説明

コンバイン

【課題】倒伏状態にある穀稈の刈取り作業を行う際に、倒伏状態の穀稈を引起すスーパーデバイダの前処理部への脱着は手間がかかると共に、スーパーデバイダを前処理部に取付けないと倒伏状態の穀稈の刈取り作業ができない。
【解決手段】引起し装置17が閉じた状態で対向する引起し爪40の一部をその引起し移動方向からみてオーバーラップするように配置して、引起し爪40の先端同士が引起し移動方向からみてオーバーラップするか近接する位置まで引起し装置17を開く。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、穀稈を刈取る前処理部を備えるコンバインに係り、詳しくは、前処理部に配置されて穀稈を引起こす引起し装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、コンバインには、圃場の穀類を刈取るための前処理部が設けられており、この前処理部は、穀稈を分草するデバイダと、穀稈を引起こす引起し装置などを有している。引起し装置は、穀稈を引起こす引起し爪を複数有しており、この引起し爪を対向させるようにして左右一対でコンバインの機体前方に配置される。そして刈取り作業は、この引起し爪を移動させて穀稈を引起こし、刈刃で穀稈の株元を刈取りながら行われる。
【0003】
ところで、刈取る穀稈が倒伏している場合には、倒伏した穀稈を引起すために、引起し爪の先端が前方(進行方向)を向いた状態で引起し爪が移動するスーパーデバイダ(倒伏状態の穀稈を引起こすための引起し装置)を前処理部に取付けて刈取り作業を行う。
【0004】
従来から、引起し装置に生じる穀稈などの詰まりの除去及び引起し装置のメンテナンスなどを行うために、引起し爪の先端が前方を向くように引起し装置が回動して、前処理部の内部が開放されるコンバインが案出されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−219374号公報
【特許文献2】特開2010−51227号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のように、刈取る穀稈が倒伏状態にある場合には、前処理部にスーパーデバイダを取付けて刈取り作業を行う必要があるため、スーパーデバイダの脱着に手間がかかるだけでなく、スーパーデバイダがないと倒伏状態の穀稈の刈取り作業を行うことができない場合がある。また、前記引起し装置を回動し得るものは、メンテナンス時に引起し爪の先端が前方を向く位置に固定できるとしても、引起し装置を開放状態で刈取り作業を行うことはできない。
【0007】
そこで、本発明は、引起し装置を閉じた状態で起立状態の対向する引起し爪の一部が引起し移動方向からみてオーバーラップするように配置し、かつ倒伏刈取り位置で起立状態の対向する引起し爪の先端同士が少なくとも近接するように配置することで斜めに開放した位置で刈取り作業を行い得るように構成し、もって上記の課題を解決したコンバインを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、穀稈を引起こす引起し爪(40)と、該引起し爪(40)が起伏自在に複数取付けられて、回転体(44)に巻掛けられる巻掛け体(41)と、前記回転体(44)を支持すると共に、軸支される引起しフレーム(42)と、該引起しフレーム(42)を覆うフレームカバー(43)と、を有する引起し装置(17)を備え、
起立状態の引起し爪(40)を前記フレームカバー(43)から突出して対向させるように、少なくとも一対の引起し装置(17)を機体前方に配置してなるコンバイン(1)において、
前記一対の引起し装置(17)は、閉じた状態の刈取り位置と、開いた状態のメンテナンス位置と、前記刈取り位置とメンテナンス位置との中間に位置して倒伏した穀稈を引起しつつ刈取る倒伏刈取り位置とに、対向する側が開閉するように回動自在に支持され、閉じた状態で前記起立状態の対向する引起し爪(40)の一部がその引起し移動方向からみてオーバーラップするように配置され、かつ前記倒伏刈取り位置にあっては、前記起立状態の対向する引起し爪の先端同士が少なくとも近接するように配置されてなることを特徴とする。
【0009】
また、前記引起し装置(17)は、任意の開閉角度で固定可能に設けられてなる。
【0010】
更に、前記引起し装置(17)の下端側は、掻込ベルト(26)を有する掻込装置(23)の上部に設けられた支持部(29)に回動自在に支持されてなる。
【0011】
なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照するためのものであるが、これにより特許請求の範囲の記載に何等影響を及ぼすものではない。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る発明によると、機体前方に一対で配置されると共に、回動自在に支持された引起し装置を、閉じた状態で対向する引起し爪の一部がその引起し移動方向からみてオーバーラップするようにし、かつ刈取り位置とメンテナンス位置との中間の倒伏刈取り位置にあっては、対向する引起し爪の先端同士が少なくとも近接するように設けたので、引起し装置が閉じた状態では、通常の引起し装置として穀稈を引起こすことができ、また起立状態で対向する引起し爪の先端同士が引起し移動方向からみてオーバーラップ又は近接するように引起し装置を斜めに開くことで、スーパーデバイダを取り付けることなく倒伏した穀稈を引起こしながら刈取り作業を行うことができる。
【0013】
請求項2に係る発明によると、引起し装置を任意の開閉角度で固定可能に設けたので、起立状態で対向する引起し爪の先端同士が引起し移動方向からみてオーバーラップ又は近接するように引起し装置を固定することができ、脱粒し易い穀稈を引起こす際は、引起し装置を開くことで穂部の接触を抑えることができてヘッドロスを減少させることができる。また、穀稈の倒伏方向により引起し装置を穀稈の引起し易い方向に向けて刈取り作業を行うことができる。さらに、引起し装置を全開位置で固定することにより、メンテナンスも容易に行うことができる。
【0014】
請求項3に係る発明によると、引起し装置の下端側を回転自在に支持する支持部を、掻込ベルトを有する掻込装置の上部に設けたので、搬送稈に接触させることなくスムーズに搬送を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施の形態に係るコンバインの平面図。
【図2】その正面図。
【図3】前処理部の構造を示す模式図。
【図4】引起し装置の回動軸を示す斜視図。
【図5】簡易のスーパーデバイダ状態の引起し装置を示す平面図。
【図6】その正面図。
【図7】メンテナンス状態の引起し装置を示す平面図。
【図8】その正面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係るコンバインの実施の形態について図面に沿って説明する。本実施の形態に係るコンバイン1は、図1及び図2に示すように、いわゆる自脱型コンバイン(以下、単にコンバインという)である。該コンバイン1は、走行装置である左右一対のクローラ2に支持された機体3を有しており、該機体3の前方には、穀稈を刈取る前処理部5が昇降自在に設けられている。機体3の前方一側には、運転者が着座するための運転席9やコンバイン1を操舵する操作レバー7などを備えた運転操作部6が設けられており、機体3の他側方には、前処理部5で刈取った穀稈を脱穀して選別処理する脱穀装置10が設けられている。前記運転操作部6の後方には、脱穀装置10で脱穀処理された穀類を貯蔵するグレンタンク11が配置されており、また脱穀装置10及びグレンタンク11の上方には、グレンタンク11内に貯蔵された穀粒を機外に排出するための排出オーガ12が設けられている。
【0017】
上記前処理部5は、図3に示すように、穀稈を引起して刈取る穀稈刈取り部13と刈取った穀稈を搬送する穀稈搬送部15とからなる。該穀稈刈取り部13には、前方に配設されて穀稈を分草し、刈幅を決める複数のデバイダ16と、穀稈を引起すための引起し装置17が左右一対を一組として二組が配置されている(図2参照)。該二組の引起し装置17の上方は、トップカバー19に覆われており、該二組の引起し装置17の側方の一方は、左右のサイドカバー20,21に覆われている。引起し装置17の後方には、引起された穀稈を刈取る刈刃22が設けられており、該刈刃22の上方には、前記穀稈搬送部15が設けられている。
【0018】
該穀稈搬送部15は、複数の掻込装置23を有しており、これら掻込装置23は、穀稈の株元を掻き込む掻込ベルト26を有している。該掻込ベルト26には、複数の掻込タイン25が等間隔で設けられており、掻込ベルト26は、回転体27,28に巻掛けられている。該掻込装置23の上部には、上記引起し装置17の下端側を支持する支持部である支持ステー29が設けられており、該支持ステー29の端部には、引起下部支持軸29aが設けられている。また、掻込装置23は、前処理部5に左右一対で配設されており、該掻込装置23の下方には、周縁に複数の歯が設けられて円盤形状に設けられたスターホイール30が設けられている。該スターホイール30は、掻込装置23と同様に左右一対で配設されている(図8参照)。
【0019】
上記掻込装置23の上方には、刈取った穀稈の株元を保持して穀稈を脱穀フィードチェーン8に搬送する株元搬送装置31が設けられており、該株元搬送装置31は、株元搬送チェーン32を有している。該株元搬送チェーン32は(図8参照)、回転体であるスプロケットなどに巻掛けられている。また、株元搬送装置31の上方には、刈取った穀稈の穂先を保持して穀稈を脱穀フィードチェーン8に搬送する穂先搬送装置37が設けられており、該穂先搬送装置37は、穂先タイン33が所定間隔で複数取付けられた穂先タインベルト35を有し、該穂先タインベルト35は回転体36に巻掛けられている。
【0020】
引起し装置17は、引起しフレーム42を有しており、該引起しフレーム42は、矩形形状に形成されたフレームカバー43に覆われている。また、前記引起しフレーム42には、図3に示すように、回転体44が回転自在に支持されており、該回転体44には、巻掛け体であるチェーン41が巻掛けられている。該チェーン41には、刈取る穀稈を引起こす複数の引起し爪(以下、単にタインという)40が所定の間隔で起伏自在に取付けられており、起立状態のタイン40は、フレーム42及びフレームカバー43に案内されて、フレームカバー43から突出するように配置されている。該タイン40は、左右の一組の引起し装置17が対向する位置にてフレームカバー43から突出し、対向するタイン40一部は、その引起し移動方向(上下方向)からみてオーバーラップするように長めに構成されている(図2参照)。また、前記引起しフレーム42の上方には、引起こしフレーム42と平行に配置された引起駆動ケース45が取付ブラケット46を介して取付けられている。
【0021】
上記引起駆動ケース45には、上記引起しフレーム42を軸支すると共に、軸芯方向が引起しフレーム42と平行となる駆動軸(不図示)が内装されており、該駆動軸の一端は、取付ブラケット46と一体形成された軸受部47に軸受けされている。また、引起駆動ケース45と軸受部47との接合部には、図4に示すように、円形形状に形成された引起回動位置調整部49が設けられており、該引起回動位置調整部49には、湾曲した長孔形状に切り欠かれた切欠き部49aが複数設けられている。該切欠き部49aには、固定部材である回動固定ボルト50が取付けられており、引起し装置17は、この引起回動位置調整部49によって任意の開閉角度に固定可能に設けられている。また引起駆動ケース45と同軸上であって、引起フレーム42の下端側には、ボス部51が設けられている(図3参照)。該ボス部51は、支持ステー29に設けられた引起下部支持軸29aと嵌合している。
【0022】
引起フレーム42は、上記駆動軸及び引起下部支持軸29aによって回動自在に支持されており、対向配置された一対の引起し装置17は、対向する側が開閉するように設けられている。また、引起しフレーム42には、ブラケット46の下方からブラケット46に向かってガイド棒(穂先ガイド)52が延設されている(図3参照)。
【0023】
ついで、上述のように構成されたコンバインの動作について説明する。作業者は、コンバイン1を運転して刈取り作業を行う圃場に移動し、圃場の刈取り作業開始位置から刈取り作業を開始する。その際、作業者は、移動のために上昇状態にあった前処理部5を作業位置まで降下させる。
【0024】
前処理部5を作動させると引起し装置17が作動し、引起しフレーム42に支持された回転体44の回転と共に、回転体44に巻き掛けられたチェーン41が回転する。起立状態のタイン40は、チェーン41の回転に連動して、下側から上方に向って(引起し移動方向)移動する。また、穀稈搬送部15を構成する掻込装置23、株元搬送装置31などの各装置も作動状態になる。
【0025】
コンバイン1の前進走行により、圃場の穀稈は、デバイダ16によって分草され、分草された穀稈は、上方に向って移動するタイン40によって引起こされる。引起こされた穀稈は、掻込みタイン25によって前処理部5内に掻き込まれ、その株元は刈刃22によって刈り取られる。刈取られた穀稈の株元は、回転する左右のスターホイール30によって集束された後、株元搬送チェーン32によって保持される。一方、刈取られた穀稈の穂先は、穂先タイン33によって保持されて、穀稈は、株元搬送チェーン32及び穂先タイン33に挟持されて、フィードチェーン8へと搬送される。
【0026】
株元搬送チェーン32及び穂先タイン33により、フィードチェーン8まで搬送された穀稈は、フィードチェーン8に受け渡されて、フィードチェーン8によって脱穀装置10に搬送さる。脱穀装置10に搬送された穀稈は、脱穀装置10によって穂先の穀粒が扱ぎ落され、扱ぎ落された穀粒は、選別処理後にグレンタンク11へ搬送されて貯蔵される。穀粒が扱ぎ落された排稈は、機体後方に設けられた排藁処理部14に搬送されてカッタやノッタ(不図示)などによって細断などの後処理がされる。
【0027】
そして、倒伏している穀稈の刈取り作業を開始する場合、作業者は、倒伏状態の穀稈を引起こすために、引起し装置17を閉じた状態の刈取り位置と開いた状態のメンテナンス位置との中間に位置する倒伏刈取り位置にして簡易のスーパーデバイダ状態にする。ここで、簡易のスーパーデバイダ状態とは、起立状態で対向する左右のタイン40の先端同士が引起し移動方向からみてオーバーラップしているか又は、近接して左右の引起し装置17が斜めに開いた状態である。そして、作業者は、引起し装置17を簡易のスーパーデバイダ状態にするため、引起回動位置調整部49の回動固定ボルト50を緩めた状態で、作業者が対向配置された一対の引起し装置17を手前側(互いに開く方向)に引っ張ると、引起し装置17は、引起駆動ケース45内の駆動軸、及び引起下部支持軸29aを軸として前方方向に回動する(開く)。
【0028】
作業者は、対向配置された起立状態にある左右のタイン40の先端同士がオーバーラップ又は接近する状態まで左右の引起し装置17を開き、その状態で回動固定ボルト50を固定して引起し装置17を固定する。これにより、引起し装置17は、図5及び図6に示すように、通常の引起し装置の状態(閉じた状態)から若干引起し装置17が開いた簡易のスーパーデバイダの状態になる。そして、作業者は、簡易のスーパーデバイダの状態の引起し装置17で倒伏した穀稈を引起こしながら刈取り作業を行う。
【0029】
刈取り作業中に生じる前処理部5内の穀稈の詰まりの除去及び前処理部5のメンテナンスを行うために、作業者は、引起し装置17を開放状態にして除去作業及びメンテナンス作業を行う。引起し装置17の開放状態は、引起し装置17を簡易のスーパーデバイダの状態にするときと同じく、作業者が引起回動位置調整部49の回動固定ボルト50を緩めて、対向配置された一方の引起し装置17を手前側に引っ張り引起し装置17を開く。
【0030】
作業者は、引起し装置17の一方(又は両方)を起立状態のタイン40が前方方向を向くまで開き、その状態で回動固定ボルト50を固定し、引起し装置17を固定する。これにより、引起し装置17は、図7及び図8に示すように、開放されたメンテナンス状態になる。引起し装置17をメンテナンス状態にした後に、作業者は、詰まりの除去や、前処理部5のメンテナンスなどを行う。
【0031】
上述のように、コンバイン1の機体前方に左右一対で配置されると共に、閉じた状態の刈取り位置、開いた状態のメンテナンス位置、及び刈取り位置とメンテナンス位置との中間に位置する倒伏刈取り位置(簡易のスーパーデバイダの位置)に回動自在(開閉自在)に支持された引起し装置17を、閉じた状態の刈取り位置にあっては、対向する起立状態のタイン40の先端側をその引起し移動方向からみてオーバーラップするようにし、倒伏刈取り位置にあっては、対向する引起し爪の先端同士が引起し移動方向からみてオーバーラップするか近接するように設けたので、引起し装置17を閉じた状態では、通常の引起し装置17として穀稈を引起こすことができ、また、起立状態を対向する引起し爪の先端同士がオーバーラップ又は近接するまで引起し装置を開くことで、引起し装置17を引起こし漏れなく簡易的なスーパーデバイダとして機能させることができる。これにより、スーパーデバイダを取り付けることなく倒伏した穀稈を引起こしながら刈取り作業を行うことができるため、スーパーデバイダの取付け作業をなくして、作業効率の向上及び作業者の負担の軽減を図ることができる。
【0032】
また、引起し装置17を任意の開閉角度(方向)で固定可能に設けたので、引起し装置を簡易のスーパーデバイダとして機能させる位置に固定することができ、かつ脱粒し易い穀稈を引起こす際は、引起し装置17を開くことで穂部の接触を抑えることができて、刈取り作業によるヘッドロスを減少させることができる。また、穀稈の倒伏方向により引起し装置17を刈取る穀稈の引起し易い方向に向けて刈取り作業を行うことができ、さらには、引起し装置17を全開位置で固定することで、例えば、前処理部内のメンテナンスなども容易に行うことができる。
【0033】
また、引起し装置17の下端側を回転自在に支持する支持部29を、掻込ベルト26を有する掻込装置23の上部に設けたので搬送稈に接触させることなくスムーズに搬送を行うことができる。
【0034】
また、ガイド棒(穂先ガイド)52を引起しフレーム42のブラケット46の下方からブラケット46に向かって延設したので、例えば、引起し装置17の開いた状態(簡易のスパーデバイダ状態)で刈取り作業を行った際に、駆動ケース45に搬送稈が引っかかることによる稈の搬送の停滞を防止することができる。
【0035】
なお、本実施の形態では、引起し装置17の開閉(回動)を作業者自身の手で行ういわゆる手動式で構成したが、これに限らず、例えば、電動モータなどで引起し装置17を開閉させる構成であってもよい。
【符号の説明】
【0036】
1 コンバイン
17 引起し装置
23 掻込装置
26 掻込みベルト
29 支持部(支持ステー)
40 引起し爪(タイン)
41 巻掛け体(チェーン)
42 引起しフレーム
43 引起しカバー
44 回転体



【特許請求の範囲】
【請求項1】
穀稈を引起こす引起し爪と、該引起し爪が起伏自在に複数取付けられて、回転体に巻掛けられる巻掛け体と、前記回転体を支持すると共に、軸支される引起しフレームと、該引起しフレームを覆うフレームカバーと、を有する引起し装置を備え、
起立状態の引起し爪を前記フレームカバーから突出して対向させるように、少なくとも一対の引起し装置を機体前方に配置してなるコンバインにおいて、
前記一対の引起し装置は、閉じた状態の刈取り位置と、開いた状態のメンテナンス位置と、前記刈取り位置とメンテナンス位置との中間に位置して倒伏した穀稈を引起しつつ刈取る倒伏刈取り位置とに、対向する側が開閉するように回動自在に支持され、閉じた状態で前記起立状態の対向する引起し爪の一部がその引起し移動方向からみてオーバーラップするように配置され、かつ前記倒伏刈取り位置にあっては、前記起立状態の対向する引起し爪の先端同士が少なくとも近接するように配置されてなる、
ことを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
前記引起し装置は、任意の開閉角度で固定可能に設けられてなる、
請求項1に記載のコンバイン。
【請求項3】
前記引起し装置の下端側は、掻込ベルトを有する掻込装置の上部に設けられた支持部に回動自在に支持されてなる、
請求項1又は2に記載のコンバイン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−99301(P2013−99301A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−245846(P2011−245846)
【出願日】平成23年11月9日(2011.11.9)
【出願人】(000001878)三菱農機株式会社 (1,502)
【Fターム(参考)】