コンベアチェーン67上には複数のバケット66が列設されており、前記穀粒タンク5内に貯留された穀粒を、排出用昇降機13上方より排出できるようにしている。
【0020】
また、この排出用昇降機13上部の排出口13aの下方を受継ぎ搬送装置69と連通させ、排出口13aから排出された穀粒を受継ぎコンベアベルト90によって、排出装置70の穀粒流入口50まで搬送するようにしている。そして、この排出装置70により、遠く離間した位置にあるコンテナやトラックに多量の穀粒を排出できるようにしている。
【0021】
次に、本発明に係る排出用昇降機13下部の受継ぎケース12の構成について説明する。図5に示すごとく、排出用昇降機13下部に配設され、穀粒タンク5に備える搬出コンベア11より穀粒が投入される受継ぎケース12には、その底面に複数の目抜き孔12a・12a・・・を穿設し、穀粒中に含まれる土・粉塵等を目抜き孔12a・12a・・・より落下させるようにしている。
【0022】
以下詳述すると、図5に示すごとく、排出用昇降機13は、左右側壁13b・13cと、前後側壁13d・13eより上下方向に長い筒体に形成され、その筒体の底部を受継ぎケース12により塞ぐようにしている。また、前側壁13dに開口を形成することで、穀粒タンク5の下部に前後方向に配設された搬出コンベア11が受継ぎケース12と連通され、搬出コンベア11の回転により、穀粒タンク5に貯溜された穀粒が、受継ぎケース12に投入される。そして、受継ぎケース12の底面に堆積した穀粒は、スプロケット88の回転によりバケット66・66・・・によって順に掬い上げられ、上方へ搬送されて前述の受継ぎ搬送装置69へ送られるようになっている。また、このバケット66・66・・・による掬い上げの際に、穀粒が攪拌されることから、穀粒中に含まれる土・粉塵等を目抜き孔12a・12a・・・より篩い落すことができるようになっている。
【0023】
また、受継ぎケース12は、正面視円弧状とし、バケット66・66・・・の軌跡に合わせるようにして、穀粒の掬い上げが行なわれやすいようにしており、また、その一側円弧端部を前後側壁13d・13eに枢結させることにより、メンテナンス時において他側を開放できるようにしている。尚、通常は、前記右側壁13cに配設したロック機構84により、受継ぎケース12の開放は閉じた状態が維持されるものである。
【0024】
以上のような受継ぎケース12の構成により、該受継ぎケース12において、穀粒中に含まれる土・粉塵等を篩い落すことができ、排出装置70からは、不純物を含まない高品質の穀粒を排出することができる。
【0025】
次に、本発明に係る受継ぎ搬送装置69の構成について説明する。図6乃至図9に示すごとく、受継ぎ搬送装置69(図6)においては、前記排出用昇降機13の排出口13a側方に連絡路81gが連設され、該連絡路81gより後方に向かって角筒状の中継ぎケース81が突設され、該中継ぎケース81下部には搬送部31が配設されている。
【0026】
該搬送部31では、中継ぎケース81の搬送終端側の左右側板間に駆動軸19が枢支され、該駆動軸19には駆動プーリ20が外嵌・固定されている。同様に、中継ぎケース81の搬送始端側の左右側板間には従動軸21が枢支され、該従動軸21には従動プーリ22が外嵌固定されており、該従動プーリ22と前記駆動プーリ20との間に受継ぎコンベアベルト90を巻回した構成としている。
【0027】
また、該受継ぎコンベアベルト90の内周面で形成される空間には、下側の内周面に当接し、該内周面に付着した粉塵等の付着物を剥ぎ取る平面視略「V」字状(図7)のスクレーパー23が配設されている。該スクレーパー23は、板体を平面視における左右中央にて折り曲げて略「V」字を形成する作用板面23aの下部端面を、受継ぎコンベアベルト90の下側の内周面90aに当接させ(図8)、該内周面90aの表面の粉塵等の付着物を剥ぎ取るようにしている。また、この作用板面23aの左右端部を下側の内周面90aの搬送方向へ屈曲させて固設面23b・23bを形成し、該固設面23b・23bにボルト孔を穿設するとともに、中継ぎケース81の左右側板81a・81aに図示せぬ長孔を上下方向に穿設することで、固設面23b・23bの固定ボルト81b・81bによる上下固定位置を調節可能としている。このようにスクレーパー23の上下固定位置を調節可能とし、受継ぎコンベアベルト90に対する押圧力を調節可能とすることで、受継ぎコンベアベルト90の駆動トルクが過大とならないようにしている。また、前記作用板面23aにより形成する「V」字であるが、「V」字の屈曲点が受継ぎコンベアベルト90の内周面90a(下側)の搬送方向における上流側となるように配設されており、作用板面23aによって剥ぎ取られた内周面90aの付着物が、「V」字の屈曲点から左右方向にガイドされながら移動して、左右側板81a・81aと受継ぎコンベアベルト90との隙間81c・81c(図8)から中継ぎケース81の底板81dへ落下するようになっている。
【0028】
さらに、該受継ぎコンベアベルト90の内周面で形成される空間には、駆動プーリ20の外周面に当接し、プーリの外周面に付着した粉塵等の付着物を剥ぎ取るスクレーパー26(図7)が配設されている。該スクレーパー26は、駆動プーリ20の外周面にその端面を当接させるようにして中継ぎケース81の左右側板81a・81aに付設されており(図7)、駆動プーリ20に付着した粉塵等の付着物を剥ぎ取るようにして、駆動プーリ20において受継ぎコンベアベルト90の内周面がスリップしないようにしている。また、該スクレーパー26は、左右側板81a・81aに対して前後固定位置を調節自在に構成されており、前記スクレーパー23と同様、駆動プーリ20に対する押圧力を調節自在とすることにより、受継ぎコンベアベルト90の駆動トルクが過大とならないようにしている。また、このスクレーパー26により剥ぎ取られた付着物は、内周面90aにて搬送され前述のスクレーパー23の作用により、中継ぎケース81の底板81dへ落下させられる。
【0029】
また、図9に示すごとく、中継ぎケース81の底板81dには、掃除口としての開口81e・81eが複数箇所(本実施例では、受継ぎコンベアベルト90の搬送方向前後二箇所)に形成されており、該開口81e・81eを蓋体82・82により開閉自在として、上記スクレーパー23・26により剥ぎ取られた粉塵等の付着物を、開口81e・81eから除去できるようにしている。
【0030】
以上の構成で、スクレーパー23・26により、受継ぎコンベアベルト90の下側の内周面90aの粉塵等の付着物を剥ぎ取ることができ、駆動プーリ20における受継ぎコンベアベルト90のスリップを防止し、穀粒の搬送を確実に行なうことができる。また、スクレーパー23の上下固定位置、スクレーパー26の前後固定位置を調節自在としており、受継ぎコンベアベルト90・駆動プーリ20に対する押圧力を調節自在とすることで、受継ぎコンベアベルト90の駆動トルクを過大とせずに、駆動ロスの防止を図ることができるようになっている。
【0031】
次に、本発明に係る排出装置70の構成について説明する。図9乃至図12に示すごとく、該排出装置70は、スラットコンベア式としており、角筒状の搬送ケース33(図11)により外観を構成し、該搬送ケース33の搬送始端側には、左右側板間に駆動軸38が枢支され、該駆動軸38には駆動プーリ39が外嵌・固定されている。同様に、搬送ケース33の搬送終端側にも、左右側板間に従動軸40が枢支され、該従動軸40には従動プーリ41が外嵌固定されており、該従動プーリ41と前記駆動プーリ39との間に排出コンベアベルト47を巻回している。
【0032】
該排出コンベアベルト47の外周面には、所定間隔で搬送板47a・47a・・・(図11)が立設されており、該搬送板47a・47a・・・間に穀粒を収納するようにし、搬送終端側が上昇して搬送面47bの斜度が大きくなった場合であっても、穀粒が転動して逆戻りすることがないようにしている。
【0033】
また、搬送ケース33の搬送始端側には、上方に開いた穀粒流入口50(図11)を形成し、該該穀粒流入口50を前記中継ぎケース81の排出口80(図9)の下方に配設している。この搬送始端側近傍には、油圧モータ32(図11)が固設され、該油圧モータ32より側方に延出された駆動軸32aには駆動プーリ32bが固設され、該駆動プーリ32bと、前記駆動軸38端部に固設された入力プーリ35との間には駆動ベルト34が巻回されており、油圧モータ32からの駆動力が、入力プーリ35を介して前記駆動軸38に伝達され、排出装置70の排出コンベアベルト47が駆動されるようにしている。
【0034】
また、図11、図12、図13及び図14に示すように、駆動プーリ39の近傍、及び、排出装置70の前後中途部における搬送ケース33の右側板33a(図13)の内周面には、作用板面53aと固定板面53bとから平面視略「く」字状とするスクレーパー53・53が配設されている。作用板面53aは、その下部端面を、排出コンベアベルト47の下側の内周面47cに当接させ(図14)、該内周面47cの表面の付着物(粉塵)を剥ぎ取るようにしている。また、固定板面53bには、上下方向に長孔54a(図14)が穿設されており、前記側板33a内側へ突設した固定ボルト54bを該長孔54aに挿入し、固定ナット54cにより上下固定位置を調節自在に締結固定可能としている。尚、スクレーパー53の上下固定位置の調節は、後述の開閉蓋55cを取外し、開口33kを開放することで可能となるものである。
【0035】
また、搬送ケース33において、スクレーパー53・53が固着される右側板33aと反対側の左側板33bには、開口33kを形成するとともに、上板55a(図14)、側板55b・55b、及び開閉蓋55cより袋部55を形成し、スクレーパー53・53により剥ぎ取られた粉塵を、排出コンベアベルト47の進行に伴い、矢印59(図13)に示す経路に沿って側方に押しやり、袋部55を通って搬送ケース33の底板33cへ落下させるようにしている。そして、該搬送ケース33の底板33cに屑抜き口33dを開口し、該屑抜き口33dに掃除蓋36を着脱自在に冠着し、前記袋部55から落下した粉塵は、掃除蓋36を取外して屑抜き口33dから除去されるようにしている。
【0036】
以上の構成で、スクレーパー53・53により、排出コンベアベルト47の下側の内周面47cの粉塵等の付着物を剥ぎ取ることができ、駆動プーリ39における排出コンベアベルト47のスリップを防止し、穀粒の搬送を確実に行なうことができる。また、スクレーパー53の上下固定位置を調節自在としており、排出コンベアベルト47に対する押圧力を調節自在とすることで、排出コンベアベルト47の駆動トルクを過大とせずに、駆動ロスの防止を図ることができる。
【0037】
また、図12に示すごとく、搬送ケース33における左側板33bには、前後及び中途部の三箇所に掃除口28・28・28を開口させるとともに、それぞれを搬送ケース33に対して着脱自在とする掃除蓋29・29・29により塞ぐようにしている。さらに、図9に示すごとく、搬送ケース33における右側板33aにおいて、駆動プーリ39(図11)の周囲を開放させる掃除口44を開口させるとともに、該掃除口27を搬送ケース33に対して着脱自在とする掃除蓋45により塞ぐようにしている。以上の構成で、三箇所に配された掃除口28・28・28により、搬送ケース33における前後方向の各箇所において、搬送ケース33内の粉塵等を除去することができるようになって、粉塵除去作業の効率を向上させることができ、また、駆動プーリ39の周囲を開放させることにより、駆動プーリ39の周面に付着した粉塵等の除去作業ができるようになって、駆動プーリ39における排出コンベアベルト47のスリップを防止することができる。
【0038】
また、以上の排出装置70は、その搬送ケース33を上下回動・水平旋回可能に構成されるものである。以下、この排出装置70の上下回動・水平旋回を可能とする構成について説明すると、図3、図6及び図10に示すように、前記シャーシ枠100上には旋回支点軸104(図6)が立設され、該旋回支点軸104は上下の支持ステー109・110により支持され、該支持ステー109・110は、前記脱穀部2や揺動選別装置9等を内設する支持ケース61から水平に突設されており、該支持ケース61は前記シャーシ枠100上に載置固定されている。
【0039】
また、シャーシ枠100や支持ステー109・110によって強固に支持された旋回支点軸104の上部には、回動体60が回動可能に外嵌され、該回動体60上には、断面視で上方に開いたコ字状の旋回台105が載置固定されており、該旋回台105は前記旋回支点軸104を中心にして水平に旋回可能としている。
【0040】
そして、この旋回台105の左右側板105a・105b(図10)には、それぞれ支軸57・58が回動可能に設けられ、このうちの支軸58は、排出装置70の駆動軸38を回動可能に支持する搬送ケース33右側板に連結固定され、また、支軸57は、搬送ケース33左側板に設けられた、前記入力プーリ35を覆うカバー42の外面に連結固定されており、排出装置70は、前記支軸57・58を中心にして上下に回動可能としている。
【0041】
また、前記回動体60側面には固定部材111(図6)が固設され、該固定部材111にはシリンダ支軸112が設けられ、該シリンダ支軸112には昇降シリンダ113の基部が軸支されており、該昇降シリンダ113より延出されたピストンロッド113aの先部が、前記搬送ケース33の右側板に回動自在に連結されている。
【0042】
さらに、前記支持ステー109(図6)の上方で支持ケース61の背面には、取付具115により旋回モータ114が固設され、該旋回モータ114より上方に向かって駆動軸114aが延出され、該駆動軸114aの先部には旋回駆動ギア116が固設されており、該旋回駆動ギア116は、前記回動体60下面に外嵌固定された旋回従動ギア117と側面で噛合している。
【0043】
このような構成により、運転部6(図1)や排出装置70の先部等に設けた旋回昇降操作レバー51・52を操作することにより、前記旋回モータ114と昇降シリンダ113(図6)が駆動され、排出装置70は、支軸57・58(図10)を中心として上下回動したり、旋回支点軸104を中心として水平旋回し、旋回位置と昇降位置を自在としている。
【0044】
そして、排出装置最上昇時となった状態において、排出装置70がなす傾斜の傾斜角θ(図3)、即ち、排出コンベアベルト47の傾斜角θ(図15)と、排出コンベアベルト47の搬送板47a・47a・・・の高さ寸法の関係は、以下のようにしている。即ち、図15及び図16の側面一部拡大図に示すごとく、前記排出コンベアベルト47の搬送面に立設する搬送板47a・47a・・・の立設基部48aとそれに隣接する搬送板47a’の立設上端部48bを結ぶ直線49aと、排出コンベアベルト47の搬送面47bとにより形成する角度αを、排出装置最上昇時の傾斜角θよりも小としている(θ>α)。これにより、搬送終端側を最も上昇させ、傾斜(傾斜角θ)が最大となった状態では、直線49aと水平線49b間の空間49(図15)の分だけの多くの穀粒(図16に実線で示す穀粒18・18・・・)を、後位置の搬送板47a’と搬送面47bにより保持することができるようになり、十分な穀粒の搬送量を確保することができる。
【0045】
さらに、この搬送板47a・47a・・・の横幅に関し、図14に示すごとく、搬送板47a・47a・・・の横幅方向端面と、搬送ケース33の左右側板33a・33bとの隙間46・46の隙間幅C1・C1は、搬送する穀粒の粒径よりも大としている。本構成例では、隙間幅C1・C2について、穀粒の平均粒径よりも、1.2〜1.4倍の寸法に設定し、大粒の穀粒が混入した場合においても、この大粒の穀粒が搬送板47aと左右側板33a・33bとの間に挟まった状態で留まるこなく、余裕を持って通過できる設定としている。例えば、収穫する作物が大豆である場合では、平均穀粒径を略7mmとした場合において、隙間幅C1・C2を略9mmに設定する等である。これにより、搬送板47a・47a・・・と前記左右側板33a・33bとの隙間46を穀粒が通過できるようになって、該隙間46に穀粒が挟まった状態で留まってしまう不具合が生じず、穀粒と排出コンベアベルト47との間で生じる摩擦による排出コンベアベルト47の駆動抵抗を減少させることができる。また、この駆動抵抗の減少に関し、発明者らは、上述の例のごとく、隙間幅C1・C2を9mmに設定し、大豆を排出する際の排出コンベアベルトの駆動抵抗(kg)を測定する試験をしたところ、従来の隙間幅C1・C2の設定(7mm以下(平均穀粒径以下の幅))のものと比較して、排出コンベアベルトの駆動抵抗(kg)は、平均すると略6割削減されるという測定結果を得ている。尚、上述のした隙間幅C1・C2について、穀粒の平均粒径の1.2〜1.4倍とする設定は、あくまでも一構成例にすぎず、収穫する作物の平均粒径よりも大であれば、本構成の目的とするところは概ね達成できるものであり、また、作物の種類(平均穀粒径)に合わせて適宜設定を変更し、駆動抵抗(kg)を測定した上で、決定されるものである。また、隙間幅C1・C2を広げる方向の上限値については、穀粒の搬送量が考慮されることは、言うまでもない。
【0046】
次に、本構成に係る詰まりセンサの構成について説明する。
図11、図17及び図18に示すように、受継ぎ搬送装置69の搬送部31上方と(図17)、排出装置70の排出口33g近傍(図11)には、それぞれ圧電式の第一詰まりセンサ94(図17)と第二詰まりセンサ97(図11)が設けられている。
【0047】
このうちの第一詰まりセンサ94は、図17及び図18に示すように、中継ぎケース81側面に形成された開口部82h(図18)を塞ぐように、中継ぎケース81に固設されるセンサーケース95に内設されるものである。このセンサーケース95には、内腔のセンサ収容部95aと、中継ぎケース81の外側面に当接してボルト99・99により固設される板状の固設部95bが形成され、該固設部95bには、四箇所に上下方向の長孔95c・95c・・・が穿設され、該長孔95c・95c・・・の分だけセンサーケース95の上下固定位置を調節可能としている。また、そして、第一詰まりセンサ94には、圧力を検出可能なセンサ面94a(図18)が設けられ、目詰まりにより穀粒18が穀粒満量ライン96まで堆積すると、該センサ面94a上に載った穀粒重量を検出し、この検出信号が、第一詰まりセンサ94に接続された図示せぬコントローラに伝達される。
【0048】
一方、第二詰まりセンサ97は、図11に示すように、搬送ケース33の排出口33gの近傍の内側に付設した取付台98の側面に固定されている。そして、該第二詰まりセンサ97には、上記第一詰まりセンサ94と同様、穀粒の圧力を検出可能なセンサ面が設けられており、排出口33gからコンテナやトラックなどの容器へ穀粒18の排出が進み、堆積した穀粒18の上面が容器内を次第に上昇すると、穀粒18が排出口33gから排出装置70内に流入しセンサ面を斜め下方から押し上げ、この時の圧力を第二詰まりセンサ97が検出して、検出結果を図示せぬコントローラに伝達させる。
【0049】
さらに、図4に示すごとく、穀粒タンク5の搬出コンベア11の伝達ギア102とエンジンとの間には第1クラッチ118が設けられるとともに、図10に示すごとく、排出装置70の油圧モータ32にも第二クラッチ119が設けられており、これらクラッチ118・119は、いずれも前記コントローラに接続されている。
【0050】
このような構成において、第一詰まりセンサ94が「ON」となり、受継ぎ搬送装置69内での詰まり発生が検出された場合は、まず第一クラッチ118を「切」にした後に、第二クラッチ119を「切」とするようにして、排出装置70内の穀粒の残留を防止する。また、第二詰まりセンサ97が「ON」となり、排出装置70内への穀粒流入による排出口33gの詰まり発生が検出された場合は、第1クラッチ118、第2クラッチ119とも同時に「切」にして、それ以上、排出装置70内に穀粒が流入しないようにしている。このようにして、受継ぎ搬送装置69および排出装置70において、穀粒排出側には穀粒詰まりを検出可能なセンサ94・97を設け、穀粒詰まりの状況に応じて的確に対処することができ、短時間で復旧することができ、穀粒排出作業の効率低下を防止することができるようになっている。
【0051】
また、必要に応じて上記第一詰まりセンサ94においては、中継ぎケース81に対して上下固定位置を調節可能としたセンサーケース95に収容する構成としているので、作物の種類や、穀粒の湿潤状態等により、上述した穀粒満量ライン96(図17)の上下位置を変更させ、第一詰まりセンサ94による満了状態の検出のタイミングを変更できる。これに対し、従来では、第一詰まりセンサ94の高さを調節できなかったので、検出タイミングの変更は、コントローラのプログラムの改変による対応が必要となり、面倒な作業を要するものであったため、本構成により、検出タイミングの変更の容易化が図られるものである。
【0052】
なお、本構成例では、センサを圧電式としたが、ポテンショ式センサや、非接触の光学式センサとしてもよく、目詰まりによる穀粒18の堆積を検出可能な手段であれば、特に限定されるものではない。
【0053】
次に、エンジンの燃焼空気の吸入に関し、プレクリーナ75とエアクリーナ83間を連通する吸気ホース85の構成について説明する。コンバインによる刈取作業時には、機体全体が地上からの振動を受けるとともに、脱穀装置や、揺動選別装置、エンジン等、コンバインの装置自体も振動源を有していることから、これらの振動対策が講じられており、エンジン燃焼空気の吸気ホースにおいても、他の機器類・各種ブラケットとの干渉による亀裂等の損傷防止のため、保護カバーによりホース外側面を包囲して保護していた。この保護カバーは、ホース外側面を包囲した状態で、ホースバンドを周囲から巻きつけることで、吸気ホースに固定していた。しかし、前記保護カバーのホースバンドによる固定の方法においては、振動によるため、緩みやすいといった問題があった。これは、単にホースバンドを保護カバーの周囲に巻きつける構成としていたからである。
そこで、本構成では、前記保護カバーのホースバンドによる固定について、新たな固定の方法を提案するものであり、以下に詳述する。
【0054】
図19に示すごとく、外気は、プレクリーナ75から吸い込まれて空気中の大きな塵や埃が除去された後、エアクリーナ83により一層細かな塵等も除去されて十分な清浄化処理が行われ、そのままエンジンに吸い込まれて、エンジン駆動のための燃焼に使用されるものである。前記プレクリーナ75は、穀粒タンク5に付設されたブラケット87に上方へ向かって延設された吸気パイプ75aの上部に配設され、また、エアクリーナ83は、取付ステー86に収容されるようにして、図示せぬ機体フレーム側に固設されたブラケット24に固設され、その吸気パイプ83aを上方に向けて配設している。
【0055】
そして、プレクリーナ75の吸気パイプ75aの下端部と、エアクリーナ83の吸気パイプ83aの上端部を吸気ホース85により連通することにより、プレクリーナ75により吸気した外気が、吸気ホース85内を通ってエアクリーナ83に供給されるようになっている。
【0056】
また、吸気ホース85には、他の装置の固定に必要とされる固定パイプ74や、固定ブラケット79等との干渉を避けるようにして、前記両クリーナ75・83間を連通するようにしており、これら固定パイプ74・固定ブラケット79と接触により吸気ホース85に亀裂等の損傷が生じないよう、筒状の保護ゴム76により外周面が保護されている。
【0057】
また、図20に示すごとく、前記保護ゴム76には、機体の振動によりズレ落ちる事がないように、周囲からホースバンド77・77・77により締め付けられることで、吸気ホース85に密着されている。そして、このホースバンド77・77・77の締め付け方法であるが、保護ゴム76にホースバンド通し孔78・78・・・を開口し、該ホースバンド通し孔78・78・・・にホースバンド77・77・77を通したうえで保護ゴム76の周囲を締め付けるようにしている。
【0058】
このようにして、ホースバンド77・77・77による保護ゴム76の締め付けが良好となり、また、ホースバンド77・77・77の保護ゴム76に対しての「ズレ」が、ホースバンド通し孔78・78・・・の範囲に抑えられるため、単に保護ゴム76の周囲に巻き付けて締め付ける方法と比較してホースバンド77・77・77を緩み難くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明に係るコンバインの全体側面図である。
【図2】同じく平面図である。
【図3】同じく背面図である。
【図4】同じく穀粒排出経路を示す後部側面図である。
【図5】排出用昇降機の下部図構成を示す図である。
【図6】受継ぎ搬送装置周辺の側面一部断面図である。
【図7】受継ぎ搬送装置に備える搬送部の構成を示す平面図である。
【図8】同じく図7におけるB−B線断面図である。
【図9】受継ぎ搬送装置を斜め下方からみた斜視図である。
【図10】排出装置における搬送始端側の構成を示す一部断面図である。
【図11】同じく排出装置の駆動構成を示す側面図である。
【図12】同じく排出装置に形成する掃除口の配置を示す側面図である。
【図13】同じく排出コンベアベルトに作用するスクレーパーの構成を示す平面一部断面図である。
【図14】同じく排出コンベアベルトに作用するスクレーパーの構成を示す平面一部断面図である。
【図15】排出コンベアベルトの搬送面角度に対する搬送板の高さの関係を示す図である。
【図16】同じく搬送板の高さ設定でより多くの穀粒を載置した状態を示す図である。
【図17】第一詰まりセンサの上下固定位置調節に関する構成を示す側面図である。
【図18】同センサによる穀粒量の検出状態を示す一部断面図である。
【図19】プレクリーナとエアクリーナの配置構成を示す正面図である。
【図20】吸気ホースに取付ける保護カバーを示す正面図である。
【符号の説明】
【0060】
28 掃除口
33 搬送ケース
47 排出コンベアベルト
53 スクレーパー
70 排出装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバインの穀粒排出に係る装置に関するものであり、穀粒を搬送するベルト内周面に付着した粉塵等の付着物を除去するための構成と、除去された付着物を装置外に取出すための構造、また、排出過程における穀粒内に含まれる土等の不純物の除去に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のコンバインにおける穀粒の排出に関する構成において、機体上下方向に立設する排出用昇降機の下部を穀粒タンクに、上部を受継ぎ搬送装置に連通し、穀粒タンクより供給される穀粒を上方へ搬送して受継ぎ搬送装置へ投入し、受継ぎ搬送装置より排出装置の搬送始端部へ投入し、該排出装置先端から排出する構成としたものがある。上記受継ぎ搬送装置、及び排出装置には、それぞれ、穀粒を搬送するコンベアが備えられ、該コンベアの排出コンベアベルト表面に穀粒を載置して搬送することで、穀粒を傷つけずに排出できるようにしている。
【特許文献1】特開2002−65044号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上述した穀粒が載置される排出コンベアベルトにおいては、該排出コンベアベルトの内周面に粉塵等が付着することがあり、この付着物を放置したままにしておくと、駆動輪(駆動プーリ等)との間でスリップが生じたり、斜行したりして、穀粒の搬送が適切に行なわれなかったり、ベルトが傷ついたりすることがある。
このことから、排出コンベアベルトの内周面の付着物を剥ぎ取るための構成、そして、剥ぎ取られた付着物を装置外へ除去するための構成が必要となる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の解決しようとする課題は以上のごとくであり、次に該課題を解決する為の手段を説明する。
【0005】
請求項1においては、穀粒タンク(5)の穀粒を外部へ排出するベルト式コンベアを内装した排出装置(70)を備えたコンバインにおいて、前記排出装置(70)内で回転駆動される排出コンベアベルト(47)の内周空間に、該排出コンベアベルト(47)の内周面に当接するスクレーパー(53)を配設するとともに、該スクレーパー(53)の固定位置を調節可能に構成したものである。
【0006】
請求項2においては、請求項1記載のコンバインにおいて、前記排出装置(70)の搬送ケース(33)の左右側板複数箇所に、掃除口(28)を形成したものである。
【0007】
請求項3においては、請求項1記載のコンバインにおいて、前記排出装置(70)の穀粒搬送始端側に穀粒を投入する受継ぎ搬送装置(69)を配置し、該受継ぎ搬送装置(69)に内で回転駆動される受継ぎコンベアベルト(90)の内周空間に、該受継ぎコンベアベルト(90)の内周面に当接するスクレーパー(23)を配設するとともに、該スクレーパー(23)の固定位置を調節可能に構成したものである。
【0008】
請求項4においては、請求項3記載のコンバインにおいて、前記排出装置(70)の穀粒搬送始端側に穀粒を投入する受継ぎ搬送装置(69)を設け、該受継ぎ搬送装置(69)に内で回転駆動される受継ぎコンベアベルト(90)の内周空間で、該受継ぎコンベアベルト(90)を駆動する駆動プーリ(20)の外周面に当接するスクレーパー(26)を配設するとともに、該スクレーパー(26)の固定位置を調節可能に構成したものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明は以上のごとく構成したので、次のような効果を奏するのである。
請求項1に記載のごとく、穀粒タンク(5)の穀粒を外部へ排出するベルト式コンベアを内装した排出装置(70)を備えたコンバインにおいて、前記排出装置(70)内で回転駆動される排出コンベアベルト(47)の内周空間に、該排出コンベアベルト(47)の内周面に当接するスクレーパー(53)を配設するとともに、該スクレーパー(53)の固定位置を調節可能に構成したので、排出コンベアベルトの内周面の粉塵等の付着物を剥ぎ取ることができ、駆動プーリにおける排出コンベアベルトのスリップを防止し、穀粒の搬送を確実に行なうことができる。
また、スクレーパーの上下固定位置を調節自在とし、排出コンベアベルトに対する押圧力を調節自在となり、排出コンベアベルトの駆動トルクを過大とせずに、駆動ロスの防止を図ることができる。
【0010】
請求項2に記載のごとく、請求項1記載のコンバインにおいて、前記排出装置(70)の搬送ケース(33)の左右側板複数箇所に、掃除口(28)を形成したので、搬送ケースの複数箇所において、搬送ケース内の粉塵等を除去することができるようになって、粉塵除去作業の効率を向上させることができ、また、駆動プーリの周囲を開放させる構成とすれば、駆動プーリの周面に付着した粉塵等の除去作業ができるようになって、駆動プーリにおける排出コンベアベルトのスリップを防止することができる。
【0011】
また、請求項3に記載のごとく、請求項1記載のコンバインにおいて、前記排出装置(70)の穀粒搬送始端側に穀粒を投入する受継ぎ搬送装置(69)を配置し、該受継ぎ搬送装置(69)に内で回転駆動される受継ぎコンベアベルト(90)の内周空間に、該受継ぎコンベアベルト(90)の内周面に当接するスクレーパー(23)を配設するとともに、該スクレーパー(23)の固定位置を調節可能に構成したので、受継ぎコンベアベルトの内周面の粉塵等の付着物を剥ぎ取ることができ、駆動プーリにおける排出コンベアベルトのスリップを防止し、穀粒の搬送を確実に行なうことができる。
また、スクレーパーの固定位置を調節自在とし、排出コンベアベルトに対する押圧力を調節自在となり、排出コンベアベルトの駆動トルクを過大とせずに、駆動ロスの防止を図ることができる。
【0012】
また、請求項4に記載のごとく、請求項3記載のコンバインにおいて、該受継ぎ搬送装置(69)に内で回転駆動される受継ぎコンベアベルト(90)の内周空間で、該受継ぎコンベアベルト(90)を駆動する駆動プーリ(20)の外周面に当接するスクレーパー(26)を配設するとともに、該スクレーパー(26)の固定位置を調節可能に構成したしたので、駆動プーリの外周面の粉塵等の付着物を剥ぎ取ることができ、駆動プーリにおける排出コンベアベルトのスリップを防止し、穀粒の搬送を確実に行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次に、本発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
図1は本発明に係るコンバインの全体側面図、図2は同じく平面図、図3は同じく背面図、図4は同じく穀粒排出経路を示す後部側面図、図5は排出用昇降機の下部構成を示す図、図6は受継ぎ搬送装置周辺の側面一部断面図、図7は受継ぎ搬送装置に備える搬送部の構成を示す平面図、図8は同じく図7におけるB−B線断面図、図9は受継ぎ搬送装置を斜め下方からみた斜視図、図10は排出装置における搬送始端側の構成を示す一部断面図、図11は同じく排出装置の駆動構成を示す側面図、図12は同じく排出装置に形成する掃除口の配置を示す側面図である。
【0014】
図13は同じく排出コンベアベルトに作用するスクレーパーの構成を示す平面一部断面図、図14は同じく後面一部断面図、図15は排出コンベアベルトの搬送面角度に対する搬送板の高さの関係を示す図、図16は同じく搬送板の高さ設定でより多くの穀粒を載置した状態を示す図、図17は第一詰まりセンサの上下固定位置調節に関する構成を示す側面図、図18は同センサによる穀粒量の検出状態を示す一部断面図、図19はプレクリーナとエアクリーナの配置構成を示す正面図、図20は吸気ホースに取付ける保護カバーを示す正面図である。
【0015】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。はじめに、本発明に係るコンバインの全体構成について、図1乃至図4により説明する。図1乃至図4に示すように、クローラ1上にはシャーシ枠100が搭載され、該シャーシ枠100上には脱穀部2が搭載され、該脱穀部2の前方には、フィーダ室3を介して刈取部4が連設されるとともに、脱穀部2の横側方には穀粒タンク5が搭載され、該穀粒タンク5の前方側には、運転部6が連設されている。
【0016】
さらに、前記脱穀部2の下方には、揺動選別装置9(図3)が配置され、該揺動選別装置9の下方に横設された一番コンベア8の終端部には、連通してバケット式の揚穀コンベア7が立設されている。該揚穀コンベア7では、上下部に軸支されたスプロケット14・15間(図4)にコンベアチェーン16が巻回され、該コンベアチェーン16上には複数のバケット17が列設されており、前記揺動選別装置9で選別された一番物などの精粒は揚穀コンベア7下部の円弧状の受部に搬送され、該受部の精粒はコンベアチェーン16上のバケット17により掬い上げられ、そのまま揚穀コンベア7の上部まで搬送される。
【0017】
そして、該揚穀コンベア7の上部は連結パイプ68(図4)を介して穀粒タンク5に連通され、該穀粒タンク5に搬送されてきた精粒は、回転する図示せぬレベリングディスクなどで弾き飛ばされて、穀粒タンク5内に均一に分散され均等に貯留できるようにしている。また、揚穀コンベア7の前方には、プレクリーナ75が配設されており、吸気パイプ75aを介してのエンジンのエアクリーナ(不図示)へのクリーンな空気の供給を可能としている。
【0018】
また、穀粒タンク5の下部樋10には、スクリュー式の搬出コンベア11が横設され、該搬出コンベア11の終端部は、排出用昇降機13下部の受継ぎケース12を介して連通されている。
【0019】
また、該排出用昇降機13には、バケット式の上方搬送コンベア56が配設されており、該上方搬送コンベア56の上下部に軸支されたスプロケット88・89間には、コンベアチェーン67が巻回され、該コンベアチェーン67上には複数のバケット66が列設されており、前記穀粒タンク5内に貯留された穀粒を、排出用昇降機13上方より排出できるようにしている。
【0020】
また、この排出用昇降機13上部の排出口13aの下方を受継ぎ搬送装置69と連通させ、排出口13aから排出された穀粒を受継ぎコンベアベルト90によって、排出装置70の穀粒流入口50まで搬送するようにしている。そして、この排出装置70により、遠く離間した位置にあるコンテナやトラックに多量の穀粒を排出できるようにしている。
【0021】
次に、本発明に係る排出用昇降機13下部の受継ぎケース12の構成について説明する。図5に示すごとく、排出用昇降機13下部に配設され、穀粒タンク5に備える搬出コンベア11より穀粒が投入される受継ぎケース12には、その底面に複数の目抜き孔12a・12a・・・を穿設し、穀粒中に含まれる土・粉塵等を目抜き孔12a・12a・・・より落下させるようにしている。
【0022】
以下詳述すると、図5に示すごとく、排出用昇降機13は、左右側壁13b・13cと、前後側壁13d・13eより上下方向に長い筒体に形成され、その筒体の底部を受継ぎケース12により塞ぐようにしている。また、前側壁13dに開口を形成することで、穀粒タンク5の下部に前後方向に配設された搬出コンベア11が受継ぎケース12と連通され、搬出コンベア11の回転により、穀粒タンク5に貯溜された穀粒が、受継ぎケース12に投入される。そして、受継ぎケース12の底面に堆積した穀粒は、スプロケット88の回転によりバケット66・66・・・によって順に掬い上げられ、上方へ搬送されて前述の受継ぎ搬送装置69へ送られるようになっている。また、このバケット66・66・・・による掬い上げの際に、穀粒が攪拌されることから、穀粒中に含まれる土・粉塵等を目抜き孔12a・12a・・・より篩い落すことができるようになっている。
【0023】
また、受継ぎケース12は、正面視円弧状とし、バケット66・66・・・の軌跡に合わせるようにして、穀粒の掬い上げが行なわれやすいようにしており、また、その一側円弧端部を前後側壁13d・13eに枢結させることにより、メンテナンス時において他側を開放できるようにしている。尚、通常は、前記右側壁13cに配設したロック機構84により、受継ぎケース12の開放は閉じた状態が維持されるものである。
【0024】
以上のような受継ぎケース12の構成により、該受継ぎケース12において、穀粒中に含まれる土・粉塵等を篩い落すことができ、排出装置70からは、不純物を含まない高品質の穀粒を排出することができる。
【0025】
次に、本発明に係る受継ぎ搬送装置69の構成について説明する。図6乃至図9に示すごとく、受継ぎ搬送装置69(図6)においては、前記排出用昇降機13の排出口13a側方に連絡路81gが連設され、該連絡路81gより後方に向かって角筒状の中継ぎケース81が突設され、該中継ぎケース81下部には搬送部31が配設されている。
【0026】
該搬送部31では、中継ぎケース81の搬送終端側の左右側板間に駆動軸19が枢支され、該駆動軸19には駆動プーリ20が外嵌・固定されている。同様に、中継ぎケース81の搬送始端側の左右側板間には従動軸21が枢支され、該従動軸21には従動プーリ22が外嵌固定されており、該従動プーリ22と前記駆動プーリ20との間に受継ぎコンベアベルト90を巻回した構成としている。
【0027】
また、該受継ぎコンベアベルト90の内周面で形成される空間には、下側の内周面に当接し、該内周面に付着した粉塵等の付着物を剥ぎ取る平面視略「V」字状(図7)のスクレーパー23が配設されている。該スクレーパー23は、板体を平面視における左右中央にて折り曲げて略「V」字を形成する作用板面23aの下部端面を、受継ぎコンベアベルト90の下側の内周面90aに当接させ(図8)、該内周面90aの表面の粉塵等の付着物を剥ぎ取るようにしている。また、この作用板面23aの左右端部を下側の内周面90aの搬送方向へ屈曲させて固設面23b・23bを形成し、該固設面23b・23bにボルト孔を穿設するとともに、中継ぎケース81の左右側板81a・81aに図示せぬ長孔を上下方向に穿設することで、固設面23b・23bの固定ボルト81b・81bによる上下固定位置を調節可能としている。このようにスクレーパー23の上下固定位置を調節可能とし、受継ぎコンベアベルト90に対する押圧力を調節可能とすることで、受継ぎコンベアベルト90の駆動トルクが過大とならないようにしている。また、前記作用板面23aにより形成する「V」字であるが、「V」字の屈曲点が受継ぎコンベアベルト90の内周面90a(下側)の搬送方向における上流側となるように配設されており、作用板面23aによって剥ぎ取られた内周面90aの付着物が、「V」字の屈曲点から左右方向にガイドされながら移動して、左右側板81a・81aと受継ぎコンベアベルト90との隙間81c・81c(図8)から中継ぎケース81の底板81dへ落下するようになっている。
【0028】
さらに、該受継ぎコンベアベルト90の内周面で形成される空間には、駆動プーリ20の外周面に当接し、プーリの外周面に付着した粉塵等の付着物を剥ぎ取るスクレーパー26(図7)が配設されている。該スクレーパー26は、駆動プーリ20の外周面にその端面を当接させるようにして中継ぎケース81の左右側板81a・81aに付設されており(図7)、駆動プーリ20に付着した粉塵等の付着物を剥ぎ取るようにして、駆動プーリ20において受継ぎコンベアベルト90の内周面がスリップしないようにしている。また、該スクレーパー26は、左右側板81a・81aに対して前後固定位置を調節自在に構成されており、前記スクレーパー23と同様、駆動プーリ20に対する押圧力を調節自在とすることにより、受継ぎコンベアベルト90の駆動トルクが過大とならないようにしている。また、このスクレーパー26により剥ぎ取られた付着物は、内周面90aにて搬送され前述のスクレーパー23の作用により、中継ぎケース81の底板81dへ落下させられる。
【0029】
また、図9に示すごとく、中継ぎケース81の底板81dには、掃除口としての開口81e・81eが複数箇所(本実施例では、受継ぎコンベアベルト90の搬送方向前後二箇所)に形成されており、該開口81e・81eを蓋体82・82により開閉自在として、上記スクレーパー23・26により剥ぎ取られた粉塵等の付着物を、開口81e・81eから除去できるようにしている。
【0030】
以上の構成で、スクレーパー23・26により、受継ぎコンベアベルト90の下側の内周面90aの粉塵等の付着物を剥ぎ取ることができ、駆動プーリ20における受継ぎコンベアベルト90のスリップを防止し、穀粒の搬送を確実に行なうことができる。また、スクレーパー23の上下固定位置、スクレーパー26の前後固定位置を調節自在としており、受継ぎコンベアベルト90・駆動プーリ20に対する押圧力を調節自在とすることで、受継ぎコンベアベルト90の駆動トルクを過大とせずに、駆動ロスの防止を図ることができるようになっている。
【0031】
次に、本発明に係る排出装置70の構成について説明する。図9乃至図12に示すごとく、該排出装置70は、スラットコンベア式としており、角筒状の搬送ケース33(図11)により外観を構成し、該搬送ケース33の搬送始端側には、左右側板間に駆動軸38が枢支され、該駆動軸38には駆動プーリ39が外嵌・固定されている。同様に、搬送ケース33の搬送終端側にも、左右側板間に従動軸40が枢支され、該従動軸40には従動プーリ41が外嵌固定されており、該従動プーリ41と前記駆動プーリ39との間に排出コンベアベルト47を巻回している。
【0032】
該排出コンベアベルト47の外周面には、所定間隔で搬送板47a・47a・・・(図11)が立設されており、該搬送板47a・47a・・・間に穀粒を収納するようにし、搬送終端側が上昇して搬送面47bの斜度が大きくなった場合であっても、穀粒が転動して逆戻りすることがないようにしている。
【0033】
また、搬送ケース33の搬送始端側には、上方に開いた穀粒流入口50(図11)を形成し、該該穀粒流入口50を前記中継ぎケース81の排出口80(図9)の下方に配設している。この搬送始端側近傍には、油圧モータ32(図11)が固設され、該油圧モータ32より側方に延出された駆動軸32aには駆動プーリ32bが固設され、該駆動プーリ32bと、前記駆動軸38端部に固設された入力プーリ35との間には駆動ベルト34が巻回されており、油圧モータ32からの駆動力が、入力プーリ35を介して前記駆動軸38に伝達され、排出装置70の排出コンベアベルト47が駆動されるようにしている。
【0034】
また、図11、図12、図13及び図14に示すように、駆動プーリ39の近傍、及び、排出装置70の前後中途部における搬送ケース33の右側板33a(図13)の内周面には、作用板面53aと固定板面53bとから平面視略「く」字状とするスクレーパー53・53が配設されている。作用板面53aは、その下部端面を、排出コンベアベルト47の下側の内周面47cに当接させ(図14)、該内周面47cの表面の付着物(粉塵)を剥ぎ取るようにしている。また、固定板面53bには、上下方向に長孔54a(図14)が穿設されており、前記側板33a内側へ突設した固定ボルト54bを該長孔54aに挿入し、固定ナット54cにより上下固定位置を調節自在に締結固定可能としている。尚、スクレーパー53の上下固定位置の調節は、後述の開閉蓋55cを取外し、開口33kを開放することで可能となるものである。
【0035】
また、搬送ケース33において、スクレーパー53・53が固着される右側板33aと反対側の左側板33bには、開口33kを形成するとともに、上板55a(図14)、側板55b・55b、及び開閉蓋55cより袋部55を形成し、スクレーパー53・53により剥ぎ取られた粉塵を、排出コンベアベルト47の進行に伴い、矢印59(図13)に示す経路に沿って側方に押しやり、袋部55を通って搬送ケース33の底板33cへ落下させるようにしている。そして、該搬送ケース33の底板33cに屑抜き口33dを開口し、該屑抜き口33dに掃除蓋36を着脱自在に冠着し、前記袋部55から落下した粉塵は、掃除蓋36を取外して屑抜き口33dから除去されるようにしている。
【0036】
以上の構成で、スクレーパー53・53により、排出コンベアベルト47の下側の内周面47cの粉塵等の付着物を剥ぎ取ることができ、駆動プーリ39における排出コンベアベルト47のスリップを防止し、穀粒の搬送を確実に行なうことができる。また、スクレーパー53の上下固定位置を調節自在としており、排出コンベアベルト47に対する押圧力を調節自在とすることで、排出コンベアベルト47の駆動トルクを過大とせずに、駆動ロスの防止を図ることができる。
【0037】
また、図12に示すごとく、搬送ケース33における左側板33bには、前後及び中途部の三箇所に掃除口28・28・28を開口させるとともに、それぞれを搬送ケース33に対して着脱自在とする掃除蓋29・29・29により塞ぐようにしている。さらに、図9に示すごとく、搬送ケース33における右側板33aにおいて、駆動プーリ39(図11)の周囲を開放させる掃除口44を開口させるとともに、該掃除口27を搬送ケース33に対して着脱自在とする掃除蓋45により塞ぐようにしている。以上の構成で、三箇所に配された掃除口28・28・28により、搬送ケース33における前後方向の各箇所において、搬送ケース33内の粉塵等を除去することができるようになって、粉塵除去作業の効率を向上させることができ、また、駆動プーリ39の周囲を開放させることにより、駆動プーリ39の周面に付着した粉塵等の除去作業ができるようになって、駆動プーリ39における排出コンベアベルト47のスリップを防止することができる。
【0038】
また、以上の排出装置70は、その搬送ケース33を上下回動・水平旋回可能に構成されるものである。以下、この排出装置70の上下回動・水平旋回を可能とする構成について説明すると、図3、図6及び図10に示すように、前記シャーシ枠100上には旋回支点軸104(図6)が立設され、該旋回支点軸104は上下の支持ステー109・110により支持され、該支持ステー109・110は、前記脱穀部2や揺動選別装置9等を内設する支持ケース61から水平に突設されており、該支持ケース61は前記シャーシ枠100上に載置固定されている。
【0039】
また、シャーシ枠100や支持ステー109・110によって強固に支持された旋回支点軸104の上部には、回動体60が回動可能に外嵌され、該回動体60上には、断面視で上方に開いたコ字状の旋回台105が載置固定されており、該旋回台105は前記旋回支点軸104を中心にして水平に旋回可能としている。
【0040】
そして、この旋回台105の左右側板105a・105b(図10)には、それぞれ支軸57・58が回動可能に設けられ、このうちの支軸58は、排出装置70の駆動軸38を回動可能に支持する搬送ケース33右側板に連結固定され、また、支軸57は、搬送ケース33左側板に設けられた、前記入力プーリ35を覆うカバー42の外面に連結固定されており、排出装置70は、前記支軸57・58を中心にして上下に回動可能としている。
【0041】
また、前記回動体60側面には固定部材111(図6)が固設され、該固定部材111にはシリンダ支軸112が設けられ、該シリンダ支軸112には昇降シリンダ113の基部が軸支されており、該昇降シリンダ113より延出されたピストンロッド113aの先部が、前記搬送ケース33の右側板に回動自在に連結されている。
【0042】
さらに、前記支持ステー109(図6)の上方で支持ケース61の背面には、取付具115により旋回モータ114が固設され、該旋回モータ114より上方に向かって駆動軸114aが延出され、該駆動軸114aの先部には旋回駆動ギア116が固設されており、該旋回駆動ギア116は、前記回動体60下面に外嵌固定された旋回従動ギア117と側面で噛合している。
【0043】
このような構成により、運転部6(図1)や排出装置70の先部等に設けた旋回昇降操作レバー51・52を操作することにより、前記旋回モータ114と昇降シリンダ113(図6)が駆動され、排出装置70は、支軸57・58(図10)を中心として上下回動したり、旋回支点軸104を中心として水平旋回し、旋回位置と昇降位置を自在としている。
【0044】
そして、排出装置最上昇時となった状態において、排出装置70がなす傾斜の傾斜角θ(図3)、即ち、排出コンベアベルト47の傾斜角θ(図15)と、排出コンベアベルト47の搬送板47a・47a・・・の高さ寸法の関係は、以下のようにしている。即ち、図15及び図16の側面一部拡大図に示すごとく、前記排出コンベアベルト47の搬送面に立設する搬送板47a・47a・・・の立設基部48aとそれに隣接する搬送板47a’の立設上端部48bを結ぶ直線49aと、排出コンベアベルト47の搬送面47bとにより形成する角度αを、排出装置最上昇時の傾斜角θよりも小としている(θ>α)。これにより、搬送終端側を最も上昇させ、傾斜(傾斜角θ)が最大となった状態では、直線49aと水平線49b間の空間49(図15)の分だけの多くの穀粒(図16に実線で示す穀粒18・18・・・)を、後位置の搬送板47a’と搬送面47bにより保持することができるようになり、十分な穀粒の搬送量を確保することができる。
【0045】
さらに、この搬送板47a・47a・・・の横幅に関し、図14に示すごとく、搬送板47a・47a・・・の横幅方向端面と、搬送ケース33の左右側板33a・33bとの隙間46・46の隙間幅C1・C1は、搬送する穀粒の粒径よりも大としている。本構成例では、隙間幅C1・C2について、穀粒の平均粒径よりも、1.2〜1.4倍の寸法に設定し、大粒の穀粒が混入した場合においても、この大粒の穀粒が搬送板47aと左右側板33a・33bとの間に挟まった状態で留まるこなく、余裕を持って通過できる設定としている。例えば、収穫する作物が大豆である場合では、平均穀粒径を略7mmとした場合において、隙間幅C1・C2を略9mmに設定する等である。これにより、搬送板47a・47a・・・と前記左右側板33a・33bとの隙間46を穀粒が通過できるようになって、該隙間46に穀粒が挟まった状態で留まってしまう不具合が生じず、穀粒と排出コンベアベルト47との間で生じる摩擦による排出コンベアベルト47の駆動抵抗を減少させることができる。また、この駆動抵抗の減少に関し、発明者らは、上述の例のごとく、隙間幅C1・C2を9mmに設定し、大豆を排出する際の排出コンベアベルトの駆動抵抗(kg)を測定する試験をしたところ、従来の隙間幅C1・C2の設定(7mm以下(平均穀粒径以下の幅))のものと比較して、排出コンベアベルトの駆動抵抗(kg)は、平均すると略6割削減されるという測定結果を得ている。尚、上述のした隙間幅C1・C2について、穀粒の平均粒径の1.2〜1.4倍とする設定は、あくまでも一構成例にすぎず、収穫する作物の平均粒径よりも大であれば、本構成の目的とするところは概ね達成できるものであり、また、作物の種類(平均穀粒径)に合わせて適宜設定を変更し、駆動抵抗(kg)を測定した上で、決定されるものである。また、隙間幅C1・C2を広げる方向の上限値については、穀粒の搬送量が考慮されることは、言うまでもない。
【0046】
次に、本構成に係る詰まりセンサの構成について説明する。
図11、図17及び図18に示すように、受継ぎ搬送装置69の搬送部31上方と(図17)、排出装置70の排出口33g近傍(図11)には、それぞれ圧電式の第一詰まりセンサ94(図17)と第二詰まりセンサ97(図11)が設けられている。
【0047】
このうちの第一詰まりセンサ94は、図17及び図18に示すように、中継ぎケース81側面に形成された開口部82h(図18)を塞ぐように、中継ぎケース81に固設されるセンサーケース95に内設されるものである。このセンサーケース95には、内腔のセンサ収容部95aと、中継ぎケース81の外側面に当接してボルト99・99により固設される板状の固設部95bが形成され、該固設部95bには、四箇所に上下方向の長孔95c・95c・・・が穿設され、該長孔95c・95c・・・の分だけセンサーケース95の上下固定位置を調節可能としている。また、そして、第一詰まりセンサ94には、圧力を検出可能なセンサ面94a(図18)が設けられ、目詰まりにより穀粒18が穀粒満量ライン96まで堆積すると、該センサ面94a上に載った穀粒重量を検出し、この検出信号が、第一詰まりセンサ94に接続された図示せぬコントローラに伝達される。
【0048】
一方、第二詰まりセンサ97は、図11に示すように、搬送ケース33の排出口33gの近傍の内側に付設した取付台98の側面に固定されている。そして、該第二詰まりセンサ97には、上記第一詰まりセンサ94と同様、穀粒の圧力を検出可能なセンサ面が設けられており、排出口33gからコンテナやトラックなどの容器へ穀粒18の排出が進み、堆積した穀粒18の上面が容器内を次第に上昇すると、穀粒18が排出口33gから排出装置70内に流入しセンサ面を斜め下方から押し上げ、この時の圧力を第二詰まりセンサ97が検出して、検出結果を図示せぬコントローラに伝達させる。
【0049】
さらに、図4に示すごとく、穀粒タンク5の搬出コンベア11の伝達ギア102とエンジンとの間には第1クラッチ118が設けられるとともに、図10に示すごとく、排出装置70の油圧モータ32にも第二クラッチ119が設けられており、これらクラッチ118・119は、いずれも前記コントローラに接続されている。
【0050】
このような構成において、第一詰まりセンサ94が「ON」となり、受継ぎ搬送装置69内での詰まり発生が検出された場合は、まず第一クラッチ118を「切」にした後に、第二クラッチ119を「切」とするようにして、排出装置70内の穀粒の残留を防止する。また、第二詰まりセンサ97が「ON」となり、排出装置70内への穀粒流入による排出口33gの詰まり発生が検出された場合は、第1クラッチ118、第2クラッチ119とも同時に「切」にして、それ以上、排出装置70内に穀粒が流入しないようにしている。このようにして、受継ぎ搬送装置69および排出装置70において、穀粒排出側には穀粒詰まりを検出可能なセンサ94・97を設け、穀粒詰まりの状況に応じて的確に対処することができ、短時間で復旧することができ、穀粒排出作業の効率低下を防止することができるようになっている。
【0051】
また、必要に応じて上記第一詰まりセンサ94においては、中継ぎケース81に対して上下固定位置を調節可能としたセンサーケース95に収容する構成としているので、作物の種類や、穀粒の湿潤状態等により、上述した穀粒満量ライン96(図17)の上下位置を変更させ、第一詰まりセンサ94による満了状態の検出のタイミングを変更できる。これに対し、従来では、第一詰まりセンサ94の高さを調節できなかったので、検出タイミングの変更は、コントローラのプログラムの改変による対応が必要となり、面倒な作業を要するものであったため、本構成により、検出タイミングの変更の容易化が図られるものである。
【0052】
なお、本構成例では、センサを圧電式としたが、ポテンショ式センサや、非接触の光学式センサとしてもよく、目詰まりによる穀粒18の堆積を検出可能な手段であれば、特に限定されるものではない。
【0053】
次に、エンジンの燃焼空気の吸入に関し、プレクリーナ75とエアクリーナ83間を連通する吸気ホース85の構成について説明する。コンバインによる刈取作業時には、機体全体が地上からの振動を受けるとともに、脱穀装置や、揺動選別装置、エンジン等、コンバインの装置自体も振動源を有していることから、これらの振動対策が講じられており、エンジン燃焼空気の吸気ホースにおいても、他の機器類・各種ブラケットとの干渉による亀裂等の損傷防止のため、保護カバーによりホース外側面を包囲して保護していた。この保護カバーは、ホース外側面を包囲した状態で、ホースバンドを周囲から巻きつけることで、吸気ホースに固定していた。しかし、前記保護カバーのホースバンドによる固定の方法においては、振動によるため、緩みやすいといった問題があった。これは、単にホースバンドを保護カバーの周囲に巻きつける構成としていたからである。
そこで、本構成では、前記保護カバーのホースバンドによる固定について、新たな固定の方法を提案するものであり、以下に詳述する。
【0054】
図19に示すごとく、外気は、プレクリーナ75から吸い込まれて空気中の大きな塵や埃が除去された後、エアクリーナ83により一層細かな塵等も除去されて十分な清浄化処理が行われ、そのままエンジンに吸い込まれて、エンジン駆動のための燃焼に使用されるものである。前記プレクリーナ75は、穀粒タンク5に付設されたブラケット87に上方へ向かって延設された吸気パイプ75aの上部に配設され、また、エアクリーナ83は、取付ステー86に収容されるようにして、図示せぬ機体フレーム側に固設されたブラケット24に固設され、その吸気パイプ83aを上方に向けて配設している。
【0055】
そして、プレクリーナ75の吸気パイプ75aの下端部と、エアクリーナ83の吸気パイプ83aの上端部を吸気ホース85により連通することにより、プレクリーナ75により吸気した外気が、吸気ホース85内を通ってエアクリーナ83に供給されるようになっている。
【0056】
また、吸気ホース85には、他の装置の固定に必要とされる固定パイプ74や、固定ブラケット79等との干渉を避けるようにして、前記両クリーナ75・83間を連通するようにしており、これら固定パイプ74・固定ブラケット79と接触により吸気ホース85に亀裂等の損傷が生じないよう、筒状の保護ゴム76により外周面が保護されている。
【0057】
また、図20に示すごとく、前記保護ゴム76には、機体の振動によりズレ落ちる事がないように、周囲からホースバンド77・77・77により締め付けられることで、吸気ホース85に密着されている。そして、このホースバンド77・77・77の締め付け方法であるが、保護ゴム76にホースバンド通し孔78・78・・・を開口し、該ホースバンド通し孔78・78・・・にホースバンド77・77・77を通したうえで保護ゴム76の周囲を締め付けるようにしている。
【0058】
このようにして、ホースバンド77・77・77による保護ゴム76の締め付けが良好となり、また、ホースバンド77・77・77の保護ゴム76に対しての「ズレ」が、ホースバンド通し孔78・78・・・の範囲に抑えられるため、単に保護ゴム76の周囲に巻き付けて締め付ける方法と比較してホースバンド77・77・77を緩み難くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明に係るコンバインの全体側面図である。
【図2】同じく平面図である。
【図3】同じく背面図である。
【図4】同じく穀粒排出経路を示す後部側面図である。
【図5】排出用昇降機の下部図構成を示す図である。
【図6】受継ぎ搬送装置周辺の側面一部断面図である。
【図7】受継ぎ搬送装置に備える搬送部の構成を示す平面図である。
【図8】同じく図7におけるB−B線断面図である。
【図9】受継ぎ搬送装置を斜め下方からみた斜視図である。
【図10】排出装置における搬送始端側の構成を示す一部断面図である。
【図11】同じく排出装置の駆動構成を示す側面図である。
【図12】同じく排出装置に形成する掃除口の配置を示す側面図である。
【図13】同じく排出コンベアベルトに作用するスクレーパーの構成を示す平面一部断面図である。
【図14】同じく排出コンベアベルトに作用するスクレーパーの構成を示す平面一部断面図である。
【図15】排出コンベアベルトの搬送面角度に対する搬送板の高さの関係を示す図である。
【図16】同じく搬送板の高さ設定でより多くの穀粒を載置した状態を示す図である。
【図17】第一詰まりセンサの上下固定位置調節に関する構成を示す側面図である。
【図18】同センサによる穀粒量の検出状態を示す一部断面図である。
【図19】プレクリーナとエアクリーナの配置構成を示す正面図である。
【図20】吸気ホースに取付ける保護カバーを示す正面図である。
【符号の説明】
【0060】
28 掃除口
33 搬送ケース
47 排出コンベアベルト
53 スクレーパー
70 排出装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
穀粒タンク(5)の穀粒を外部へ排出するベルト式コンベアを内装した排出装置(70)を備えたコンバインにおいて、該排出装置(70)内で回転駆動される排出コンベアベルト(47)の内周空間に、該排出コンベアベルト(47)の内周面に当接するスクレーパー(53)を配設するとともに、該スクレーパー(53)の固定位置を調節可能に構成したことを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
請求項1記載のコンバインにおいて、前記排出装置(70)の搬送ケース(33)の左右側板複数箇所に、掃除口(28)を形成したことを特徴とするコンバイン。
【請求項3】
請求項1記載のコンバインにおいて、前記排出装置(70)の穀粒搬送始端側に穀粒を投入する受継ぎ搬送装置(69)を配置し、該受継ぎ搬送装置(69)に内で回転駆動される受継ぎコンベアベルト(90)の内周空間に、該受継ぎコンベアベルト(90)の内周面に当接するスクレーパー(23)を配設するとともに、該スクレーパー(23)の固定位置を調節可能に構成したことを特徴とするコンバイン。
【請求項4】
請求項3記載のコンバインにおいて、該受継ぎ搬送装置(69)に内で回転駆動される受継ぎコンベアベルト(90)の内周空間で、該受継ぎコンベアベルト(90)を駆動する駆動プーリ(20)の外周面に当接するスクレーパー(26)を配設するとともに、該スクレーパー(26)の固定位置を調節可能に構成したことを特徴とするコンバイン。
【請求項1】
穀粒タンク(5)の穀粒を外部へ排出するベルト式コンベアを内装した排出装置(70)を備えたコンバインにおいて、該排出装置(70)内で回転駆動される排出コンベアベルト(47)の内周空間に、該排出コンベアベルト(47)の内周面に当接するスクレーパー(53)を配設するとともに、該スクレーパー(53)の固定位置を調節可能に構成したことを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
請求項1記載のコンバインにおいて、前記排出装置(70)の搬送ケース(33)の左右側板複数箇所に、掃除口(28)を形成したことを特徴とするコンバイン。
【請求項3】
請求項1記載のコンバインにおいて、前記排出装置(70)の穀粒搬送始端側に穀粒を投入する受継ぎ搬送装置(69)を配置し、該受継ぎ搬送装置(69)に内で回転駆動される受継ぎコンベアベルト(90)の内周空間に、該受継ぎコンベアベルト(90)の内周面に当接するスクレーパー(23)を配設するとともに、該スクレーパー(23)の固定位置を調節可能に構成したことを特徴とするコンバイン。
【請求項4】
請求項3記載のコンバインにおいて、該受継ぎ搬送装置(69)に内で回転駆動される受継ぎコンベアベルト(90)の内周空間で、該受継ぎコンベアベルト(90)を駆動する駆動プーリ(20)の外周面に当接するスクレーパー(26)を配設するとともに、該スクレーパー(26)の固定位置を調節可能に構成したことを特徴とするコンバイン。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2006−311865(P2006−311865A)
【公開日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−194933(P2006−194933)
【出願日】平成18年7月14日(2006.7.14)
【分割の表示】特願2002−142242(P2002−142242)の分割
【原出願日】平成14年5月17日(2002.5.17)
【出願人】(000006851)ヤンマー農機株式会社 (132)
【出願人】(391025914)八鹿鉄工株式会社 (131)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年7月14日(2006.7.14)
【分割の表示】特願2002−142242(P2002−142242)の分割
【原出願日】平成14年5月17日(2002.5.17)
【出願人】(000006851)ヤンマー農機株式会社 (132)
【出願人】(391025914)八鹿鉄工株式会社 (131)
【Fターム(参考)】
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