説明

ゴルフボール等の製品を回収してリサイクルするとともに追跡するシステム及び方法

【課題】 ゴルフボール等の製品を回収し、リサイクルし、追跡するシステム及び方法を提供する。
【解決手段】 奨励賞及び回収製品のリサイクル後の流れの指定についての情報の両方を使用者に提供することによって、回収製品のリサイクルを奨励するためのシステム及び方法。回収製品には、再循環流に沿って配置されたスキャナ又は検出器等の機械で読み取り可能なデータが入力された追跡エレメントが割り当てられる。回収製品についてのリサイクル指定に関して決定がなされた後、使用者に情報を提供する。賞を記憶し計算するコンピュータプログラムを使用して、リサイクル後指定に関する類似の又は補助的な計算を行うことができ、他の使用者との比較及びオンライン対戦を行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴルフボール等の製品を回収、リサイクルし、リサイクル奨励賞と、所期の再加工を行った上での製品の使用についての情報と、の両方をネットワークを介して使用者に提供するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
資源循環の意識の高まりに従って、全ての種類の消費財についての一連のリサイクル及び再使用のアイディアが生み出されている。運動競技用の履物及び機器の産業では、製造中に発生する廃材を回収してリサイクルするため、並びに使用済み製品の材料を回収するために多くの努力が払われている。一つの周知のプログラムとしては、使用済みの履物を回収し、分解し、構成要素を粉砕し、新たな製品で使用するための材料を製造する、ナイキ「グラインド」と呼ばれているプログラムがある。例えば、使用済みの履物の構成要素を粉砕し、バスケットボールのコート、ランニング用トラック、及び他の遊技場の表面等の表面に作りかえられる。このプロセスの一態様は、同一出願人による特許文献1に記載されている。出典を明示することにより、この特許に開示された全ての内容は本願の参照となる。
【0003】
運動競技用機器産業で幾つかのリサイクルの努力がなされている製品の一つはゴルフボールである。様々な理由のうち、ゴルフボールのリサイクルの努力がなされている主要な際立った理由として、(i)最終的に埋め立てられる使用済み製品の剪断容積、あるいはゴルフボールのコーティング及び他の層で使用された化学薬品により環境が汚染され得るということ、(ii)ゴルフボールが、その化学薬品及び構造のため、使用可能な態様の構成材料にするのが多くの消費財よりも困難であるということがある。こうした困難のため、当該産業では、様々な角度から、ゴルフボールのリサイクル及び再使用に取り組もうとしてきた。従来技術には、製品のリサイクル及び新装を行うために使用者が使用済みの製品を返却することを奨励するリサイクルプログラムの多くの例があるが、ここで情報が途絶えてしまう。即ち、使用者は、一般的には、リサイクルのために製品を返却した後の製品の運命を知らない。使用者がリサイクルの努力を払った製品に行われること又は行われたことを使用者に知らせるシステムはこれまで無かった。
【0004】
当該技術分野で特許文献2に記載された一つの方法は、ゴルフボールをリサイクルのために返却することをゴルファーに奨励することによってゴルフボールをリサイクルすることを含む。詳細には、この方法は、新たなゴルフボールを、ダイレクトメール注文、カタログ注文、インターネット注文、又は電話注文等の周知の直販チャンネルを通してゴルファーに直接販売することによって、ゴルフボール製造者から消費者に新たなゴルフボールを先送りすることを含む。別の態様では、ゴルフボール製造者は、ゴルフボールをゴルフ施設又は小売店にオンラインで又は実店舗で販売し又は運び込む。ゴルフボールの消費後、ゴルファー及びゴルフ施設に対し、使用済みのボールを製造元に返却する逆の流通チャンネルが設けられている。特許文献2には、これにより、リサイクルされたコアがゴルフボールのブランド元のカバーと適合すると述べられている。これを行うため、返却されたゴルフボールは、製造元、製造ブランド、及び品質によって分類される。分類は、ボールを回収したゴルフ施設で行われてもよいし、リサイクル管理の中央ハブで行われてもよい。逆の流通チャンネルは、製造元、小売店の回収ステーション、キオスク等へのボールの直接返却等の他の手段も含む。使用済みのボールを受け取った製造者は、ゴルフボールを返却したゴルファー及び/又はゴルフ施設にリサイクル賞を出す。褒賞を出すことによって使用済み製品の回収や返却を奨励するこの種の方法が長い間行われてきた。身近な例には、プリンターやコピー機から使用済みのインクカートリッジ又はトナーカートリッジを回収する場合が含まれる。製造者は、使用済みカートリッジを製造元に返却したことに対して、慣習的にクーポン等を出してきた。使用済み製品の返却を経済的に奨励することが多くの産業で使用されてきた。こうした奨励の身近な例として、ガラス壜を小売店に返却したことに対して購入者に金銭を返却することが挙げられる。
【0005】
追跡と共に、更に動機を与え得るのは、リサイクル賞、ポイント又は体積を他の使用者と比較できるソーシャルネットワークサイト又はオンライン対戦サイトを使用することである。ほとんどのリサイクルプログラムは、回収された使用済み製品と環境に与える影響との直接的な関連性を提示していない。
【0006】
運動競技用機器産業は、環境保護を指向して動き続けており、リサイクルプログラムの挑戦は、消費者や使用者が実際に使用済み製品を返却することを動機づけすることである。使用済み製品の返却の奨励は、多くの形態を取り得る。消費者や使用者がリサイクル活動に貢献したことの最終結果を彼らに知らせることは、今日まであまり行われてこなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第5346934号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2010/0056305号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ソーシャルネットワークサイト等のインターネット及び様々なオンライン対戦手段で情報交換を行うことができる世界では、単に使用済み製品の返却時に賞金を出すということを越えて、リサイクル活動及びその結果を監視でき、奨励及び追跡がなされる。コストの低減と、バーコード、RFID、等の様々な追跡態様の容易な実施とによって、返却された製品の数を数えてそれと比例した賞を出のみならず、使用済み製品をリサイクルプロセスの更に深くまで追跡することが可能になる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
使用済み製品を回収するためのシステム及び方法は、使用済み製品がリサイクルプロセスのどこを通っているのかと関連したデータを発するため、製品又は製品のバッチと関連した追跡エレメントを使用する。追跡エレメントは、製造中に付与することができ、又は回収製品に付与することができる固有の番号識別子である。スキャニングつまり読み取りの手段を使用し、リサイクルプロセスの様々な段階を通る使用済み製品の追跡エレメントを追跡する。使用者には、インターネット等のネットワーク及びホストサーバーを介して、使用済み製品又はこれから得られた材料の最終的な所期の指定が知らされる。
【0010】
回収製品のリサイクルを奨励する方法は、回収製品のピース、体積、状態、種類等と関連した奨励賞を計算する工程をさらに含む。この計算は、コンピュータによって、量についての情報を含む追跡エレメントのデータと関連して行われ、賞を実物で又はネットワークを介して使用者に伝える。本方法は、回収製品が再循環(リサイクル)流を通って移動するときに追跡エレメントを機械によって検出することによって、回収製品の所期のリサイクル後指定をネットワークを介して使用者に知らせることをさらに含む。更に、リサイクル後指定に関するデータは、別の使用者のデータと比較することによってリサイクル競争を可能にするコンピュータプログラムによって使用されてもよい。これは、再循環流に返却された製品の量に基づいて類似の又は補助的な計算を使用することによって可能にできる。ネットワークを介してリサイクル後の指定情報を共有し、競争を可能にすることにより、人々にリサイクルが強く奨励される。
【0011】
本発明のこの他のシステム、方法、特徴、及び利点は、添付図面及び以下の詳細な説明を検討することにより、当業者に明らかになるであろう。このような追加のシステム、方法、特徴、及び利点は、この説明及びこの概要に含まれており、本発明の範囲内に含まれ、特許請求の範囲によって保護される。
【0012】
添付図面及び以下の説明を参照することにより、本発明を更によく理解できる。添付図面における構成要素は、必ずしも等縮尺ではなく、その代わり、本発明の原理を例示するにあたり強調がなされている。更に、添付図面では、様々な図に亘り、同様の参照番号が対応する部分に付してある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、ゴルフボール等の製品用のリサイクル奨励−追跡方法の概要を示す図である。
【図2】図2は、リサイクル奨励−追跡を通る製品の動きを示す図である。
【図3】図3は、様々な回収点の概念図である。
【図4】図4は、製品についての追跡エレメントの入力を含む回収ステップを詳細に示す図である。
【図5】図5は、追跡エレメント入力ステップ及びプログラムによる追跡を詳細に示す図である。
【図6】図6は、使用者とリサイクル奨励−追跡サーバーとの間の情報交換の概念図である。
【図7】図7は、リサイクル奨励−追跡システムの構成要素を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
製品の回収及びリサイクルを奨励するための方法及びシステムを図1に概略に示す。回収製品は、回収及びリサイクルが可能などのような種類のものであってもよい。「リサイクル」という用語は、本明細書中に亘り、PETボトル等と関連した製品の大規模リサイクル、製品を構成部分に分解して、これらの部品又は材料をリサイクルつまり再使用すること、タイヤを遊び場で再利用すること等の製品全体の再使用を含む回収製品についての多くの再加工の概念のことであるがこれらに限定されない。更に、この用語は、回収製品の分類及び洗浄等の他の必要なステップを含み得る。回収製品は、個人、世帯、団体、又は他の実体等の使用者から回収されたものであるか、二級品又は廃棄されるべき余剰製品を抱えた製造者から得られたものである。「回収製品」という用語は、再循環流に入るすべての使用済み製品又は余剰製品を含むことを意図する。
【0015】
図2は、本発明を具体化した再循環流を通って回収製品の動きの概要を提供する。各ステップを以下に更に詳細に説明する。図2の目的について、製品の移動の簡単な例を説明する。ステップ100で製品が回収された後、本発明は、再循環流を通る製品を追跡するため、回収製品と関連した固有の識別子を利用する。製品には、製造時に固有の識別子が設けられてもよいし、回収製品に、回収ステップ後に固有の識別子を後付けしてもよい。固有の識別子は、本明細書中に亘り、追跡エレメントと呼ばれ、以下に追跡エレメントについて更に詳細に説明する。ステップ200で追跡エレメントのスキャニングつまり読み取り、又は回収製品に追跡エレメントを後付けする。次いで、ステップ500で回収製品のリサイクル処理を行う。このステップには、計数及び分類、製品の状態による分離、製造元等による分離等の多くの可能な作用が含まれる。これらの分類ファクタの各々は、回収製品を様々な指定へと導くのに使用でき、例えば、回収製品と同様の元来の態様の又は異なる態様の製品に再生するように、製品を材料や構成要素に分解し、リサイクルする経路の指定、又は再使用の経路の指定へ導くのに使用できる。次いで、ステップ600で、回収製品は、指定のリサイクル最終工程に送られる。
【0016】
ゴルフボールの例に関し、リサイクルプロセス、即ちステップ500には、多くの別々のステップが必要とされる。例えば、別々のカバー及びコア材料を得るためにゴルフボールからカバーを剥がし又は除去することが必要とされる。こうした除去は、周知の方法、即ち同一所有者による出願第______号(代理人の事件番号72−1161)及び出願第______号(代理人の事件番号72−1167)に開示された方法を使用して行うことができる。出典を明示することにより、これらの出願に開示された全ての内容は本願の参照となる。コア材料を溶融し、周知の方法によって再利用又は再使用できる。これは、周知の方法、即ち同一所有者による出願第______号(代理人の事件番号72−1169)に開示された方法を使用して行うことができる。出典を明示することにより、この出願に開示された全ての内容は本願の参照となる。回収されたゴルフボールは、更に、周知の方法によって復元し又は新装してもよい。これは、周知の方法、即ち同一所有者による出願第______号(代理人の事件番号72−1159)に開示された方法を使用して行うことができる。出典を明示することにより、この出願に開示された全ての内容は本願の参照となる。
【0017】
回収製品に行われることを示す図2の簡単な図は、図1に示す本発明のリサイクル−追跡方法の全体を理解する上で助けとなる。本方法の第1ステップは、使用済み製品又は余剰製品を回収するステップである。ステップ100の様々な製品回収方法を図3に概略に示す。これらの回収方法は、既に実施されている地方自治体の多くのリサイクルプログラム全体に亘るものであり、製品を、指定の容器と関連した商業施設110で、又は回収イベントで回収できる。ゴルフボールの場合、ゴルファーが使用したゴルフボールを調べ、廃棄し、及び/又は新たなゴルフボールを購入つまり獲得する、ゴルフクラブ、プロショップ、小売店、打ちっぱなしゴルフ練習場等の例が挙げられる。製品は、移動式リサイクルユニット120によって回収されてもよい。現在考えられているものとして、移動式リサイクルユニットは、システムの他の構成要素を搭載していてもよい。こうした構成要素により、このような移動式ユニットを、コミュニティ、仕事場、福祉事業、及び他の組織で、回収、募金、又はゴルフ旅行で使用できる。製品は、ゴルファーが容易にアクセスできる場所に置かれた、ゴルフボールGBを回収するためのリサイクル回収ビン130を使用して回収されてもよい。本発明の回収ステップ100を行う上で、これらの回収方法のうちの一つ又は組み合わせを使用できる。
【0018】
製品の回収後、本発明は、製品と関連した固有の識別子によって、再循環流を通る製品の追跡を行う。この識別ステップ200では、識別子が製造時に設けられたか或いは回収中又は回収後に新たに付ける必要があるかどうかに応じて、回収製品から固有の識別子がスキャンされ即ち読み取られ、或いは回収製品に識別子が割り当てられる。本明細書中、識別子を追跡エレメントと呼ぶ。追跡エレメントは、光学機械で読み取り可能なデータ表示等の任意の適当な識別手段を含む。追跡エレメントの一例は、バーコード、RFIDチップ、又は他の同様の手段である。追跡エレメントは、本発明の方法が元来の機器製造者(OEM)によって使用された場合、製品の製造時に元々付与されていたものでもよく、その場合、元来の機器製造者及び競合者の製品についてのリサイクルプログラムに引き込む。このようなOEMは、商業的流れ及びその後の再循環流で追跡を行うため、適当な追跡エレメントをその新たな製品に付けてもよい。本発明の方法は、全ての種類の回収製品で使用されるものと考えられる。従って、元々追跡エレメントを備えて製造されたものでない製品に追跡エレメントを付与する。これは、回収製品に、光学的シンボル又はデータ表示、又はRFIDチップ等を後付けすることである。回収製品の各々に追跡エレメントを後付けしてもよく、又は回収製品を幾つかの適当な方法でバッチに分け、追跡エレメントをバッチに付けてもよい。ステップ200について、追跡エレメントをどのように付与しようとも、本発明の範疇に含まれる。
【0019】
図4に追跡エレメント付与ステップ200の論理の流れを示す。図4で、第1確認ステップ210は、回収製品に追跡エレメントが既に設けられているか否かを確認するステップである。追跡エレメントが既に付与されている製品については、ステップ220で、追跡エレメントのデータを収集するために、光シンボルの場合には光学式スキャナによって、又はRFIDチップの場合にはRFID読み取り器を使用すること等によって、読み取られる。次いで、再循環流に入る、有意の追跡エレメントが付与されていない、回収製品については、ステップ230で、適当な追跡エレメントを後付けする。上述したように、製品に追跡エレメントを付与するステップは、ピース毎に又はバッチで行われ、全ての種類の追跡エレメントを利用できる。
【0020】
更に、特定の種類の製品が、多数の追跡エレメントを使用してもよいと考えられる。これは、製品の別個の部分が、異なる回収後の加工を必要とし、及び/又は様々な下流の製品で使用されるためである。例えば、多くのゴルフボールは、アイオノマー製カバー及びゴム製コアで形成されている。このようなゴルフボールをリサイクルするため、アイオノマー製カバーをゴム製コアから分離する。これは、アイオノマー製カバーが熱可塑性プラスチックであり、再使用可能な材料であるのに対し、ゴム製コアは熱硬化性材料であり、一般に、そのまま再使用されるか或いは研削されて充填材料として使用される。更に、カバーが熱硬化性材料で形成されていたとしても、回収された熱硬化性カバー材料は、回収されたゴム製コアとは異なる種類の最終製品で使用されてもよい。従って、第1追跡エレメントがカバーに付与されていてもよいのに対し、別の追跡エレメントがコアに付与されていてもよい。この他の種類の回収製品、例えば、構成要素を加工して様々な下流の製品にする前にアッパー及びソールの分解が行われる履物では、一つの特定の回収製品に多数の追跡エレメントが使用されてもよい。これらの追跡エレメントは、個別に付与されてもよく、又バッチに付与されてもよく、元々の製造中に又はリサイクルでの分解時に設けられてもよい。
【0021】
図1からわかるように、追跡エレメントが付与されている回収製品は、スキャナ又は他の適当なデバイスに通すことによって、追跡エレメントのデータを収集する。次いで、ステップ300で、この追跡エレメントのデータを、リサイクル奨励−追跡プログラム(RIT)に入力し、データを記憶し、更なる演算処理を行う。図5は、RITで演算処理がなされる追跡エレメント入力ステップ300及び奨励賞ステップ400を更に詳細に示す。入力ステップ300は、回収製品を計数するため、又はその体積や重量を定量するため、追跡エレメントのデータをRITに入力するステップを必要とする。RITは、次いで、回収製品の量に基づいて回収時(POC)奨励賞を計算する。種々の適切な計算結果を、種々の適切な相関する奨励賞と組み合わせて使用してもよい。例えば、奨励賞は、使用者が戻した回収製品のピースの数と相関する一対一対応値に基づいていてもよい。即ち、ゴルファーが1ダース(12個)のゴルフボールをリサイクル回収イベントに戻した場合、POC奨励賞は、受賞プログラムで12点であってもよく、又は新たな製品の購入等に対して12クレジットであってもよい。回収製品のリサイクル奨励賞についての計算及び相関を変えてもよく、リサイクルプログラムの主催者即ちOEMが行おうとすることのみによって制限される。この種のリサイクルプログラムには、製品のセット販売や回収意欲の増進を必要とする、マーケティングの用途がある。
【0022】
図5は、使用者インターフェースに応じて、ステップ400を、人と直接会って行ってもよいし、コンピュータネットワークを通して行ってもよいということを示す。例えば、RITプログラムがインストールされており、商業的空間内に展開されている場合には、使用者は製品をリサイクルのために回収点(POC)まで運び、POCで奨励賞を受け取る。別の態様では、RITプログラムの主催者から離れた場所で別の手段を使用して製品を回収する場合には、ネットワークを介して、例えばインターネットインターフェースを介して使用者に奨励賞を与えることができる。奨励賞には、製品、クーポン、リベート、デビットカード又はギフトカードのクレジット、受賞プログラムの部分としてのポイント値、クレジットカード会社が行っているような確立した受賞プログラムの部分としてのポイント値、製品展開プログラムの部分としてのポイント値、賞金、又はこれらの任意の組み合わせが含まれていてもよい。更に、RITプログラムは、回収製品に様々な奨励値を割り当てることができる。その一例は、特定のOEMが製造した、回収製品に比較的高い奨励値を割り当てることである。
【0023】
本発明は、回収製品の最終的な指定を使用者に知らせることを目標に、ステップ700で、奨励賞と、回収製品の再循環流での追跡能力とを組み合わせる。これは、追跡エレメントの読み取り器又は検出器を再循環流の様々な段階で使用することによって行われる。回収製品を計数し分類した後、回収製品をどのようにリサイクルするかについて決定を下す。追跡エレメント読み取り器つまり検出器は、回収製品が指定の経路まで通過する場所に配置でき、データをRITプログラムに入力する。再循環流の複雑さ及び収集するのが望ましいデータの量に応じて、使用者は、回収製品を全再循環流に亘って追跡できるものと考えられる。更に、追跡プロセスの一部として、例えば回収製品を計数し、データをRITサーバーにアップロードする認識ソフトウェアを持つスマートホンカメラを装備したポータブルコンピュータを使用してもよい。最終的には、回収製品の最終指定についての情報が使用者に提供される。例えば、PET容器についての例では、PET容器を回収点に返却した使用者は、PET容器がフリース工場に至るルートに載せられ、フリース毛布にされることを理解できる。ゴルフボールについての別の例では、ゴルフボールを回収点に返却した使用者は、ゴルフボールが、分解及び材料の再加工を行うために機器工場に至るルートに載せられることを理解できる。運動靴についての別の例では、使用済みの一対の靴を返却した使用者は、これらの靴が、材料をスレートにして屋外用バスケットボールコートにするという材料の分解および再加工のルートに載せられるということを理解できる。
【0024】
最終指定に加え、再循環流の使用者間での競争を行うことができるように、指定の情報と、ポイントシステム又はその他の種類の競争プロセスとを関連付けることができる。更に、RITプログラムによって収集されたデータを使用し、類似の又は補助的な比較を計算し、次いで、これを競争又は比較の目的に使用できるとも考えられる。一例においては、会社Aが所定量のPET容器を返却し、これらのPET容器がフリース布へリサイクルされるルートに載せられる場合、得られる量は、長さが1マイルで(約1600m)幅が50ヤード(約46m)の布と等しい。別の例においては、グループBが埋め立て空間のx容積を節約する量のゴルフボールを返却し、これらのゴルフボールはリサイクルルートに載せられた。補助的な計算の更に別の例は、組織Cが所定量の製品を返却し、これを再使用ルートに載せる場合であり、前記量は、炭素負荷を量xだけ減少させる。利用可能な多くの炭素負荷計算機のうちの任意のもの等を使用することによって、リサイクルについてのオンライン競争の一態様を、リサイクルの影響を定量するこのような類似の又は補助的な計算を競争することによって高めることができる。
【0025】
図6は、RITプログラムを備えた使用者インターフェースを概略に示す。本明細書中で使用されている「使用者」という用語は、個人のことであり、グループ、チーム、組織、又は他の種類の集団のことでもある。使用者がRITプログラムと関連するための一つの方法は、リサイクルイベントや商業施設等のRITプログラムのホストと直接関連することである。これには、リサイクルのために製品が運び込まれ、RITプログラムを内臓したRITサーバーに追跡エレメントのデータ及び量のデータがロードされる回収点が必然的に関連する。この場合、その場で、又は回収点(POC)で、奨励賞が使用者に与えられる。RITサーバーは、インターネット等のネットワークに接続されていてもよく、全ての情報をネットワークを介して使用者とRITホストとの間でオンラインサイトを使用して交換できる。RITホストがリサイクル処理装置にも設けられていてもよいが、RITホストは、回収製品を、リサイクルを実際に行う別の団体に送ることもできる。図6は、この場合を図示し、リサイクル業者とRITホストと使用者との間の通信が、全て、インターネット等のネットワークを介して行われる。本開示の目的のため、サーバーは、一つ又は複数の演算処理装置を持つコンピュータ及びハードディスクドライブ等のコンピュータ読み取り可能記憶媒体、リムーバブルドライブ、又は他のメモリーを含む。実行可能命令を含むRITプログラム等のコンピュータプログラムがコンピュータ読み取り可能記憶媒体に記憶されていてもよい。更に、本発明のコンセプトが与えられた場合、技術者がRITプログラム等のコンピュータプログラムを書き込むことができると考えられる。
【0026】
使用者にその場で与えられる、又は直後に与えられる奨励賞の即時性は別として、回収製品が再循環流でその後どうなるのかを追跡できること、及びこれらの回収製品の最終仕向地についての情報が与えられることは、リサイクルを行おうとする意欲を高めるものと考えられる。これは、二人以上の使用者間で競わせるために回収製品に関するデータを使用する場合に特に言える。これは、RITプログラムを作動する実体によるホストサイトを介して行うことができ、又はオンライン対戦サイト等の第三者のウェブサイトを介して行うこともできる。更に、フェイスブックやツイッター等のソーシャルネットワークサイトをホストにして対戦やイベントを行うのにリサイクルデータを使用できると考えられる。個人、又は組織やチーム等の使用者を奨励賞について競わせ、上述した類似の又は補助的な計算等のデータを追跡することにより、リサイクルの参加人数を増やすことができる。図7は、リサイクル奨励−追跡方法で使用できる構成要素の概略図である。破線で囲ったボックスによって示すように、RITサーバー、製品回収及び追跡エレメント演算処理装置、及びリサイクル処理装置を単一のホストつまり実体が作動してもよい。更に、ネットワークを介してRITサーバーとデータをやりとりする別の実体がこれらの機能の全てを実行できると考えられる。図7でわかるように、使用者は、ソーシャルネットワークサイト又は他の第三者のサイトを使用するネットワークを介してリサイクルに関する情報を共有するばかりでなく、奨励賞及び対戦に参加できる。これにより、製品のセット販売及び他の宣伝努力とリサイクルの努力とを容易に関連させる。組み合わせはたくさんある。奨励賞を使用すること、及び比較、計算、及び対戦をオンラインで行うことができるように下流の追跡データを使用することと、の両方により、リサイクルにもっと参加しようとする意欲を潜在的に強力に押し進めるという本発明の特徴が得られる。
【0027】
本発明の様々な実施例を説明したが、これらの説明は例示であって、限定ではなく、本発明の範囲内で多くの実施例及び実行が可能であるということは、当業者に理解されよう。従って、本発明は、添付の特許請求の範囲及びその等価物等に照らされる以外のことには制限されない。更に、添付の特許請求の範囲内で多くの変形及び変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0028】
100 ステップ
200 識別ステップ



【特許請求の範囲】
【請求項1】
リサイクルプロセスを介して回収された回収製品をコンピュータで追跡する方法において、
前記回収製品を一意的に識別するために前記回収製品に追跡エレメントを割り当て、前記追跡エレメントのデータを前記コンピュータに記憶させるステップと、
前記追跡エレメントのデータをコンピュータプログラムに入力するステップと、
前記回収製品と関連した奨励賞を前記コンピュータプログラムで計算するステップと、
前記賞を使用者に通信するステップと、
前記回収製品についての所期のリサイクル後指定データを前記コンピュータプログラム内に受け取るステップと、
前記リサイクル後指定を使用者に通信するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
リサイクルを行うため、前記回収製品を処理するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記回収製品についての所期のリサイクル後指定を決定するステップと、前記リサイクル後指定と関連したデータを前記コンピュータプログラムに通信するステップとをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記賞を使用者に通信するステップは、ネットワークを介して行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記リサイクル後指定を使用者に通信するステップは、ネットワークを介して行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
使用者についての奨励賞計算と、前記所期のリサイクル後指定データと、を記憶させるステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
使用者間対戦を可能にするように、第1使用者についての前記奨励賞計算又は前記所期のリサイクル後指定データと、第2使用者についての前記奨励賞計算又は前記所期のリサイクル後指定データとを比較するステップをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記使用者間対戦は、オンラインインターフェースを介して行われる、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
使用者についての前記奨励賞計算又は前記所期のリサイクル後指定データを、グラフィック表示するステップをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記リサイクル後指定データを使用して類似の計算を行い、前記回収製品の使用例を提供するステップをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項11】
前記奨励賞は、製品、クーポン、リベート、ギフトポイント、褒賞ポイント、ギフトカード、クレジット、賞金、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記奨励賞計算と、使用者への奨励賞と、を記憶させるステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
使用者間対戦を可能にするように、第1使用者についての前記奨励賞計算と、第2使用者についての前記奨励賞計算と、を比較するステップをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記使用者間対戦は、オンラインインターフェースを通して行われる、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記賞を使用者に通信するステップは、ネットワークを介して行われる、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記追跡エレメントは、前記回収製品又はこれらの回収製品のバッチに付与された、光学機械で読み取り可能なデータ表示、RFIDチップ、および他の機械翻訳可能デバイスからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記回収製品についての所期のリサイクル後指定データを受け取るステップは、前記追跡エレメントを機械で検出することによって行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記回収製品についての所期のリサイクル後指定データを受け取る前記ステップは、リサイクル処理装置の位置からの入力を介して行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
特定の回収製品の第1構成要素は、第1の所期のリサイクル後指定を有し、特定の回収製品の第2構成要素は、第2の所期のリサイクル後指定を有し、
前記回収製品を一意的に識別するために追跡エレメントを前記回収製品に割り当て、前記追跡エレメントのデータを前記コンピュータに記憶させるステップは、前記特定の回収製品の第1構成要素に第1追跡エレメントを割り当て、前記特定の回収製品の第2構成要素に第2追跡エレメントを割り当てるステップと、前記第1追跡エレメントのデータおよび前記第2追跡エレメントのデータの両方をコンピュータに記憶させるステップと、を含み、
所期のリサイクル後指定データを受け取る前記ステップは、前記特定の回収製品の第1構成要素についての前記第1の所期のリサイクル後指定と、前記特定の回収製品の第2構成要素についての前記第2の所期のリサイクル後指定データと、を前記コンピュータプログラム内に受け入れるステップを含み、
前記所期のリサイクル後指定を使用者に通信する前記ステップは、前記第1の所期のリサイクル後指定および前記第2の所期のリサイクル後指定の両方を使用者に通信するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
回収製品のリサイクルを奨励する方法であって、
前記回収製品を一意的に識別するために前記回収製品に追跡エレメントを割り当て、前記追跡エレメントのデータをコンピュータに記憶させるステップと、
前記追跡エレメントのデータをコンピュータプログラムに入力するステップと、
前記回収製品と関連した奨励賞を前記コンピュータプログラムで計算するステップと、
前記賞を使用者に通信するステップと、
リサイクル処理が行われる場所を通過する前記追跡エレメントを機械で検出することにより、前記回収製品についての所期のリサイクル後指定データを、前記コンピュータプログラム内に受け取るステップと、
前記リサイクル後指定を使用者に通信するステップと、
使用者についての奨励賞計算および前記所期のリサイクル後指定データを記憶させるステップと、
第1使用者についての前記奨励賞計算又は前記所期のリサイクル後指定データと、第2使用者についての前記奨励賞計算又は前記所期のリサイクル後指定データとを比較し、使用者間対戦を可能にするステップと、
を含む、方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−160179(P2012−160179A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−12734(P2012−12734)
【出願日】平成24年1月25日(2012.1.25)
【出願人】(505424859)ナイキ インターナショナル リミテッド (249)