説明

ゴルフボールを製造するためのシステム及び方法

【課題】 強固な層間結合部及び所望の構造的特性を持つ多層ゴルフボールを製造するためのシステム及び方法を提供する。
【解決手段】 一時的な除去可能パーティクルをゴルフボール基体に提供し、次いでパーティクルを除去し、基体の外面及び内面を含む基体にボイドを形成することによって行われる。更に、強固な層間結合部及び所望の構造的特性を持つゴルフボールを開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多層ゴルフボール、及び多層ゴルフボールを製造するためのシステム及び方法に関し、更に詳細には、型成形により小さなパーティクルをゴルフボール基体に入れた後、除去し、外面及び内部を含む基体に空所即ちボイドを形成する、ゴルフボール製造システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最も一般的なゴルフボールは、少なくとも二つの材料層で形成されている。これらの多層ゴルフボールは、糸巻ゴルフボール及びソリッドゴルフボールの二つに分けられる。糸巻ゴルフボールは、代表的には、中心コア、このコアを取り囲む糸巻層、及び糸巻層を取り囲むカバーを含む少なくとも三つの層を有する。多層ソリッドゴルフボールは、ソリッドコア及びこのコアを取り囲む一つ又はそれ以上の層を有する。単一のソリッドコア及び単一のカバー層を持つ多層ソリッドゴルフボールが最も人気のある商業的製品であり、一般的に「2ピース」ゴルフボールと呼ばれる。
【0003】
多層ゴルフボールでは、個々の外層は、中間層(マントル層と呼ばれる場合もある)又はコア等のその下にある基体の周囲に型成形により形成されてもよい。外層は、例えば、外層材料を下にある基体の周囲に射出成形、圧縮成形、及び鋳込むことによって形成されてもよい。性能上の最適の要件を提供するため、外層は、好ましくは、その下にある隣接した基体に強固に結合される。
【0004】
糸巻ボールに関し、外層(例えばカバー)とその下にある糸巻層との間の層間接着は容易である。これは、糸巻層の巻き糸が提供する凹凸のある表面及びテキスチャーのためである。外層の材料は、外層を糸巻層の周囲で型成形するとき、これらの表面及びテキスチャー内に及びその周囲に流入し、接着の改良をもたらす。これとは対照的に、糸巻ゴルフボール又はソリッドゴルフボールのいずれでも、糸が巻かれていない凹凸のない層は、これらの層間の界面が平滑であるため、層間の接着が大幅に低下する。
【0005】
層間接着が不適切である場合には、ゴルフボールの耐久性及びプレー特性が大幅に低下する。例えば、接着が弱いと、ゴルフクラブ又は他の硬質の表面によってゴルフボールにインパクトを加えた場合に層間剥離を生じ、これによりエンプティキャビティ及び他の欠陥が生じる。層間剥離は、ゴルフボールの外観及びプレー制御を損なう。更に、ゴルフボールのカバーが切れる等の損傷が生じると、不適切な層間接着のため、カバーのピースが内層から分離して剥落し、ゴルフボールを更に崩壊する。
【0006】
不適切な層間接着は、更に、ゴルフボールのスピン特性に悪影響を及ぼす。例えば、不適切な層間接着は、ボールで生じた剪断応力を失わせ、これは、ロフト角が大きいクラブでボールに所望のスピンを掛けるプレイヤーの能力を妨げる。剪断応力が失われるためにスピンを減少してしまうというこの傾向は、スピン特性に最も大きな影響を及ぼす、カバー層とその隣接した下側の基体との間の界面で特に重要である。
【0007】
ゴルフボール製造者は、基体にテキスチャー又は他の表面特徴を形成することによって、層間の接着を改良しようとしてきた。こうした製造技術には、粗い表面を持つ成形キャビティでゴルフボール層を型成形する技術、又は低圧プラズマ処理、コロナ放電処理、化学的蝕刻、又はショットブラスト仕上げを使用し、既に形成された基体の表面に表面特徴を形成する技術が含まれる。しかしながら、これらの技術は、多くの場合、追加の時間、工具、及び製造機器を必要とし、費用が増大し、製造に要する時間が長くなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、強固な層間結合部を持つ多層ゴルフボールを更に効率的に製造する必要があり、層間結合が改良された多層ゴルフボールが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本実施例は、パーティクルをゴルフボール基体の外面に配置した後、これらのパーティクルを除去し、基体の外面にボイドを形成する、多層ゴルフボールを製造するためのシステム及び方法を提供する。
【0010】
一態様は、外面を持つ、ゴルフボールの基体を形成する工程と、外面を持つ、前記ゴルフボールの基体を形成する工程と、除去可能パーティクルを、これらの除去可能パーティクルの各々の少なくとも一部が前記基体の前記外面のところで露呈されるように、前記基体の前記外面に配置する工程と、前記除去可能パーティクルを前記基体の前記外面から除去し、前記外面にボイドを形成する工程と、前記基体上に、層を、この層の材料が前記ボイドを埋めるように形成する工程とを含む、方法を提供する。
【0011】
別の態様では、除去可能パーティクルは可溶性材料で形成されていてもよく、除去可能パーティクルを除去する工程は、基体に溶剤を適用する工程を含んでいてもよく、溶剤は、可溶性材料を溶解する物質を含んでいてもよい。
【0012】
別の態様では、除去可能パーティクルは水溶性パーティクルを含んでいてもよく、溶剤は水を含んでいてもよい。
【0013】
別の態様では、基体を形成する工程及び除去可能パーティクルを基体の外面に配置する工程は、除去可能パーティクルを成形型の表面に適用する工程と、液体形態の基体材料を成形型に及び除去可能パーティクル上に注入する工程と、除去可能パーティクルが基体材料に埋設された状態で液体基体材料を凝固する工程とを含んでいてもよい。
【0014】
別の態様では、除去可能パーティクルを成形型の表面に適用する工程は、除去可能パーティクルを成形型の表面上にスプレーする工程を含んでいてもよい。
【0015】
別の態様では、除去可能パーティクルを成形型の表面に適用する工程は、除去可能パーティクルを均等な分布で適用する工程を含んでいてもよい。
【0016】
別の態様では、除去可能パーティクルを成形型の表面に適用する工程は、除去可能パーティクルをランダムな分布で適用する工程を含んでいてもよい。
【0017】
別の態様では、基体を形成する工程及び除去可能パーティクルを基体の外面に配置する工程は、パーティクルを基体材料と混合し、混合物を形成する工程と、パーティクルが混合物全体に懸濁した状態で混合物を成形型に注入する工程であって、複数のパーティクルは、成形型に当たって配置され、除去可能パーティクルを含む、工程と、除去可能パーティクルが基体の外面のところで露呈された状態で、混合物を凝固して基体を形成する工程とを含んでいてもよい。
【0018】
別の態様では、第2の複数のパーティクルを基体内に配置されていてもよく、第2の複数のパーティクルは、非露呈除去可能パーティクルを含んでいてもよく、方法は、更に、非露呈除去可能パーティクルを基体から除去し、基体内に閉鎖ボイドを形成する工程を含む。
【0019】
別の態様では、基体と混合されて混合物を形成するパーティクルは、溶剤に溶解できる可溶性パーティクルを含んでいてもよく、除去可能パーティクルを基体の外面から除去し、非露呈除去可能パーティクルを基体から除去する工程は、溶剤を基体に適用する工程を含んでいてもよい。
【0020】
別の態様では、層を基体上で形成する工程は、液体形態の層材料を基体上で型成形する工程を含んでいてもよい。
【0021】
別の態様では、層は、ゴルフボールのカバーを含んでいてもよく、基体は、ゴルフボールの中間層及びコアのうちの一方を含んでいてもよい。
【0022】
別の態様では、層は第1層を含んでいてもよく、第1層を基体上に形成する工程は、第2除去可能パーティクルを第1層の外面に配置する工程と、第2除去可能パーティクルを第1層の外面から除去し、第1層の外面にボイドを形成する工程とを含んでいてもよい。第2層の材料が第1層の外面のボイドを埋めるように、第1層上に第2層を形成する工程を含む。
【0023】
別の態様では、第2除去可能パーティクルを第1層の外面に配置する工程は、第2除去可能パーティクルを第2成形型の表面に適用する工程と、基体を第2成形型内に配置する工程と、液体形態の第1層材料を、第2成形型に、基体と第2成形型との間に、及び第2除去可能パーティクル上に注入する工程と、第2除去可能パーティクルが第1層材料に埋設された状態で液体第1層材料を凝固する工程とを含んでいてもよい。
【0024】
別の態様では、除去可能パーティクルを除去する工程は、除去可能パーティクルと強制的に接触する工程及び除去可能パーティクルを空気と空気圧で接触する工程のうちの一方を含んでいてもよい。
【0025】
別の態様では、除去可能パーティクルは、流体で充填したマイクロカプセル、ガスで充填したマイクロカプセル、又はゲルのマイクロビーズのうちの一つを含んでいてもよく、除去可能パーティクルを除去する工程は、除去可能パーティクルを加熱する工程を含んでいてもよい。
【0026】
別の態様では、除去可能パーティクルを除去する工程は、基体を大きく加熱することなく、除去可能パーティクルを選択的に加熱する工程を含んでいてもよい。
【0027】
別の態様では、基体を形成し、除去可能パーティクルを基体の外面に配置する工程は、除去可能パーティクルを予備成形したゴルフボール部分の外面に適用する工程と、予備成形したゴルフボール部分の外面上及び除去可能パーティクルの周囲で基体を形成する工程と、除去可能パーティクルの各々の少なくとも一部が基体の外面のところで露呈されるように基体の厚さを制限する工程とを含んでいてもよい。
【0028】
別の態様は、基体及び外層を含む多層ゴルフボールを提供する。基体は外面を有し、基体には、外面に開口部を持つ複数の別個のボイドが形成されており、複数の別個のボイドのうちの各ボイドは、その内部寸法よりも狭幅の開口部を有する。外層は、基体の外面に被せて配置されていてもよく、外層は、複数の別個のボイドを埋める突出部分を含み、これらの突出部分の各々は、各突出部が埋めるボイドの開口部よりも広幅の寸法を有し、各突出部分は、開口部を通過できない。
【0029】
別の態様では、別個のボイドは、基体の外面に均等に分配されていてもよい。
【0030】
別の態様では、ゴルフボールは、基体全体に分散され且つ封入された複数のパーティクルを更に含んでいてもよい。パーティクルは、ボイドとほぼ同じ大きさ及び形状であってもよい。
【0031】
別の態様では、ゴルフボールは、更に、基体全体に分散され且つ封入された複数の閉鎖ボイドを含んでいてもよく、閉鎖ボイドは、別個のボイドとほぼ同じ大きさ及び形状であってもよい。
【0032】
別の態様では、ゴルフボールは、更に、基体の下のゴルフボール部分を含んでいてもよい。基体は、内面がゴルフボール部分と接触していてもよい。複数の別個のボイドの各ボイドは、基体の内面から外面まで延びていてもよい。
【0033】
別の態様では、複数の別個のボイドの各ボイドは球形であってもよい。
【0034】
別の態様では、外層は、基体と向き合った外面を有してもよい。外層は、外層の外面に開口部を持つ第2の複数の別個のボイドを形成していてもよい。第2の複数の別個のボイドの各ボイドは、第2の複数の別個のボイドの各ボイドの内部寸法よりも狭幅の開口部を備えていてもよい。ゴルフボールは、更に、外層の外面に被せて配置された第2外層を含んでいてもよい。第2外層は、第2の複数の別個のボイドを埋める突出部分を含んでいてもよい。第2外層の各突出部分は、第2外層の各突出部分が開口部を通過できないように、第2外層の各突出部分が埋めるボイドの開口部よりも広幅の寸法を備えていてもよい。
【0035】
別の態様では、ゴルフボールにおいて、外面を持つ、ゴルフボールの基体を形成する工程と、除去可能パーティクルを、除去可能パーティクルの各々の少なくとも一部が基体の外面のところで露呈されるように、基体の外面に配置する工程と、除去可能パーティクルを基体の外面から除去し、外面にボイドを形成する工程と、層を、この層の材料がボイドを埋めるように、基体上に形成する工程とを含むプロセスによって形成された、ゴルフボールを提供する。
【0036】
別の態様では、各ボイドは、基体の外面に、各ボイドの内部寸法よりも狭幅の開口部を備えていてもよい。
【0037】
本発明のこの他のシステム、方法、特徴、及び利点は、添付図面及び以下の詳細な説明を検討することにより、当業者に明らかになるであろう。このような追加のシステム、方法、特徴、及び利点は、本明細書中に記載されており、本発明の範囲内にあり、添付の特許請求の範囲によって保護される。
【0038】
本発明は、添付図面及び以下の説明を参照することにより、更によく理解できる。添付図面に示す構成要素は、必ずしも等縮尺でなく、その代わり、本発明の原理を例示するために強調がなされている。更に、添付図面において、異なる図に亘り、同様の参照番号が対応する部分に附してある。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】図1は、コア及びこのコアの周囲に配置されたカバーを持つ2ピースゴルフボールの一実施例を示す概略図である。
【図2】図2は、コア、一つの中間層、及びカバーを持つ3ピースゴルフボールの一実施例を示す概略図である。
【図3】図3は、コア、二つの中間層、及びカバーを持つ4ピースゴルフボールの一実施例を示す概略図である。
【図4】図4は、成形型に適用した除去可能な小パーティクルを使用する、ボイドを備えた基体を持つゴルフボールを製造するための方法及びシステムの一実施例を示す概略図及びフローチャートである。
【図5.1】図5は、基体に亘って分散した除去可能な小パーティクルを使用する、外面にボイドを備えた基体を持つゴルフボールを製造するための方法及びシステムの一実施例を示す概略図及びフローチャートである。
【図5.2】基体に亘って分散した除去可能な小パーティクルを使用する、全体に亘ってボイドを備えた基体を持つゴルフボールを製造するための方法及びシステムの一実施例を示す概略図である。
【図6】図6は、予備成形したゴルフボール部分に適用した除去可能な小パーティクルを使用する、ボイドを備えた基体を持つゴルフボールを製造するための方法及びシステムの一実施例を示す概略図及びフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0040】
本実施例は、強固な層間結合部及び所望の構造的特性を持つゴルフボールを製造するためのシステム及び方法を提供する。これは、一時的な除去可能パーティクルをゴルフボール基体に提供し、次いでパーティクルを除去し、基体の外面及び内面を含む基体にボイドを形成することによって行われる。次いで、基体と隣接した外層を基体上に形成してもよい。外層の材料が外面のボイドを埋め、強固な層間結合部を提供する。ボイドは、例えば層が互いに接触する表面積を増大することによって、及び機械的相互連結構造を提供することによって強固な層間結合部を提供する。ボイドが設けられた基体は、多層ゴルフボールの一つ又はそれ以上の層間境界に形成されてもよい。
【0041】
本明細書中で使用されているように、「基体」という用語は、構造の別の部分の下にある構造の一部に関する。例えば、ゴルフボールでは、基体は、最外層又はカバーの下にある、中間層又はコア等の任意の部分であってもよい。
【0042】
実施例では、ボイドが形成する基体の凹凸のある表面により、強固な層間結合部を形成する。この層間結合部は、層間剥離に抵抗し、耐久性を向上し、特にカバーとこのカバーの下の基体との間の最外界面に適用された場合にスピン特性及びキャリー特性を向上する。層間結合部は、カバーに対してインパクトが繰り返しなされた場合でも、層間剥離に抵抗し、カバーに対する引き裂き、劣化、及び他の損傷を抑える。凹凸がある層間境界を持つゴルフボールは、かくして、耐久性が向上し、プレーの特性が向上するという利点を得る。
【0043】
更に、凹凸がある層間境界を持つゴルフボールは、キャリー特性の向上を示す。外層とその下の基体との間の結合が強化し、密に接触することにより、例えば、コンシステンシー及びゴルフボールのフィールが向上し、プレイヤーは、ボールのスピン及びキャリーをよりよく制御できる。換言すると、ボールは、プレイヤーによってボールに加えられた力に対して一貫した反応を示し、例えば、プレイヤーがボールを打つことによって、特定の予想可能な応答が得られるのである。例えば、比較的高いスピンを必要とするクラブでボールを打ったとき、高いスピン特性が得られるのに対し、低いスピン及び大きなキャリー距離を必要とするクラブでボールを打ったとき、低いスピン特性が得られるのである。
【0044】
実施例は、糸巻ゴルフボール及びソリッドゴルフボールを含む任意の多層ゴルフボールに適用可能な製造方法及びシステムを提供する。例えば、図1は、コア102及びこのコア102の周囲に配置されたカバー104を持つ2ピースゴルフボール100を示す。コア102は、カバー104の下に基体を形成する。以下に更に詳細に論じるように、コア102の外面に空所即ちボイドが形成されていてもよい。カバー104の材料がボイドを埋めてもよい。カバー104及びコア102は、異なる材料で形成されていてもよいし、配合(例えば比)が異なる同じ材料で形成されていてもよい。
【0045】
別の例として、図2は、コア202と、中間層204と、カバー206とを持つ3ピースゴルフボール200を示す。図示のように、コア202は中間層204によって取り囲まれていてもよく、カバー206は中間層204の周囲に配置されていてもよい。コア202、中間層204、及びカバー206は、各々、異なる材料で形成されていてもよい。別の態様では、コア202及び中間層204は、配合(例えば比)が異なる同じ材料で形成されていてもよい。図2では、コア202及び中間層204のうちの少なくとも一方の外面にボイドが形成されていてもよい。隣接した上層の材料がボイドを埋める。例えば、ボイドがコア202に設けられている場合には、中間層204の材料がこれらのボイドを埋めてもよい。ボイドが中間層204に設けられている場合には、カバー206の材料がこれらのボイドを埋めてもよい。実施例では、コア202は、ソリッドであってもよく、中空であってもよく、又は流体で充填されていてもよい。
【0046】
別の例として、図3は、コア302と、第1中間層304と、第2中間層306と、カバー308とを持つ4ピースゴルフボール200を示す。コア302は、ソリッドであってもよく、中空であってもよく、又は流体で充填されていてもよく、第1中間層304によって取り囲まれていてもよい。第2中間層306は、第1中間層304の周囲に配置されていてもよい。コア302、第1中間層304、及び第2中間層306のうちの少なくとも一つの外面にボイドが設けられていてもよく、隣接した上層の材料がこれらのボイドを埋めてもよい。例えば、コア302にボイドが設けられている場合には、第1中間層304の材料がこれらのボイドを埋めてもよい。第1中間層304にボイドが設けられている場合には、第2中間層306の材料がこれらのボイドを埋めてもよい。第2中間層306ボイドが設けられている場合には、カバー308の材料がこれらのボイドを埋めてもよい。
【0047】
図1、図2、及び図3の例は、2ピース構造、3ピース構造、及び4ピース構造を示すけれども、本明細書中に開示した実施例は、5層又はそれ以上の層を含む任意の数の層を持つ多層ゴルフボールに適用されてもよい。
【0048】
本明細書中で使用されているように、説明する層に関する「外面」という用語は、当該基体層とこの基体層に関して外側に配置された隣接した層との間の界面にある層の表面に関する。例えば、図3を参照すると、コア302の外面は、コア302と第1中間層304との間にあり、第1中間層304の外面は、第1中間層304と第2中間層306との間にあり、第2中間層306の外面は、第2中間層306とカバー層308との間にある。一実施例では、コアがソリッドでない場合には、第1中間層304は、コアの気体又は流体を取り囲み且つ収容する可撓性包囲体等の層を含んでいてもよい。
【0049】
図4は、強固な層間結合を提供するため、ボイドを備えた基体を持つゴルフボールを製造するための方法及びシステムの一実施例を示す。図示のように、工程402では、成形型420が提供される。この成形型420は、成形型420の内成形面418によって定められたゴルフボールの基体の所望の大きさ及び形状と対応する。図4は、明瞭化を図る目的で、成形型420を部分断面側面図で示すが、成形型420は、ゴルフボール基体が形成される立体的な容積を包囲するものである。例えば、成形型420は、ゴルフボール基体の半球容積を各々形成する二つの部分を含んでいてもよい。基体層が、球状構造をなして成形型420内に形成されてもよい。別の態様では、成形型420は、周囲に基体が形成されるべきゴルフボールの予備製造部分を受け入れるように形成されていてもよい。予備製造部分は、例えば、コア(例えば図2のコア202又は図3のコア302)又は多層ゴルフボール部分(例えば図3のコア302及び第1中間層304)であってもよい。成形型420は、予備製造部分の周囲に基体を形成する際に予備製造部分を所定位置に保持するための一つ又はそれ以上の成形ピンを含んでいてもよい。
【0050】
工程402に示すように、成形型420の成形面418に除去可能パーティクル422が設けられていてもよい。成形面418は、基体の外面を形成してもよい。パーティクル422は、特定のパターン即ち分布で均等に適用されていてもよい。別の態様では、パーティクル422はランダムに適用されていてもよい。明瞭化を図る目的で、図4は基体の形状に対して大きさが比較的大きいパーティクル422を示すが、パーティクル422は、所望の対応する大きさのボイドを提供し、結果的結合を提供するのに適した任意の大きさを備えていてもよい。更に、明瞭化を図る目的で、図4は、円形の断面形状のパーティクル422を示すが、パーティクル422は任意の所望の規則的又は不規則な形状を備えていてもよい。例えば、パーティクル422は球形であってもよいし半球形であってもよいし、円筒形であってもよいし、多角形であってもよいし、穀粒形状であってもよいし、又は繊維形状であってもよい。
【0051】
パーティクル422は、例えばスプレー、ピペット付け、又はブラシ付けで表面に付ける方法を含む任意の適当な方法で、成形型420の成形面418に適用されてもよい。一実施例は、成形型420の成形面418の形状と相補的な形状(例えば半球状)を持つ分配ヘッドを提供し、分配ヘッドの出口を、パーティクルが設けられるのが望ましい位置に位置決めする。分配ヘッドを成形面418に近づけたとき、パーティクルを出口から成形面418に付着してもよい。別の実施例では、パーティクル422を洗浄溶液に懸濁しこれを成形面418に適用し、次いで蒸発(例えば加熱によって)し、パーティクル422を成形面418に付着してもよい。別の実施例では、パーティクル422は、塩粒子であってもよく、これを成形面418に適用し、加熱によって塩粒子を焼結してもよい。これは、連結されたパーティクルのネットワークを形成する。
【0052】
除去可能パーティクル422を成形面418に適用した後、工程404において基体材料を成形型420に、パーティクル422及び成形面418に適用してもよい。基体材料は、成形面418と接触し、パーティクル422が成形面418と接触した部分を除き、パーティクル422を取り囲む。基体材料は、ソリッドコアを形成してもよく、又は中間層又はコア等のゴルフボールの別の部分に被さった層を形成してもよい。図4の例では、基体材料は、ゴルフボールの別の部分(明瞭化を図るため、図示せず)に被さった層である基体424を形成する。
【0053】
一実施例では、基体材料を成形型420に液体形態で注入した後、冷却し凝固してもよい。基体材料は、例えば、エラストマー又は熱可塑性材料であってもよい。適当なエラストマーは、例えば、亜鉛ジアクリレート及び/又は同様の架橋剤で化学的に架橋したポリブタジエン等の架橋したゴムであってもよい。適当な熱可塑性材料は、例えば、熱可塑性材料ポリウレタン又はデラウェア州ウィルミントンのE. I. DuPont de Nemoursが開発した高度に中和したアイオノマー樹脂等のアイオノマー樹脂であってもよい。パーティクル422を互いに焼結した、又はこれらのパーティクル422が他の態様で接触した一実施例では、溶融状態の基体材料がパーティクル間の隙間に進入してもよい。
【0054】
基体424の形成後、図4の工程408に示すように、基体424及びその下にあるゴルフボールの任意の部分を成形型420から取り外してもよい。この時点で、除去可能パーティクル422は基体材料のマトリックス内に保持され、パーティクル422の部分が基体424の外面のところに露呈される。このように露呈されるため、パーティクル422を、次いで、基体424から除去してもよい。パーティクル422の除去は、例えば、パーティクルを物理的に取り出すことによって(例えばブラッシングやエアブラスティングによって)、パーティクルを溶解し洗い流すことによって、又はパーティクルを溶融し又は蒸発することによって行われてもよい。
【0055】
パーティクル422を物理的に取り出すには、パーティクル422と物理的に接触し、これを強制的に移動する工程が必要とされる。例えば、パーティクル422をブラシ又はサンドペーパーで基体424から除去してもよい。別の態様では、強力な空気流(例えばエアブラスティング)を基体424に適用し、パーティクル422を強制的に移動し、追い出してもよい。別の実施例では、基体424をその下にあるゴルフボールの任意の部分とともに揺動し、パーティクル422を強制的に移動し、追い出してもよい。
【0056】
除去可能パーティクル422の溶解には、対応する溶剤を適用すると溶解する溶解性材料製のパーティクル422を使用することが必要とされる。例えば、パーティクル422は、基体424に水を適用することによりパーティクル422を溶解し洗い流すことができるように、水溶性材料で形成されていてもよい。好ましくは、溶剤は、基体材料に悪影響を及ぼすことなく、パーティクルを溶解する。換言すると、基体材料は、パーティクルの材料を容易に可溶性にする溶剤中で実質的に不溶性であってもよい。
【0057】
一実施例では、パーティクル422は塩の結晶(例えば塩化ナトリウムの結晶)であってもよい。この方法では、塩の結晶を部分的に溶解することによって成形型420に適用した後、例えば粉付け又はスプレーによって成形面418に亘って分配してもよい。部分的に溶解した塩の結晶は、これによって、成形面418に付着し、基体材料が適用されるときに所定の場所にとどまる。一実施例では、流体又は溶剤の層を成形面418に適用した後、塩の結晶を適用することにより、部分的に溶解し且つ付着でき、次いで、塩の結晶と干渉することなく、流体又は溶剤を除去(例えば蒸発によって)する。塩の結晶が埋め込まれた基体層の形成後、水又は他の適当な溶剤を基体層に適用し、塩の結晶を完全に溶解し、洗い流してもよい。別の態様では、基体層の外面を軽くブラッシングすることによって塩の結晶を除去してもよい。
【0058】
別の実施例では、パーティクル422は、スチレンを適用することによって溶解し洗い流すことができるポリスチレン粒子であってもよい。
【0059】
別の実施例では、パーティクル422は、水を適用することによって溶解し洗い流すことができるポリビニルアルコール樹脂フィラメント、水溶性多糖類、又は水溶性セルロースであってもよい。
【0060】
別の実施例では、パーティクル422は、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、又はアセテートで形成された繊維であってもよい。ナイロン又はポリエチレンテレフタレート製のパーティクルの場合には、酢酸を適用することによって溶解し洗い流すことができる。アセテートパーティクルの場合には、アセトン又はメチルエチルケトンを適用することによってパーティクルを溶解し洗い流すことができる。
【0061】
パーティクルを溶融又は蒸発によって除去するため、基体424とパーティクル422との間に適当な材料を提供してもよい。一実施例では、パーティクル422は、基体424の材料よりも融点が低い材料で形成されていてもよい。これにより、熱を加えることによってパーティクル422を溶融し、基体424に悪影響を及ぼすことなく、流出でき又は蒸発できる。この例では、基体424は、基体材料をパーティクル422の融点よりも高い温度まで加熱することを必要としない方法を使用して成形型420に適当されてもよい。パーティクル422は、例えばゲルであってもよい。他の実施例では、パーティクル422は、流体で充填したマイクロカプセル、ガスで充填したマイクロカプセル、又はゲルのマイクロビーズであってもよく、これは、除去可能パーティクルを加熱することによって除去されてもよい。
【0062】
別の実施例ではマイクロウェーブ放射線を使用してパーティクル422を選択的に加熱し、基体424を加熱しない。材料配合物が異なると、マイクロウェーブ放射線を異なる量で熱に変換する。従って、パーティクル422は、マイクロウェーブ放射線を、基体材料よりも大量に熱に変換する材料で形成されていてもよい。この選択性により、パーティクル422を加熱し、溶融し、流出又は蒸発できる。これらは全て、基体424に悪影響を及ぼすことなく行われる。
【0063】
パーティクル422を除去した後、基体424は、工程410に示すように、ボイド426を形成する。ボイド426は、以前その位置を占有していたパーティクル422とほぼ同じ大きさ及び形状を備えていてもよい。好ましくは、層間の機械的連結を高めるため、ボイド426は、それらの開口部が、開口部より下の寸法よりも小さいように形成されていてもよい。例えば、ボイド426は、あり溝形状であってもよく、又は図4に示すように広幅の円形ベース427及び狭幅の上開口部425を持つ形状を備えていてもよい。このようにして、以下に更に詳細に節するように、ボイド426内で形成された構造は、ボイド426内部の比較的大きな部分が狭幅の開口部を通過できないため、ボイド内に機械的に保持される。
【0064】
例えば、成形型に結晶のネットワークをなして焼結した塩によってボイドが形成された場合、ボイド426は、更に、連続した小孔を形成してもよい。これらの連続した小孔は、外層の材料が進入でき、これによって強固な結合を形成できる所望の構造を提供する。
【0065】
基体424にボイド426が形成された状態で、材料を基体424に適用し、図4の工程412に示すように外層を形成する。外層の形成には、例えばスプレー又はブラシ付けによって外層材料を適用する工程が必要とされる。一実施例では、外層は、外層材料を基体424上に型成形することによって形成されてもよい。例えば、基体424及びその下にあるゴルフボールの任意の部分を成形型に入れ、外層材料を液体形態で成形型と基体424との間に注入してもよい。外層材料を適用する上で、材料を流す等でボイド426内に付着する。材料は、基体424の外面上及びボイド426の上方及びこれらのボイド間で連続していてもよい。
【0066】
外層材料を適用した後、図4の工程414に示すように、外層428が基体424上に形成される。外層428は、外層が埋めたボイド426とその外面429との間で一体のモノリシック構造であってもよい。ボイド426を埋める外層428の突出部分430は、外層428と基体424との間に強固な機械的連結部を提供する。
【0067】
外層428は、ゴルフボールのカバー(例えば、図1、図2、及び図3の夫々のカバー104、206、及び308)であってもよく、ディンプル(明瞭化を図るため、図示せず)が設けられていてもよい。ディンプルは、外層材料が液体形態で注入される成形型によって形成されてもよい。この実施例では、ボイド426及び突出部分430によって提供される強固な層間結合が、上文中に説明したように、層間剥離に抵抗し、耐久性を向上し、スピン特性及びキャリー特性を高める。ゴルフボールのカバーを形成する外層428は、デラウェア州ウィルミントンのE. I. DuPont de Nemoursが製造している SURLYN(登録商標)等の材料から形成されていてもよい。
【0068】
別の実施例では、外層428は、図2の中間層204、又は図3の中間層304及び306等の中間層であってもよい。この場合、外層428は平滑な外面429を備えて形成されていてもよい。別の実施例では、外層428の外面429は、基体424について行ったように、外面に除去可能パーティクルを配置し、次いでこれらのパーティクルを除去することによって、ボイドを備えて形成されていてもよい。これらのボイドを外層428の外面429に形成することにより、外層428を基体424に結合したのと同じ方法で、第2外層を第1外層428に結合できる。かくして、多層ゴルフボールの各層間の界面に強固な層間結合部を形成できる。多層ゴルフボール全体に亘って形成されたこの強固な層間結合部により、層間剥離抵抗、耐久性、スピン特性、及びキャリー特性を更に高める。
【0069】
図5.1は、強固な層間結合部を形成するため、ボイドを備えた基体を持つゴルフボールを製造するための方法及びシステムの別の実施例を示す。この実施例では、パーティクルを基体に亘って分散してもよい。基体の外面のこれらのパーティクルは除去可能である。図5.1の工程502に示すように、基体524が形成されてもよい。基体524は、ゴルフボールのコアであってもよく、又は図5.1に示すようにゴルフボールの中間層であってもよい。基体524は、図4を参照して上文中に説明した任意の適当な手段で形成されてもよい。例えば、基体524は、射出成形、スプレー、又はブラシ付けによって形成されてもよい。
【0070】
基体524の形成に当たり、基体524を形成するために適用される基体材料には、マトリックス材料及びこのマトリックス材料に懸濁したパーティクル522が含まれていてもよい。マトリックス材料及びパーティクル522を含む基体材料を、液体形態で成形型に注入した後、冷却し凝固してもよい。基体524は、ひとたび形成されると、図5.1に示すように、全体に亘り、パーティクル522がマトリックス材料に分散した固体である。パーティクル522をこのように分配することにより、幾つかのパーティクル522はマトリックス内に置かれ、全体がマトリックスによって取り囲まれている。他のパーティクル522は基体524の外面523に配置され、これらのパーティクル522の部分が露呈されている。これらの露呈パーティクルが除去可能パーティクルである。
【0071】
基体524の形成後、図5.1の工程504に示すように、露呈パーティクル522は、図4を参照して上文中に説明したように、基体524から除去されてもよい。外面523に配置された場合に除去に適したパーティクルを使用することに加え、この実施例では、パーティクル522は、マトリックス材料内に配置され、除去されない場合、基体524に必要な構造的支持を提供するのにも適している。換言すると、パーティクル522の材料は、好ましくは、所望の手段(例えば溶剤による溶解)によって除去できるが、基体524に対して構造的支持を提供でき、又は少なくとも、基体524のマトリックス部分が提供する構造的支持を損なわない。例えば、パーティクルは、溶剤溶解性の比較的硬質の材料で形成されていてもよい。
【0072】
露呈パーティクルを基体524から除去した後、基体524は、図5.1の工程506に示すように、ボイド526を形成する。非露呈パーティクル522は、図示のように、基体524のマトリックス材料に閉じ込められたままである。
【0073】
図5.1の工程508で基体524にボイド526を形成した後、図4を参照して上文中に説明したように、外層材料を適用してもよい。図5.1の工程510に示すように、外層材料を注入又は他の方法でボイド526内に及び基体524の周囲に付着し、外層528を形成してもよい。外層528は、上文中に説明したように、ボイド526を埋めて強固な層間結合部を提供する突出部分530を含んでいてもよい。更に、非露呈パーティクル522は、ゴルフボールの永久的な部分として基体524内に閉じ込められたままである。
【0074】
図4の実施例と同様に、図5.1の実施例の外層528は、カバー又は中間層であってもよく、基体524にボイド526を形成したのと同様の方法でディンプル又はボイドが形成されてもよい。これに関し、外層材料は、マトリックス材料及びこのマトリックスに懸濁したパーティクルを含んでいてもよい。これらのパーティクルのうちの幾分かは外面529のところで露呈されており、その他のパーティクルはマトリックス内に封入されており、露呈していない。外層528の外面529にボイドが形成されている場合には、多層ゴルフボールは、上文中に説明したように、層間の一つ以上の界面に強固な層間結合部を持つという利点を有する。
【0075】
ゴルフボールを製造するためのシステム及び方法の別の態様は、基体内のボイドを使用して基体の構造的特性を制御するための手段を含む。かくして、この別の態様は、基体の外面にボイドを形成することに加え、又はその代わりに、基体の内部又は厚さ内にボイドを形成してもよい。これらのボイドは、例えば圧縮、フィール、及びスピンに関する基体の所望の構造的特性を提供するように、大きさ、形状、分布が定められ、又は他の態様で形成される。ボイドは、例えば、ソリッド構造と比較して撓むセル状構造を備えていてもよく、幾つかの実施例では、比較的軟らかい圧縮、比較的軟らかいフィール、及び比較的高いか或いは低い変更されたスピン速度を提供する。
【0076】
図5.2は、強固な層間結合部及び基体層の所望の構造的特性を提供するため、基体の外面及び基体内にボイドが設けられたゴルフボールを製造するための方法及びシステムの一実施例を示す。この実施例では、パーティクルは基体全体に亘って分散されており、基体の外面及び基体内のパーティクルは除去可能である。基体524を図5.2の工程522に示すように形成してもよい。基体524は、ゴルフボールのコアであってもよく、図5.2に示すように、ゴルフボールの中間層であってもよい。基体524は、図4を参照して上文中に説明したように、任意の適当な手段によって形成されていてもよい。例えば、基体524は射出成形、スプレー、又はブラシ付けによって形成されてもよい。
【0077】
基体524の形成にあたり、基体524を形成するために適用される基体材料には、マトリックス材料及びこのマトリックス材料に懸濁したパーティクル522を含んでいてもよい。マトリックス材料及びパーティクル522を含む基体材料を液体形態で成形型に注入し、冷却し、凝固してもよい。ひとたび形成されると、基体524は、全体に亘って固体であってもよく、図5.2に示すようにパーティクル522がマトリックス材料中に分散している。パーティクル522がこのように分配されているため、これらのパーティクル522のうちの幾分かはマトリックス内に封入されており、その他のパーティクル522は基体524の外面523のところに配置されており、これらの外パーティクル522の部分が露呈されている。この実施例では、封入されたパーティクル及び露呈された外パーティクルの両方とも除去可能パーティクルであってもよい。
【0078】
基体524の形成後、図5.2の工程554に示すように、基体524内の封入された非露呈パーティクル522も除去できる、図4を参照して上文中に説明した技術を使用し、露呈パーティクル及び非露呈パーティクルの両方を基体524から除去してもよい。例えば、一実施例は、塩の結晶の粗い粒子をゴムコンパウンドに混入して基体を形成し、次いで、基体を温水に露呈することによって、硬化したゴム基体を処理する。温水は、幾つかの結晶が露呈されている表面のところの塩の結晶を融解するばかりでなく、他の結晶が封入されているゴム基体内の結晶(例えば深さ数mm)も融解する。
【0079】
封入された除去可能パーティクルの除去にあたり、別の実施例は、熱可塑性合成樹脂粉体を、粒径が樹脂粉体よりも大きい水溶性塩粉体と混合し、混合物を基体に形成し、次いで塩粉体を溶解し、混合物から除去する。混合物は、混合物を成形型に入れ、成形型内の混合物に熱及び圧力を加えた後、形成された混合物を冷却することによって、基体に形成されてもよい。次いで、形成された基体に水を適用し、水溶性粉体パーティクルを基体から除去し、これによって多孔質基体構造を提供する。基体内にボイドを形成するための適当な技術が、Dighton等に賦与された米国特許第4,705,809号、日本国特許出願公開昭55−090361号、昭61−185538号に開示されている。出典を明示することにより、これらの特許に開示された全ての内容は本明細書の開示の一部とされる。
【0080】
外面523又は基体524内に配置された場合に除去に適したパーティクルを使用することに加え、実施例では、パーティクル522は、基体524から除去されず、マトリックス材料内に封入されたままである場合、基体524に対して必要な構造的支持を提供するのにも適している。幾つかの実施例では、例えば、基体内深くに配置された可溶性パーティクルは溶剤に露呈されず、従って、溶出せず、無傷で残る。基体内に残るこれらのパーティクルを説明するため、パーティクル522の材料は、好ましくは、所望の手段(例えば溶剤による溶解)によって除去できるが、基体524に対して構造的支持を提供することもでき、又は少なくとも、基体524のマトリックス部分が提供する構造的支持を損なわない。例えば、パーティクルは溶剤で溶解できる比較的硬質の材料で形成されていてもよい。
【0081】
露呈パーティクル及び非露呈パーティクル522を基体524から除去した後、図5.2の工程556に示すように、開放したボイド526及び閉鎖したボイド527が基体524に形成される。基体524の外面523の開放ボイド526は、上文中に説明したように、結合特性を提供する。閉鎖ボイド527は、例えば、所望の圧縮特性を提供するセル状又はスポンジ状の構造を提供する。図5.2に示すように、他の非露呈パーティクル522は、例えば、パーティクルが可溶性パーティクルであり、溶剤が全てのパーティクルに届かない場合には、基体524のマトリックス材料内に封入されたままであってもよい。
【0082】
基体524にボイド526及び527を形成した後、図5.2の工程558で、図4を参照して上文中に説明したように外層材料を適用する。図5.2の工程560に示すように、注入又は他の方法で外層材料をボイド526内に及び基体524の周囲に付着し、外層528を形成する。外層528は、上文中に説明したように、ボイド526を埋め、強固な層間結合部を提供する突出部分530を含んでいてもよい。更に、閉鎖ボイド527が基体524内に残っており、所望の構造的特性を提供する。除去されていない他の非露呈パーティクル(図示せず)は基体524内にゴルフボールの永久的な部分として封入されたままであってもよい。
【0083】
図4の実施例と同様に、図5.2の実施例の外層528は、カバーであってもよいし中間層であってもよく、ディンプルが形成されていてもよいし、基体524にボイド526、527を形成したのと同様の方法でボイドが形成されてもよい。これに関し、外層材料は、マトリックス材料及びマトリックス中に懸濁したパーティクルを含んでいてもよく、これらのパーティクルの幾つかが外面529のところで露呈されており、次いで除去されてもよく、他のパーティクルはマトリックス中に封入されており、後に除去されてもよいし、除去されなくてもよい。外層528の外面529に形成されたボイドにより、上文中に説明したように、一つ以上の層間界面で強固な層間結合部が形成されるという利点が得られる。
【0084】
基体524内の閉鎖ボイド527は、例えば圧縮、フィール、及びスピンに関する所望の構造的特性を得る上で、驚くべき利点を提供する。設計者は、基体内に閉鎖セルを形成するパーティクルの適当な大きさ、量、及び分布を選択することによって、このような構造的特性を制御してもよい。例えば、多数の大径パーティクルは、比較的軟質で比較的圧縮性の構造を提供する。
【0085】
図6は、ボイドが設けられた基体を持つゴルフボールを製造するためのシステム及び方法の別の実施例を示す。この実施例では、除去可能パーティクルは、基体の内面から基体の外面まで延びる大きさを備えていてもよい。大きさをこのように相対的に定めることにより、この実施例は、除去可能パーティクルを成形型又は既に形成されたゴルフボール部分のいずれかに適用するという選択肢を可能にする。一例として、図6の工程602は、既に形成されたゴルフボール部分に適用された除去可能パーティクル622を示す。既に形成されたゴルフボール部分は、この場合、ゴルフボールコア(これは、明瞭化を図るため、部分図である)である。除去可能パーティクル622は、上文中に説明した様々な技術のうちの任意の技術、例えば、パーティクル622をコア621の外面623上に粉付けする技術によって適用されてもよい。パーティクル622は、外面623上に均等に分配されていてもよいし、ランダムに分配されていてもよい。
【0086】
除去可能パーティクル622を適用した後、図6の工程604(これは、明瞭化を図るため、部分図である)に示すように、基体624をパーティクル622及びコア621の外面623上に形成してもよい。基体624の厚さは、パーティクル622が基体624の内面625(及びコア621の外面623)から基体624の外面627まで延びるように制限されていてもよい。従って、除去可能パーティクル622は、基体624の外面627のところで露呈されていてもよい。
【0087】
次いで、上文中に説明した様々な技術のうちの任意の技術を使用し、除去可能パーティクル622を基体624から除去し、図6の工程604の例に示すように、基体624によって形成されたボイド626を形成する。次いで、工程606の構造を上文中に説明したように処理し、突出部分がボイド626を埋める外層を形成する。
【0088】
全体として、改良方法及びゴルフボールの実施例は、少なくとも一つのゴルフボール中心、及びコアとカバー層との間の界面を形成する最外中間層等の中間層の外面の少なくとも一部を処理することによって提供されてもよい。処理は、処理を施した層とその周囲に配置された外層との間の界面での接着剤の使用を減少するか或いはなくすのに十分であってもよい。
【0089】
一実施例では、ゴルフボール製造プロセス中、基体は、コアとして形成されてもよいし、又はゴルフボールコア等の既に形成されたゴルフボール部分上の層として形成されてもよい。基体の材料は、永久的なマトリックス及びこのマトリックスに埋設された非永久的な小パーティクルを含んでいてもよい。小パーティクルの埋設は、成形プロセス中、例えば成形キャビティを小パーティクルでライニングし、マトリックスを注入することによって行われてもよい。この他のパーティクル埋設方法も考えられる。
【0090】
マトリックスの硬化後、小パーティクルをマトリックスから除去してもよい。小パーティクルの除去は、パーティクルを溶解するが、硬化したマトリックス材料に悪影響を及ぼさない水又は他の溶剤に露呈することによって行われてもよい。更に、パーティクルは、ブラッシングやタンブリング等の他の手段によって除去してもよい。小パーティクルは、基体に特定的に位置決めされていてもよく、又はコーティングにランダムに位置決めされていてもよい。
【0091】
基体の処理により、ゴルフボールで驚くべき利点が得られる。埋設した小パーティクルは、ゴルフボールの層間に不均等な界面を形成し、これにより層が互いに接触する表面積が増大し、層間に表面粗さ又は他の機械的相互連結部を提供する。表面の接触及び相互連結の増大により、外層の基体への付着が増大し、更に凝集性が高いゴルフボール構造を提供する。これは、更に耐久性が高く、ゴルフのプレイヤーが加えた力に対し、高い予想通りの応答を示す。更に、パーティクル全体が層に封入されており、次いで除去されて閉鎖ボイドを形成する場合には、これらの閉鎖ボイドは、例えば圧縮に関して所望の構造的特性を持つ層を提供する。
【0092】
別の実施例は、除去可能パーティクルをカバー層等のゴルフの最外層に適用する。例えば図4及び図5を参照して開示した技術のいずれかを使用し、ボイドをカバー層に形成してもよい。これらのボイドは、ゴルフボールのディンプル又は他の所望の表面特徴を形成してもよい。一実施例では、パーティクルは、半球、又は球の小端スライバーとして形成されていてもよく、それらの平らな側部を成形型の表面に当てて、所望のディンプルパターンと対応する均等な分布で配置してもよい。カバー層をパーティクルの周囲で形成した後、パーティクルを除去し、カバー層の所望の表面特徴(例えばディンプルパターン)を得てもよい。テキスチャーを備えたカバー層がゴルフボールの完成した外観を提供してもよく、又はテキスチャーを備えたカバー層に追加の層(例えば塗料又はクリアコーティングの層)を適用し、完成したゴルフボールを提供してもよい。
【0093】
本製造方法はゴルフボールに限定されず、層を持つ任意の物品の製造で十分に使用できるということは当業者には理解されよう。
【0094】
本発明の様々な実施例を説明したが、以上の説明は限定でなく例示を意図したものであり、本発明の範囲内で多くの実施例が可能であるということは当業者には明らかであろう。従って、本発明は、添付の特許請求の範囲及びその等価物のみによって制限される。更に、添付の特許請求の範囲内で様々な変形及び変更を行うことができる。
【0095】
更に、例示の実施例を説明する上で、本明細書は、工程の特定の順序として方法及び/又はプロセスを提示した。しかしながら、これらの方法又はプロセスが本明細書中に説明した工程の特定の順序に左右されない場合には、方法又はプロセスはここに説明した工程の特定の順序に限定されるべきではない。当業者には理解されるであろうが、工程の他の順序が可能である。従って、本明細書中に説明した工程の特定の順序は、特許請求の範囲での制限と解釈されるべきではない。更に、方法及び/又はプロセスに関する特許請求の範囲は、それらの工程を記載の順序で行うことに制限されず、順序を変えてもよく、それでも、本明細書の精神及び範囲内にとどまるということは、当業者に容易に理解されるであろう。
【符号の説明】
【0096】
302 コア
304 第1中間層
306 第2中間層
308 カバー層
402 工程
418 内成形面
420 成形型
422 パーティクル
424 基体



【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴルフボールを製造するための方法において、
外面を持つ、前記ゴルフボールの基体を形成する工程と、
除去可能パーティクルを、これらの除去可能パーティクルの各々の少なくとも一部が前記基体の前記外面のところで露呈されるように、前記基体の前記外面に配置する工程と、
前記除去可能パーティクルを前記基体の前記外面から除去し、前記外面にボイドを形成する工程と、
前記基体上で一つの層を、この層の材料が前記ボイドを埋めるように形成する工程とを含む、方法。

【請求項2】
請求項1に記載の方法において、
前記除去可能パーティクルは可溶性材料で形成されており、
前記除去可能パーティクルを除去する前記工程は、前記基体に溶剤を適用する工程を含み、
前記溶剤は、前記可溶性材料を溶解する物質を含む、方法。

【請求項3】
請求項2に記載の方法において、
前記除去可能パーティクルは水溶性パーティクルを含み、前記溶剤は水を含む、方法。

【請求項4】
請求項1に記載の方法において、
前記基体を形成する工程及び前記除去可能パーティクルを前記基体の前記外面に配置する工程は、
前記除去可能パーティクルを成形型の表面に適用する工程と、
液体形態の基体材料を前記成形型に及び前記除去可能パーティクル上に注入する工程と、
前記除去可能パーティクルが前記基体材料に埋設された状態で前記液体基体材料を凝固する工程とを含む、方法。

【請求項5】
請求項4に記載の方法において、
前記除去可能パーティクルを前記成形型の前記表面に適用する前記工程は、前記除去可能パーティクルを前記成形型の前記表面上にスプレーする工程を含む、方法。

【請求項6】
請求項4に記載の方法において、
前記除去可能パーティクルを前記成形型の前記表面に適用する前記工程は、前記除去可能パーティクルを均等な分布で適用する工程を含む、方法。

【請求項7】
請求項4に記載の方法において、
前記除去可能パーティクルを前記成形型の前記表面に適用する前記工程は、前記除去可能パーティクルをランダムな分布で適用する工程を含む、方法。

【請求項8】
請求項1に記載の方法において、
前記基体を形成する工程及び前記除去可能パーティクルを前記基体の前記外面に配置する工程は、
パーティクルを基体材料と混合し、混合物を形成する工程と、
前記パーティクルが前記混合物全体に懸濁した状態で前記混合物を成形型に注入する工程であって、複数の前記パーティクルは、前記成形型に当たって配置され、前記除去可能パーティクルを含む、工程と、
前記除去可能パーティクルが前記基体の前記外面のところで露呈された状態で、前記混合物を凝固して前記基体を形成する工程とを含む、方法。

【請求項9】
請求項8に記載の方法において、
第2の複数のパーティクルを前記基体内に配置し、前記第2の複数のパーティクルは、非露呈除去可能パーティクルを含み、
前記方法は、更に、前記非露呈除去可能パーティクルを前記基体から除去し、前記基体内に閉鎖ボイドを形成する工程を含む、方法。

【請求項10】
請求項9に記載の方法において、
前記基体と混合されて前記混合物を形成する前記パーティクルは、溶剤に溶解できる可溶性パーティクルを含み、
前記除去可能パーティクルを前記基体の前記外面から除去し、前記非露呈除去可能パーティクルを前記基体から除去する工程は、前記溶剤を前記基体に適用する工程を含む、方法。

【請求項11】
請求項1に記載の方法において、
前記層を前記基体上で形成する工程は、液体形態の前記層材料を前記基体上で型成形する工程を含む、方法。

【請求項12】
請求項1に記載の方法において、
前記層は、前記ゴルフボールのカバーを含み、前記基体は、前記ゴルフボールの中間層及びコアのうちの一方を含む、方法。

【請求項13】
請求項1に記載の方法において、
前記層は第1層を含み、
前記第1層を前記基体上に形成する前記工程は、
第2除去可能パーティクルを前記第1層の外面に配置する工程と、
前記第2除去可能パーティクルを前記第1層の前記外面から除去し、前記第1層の前記外面にボイドを形成する工程とを含み、
本方法は、更に、
第2層の材料が前記第1層の前記外面のボイドを埋めるように、前記第1層上に第2層を形成する工程を含む、方法。

【請求項14】
請求項13に記載の方法において、
前記第2除去可能パーティクルを前記第1層の前記外面に配置する前記工程は、
前記第2除去可能パーティクルを第2成形型の表面に適用する工程と、
前記基体を前記第2成形型内に配置する工程と、
液体形態の第1層材料を、前記第2成形型に、前記基体と前記第2成形型との間に、及び前記第2除去可能パーティクル上に注入する工程と、
前記第2除去可能パーティクルが前記第1層材料に埋設された状態で液体第1層材料を凝固する工程とを含む、方法。

【請求項15】
請求項1に記載の方法において、
前記除去可能パーティクルを除去する前記工程は、前記除去可能パーティクルと強制的に接触する工程及び前記除去可能パーティクルを空気と空気圧で接触する工程のうちの一方を含む、方法。

【請求項16】
請求項1に記載の方法において、
前記除去可能パーティクルは、流体で充填したマイクロカプセル、ガスで充填したマイクロカプセル、又はゲルのマイクロビーズのうちの一つを含み、前記除去可能パーティクルを除去する前記工程は、前記除去可能パーティクルを加熱する工程を含む、方法。

【請求項17】
請求項1に記載の方法において、
前記除去可能パーティクルを除去する前記工程は、前記基体を大きく加熱することなく、前記除去可能パーティクルを選択的に加熱する工程を含む、方法。

【請求項18】
請求項1に記載の方法において、
前記基体を形成し、前記除去可能パーティクルを前記基体の前記外面に配置する前記工程は、
前記除去可能パーティクルを予備成形したゴルフボール部分の外面に適用する工程と、
前記予備成形したゴルフボール部分の外面上及び前記除去可能パーティクルの周囲で基体を形成する工程と、
前記除去可能パーティクルの各々の少なくとも一部が前記基体の外面のところで露呈されるように前記基体の厚さを制限する工程とを含む、方法。

【請求項19】
多層ゴルフボールにおいて、
外面を持つ基体であって、前記基体には、前記外面に開口部を持つ複数の別個のボイドが形成されており、前記複数の別個のボイドのうちの各ボイドは、その内部寸法よりも狭幅の開口部を有する、基体と、
前記基体の前記外面に被せて配置された外層とを含み、前記外層は、前記複数の別個のボイドを埋める突出部分を含み、これらの突出部分の各々は、各突出部が埋める前記ボイドの前記開口部よりも広幅の寸法を有し、各突出部分は、前記開口部を通過できない、多層ゴルフボール。

【請求項20】
請求項19に記載のゴルフボールにおいて、
前記別個のボイドは、前記基体の前記外面に均等に分配されている、ゴルフボール。

【請求項21】
請求項19に記載のゴルフボールにおいて、更に、
前記基体全体に分散され且つ封入された複数のパーティクルを含み、前記パーティクルは、前記ボイドとほぼ同じ大きさ及び形状である、ゴルフボール。

【請求項22】
請求項19に記載のゴルフボールにおいて、更に、
前記基体全体に分散され且つ封入された複数の閉鎖ボイドを含み、前記閉鎖ボイドは、前記別個のボイドとほぼ同じ大きさ及び形状である、ゴルフボール。

【請求項23】
請求項19に記載のゴルフボールにおいて、更に、
前記基体の下のゴルフボール部分を含み、前記基体は、内面が前記ゴルフボール部分と接触し、前記複数の別個のボイドの各ボイドは、前記基体の前記内面から前記外面まで延びている、ゴルフボール。

【請求項24】
請求項19に記載のゴルフボールにおいて、
前記複数の別個のボイドの各ボイドは球形である、ゴルフボール。

【請求項25】
請求項19に記載のゴルフボールにおいて、
前記外層は、前記基体と向き合った外面を有し、
前記外層は、前記外層の前記外面に開口部を持つ第2の複数の別個のボイドを形成し、前記第2の複数の別個のボイドの各ボイドは、前記第2の複数の別個のボイドの各ボイドの内部寸法よりも狭幅の開口部を有し、
前記ゴルフボールは、更に、前記外層の前記外面に被せて配置された第2外層を含み、前記第2外層は、前記第2の複数の別個のボイドを埋める突出部分を含み、前記第2外層の各突出部分は、前記第2外層の各突出部分が前記開口部を通過できないように、前記第2外層の各突出部分が埋める前記ボイドの前記開口部よりも広幅の寸法を有する、ゴルフボール。

【請求項26】
ゴルフボールにおいて、
外面を持つ、ゴルフボールの基体を形成する工程と、
除去可能パーティクルを、前記除去可能パーティクルの各々の少なくとも一部が前記基体の前記外面のところで露呈されるように、前記基体の前記外面に配置する工程と、
前記除去可能パーティクルを前記基体の前記外面から除去し、前記外面にボイドを形成する工程と、
層を、この層の材料が前記ボイドを埋めるように、前記基体上に形成する工程とを含むプロセスによって形成された、ゴルフボール。

【請求項27】
請求項26に記載のゴルフボールにおいて、
各ボイドは、前記基体の前記外面に、各ボイドの内部寸法よりも狭幅の開口部を有する、ゴルフボール。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5.1】
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【図5.2】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−40372(P2012−40372A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−170296(P2011−170296)
【出願日】平成23年8月3日(2011.8.3)
【出願人】(505424859)ナイキ インターナショナル リミテッド (249)