説明

コンバイン

【課題】扱胴下部周辺に周設される受網の後半部における穀稈扱ぎ残しの低減と目詰まりを防止を図るコンバインを提供する。
【解決手段】脱穀部の扱室に、外周面に扱歯を備えた扱胴を前後方向に横架し、該扱胴の下方周囲に受網20を配置したコンバインにおいて、扱胴後半部の下部に位置する受網20上に複数の仕切48を扱胴回転方向に配置し、該仕切48を板状部材で構成し、前記仕切48を配置した受網20の孔の大きさを、他の部分に位置する受網の孔の大きさよりも大きく構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバインにおける脱穀部の受網の構成に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンバインにおける脱穀部は、扱胴の下方周囲を受網で覆い穀粒や藁屑等を漏下するようにしている。前記受網には、扱胴の後半部付近に断面視円形状の棒体で構成される仕切を複数凸設して、扱胴に備えられる扱歯での扱ぎ作用を高めて扱ぎ残しの低減を図っていた。また、前記受網は二分割化が可能となっており、受網の脱着を容易にするものであった。
【特許文献1】特開2001−128534号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のような従来のコンバインの脱穀部において、二分割された受網のフィードチェーン側の受網の後半部には、側面視において前記扱歯一本の通過部に対して、前記仕切を一つ設けていた。即ち、仕切が複数設けられた扱胴後半部において、それぞれの穀稈の通路が仕切と扱歯により塞がれて狭くなり、そのため、穀粒等の漏下がスムーズに行われず、前記扱胴後半部に停滞してしまうことがあり、脱桴されることもあった。特に、湿材等を脱穀する際には、前記扱胴後半部において受網の漏下率が悪くなり、それに伴い、穀稈の停滞率があがり目詰まりを起こすことがあった。以上のことより、扱胴後半部において、穀稈の扱ぎ残し低減を図るとともに、受網の目詰りの原因となる仕切の構成を改善する必要がある。
【0004】
また、従来の受網を左右二分割化した構成であると、奥側の網と手前側の網とは扱胴下部へ同時に装着しなければ固定することできず、逆に、組み付けの際には奥側の網を装着して手前側の網を押しながら同時に嵌め込まなければならず、作業性が悪くなっていた。このため、受網の脱着作業を安全で容易に行えるようにするための手段を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0006】
即ち、脱穀部の扱室に、外周面に扱歯を備えた扱胴を前後方向に横架し、該扱胴の下方周囲に受網を配置したコンバインにおいて、扱胴後半部の下部に位置する受網上に複数の仕切を扱胴回転方向に配置し、該仕切を板状部材で構成し、前記仕切を配置した受網の孔の大きさを、他の部分に位置する受網の孔の大きさよりも大きく構成したものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、脱穀部の扱室に、外周面に扱歯を備えた扱胴を前後方向に横架し、該扱胴の下方周囲に受網を配置したコンバインにおいて、扱胴後半部の下部に位置する受網上に複数の仕切を扱胴回転方向に配置し、該仕切を板状部材で構成し、前記仕切を配置した受網の孔の大きさを、他の部分に位置する受網の孔の大きさよりも大きく構成したので、脱穀後の穀粒が漏下し易くなり、脱穀性能を向上することができる。また、目詰まりを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
次に、発明の実施の形態を説明する。図1は脱穀部を備えたコンバインの全体側面図、図2は同じく側面図、図3は同じく脱穀部の側断面図、図4は扱室の正面図、図5は受網の平面図、図6は受網に設けられる仕切の構成を示す概略図、図7は従来の受網に設けられる仕切の構成を示す概略図、図8は仕切が凸設される手前網の突出部の構成を示す拡大平面図、図9は奥網側面に設けられるすべり防止手段の構成を示す図、図10は受網の第二実施例を示す平面図である。
【0009】
まず、コンバインの全体構成について、図1乃至図3により説明する。クローラ式走行装置1上には機体フレーム2が載置され、該機体フレーム2前端には引起し・刈取部3が昇降可能に配設されている。該引起し・刈取部3は前端に分草板4を突出して穀稈を分草し、その後部に引起しケース5を立設して該引起しケース5より突出したタイン6の回転により穀稈を引き起こし、前記分草板4後部に配設した刈刃7にて株元を刈り取るようにしている。
【0010】
刈り取られた穀稈は、上部搬送装置、下部搬送装置、縦搬送装置8にて後部へ搬送され、該縦搬送装置8の上端から株元がフィードチェーン9に受け継がれ、脱穀部12内に穀稈が搬送される。そして、該フィードチェーン9後端には排藁チェーン18が配設され、該排藁チェーン18後部下方には排藁カッター装置、拡散コンベアなどからなる排藁処理部19が形成され、排藁を切断して藁片にした後、拡散しながら圃場に均一放出するようにしている。
【0011】
また、前記脱穀部12側部には選別後の精粒を貯留するグレンタンク13が配設され、該グレンタンク13前部には運転室14が配設される一方、グレンタンク13後部には排出オーガ15の縦オーガ15aが立設され、該縦オーガ15aを中心にしてグレンタンク13が側方へ回動可能とし、本機内部側に配置した駆動系や油圧系のメンテナンスを容易にしている。そして、該グレンタンク13の底部には排出コンベア16が前後方向に配設され、該排出コンベア16から前記排出オーガ15に動力が伝達されて、排出オーガ15先端よりトラック等へグレンタンク13内の穀粒を排出できるようにしている。更に、脱穀部12下方には、選別部17が配設され、脱穀部12から流下する穀粒や藁屑等(以下「処理物」とする)から穀粒を選別し、前記グレンタンク13に搬送するようにしている。
【0012】
ここで、前記脱穀部12と前記選別部17について図3を用いて説明する。図3に示すように、脱穀部12に形成された扱室28に機体の前後方向に軸架する扱胴21を内設させ、該扱胴21周囲には扱歯21a・21a・・・が植設されて脱粒が行われるとともに、扱胴21下部周囲には受網20が設けられて処理物のみ落下するようにしている。そして、前記扱胴21後部で、グレンタンク13側に、送塵口処理胴22が扱胴21と平行に前後方向に横架されるとともに、該扱胴21の後部は、送塵口23を介して送塵口処理胴22前部へ連通されており、扱胴21で処理できなかった枝梗付着粒等の未処理物を送塵口処理胴22へ送るようにしている。該送塵口処理胴22の下部周囲には処理胴網24が設けられ、該処理胴網24からは、処理物のみ落下するようにしている。
【0013】
選別部17では、揺動選別装置27による比重選別と唐箕26による風選別とが行われ、脱穀部12から落下する処理物を一番物と二番物と藁屑等に分別する。該揺動選別装置27は機枠35内に収納され、揺動選別装置27前部は扱胴21前端部の下方まで位置し、揺動選別装置27後部は前記送塵口処理胴22後端部の下方まで延設させている。そして、揺動選別装置27前下部には揺動軸が設けられ、後部には揺動駆動機構34が設けられ、揺動駆動機構34によって揺動本体49が揺動するように構成されている。
【0014】
揺動選別装置27の前部には前流穀板30が形成され、該前流穀板30の後下方には後流穀板31が形成され、該前後の流穀板30・31では、板体を波状に成形して穀粒を後方に搬送しやすくしている。そして、前記後流穀板31後部には、第二選別部である網状のグレンシーブ32が連設されるとともに、該グレンシーブ32と前記後流穀板31の上方には、第一選別部であるチャフシーブ33が被装されている。
【0015】
また、揺動選別装置27下方の前後途中位置には、左右方向に一番コンベア36と二番コンベア37とが横設され、このうちの一番コンベア36の右側には揚穀コンベアが連結されており、前記揺動選別装置27を介して一番コンベア36の流穀板39上に漏下された一番物は、一番コンベア36から揚穀コンベア38を介して、前記グレンタンク13に搬送されるようにしている。また、前記二番コンベア37の右端には二番還元コンベア40が連結されており、該二番還元コンベア40の前方側端部を二番処理装置10に連設し、該二番処理装置10内の枝梗処理胴により枝梗を除去した後の二番物を、揺動選別装置27の選別開始部に再投入する構成としている。
【0016】
そして、前記前流穀板30後部の下方には唐箕26が配置され、グレンシーブ32やチャフシーブ33に選別風を送風するとともに、前記一番コンベア36と二番コンベア37との間にも副圧送ファンであるセカンドファン46を設けて選別風を送風し、唐箕26による選別風の風力が弱まる選別部17後部においても選別性能が低下しないようにしている。
【0017】
さらに、揺動選別装置27の後端部上方には、吸引ファン25が全幅に横設されており、該吸引ファン25に、前記唐箕26、セカンドファン46から供給される選別風の流れに乗ってきた塵が吸引されて機外に排出されるのである。
【0018】
以上がコンバインの全体構成であり、以下、脱穀部12の受網20の構成について図4乃至、図6により、詳細を説明する。図4に示すように、脱穀部12の扱室28には機体正面視円形状の扱胴21が前後方向に横架され、該扱胴21の下部周辺を覆うように半円形の受網20が着脱可能に周設されている。該受網20はグレンタンク13側(進行方向右側)を奥網50、フィードチェーン9側(進行方向左側)を手前網51として、二分割されており、送塵口23の始端の前後方向のライン47(図5)において、前記奥網50と前記手前網51との連結部54が配置されている。この連結部54において、奥網50と手前網51の当接部における網枠50a・51aには一方よりピン42・42・42が接線方向に突設され、他方の網枠の該ピン42の位置には挿入孔が形成され、手前網51を押し込むことによりピン42が挿入孔に嵌合して連結する構成としている。なお、この連結構成は限定するものではなく、凹凸を嵌合させる構成等であってもよい。また、前記奥網50のグレンタンク側の網枠50bからはピン42a・42a・42aが突設されて、該ピン42a・42a・42aを本機側に備えられる固定部材となるステー43に嵌合することで、受網20は扱胴21下部に固定されるのである。このように前記受網20は二分割化が図られているため、扱胴21下部を覆う受網20の包囲角を180度以上にする事ができ、分割しない場合に比して、より広い範囲で扱胴21下部をカバーすることができ、漏下面積を大きくして選別性能を向上できるものである。
【0019】
また、図5に示すように、受網20は手前網51と奥網50とにより平面視略L字状に形成され、手前網51が前後方向に長くやや突出した構成としている。前記受網20は網枠44上に薄い金属製の板体45を固設して構成されており、該板体45には全面ほぼ均一に方形状の抜孔45aが穿孔されて網目状に形成されている。そして、該抜孔45aを通して、扱歯21a・21a・・・により受網20上に扱ぎ落とされた籾や藁屑等を漏下するようにしている。なお、本実施例においては、前記抜孔45aの形状を方形状としたが、丸や多角形にしてもよい。
【0020】
前記L字状の受網20における突出部51bの上面には、金属製の板体等で形成される所定高さの仕切48が扱胴21の回転方向と平行に複数凸設され、該仕切48は、扱胴21外周に植設される扱歯21a・21aの間に配設されている(図6)。前記突出部51bはフィードチェーン9による穀稈搬送路9aの後半部であり、扱胴21の後半部下部に位置する。前記仕切48が複数凸設された突出部51bにおいて、フィードチェーン9によって搬送される穀稈は、前記仕切48によって上方へ浮き上がらされるとともに、扱歯21a・21a・・・により下方へ押さえつけられる。このため、穀稈に扱歯21a・21a・・・を確実に当接させることができ、扱歯21a・21a・・・の扱ぎ作用を高め、扱ぎ残しを低減することができるのである。
【0021】
従来の仕切148は、図7に示すように断面視円形状の棒体で構成されており、上述のように扱歯21a・21a・・・の扱ぎ作用を高めるものであったが、扱歯21aと仕切148とのラップ代R2を大きくする場合、扱歯21a・21aと仕切148との前後方向の隙間幅W2が小さくなり、脱ぷや損傷粒が多くなる傾向にあった。コンバインにおいては、図6に示すように前記仕切を板体で構成しているため、ラップ代R1を大きくしても隙間幅W2は変化することがなく従来よりも大きくとることができ、脱ぷ率を低減できるものである。
【0022】
また、従来の受網に設けられた仕切148は前記突出部51bにおいて、各扱歯21a・21a・・・の通過隙間ごとに一つの仕切148・148・・・を設けていたので、湿材等の透過性が悪く抵抗の大きい穀稈を脱穀する場合、受網20の網目が目詰りを生じることがあった。
【0023】
本実施例の受網20においては、扱歯21a複数本に対して一つの割合で仕切48を設けるようにしている。即ち、本実施例においては、図6に示すように、扱歯21a・21a・・・の隙間二つごとに仕切48を一つ設けている。つまり、従来の仕切148・148間の間隔L2に比して、二倍の間隔L1をとっているものである。
【0024】
さらに、図8に示すように、突出部51b近傍における前記受網20上の仕切り148・148・・・を配置した部分に設けた抜孔45b・45b・・・の大きさは、その他の受網部分に穿孔された抜孔45a・45a・・・の大きさに比して、開口面積を大きくしている。また、該抜孔45bは扱歯21aの通過ラインの真下に穿孔されて、扱歯21aによって脱粒された穀粒をすぐに漏下できるようにしている。つまり、仕切48が配設される位置の受網において、扱歯21aの回転軌跡の下方に、受網20に開口される抜孔45aの中心が位置するように配設される。このように、仕切48が凸設される突出部51bにおいて、抜孔45bの開口面積を大きくし、該抜孔45bを扱歯21aの通過ラインの真下に穿孔したので、湿材等の詰り易い作物を脱穀する際にも漏下し易くなり、詰りを防止することができる。
【0025】
また、前記受網20はフィードチェーン9を開放して、側方より機体側のフレーム55に設けたレールに沿って円弧状に引き出したり挿入して着脱可能としており、奥網50には、ストッパが設けられている。図4、及び図5に示すように、奥網50の網枠44の前後両側の側面の手前側にはストッパが設けられている。即ち、図9に示すように、網枠44にストッパバネ29をビス41により締結固定し、該ストッパバネ29を機体側のフレーム50に係止できるようにしており、メンテナンス等で手前網51を引き抜く際に奥網50がすべり落ちないようにしている。従来では、奥網50と手前網51とは扱胴20下部へ同時に装着しなければ固定することできず、手前網51を引き抜いて外す際に奥網50が滑り落ちてきたので、挟まれるおそれがあった。また逆に、奥網50を装着するためには手前網51を同時に嵌め込む必要があり、作業性が悪くなっていた。
【0026】
本実施例においては、奥網50にバネ等の可撓性有する部材を固定手段として、奥網50を機体側に固定可能とするものである。即ち、ストッパバネ29は、薄い板状部材の一端を山型に折り曲げて形成されている。該ストッパバネ29はビス41により奥網50の網枠44の前後両側の手前側の内面に、山型における頂点を前後外方向へ向けて突出して固定される。一方、フレーム55の奥網50セット位置の側面にもストッパバネ29の位置に合わせて係止孔55aが開口されている。そして、奥網50を扱胴20下部に装着する際には、図9(a)に示すように前記ストッパバネ29は内側へ撓み、山型部29bの頂点が本機フレーム55に沿って摺動し、前記フレーム55に穿設された係止孔55aに至ると前記山型部29bが係止孔55aに嵌合してフレーム55に固定されるのである。また、奥網55を引き抜く際にはストッパバネ29の山型部29bの端部に形成された把手29cを内側方向へ引き上げるだけで係止孔55aより山型部29bを抜き出して容易に固定を解除することができる。
【0027】
以上のように二分割された受網20の奥網50に固定手段を設けて、該固定手段となるストッパバネ29は、奥網50を押し込むだけで係止孔55aに係止され、手前網51を引き抜く際に、奥網50がすべり落ちてくる心配がなく、受網20の脱着作業を容易に行うことができる。なお、前記固定手段は手前網51を着脱する際に止めておくだけでよいため、前後一側だけ配置することもできる。また、把手29cはワイヤ等と連結してフィードチェーン側で解除操作できるように構成することもできる。また、固定手段の構成は限定するものではなく、ピンを抜き差しする等の構成でもよい。
【0028】
次に、前記受網の第二実施例を説明する。図10に示すように二分割化された受網20の奥網150と手前網151の合わせ面を、フィードチェーン9により搬送する穀稈の穂先の通過域9a外に位置するように構成している。即ち、前記奥網150と手前網151の合わせ面となる連結部154は、穀稈の穂先の通過域9aより奥側(機体右側)に配置し、機体前後方向と平行に配置している。
【0029】
以上のような構成により、奥網150と手前網151との合わせ面を送塵口23の始端の前後方向のライン47より奥側へ移動することになり、前記合わせ面がフィードチェーン9により搬送される穂先の通過域9aの外側に位置して、抜孔を穿孔することができない合わせ面を穂先が通過することがなく、扱残しの低減及び、漏下促進を図ることができる。
【0030】
最後に、脱穀部の扱室に、外周面に扱歯を備えた扱胴を前後方向に横架し、該扱胴の下方周囲に受網を配置したコンバインの脱穀部において、前記扱胴後半部の下部に位置する受網上に複数の仕切を扱胴回転方向に配置し、該仕切を板状部材で構成し、複数の扱歯に対して一つの割合で仕切を設けたので、仕切が板状で幅狭くなり、仕切と扱歯とのラップ代を大きくしても扱歯と仕切との前後方向の隙間が小さくなることがなく脱ぷ率を低減することができ、さらに、目詰まりの心配がない。
【0031】
脱穀部の扱室に、外周面に扱歯を備えた扱胴を前後方向に横架し、該扱胴の下方周囲に受網を配置したコンバインの脱穀部において、前記扱胴後半部の下部に位置する受網上に複数の仕切を扱胴回転方向に配置し、該仕切を配置した受網の孔の大きさを、他の部分に位置する受網の孔の大きさよりも大きく構成したので、脱穀後の穀粒が漏下し易くなり、脱穀性能を向上できる。また、目詰まりを防止することができる。また、脱穀性能も向上できる。
【0032】
前記仕切を設けた受網において、扱歯の回転軌跡の下方に受網の抜孔を配置したので、脱粒後の穀粒等が漏下し易くなり、脱穀性能を向上できる。
【0033】
また、脱穀部の扱室に、外周面に扱歯を備えた扱胴を前後方向に横架し、該扱胴の下方周囲に受網を配設し、該受網を奥側と手前側の左右に二分割化したコンバインにおいて、前記奥側の受網に固定手段を設けるとともに、奥側の受網と、手前側の受網との合わせ面を、穀稈の穂先が通過する通過域外に配置したので、固定手段により前記受網を引き抜く際に、手前側の受網を引き抜いても、奥側の受網が滑り落ちてくることがなく、受網の脱着作業を容易に行うことができる。また、抜孔が穿設されていない合わせ面を穂先が通過することがなく扱残しの低減及び、ろ過促進を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】脱穀部を備えたコンバインの全体側面図。
【図2】同じく側面図。
【図3】同じく脱穀部の側断面図。
【図4】扱室の正面図。
【図5】受網の平面図。
【図6】受網に設けられる仕切の構成を示す概略図。
【図7】従来の受網に設けられる仕切の構成を示す概略図。
【図8】仕切が凸設される手前網の突出部の構成を示す拡大平面図。
【図9】奥網側面に設けられるすべり防止手段の構成を示す図。
【図10】受網の第二実施例を示す平面図。
【符号の説明】
【0035】
12 脱穀部
20 受網
21 扱胴
21a 扱歯
28 扱室
45 板体
45a 抜孔
48 仕切

【特許請求の範囲】
【請求項1】
脱穀部の扱室に、外周面に扱歯を備えた扱胴を前後方向に横架し、該扱胴の下方周囲に受網を配置したコンバインにおいて、扱胴後半部の下部に位置する受網上に複数の仕切を扱胴回転方向に配置し、該仕切を板状部材で構成し、前記仕切を配置した受網の孔の大きさを、他の部分に位置する受網の孔の大きさよりも大きく構成したことを特徴とするコンバイン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−289199(P2007−289199A)
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−153407(P2007−153407)
【出願日】平成19年6月8日(2007.6.8)
【分割の表示】特願2002−180506(P2002−180506)の分割
【原出願日】平成14年6月20日(2002.6.20)
【出願人】(000006851)ヤンマー農機株式会社 (132)
【出願人】(000005164)セイレイ工業株式会社 (125)
【Fターム(参考)】