説明

ゴルフシューズ

【課題】ゴルフスイング時に横方向に折り畳まれるように設計されてエネルギーがより効率的に移動するゴルフシューズを提供する。
【解決手段】装着者の第1中足骨の近傍に当該アウトソール16の内側に沿って前方部分に形成された凹所を具備するものと、上記凹所に配された折り畳み可能な支持部材であって、縦方向に堅固で、横方向により折り畳み可能なものとを有するシューズに関する。折り畳み可能な支持部材は、熱可塑性ウレタン中に包み込まれた折り畳み可能なゲルパッド18、並構造の単一の折り畳み可能な部材、または一連の折り畳み可能な波部材を有する。折り畳み可能な支持部材24の各実施例はゴルファが歩行する際には折り畳みに抵抗し、ゴルファがスイングするときには折り畳み傾向を有し、これによりスイング時のエネルギーの移動をより効率的に行えるようにする。シューズは、後方部分の屈曲性溝に加えて前方部分に屈曲性溝をさらに有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は全般的にはシューズに関する。より具体的には、この発明は機械特性に異方性がある折り畳み可能な支持要素を含むゴルフシューズに関する。
【背景技術】
【0002】
歴史的には、初めに、人々は足を守るために靴を履いた。年月を重ね、履物は、具体的な活動に特有の多くの異なるタイプに進化した。したがって、寒冷地の作業ブーツにより提供される防護は、ランニングシューズにより提供される防護と大きく異なる。足の防護に加えて、競技用履物は固有の競技に依存した特別の機能を実現してきた。例えば、サッカーシューズは滑らないようにスパイクを具備し、他方、サイクリングシューズは非常に堅固なソールを具備し、ペダルと係合するクリート用に取付板を備える。
【0003】
ゴルフゲームは、長い距離を歩き、短い時間にゴルフクラブを振ってゴルフボールを打つものである。このため、ゴルフシューズは、芝生を確実にとらえ、歩き心地がよく、ボールを打つときに安定した土台を実現するように進化してきた。典型的なゴルフシューズは金属製スパイクまたはプラスチック製滑り止め(クリート)を伴う比較的硬いソールを具備する。いくつかのゴルフシューズは、また、足に対する、いわゆる「地面反力」(ground reaction forces)の衝撃を和らげるゲルを含む。ニュートンの運動の第3法則、作用・反作用の法則によれば、地面は、足が地面を押す方向と逆の方向に、同等なだけ足を押す。これは地面反力として知られている。
【0004】
ゲルは運動靴のソールに組み込まれてきた。通常のゲルは、一般に、足の輪郭にフィットするように予め設定されており、あるいは、それらゲルはブラダー内に配置しなければならない柔らかな液体ゲルである。いくつかの例は、Batesに付与された米国特許第5,155,927号(特許文献1)および同第5,493,792号(特許文献2)を含み、これは、好ましくはゲルである液体成分が充填され、柔軟な壁部を具備する室部を有するクッション部材を使用して衝撃を最小化し、かつ横方向の安定性を最大化するように構築された運動靴を開示し、その室部は複数の区分け部を有し室部の一部から他の部分への液体の流れを方向づける。
【0005】
しかしながら、当業界においては、歩行時の地面反力の衝撃を最小化し、かつ、ゴルフのスイングの際にエネルギーの移動をより効率的に行えるようにする、折り畳み可能な支持部材を具備するゴルフシューズに対する要請が依然としてある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第5,155,927号明細書
【特許文献2】米国特許第5,493,792号明細書
【発明の概要】
【0007】
ゴルフシューズは、アッパー、ミッドソール、アウトソール、および、装着者の第1中足骨の近傍の凹所に配置された折り畳み可能な(collapsible)支持部材を有する。折り畳み可能な支持部材は縦方向により堅固であり、横方向により折り畳み可能であり、ゴルフスイング時に横方向に折り畳まれるように設計されてエネルギーがより効率的に移動するようになっている。
【0008】
1実施例において、折り畳み可能な支持部材はテーパーが付されたゲルパッドを有し、このゲルパッドは、厚い外側端、薄い内側端、および複数の支持ポストを具備する頂部表面を有し、厚い外側端が薄い内側端より折り畳み可能になっている。
【0009】
他の実施例において、折り畳み可能な支持部材は、縦方向の波構造および横方向に可変厚さプロフィールを有する単一の部材を有する。厚さプロフィールは内側厚さから外側厚さへと厚さを減少させる。厚さプロフィールは平滑な曲線、階段状の曲線、またはこれらの組み合わせであってもよい。単一の部材はゲルパッド中に包み込まれてよい。
【0010】
他の実施例において、折り畳み可能な支持部材は、一連の横方向に伸びる縦波部材を有し、縦波部材は横方向に沿ってその周波数および向きを変化させる。内側の縦波部材は、外側の縦波部材より大きな周波数を有してよい。さらに、内側の縦波部材は、外側の縦波部材より上向きであってよい。さらに、内側の縦波部材は、外側の縦波部材より厚いプロフィールを有してよい。
【0011】
すべての実施態において、オプションの第2の支持部材が装着者の踵骨の近くで上記ミッドソールの下方のキャビティに配置されてよい。第2の支持部材は縦方向により堅固であり、横方向により折り畳み可能であってもよい。
【0012】
ゴルフシューズは、少なくとも1つの屈曲性溝をシューズのソールの前方部分に有し、少なくとも1つの屈曲性溝をシューズのソールの後方部分に有してよい。ゴルフシューズは、交換可能なクリートと一緒に使用されてもよく、このクリートは、オリジナルのクリートと同じ寸法であって良く、また、オリジナルのクリートより低く、シューズの摩耗や破断に対処できるようになっていてもよい。
【0013】
添付の図面は明細書の一部を形成し、明細書との関連で理解されるべきであり、種々の図において、類似の参照番号は類似の部分を参照するために用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】この発明のゴルフシューズの頂部斜視図である。
【図2】このゴルフシューズの底面斜視図であり、異方性機械特性を伴うゲルパッドを示すものでる。
【図3】このゴルフシューズのアウトソールの底面斜視図であり、異方性機械特性を伴う単一の折り畳み可能な支持部材を示すものである。
【図4】この発明のシューズの平面図であり、一部を取り除いて、異方性機械特性を伴う一連の折り畳み可能な支持部材を露出させたものである。
【図5】このゴルフシューズのアウトソールの底面図である。
【図6A】この発明に従うゲルパッドの斜視図である。
【図6B】この発明に従うゲルパッドの端面図である。
【図7】異方性機械特性を伴う単一の折り畳み可能な支持部材の模式図である。
【図7A】図7の単一の折り畳み可能な支持部材の実現可能な厚さプロフィールである。
【図7B】図7の単一の折り畳み可能な支持部材の実現可能な厚さプロフィールである。
【図7C】図7の単一の折り畳み可能な支持部材の実現可能な厚さプロフィールである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1〜5に示すように、シューズ10は、アッパー12、このアッパー12に結合されたミッドソール14、および、このミッドソール14に結合されたアウトソール16を含む。この発明の有利な側面によれば、アウトソール16は、少なくとも1つのつま先用折り畳み可能支持部材24を含み、これはアウトソール16の凹所において包み込まれ、ゴルフスイングの際に前方足部(フォアフット)が受ける地面反力を減衰させる。より具体的には、折り畳み可能支持部材24は熱可塑性ウレタン中に包み込まれた折り畳み可能なゲルパッド18(図2および図6A〜6Bに示す)、または、異方性機械特性を具備する単一の折り畳み可能支持部材19(図3および7に示す)、または異方性機械特性を具備する一連の折り畳み可能支持部材20(図4に示す)であってよい。折り畳み可能支持部材24の各実施例はゴルファが歩行するときには折り畳みを阻止するが、ゴルファがスイングするときには横断方向に折り畳まれる傾向がありゴルファがスイングするときのエネルギーの伝達をより効率よく行えるようにする。そのような折り畳み可能支持部材24は前方部分22の内側21に戦略的に配置されてゴルフスイング時に体重移動を助長するようになっている。オプションとして、図1、4および5に示すように、かかと用支持部材25を後方部分28に配置して歩行時の衝撃を吸収するようにしてよい。かかと用支持部材25もゲルパッド18、単一の折り畳み可能支持部19、または複数の折り畳み可能支持部20であってよい。つま先用支持部材24およびかかと用支持部材25は同一または異なる材料で製造できる。この発明の他の有益な側面によれば、ゴルフシューズ10は前方部分22に屈曲性溝30a〜cを有し、同様に後方部分28に屈曲性溝32を有する。ゴルフシューズ10は、また、突起34、36、38を具備し、これは一般に「スパイク」および「クリート」と呼ばれ、アウトソール16の底面から突出し、可変の高さを有して良い。
【0016】
図1〜5に示すすべての部品は左足の靴用のものであり、右足の靴用の部品はその鏡像である。ここで採用されるように、「内側」(medial side)21は、靴の内側輪郭エッジを指し、「外側」(lateral side)26は靴の外側輪郭エッジを指す。ここで採用されるように、「前方部分」22はつま先に近い靴の端(図5の線AAから線DDの間にほぼ配される)を指し、「後方部分」28はかかとに使い靴の端(図5の線DDから線FFの間にほぼ配される)を指す。
【0017】
図1に戻って参照すると、アッパー12は全体として通常の形状をしており、適切なアッパー用材料、例えば皮革または合成材料、またはこれらの組み合わせから製造される。開口13は利用者の足を収容するためにアッパー12の頂部部分により製造される。アッパー12は好ましくはミッドソール14に縫い付け、またはセメント等の接着剤によりインソールボードおよび慣用的な手法を用いて取り付けられ、これは当業者に広く知られている。
【0018】
ミッドソール14は、靴を履いている人にクッションとして働き、エチレンビニルアセテートコポリマー(EVA)のような材料から製造される。好ましくは、ミッドソール14はアウトソール12上またはその周りに形成される。代替的には、ミッドソールはアウトソールと別体に形成されて例えば接着剤によりそれに結合される。ミッドソールおよびアウトソールが一旦結合されるとシューズ10の底の実質的な部分を形成する。
【0019】
ゴルファがスイングするとき、彼らの足は典型的には横軸Tに沿って移動する。これは図5に最も良く示される。この軸は内側21および外側26の間を伸び、より具体的には各足の中足骨に沿って伸びる。ゴルファが歩行するとき、彼らの足は典型的には縦軸Lに沿って移動し、これは、かかと、およびつま先の間を伸びる。足が横軸Tまたは縦軸Lに沿って移動するとき筋肉および骨に負荷を加える地面反力を受ける。この発明のつま先用折り畳み可能支持部材24はそのような地面反力の衝撃を減衰させ、ゴルフスイング時にエネルギーを効率よく伝達可能にする。オプションのかかと用支持部材25は、靴を履く者に対して付加的にクッションのある支持を付与する。
【0020】
ゴルフスイングの際、つま先用支持部材24は、前方部分22の内側21に、第1中足骨および第1趾すなわち足の親指の下方において戦略的に配置され体重移動を支援するようになっている。つま先用支持要素24はシェル内に包み込まれた折り畳み可能なゲルパッド18、または、異方性機械特性を具備する単一の折り畳み可能部材19、または、異方性機械特性を具備する複数の折り畳み可能部材20であってよく、これは先に検討したとおりである。右および左のシューズの内側21に配された、これら支持部材は、ゴルフスイングの際に折り畳まれ、ゴルフスイングの際のエネルギーを効率よく移動可能にする。構造上では、つま先用支持部材18、19、および20は、すべて、ミッドソール14の舌の凹所にフィットするような形状および寸法を伴う。凹所は内側21からミッドソール14の中程くらいまで伸びる。
【0021】
図6Aおよび6Bに示すように、折り畳み可能なゲルパッド18は全体としてテーパー付けされた外観を有する。外側エッジ180は図2に示すように内側21において露出され、ゲルパッド18の最も厚い部分である。外側エッジ180の反対側に薄いエッジ182がある。頂部表面184はエッジ180および182の間に配される。ゲルパッド18はシェル186を有し、これがソフトゲル188を包み込む。外側エッジ180が薄いエッジ182に較べて顕著に厚いので、より多くのゲルがゲルパッド18の外側エッジの近くにあり、そのため、ゲルパッド18の外側部分がエッジ182の近くの内側セクションに較べてより多く折り畳み傾向がある。さらに、複数の支持ポスト189が柔らかな外側エッジ180と堅固な内側エッジ182の間に配される。支持ポスト189は頂部表面184の下のゲルパッド18の中央セクションの折り畳み傾向を最小化する。支持ポスト189は空洞でもよいし、シェル186中において成型されてもよい。
【0022】
比較的堅固な薄いエッジ182および支持ポスト189は、単独で、あるいは組み合わせて、縦軸Lに沿って歩行するときにゴルファに対して支持を実現する。横軸Tに沿ってクラブを振るときには、薄いエッジ182は、単独で、あるいは、支持ポスト189と組合わさって折り畳みに抗するけれども、支持されていない厚い外側エッジ180が有益なことに折り畳まれスイングを支持し、ゴルフスイングの際にエネルギーが効率よく移動可能にする。したがって、ゲルパッド18は異方性特性を伴い、すなわち、縦方向には折り畳みに抗し、横方向には折り畳み傾向を伴う。
【0023】
例を挙げると、ゲルパッド18用の1つの適切なゲルはポリジメチルシロキサンおよび適切な架橋剤を有する。そのようなシロキサンゲルを採用する利点は、ゴム/オイル混合物のように、長期に渡ってオイルを漏出しないという点である。したがって、これは、皮革のような材料の次に使用して適切である。ゲルのデュロメータ値は約5から70ショアAの間であり、その浸透値(penetration value)は約300ユニットまたはそれ以上であり、その粘度は約1500cpsから約2500cpsである。ゲルは熱可塑性ウレタンシェル186に注ぎ込まれてゲルパッド18を形成する。充填ポート187が、シェル186を成型した後にシリコーンゲルを注入するために設けられる。
【0024】
図3および7に示すように、この発明の他の実施例において、支持部材は単一の折り畳み可能な支持部材19を有し、これが異方性機械特性を具備する。より具体的には、この実施例においては、部材19は、縦軸Lに沿って波が伝播する縦波構造体から好ましくは製造される。単一の折り畳み可能な支持部材19の厚さも、横方向Tに沿って可変詞、内側の厚さ194が外側の厚さ196より厚くなっている。単一の部材19の厚さのプロフィールは図7Aに示すように任意の平滑な曲線、図7Cに示すような階段上の曲線、または図7Bに示すような両者の任意の組み合わせであってよい。この発明はどのような厚さのプロフィールにも限定されない。シューズ10に挿入されるとき、内側厚さ194はミッドソール14の内部に配され、外側厚さ196が内側エッジ21の近傍に配され、これを図3に示す。ゴルファが縦軸Lに沿って歩行するときに、単一の折り畳み可能な支持部材19の厚い部分が、シューズを支持し、これによって折り畳み傾向を最小化する。ゴルファがクラブを振り、足を横方向Tに沿って転がすときに、薄い部分196が下りたたまれってゴルフスイング時のエレルギーの移動を効率よく行えるようにする。
【0025】
単一の折り畳み可能な支持部材19は折り畳み可能なゲルパッド19中に包み込まれても良い。単一の部材19は熱可塑性または熱硬化性ポリマー、好ましくは熱可塑性または熱硬化性ポリウレタンから製造されて良い。
【0026】
図4に示すように、この発明の他の実施例においては、発明に係る折り畳み可能な支持部材24は、異方性機械特性を伴う一連の折り畳み可能支持部材20を有してよい。部材20は波部20a〜20cを有して良く、波部20a〜cの周波数および向きは、これら波部がシューズの内側からシューズの外側に横軸Tに沿って伸びるにつれて、徐々に変化する。より具体的には、内側の波部20aはその周波数が大きく、比較的上方向きである。次の外側波部20bはその周波数を減少させ、波部20aに較べてより傾いている。つぎの外側波部20cは好ましくはその周波数をさらに小さくし、波部20aおよび20bよりもさらに傾いている。波部20a〜20cの相対的な周波数および向きは図4に示されている。3本の波部20a〜20cしか示されていないけれど、任意の数の波部を採用しても良い。周波数が大きく、また上方向のプロフィールを持つ波部は、周波数が小さく、また傾いたプロフィールを持つ波部より堅固であり、後者は折り畳み傾向がより大きい。したがって、ゴルファは、歩行時に、波部20aおよび20bのようなより堅固な波部により支持される。なぜならば、これらは全体として縦方向Lに沿って整合させられているからであす。ゴルファがクラブを振り、足を横方向Tに沿って転がすときに、波部20bおよび20cのようなより堅固でない波部が折り畳まれ、屈曲して、ゴルフスイング時のエレルギーの移動を効率よく行えるようにする。代替的に、あるいは追加的に、波部20a〜20cは内側波部が外側波部よりも厚いプロフィールを持つような可変厚さを伴って良い。
【0027】
オプションとして、図1、4、および5に示すように、第2のすなわちかかと用の支持部材25を後方部分28の外側26に配して歩行時の衝撃を吸収するようになして良い。かかと用支持部材25はかかと骨または踵骨の近くのミッドソール14の下方のキャビティ内にフィットするような形状および寸法を伴う。かかと用支持部材25は一端からミッドソール14を横切ってほぼ中程まで伸び、あるいは、かかと全体を横切って伸びて良い。かかと用支持部材25はゲルパッド18、単一の異方性部材19、または複数の異方性部材20であってよい。
【0028】
支持部材18、19、および20に加えて、前方部分22は一連の屈曲性溝30a〜c(図5に最も良く示される)を具備しても良く、これはそれを通じて横方向および縦方向に伸びる。より具体的には、屈曲性溝30aは好ましくは、全体として指骨領域の下にくるように配され、他方、第2の屈曲性溝30bは好ましくはユーザの第1中足骨の下方にくるように配される。第2の屈曲性溝30bの中央は好ましくは中足骨頭の直下に配される。このようにすることにより、オプションとして、中足骨頭の屈曲軸より広くなって中足骨頭の位置を種々にすることができる。屈曲性溝30cは前方部分22を縦方向に伸びる。この発明の有利な側面によれば、後方部分28も屈曲性溝32を具備し、これは後方部分28を縦方向に伸びる。したがって、屈曲性溝30a〜30cおよび32はより快適な歩行を実現するための予め定められた屈曲領域を形成するように設計され、また、配される。
【0029】
屈曲性溝30a〜30cおよび32は熱可塑性ウレタンから製造されて良く、これは顕著に柔らかく、前方部分22および後方部分28をより一層柔らかくする。好ましくは、屈曲性溝30a〜30cおよび32の硬度は約85ショアAより小さく、より好ましくは約70ショアAより小さい。1つの推奨される材料はTAIWAN URE−TECH社によりU−70APの名称の下で現在製造されており、約70ショアAの硬度を有する。
【0030】
この発明のアウトソール16は種々の慣用的な手法で製造して良い。例えば、1つの推奨される方法はRobinson等に付与された米国特許第5,979,083号に開示されており、その内容は参照してここに組み入れる。この手法によれば、第1及び第2の層が一緒に成型される。
【0031】
好ましくは第1の層及び第2の層の材料の硬度は少なくとも約70ショアAである。より好ましくは、その材料硬度は少なくとも約80ショアAであり、最も好ましくは、約95ショアAプラス・マイナス3ショアAである。第1および第2の層に適切な材料は、これに限定されないが、熱可塑性または熱硬化性ポリマー、例えば熱可塑性ウレタンである。具体的な好ましい材料はTAIWAN URE−TECH社により製造される熱可塑性ウレタンU−95Aである。他の適用可能な熱可塑性ウレタンはBayer社のDesmopan(商標)およびAtofina社のPebax(商標)を含む。
【0032】
図1〜3、および5に示すように、アウトソール16は、広くは「スパイク」おおび「クリート」と呼ばれる一連の突起34、36、38を含み、これらがアウトソール16の底面から突出して地面との間の摩擦を実現するようになっている。
【0033】
クリート34はすり切れたときに鋼管可能であり、取り外し可能に受け口(図示しない)に保持されており、これはソケット(図示しない)に保持されている。5個の取り外し可能なクリート34しか示していないが、任意個数のクリート34を採用して良く、例えば7〜9までの個数のクリート34をアウトソール16に配列して良い。推奨されるクリート34は製造業者SOFTSPIKES(商標)社から商業的に入手可能である。これらクリート34は永久使用のスパイク36、38の材料より柔らかいポリウレタンから製造される。スパイク36および38は、鋼管可能ではないので、クリート34より実質的に堅固であり擦り切れや破断を最小化するようになっている。
【0034】
スパイクおよびクリート34、36、38の高さは、適切な量の摩擦が実現されるように決定される。1実施例において、柔らかなクリート34がゴルファがシューズを履いて立ったときに折り曲がるので、柔らかなクリート34の高さは、擦り切れていない状態で、堅固なスパイク36および38の高さより高くなっている。好ましくは、通常の負荷がシューズに加えられた後で、クリート34は折り曲がってスパイク36、38の高さと同じになり、平坦な歩行面を実現する。
【0035】
スパイク36、38は通常の摩耗の後に擦り切れるけれども、クリート34と異なって交換可能ではない。そのため、この発明の1側面によれば、ゴルファは、クリート34を交換するときに、交換用クリート34の高さを戦略的に選択して擦り切れたスパイク36、38の高さと適合するようにできる。例えば、比較的短い期間(例えば2月)の後にクリートを交換する場合、交換用クリート34の高さは、好ましくは、当初のクリートの高さと同じである。なぜならば、スパイク36、38の高さが著しく減少している可能性が少ないからである。これに対して、クリート34を比較的長い期間(例えば1年)の後に交換する場合、突起36、38の高さが減少している可能性が高いので、交換用クリート34の高さは好ましくは当初の高さより低い。このため、シューズ製造業者にとっては、ゴルファにsy樹の高さの交換用クリートを提供してゴルファの選択を案内する表示をなすことが有益である。
【0036】
ロゴ組立体60はアウトソール16の一部に沿って配され、アウトソールの地面との接触時にロゴを保護しつつロゴの視認が容易なように透明層材料を含んでよい。ロゴ組み立てたいようの1つの好ましい材料はTAIWAN URE−TECH社によりUTY−90Aの名称の下で製造されているエステルベースの熱可塑性ポリウレタンであり、その硬度は約90ショアAである。
【0037】
ここに開示された、この発明の事例的な実施例がこの発明の目的を充足することは明らかであるが、多くの変更および他の実施例が当業者により実施可能なことは明らかである、また、いずれの実施例の特徴および/または部品を単独で、または、他の実施例の特徴および/または部品と組み合わせて採用してよい。したがって、添付の特許請求の範囲が、この発明の趣旨および範囲に入る、そのような変更や実施例のすべてを網羅することを理解されたい。
【符号の説明】
【0038】
10 ゴルフシューズ
12 アッパー
14 ミッドソール
16 アウトソール
18 ゲルパッド
19 単一の折り畳み可能部材
20 一連の折り畳み可能部材
24 つま先用折り畳み可能支持部材
25 かかと用支持部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アッパー、ミッドソール、および、アウトソールであって、装着者の第1中足骨の近傍に当該アウトソールの内側に沿って前方部分に形成された凹所を具備するものと、
上記凹所に配された折り畳み可能な支持部材であって、縦方向に堅固で、横方向により折り畳み可能なものとを有し、
上記折り畳み可能な支持部材が歩行時にゴルファの足を支持し、ゴルフスイング時に上記横方向に折り畳まれてエネルギーの移動をより効率よく行うゴルフシューズ。
【請求項2】
上記折り畳み可能な支持部材はテーパーが付されたゲルパッドを有し、上記ゲルパッドは、
ゲルを内包するシェルと、
上記内側に露出する、厚く、比較的柔らかな外側エッジ、上記外側エッジと反対側にある、薄い、堅固な内側エッジ、および上記2つのエッジの間に配された頂部表面と、
上記外側エッジおよび内側エッジの間に配された複数の支持ポストとを有し、
上記薄く堅固なエッジおよび上記支持ポストがゴルファの歩行時にゴルファに対して支持を付与し、上記厚く、柔らかく、より折り畳み可能な外側エッジがスイングのための支持を付与する請求項1記載のゴルフシューズ。
【請求項3】
上記テーパーが付与されたゲルパッドの上記シェルは熱可塑性ウレタン材料を有する請求項2記載のゴルフシューズ。
【請求項4】
上記ゲルはポリジメチルシロキサンおよび架橋剤を有する請求項3記載のゴルフシューズ。
【請求項5】
上記シューズは、当該シューズのソールの前方部分に少なくとも1つの屈曲性溝を有し、当該シューズの上記ソールの後方部分に少なくとも1つの屈曲性溝を有する請求項4記載のゴルフシューズ。
【請求項6】
上記折り畳み可能な支持部材は、ゲルパッド中に包み込まれる単一の部材であって、縦方向の波構造および横方向に可変厚さプロフィールを有する上記単一の部材を有する請求項1記載のゴルフシューズ。
【請求項7】
上記可変厚さプロフィールは内側厚さから外側厚さへと厚さを減少させる請求項6記載のゴルフシューズ。
【請求項8】
上記厚さプロフィールは平滑な曲線、階段状の曲線、またはこれらの組み合わせである請求項7記載のゴルフシューズ。
【請求項9】
上記折り畳み可能な支持部材は、一連の上記横方向に伸びる縦波部材を有し、上記縦波部材は上記横方向に沿ってその周波数および向きを変化させる請求項1記載のゴルフシューズ。
【請求項10】
内側の縦波部材は、外側の縦波部材より大きな周波数を有する請求項9記載のゴルフシューズ。
【請求項11】
内側の縦波部材は、外側の縦波部材より上向きである請求項9記載のゴルフシューズ。
【請求項12】
内側の縦波部材は、外側の縦波部材より厚いプロフィールを有する請求項9記載のゴルフシューズ。
【請求項13】
第2の支持部材が装着者の踵骨の近くで上記ミッドソールの下方のキャビティに配置され、上記第2の支持部材は縦方向により堅固であり、横方向により折り畳み可能である請求項1記載のゴルフシューズ。
【請求項14】
上記第2の支持部材は、厚い外側エッジ、薄い内側エッジ、および複数のポストを有する頂部表面を有するテーパー付けされたゲルパッドと、ゲルを内包するシェルとを有する請求項13記載のゴルフシューズ。
【請求項15】
上記第2の支持部材は、縦方向の波構造および横方向に可変厚さプロフィールを具備する単一部材を有する請求項13記載のゴルフシューズ。
【請求項16】
上記第2の支持部材は、一連の上記横方向に伸びる縦波部を有し、上記縦波部は上記横方向に沿ってその周波数および向きを変化させる請求項13記載のゴルフシューズ。
【請求項17】
交換可能なクリートおよび永久的なスパイクをさらに有し、上記交換可能なクリートは上記永久的なスパイクと異なる高さを有する請求項1記載のゴルフシューズ。
【請求項18】
上記交換可能なクリートは、上記永久的なスパイクより高い初期クリートを有する請求項17記載のゴルフシューズ。
【請求項19】
上記交換可能なクリートは、上記永久的なスパイクの高さに合致する寸法および形状をなす高さを有するクリートを有する請求項17記載のゴルフシューズ。
【請求項20】
アッパー、ミッドソール、および、アウトソールであって、装着者の第1中足骨の近傍に当該アウトソールの内側に沿って前方部分に形成された凹所を具備するものと、
上記凹所に配された折り畳み可能な支持部材であって、縦方向に堅固で、横方向により折り畳み可能なものとを有し、
上記折り畳み可能な支持部材はテーパーが付されたゲルパッドを有し、上記ゲルパッドは、
ゲルを内包するシェルと、
上記内側に露出する、厚く、比較的柔らかな外側エッジ、上記外側エッジと反対側にある、薄い、堅固な内側エッジ、および上記2つのエッジの間に配された頂部表面とを有し、
上記折り畳み可能な支持部材が歩行時にゴルファの足を支持し、ゴルフスイング時に上記横方向に折り畳まれてエネルギーの移動をより効率よく行うゴルフシューズ。
【請求項21】
アッパー、ミッドソール、および、アウトソールであって、装着者の第1中足骨の近傍に当該アウトソールの内側に沿って前方部分に形成された凹所を具備するものと、
上記凹所に配された折り畳み可能な支持部材であって、縦方向に堅固で、横方向により折り畳み可能なものとを有し、
上記支持部材は上記縦方向に波構造を有し、
上記折り畳み可能な支持部材が歩行時にゴルファの足を支持し、ゴルフスイング時に上記横方向に折り畳まれてエネルギーの移動をより効率よく行うゴルフシューズ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【公開番号】特開2010−115371(P2010−115371A)
【公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−291411(P2008−291411)
【出願日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【出願人】(390023593)アクシュネット カンパニー (155)
【氏名又は名称原語表記】ACUSHNET COMPANY
【Fターム(参考)】