ゴルフクラブのシャフトのしなりを測定する装置及び方法、並びに該装置を組み込んだゴルフシュミレーションシステム
シャフトのしなりを測定する方法は、スイング面を通るシャフトの運動の間、そのシャフトの少なくとも1つの画像を取り込むことと、シャフトのしなりを求めるために、少なくとも1つの画像を調べることと、を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、スポーツ測定システムに関し、特に、ゴルフクラブのシャフトのしなり(フレックス(flex))を測定する装置及び方法と、この装置を組み込んだゴルフシュミレーションシステムとに関する。
【背景技術】
【0002】
全てのスポーツ用品の目的は、競技者が自己のベストでスポーツできるようにする用品をその競技者に提供することである。重さ、長さ、トルク、しなりなどの多くのパラメータがスポーツ用品の設計に取り入れられている。例えば、ホッケー競技者の特定の体格に合わせて調整された、さまざまなしなりと重量のホッケー用スティックが販売されている。ホッケー競技を学んでいる若年層の子供は、通常、短くて軽量であり、柔らかいしなりのホッケー用スティックを使用することに最も適しており、他方、プロのホッケー選手は、通常、長くて重量があり、硬いしなりのホッケー用スティックを使用することに最も適している。野球のバット、ゴルフクラブ、テニスのラケットなどのような他の種類のスポーツ用品も同様に、ある「種類」の競技者に適合するように調整されたさまざまなタイプのものが販売されている。
【0003】
ある種のスポーツ用品は、競技者が彼らのベストを出すのを助けるために、シャフトのしなりに依存している。例えばゴルフクラブの製作者は、個々のゴルファーによって選択される種々の長さと種々のしなりのゴルフクラブ・シャフトを製造している。多くのゴルファーは、彼らの特有の体格と技量に対して最良のゴルフクラブ・シャフトを推奨するゴルフクラブ・フィッターの専門的知識に頼っている。過去において、ゴルフクラブ・フィッターは、ゴルファーのスイングスピードを測定し、この測定からそのゴルファーのゴルフクラブのシャフトの種類を選択したものだった。残念ながら、ゴルフクラブのシャフトの種類をスイングスピードの測定値に基づいて選択することは、非常に推測的であり、その結果、ゴルフクラブのシャフトのフィッティングが不正確になる。
【0004】
この問題に対処するために、ゴルフクラブのシャフトのしなりを測定する技術が考えられている。例えば、Ashidaらに与えられた米国特許第7,292,070号(特許文献1)は、ゴルファーのスイングにおけるインパクト時のクラブヘッドのスピードを検出するヘッドスピード測定ユニットと、ゴルファーのスイングテンポ(swing tempo)を検出するスイングテンポ検出ユニットと、ゴルファーのスイング特性に対応するシャフトの質量とシャフトのしなりの点を示す図(チャート)と、この図を参照し、かつそれぞれヘッドスピード検出ユニットとスイングテンポ検出ユニットによって検出されたクラブヘッドのスピードとスイングテンポに基づいて、当該ゴルファーに適したゴルフクラブのシャフトを選択する選択ユニットと、選択ユニットによって選択されたゴルフクラブのシャフトを表示する表示装置と、を含むゴルフクラブシャフト選択システムを記載している。
【0005】
Wrightらに与えられた米国特許第7,041,014号(特許文献2)は、テストゴルファーを、複数の種類を有するゴルフクラブのグループから選択される特定のゴルフクラブに合わせる方法を記載している。この方法は、多数の事前テストゴルファーの各々のクラブの種類に対する嗜好が記録され、かつそのような事前テストゴルファーのゴルフスイングに対する一連の性能パラメータとそれらの嗜好とが関連付けられている、最初の手順において導き出されたデータセットを利用している。このデータセットは、同じサブグループ内のゴルファーは同じ種類のクラブを概ね好み、異なったサブグループのゴルファーは異なった種類のクラブを概ね好む、そのようなサブグループに事前テストゴルファーを分類することを可能にする。この方法において、ゴルファーがゴルフクラブを持ってゴルフスイングをしている間に、そのスイングの性能パラメータが測定される。測定された性能パラメータと事前に得られたデータセットとに基づいて、テストゴルファーは、スイングの種類にしたがって分類され、次に、最適なゴルフクラブが、ゴルフクラブの複数の種類から選択される。
【0006】
Nauckに与えられた米国特許第5,616,832号(特許文献3)は、ゴルフクラブのシャフトの内部に挿入されて振動を音波として検出し、処理、表示及び分析のためのデータ収集システムにその振動の周波数と振幅を示す信号を送信するマイクロホンを有する、ゴルフクラブの動力学を評価するシステム及び方法を記載している。この装置は、発音器またはマイクロスイッチ・アクチュエータを用いてしなりの固有振動数を測定するために使用されることもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第7,292,070号明細書
【特許文献2】米国特許第7,041,014号明細書
【特許文献3】米国特許第5,616,832号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記の特許文献1〜3は、ゴルフスイングを測定し、ゴルフクラブのシャフトを選択する技術を記載しているが、改良が望まれている。
【0009】
したがって本発明の目的は、ゴルフクラブシャフトのしなりを測定する装置及び方法と、この装置を組み込んでいるゴルフシミュレーションシステムとを少なくとも提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
したがって一態様において、スイング面を通るシャフトの運動の間、シャフトの少なくとも1つの画像を取り込むことと、シャフトのしなりを求めるために少なくとも1つの画像を調べることと、を有する、シャフトのしなりを測定する方法が提供される。
【0011】
一実施態様において、取り込むことは、スイング面を通るシャフトの運動の間、一連の画像を取り込むことを有し、調べることは、複数の画像を調べてスイング面に沿った複数の点におけるシャフトのしなりを求めることを有する。調べることは、スイング面を通るシャフトの運動にわたる、シャフトについてのフレックスプロファイルを求めることを有していてもよい。調べることは、固定された基準からの、シャフトに沿った少なくとも1つの離散点の偏位を測定して、シャフトのしなりを求めることも有していてもよい。固定された基準は、シャフトの対向する端部に隣接する1対の基準点の間を延びる直線であってもよい。少なくとも1つの離散点と1対の基準点は、シャフト上の反射マークによって規定されていてもよい。シャフトはゴルフクラブのシャフトであってもよい。
【0012】
他の態様によれば、スイング面を通るシャフトの運動の間、シャフトの画像を取り込む少なくとも1つの撮像装置と、少なくとも1つの撮像装置から画像を受け取り、受け取った画像を処理してシャフトのしなりを求める処理ユニットと、を有する、シャフトのしなりを測定する装置が提供される。
【0013】
一実施態様において、少なくとも1つの撮像装置の光軸がスイング面に概ね垂直である。この装置は、照明光源をさらに有してよい。少なくとも1つの撮像装置は、スイング面を通るシャフトの運動の間、シャフトの一連の画像を取り込み、処理構造は、複数の画像を処理してスイング面に沿った複数の点におけるシャフトのしなりを求めるように構成されている。
【0014】
さらに他の態様によれば、シャフトのしなりを測定する上記の装置と、表示面の前に配置されたゴルフボール追跡領域の画像を異なる見通し位置から取り込んで、表示面に向けてゴルフボール追跡領域を通過する打ち出されたゴルフボールを検出する少なくとも2つの撮像装置を含むゴルフボール追跡装置と、ゴルフボール追跡領域と少なくとも一部が重なる領域の画像を取り込むゴルフボールスピン検知ユニットと、各撮像装置及びゴルフボールスピン検知ユニットからデータを受信し、ゴルフボール追跡領域を通過する、検出された打ち出されたゴルフボールの三次元位置、速度、加速度及びスピンを求める少なくとも1つの処理ユニットと、を有し、取り込まれた各画像は、ゴルフボールが画像の取り込みの間に領域にあるときの、ゴルフボールの運動経路を表わすゴルフボール軌跡を有し、三次元位置、速度、加速度及びスピンは、打ち出されたゴルフボールの三次元ゴルフシーンへの軌道を計算するために、少なくとも1つの処理ユニットによって使用される、ゴルフシュミレーションシステムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、ゴルフクラブのシャフトのしなりを測定する装置の概略部分側面図である。
【図2】図2は、図1の装置で使用されるゴルフクラブの概略斜視図である。
【図3】図3(a)〜(h)は、図2のゴルフクラブをスイングしているユーザーの正面図である。
【図4】図4(a),(b)は、図1の装置の一部を構成する撮像装置によって取り込まれた、ゴルフスイングの間のゴルフクラブのシャフトの画像を示している。
【図5】図5は、ゴルフスイングの頂点(トップ)における、図2のゴルフクラブの側面図である。
【図6】図6は、ゴルフスイングの間の、図2のゴルフクラブに沿った3つの点でのしなり比を示すグラフである。
【図7】図7は、ゴルフスイングの間のゴルフクラブのシャフト角度を示すグラフである。
【図8】図8は、ゴルフスイングの間の、図2のゴルフクラブの最大しなり比とシャフト角度とを示すグラフである。
【図9】図9は、ゴルフスイングの間の、図2のゴルフクラブの角速度と角加速度とを示すグラフである。
【図10】図10は、図1の装置を組み込んだゴルフシミュレーションシステムの斜視図である。
【図11】図11は、図10のゴルフシミュレーションシステムの側面図である。
【図12】図12は、図10のゴルフシミュレーションシステムの上面図である。
【図13】図13は、図10のゴルフシミュレーションシステムの一部を構成するゴルフボール追跡装置の正面図である。
【図14】図14は、図13のゴルフボール追跡装置の一部の、一部断面である拡大正面図である。
【図15】図15は、図10のゴルフシミュレーションシステムの一部を構成するゴルフボール打ち出し領域検知ユニットの概略側面図である。
【図16】図16は、図10のゴルフシミュレーションシステムの一部を構成するゴルフボールスピン検知ユニットの概略斜視図である。
【図17】図17は、図16のゴルフボールスピン検知ユニットの一部を構成する領域走査デジタルカメラの概略ブロック図である。
【図18】図18は、図16のゴルフボールスピン検知ユニットの一部を構成する照明器ボードドライバ及び照明ボードの概略ブロック図である。
【図19】図19は、後方にスピンしている打ち出されたゴルフボールを示している。
【図20】図20は、プレーヤーが図10のゴルフシミュレーションシステムと相互作用する間に行われる手順を示すフローチャートである。
【図21】図21は、プレーヤーが図10のゴルフシミュレーションシステムと相互作用する間に行われる手順を示すフローチャートである。
【図22】図22は、プレーヤーが図10のゴルフシミュレーションシステムと相互作用する間に行われる手順を示すフローチャートである。
【図23】図23は、プレーヤーが図10のゴルフシミュレーションシステムと相互作用する間に行われる手順を示すフローチャートである。
【図24】図24は、図10のゴルフシミュレーションシステムの打ち出し領域内でゴルフボールに衝突(インパクト)するゴルフクラブの、上から見た図である。
【図25】図25は、取り込まれた画像の、ゴルフボールのスピンとそのスピンの傾斜軸を求めるための処理を示している。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、添付図面を参照して実施形態をより詳しく説明する。
【0017】
図1を参照すると、ゴルフクラブのシャフトのしなりを測定する装置が示され、全体が参照番号100によって特定されている。図から分かるように、装置100は、ゴルフクラブ112を振るプレーヤーPが立つゴルフボール打ち出し領域(launch area)すなわち打球領域(hitting area)の画像を取り込むように配置された撮像装置102を有している。撮像装置102の光軸は、プレーヤーPの予想されるスイング面SPに概ね垂直になるように位置付けられている。光源106が、打ち出し領域を概ね均一に照らすように、撮像装置102に隣接して配置されている。打球領域は、無反射床108と無反射背景110とを有している。例えばパーソナル・コンピュータまたは他の適切な処理ユニットまたは処理構造のようなコンピュータ装置128が、撮像装置102に接続されている。コンピュータ装置128は、以下に説明するように、撮像装置102から受け取った画像フレームを処理し、ゴルフクラブのスイング全体にわたってゴルフクラブ112のシャフトのしなりを求め、結果を表示する。
【0018】
この実施形態では、無反射背景110は、アクリルで覆われた無反射材料で形成されたカーテンまたは壁紙の形態をしている。同様に無反射床108は、同様の無反射材料で作られたカーペットまたは床材を有している。この実施形態では、撮像装置102は、少なくとも640×480の画素配列と電子制御シャッターとを有し、少なくとも60フレーム毎秒のフレームレートで画像フレームを取り込むデジタルカメラである。前述したように光源106は、打ち出し領域を均一に照明し、プレーヤーPがゴルフクラブ112を振ってゴルフボールGBを打つのに適し、かつ、シャフトのしなりを求めるために処理できる画像データを含む画像フレームを撮像装置102が取り込むのに適した光を供給する。この実施形態では、光源106は、レール式可動照明器具に取り付けられた複数のハロゲン照明を含んでいる。
【0019】
次に図2を参照すると、ゴルフクラブ112がよりよく示されている。図から分かるように、ゴルフクラブ112は、一端にクラブヘッド116を有する、しなり性を備えたシャフト114を含んでいる。ゴルフクラブ112の画像化、特にゴルフスイングの間のシャフト114の画像化を容易にするために、複数の反射マーカがシャフト上に間隔をおいて設けられている。この実施形態では、5個の反射マーカ118〜126がシャフト114上に設けられている。この実施形態における反射マーカは、シャフト114の長さに沿った別々の点または位置においてシャフト114を囲む複数片の再帰反射テープである。これらの再帰反射テープ片の寸法は異なっていてよいが、撮像装置102によって取り込まれた画像フレーム中で再帰反射テープ片を容易に識別できるように選択される。この例では、再帰反射テープの各片は約1インチ(2.54cm)に等しい長さを有する。
【0020】
反射マーカ118〜126のシャフト114に沿った位置は、ゴルフスイングの間にゴルフクラブのシャフトのしなりを検出して測定するのを容易にするように選択される。この実施形態では、反射マーカ118は、ゴルフクラブのグリップに隣接したシャフト114の頂部の近くに配置され、反射マーカ126は、ホーゼル及びクラブヘッド116に隣接したシャフト114の底部の近くに配置されている。反射マーカ122はシャフト114の中点に隣接して配置されている。反射マーカ120は反射マーカ118,122の中間に配置され、反射マーカ124は反射マーカ122,126の中間に配置されている。反射マーカ118,126は、後で説明するように、シャフト114のしなりを測定する間、シャフト114上の基準点を決めるために使用される。
【0021】
動作中、ゴルフスイングの間にゴルフクラブのシャフト114のしなりを測定することが望まれると、ゴルフクラブ112を手に持ったプレーヤーPが、打ち出し領域に立つ。光源106は、プレーヤーPがほとんどまたは全く困難なくゴルフスイングを終えてゴルフボールGBを打つように、打ち出し領域を概ね均一に照らすために動作させられる。プレーヤーPがゴルフのスイングをする準備ができると、撮像装置102は、画像フレームを取り込むように条件設定される。その結果、プレーヤーPがゴルフスイングをすると、ゴルフスイングのほぼ全体が画像フレームに取り込まれる。
【0022】
図3(a)〜(h)は、プレーヤーPのゴルフスイングを示している。図から分かるようにゴルフスイングは、図3(a)〜(d)に示されるアップスイング成分と、図3(e)〜(h)に示されるダウンスイング成分とを有する。理解されるように、シャフト114は、ゴルフスイング中の特定の時点におけるゴルフスイング成分とクラブヘッド116のスピードとに応じて、ゴルフスイングの全体にわたって異なる量でしなる。例えば図3(d)に示されるように、プレーヤーの手はダウンスイングの方向に動き始めようとしているのに、クラブヘッド116の勢いは依然としてアップスイング方向にあるので、シャフト114はプレーヤーPに向かってしなる。
【0023】
反射マーカ118〜126は、ゴルフスイングの間中、撮像装置102に向かって光を反射し、一方、無反射背景110と無反射床108は、光がこれらの表面で撮像装置に向けて反射されるのを妨げる。その結果、反射マーカ118〜126は、取り込まれた画像フレームにおいて、他の比較的暗い背景上の明るいスポットとして見え、反射マーカ118〜126を容易に見つけられるようにできる。図4(a)は、プレーヤーのゴルフスイングのアップスイング成分の間に撮像装置102によって取り込まれた一連の画像フレームを示し、一方、図4(b)は、プレーヤーのゴルフスイングのダウンスイング成分の間に撮像装置102によって取り込まれた一連の画像フレームを示している。図から分かるように、反射マーカの位置に対応する、シャフト114に沿った点は、取り込まれた画像フレーム中で容易に識別することができる。取り込まれた各画像フレーム間でゴルフクラブ112のシャフト114が移動する距離は、クラブヘッド116の加速を示している。図から分かるように、図4(a)に示されるプレーヤーのゴルフスイングのアップスイング成分の間、連続する画像フレーム間でゴルフクラブ112のシャフト114が移動する距離は比較的一定であり、滑らかなアップスイングを表わしている。プレーヤーのゴルフスイングのダウンスイング成分の間、連続する画像フレームの各対間でゴルフクラブ112のシャフト114が移動する距離は大きくなり、ゴルフボールGBとの接触がなされるまでのダウンスイングの間のクラブヘッド116の加速を意味している。
【0024】
図5は、図3(d)に示されたプレーヤーのゴルフスイングに沿った位置におけるゴルフクラブ112を示している。図から分かるように、この位置においてゴルフクラブ112のシャフト114はしなっている(たわんでいる)。その結果、反射マーカ118〜126はもはや直線に沿って位置せず、むしろ弓状の線に沿って位置する。取り込まれた画像フレーム中での反射マーカ118〜126の位置は、ゴルフクラブのシャフトのしなりを求めて測定するのに使用される。理解されるように、ゴルフスイングの間のシャフト114のしなりの量は、シャフトの剛性、シャフトの重量、クラブヘッドの重量、トルク、キック点、クラブヘッドのスピードなどのような様々な要因によって決まる。
【0025】
コンピュータ装置128は、処理中、取り込まれた画像フレームを処理して、ゴルフスイング全体にわたる種々の点におけるゴルフシャフト114のしなりを測定する。具体的にはコンピュータ装置128は、取り込まれた各画像フレームについて、反射マーカ118〜126に対応する、画像フレーム中の明るい各スポットの中心点150〜158を求める。中心点150,158は基準点として使用される。中心点150,158がいったん求められると、コンピュータ装置128は、基準点150,158の間を延びる直線160を計算する。直線160の計算に続けて、直線160に垂直な線に沿った、各中心点152,154,160と直線160との間のそれぞれd1,d2,d3で示される距離が測定される。距離d1,d2,d3は、それぞれの点におけるシャフト114のしなりの量を表わしている。直線160からの距離d1,d2,d3が大きくなればなるほど、ゴルフクラブのシャフトのしなりの量は大きくなる。距離d1,d2,d3のいずれかがゼロに等しければ、その特定の点においてシャフト114のしなりはない。
【0026】
理解されるように、ゴルフクラブのシャフトの剛性と長さは様々である。ゴルフクラブの異なったシャフトを正確に比較するためには、距離d1,d2,d3は正規化されなければならない。この正規化は、基準点150,158の間の直線160に沿った長さLを測定することによってなされる。長さLは、距離d1、d2、d3を
【0027】
【数1】
【0028】
にしたがって、しなり比(flex ratio)パーセントf1,f2,f3として正規化するために使用できる定数値を規定する。しなり比パーセントは、特定の各中心点152,154,156におけるしなりのパーセントを示している。再度言うが、計算されたゼロ値は、その特定の点においてシャフト114のしなりがないことを示している。これら3つの計算されたしなり比を比較することによって、シャフト114の最大しなりを
【0029】
【数2】
【0030】
にしたがって計算することが可能になる。シャフト114の最大しなりは、その画像フレームに関するシャフト114のしなりを表わすのに使用される。一連の取り込まれた画像フレームにわたって最大しなりを求めることによって、ゴルフスイングにわたるシャフト114のフレックスプロファイル(flex profile:しなりの変化形状)を求め、表示することができる。次に、ゴルフクラブ112のシャフトのフレックスプロファイルがプレーヤーのゴルフスイングに合っているかどうかを判定することができる。
【0031】
図6は、反射マーカ120,122,124に対応する、シャフトに沿った位置におけるシャフト114のしなり比パーセントをグラフに表現したものを示している。しなり比パーセントはy軸に沿って示され、時間はx軸に沿って示されている。理解されるように、正のしなり比は、シャフト114の第1の方向へのしなりを示し、負のしなり比は、シャフト114の反対方向へのしなりを示している。中心点152、154、156の各々に関し、しなり比はy軸と2つのインスタンス(instance)において交差し、これは、プレーヤーのスイングの間、シャフト114のしなり比がゼロである場合が2つあることを示している。分かるように、シャフト114の最大のしなり比パーセントは、ほとんど常に、しなり比f2に相当している。しなり比f2は、直線160からの中心点154の距離d2、したがって、シャフト114の中点の近くに位置する反射マーカ124の直線160からのずれに基づいている。このことは、シャフト114のキック点(kick point)がシャフト114の中点の近くにあることを示している。
【0032】
図7は、ゴルフスイングの間のゴルフクラブ112のシャフトの角度を示している。図3(a)に示されるようにプレーヤーPがゴルフボールGBをアドレスすると、シャフト114は、反射マーカ118,126の間に延びるベクトルとしてモデル化した場合、0度に近い角度にあることになる。ゼロ(0)度の基準点は、クラブのヘッド116がゴルフボールに接触したときのゴルフクラブ112の位置と定義される。矢印は、プレーヤーのゴルフスイングのアップスイング成分とダウンスイング成分の両方の間のクラブヘッド116の移動の方向を示している。プレーヤーPがクラブヘッド116をテイクバックすると、シャフト114の角度は約270度の点まで増大するが、シャフト114の最大角度は、スイングを行うプレーヤーに大きく依存する。プレーヤーPがダウンスイングを開始すると、シャフト114の角度が小さくなり始める。クラブヘッド116がゴルフボールGBに接触した瞬間、シャフト114の角度はゼロ(0)になり、そしてインパクトを経て、負の方向において、ゴルフシャフト114の角度の絶対値は増大し始める。
【0033】
図8は、最大しなり比(y軸はパーセンテージの単位を有する)とシャフトの角度(y軸はラジアンの単位を有する)の両方をグラフに表現したものを示している。時間はx軸に沿って表わされている。特に重要なことは、最大しなり比が、大体、シャフトの角度が最大であるときに起こることである。前述したようにシャフトの角度は、プレーヤーPがアップスイングからダウンスイングに移行する、ゴルフスイングの頂点において最大になる。最大しなり比が最初にゼロと交差するのは、約3.5ラジアン(200度)のときである。図7に戻ると、アップスイングの間、シャフト114が垂直(180度)になった時点の直後に、シャフト114が第1の方向から第2の方向へしなり始めることが分かる。最大しなり比が2度目にゼロと交差するのは、ダウンスイングの間、約1.7ラジアン(97度)のときである。再び図7に戻ると、シャフト114は、クラブヘッド116がゴルフボールGBに接触するより前の点で、第2の方向から第1の方向へしなり始める。これは、クラブヘッド116がゴルフボールGBに接触する前に起こる、シャフト114のむち打ち動作(whipping operation)を表わしている。当業者が理解するように、ゴルフクラブの適切にフィットしたシャフトを持つ秘訣は、ゴルフボールの打ち出しとクラブヘッドのスピードとを最適にするためにインパクト時のむち打ち動作の量を正しくすることである。
【0034】
図9は、ゴルフクラブのシャフト114の角速度と角加速度のグラフ化して表現したものを示している。角速度は、取り込まれた連続する画像フレーム間での時間間隔に対するシャフト114の角度の変化の比と定義される。角加速度は、画像フレームの時間間隔に対するシャフト114の角速度の変化の比と定義される。角速度の最初のゼロとの交差は、アップスイングの頂点において、クラブヘッド116がアップスイングからダウンスイングに移行する瞬間に起きる。角速度は、クラブヘッド116が負の方向に運動しようとし始める、アップスイングの頂点において正の値から負の値に変わる。加速度のピークは、ダウンスイング中に、シャフト114が概ね水平な位置にあるときに起こる。図7に戻って、これは約90度のシャフト角度に相当する。最大角速度が、最大加速が起こった後で、すなわちクラブヘッド116がゴルフボールGBに接触したときに起こることに気づくことは面白い。これは、良好なゴルフスイングのためにダウンスイングの間、ゴルフクラブのシャフトが加速を維持するからである。クラブヘッド116がシャフト114に取り付けられているので、インパクト時でのシャフトの最大角速度は、概ねインパクト時でのゴルフクラブのヘッドの最大速度を意味する。ゴルフクラブのシャフトの角度と角速度と角加速度とが測定され、シャフトのしなりの測定と相互に関連付けられる。角速度と角加速度はゴルフスイングテンポの良好な指標であり、ゴルフクラブのシャフトのしなりについての高度に動的な測定を可能にするために、シャフトのしなりの測定と一緒に使用することができる。 理解されるように装置100は、プレーヤーのゴルフスイングに沿ったいくつかの点においてゴルフクラブ112のシャフト114のしなりを求めることができ、したがって、シャフト114のしなりの特性がゴルファーのスイングに合っているかどうかを判定できるように、シャフトのしなりの特性を求め、表示することができる。これは、ゴルフクラブをその特性が変化する点に改変する必要なしになされる。この実施形態では、ゴルフクラブの唯一行われる改変は、テープ片の形態の再帰反射マーカをシャフト上に間隔をおいて配置することである。矩形のテープ片は軽量であるので、それらはゴルフクラブ112に実質的には全く影響を与えない。
【0035】
図1〜9を参照して上述した装置100は、クラブフィッティングの目的で、独立した(スタンドアローンの)システムとして、または参照によってそれらの各々の全体の内容がここに組み込まれる2009年6月9日にRichardsonに発行された米国特許第7,544,137号、2005年8月2日に出願されたRichardsonらの米国特許出願第11/195,017号、2006年3月30日に出願されたDaweらの米国特許出願第11/394,004号及び2009年10月7日に出願されたDaweらの国際特許出願PCT/CA2009/001424に記載されたようなゴルフシミュレーションシステムとともに、使用することができる。
【0036】
次に図10を参照すると、装置100は、上記の組み込まれた国際特許出願PCT/CA2009/001424に記載されたゴルフシミュレーションシステムとともに示されている。図から分かるように、スポーツシミュレーションシステム200は、プレーヤーPが立つゴルフボール打ち出し領域すなわち打球領域Aの前に配置されたゴルフボール追跡装置202を含んでいる。打ち出し領域は無反射床108と無反射背景110とを有している。この実施形態では、打ち出し領域Aとゴルフボール追跡装置との離間距離は約10フィート(3.048m)である。オーバーヘッドゴルフボール打ち出し領域検知ユニット203が打ち出し領域Aの上方に配置されている。オーバーヘッドゴルフボールスピン検知ユニット205が打ち出し領域Aとゴルフボール追跡装置202との間に配置されている。装置100の撮像装置102が、その光軸がプレーヤーPの予想されるスイング平面SPに概ね垂直になるように、プレーヤーPの前方かつ上方に配置されている。光源106が、プレーヤーPと撮像装置102との両方に対して一様な分布の照明を与えるように、撮像装置102に隣接して配置されている。ホストコンピュータ204が、高速シリアルデータリンクを介して撮像装置102とゴルフボール追跡装置202とゴルフボール打ち出し領域検知ユニット203とゴルフボールスピン検知ユニット205とに接続され、ゴルフボール追跡装置202に向けられた天井設置前方投影型ビデオプロジェクタ206にも接続されている。ホストコンピュータ204はビデオ画像データをプロジェクタ206に出力し、プロジェクタ206は、次に、ビデオシーケンスをゴルフボール追跡装置202に投影する。ビデオシーケンスは、ゴルフコースのホールやゴルフ練習場などを含む三次元のゴルフシーンを表現している。
【0037】
この実施形態において、プレーヤーPは、ゴルフクラブ112を用いて、ゴルフボールGBをゴルフボール追跡装置に向けて打ち出す。撮像装置102は、プレーヤーPがゴルフクラブ112をスイングしてゴルフボールGBを打ち出すとき、画像フレームを取り込む。撮像装置102は、この画像フレームを処理のためにホストコンピュータ204に出力し、ホストコンピュータ204はコンピュータ装置120として機能する。
【0038】
ゴルフボール追跡装置202は、打ち出されたゴルフボールGBがゴルフボール追跡装置によって監視されるゴルフボール追跡領域を通って移動するとき、二次元のゴルフボール位置データをホストコンピュータ204に出力する。ゴルフボール打ち出し領域検知ユニット203は、ゴルフボールとのインパクトの前、インパクト中及びインパクト後の、打ち出し領域Aを通るゴルフクラブ112の動きを表わす画像データをホストコンピュータ204に出力する。ゴルフボールスピン検知ユニット205は、ゴルフボールがゴルフボール追跡領域を通過するときに、ホストコンピュータ204がゴルフボールGBのスピンとスピン傾斜軸を求めることを可能にする画像データをホストコンピュータ204に出力する。次にホストコンピュータ204は、二次元のゴルフボール位置データとゴルフボール打ち出し領域検知ユニットの画像データとゴルフボールスピン検知ユニットの画像データとを処理して、ゴルフボールの軌道を正確に計算できるように、ゴルフボールの三次元位置、打ち出し速度、加速度、サイドスピン、バックスピン、スピン傾斜軸及び打ち出し角度を求める。計算された軌道はそれから、提示されるビデオシーケンスが、ゴルフボールの三次元シーン内への移動のシミュレーションと求められたスポーツ結果とを示すように、スポーツ結果を求め、プロジェクタ206に伝達される画像データを更新するために使用される。
【0039】
図11〜14は、ゴルフボール追跡装置202をより良く示している。図から分かるように、ゴルフボール追跡装置202は、一対の横柱212とこれらの横柱212の上端間を延びるクロスバー214とを有する、直立した逆U字形のフレーム210を備えている。スクリーン222がフレーム210によって支持されている。この実施形態では、スクリーン222は4:3のアスペクト比を有し、従来のテレビジョン画像を表示するのに特に適している。しかしながら当業者は、他の画像フォーマットを使用できることを理解するであろう。スクリーン222は、フレーム210の裏の間隔をおいた位置に、緩く留められている。
【0040】
スクリーン222は複数の層を含み、ゴルフボールの跳ね返りを減らし、かつスクリーンの背後の防御を高めるように設計されている。スクリーン222の第1の層すなわち前層は、永続的な延伸/窪み形成(pocketing)と磨耗とに耐えるいくばくかの柔軟性を有する極めて反射性のあるナイロンで作られている。その結果、前層は、プロジェクタ206によって投影された画像が提示される、優れた表示面224をもたらす。スクリーン222の第2の層すなわち中間層は、柔らかくて厚い材料で作られ、低下させられた弾性効果によってゴルフボールのエネルギーを吸収し、それによって伸張することと前層へ損傷を与えることとの少なくとも一方を防止するように設計されている。スクリーン222の第3の層すなわち後層は、中間層がエネルギーを伝達することができる、頑丈で重い生地で作られている。後層は、打ち出されたゴルフボールが接触したときに中間層が過度に変形することも防止する。その結果、ゴルフボール追跡装置202が壁面などに隣接して設置された場合に、後層は、スクリーン222の背後にある表面をゴルフボールの打撃から保護し、それによってその背後の表面を損傷することとゴルフボールの著しい跳ね返りとの少なくとも一方を防止する。ゴルフボール追跡装置202の背後に空間が設けられていれば、後層はその空間のための十分な防護となる。
【0041】
撮像装置(この実施形態では一対の高速デジタルカメラ228)がフレーム210内に収容されており、各カメラはフレームの異なる上隅に隣接して配置されている。したがってデジタルカメラ228は、プレーヤーPの前方であって、かつゴルフボールの予想される経路の左側と右側に配置されている。デジタルカメラ228は、両方のデジタルカメラ228の視野が、少なくともゴルフボール打ち出し点からスクリーン222へ延びるゴルフボール追跡領域において概ね垂直であってかつ重なり合うように、下向きにかつプレーヤー位置の方を指すように傾いてもいる。このようにして、ゴルフボールの経路は、ゴルフボールがスクリーン222に衝突しそれからスクリーン222から跳ね返るまで、その打ち出し点から概ね連続して追跡することができる。
【0042】
この実施形態では、各デジタルカメラ228は少なくとも640×480の画素配列を有し、フィールドプログラマブルゲートアレイと高性能32ビットマイクロプロセッサと高速メモリとを有する組み込み処理機能を含んでいる。デジタルカメラ228とホストコンピュータ204とによって達成される分散処理機能は、デジタルカメラが非常に高いフレームレートで動作することを可能にし、それによって、ゴルフボールがゴルフボール追跡領域220を通過するときに、高速で移動するゴルフボールの複数の画像を取り込むことを可能にする。これは、デジタルカメラ228が、ゴルフボールの動きが検出された画像に関連するデータをホストコンピュータ204に送るだけでよいという事実に起因し、ホストコンピュータ204とデジタルカメラ228との間で過大なバンド幅を必要とされることなく高速のゴルフボールを追跡することを可能にするからである。例えば、ゴルフボール追跡領域220を毎時200マイル(321.86km/h)のスピードで通過するゴルフボールの場合、デジタルカメラ228のフレームレートは、ゴルフボールの少なくとも4つの画像が各デジタルカメラ228によって取り込まれるように選択される。デジタルカメラ228の視角とフレーム210の寸法は、デジタルカメラ228に、1画素当たり約1mmの解像度精度を与えるように選択される。その結果、ゴルフボールのような小さなゴルフボールは、1画像当たり約12画素をアクティブにする。この解像度精度によって、小さくて非常に高速で移動する打ち出されたゴルフボールさえも、取り込まれた画像内で容易に見つけ出すことができ、その結果、ゴルフボールの間違った検出が減る。
【0043】
各デジタルカメラ228の内蔵マイクロプロセッサは、動き検出ルーチンを実行して、取り込まれた画像内にゴルフボールが存在するかどうかを判定し、存在するならば、ゴルフボールの特性的徴候(characteristic signature)を規定する指定された動き検出パラメータをそのゴルフボールが満たすかどうかを判定する。ゴルフボールの特性的徴候は、検出されたゴルフボールが、打たれたゴルフボールに合った特徴を有することを保証するために使用される。したがってゴルフボールは、例えばゴルフクラブのヘッドのような、画像内に取り込まれた他の物体から区別されることができる。この例では、ゴルフボールの特性的徴候は、ゴルフボールの許容される、形状、反射率及びスピードを特定する。
【0044】
赤外線(IR)発光ダイオード(LED)アレイ(不図示)も柱212内でデジタルカメラ228の傍らに配置されている。赤外線LEDアレイの照明軸はデジタルカメラの光軸OAと概ね一致している。各赤外線LEDアレイは、ゴルフボール追跡領域220に向けられた赤外線放射を発光する。デジタルカメラ228は可視光と赤外光の両方に応答可能であるので、背景赤外線照明を設けることによって、ゴルフボール追跡装置202は様々な周囲照明の条件のもとでうまく作動することができる。非常に高速で移動する小さいゴルフボールが打ち出された状況では、赤外線照明は、スクリーン222に提示されていうる表示画像の見栄えを低下させることなくゴルフボールの検出を可能にする。
【0045】
音声スピーカー240が両柱212の上に設けられ、打ち出し領域Aに向かって前方に向けられている。音声スピーカー240は、フレーム210に収容された音声増幅器(不図示)によって駆動される。音声増幅器は、プレイ中、ホストコンピュータ204から音声入力を受信する。音声入力は、放送のために音声スピーカー240に伝えられ、それによってスポーツの体験の質を向上させる。
【0046】
ゴルフボール打ち出し領域検知ユニット203は、打ち出し領域Aの直上に配置され、図15に示されるように、領域走査(area-scan)デジタルカメラ260と、傾斜ミラー262と、ハロゲンスポットライトの形態の複数の照明器264と、スポットライト264用の電源(不図示)と、を有している。スポットライト264は、スクリーン222上に投影された画像の可視性に悪影響を与えることなく画像の取り込みを可能にするように、打ち出し領域Aに十分な照明を与えることが意図されている。領域走査デジタルカメラ260は、打ち出し領域Aの約10フィート(3.048m)上方で水平の向きに天井に取り付けられている。デジタルカメラ260の光軸は、領域走査デジタルカメラ260の視野が下方に向け直されて打ち出し領域Aの上に心合わせされるように、ミラー262の中心と概ね一致している。この実施形態では、領域走査デジタルカメラ260の視野は3フィート(91.44cm)×3フィート(91.44cm)の領域を囲んでいる。
【0047】
ゴルフボール追跡装置202のデジタルカメラ228と同様に、領域走査デジタルカメラ260は、動き検出ルーチンを実行する内蔵プロセッサを含んでいる。動き検出ルーチンの実行の間、画像は領域走査デジタルカメラ260によって取り込まれるので、その画像は、指定された動きパラメータを満たす1つまたは複数の物体がその中に存在するかどうかを判定するために調べられる。この例では、動いているゴルフクラブまたは動いているゴルフボールまたはそれらの両方が、取り込まれた画像内にいつ入ったかを領域走査デジタルカメラ260の内蔵プロセッサが検出できるように、動きパラメータは選択される。指定された動きパラメータを満たす1つまたは複数の動いている物体を含む、取り込まれた画像は、さらなる処理のためにホストコンピュータ204に送られる。
【0048】
ゴルフボールスピン検知ユニット205は、図16に示されるように、天井に取り付けられ水平を向く領域走査デジタルカメラ270と、傾斜ミラー272と、複数の赤外線(IR)照明器ボード274と、照明器ボード274用のドライバ276と、を有している。デジタルカメラ270の光軸は、デジタルカメラ270の視野が下方に向け直されてゴルフボール追跡領域と少なくとも一部が重なる領域の上に心合わせされるように、ミラー272の中心と概ね一致している。この実施形態では、ゴルフボール追跡領域と少なくとも一部が重なるその領域は、打ち出し領域Aの前からゴルフボール追跡装置202に向かって延び、3フィート(91.44cm)×6フィート(182.88cm)の領域を包含している。
【0049】
図17は、領域走査デジタルカメラ270をより良く示している。この実施形態においてデジタルカメラ270は、640×480の画素配列であって約9.9μmに等しい画素サイズを有するCMOS画像センサ280を含んでいる。画像センサ280は、約12mmの焦点距離を有するレンズ282を介して見る。そのようなレンズは、十分な分解能を維持しつつ、良好な対象領域の大きさを有することが分っている。デジタルカメラ270は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA;Field Programmable Gate Array)284と高性能マイクロプロセッサ286と高速メモリバッファ288とを有する組み込み処理機能を含んでいる。
【0050】
この実施形態では、ゴルフボールスピン検知ユニット205は、4つの照明器ボード274を有し、各照明器ボードは発光ダイオード(LED)のアレイを備えている。照明器ボード274は、照明器ボード274のLEDがオンのときにデジタルカメラ270の視野内の領域が概ね均一に照明されるように構成されている。ドライバ276は、照明器ボード274のLEDが一定間隔で一斉にオン、オフするように、照明器ボード274の各々を同時に駆動するパルス発生器を有している。この実施形態では、照明器ボード274のLEDは0.1ミリ秒の期間、オン状態にあり、1ミリ秒の期間、オフ状態にある。
【0051】
プロジェクタ206は、好ましくは、少なくとも800×600の分解能、少なくとも1200ANSIルーメンの明るさ、短いスローレンズ(throw lens)、垂直「キーストーン」補正、デジタルRGBコンピュータビデオ信号を受け入れる能力、そしてNTSC/PALベースバンドテレビジョンビデオ信号を受け入れる能力を有している。これらの特徴の組み合わせを有するプロジェクタは、例えば、エプソンのPowerlite 820P、東芝のTDP-DI-US、インフォーカス(InFocus)のLP650、サンヨーのXP30を含む。
【0052】
ホストコンピュータ204は、汎用のコンピュータ装置である。この実施形態では、ホストコンピュータは、インテル・ペンティアム(登録商標)プロセッサ、少なくとも128MBのSDRAM、高速ハードドライブ及びプレーヤーを含むIBM互換パーソナルコンピュータである。ホストコンピュータ204は、3つの分離したバッファに分割された32ビットの再構成可能(リコンフィギュラブル)ビデオメモリバッファを含むディスプレイ・アダプタ・アセンブリも含む。これらバッファの1つは、表示されているスポーツシーンのために適切な場合、1つまたは複数の独立した前景(フォアグラウンド)動作を表わす主前景画像データを格納するために使用される。これらバッファのうちの第2のバッファは、背景画像データを格納するのに使用され、第3のバッファは、ゴルフボールの軌道の画像データを格納するのに使用される。ディスプレイ・アダプタ・アセンブリは、前景動作と背景とゴルフボールの軌道との画像データを、プロジェクタ206に出力されるビデオ画像データを生成するためにシームレスに組み合わされる複数のオーバーレイ(重ね合わせ)画像プレーンとして処理する。オーバーレイ画像プレーンは、前景動作要素とゴルフボールとの少なくとも一方が下位側の画像プレーンの上を移動するとき下位側の画像プレーンを再描画する必要がないように、非破壊的である。ピーク時の処理要求量を削減するためにホストコンピュータ204は、背景画像データを前景画像データよりも頻繁には更新しない。ホストコンピュータ204は出力ビデオ画像データをビデオ出力チャネル上でプロジェクタ206に出力する。ホストコンピュータ204は、テレビジョン/衛星/ケーブル入力チャネル、ビデオゲーム入力チャネル及びインターネット入力チャネル上で外部ビデオ番組を受信する。
【0053】
ホストコンピュータ204は、プロジェクタ206、ゴルフボール追跡装置202、ゴルフボール打ち出し領域検知ユニット203及びゴルフボールスピン検知ユニット205にホストコンピュータ204を接続することを可能にする複数の外部コネクタを有する保護囲い(不図示)内に備え付けられている。保護囲いは、ホストコンピュータ204がテレビジョン/衛星/ケーブル、外部ビデオゲーム及びインターネット放送番組を受信することを可能にする外部コネクタも含んでいる。対話型タッチスクリーンも囲いの上に設けられ、プレーヤーがホストコンピュータ204と相互作用する(情報をやりとりする)ことを可能にする。
【0054】
例えばIEEE1394のような高速デジタルシリアルインタフェースが、ホストコンピュータ104とゴルフボール追跡装置102とゴルフボール打ち出し領域検知ユニット103とゴルフボールスピン検知ユニット105との間の通信のために使用される。この標準インタフェースを使用することによって、高価なアナログのフレーム取込み器を使用することを避けながら、低コストで高性能の解決策を提供する。このインタフェースは、信号の完全性を失うことなく複数のデジタルカメラ128をデイジーチェーン接続できるので、配線も簡略化する。
【0055】
ホストコンピュータ204は、SDRAMに格納されたスポーツシミュレーションソフトウェアを実行する。この例では、スポーツシミュレーションソフトウェアは、ゴルフボール追跡装置202のスクリーン222上に表示されたビデオシーケンスに応答して、スクリーン222にあるゴルフボールGBを打つようにプレーヤーに要求するゴルフシミュレーションモジュールを含んでいる。
【0056】
現実感のあるプレイ体験を可能にするために、ゴルフコースの地形の高解像度の高度マップが使用される。ゴルフコースの地形の高度マップは、地面の高さから撮られたデジタル写真とともに使用される天頂衛星写真及び空中写真の少なくとも一方を含む複数の二次元画像の組み合わせから構成される。写真測量技術を使用して、これらの正射影画像は一緒に組み合わされる。画像中の共通点、すなわちバンカー(sand hazard)の縁や木などを使用して、三次元モデルが、関心地形に適用されるべき基準ターゲットの必要なしに合成される。
【0057】
トレーニング、練習または競技プレイの間、ホストコンピュータ204は、ビデオ画像データをプロジェクタ206に出力して、プロジェクタ206に、ゴルフボールが打ち出されることになっているターゲットを含む三次元スポーツシーンを表現するビデオシーケンスを表示面224に投影させる(図20のステップ500を参照)。ホストコンピュータ204は、ゴルフボールが存在しないゴルフボール追跡領域220の背景画像を取り込むようにデジタルカメラ228を調整し(ステップ502)、次に、ゴルフボール追跡領域を非常に高いフレームレートで走査して、打ち出されたゴルフボールの存在を探す(ステップ504)。するとプレーヤーは、スクリーン222において、ゴルフボールGBを打ち出すように促される(ステップ506)。この段階でデジタルカメラ228、領域走査デジタルカメラ160及び領域走査デジタルカメラ270は、画像を取り込み、処理するように調整される。
【0058】
ゴルフボールのスピンの検出を容易にするために、細長い反射型または再帰反射型のマーカ290がゴルフボールGBの上に設けられている(図19を参照)。この実施形態ではこのマーカは、ゴルフボールGBに接着されるかまたは他の方法で固定された反射テープの45mm×5mmの片である。打ち出しの前にゴルフボールGBは、反射テープ290の長い方の辺がスクリーン222の幅方向に平行になる向きに置かれているのが望ましい。その結果、打ち出しの後、ゴルフボールが領域走査デジタルカメラ270の視野を通過する際にゴルフボールがバックスピンする間、ドライバ276が照明器ボード274のLEDアレイをオンにすると、反射テープ290が領域走査デジタルカメラ270に間隔をおいてはっきりと見える。
【0059】
ゴルフボールをゴルフクラブ112で打つことによってプレーヤーがゴルフボールをゴルフボール追跡装置202において打ち出し、ゴルフボールがゴルフボール追跡領域220に入ると、デジタルカメラ228によって取り込まれた画像中にゴルフボールが現れる。するとデジタルカメラ228は、ゴルフボールがその打ち出し点からゴルフボール追跡領域220を通ってスクリーン222とのその接触点まで移動し、そしてゴルフボールがスクリーンで跳ね返るときに、ゴルフボールの一連の画像を概ね同期して取り込む(ステップ508)。取り込まれた画像は次にデジタルカメラ228の内蔵プロセッサによって処理され、取り込まれた画像が、ゴルフボールの特性的徴候を満たす検出されたゴルフボールを含むかどうかが判定される。
【0060】
検出されたゴルフボールがゴルフボールの特性的徴候を満たすならば、これらの画像はさらに処理され、各画像中のゴルフの質量の中心と直交座標におけるその位置とが求められる(ステップ510)。その結果、ゴルフボールがゴルフボール追跡領域220を通過するときの各デジタルカメラ228に対するゴルフボールの二次元位置を表わす一連の二次元直交座標が生成される。デジタルカメラ228によって生成された二次元直交座標は、次に、ホストコンピュータ204に伝達される。
【0061】
ゴルフボール打ち出し領域検知ユニット203の領域走査デジタルカメラ260は、画像を取り込み、処理して、打ち出し領域Aを通過するスイングしているゴルフクラブ112の存在と、打ち出し領域Aから出る、打ち出されたゴルフボールの存在とを探し求める。スイングしているゴルフクラブと打ち出されたゴルフボールとが検出されると、領域走査デジタルカメラ260は、取り込まれた画像をホストコンピュータ204に出力する。
【0062】
ゴルフボールスピン検知ユニット205の領域走査デジタルカメラ270は、毎秒約100フレーム(fps)に等しいフレームレートで画像を取り込み、連続する画像を処理して、連続する画像間の差が、運動中の物体の存在を意味するしきい値を超えるかどうかを判定する。連続する画像間の差がしきい値を超えていると画像はさらに処理され、運動中の物体がゴルフボールに似ているかどうかが判定される。運動中の物体がゴルフボールに似ていると、これら画像は、さらなる処理のためにホストコンピュータ204に送られる。
【0063】
ゴルフボール追跡装置202からゴルフボールの座標を受け取ると、ホストコンピュータ204は、三角測量技術を使用して、ゴルフボールのスクリーン222との衝突及びスクリーン222からの跳ね返りを含むゴルフボール追跡領域220を通過するゴルフボールの移動の全体を通して、三次元空間におけるゴルフボールの質量中心の位置を計算する(図21のステップ520を参照)。ゴルフボール追跡領域220を通過するゴルフボールの移動の間に三次元空間におけるゴルフボールの知られている位置を用い、かつデジタルカメラ228のフレームレートを知って、ホストコンピュータ204は、ゴルフボールの打ち出し速度と各画像フレームにわたるゴルフボールの速度とを計算する(ステップ522)。ホストコンピュータ204は、次に、計算された各速度を以前に計算された速度と比較して、ゴルフボールの加速度を求める(ステップ524)。
【0064】
ゴルフボール打ち出し領域検知ユニット203から画像データを受け取ると、ホストコンピュータ204は、ゴルフヘッドのスイング経路300を分析して(図23を参照)、クラブヘッドがゴルフボールGBを打った場所を求め、打たれた後のゴルフボールの最初の軌道または打ち出し角度を求める。またホストコンピュータ204は、クラブヘッドの動きベクトル302をクラブヘッドのスイング経路300に沿った接線として定義する。ゴルフボールの最初の軌道を推定することによって、ゴルフボールの動きベクトル306が測定される。このベクトルを使用して、ゴルフボールとクラブ面(クラブフェース)の衝突点においてクラブ面の接線310に垂直な線として、クラブ面ベクトル308を求めることができる。クラブヘッドの動きベクトル302とクラブ面ベクトル308とを比較することによって、ゴルフボールとのインパクトに際してクラブ面がオープンであるかクローズドであるかを判定することができる。クラブヘッドの動きベクトル302がインパクト点においてクラブ面のベクトル308と平行でない度合いは、ゴルフボールが持つであろうサイドスピンの大きさを決める。これは、ホストコンピュータ204が、ゴルフボールとの接触点におけるクラブ面の角度と、ゴルフボールのスクリーン222との衝突の角度及びスクリーン222からの跳ね返りの角度とに基づいて、ゴルフボールのサイドスピンを計算することを可能にする(ステップ524)。
【0065】
ゴルフボールスピン検知ユニット205から画像を受け取ると、ホストコンピュータ204は、第1の画像を選択し(図22aのステップ600を参照)、その画像を分析して、図24に示されるようなゴルフボールの軌跡292をその画像が含むかどうかを判定する(ステップ602)。ゴルフボールGBの速度がデジタルカメラ270のフレームレートを超えたことにより、ゴルフボールの軌跡292が画像中に現れる。画像がゴルフボールの軌跡を含まなければ、その画像は破棄され、ステップ600において次の画像が選択される。選択された画像がゴルフボールの軌跡292を含むならば、画像中のゴルフボールの軌跡の位置が求められ(ステップ604)、次に、それは、有効かどうかを判定するために調べられる(ステップ606)。特に、ゴルフボールの軌跡の長さと幅がしきい値の範囲と比較される。ゴルフボールの軌跡が有効でなければ、選択された画像は破棄され、ステップ600において次の画像が選択される。ステップ606においてゴルフボールの軌跡292の有効性が確認されると、ゴルフボールの有効な軌跡を有する画像はさらなる処理のために指定され(ステップ608)、処理はステップ600に戻り、次の画像が選択される。
【0066】
ゴルフボールスピン検知ユニット205からの画像がひとたび全て選択されて処理されると、ステップ608においてさらなる処理のために指定された画像が画像明度プロファイル分析を受け(図22bのステップ610)、それによって、図24に示すように、連続する画像にわたるゴルフボールの軌跡の組み合わされたプロファイルを生成する。画像当たりのゴルフボールの軌跡の長さLcは、組み合わされたプロファイルの交差点によって求められる(ステップ612)。画像は、照明された反射テープ290に対応する画像中の高明度領域296を特定するために、適応的しきい値化を受ける(ステップ614)。ゴルフボールのスピンと照明器ボード274によって与えられたパルス状の照明とのために、反射テープ290に対応する高明度領域296の群が各画像に現れる。次に、各連続する画像における高明度領域296の群の間の距離が求められ、図24のLtによって表わされる(ステップ616)。ゴルフボールGBが1回転するのにかかる時間Tpは、
【0067】
【数3】
【0068】
と表わされる。ここでTfはデジタルカメラ170のフレームレートである。
【0069】
時間Tpは、ステップ608においてさらなる処理のために指定された各連続する画像について計算され、ゴルフボールGBが一回転する平均一回転時間が求められる(ステップ618)。平均一回転時間は、次に、例えば毎分回転数(rpm)のような使いやすい単位に変換される。
【0070】
次に、ゴルフボールのスピンの傾斜軸が、各群における高明度領域296の向きと、高明度領域296の長手軸とゴルフボールの軌跡292の長手軸の間の相対角度とを使用して、各画像について測定される。そして、ステップ608においてさらなる処理のために指定された連続する画像にわたって、ゴルフボールの平均スピン傾斜軸が求められる(ステップ620)。
【0071】
ゴルフボールの三次元位置、打ち出し速度、加速度、サイドスピン、打ち出し角度、バックスピン及びスピン傾斜軸が分かったので、ホストコンピュータ204は、ゴルフボールの正確な軌道を外挿し、これにより曲がったかアーチを描くかの少なくとも一方のゴルフボールの現実感のあるシミュレーションを生成するを可能にする(ステップ526)。次に、計算されたゴルフボール軌道と表示されたビデオ画像との交差を計算することによって、その計算されたゴルフボール軌道は、スポーツ結果を求めるために使用される(ステップ528)。ゴルフボールの軌道が計算され、スポーツの結果が求められたので、ホストコンピュータ204は、スクリーン222の表示面224に表示されるビデオシーケンスがゴルフボールのシミュレートされた飛行とスポーツの結果とを示すように、プロジェクタ206に伝達される画像データを更新する(ステップ530)。
【0072】
ビデオシーケンスの表示の間、ゴルフボールの飛行のシミュレーションが表示されると、ゴルフボールのスクリーン222との衝突点から飛行が始まるゴルフボールのグラフィカルな複製が、スクリーン222の表示面224に投影される。このようにして、ゴルフボールは、ビデオシーン中へのその軌道を続けるように見え、それによって現実感のあるビデオ効果を達成する。三次元のシーンは、次に、スポーツの結果にしたがって更新され、競技のプレイまたは練習を続けることができる。
【0073】
単一の撮像装置102を使用するものとして装置100を説明したが、複数の撮像装置を使用してもよい。2つの撮像装置が使用される場合、これら撮像装置は、互いに離れた距離に配置され、ステレオ対を形成するように構成されることが望ましい。この場合、これら撮像装置によって取り込まれた画像フレームは、画像処理のための第3の次元をもたらす。
【0074】
2つの基準点(テープ片118,126)と3つの中間マーカ(テープ片120,122,124)を使用するものとして装置100を説明したが、それよりも多いまたは少ないマーカが使用されてもよい。例えば、装置は、たった1つのマーカに基づいてしなり比を求めてもよい。あるいは、シャフト114全体が単一のマーカ(例えば、再帰反射テープの長い片)で覆われ、ゴルフスイングの間、取り込まれた画像フレーム中にシャフトの全湾曲が現れるようにしてもよい。
【0075】
シャフトに沿って複数の基準点をとり、これら基準点から直線への距離を測定するものとして、装置100によって使用される画像処理を説明したが、これら基準点は、内挿と外挿との少なくとも一方によって、マークの付いていないシャフト区間のシャフト位置を見つけるために使用することができる。このようにして、シャフト上のどのような点におけるしなり比も求めることができる。
【0076】
上記の実施形態では、撮像装置102は、プレーヤーのゴルフスイングの画像を取り込むために使用されるデジタルカメラである。当業者が理解するように、デジタルビデオカメラが取り込むことができる画像フレームの数には、通常、上限がある。これは、データを内挿及び外挿する能力を制限するものではない。シャフトのしなり用のデータを内挿することと同様に、コンピュータ装置を、撮像装置によって取り込まれた任意の2つの連続する画像フレーム間のデータを補間するように構成することができる。インパクト時、クラブヘッド116は減速し、ゴルフボールにエネルギーを移す。インパクト点までのシャフトのしなりを予測するために、画像フレームを処理することによって得られたデータを外挿することができる。画像フレームを内挿/外挿することから得られたデータに、シャフト上の基準点を内挿/外挿することから得られたデータを組み合わせることは、ゴルフスイングのアップスイングの成分とダウンスイングの成分の間のシャフト上の任意の点及び任意の時間でのシャフトしなりの完全な測定をもたらす。
【0077】
再帰反射テープの複数片であるとしてシャフト上のマーカを記載したが、反射テープ、再帰反射塗料または反射塗料のような他のマーカを使用してもよい。あるいは、シャフトは、シャフトが作られる材料に組み込まれた基準マーカを有してもよく、見込みのある注文のために顧客にフィッティングするときに、クラブの調整者(フィッター)によって使用されるクラブフィッティング・シャフトが得られる。
【0078】
ゴルフクラブのシャフトのしなりを求めるものとして本装置を記載したが、テニスのラケット、ホッケーのスティックのような他の種類のスポーツ用品のしなりを求めることに本装置を使用してもよい。
【0079】
スクリーン222と組み合わされる天井設置の前方投影型プロジェクタ206を含むものとしてゴルフシミュレーションシステム200を記載したが、当業者は、代わりの投影装置を使用してもよいことを理解するであろう。例えば、画像を表示スクリーン222の裏面に投影する背面投影型ビデオプロジェクタを使用してもよい。
【0080】
当業者は、ゴルフボール追跡装置202が、ゴルフボール追跡領域を見、打ち出されたゴルフボールの存在を検出するために、別々の場所に複数の撮像装置を含んでよいことを理解するであろう。当業者はまた、デジタルカメラの画像データの処理を効率的にリアルタイムに行い、現実感のあるゴルフボールシミュレーションを提供するために、処理段階の数を要望に応じて増やしまたは減らしてよいことを理解するであろう。
【0081】
望むならば、ゴルフボール打ち出し領域検知ユニット203とゴルフボールスピン検知ユニット205は、追加のカメラ装置を含んでよい。ゴルフボール打ち出し領域検知ユニット203とゴルフボールスピン検知ユニット105は、任意の数の照明器を含んでよいし、あるいは、周囲の光の状態が画像の適切な取り込みに十分であるならば、照明器を全く含まなくてもよい。さらに言えば、ゴルフボール打ち出し領域検知ユニット203とゴルフボールスピン検知ユニット205は領域走査デジタルカメラ260,270の視野の向きを変えるミラーを含むように示されているが、当業者は、領域走査デジタルカメラの向きが関心領域を直接見渡すように方向づけられてよいことも理解するであろう。ゴルフボール打ち出し領域検知ユニット203とゴルフボールスピン検知ユニット205は、都合のよいどのような場所に設置してもよい。
【0082】
スポーツシミュレーションシステムを、ゴルフをシミュレーションするものと記載したが、スポーツシミュレーションシステムは、発射体が打ち出される他のスポーツをシミュレートするために使用されてよいことが理解されるであろう。そのような場合、発射体の特性的徴候は、打ち出された発射体を正確に追跡できるように更新される。
【0083】
図面を参照して実施形態を説明したが、当業者は、添付の特許請求の範囲によって規定されるその要旨と範囲から逸脱することなく変形及び修正がなされてよいことを理解するであろう。
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、スポーツ測定システムに関し、特に、ゴルフクラブのシャフトのしなり(フレックス(flex))を測定する装置及び方法と、この装置を組み込んだゴルフシュミレーションシステムとに関する。
【背景技術】
【0002】
全てのスポーツ用品の目的は、競技者が自己のベストでスポーツできるようにする用品をその競技者に提供することである。重さ、長さ、トルク、しなりなどの多くのパラメータがスポーツ用品の設計に取り入れられている。例えば、ホッケー競技者の特定の体格に合わせて調整された、さまざまなしなりと重量のホッケー用スティックが販売されている。ホッケー競技を学んでいる若年層の子供は、通常、短くて軽量であり、柔らかいしなりのホッケー用スティックを使用することに最も適しており、他方、プロのホッケー選手は、通常、長くて重量があり、硬いしなりのホッケー用スティックを使用することに最も適している。野球のバット、ゴルフクラブ、テニスのラケットなどのような他の種類のスポーツ用品も同様に、ある「種類」の競技者に適合するように調整されたさまざまなタイプのものが販売されている。
【0003】
ある種のスポーツ用品は、競技者が彼らのベストを出すのを助けるために、シャフトのしなりに依存している。例えばゴルフクラブの製作者は、個々のゴルファーによって選択される種々の長さと種々のしなりのゴルフクラブ・シャフトを製造している。多くのゴルファーは、彼らの特有の体格と技量に対して最良のゴルフクラブ・シャフトを推奨するゴルフクラブ・フィッターの専門的知識に頼っている。過去において、ゴルフクラブ・フィッターは、ゴルファーのスイングスピードを測定し、この測定からそのゴルファーのゴルフクラブのシャフトの種類を選択したものだった。残念ながら、ゴルフクラブのシャフトの種類をスイングスピードの測定値に基づいて選択することは、非常に推測的であり、その結果、ゴルフクラブのシャフトのフィッティングが不正確になる。
【0004】
この問題に対処するために、ゴルフクラブのシャフトのしなりを測定する技術が考えられている。例えば、Ashidaらに与えられた米国特許第7,292,070号(特許文献1)は、ゴルファーのスイングにおけるインパクト時のクラブヘッドのスピードを検出するヘッドスピード測定ユニットと、ゴルファーのスイングテンポ(swing tempo)を検出するスイングテンポ検出ユニットと、ゴルファーのスイング特性に対応するシャフトの質量とシャフトのしなりの点を示す図(チャート)と、この図を参照し、かつそれぞれヘッドスピード検出ユニットとスイングテンポ検出ユニットによって検出されたクラブヘッドのスピードとスイングテンポに基づいて、当該ゴルファーに適したゴルフクラブのシャフトを選択する選択ユニットと、選択ユニットによって選択されたゴルフクラブのシャフトを表示する表示装置と、を含むゴルフクラブシャフト選択システムを記載している。
【0005】
Wrightらに与えられた米国特許第7,041,014号(特許文献2)は、テストゴルファーを、複数の種類を有するゴルフクラブのグループから選択される特定のゴルフクラブに合わせる方法を記載している。この方法は、多数の事前テストゴルファーの各々のクラブの種類に対する嗜好が記録され、かつそのような事前テストゴルファーのゴルフスイングに対する一連の性能パラメータとそれらの嗜好とが関連付けられている、最初の手順において導き出されたデータセットを利用している。このデータセットは、同じサブグループ内のゴルファーは同じ種類のクラブを概ね好み、異なったサブグループのゴルファーは異なった種類のクラブを概ね好む、そのようなサブグループに事前テストゴルファーを分類することを可能にする。この方法において、ゴルファーがゴルフクラブを持ってゴルフスイングをしている間に、そのスイングの性能パラメータが測定される。測定された性能パラメータと事前に得られたデータセットとに基づいて、テストゴルファーは、スイングの種類にしたがって分類され、次に、最適なゴルフクラブが、ゴルフクラブの複数の種類から選択される。
【0006】
Nauckに与えられた米国特許第5,616,832号(特許文献3)は、ゴルフクラブのシャフトの内部に挿入されて振動を音波として検出し、処理、表示及び分析のためのデータ収集システムにその振動の周波数と振幅を示す信号を送信するマイクロホンを有する、ゴルフクラブの動力学を評価するシステム及び方法を記載している。この装置は、発音器またはマイクロスイッチ・アクチュエータを用いてしなりの固有振動数を測定するために使用されることもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第7,292,070号明細書
【特許文献2】米国特許第7,041,014号明細書
【特許文献3】米国特許第5,616,832号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記の特許文献1〜3は、ゴルフスイングを測定し、ゴルフクラブのシャフトを選択する技術を記載しているが、改良が望まれている。
【0009】
したがって本発明の目的は、ゴルフクラブシャフトのしなりを測定する装置及び方法と、この装置を組み込んでいるゴルフシミュレーションシステムとを少なくとも提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
したがって一態様において、スイング面を通るシャフトの運動の間、シャフトの少なくとも1つの画像を取り込むことと、シャフトのしなりを求めるために少なくとも1つの画像を調べることと、を有する、シャフトのしなりを測定する方法が提供される。
【0011】
一実施態様において、取り込むことは、スイング面を通るシャフトの運動の間、一連の画像を取り込むことを有し、調べることは、複数の画像を調べてスイング面に沿った複数の点におけるシャフトのしなりを求めることを有する。調べることは、スイング面を通るシャフトの運動にわたる、シャフトについてのフレックスプロファイルを求めることを有していてもよい。調べることは、固定された基準からの、シャフトに沿った少なくとも1つの離散点の偏位を測定して、シャフトのしなりを求めることも有していてもよい。固定された基準は、シャフトの対向する端部に隣接する1対の基準点の間を延びる直線であってもよい。少なくとも1つの離散点と1対の基準点は、シャフト上の反射マークによって規定されていてもよい。シャフトはゴルフクラブのシャフトであってもよい。
【0012】
他の態様によれば、スイング面を通るシャフトの運動の間、シャフトの画像を取り込む少なくとも1つの撮像装置と、少なくとも1つの撮像装置から画像を受け取り、受け取った画像を処理してシャフトのしなりを求める処理ユニットと、を有する、シャフトのしなりを測定する装置が提供される。
【0013】
一実施態様において、少なくとも1つの撮像装置の光軸がスイング面に概ね垂直である。この装置は、照明光源をさらに有してよい。少なくとも1つの撮像装置は、スイング面を通るシャフトの運動の間、シャフトの一連の画像を取り込み、処理構造は、複数の画像を処理してスイング面に沿った複数の点におけるシャフトのしなりを求めるように構成されている。
【0014】
さらに他の態様によれば、シャフトのしなりを測定する上記の装置と、表示面の前に配置されたゴルフボール追跡領域の画像を異なる見通し位置から取り込んで、表示面に向けてゴルフボール追跡領域を通過する打ち出されたゴルフボールを検出する少なくとも2つの撮像装置を含むゴルフボール追跡装置と、ゴルフボール追跡領域と少なくとも一部が重なる領域の画像を取り込むゴルフボールスピン検知ユニットと、各撮像装置及びゴルフボールスピン検知ユニットからデータを受信し、ゴルフボール追跡領域を通過する、検出された打ち出されたゴルフボールの三次元位置、速度、加速度及びスピンを求める少なくとも1つの処理ユニットと、を有し、取り込まれた各画像は、ゴルフボールが画像の取り込みの間に領域にあるときの、ゴルフボールの運動経路を表わすゴルフボール軌跡を有し、三次元位置、速度、加速度及びスピンは、打ち出されたゴルフボールの三次元ゴルフシーンへの軌道を計算するために、少なくとも1つの処理ユニットによって使用される、ゴルフシュミレーションシステムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、ゴルフクラブのシャフトのしなりを測定する装置の概略部分側面図である。
【図2】図2は、図1の装置で使用されるゴルフクラブの概略斜視図である。
【図3】図3(a)〜(h)は、図2のゴルフクラブをスイングしているユーザーの正面図である。
【図4】図4(a),(b)は、図1の装置の一部を構成する撮像装置によって取り込まれた、ゴルフスイングの間のゴルフクラブのシャフトの画像を示している。
【図5】図5は、ゴルフスイングの頂点(トップ)における、図2のゴルフクラブの側面図である。
【図6】図6は、ゴルフスイングの間の、図2のゴルフクラブに沿った3つの点でのしなり比を示すグラフである。
【図7】図7は、ゴルフスイングの間のゴルフクラブのシャフト角度を示すグラフである。
【図8】図8は、ゴルフスイングの間の、図2のゴルフクラブの最大しなり比とシャフト角度とを示すグラフである。
【図9】図9は、ゴルフスイングの間の、図2のゴルフクラブの角速度と角加速度とを示すグラフである。
【図10】図10は、図1の装置を組み込んだゴルフシミュレーションシステムの斜視図である。
【図11】図11は、図10のゴルフシミュレーションシステムの側面図である。
【図12】図12は、図10のゴルフシミュレーションシステムの上面図である。
【図13】図13は、図10のゴルフシミュレーションシステムの一部を構成するゴルフボール追跡装置の正面図である。
【図14】図14は、図13のゴルフボール追跡装置の一部の、一部断面である拡大正面図である。
【図15】図15は、図10のゴルフシミュレーションシステムの一部を構成するゴルフボール打ち出し領域検知ユニットの概略側面図である。
【図16】図16は、図10のゴルフシミュレーションシステムの一部を構成するゴルフボールスピン検知ユニットの概略斜視図である。
【図17】図17は、図16のゴルフボールスピン検知ユニットの一部を構成する領域走査デジタルカメラの概略ブロック図である。
【図18】図18は、図16のゴルフボールスピン検知ユニットの一部を構成する照明器ボードドライバ及び照明ボードの概略ブロック図である。
【図19】図19は、後方にスピンしている打ち出されたゴルフボールを示している。
【図20】図20は、プレーヤーが図10のゴルフシミュレーションシステムと相互作用する間に行われる手順を示すフローチャートである。
【図21】図21は、プレーヤーが図10のゴルフシミュレーションシステムと相互作用する間に行われる手順を示すフローチャートである。
【図22】図22は、プレーヤーが図10のゴルフシミュレーションシステムと相互作用する間に行われる手順を示すフローチャートである。
【図23】図23は、プレーヤーが図10のゴルフシミュレーションシステムと相互作用する間に行われる手順を示すフローチャートである。
【図24】図24は、図10のゴルフシミュレーションシステムの打ち出し領域内でゴルフボールに衝突(インパクト)するゴルフクラブの、上から見た図である。
【図25】図25は、取り込まれた画像の、ゴルフボールのスピンとそのスピンの傾斜軸を求めるための処理を示している。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、添付図面を参照して実施形態をより詳しく説明する。
【0017】
図1を参照すると、ゴルフクラブのシャフトのしなりを測定する装置が示され、全体が参照番号100によって特定されている。図から分かるように、装置100は、ゴルフクラブ112を振るプレーヤーPが立つゴルフボール打ち出し領域(launch area)すなわち打球領域(hitting area)の画像を取り込むように配置された撮像装置102を有している。撮像装置102の光軸は、プレーヤーPの予想されるスイング面SPに概ね垂直になるように位置付けられている。光源106が、打ち出し領域を概ね均一に照らすように、撮像装置102に隣接して配置されている。打球領域は、無反射床108と無反射背景110とを有している。例えばパーソナル・コンピュータまたは他の適切な処理ユニットまたは処理構造のようなコンピュータ装置128が、撮像装置102に接続されている。コンピュータ装置128は、以下に説明するように、撮像装置102から受け取った画像フレームを処理し、ゴルフクラブのスイング全体にわたってゴルフクラブ112のシャフトのしなりを求め、結果を表示する。
【0018】
この実施形態では、無反射背景110は、アクリルで覆われた無反射材料で形成されたカーテンまたは壁紙の形態をしている。同様に無反射床108は、同様の無反射材料で作られたカーペットまたは床材を有している。この実施形態では、撮像装置102は、少なくとも640×480の画素配列と電子制御シャッターとを有し、少なくとも60フレーム毎秒のフレームレートで画像フレームを取り込むデジタルカメラである。前述したように光源106は、打ち出し領域を均一に照明し、プレーヤーPがゴルフクラブ112を振ってゴルフボールGBを打つのに適し、かつ、シャフトのしなりを求めるために処理できる画像データを含む画像フレームを撮像装置102が取り込むのに適した光を供給する。この実施形態では、光源106は、レール式可動照明器具に取り付けられた複数のハロゲン照明を含んでいる。
【0019】
次に図2を参照すると、ゴルフクラブ112がよりよく示されている。図から分かるように、ゴルフクラブ112は、一端にクラブヘッド116を有する、しなり性を備えたシャフト114を含んでいる。ゴルフクラブ112の画像化、特にゴルフスイングの間のシャフト114の画像化を容易にするために、複数の反射マーカがシャフト上に間隔をおいて設けられている。この実施形態では、5個の反射マーカ118〜126がシャフト114上に設けられている。この実施形態における反射マーカは、シャフト114の長さに沿った別々の点または位置においてシャフト114を囲む複数片の再帰反射テープである。これらの再帰反射テープ片の寸法は異なっていてよいが、撮像装置102によって取り込まれた画像フレーム中で再帰反射テープ片を容易に識別できるように選択される。この例では、再帰反射テープの各片は約1インチ(2.54cm)に等しい長さを有する。
【0020】
反射マーカ118〜126のシャフト114に沿った位置は、ゴルフスイングの間にゴルフクラブのシャフトのしなりを検出して測定するのを容易にするように選択される。この実施形態では、反射マーカ118は、ゴルフクラブのグリップに隣接したシャフト114の頂部の近くに配置され、反射マーカ126は、ホーゼル及びクラブヘッド116に隣接したシャフト114の底部の近くに配置されている。反射マーカ122はシャフト114の中点に隣接して配置されている。反射マーカ120は反射マーカ118,122の中間に配置され、反射マーカ124は反射マーカ122,126の中間に配置されている。反射マーカ118,126は、後で説明するように、シャフト114のしなりを測定する間、シャフト114上の基準点を決めるために使用される。
【0021】
動作中、ゴルフスイングの間にゴルフクラブのシャフト114のしなりを測定することが望まれると、ゴルフクラブ112を手に持ったプレーヤーPが、打ち出し領域に立つ。光源106は、プレーヤーPがほとんどまたは全く困難なくゴルフスイングを終えてゴルフボールGBを打つように、打ち出し領域を概ね均一に照らすために動作させられる。プレーヤーPがゴルフのスイングをする準備ができると、撮像装置102は、画像フレームを取り込むように条件設定される。その結果、プレーヤーPがゴルフスイングをすると、ゴルフスイングのほぼ全体が画像フレームに取り込まれる。
【0022】
図3(a)〜(h)は、プレーヤーPのゴルフスイングを示している。図から分かるようにゴルフスイングは、図3(a)〜(d)に示されるアップスイング成分と、図3(e)〜(h)に示されるダウンスイング成分とを有する。理解されるように、シャフト114は、ゴルフスイング中の特定の時点におけるゴルフスイング成分とクラブヘッド116のスピードとに応じて、ゴルフスイングの全体にわたって異なる量でしなる。例えば図3(d)に示されるように、プレーヤーの手はダウンスイングの方向に動き始めようとしているのに、クラブヘッド116の勢いは依然としてアップスイング方向にあるので、シャフト114はプレーヤーPに向かってしなる。
【0023】
反射マーカ118〜126は、ゴルフスイングの間中、撮像装置102に向かって光を反射し、一方、無反射背景110と無反射床108は、光がこれらの表面で撮像装置に向けて反射されるのを妨げる。その結果、反射マーカ118〜126は、取り込まれた画像フレームにおいて、他の比較的暗い背景上の明るいスポットとして見え、反射マーカ118〜126を容易に見つけられるようにできる。図4(a)は、プレーヤーのゴルフスイングのアップスイング成分の間に撮像装置102によって取り込まれた一連の画像フレームを示し、一方、図4(b)は、プレーヤーのゴルフスイングのダウンスイング成分の間に撮像装置102によって取り込まれた一連の画像フレームを示している。図から分かるように、反射マーカの位置に対応する、シャフト114に沿った点は、取り込まれた画像フレーム中で容易に識別することができる。取り込まれた各画像フレーム間でゴルフクラブ112のシャフト114が移動する距離は、クラブヘッド116の加速を示している。図から分かるように、図4(a)に示されるプレーヤーのゴルフスイングのアップスイング成分の間、連続する画像フレーム間でゴルフクラブ112のシャフト114が移動する距離は比較的一定であり、滑らかなアップスイングを表わしている。プレーヤーのゴルフスイングのダウンスイング成分の間、連続する画像フレームの各対間でゴルフクラブ112のシャフト114が移動する距離は大きくなり、ゴルフボールGBとの接触がなされるまでのダウンスイングの間のクラブヘッド116の加速を意味している。
【0024】
図5は、図3(d)に示されたプレーヤーのゴルフスイングに沿った位置におけるゴルフクラブ112を示している。図から分かるように、この位置においてゴルフクラブ112のシャフト114はしなっている(たわんでいる)。その結果、反射マーカ118〜126はもはや直線に沿って位置せず、むしろ弓状の線に沿って位置する。取り込まれた画像フレーム中での反射マーカ118〜126の位置は、ゴルフクラブのシャフトのしなりを求めて測定するのに使用される。理解されるように、ゴルフスイングの間のシャフト114のしなりの量は、シャフトの剛性、シャフトの重量、クラブヘッドの重量、トルク、キック点、クラブヘッドのスピードなどのような様々な要因によって決まる。
【0025】
コンピュータ装置128は、処理中、取り込まれた画像フレームを処理して、ゴルフスイング全体にわたる種々の点におけるゴルフシャフト114のしなりを測定する。具体的にはコンピュータ装置128は、取り込まれた各画像フレームについて、反射マーカ118〜126に対応する、画像フレーム中の明るい各スポットの中心点150〜158を求める。中心点150,158は基準点として使用される。中心点150,158がいったん求められると、コンピュータ装置128は、基準点150,158の間を延びる直線160を計算する。直線160の計算に続けて、直線160に垂直な線に沿った、各中心点152,154,160と直線160との間のそれぞれd1,d2,d3で示される距離が測定される。距離d1,d2,d3は、それぞれの点におけるシャフト114のしなりの量を表わしている。直線160からの距離d1,d2,d3が大きくなればなるほど、ゴルフクラブのシャフトのしなりの量は大きくなる。距離d1,d2,d3のいずれかがゼロに等しければ、その特定の点においてシャフト114のしなりはない。
【0026】
理解されるように、ゴルフクラブのシャフトの剛性と長さは様々である。ゴルフクラブの異なったシャフトを正確に比較するためには、距離d1,d2,d3は正規化されなければならない。この正規化は、基準点150,158の間の直線160に沿った長さLを測定することによってなされる。長さLは、距離d1、d2、d3を
【0027】
【数1】
【0028】
にしたがって、しなり比(flex ratio)パーセントf1,f2,f3として正規化するために使用できる定数値を規定する。しなり比パーセントは、特定の各中心点152,154,156におけるしなりのパーセントを示している。再度言うが、計算されたゼロ値は、その特定の点においてシャフト114のしなりがないことを示している。これら3つの計算されたしなり比を比較することによって、シャフト114の最大しなりを
【0029】
【数2】
【0030】
にしたがって計算することが可能になる。シャフト114の最大しなりは、その画像フレームに関するシャフト114のしなりを表わすのに使用される。一連の取り込まれた画像フレームにわたって最大しなりを求めることによって、ゴルフスイングにわたるシャフト114のフレックスプロファイル(flex profile:しなりの変化形状)を求め、表示することができる。次に、ゴルフクラブ112のシャフトのフレックスプロファイルがプレーヤーのゴルフスイングに合っているかどうかを判定することができる。
【0031】
図6は、反射マーカ120,122,124に対応する、シャフトに沿った位置におけるシャフト114のしなり比パーセントをグラフに表現したものを示している。しなり比パーセントはy軸に沿って示され、時間はx軸に沿って示されている。理解されるように、正のしなり比は、シャフト114の第1の方向へのしなりを示し、負のしなり比は、シャフト114の反対方向へのしなりを示している。中心点152、154、156の各々に関し、しなり比はy軸と2つのインスタンス(instance)において交差し、これは、プレーヤーのスイングの間、シャフト114のしなり比がゼロである場合が2つあることを示している。分かるように、シャフト114の最大のしなり比パーセントは、ほとんど常に、しなり比f2に相当している。しなり比f2は、直線160からの中心点154の距離d2、したがって、シャフト114の中点の近くに位置する反射マーカ124の直線160からのずれに基づいている。このことは、シャフト114のキック点(kick point)がシャフト114の中点の近くにあることを示している。
【0032】
図7は、ゴルフスイングの間のゴルフクラブ112のシャフトの角度を示している。図3(a)に示されるようにプレーヤーPがゴルフボールGBをアドレスすると、シャフト114は、反射マーカ118,126の間に延びるベクトルとしてモデル化した場合、0度に近い角度にあることになる。ゼロ(0)度の基準点は、クラブのヘッド116がゴルフボールに接触したときのゴルフクラブ112の位置と定義される。矢印は、プレーヤーのゴルフスイングのアップスイング成分とダウンスイング成分の両方の間のクラブヘッド116の移動の方向を示している。プレーヤーPがクラブヘッド116をテイクバックすると、シャフト114の角度は約270度の点まで増大するが、シャフト114の最大角度は、スイングを行うプレーヤーに大きく依存する。プレーヤーPがダウンスイングを開始すると、シャフト114の角度が小さくなり始める。クラブヘッド116がゴルフボールGBに接触した瞬間、シャフト114の角度はゼロ(0)になり、そしてインパクトを経て、負の方向において、ゴルフシャフト114の角度の絶対値は増大し始める。
【0033】
図8は、最大しなり比(y軸はパーセンテージの単位を有する)とシャフトの角度(y軸はラジアンの単位を有する)の両方をグラフに表現したものを示している。時間はx軸に沿って表わされている。特に重要なことは、最大しなり比が、大体、シャフトの角度が最大であるときに起こることである。前述したようにシャフトの角度は、プレーヤーPがアップスイングからダウンスイングに移行する、ゴルフスイングの頂点において最大になる。最大しなり比が最初にゼロと交差するのは、約3.5ラジアン(200度)のときである。図7に戻ると、アップスイングの間、シャフト114が垂直(180度)になった時点の直後に、シャフト114が第1の方向から第2の方向へしなり始めることが分かる。最大しなり比が2度目にゼロと交差するのは、ダウンスイングの間、約1.7ラジアン(97度)のときである。再び図7に戻ると、シャフト114は、クラブヘッド116がゴルフボールGBに接触するより前の点で、第2の方向から第1の方向へしなり始める。これは、クラブヘッド116がゴルフボールGBに接触する前に起こる、シャフト114のむち打ち動作(whipping operation)を表わしている。当業者が理解するように、ゴルフクラブの適切にフィットしたシャフトを持つ秘訣は、ゴルフボールの打ち出しとクラブヘッドのスピードとを最適にするためにインパクト時のむち打ち動作の量を正しくすることである。
【0034】
図9は、ゴルフクラブのシャフト114の角速度と角加速度のグラフ化して表現したものを示している。角速度は、取り込まれた連続する画像フレーム間での時間間隔に対するシャフト114の角度の変化の比と定義される。角加速度は、画像フレームの時間間隔に対するシャフト114の角速度の変化の比と定義される。角速度の最初のゼロとの交差は、アップスイングの頂点において、クラブヘッド116がアップスイングからダウンスイングに移行する瞬間に起きる。角速度は、クラブヘッド116が負の方向に運動しようとし始める、アップスイングの頂点において正の値から負の値に変わる。加速度のピークは、ダウンスイング中に、シャフト114が概ね水平な位置にあるときに起こる。図7に戻って、これは約90度のシャフト角度に相当する。最大角速度が、最大加速が起こった後で、すなわちクラブヘッド116がゴルフボールGBに接触したときに起こることに気づくことは面白い。これは、良好なゴルフスイングのためにダウンスイングの間、ゴルフクラブのシャフトが加速を維持するからである。クラブヘッド116がシャフト114に取り付けられているので、インパクト時でのシャフトの最大角速度は、概ねインパクト時でのゴルフクラブのヘッドの最大速度を意味する。ゴルフクラブのシャフトの角度と角速度と角加速度とが測定され、シャフトのしなりの測定と相互に関連付けられる。角速度と角加速度はゴルフスイングテンポの良好な指標であり、ゴルフクラブのシャフトのしなりについての高度に動的な測定を可能にするために、シャフトのしなりの測定と一緒に使用することができる。 理解されるように装置100は、プレーヤーのゴルフスイングに沿ったいくつかの点においてゴルフクラブ112のシャフト114のしなりを求めることができ、したがって、シャフト114のしなりの特性がゴルファーのスイングに合っているかどうかを判定できるように、シャフトのしなりの特性を求め、表示することができる。これは、ゴルフクラブをその特性が変化する点に改変する必要なしになされる。この実施形態では、ゴルフクラブの唯一行われる改変は、テープ片の形態の再帰反射マーカをシャフト上に間隔をおいて配置することである。矩形のテープ片は軽量であるので、それらはゴルフクラブ112に実質的には全く影響を与えない。
【0035】
図1〜9を参照して上述した装置100は、クラブフィッティングの目的で、独立した(スタンドアローンの)システムとして、または参照によってそれらの各々の全体の内容がここに組み込まれる2009年6月9日にRichardsonに発行された米国特許第7,544,137号、2005年8月2日に出願されたRichardsonらの米国特許出願第11/195,017号、2006年3月30日に出願されたDaweらの米国特許出願第11/394,004号及び2009年10月7日に出願されたDaweらの国際特許出願PCT/CA2009/001424に記載されたようなゴルフシミュレーションシステムとともに、使用することができる。
【0036】
次に図10を参照すると、装置100は、上記の組み込まれた国際特許出願PCT/CA2009/001424に記載されたゴルフシミュレーションシステムとともに示されている。図から分かるように、スポーツシミュレーションシステム200は、プレーヤーPが立つゴルフボール打ち出し領域すなわち打球領域Aの前に配置されたゴルフボール追跡装置202を含んでいる。打ち出し領域は無反射床108と無反射背景110とを有している。この実施形態では、打ち出し領域Aとゴルフボール追跡装置との離間距離は約10フィート(3.048m)である。オーバーヘッドゴルフボール打ち出し領域検知ユニット203が打ち出し領域Aの上方に配置されている。オーバーヘッドゴルフボールスピン検知ユニット205が打ち出し領域Aとゴルフボール追跡装置202との間に配置されている。装置100の撮像装置102が、その光軸がプレーヤーPの予想されるスイング平面SPに概ね垂直になるように、プレーヤーPの前方かつ上方に配置されている。光源106が、プレーヤーPと撮像装置102との両方に対して一様な分布の照明を与えるように、撮像装置102に隣接して配置されている。ホストコンピュータ204が、高速シリアルデータリンクを介して撮像装置102とゴルフボール追跡装置202とゴルフボール打ち出し領域検知ユニット203とゴルフボールスピン検知ユニット205とに接続され、ゴルフボール追跡装置202に向けられた天井設置前方投影型ビデオプロジェクタ206にも接続されている。ホストコンピュータ204はビデオ画像データをプロジェクタ206に出力し、プロジェクタ206は、次に、ビデオシーケンスをゴルフボール追跡装置202に投影する。ビデオシーケンスは、ゴルフコースのホールやゴルフ練習場などを含む三次元のゴルフシーンを表現している。
【0037】
この実施形態において、プレーヤーPは、ゴルフクラブ112を用いて、ゴルフボールGBをゴルフボール追跡装置に向けて打ち出す。撮像装置102は、プレーヤーPがゴルフクラブ112をスイングしてゴルフボールGBを打ち出すとき、画像フレームを取り込む。撮像装置102は、この画像フレームを処理のためにホストコンピュータ204に出力し、ホストコンピュータ204はコンピュータ装置120として機能する。
【0038】
ゴルフボール追跡装置202は、打ち出されたゴルフボールGBがゴルフボール追跡装置によって監視されるゴルフボール追跡領域を通って移動するとき、二次元のゴルフボール位置データをホストコンピュータ204に出力する。ゴルフボール打ち出し領域検知ユニット203は、ゴルフボールとのインパクトの前、インパクト中及びインパクト後の、打ち出し領域Aを通るゴルフクラブ112の動きを表わす画像データをホストコンピュータ204に出力する。ゴルフボールスピン検知ユニット205は、ゴルフボールがゴルフボール追跡領域を通過するときに、ホストコンピュータ204がゴルフボールGBのスピンとスピン傾斜軸を求めることを可能にする画像データをホストコンピュータ204に出力する。次にホストコンピュータ204は、二次元のゴルフボール位置データとゴルフボール打ち出し領域検知ユニットの画像データとゴルフボールスピン検知ユニットの画像データとを処理して、ゴルフボールの軌道を正確に計算できるように、ゴルフボールの三次元位置、打ち出し速度、加速度、サイドスピン、バックスピン、スピン傾斜軸及び打ち出し角度を求める。計算された軌道はそれから、提示されるビデオシーケンスが、ゴルフボールの三次元シーン内への移動のシミュレーションと求められたスポーツ結果とを示すように、スポーツ結果を求め、プロジェクタ206に伝達される画像データを更新するために使用される。
【0039】
図11〜14は、ゴルフボール追跡装置202をより良く示している。図から分かるように、ゴルフボール追跡装置202は、一対の横柱212とこれらの横柱212の上端間を延びるクロスバー214とを有する、直立した逆U字形のフレーム210を備えている。スクリーン222がフレーム210によって支持されている。この実施形態では、スクリーン222は4:3のアスペクト比を有し、従来のテレビジョン画像を表示するのに特に適している。しかしながら当業者は、他の画像フォーマットを使用できることを理解するであろう。スクリーン222は、フレーム210の裏の間隔をおいた位置に、緩く留められている。
【0040】
スクリーン222は複数の層を含み、ゴルフボールの跳ね返りを減らし、かつスクリーンの背後の防御を高めるように設計されている。スクリーン222の第1の層すなわち前層は、永続的な延伸/窪み形成(pocketing)と磨耗とに耐えるいくばくかの柔軟性を有する極めて反射性のあるナイロンで作られている。その結果、前層は、プロジェクタ206によって投影された画像が提示される、優れた表示面224をもたらす。スクリーン222の第2の層すなわち中間層は、柔らかくて厚い材料で作られ、低下させられた弾性効果によってゴルフボールのエネルギーを吸収し、それによって伸張することと前層へ損傷を与えることとの少なくとも一方を防止するように設計されている。スクリーン222の第3の層すなわち後層は、中間層がエネルギーを伝達することができる、頑丈で重い生地で作られている。後層は、打ち出されたゴルフボールが接触したときに中間層が過度に変形することも防止する。その結果、ゴルフボール追跡装置202が壁面などに隣接して設置された場合に、後層は、スクリーン222の背後にある表面をゴルフボールの打撃から保護し、それによってその背後の表面を損傷することとゴルフボールの著しい跳ね返りとの少なくとも一方を防止する。ゴルフボール追跡装置202の背後に空間が設けられていれば、後層はその空間のための十分な防護となる。
【0041】
撮像装置(この実施形態では一対の高速デジタルカメラ228)がフレーム210内に収容されており、各カメラはフレームの異なる上隅に隣接して配置されている。したがってデジタルカメラ228は、プレーヤーPの前方であって、かつゴルフボールの予想される経路の左側と右側に配置されている。デジタルカメラ228は、両方のデジタルカメラ228の視野が、少なくともゴルフボール打ち出し点からスクリーン222へ延びるゴルフボール追跡領域において概ね垂直であってかつ重なり合うように、下向きにかつプレーヤー位置の方を指すように傾いてもいる。このようにして、ゴルフボールの経路は、ゴルフボールがスクリーン222に衝突しそれからスクリーン222から跳ね返るまで、その打ち出し点から概ね連続して追跡することができる。
【0042】
この実施形態では、各デジタルカメラ228は少なくとも640×480の画素配列を有し、フィールドプログラマブルゲートアレイと高性能32ビットマイクロプロセッサと高速メモリとを有する組み込み処理機能を含んでいる。デジタルカメラ228とホストコンピュータ204とによって達成される分散処理機能は、デジタルカメラが非常に高いフレームレートで動作することを可能にし、それによって、ゴルフボールがゴルフボール追跡領域220を通過するときに、高速で移動するゴルフボールの複数の画像を取り込むことを可能にする。これは、デジタルカメラ228が、ゴルフボールの動きが検出された画像に関連するデータをホストコンピュータ204に送るだけでよいという事実に起因し、ホストコンピュータ204とデジタルカメラ228との間で過大なバンド幅を必要とされることなく高速のゴルフボールを追跡することを可能にするからである。例えば、ゴルフボール追跡領域220を毎時200マイル(321.86km/h)のスピードで通過するゴルフボールの場合、デジタルカメラ228のフレームレートは、ゴルフボールの少なくとも4つの画像が各デジタルカメラ228によって取り込まれるように選択される。デジタルカメラ228の視角とフレーム210の寸法は、デジタルカメラ228に、1画素当たり約1mmの解像度精度を与えるように選択される。その結果、ゴルフボールのような小さなゴルフボールは、1画像当たり約12画素をアクティブにする。この解像度精度によって、小さくて非常に高速で移動する打ち出されたゴルフボールさえも、取り込まれた画像内で容易に見つけ出すことができ、その結果、ゴルフボールの間違った検出が減る。
【0043】
各デジタルカメラ228の内蔵マイクロプロセッサは、動き検出ルーチンを実行して、取り込まれた画像内にゴルフボールが存在するかどうかを判定し、存在するならば、ゴルフボールの特性的徴候(characteristic signature)を規定する指定された動き検出パラメータをそのゴルフボールが満たすかどうかを判定する。ゴルフボールの特性的徴候は、検出されたゴルフボールが、打たれたゴルフボールに合った特徴を有することを保証するために使用される。したがってゴルフボールは、例えばゴルフクラブのヘッドのような、画像内に取り込まれた他の物体から区別されることができる。この例では、ゴルフボールの特性的徴候は、ゴルフボールの許容される、形状、反射率及びスピードを特定する。
【0044】
赤外線(IR)発光ダイオード(LED)アレイ(不図示)も柱212内でデジタルカメラ228の傍らに配置されている。赤外線LEDアレイの照明軸はデジタルカメラの光軸OAと概ね一致している。各赤外線LEDアレイは、ゴルフボール追跡領域220に向けられた赤外線放射を発光する。デジタルカメラ228は可視光と赤外光の両方に応答可能であるので、背景赤外線照明を設けることによって、ゴルフボール追跡装置202は様々な周囲照明の条件のもとでうまく作動することができる。非常に高速で移動する小さいゴルフボールが打ち出された状況では、赤外線照明は、スクリーン222に提示されていうる表示画像の見栄えを低下させることなくゴルフボールの検出を可能にする。
【0045】
音声スピーカー240が両柱212の上に設けられ、打ち出し領域Aに向かって前方に向けられている。音声スピーカー240は、フレーム210に収容された音声増幅器(不図示)によって駆動される。音声増幅器は、プレイ中、ホストコンピュータ204から音声入力を受信する。音声入力は、放送のために音声スピーカー240に伝えられ、それによってスポーツの体験の質を向上させる。
【0046】
ゴルフボール打ち出し領域検知ユニット203は、打ち出し領域Aの直上に配置され、図15に示されるように、領域走査(area-scan)デジタルカメラ260と、傾斜ミラー262と、ハロゲンスポットライトの形態の複数の照明器264と、スポットライト264用の電源(不図示)と、を有している。スポットライト264は、スクリーン222上に投影された画像の可視性に悪影響を与えることなく画像の取り込みを可能にするように、打ち出し領域Aに十分な照明を与えることが意図されている。領域走査デジタルカメラ260は、打ち出し領域Aの約10フィート(3.048m)上方で水平の向きに天井に取り付けられている。デジタルカメラ260の光軸は、領域走査デジタルカメラ260の視野が下方に向け直されて打ち出し領域Aの上に心合わせされるように、ミラー262の中心と概ね一致している。この実施形態では、領域走査デジタルカメラ260の視野は3フィート(91.44cm)×3フィート(91.44cm)の領域を囲んでいる。
【0047】
ゴルフボール追跡装置202のデジタルカメラ228と同様に、領域走査デジタルカメラ260は、動き検出ルーチンを実行する内蔵プロセッサを含んでいる。動き検出ルーチンの実行の間、画像は領域走査デジタルカメラ260によって取り込まれるので、その画像は、指定された動きパラメータを満たす1つまたは複数の物体がその中に存在するかどうかを判定するために調べられる。この例では、動いているゴルフクラブまたは動いているゴルフボールまたはそれらの両方が、取り込まれた画像内にいつ入ったかを領域走査デジタルカメラ260の内蔵プロセッサが検出できるように、動きパラメータは選択される。指定された動きパラメータを満たす1つまたは複数の動いている物体を含む、取り込まれた画像は、さらなる処理のためにホストコンピュータ204に送られる。
【0048】
ゴルフボールスピン検知ユニット205は、図16に示されるように、天井に取り付けられ水平を向く領域走査デジタルカメラ270と、傾斜ミラー272と、複数の赤外線(IR)照明器ボード274と、照明器ボード274用のドライバ276と、を有している。デジタルカメラ270の光軸は、デジタルカメラ270の視野が下方に向け直されてゴルフボール追跡領域と少なくとも一部が重なる領域の上に心合わせされるように、ミラー272の中心と概ね一致している。この実施形態では、ゴルフボール追跡領域と少なくとも一部が重なるその領域は、打ち出し領域Aの前からゴルフボール追跡装置202に向かって延び、3フィート(91.44cm)×6フィート(182.88cm)の領域を包含している。
【0049】
図17は、領域走査デジタルカメラ270をより良く示している。この実施形態においてデジタルカメラ270は、640×480の画素配列であって約9.9μmに等しい画素サイズを有するCMOS画像センサ280を含んでいる。画像センサ280は、約12mmの焦点距離を有するレンズ282を介して見る。そのようなレンズは、十分な分解能を維持しつつ、良好な対象領域の大きさを有することが分っている。デジタルカメラ270は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA;Field Programmable Gate Array)284と高性能マイクロプロセッサ286と高速メモリバッファ288とを有する組み込み処理機能を含んでいる。
【0050】
この実施形態では、ゴルフボールスピン検知ユニット205は、4つの照明器ボード274を有し、各照明器ボードは発光ダイオード(LED)のアレイを備えている。照明器ボード274は、照明器ボード274のLEDがオンのときにデジタルカメラ270の視野内の領域が概ね均一に照明されるように構成されている。ドライバ276は、照明器ボード274のLEDが一定間隔で一斉にオン、オフするように、照明器ボード274の各々を同時に駆動するパルス発生器を有している。この実施形態では、照明器ボード274のLEDは0.1ミリ秒の期間、オン状態にあり、1ミリ秒の期間、オフ状態にある。
【0051】
プロジェクタ206は、好ましくは、少なくとも800×600の分解能、少なくとも1200ANSIルーメンの明るさ、短いスローレンズ(throw lens)、垂直「キーストーン」補正、デジタルRGBコンピュータビデオ信号を受け入れる能力、そしてNTSC/PALベースバンドテレビジョンビデオ信号を受け入れる能力を有している。これらの特徴の組み合わせを有するプロジェクタは、例えば、エプソンのPowerlite 820P、東芝のTDP-DI-US、インフォーカス(InFocus)のLP650、サンヨーのXP30を含む。
【0052】
ホストコンピュータ204は、汎用のコンピュータ装置である。この実施形態では、ホストコンピュータは、インテル・ペンティアム(登録商標)プロセッサ、少なくとも128MBのSDRAM、高速ハードドライブ及びプレーヤーを含むIBM互換パーソナルコンピュータである。ホストコンピュータ204は、3つの分離したバッファに分割された32ビットの再構成可能(リコンフィギュラブル)ビデオメモリバッファを含むディスプレイ・アダプタ・アセンブリも含む。これらバッファの1つは、表示されているスポーツシーンのために適切な場合、1つまたは複数の独立した前景(フォアグラウンド)動作を表わす主前景画像データを格納するために使用される。これらバッファのうちの第2のバッファは、背景画像データを格納するのに使用され、第3のバッファは、ゴルフボールの軌道の画像データを格納するのに使用される。ディスプレイ・アダプタ・アセンブリは、前景動作と背景とゴルフボールの軌道との画像データを、プロジェクタ206に出力されるビデオ画像データを生成するためにシームレスに組み合わされる複数のオーバーレイ(重ね合わせ)画像プレーンとして処理する。オーバーレイ画像プレーンは、前景動作要素とゴルフボールとの少なくとも一方が下位側の画像プレーンの上を移動するとき下位側の画像プレーンを再描画する必要がないように、非破壊的である。ピーク時の処理要求量を削減するためにホストコンピュータ204は、背景画像データを前景画像データよりも頻繁には更新しない。ホストコンピュータ204は出力ビデオ画像データをビデオ出力チャネル上でプロジェクタ206に出力する。ホストコンピュータ204は、テレビジョン/衛星/ケーブル入力チャネル、ビデオゲーム入力チャネル及びインターネット入力チャネル上で外部ビデオ番組を受信する。
【0053】
ホストコンピュータ204は、プロジェクタ206、ゴルフボール追跡装置202、ゴルフボール打ち出し領域検知ユニット203及びゴルフボールスピン検知ユニット205にホストコンピュータ204を接続することを可能にする複数の外部コネクタを有する保護囲い(不図示)内に備え付けられている。保護囲いは、ホストコンピュータ204がテレビジョン/衛星/ケーブル、外部ビデオゲーム及びインターネット放送番組を受信することを可能にする外部コネクタも含んでいる。対話型タッチスクリーンも囲いの上に設けられ、プレーヤーがホストコンピュータ204と相互作用する(情報をやりとりする)ことを可能にする。
【0054】
例えばIEEE1394のような高速デジタルシリアルインタフェースが、ホストコンピュータ104とゴルフボール追跡装置102とゴルフボール打ち出し領域検知ユニット103とゴルフボールスピン検知ユニット105との間の通信のために使用される。この標準インタフェースを使用することによって、高価なアナログのフレーム取込み器を使用することを避けながら、低コストで高性能の解決策を提供する。このインタフェースは、信号の完全性を失うことなく複数のデジタルカメラ128をデイジーチェーン接続できるので、配線も簡略化する。
【0055】
ホストコンピュータ204は、SDRAMに格納されたスポーツシミュレーションソフトウェアを実行する。この例では、スポーツシミュレーションソフトウェアは、ゴルフボール追跡装置202のスクリーン222上に表示されたビデオシーケンスに応答して、スクリーン222にあるゴルフボールGBを打つようにプレーヤーに要求するゴルフシミュレーションモジュールを含んでいる。
【0056】
現実感のあるプレイ体験を可能にするために、ゴルフコースの地形の高解像度の高度マップが使用される。ゴルフコースの地形の高度マップは、地面の高さから撮られたデジタル写真とともに使用される天頂衛星写真及び空中写真の少なくとも一方を含む複数の二次元画像の組み合わせから構成される。写真測量技術を使用して、これらの正射影画像は一緒に組み合わされる。画像中の共通点、すなわちバンカー(sand hazard)の縁や木などを使用して、三次元モデルが、関心地形に適用されるべき基準ターゲットの必要なしに合成される。
【0057】
トレーニング、練習または競技プレイの間、ホストコンピュータ204は、ビデオ画像データをプロジェクタ206に出力して、プロジェクタ206に、ゴルフボールが打ち出されることになっているターゲットを含む三次元スポーツシーンを表現するビデオシーケンスを表示面224に投影させる(図20のステップ500を参照)。ホストコンピュータ204は、ゴルフボールが存在しないゴルフボール追跡領域220の背景画像を取り込むようにデジタルカメラ228を調整し(ステップ502)、次に、ゴルフボール追跡領域を非常に高いフレームレートで走査して、打ち出されたゴルフボールの存在を探す(ステップ504)。するとプレーヤーは、スクリーン222において、ゴルフボールGBを打ち出すように促される(ステップ506)。この段階でデジタルカメラ228、領域走査デジタルカメラ160及び領域走査デジタルカメラ270は、画像を取り込み、処理するように調整される。
【0058】
ゴルフボールのスピンの検出を容易にするために、細長い反射型または再帰反射型のマーカ290がゴルフボールGBの上に設けられている(図19を参照)。この実施形態ではこのマーカは、ゴルフボールGBに接着されるかまたは他の方法で固定された反射テープの45mm×5mmの片である。打ち出しの前にゴルフボールGBは、反射テープ290の長い方の辺がスクリーン222の幅方向に平行になる向きに置かれているのが望ましい。その結果、打ち出しの後、ゴルフボールが領域走査デジタルカメラ270の視野を通過する際にゴルフボールがバックスピンする間、ドライバ276が照明器ボード274のLEDアレイをオンにすると、反射テープ290が領域走査デジタルカメラ270に間隔をおいてはっきりと見える。
【0059】
ゴルフボールをゴルフクラブ112で打つことによってプレーヤーがゴルフボールをゴルフボール追跡装置202において打ち出し、ゴルフボールがゴルフボール追跡領域220に入ると、デジタルカメラ228によって取り込まれた画像中にゴルフボールが現れる。するとデジタルカメラ228は、ゴルフボールがその打ち出し点からゴルフボール追跡領域220を通ってスクリーン222とのその接触点まで移動し、そしてゴルフボールがスクリーンで跳ね返るときに、ゴルフボールの一連の画像を概ね同期して取り込む(ステップ508)。取り込まれた画像は次にデジタルカメラ228の内蔵プロセッサによって処理され、取り込まれた画像が、ゴルフボールの特性的徴候を満たす検出されたゴルフボールを含むかどうかが判定される。
【0060】
検出されたゴルフボールがゴルフボールの特性的徴候を満たすならば、これらの画像はさらに処理され、各画像中のゴルフの質量の中心と直交座標におけるその位置とが求められる(ステップ510)。その結果、ゴルフボールがゴルフボール追跡領域220を通過するときの各デジタルカメラ228に対するゴルフボールの二次元位置を表わす一連の二次元直交座標が生成される。デジタルカメラ228によって生成された二次元直交座標は、次に、ホストコンピュータ204に伝達される。
【0061】
ゴルフボール打ち出し領域検知ユニット203の領域走査デジタルカメラ260は、画像を取り込み、処理して、打ち出し領域Aを通過するスイングしているゴルフクラブ112の存在と、打ち出し領域Aから出る、打ち出されたゴルフボールの存在とを探し求める。スイングしているゴルフクラブと打ち出されたゴルフボールとが検出されると、領域走査デジタルカメラ260は、取り込まれた画像をホストコンピュータ204に出力する。
【0062】
ゴルフボールスピン検知ユニット205の領域走査デジタルカメラ270は、毎秒約100フレーム(fps)に等しいフレームレートで画像を取り込み、連続する画像を処理して、連続する画像間の差が、運動中の物体の存在を意味するしきい値を超えるかどうかを判定する。連続する画像間の差がしきい値を超えていると画像はさらに処理され、運動中の物体がゴルフボールに似ているかどうかが判定される。運動中の物体がゴルフボールに似ていると、これら画像は、さらなる処理のためにホストコンピュータ204に送られる。
【0063】
ゴルフボール追跡装置202からゴルフボールの座標を受け取ると、ホストコンピュータ204は、三角測量技術を使用して、ゴルフボールのスクリーン222との衝突及びスクリーン222からの跳ね返りを含むゴルフボール追跡領域220を通過するゴルフボールの移動の全体を通して、三次元空間におけるゴルフボールの質量中心の位置を計算する(図21のステップ520を参照)。ゴルフボール追跡領域220を通過するゴルフボールの移動の間に三次元空間におけるゴルフボールの知られている位置を用い、かつデジタルカメラ228のフレームレートを知って、ホストコンピュータ204は、ゴルフボールの打ち出し速度と各画像フレームにわたるゴルフボールの速度とを計算する(ステップ522)。ホストコンピュータ204は、次に、計算された各速度を以前に計算された速度と比較して、ゴルフボールの加速度を求める(ステップ524)。
【0064】
ゴルフボール打ち出し領域検知ユニット203から画像データを受け取ると、ホストコンピュータ204は、ゴルフヘッドのスイング経路300を分析して(図23を参照)、クラブヘッドがゴルフボールGBを打った場所を求め、打たれた後のゴルフボールの最初の軌道または打ち出し角度を求める。またホストコンピュータ204は、クラブヘッドの動きベクトル302をクラブヘッドのスイング経路300に沿った接線として定義する。ゴルフボールの最初の軌道を推定することによって、ゴルフボールの動きベクトル306が測定される。このベクトルを使用して、ゴルフボールとクラブ面(クラブフェース)の衝突点においてクラブ面の接線310に垂直な線として、クラブ面ベクトル308を求めることができる。クラブヘッドの動きベクトル302とクラブ面ベクトル308とを比較することによって、ゴルフボールとのインパクトに際してクラブ面がオープンであるかクローズドであるかを判定することができる。クラブヘッドの動きベクトル302がインパクト点においてクラブ面のベクトル308と平行でない度合いは、ゴルフボールが持つであろうサイドスピンの大きさを決める。これは、ホストコンピュータ204が、ゴルフボールとの接触点におけるクラブ面の角度と、ゴルフボールのスクリーン222との衝突の角度及びスクリーン222からの跳ね返りの角度とに基づいて、ゴルフボールのサイドスピンを計算することを可能にする(ステップ524)。
【0065】
ゴルフボールスピン検知ユニット205から画像を受け取ると、ホストコンピュータ204は、第1の画像を選択し(図22aのステップ600を参照)、その画像を分析して、図24に示されるようなゴルフボールの軌跡292をその画像が含むかどうかを判定する(ステップ602)。ゴルフボールGBの速度がデジタルカメラ270のフレームレートを超えたことにより、ゴルフボールの軌跡292が画像中に現れる。画像がゴルフボールの軌跡を含まなければ、その画像は破棄され、ステップ600において次の画像が選択される。選択された画像がゴルフボールの軌跡292を含むならば、画像中のゴルフボールの軌跡の位置が求められ(ステップ604)、次に、それは、有効かどうかを判定するために調べられる(ステップ606)。特に、ゴルフボールの軌跡の長さと幅がしきい値の範囲と比較される。ゴルフボールの軌跡が有効でなければ、選択された画像は破棄され、ステップ600において次の画像が選択される。ステップ606においてゴルフボールの軌跡292の有効性が確認されると、ゴルフボールの有効な軌跡を有する画像はさらなる処理のために指定され(ステップ608)、処理はステップ600に戻り、次の画像が選択される。
【0066】
ゴルフボールスピン検知ユニット205からの画像がひとたび全て選択されて処理されると、ステップ608においてさらなる処理のために指定された画像が画像明度プロファイル分析を受け(図22bのステップ610)、それによって、図24に示すように、連続する画像にわたるゴルフボールの軌跡の組み合わされたプロファイルを生成する。画像当たりのゴルフボールの軌跡の長さLcは、組み合わされたプロファイルの交差点によって求められる(ステップ612)。画像は、照明された反射テープ290に対応する画像中の高明度領域296を特定するために、適応的しきい値化を受ける(ステップ614)。ゴルフボールのスピンと照明器ボード274によって与えられたパルス状の照明とのために、反射テープ290に対応する高明度領域296の群が各画像に現れる。次に、各連続する画像における高明度領域296の群の間の距離が求められ、図24のLtによって表わされる(ステップ616)。ゴルフボールGBが1回転するのにかかる時間Tpは、
【0067】
【数3】
【0068】
と表わされる。ここでTfはデジタルカメラ170のフレームレートである。
【0069】
時間Tpは、ステップ608においてさらなる処理のために指定された各連続する画像について計算され、ゴルフボールGBが一回転する平均一回転時間が求められる(ステップ618)。平均一回転時間は、次に、例えば毎分回転数(rpm)のような使いやすい単位に変換される。
【0070】
次に、ゴルフボールのスピンの傾斜軸が、各群における高明度領域296の向きと、高明度領域296の長手軸とゴルフボールの軌跡292の長手軸の間の相対角度とを使用して、各画像について測定される。そして、ステップ608においてさらなる処理のために指定された連続する画像にわたって、ゴルフボールの平均スピン傾斜軸が求められる(ステップ620)。
【0071】
ゴルフボールの三次元位置、打ち出し速度、加速度、サイドスピン、打ち出し角度、バックスピン及びスピン傾斜軸が分かったので、ホストコンピュータ204は、ゴルフボールの正確な軌道を外挿し、これにより曲がったかアーチを描くかの少なくとも一方のゴルフボールの現実感のあるシミュレーションを生成するを可能にする(ステップ526)。次に、計算されたゴルフボール軌道と表示されたビデオ画像との交差を計算することによって、その計算されたゴルフボール軌道は、スポーツ結果を求めるために使用される(ステップ528)。ゴルフボールの軌道が計算され、スポーツの結果が求められたので、ホストコンピュータ204は、スクリーン222の表示面224に表示されるビデオシーケンスがゴルフボールのシミュレートされた飛行とスポーツの結果とを示すように、プロジェクタ206に伝達される画像データを更新する(ステップ530)。
【0072】
ビデオシーケンスの表示の間、ゴルフボールの飛行のシミュレーションが表示されると、ゴルフボールのスクリーン222との衝突点から飛行が始まるゴルフボールのグラフィカルな複製が、スクリーン222の表示面224に投影される。このようにして、ゴルフボールは、ビデオシーン中へのその軌道を続けるように見え、それによって現実感のあるビデオ効果を達成する。三次元のシーンは、次に、スポーツの結果にしたがって更新され、競技のプレイまたは練習を続けることができる。
【0073】
単一の撮像装置102を使用するものとして装置100を説明したが、複数の撮像装置を使用してもよい。2つの撮像装置が使用される場合、これら撮像装置は、互いに離れた距離に配置され、ステレオ対を形成するように構成されることが望ましい。この場合、これら撮像装置によって取り込まれた画像フレームは、画像処理のための第3の次元をもたらす。
【0074】
2つの基準点(テープ片118,126)と3つの中間マーカ(テープ片120,122,124)を使用するものとして装置100を説明したが、それよりも多いまたは少ないマーカが使用されてもよい。例えば、装置は、たった1つのマーカに基づいてしなり比を求めてもよい。あるいは、シャフト114全体が単一のマーカ(例えば、再帰反射テープの長い片)で覆われ、ゴルフスイングの間、取り込まれた画像フレーム中にシャフトの全湾曲が現れるようにしてもよい。
【0075】
シャフトに沿って複数の基準点をとり、これら基準点から直線への距離を測定するものとして、装置100によって使用される画像処理を説明したが、これら基準点は、内挿と外挿との少なくとも一方によって、マークの付いていないシャフト区間のシャフト位置を見つけるために使用することができる。このようにして、シャフト上のどのような点におけるしなり比も求めることができる。
【0076】
上記の実施形態では、撮像装置102は、プレーヤーのゴルフスイングの画像を取り込むために使用されるデジタルカメラである。当業者が理解するように、デジタルビデオカメラが取り込むことができる画像フレームの数には、通常、上限がある。これは、データを内挿及び外挿する能力を制限するものではない。シャフトのしなり用のデータを内挿することと同様に、コンピュータ装置を、撮像装置によって取り込まれた任意の2つの連続する画像フレーム間のデータを補間するように構成することができる。インパクト時、クラブヘッド116は減速し、ゴルフボールにエネルギーを移す。インパクト点までのシャフトのしなりを予測するために、画像フレームを処理することによって得られたデータを外挿することができる。画像フレームを内挿/外挿することから得られたデータに、シャフト上の基準点を内挿/外挿することから得られたデータを組み合わせることは、ゴルフスイングのアップスイングの成分とダウンスイングの成分の間のシャフト上の任意の点及び任意の時間でのシャフトしなりの完全な測定をもたらす。
【0077】
再帰反射テープの複数片であるとしてシャフト上のマーカを記載したが、反射テープ、再帰反射塗料または反射塗料のような他のマーカを使用してもよい。あるいは、シャフトは、シャフトが作られる材料に組み込まれた基準マーカを有してもよく、見込みのある注文のために顧客にフィッティングするときに、クラブの調整者(フィッター)によって使用されるクラブフィッティング・シャフトが得られる。
【0078】
ゴルフクラブのシャフトのしなりを求めるものとして本装置を記載したが、テニスのラケット、ホッケーのスティックのような他の種類のスポーツ用品のしなりを求めることに本装置を使用してもよい。
【0079】
スクリーン222と組み合わされる天井設置の前方投影型プロジェクタ206を含むものとしてゴルフシミュレーションシステム200を記載したが、当業者は、代わりの投影装置を使用してもよいことを理解するであろう。例えば、画像を表示スクリーン222の裏面に投影する背面投影型ビデオプロジェクタを使用してもよい。
【0080】
当業者は、ゴルフボール追跡装置202が、ゴルフボール追跡領域を見、打ち出されたゴルフボールの存在を検出するために、別々の場所に複数の撮像装置を含んでよいことを理解するであろう。当業者はまた、デジタルカメラの画像データの処理を効率的にリアルタイムに行い、現実感のあるゴルフボールシミュレーションを提供するために、処理段階の数を要望に応じて増やしまたは減らしてよいことを理解するであろう。
【0081】
望むならば、ゴルフボール打ち出し領域検知ユニット203とゴルフボールスピン検知ユニット205は、追加のカメラ装置を含んでよい。ゴルフボール打ち出し領域検知ユニット203とゴルフボールスピン検知ユニット105は、任意の数の照明器を含んでよいし、あるいは、周囲の光の状態が画像の適切な取り込みに十分であるならば、照明器を全く含まなくてもよい。さらに言えば、ゴルフボール打ち出し領域検知ユニット203とゴルフボールスピン検知ユニット205は領域走査デジタルカメラ260,270の視野の向きを変えるミラーを含むように示されているが、当業者は、領域走査デジタルカメラの向きが関心領域を直接見渡すように方向づけられてよいことも理解するであろう。ゴルフボール打ち出し領域検知ユニット203とゴルフボールスピン検知ユニット205は、都合のよいどのような場所に設置してもよい。
【0082】
スポーツシミュレーションシステムを、ゴルフをシミュレーションするものと記載したが、スポーツシミュレーションシステムは、発射体が打ち出される他のスポーツをシミュレートするために使用されてよいことが理解されるであろう。そのような場合、発射体の特性的徴候は、打ち出された発射体を正確に追跡できるように更新される。
【0083】
図面を参照して実施形態を説明したが、当業者は、添付の特許請求の範囲によって規定されるその要旨と範囲から逸脱することなく変形及び修正がなされてよいことを理解するであろう。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スイング面を通るシャフトの運動の間、前記シャフトの少なくとも1つの画像を取り込むことと、
前記シャフトのしなりを求めるために前記少なくとも1つの画像を調べることと、
を有する、シャフトのしなりを測定する方法。
【請求項2】
前記取り込むことは、前記スイング面を通る前記シャフトの前記運動の間、一連の画像を取り込むことを有し、前記調べることは、複数の画像を調べて前記スイング面に沿った複数の点における前記シャフトのしなりを求めることを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記調べることは、前記スイング面を通る前記シャフトの前記運動にわたる、前記シャフトについてのフレックスプロファイルを求めることを有する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記調べることは、固定された基準からの、前記シャフトに沿った少なくとも1つの離散点の偏位を測定して、シャフトのしなりを求めることを有する、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記調べることは、固定された基準からの、前記シャフトに沿った複数の離散点の偏位を測定して、シャフトのしなりを求めることを有する、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記調べることは、複数の前記偏位を比較して前記シャフトの前記しなりを表わす最大偏位を求めることを有する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記固定された基準は、前記シャフトの対向する端部に隣接する1対の基準点の間を延びる直線である、請求項4乃至6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つの離散点が前記1対の基準点の中間に位置する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記少なくとも1つの離散点が、前記シャフト上の反射マークによって規定されている、請求項4乃至8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記1対の基準点が、前記シャフト上の反射マークによって規定されている、請求項7乃至9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記シャフトがゴルフクラブのシャフトである、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
スイング面を通るシャフトの運動の間、前記シャフトの画像を取り込む少なくとも1つの撮像装置と、
前記少なくとも1つの撮像装置によって取り込まれた画像データを処理して前記シャフトのしなりを求める処理構造と、
を有する、シャフトのしなりを測定する装置。
【請求項13】
前記少なくとも1つの撮像装置の光軸が前記スイング面に概ね垂直である、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
照明光源を有する、請求項12または13に記載の装置。
【請求項15】
前記少なくとも1つの撮像装置は、前記スイング面を通る前記シャフトの運動の間、前記シャフトの一連の画像を取り込み、前記処理構造は、複数の画像を処理して前記スイング面に沿った複数の点における前記シャフトのしなりを求めるためにように構成されている、請求項12乃至14のいずれか1項に記載の装置。
【請求項16】
前記処理構造は、前記シャフトの運動にわたる、前記シャフトのフレックスプロファイルを求める、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記処理構造は、固定された基準からの、前記シャフトに沿った少なくとも1つの離散点の偏位を測定するように構成されている、請求項12乃至16のいずれか1項に記載の装置。
【請求項18】
前記処理構造は、固定された基準からの、前記シャフトに沿った複数の離散点の偏位を測定するように構成されている、請求項12乃至16のいずれか1項に記載の装置。
【請求項19】
前記処理構造は、複数の前記偏位を比較して前記シャフトの前記しなりを表わす最大偏位を求めるように構成されている、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記固定された基準は、前記シャフトの対向する端部に隣接する1対の基準点の間を延びる直線である、請求項17乃至19のいずれか1項に記載の装置。
【請求項21】
前記少なくとも1つの離散点が前記1対の基準点の中間に位置する、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記少なくとも1つの離散点が、前記シャフト上の反射マークによって規定されている、請求項17乃至21のいずれか1項に記載の装置。
【請求項23】
前記1対の基準点が、前記シャフト上の反射マークによって規定されている、請求項20乃至22のいずれか1項に記載の装置。
【請求項24】
前記シャフトがゴルフクラブのシャフトである、請求項12乃至23のいずれか1項に記載の装置。
【請求項25】
請求項12乃至23のいずれか1項に記載のシャフトのしなりを測定する装置と、
表示面の前に配置されたゴルフボール追跡領域の画像を異なる見通し位置から取り込んで、前記表示面に向けて前記ゴルフボール追跡領域を通過する打ち出されたゴルフボールを検出する少なくとも2つの撮像装置を含むゴルフボール追跡装置と、
前記各撮像装置からデータを受信し、前記ゴルフボール追跡領域を通過する、検出された打ち出されたゴルフボールの三次元位置、速度及び加速度を求める少なくとも1つの処理ユニットと、
を有し、
前記三次元位置、速度及び加速度は、前記打ち出されたゴルフボールの三次元ゴルフシーンへの軌道を計算するために、前記少なくとも1つの処理ユニットによって使用される、ゴルフシュミレーションシステム。
【請求項26】
前記ゴルフボール追跡領域と少なくとも一部が重なる領域の画像を取り込むゴルフボールスピン検知ユニットをさらに有し、取り込まれた各画像は、ゴルフボールが画像の取り込みの間に前記領域にあるときの、前記ゴルフボールの運動経路を表わすゴルフボール軌跡を含む、請求項25に記載のゴルフシュミレーションシステム。
【請求項27】
前記少なくとも1つの処理ユニットは、計算された軌道を用いて、前記計算された軌道に引き続く前記打ち出されたゴルフボールの前記三次元ゴルフシーンへのシミュレーションを含む、更新された画像データを生成する、請求項25または26に記載のゴルフシュミレーションシステム。
【請求項28】
前記少なくとも1つの処理ステージから画像データを受信し、前記シミュレーションを含む前記三次元ゴルフシーンを前記表示面上に表示する、前記少なくとも1つの処理ユニットと接続された投影装置をさらに有する、請求項27に記載のゴルフシュミレーションシステム。
【請求項29】
前記ゴルフボール追跡装置は、フレームと、該フレーム上に取り付けられた少なくとも1対のカメラ装置を含み、該少なくとも1対のカメラ装置は、前記表示面を見渡す相互に重なる視野を前記表示面の前に有し、前記ゴルフボール追跡領域の画像を取り込む、請求項25乃至28のいずれか1項に記載のゴルフシュミレーションシステム。
【請求項1】
スイング面を通るシャフトの運動の間、前記シャフトの少なくとも1つの画像を取り込むことと、
前記シャフトのしなりを求めるために前記少なくとも1つの画像を調べることと、
を有する、シャフトのしなりを測定する方法。
【請求項2】
前記取り込むことは、前記スイング面を通る前記シャフトの前記運動の間、一連の画像を取り込むことを有し、前記調べることは、複数の画像を調べて前記スイング面に沿った複数の点における前記シャフトのしなりを求めることを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記調べることは、前記スイング面を通る前記シャフトの前記運動にわたる、前記シャフトについてのフレックスプロファイルを求めることを有する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記調べることは、固定された基準からの、前記シャフトに沿った少なくとも1つの離散点の偏位を測定して、シャフトのしなりを求めることを有する、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記調べることは、固定された基準からの、前記シャフトに沿った複数の離散点の偏位を測定して、シャフトのしなりを求めることを有する、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記調べることは、複数の前記偏位を比較して前記シャフトの前記しなりを表わす最大偏位を求めることを有する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記固定された基準は、前記シャフトの対向する端部に隣接する1対の基準点の間を延びる直線である、請求項4乃至6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つの離散点が前記1対の基準点の中間に位置する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記少なくとも1つの離散点が、前記シャフト上の反射マークによって規定されている、請求項4乃至8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記1対の基準点が、前記シャフト上の反射マークによって規定されている、請求項7乃至9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記シャフトがゴルフクラブのシャフトである、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
スイング面を通るシャフトの運動の間、前記シャフトの画像を取り込む少なくとも1つの撮像装置と、
前記少なくとも1つの撮像装置によって取り込まれた画像データを処理して前記シャフトのしなりを求める処理構造と、
を有する、シャフトのしなりを測定する装置。
【請求項13】
前記少なくとも1つの撮像装置の光軸が前記スイング面に概ね垂直である、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
照明光源を有する、請求項12または13に記載の装置。
【請求項15】
前記少なくとも1つの撮像装置は、前記スイング面を通る前記シャフトの運動の間、前記シャフトの一連の画像を取り込み、前記処理構造は、複数の画像を処理して前記スイング面に沿った複数の点における前記シャフトのしなりを求めるためにように構成されている、請求項12乃至14のいずれか1項に記載の装置。
【請求項16】
前記処理構造は、前記シャフトの運動にわたる、前記シャフトのフレックスプロファイルを求める、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記処理構造は、固定された基準からの、前記シャフトに沿った少なくとも1つの離散点の偏位を測定するように構成されている、請求項12乃至16のいずれか1項に記載の装置。
【請求項18】
前記処理構造は、固定された基準からの、前記シャフトに沿った複数の離散点の偏位を測定するように構成されている、請求項12乃至16のいずれか1項に記載の装置。
【請求項19】
前記処理構造は、複数の前記偏位を比較して前記シャフトの前記しなりを表わす最大偏位を求めるように構成されている、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記固定された基準は、前記シャフトの対向する端部に隣接する1対の基準点の間を延びる直線である、請求項17乃至19のいずれか1項に記載の装置。
【請求項21】
前記少なくとも1つの離散点が前記1対の基準点の中間に位置する、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記少なくとも1つの離散点が、前記シャフト上の反射マークによって規定されている、請求項17乃至21のいずれか1項に記載の装置。
【請求項23】
前記1対の基準点が、前記シャフト上の反射マークによって規定されている、請求項20乃至22のいずれか1項に記載の装置。
【請求項24】
前記シャフトがゴルフクラブのシャフトである、請求項12乃至23のいずれか1項に記載の装置。
【請求項25】
請求項12乃至23のいずれか1項に記載のシャフトのしなりを測定する装置と、
表示面の前に配置されたゴルフボール追跡領域の画像を異なる見通し位置から取り込んで、前記表示面に向けて前記ゴルフボール追跡領域を通過する打ち出されたゴルフボールを検出する少なくとも2つの撮像装置を含むゴルフボール追跡装置と、
前記各撮像装置からデータを受信し、前記ゴルフボール追跡領域を通過する、検出された打ち出されたゴルフボールの三次元位置、速度及び加速度を求める少なくとも1つの処理ユニットと、
を有し、
前記三次元位置、速度及び加速度は、前記打ち出されたゴルフボールの三次元ゴルフシーンへの軌道を計算するために、前記少なくとも1つの処理ユニットによって使用される、ゴルフシュミレーションシステム。
【請求項26】
前記ゴルフボール追跡領域と少なくとも一部が重なる領域の画像を取り込むゴルフボールスピン検知ユニットをさらに有し、取り込まれた各画像は、ゴルフボールが画像の取り込みの間に前記領域にあるときの、前記ゴルフボールの運動経路を表わすゴルフボール軌跡を含む、請求項25に記載のゴルフシュミレーションシステム。
【請求項27】
前記少なくとも1つの処理ユニットは、計算された軌道を用いて、前記計算された軌道に引き続く前記打ち出されたゴルフボールの前記三次元ゴルフシーンへのシミュレーションを含む、更新された画像データを生成する、請求項25または26に記載のゴルフシュミレーションシステム。
【請求項28】
前記少なくとも1つの処理ステージから画像データを受信し、前記シミュレーションを含む前記三次元ゴルフシーンを前記表示面上に表示する、前記少なくとも1つの処理ユニットと接続された投影装置をさらに有する、請求項27に記載のゴルフシュミレーションシステム。
【請求項29】
前記ゴルフボール追跡装置は、フレームと、該フレーム上に取り付けられた少なくとも1対のカメラ装置を含み、該少なくとも1対のカメラ装置は、前記表示面を見渡す相互に重なる視野を前記表示面の前に有し、前記ゴルフボール追跡領域の画像を取り込む、請求項25乃至28のいずれか1項に記載のゴルフシュミレーションシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【公表番号】特表2013−521077(P2013−521077A)
【公表日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−556352(P2012−556352)
【出願日】平成23年3月7日(2011.3.7)
【国際出願番号】PCT/CA2011/000243
【国際公開番号】WO2011/106888
【国際公開日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【出願人】(512230661)インタラクティヴ スポーツ テクノロジーズ インコーポレイテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】INTERACTIVE SPORTS TECHNOLOGIES INC.
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月7日(2011.3.7)
【国際出願番号】PCT/CA2011/000243
【国際公開番号】WO2011/106888
【国際公開日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【出願人】(512230661)インタラクティヴ スポーツ テクノロジーズ インコーポレイテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】INTERACTIVE SPORTS TECHNOLOGIES INC.
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]