説明

サイロの排気装置

【課題】周辺地域の騒音環境を改善することのできるサイロの排気装置を提供する。
【解決手段】サイロ本体10,10上の排気口18,18に接続されるパルスエアー逆洗式のフィルタバッグ20を備えたサイロの排気装置であって、前記フィルタバッグ20をサイロ本体10から外して地上付近に設置したものであり、複数個のサイロ本体10からの排気管を合流して、前記フィルタバッグ20を接続した上で、前記フィルタバッグ20を防音箱50で覆った構成のものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋外に設置されるサイロの排気装置に関し、詳しくはサイロ上の排気口に接続されるパルスエアー逆洗式のフィルタバッグを備えた排気装置に係るものである。
【背景技術】
【0002】
図3は従来の一例におけるサイロ1aの概略構成図である。なお、同図中の黒三角矢印A〜E,H,Iは搬送空気或いは粉粒体の搬送方向、白三角矢印F,Gはパルスエアーの流れ方向を示している。従来のサイロ1aは、例えば図3に示すように、頂部11と、側部12と、底部13とを有する縦型円筒状のサイロ本体10を備えており、このサイロ本体10内に粉粒体供給管14から供給される粉粒体15が貯留されるとともに、サイロ本体10の底部13に接続された粉粒体排出管17の粉粒体排出弁16を通じて、サイロ本体10内に貯留された粉粒体15を適宜タイミングで外部に排出するようになっている。
【0003】
そして、サイロ本体10上の排気口18にフィルタバッグ20を直接接続しており、このフィルタバッグ20の働きにより、サイロ本体10内に供給される粉粒体15が排気管19から外部に撒き散らされ、環境汚染となることを防止するようになっている。具体的には、フィルタバッグ20のフィルタ本体25で粉粒体15を補足するのであるが、サイロ1aを運転していると、フィルタ本体25は、そこで補足した粉粒体15による目詰まりを生じて、サイロ1aの運転が困難となってくる。かかる事態を解消して、サイロ1aの連続運転を行うために、フィルタ本体25を通過する空気の流れと逆方向からパルスエアー(パルスジェット)をノズル31から噴出して、フィルタ本体25を逆洗するパルスエアー装置30が設けられていた(例えば特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1のパルスエアー装置30では、パルスエアーは音速に近い速度でノズル31から吐出されるため、2000〜4000Hzの高周波音(以下、「パルス音」という。)が発生する。
【0005】
ところが、近年のサイロ1aの大型化に伴い、サイロ本体10の高さ寸法が大きくなるとともに、フィルタバッグ20も大型化してきている。このため、パルスエアー装置30のパルスエアーを発生させるためのパルスエアー弁32も大口径のものが使われるようになったことから、パルス音も大きくなり、サイロ1aが設置された周辺地域の騒音環境を悪化させることとなった。また、サイロ本体10の高さ寸法が大きくなると、周囲に遮るものが殆どなくなることから、パルス音が遠方まで届きやすくなり、特に夜間の連続運転においては、気流にのってパルス音がさらに遠方にまで届きやすくなることから、一層深刻な事態となった。
【0006】
また、サイロ本体10の高さ寸法が大きくなると、フィルタバッグ20のメンテナンスのために、サイロ本体10の頂部11に上って高所作業を行うこととなり、そのメンテナンス作業が困難なものとなる。
【0007】
また、冬の寒い時期には、パルスエアー弁32及びこのパルスエアー弁32を開閉させるための図示しない弁開閉用電磁弁内の水分が凍って、それらの弁が作動しなくなることにより、フィルタ本体25が目詰まりし、その役割を果たせなくなってしまうおそれがあった。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、周辺地域の騒音環境等を改善することのできるサイロを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、屋外に設置されるサイロの排気口から排出される空気中の粉粒体を、パルスエアー逆洗式のフィルタバッグを用いて分離除去する装置であって、前記フィルタバッグを、パルスエアー逆洗時の騒音レベルを低減しうるように、前記サイロの排気口よりも下方に配設したことを特徴とするものである。
【0010】
本発明によれば、前記フィルタバッグを、パルスエアー逆洗時の騒音レベルを低減しうるように、前記サイロの排気口よりも下方に配設したので、従来のように、サイロの排気口に直接フィルタバッグを接続した場合に比べて、騒音源の位置が低くなる。したがって、周囲に遮るものが多くなることから、騒音が遠方まで届きにくくなり、夜間の連続運転を含めて、サイロが設置された周辺地域の騒音環境が大きく改善される。
【0011】
また、本発明によれば、サイロに上って作業をする必要がなくなるから、フィルタバッグの掃除などのメンテナンスも簡単に出来るようになる。
【0012】
さらに、本発明によれば、冬の寒い時期にも、パルスエアー弁及び弁開閉用電磁弁内の水分が凍りにくくなり、それらの弁の作動不良がなくなる。その結果、フィルタ本体が目詰まりするおそれがなくなり、その役割を維持することができる。
【0013】
請求項2記載の発明のように、前記サイロは地上から支持された縦長のサイロ本体を有しており、前記サイロの排気口を前記サイロ本体の頂部付近に配設するとともに、前記フィルタバッグを地上付近に配設することが好ましい。
【0014】
請求項2記載の発明によれば、前記サイロは地上から支持された縦長のサイロ本体を有しており、前記サイロの排気口を前記サイロ本体の頂部付近に配設するとともに、前記フィルタバッグを地上付近に配設したので、夜間の連続運転を含めて、サイロが設置された周辺地域の騒音環境がさらに大きく改善される。メンテナンスもさらに簡単に出来るようになる。冬の寒い時期にも、パルスエアー弁及び弁開閉用電磁弁内の水分が凍りにくくなり、それらの弁の作動不良がなくなる結果、フィルタ本体が目詰まりするおそれがなくなり、その役割をさらに確実に維持することができるようになる。
【0015】
ところで、複数のサイロ本体を有する場合であっても、必ずしも同数のフィルタバッグを設ける必要はない。そこで、請求項3記載の発明のように、前記サイロ本体は複数であり、各サイロ本体の排気口に接続される排気管を合流して、前記フィルタバッグに接続することが好ましい。
【0016】
請求項3記載の発明によれば、前記サイロ本体は複数であり、各サイロ本体の排気口に接続される排気管を合流して、前記フィルタバッグに接続したので、サイロ本体の個数に対して、フィルタバッグの個数を少なくすることができる。この場合には、フィルタバッグに接続されるサイロ本体からの排気量の合計を処理するために、フィルタバッグの容量は大きくなるものの、簡単な装置構成となり、コストを抑えることが出来る。なお、フィルタバッグの容量が大きくなれば、エアーパルス弁の口径も大きくなり、その分だけパルス音(騒音)も大きくなるものの、サイロ本体の排気口よりもフィルタバッグの高さ位置を下げたことによる周辺地域への騒音環境の改善効果の方が大きくなる場合に請求項2記載の発明を適用すればよい。
【0017】
また、フィルタバッグをサイロの排気口よりも低い位置に設置することにより、防音対策をとりやすくなる。そこで、請求項4記載の発明のように、前記フィルタバッグを防音壁で覆うことが好ましい。
【0018】
請求項4記載の発明によれば、前記フィルタバッグを防音壁で覆ったので、より確実にパルスエアーの騒音を防ぐことが出来る。また、この場合は、フィルタバッグが直接外気に晒されることがなくなるので、冬の寒い時期にも、パルスエアー弁及び弁開閉用電磁弁内の水分がさらに凍りつきにくくなり、凍結防止の効果もある。
【0019】
また、すでに他のフィルタバッグが地上付近に設置されているときには、請求項5記載の発明のように、前記フィルタバッグとして、地上付近に設置された他のフィルタバッグを兼用することが好ましい。
【0020】
請求項5記載の発明によれば、前記フィルタバッグとして、地上付近に設置された他のフィルタバッグを兼用することにより、専用のフィルタバッグが不要となるので、さらに簡単な装置構成となり、コストを抑えることが出来る。
【0021】
また、フィルタバッグをサイロ本体から離れた位置におくと、両者間の排気管が長くなることから、スムーズな排気を行えなくなるおそれがある。そこで、請求項6記載の発明のように、前記フィルタバッグで粉粒体を分離除去した空気を、ブロアで吸引して外気に放出するように構成することが好ましい。
【0022】
請求項6記載の発明によれば、前記フィルタバッグで粉粒体を分離除去した空気を、ブロアで吸引して外気に放出するように構成したので、よりスムーズな排気を行うことができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、前記フィルタバッグを、パルスエアー逆洗時の騒音レベルを低減しうるように、前記サイロの排気口よりも下方に配設したので、従来のように、サイロの排気口に直接フィルタバッグを接続した場合に比べて、騒音源の位置が低くなる。したがって、周囲に遮るものが多くなることから、騒音が遠方まで届きにくくなり、夜間の連続運転を含めて、サイロが設置された周辺地域の騒音環境が大きく改善される。
【0024】
また、本発明によれば、サイロに上って作業をする必要がなくなるから、フィルタバッグの掃除などのメンテナンスも簡単に出来るようになる。
【0025】
さらに、本発明によれば、冬の寒い時期にも、パルスエアー弁及び弁開閉用電磁弁内の水分が凍りにくくなり、それらの弁の作動不良がなくなる。その結果、フィルタ本体が目詰まりするおそれがなくなり、その役割を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施形態に係るサイロの概略構成図である。
【図2】フィルタバッグまわりの概略構成図である。
【図3】従来の一例におけるサイロの概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は、本発明の一実施形態に係るサイロ1の概略構成図、図2はフィルタバッグ20まわりの概略構成図である。なお、図1においては、説明の便宜上、サイロ本体10,10の高さ寸法の大きさに比べて、フィルタバッグ20等の大きさを誇張している。また、図1,2中の黒三角矢印A〜E,H,Iは搬送空気或いは粉粒体の搬送方向、白三角矢印F,Gはパルスエアーの流れ方向を示している。
【0028】
本発明の一実施形態に係るサイロ1は、例えば図1に示すように、屋外に設置されるものであって、2基のサイロ本体10,10に対して、フィルタバッグ20と、パルスエアー装置30と、ブロア40と、防音箱(防音壁に相当する。)50とをそれぞれ1組だけ備えており、これらの要素20〜50で排出装置を構成している。
【0029】
サイロ本体10は、例えば円板からなる頂部11と、長尺円筒状の側部12と、円錐ホッパ状の底部13とからなる、鋼鉄製の縦型円筒状のものであって、その底部13が地上から延びる図示しないサポートで支持されているものとする。頂部11の適所には、粉粒体供給管14が接続されており、この粉粒体供給管14を通じて外部から空気搬送されてくる、粉粒体15を、サイロ本体10内に取り込むようになっている。この粉粒体15は、例えば、ろう石、けい石などを粉砕して、適宜分級したものである。
【0030】
サイロ本体10内に取り込まれた粉粒体15は、ここで重力落下して搬送空気とほぼ分離され、いわゆる粉体角でもって積層されることにより、サイロ本体10内のレベルを上昇させる。また、底部13の粉粒体排出管17に設けられた粉粒体排出弁16を開閉することにより、底部13から適宜タイミングで外部に排出され、これにより、サイロ本体10内の粉粒体15のレベルを降下させる。このレベルは、マニュアルで制御するか、或いは、サイロ本体10内に備えた図示しないレベルセンサからの出力信号により、これも図示しないコントローラが自動制御するようになっている。
【0031】
一方、サイロ本体10内で、粉粒体15がほぼ分離された搬送空気は、頂部11の中央の排気口18から排気管19を通り、その途中で、他のサイロ本体10の排気管19と合流することにより、他のサイロ本体10からの搬送空気と一体となって、フィルタバッグ20へと案内されるようになっている。すなわち、ここでは、2基のサイロ本体10に対して、フィルタバッグ20は1個だけ設けることでよいものとしている。この場合には、フィルタバッグ20に接続されるサイロ本体10からの排気量の合計を処理するために、フィルタバッグ20の容量は大きくなるものの、簡単な装置構成となり、コストを抑えることが出来る。
【0032】
フィルタバッグ20は、図2に示すように、これも頂部21と、側部22と、底部23とからなる、縦型円筒状のものであるが、その設置位置は地上付近であるものとして、サイロ本体10の排気口18よりもできるだけ下方となるようにしている。そして、側部22の軸直角方向に設けられた仕切板24を貫通するように、円筒状のフィルタ本体25が取り付けられており、この側部22の仕切板24よりも下方に前記排気管19が接続されている。底部23の最下部には排出弁26を介して排出管27が接続されている。頂部21の中央部には排気管41が接続されており、この排気管41の途中にブロア40を設けて強制排気を行うようになっている。
【0033】
フィルタバッグ20をサイロ本体10から離れた位置におくと、両者間の排気管19が長くなることから、管路抵抗が増大して、スムーズな排気を行えなくなるおそれがあるところ、フィルタバッグ20で粉粒体15を分離除去した空気を、ブロア40で吸引して外気に放出するように構成することとしたので、よりスムーズな排気を行うことができる。
【0034】
フィルタ本体25は、粉粒体を通過させず、かつ、空気だけを通過させることのできるスリット状、網状、多孔板等のいわゆるメッシュ構造である。要は、その使用時に外部圧力がかかったとしても、簡単には潰れないような構造であって、かつ、空気の通過を妨げないものであればなんでもよい。
【0035】
パルスエアー装置30は、フィルタバッグ20のフィルタ本体25にパルスエアー(パルスジェットともいう。)を供給して、フィルタ本体25の逆洗をするためのものである。このため、パルスエアー装置30は、その先端部が仕切板24の上方部分を貫通して横設されたノズル31と、ノズル31の基部付近に設けられた例えばダイアフラム式のパルスエアー弁32と、このパルスエアー弁32を開閉させるための図示しない弁開閉用電磁弁とを備えている。そして、図示しないコントローラからの指令により、弁開閉用電磁弁を作動させることで、パルスエアー弁32を作動させて、高圧空気を瞬間的に噴射させ、この高圧空気がフィルタ本体25内部に突入したときのショックによる振動とフィルタ本体25の外部に向かって逆流する空気でもって、フィルタ本体25に付着した粉粒体を払い落とすようになっている。
【0036】
防音箱50は、フィルタバッグ20の全体を覆うような大きさの鋼製の筐体であるが、その内側に吸音材を貼り付けることが好ましい。このようにして、より確実にパルスエアーの騒音を防ぐことが出来る。また、この場合は、フィルタバッグ20が直接外気に晒されることがなくなるので、冬の寒い時期にも、パルスエアー弁32及び弁開閉用電磁弁内の水分がさらに凍りつきにくくなり、凍結防止の効果もある。
【0037】
以下、このサイロ1の使用時の手順について概略説明する。
【0038】
まず、サイロ本体10における頂部11の適所に接続された粉粒体供給管14を通じて外部から空気搬送されてくる粉粒体15を、サイロ本体10内に取り込む(図1中の黒三角矢印のA,B参照)。
【0039】
サイロ本体10内に取り込まれた粉粒体15は、重力落下することにより、ここで搬送空気とほぼ分離されて、いわゆる粉体角でもって積層されることにより、サイロ本体10内のレベルを上昇させる。また、底部13の粉粒体排出管17に設けられた粉粒体排出弁16を適宜タイミングで開閉することにより、サイロ本体10内に取り込まれた粉粒体15を底部13から外部に排出し、これにより、サイロ本体10内の粉粒体15のレベルを降下させる(図1中の黒三角矢印のC参照)。
【0040】
一方、サイロ本体10内で、粉粒体15とほぼ分離された搬送空気は、頂部11の中央の排気口18から排気管19を通り、その途中で、他のサイロ本体10の排気管19と合流することにより、他のサイロ本体10からの搬送空気と一体となって、フィルタバッグ20へと案内される(図1中の黒三角矢印のD,E参照)。
【0041】
フィルタバッグ20に案内された前記搬送空気は、フィルタ本体25を通じてその頂部21に接続された排気管41からブロア40で外部に強制排出される(図1,図2中の黒三角印のI参照)。その際、搬送空気に伴って送られてきた粉粒体15はこのフィルタ本体25の外側に付着することにより、その搬送空気からほぼ完全に分離除去される。
【0042】
したがって、粉粒体15をほぼ完全に分離除去した搬送空気だけが、前記ブロア40で外部に強制排出されるので、環境汚染を防止することができる。
【0043】
サイロ1を連続運転すると、前記フィルタバッグ20のフィルタ本体25の外部に付着した粉粒体が漸増してくるので、やがて、フィルタ本体25が目詰まりしてしまい、ついにはフィルタ効果を阻害することとなる。
【0044】
そこで、サイロ1の連続運転中にあっては、パルスエアー装置30を作動させることが必要となる。すなわち、図示しない制御装置からの指令により、弁開閉用電磁弁を作動させることで、パルスエアー弁32を作動させて、高圧空気を瞬間的に噴射させる(図1,図2中の白三角矢印のF,G参照)。この高圧空気がフィルタ本体25内部に突入したときのショックによる振動とフィルタ本体25の外部に向かって逆流する空気でもって、フィルタ本体25に付着した粉粒体15を払い落とす。
【0045】
このときでも、本実施形態では、フィルタバッグ20の全体を防音箱50で覆っているので、パルスエアー逆洗時に発生するパルス音が外部に漏れることをより確実に防ぐことが出来る。また、この場合は、フィルタバッグ20が直接外気に晒されることがなくなるので、冬の寒い時期にも、パルスエアー弁32及び弁開閉用電磁弁内の水分がさらに凍りつきにくくなり、凍結防止の効果もある。
【0046】
フィルタ本体25から払い落とした粉粒体15は、フィルタバッグ20の底部23の最下部に設けられた排出弁26を適宜のタイミングで開閉することにより、排出管27を通じて外部に排出されて回収される(図2中の黒三角矢印のH参照)。
【0047】
以上説明したように、本実施形態によれば、フィルタバッグ20をサイロ本体10から外して地上付近に設置したので、従来のように、サイロ1の排気口18に直接フィルタバッグ20を接続した場合に比べて、騒音源の位置が低くなる。したがって、周囲に遮るものが多くなることから、騒音が遠方まで届きにくくなり、夜間の連続運転を含めて、サイロ1が設置された周辺地域の騒音環境が大きく改善される。
【0048】
また、本実施形態によれば、サイロ本体10の頂部11に上って高所作業を行う必要がなくなるから、フィルタバッグ20の掃除などのメンテナンスも簡単に出来るようになる。
【0049】
さらに、本実施形態によれば、冬の寒い時期にも、パルスエアー弁32及び弁開閉用電磁弁内の水分が凍りにくくなり、それらの弁の作動不良がなくなる。その結果、フィルタ本体が目詰まりするおそれがなくなり、その役割を維持することができる。
【0050】
なお、上記実施形態では、サイロ本体10は縦型円筒状のものとしたが、縦型多角筒状のものであってもよい。また、上記実施形態では、サイロ1は、2個のサイロ本体10,10を備えた場合を例示したが、サイロ本体10は、1個の場合であってもよいし、或いは、3個以上の場合であってもよい。
【0051】
また、上記実施形態では、2基のサイロ本体10に対して、フィルタバッグ20を個別に設けるのではなく、容量の大きなフィルタバッグ20を1個だけ設けることとしている。しかしながら、フィルタバッグ20の容量が大きくなれば、エアーパルス弁32の口径も大きくなり、その分だけパルス音(騒音)も当然に大きくなる。そこで、この騒音増大に比べて、サイロ本体10の排気口18よりもフィルタバッグ20の高さ位置を下げたことによる周辺地域への騒音環境の改善効果の方が大きくなる場合にのみ、上記実施形態のごとく大容量のフィルタバッグ20を適用すればよく、その逆の場合には2基のサイロ本体10に対して小容量のフィルタバッグ20を個別に設けて、それらの高さ位置を下げるだけにとどめることが好ましい。
【0052】
また、上記実施形態では、フィルタバッグ20として、サイロ本体10,10の頂部11,11にそれぞれ設ける予定であったフィルタバッグ20、20の代わりに、新たなフィルタバッグ20を追加したが、その地上付近に設置された他のフィルタバッグを兼用することにより、専用のフィルタバッグが不要となるので、さらに簡単な装置構成となり、コストを抑えることが出来る。
【0053】
また、上記実施形態では、フィルタバッグ20のフィルタ本体25は1個である場合を例示したが、複数個であるのが好ましい。その場合には、あるフィルタ本体25を逆洗している間に、他のフィルタ本体25でもって、搬送空気をフィルタ処理することができる。これにより、サイロ1の連続運転が可能となる。
【0054】
また、上記実施形態では、サイロ本体10の排気口18を、その頂部11の中央部に設けているが、その排気機能を発揮しうる範囲であればどこにあってもよく、例えば側部12のできるだけ高い位置に設けることとしてもよい。また、サイロ本体10の底部13を地上から延ばした図示しないサポートで支持するものとしているが、直接地上から支持する必要性はなく、例えば建物などを介在させてもよい。要は、フィルタバッグ20が、サイロ本体10の排気口18よりも低い位置に設定されて、パルスエアー逆洗時の騒音源ができるだけ低い位置となればよいのである。
【符号の説明】
【0055】
1 サイロ
10 サイロ本体
11 頂部
12 側部
13 底部
14 粉粒体供給管
15 粉粒体
16 粉粒体排出弁
17 粉粒体排出管
18 排気口
19 排気管
20 フィルタバッグ(排気装置の一部に相当する。)
25 フィルタ本体
30 パルスエアー装置(排気装置の一部に相当する。)
31 ノズル
32 パルスエアー弁
40 ブロア(排気装置の一部に相当する。)
41 排気管
50 防音箱(防音壁、排気装置の一部に相当する。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0056】
【特許文献1】特開平5−96113号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋外に設置されるサイロの排気口から排出される空気中の粉粒体を、パルスエアー逆洗式のフィルタバッグを用いて分離除去する装置であって、
前記フィルタバッグを、パルスエアー逆洗時の騒音レベルを低減しうるように、前記サイロの排気口よりも下方に配設したことを特徴とするサイロの排気装置。
【請求項2】
前記サイロは地上から支持された縦長のサイロ本体を有しており、
前記サイロの排気口を前記サイロ本体の頂部付近に配設するとともに、
前記フィルタバッグを地上付近に配設したことを特徴とする請求項1記載のサイロの排気装置。
【請求項3】
前記サイロ本体は複数であり、
各サイロ本体の排気口に接続される排気管を合流して、前記フィルタバッグに接続したことを特徴とする請求項1又は2記載のサイロの排気装置。
【請求項4】
前記フィルタバッグを防音壁で覆ったことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のサイロの排気装置。
【請求項5】
前記フィルタバッグとして、地上付近に設置された他のフィルタバッグを兼用したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のサイロの排気装置。
【請求項6】
前記フィルタバッグで粉粒体を分離除去した空気を、ブロアで吸引して外気に放出するように構成したことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のサイロの排気装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−15654(P2011−15654A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−163465(P2009−163465)
【出願日】平成21年7月10日(2009.7.10)
【出願人】(309024619)日本耐火原料株式会社 (1)
【Fターム(参考)】