説明

サトウキビ用糖度向上剤及びこれを用いたサトウキビの登熟促進方法

【課題】増糖効果に優れ、登熟を十分に促進させることのできるサトウキビ用糖度向上剤及びこれを用いたサトウキビの登熟促進方法を提供する。
【解決手段】下記一般式(I)、


(式中のAは酸素原子等を表し、Yは遊離形若しくは塩形のカルボキシル基等を表し、Rはハロゲン原子等を表し、YとRはたがいに結合して−C(=O)−O−CH(CH)−基を形成してもよい。)
で表わされる化合物の少なくとも1種(A)、及び、除草剤(B)を有効成分として含有することを特徴とするサトウキビ用糖度向上剤である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サトウキビの茎、すなわちショ茎の細胞柔組織における糖の蓄積を促進するための糖度向上剤及びそれを用いてサトウキビの茎における糖の蓄積を促進させる、いわゆる登熟促進方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
広大なサトウキビ栽培地域においては、登熟したサトウキビを収穫した後で製糖処理するために、通常、大規模な処理設備が設置されている。このような処理設備を効率的に稼動するには、その処理能力限度までの、できるだけ多くの登熟サトウキビを集め、設備の休止時間を生じないように処理計画を練ることが必要である。
【0003】
しかしながら、広大な栽培地域においては、収穫の時期にタイムラグを生じるため、サトウキビの登熟度合が必ずしも一定でなく、所望の量の原料を確保するには、未登熟地域のサトウキビの登熟を促進させる必要がある。
【0004】
そのため、サトウキビの登熟を促進させるための糖度向上剤についての研究がなされ、これまでにもいくつかの糖度向上剤が提案されている。
【0005】
植物成長抑制剤は、サトウキビの登熟を人為的に促進し、収穫期を人為的に調整でき、可製糖率を高める効果を有することが知られ(非特許文献1参照)、植物成長抑制剤の1つであるグリフォセートを基剤として、いくつかの成長調節剤が提案されている(非特許文献2参照)。
【0006】
また、矮化剤の1種であるサイクロヘキサンジオン系化合物がサトウキビの茎中のBrixを高める効果を有することも知られている(非特許文献3参照)。更に、幾つかの特定のピリミジン化合物もサトウキビの登熟を促進することが知られている(特許文献1参照)。
【0007】
このほか、世界最大のサトウキビ生産国であるブラジルにおいては、エテホン、スルホメツロン・メチル、グリホサート、フルアジホップ、トリネキサパックエチルなどが、サトウキビの糖度を向上させる目的で用いられている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】「ツッカー(Zucker)」、第7巻、1954年、p.329
【非特許文献2】「エイチ・アイ・シュガー・テクツ・レポート(HI. Sugar Techgts. Rept.)」、第30巻、1977年、p.63−66
【非特許文献3】「熱帯農業」、第34巻、第4号、1990年、p.260−264
【特許文献1】WO2009/054480A1公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、これまで知られている糖度向上剤では、増糖効果が少なく、登熟を十分に促進させることができなかった。
【0010】
そこで本発明の目的は、増糖効果に優れ、登熟を十分に促進させることのできるサトウキビ用糖度向上剤及びこれを用いたサトウキビの登熟促進方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、これまで除草剤として用いられてきた化合物の中の特定のピリミジン化合物と他の除草剤を組み合わせることにより、サトウキビの登熟を強力に促進し得る糖度向上剤が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
すなわち、本発明のサトウキビ用糖度向上剤は、下記一般式(I)、

(式中のAは酸素原子、硫黄原子又はヒドロキシメチレン基を表し、Yは遊離形若しくは塩形のカルボキシル基、分岐を有してもよい炭素原子数1〜10のアルキルオキシカルボニル基、ハロゲン化メチルスルホニルアミノ基又はジフェニルメチリデンイミノオキシカルボニル基を表し、Rはハロゲン原子、分岐を有してもよい炭素原子数1〜10のアルキル基、分岐を有してもよい炭素原子数1〜10のヒドロキシアルキル基、分岐を有してもよい炭素原子数1〜10のアルコキシアルキル基、分岐を有してもよい炭素原子数1〜10のアルコキシイミノアルキル基又は4,6‐ジメトキシピリミジン‐2‐イルオキシ基を表し、YとRはたがいに結合して−C(=O)−O−CH(CH)−基を形成してもよい。)
で表わされる化合物の少なくとも1種(A)、及び、除草剤(B)を有効成分として含有することを特徴とするものである。
【0013】
本発明のサトウキビ用糖度向上剤は、前記化合物(A)が下記式、

で表わされるものであることが好ましい。
【0014】
また、本発明のサトウキビ用糖度向上剤は、前記化合物(A)として下記式、

で表わされるものを好適に用いることができる。
【0015】
また、本発明のサトウキビ用糖度向上剤は、前記化合物(A)として下記式、

で表わされるものを好適に用いることができる。
【0016】
また、本発明のサトウキビ用糖度向上剤は、前記化合物(A)として下記式、

で表わされるものを好適に用いることができる。
【0017】
また、本発明のサトウキビ用糖度向上剤は、前記化合物(A)として下記式、

で表わされるものを好適に用いることができる。
【0018】
また、本発明のサトウキビ用糖度向上剤は、前記化合物(A)として下記式、

で表わされるものを好適に用いることができる。
【0019】
本発明のサトウキビの登熟促進方法は、栽培中のサトウキビに対し、収穫適期より15〜60日前に前記サトウキビ用糖度向上剤を適用することを特徴とするものである。
【0020】
また、本発明のサトウキビの登熟促進方法は、栽培中のサトウキビに対し、そのショ茎中の汁液の可溶性固形分の濃度(Brix)が、収穫適期の平均的なBrix値の80〜90%に達した時期に前記サトウキビ用糖度向上剤を適用することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0021】
本発明の糖度向上剤を用いると、広大なサトウキビ栽培地域において、未登熟のサトウキビ栽培区域に対し、登熟を促進させて適正な糖度にコントロールすることにより、大規模の処理設備を無駄なく利用することができる。また、サトウキビからの糖の収量を増大させるという効果も奏される。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明のサトウキビ用糖度向上剤及びこれを用いたサトウキビの登熟促進方法について詳細に説明する。
【0023】
上記一般式(I)におけるAは、酸素原子又は硫黄原子であるか、あるいは−CH(OH)−で表わされるヒドロキシメチレン基である。
【0024】
上記一般式(I)におけるYは、−COOM{ただし、MはH、Na、Kのようなアルカリ金属、1/2Mg、1/2Ca、1/2Baのようなアルカリ土類金属の一価相当数又は一般式

(式中、R、R、R及びRは、それぞれ独立して水素原子、分岐を有してもよい炭素原子数1〜10のアルキル基、フェニル基、又は、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アルコキシ基で置換されたアルキル基又はフェニル基である]で示されるアンモニウムイオン又は第四級アンモニウムイオンである)で表わされる遊離形又は塩形のカルボキシル基、一般式−COOR(式中のRは分岐を有してもよい炭素原子数1〜10のアルキル基である)で表わされるアルキルオキシカルボニル基、一般式−HNSO−CX−(式中のXの少なくとも1個はハロゲン原子、残りは水素原子である)で示されるハロゲン化メチルスルホニルアミノ基又はジフェニルメチリデンイミノオキシカルボニル基である。上記のアルキル基としては、低級アルキル基すなわち炭素数1〜6のアルキル基がより好ましい。
【0025】
上記一般式(I)におけるRは塩素原子、臭素原子、フッ素原子、ヨウ素原子のようなハロゲン原子、直鎖状又は枝分れ状の炭素原子数1〜10のアルキル基、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、へプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基である。また、Rはヒドロキシル基、アルコキシ基又はアルコキシイミノ基をもつ炭素原子数1〜10の直鎖/分岐鎖アルキル基、又は4,6‐ジメトキシピリミジン‐2‐イルオキシ基であってもよい。上記のヒドロキシル基、アルコキシ基又はアルコキシイミノ基は、アルキル基の1‐位で置換されているのが好ましく、1‐アルコキシイミノアルキル基の例としては1‐メトキシイミノエチル基が挙げられる。また、RとYが結合して−C(=O)−O−CH(CH)−基すなわちラクトン環を形成していてもよい。
【0026】
この一般式(I)で表わされる化合物の好ましい例としては、
(イ)ビスピリバックナトリウム塩

(ロ)ピリチオバックナトリウム塩

(ハ)ピリミノバックメチル

(ニ)ピリミスルファン

(ホ)ピリベンゾキシム

(ヘ)ピリフタリド

などを挙げることができる。
【0027】
上記の化合物(イ)〜(へ)は、除草剤として、特開平1−230561号公報、特開平1−250365号公報、特開平4−134073号公報、特開2000−44546号公報、国際公開第91/5781号パンフレット、欧州特許出願公開第658549号明細書等に記載されている公知の化合物である。
【0028】
また、ビスピリバックナトリウム、ピリチオバックナトリウム、ピリミノバックメチル、ピリベンゾキシム、ピリフタリドは市販されており、容易に入手できる。
【0029】
本発明の糖度向上剤は、前記一般式(I)で表わされる化合物の少なくとも1種(A)を有効成分のひとつとして含有する。本発明の糖度向上剤中の(A)の含有量は特に限定されないが、好ましくは、糖度向上剤100質量部に対して1〜80質量部、より好ましくは、10〜40質量部である。
【0030】
上記除草剤(B)としては、上記一般式(I)で表される化合物以外の除草剤を使用する。そのような除草剤の例としては、下記のものを挙げることができる。
2,3,6‐TBA、2,4‐D、2,4‐DB、DNOC、EPTC、HC‐252、HOK‐201、MCPA、MCPA・チオエチル(MCPA-thioethyl)、MCPB、S‐メトラクロール(S-metolachlor)、TH‐547、アイオキシニル(ioxynil)、アクロニフェン(aclonifen)、アザフェニジン(azafenidin)、アシフルオルフェン(acifluorfen-sodium)、アジムスルフロン(azimsulfuron)、アシュラム(asulam)、アセトクロール(acetochlor)、アトラジン(atrazine)、アニロホス(anilofos)、アミカルバゾン(amicarbazone)、アミドスルフロン(amidosulfuron)、アミトロール(amitrole)、アミノピラリド(aminopyralid)、アメトリン(ametryn)、アラクロール(alachlor)、アロキシジム(alloxydim)、イオドスルフロン(iodosulfulon-methyl-sodium)、イソウロン(isouron)、イソキサフルトール(isoxaflutole)、イソキサベン(isoxaben)、イソプロツロン(isoproturon)、イマザキン(imazaquin)、イマザピク(imazapic)、イマザピル(imazapyr)、イマザメタベンズ(imazamethabenz-methyl)、イマザモックス(imazamox)、イマゼタピル(imazethapyr)、イマゾスルフロン(imazosulfuron)、インダノファン(indanofan)、エスプロカルブ(esprocarb)、エタメトスルフロン・メチル(ethametsulfuron-methyl)、エタルフルラリン(ethalfluralin)、エトキシスルフロン(ethoxysulfuron)、エトフメセート(ethofumesate)、エトベンザニド(etobenzanid)、オキサジアゾン(oxadiazon)、オキサジアルギル(oxadiargyl)、オキサジクロメフォン(oxaziclomefone)、オキサスルフロン(oxasulfuron)、オキシフルオルフェン(oxyfluorfen)、オリザリン(oryzalin)、オルトスルファムロン(orthosulfamuron)、オルベンカルブ(orbencarb)、カフェンストロール(cafenstrole)、カルフェントラゾン・エチル(carfentrazone-ethyl)、カルブチレート(karbutilate)、カルベタミド(carbetamide)、キザロホップ(quizalofop-ethyl)、キザロホップ・P・エチル(quizalofop-P-ethyl)、キザロホップ・P・テフリル(quizalofop-P-tefuryl)、キノクラミン(quinoclamine)、キンクロラック(quinclorac)、キンメラック(quinmerac)、クミルロン(cumyluron)、グリホサート(glyphosate)、グリホサート・トリメシウム塩(glyphosate-trimesium)、グルホシネート(glufosinate-ammonium)、グルホシネートナトリウム塩(glufosinate-sodium)、クレトジム(clethodim)、クロジナホップ(clodinafop-propargyl)、クロピラリド(clopyralid)、クロマゾン(clomazone)、クロメプロップ(clomeprop)、クロランスラム・メチル(cloransulam-methyl)、クロリダゾン(chloridazon)、クロリムロン・エチル(chlorimuron-ethyl)、クロルスルフロン(chlorsulfuron)、クロルタル・ジメチル(chlorthal-dimethyl)、クロルチアミド(chlorthiamid)、クロルフタリム(chlorphthalim)、クロルフルレノール(chlorflurenol)、クロルプロファム(chlorpropham)、クロロトルロン(chlorotoluron)、シアナジン(cyanazine)、シアナミド(cyanamide)、ジウロン(diuron)、ジカンバ(dicamba)、シクロエート(cycloate)、シクロキシジム(cycloxydim)、ジクロスラム(diclosulam)、シクロスルファムロン(cyclosulfamuron)、ジクロベニル(dichlobenil)、ジクロホップ・P・メチル(diclofop-P-methyl)、ジクロホップ・メチル(diclofop-methyl)、ジクロルプロップ(dichlorprop)、ジクロルプロップ‐P(dichlorprop-P)、ジクワット(diquat)、ジチオピル(dithiopyr)、シデュロン(siduron)、ジニトラミン(dinitramine)、シニドン・エチル(cinidon-ethyl)、シノスルフロン(cinosulfuron)、ジノテルブ(dinoterb)、シハロホップ・ブチル(cyhalofop-butyl)、ジフェナミド(diphenamid)、ジフェンゾコート(difenzoquat)、ジフルフェニカン(diflufenican)、ジフルフェンゾピル(diflufenzopyr)、シマジン(simazine)、ジメタクロール(dimethachlor)、ジメタメトリン(dimethametryn)、ジメテナミド(dimethenamid)、シメトリン(simetryn)、ジメピペレート(dimepiperate)、ジメフロン(dimefuron)、シンメチリン(cinmethylin)、スルコトリオン(sulcotrione)、スルフェントラゾン(sulfentrazone)、スルホスルフロン(sulfosulfuron)、スルホメツロン・メチル(sulfometuron-methyl)、セトキシジム(sethoxydim)、ターバシル(terbacil)、ダイムロン(daimuron)、ダラポン(dalapon)、チアゾピル(thiazopyr)、チエンカルバゾン(thiencarbazone)、チオベンカルブ(thiobencarb)、チジアジミン(thidiazimin)、チフェンスルフロン・メチル(thifensulfuron-methyl)、デスメディファム(desmedipham)、テニルクロール(thenylchlor)、テブチウロン(tebuthiuron)、テプラロキシジム(tepraloxydim)、テフリルトリオン(tefuryltrion)、テルブチラジン(terbuthylazine)、テルブトリン(terbutryn)、テルブメトン(terbumeton)、テンボトリオン(tembotrione)、トプラメゾン(topramezone)、トラルコキシジム(tralkoxydim)、トリアジフラム(triaziflam)、トリアスルフロン(triasulfuron)、トリアレート(triallate)、トリエタジン(trietazine)、トリクロピル(triclopyr)、トリトスルフロン(tritosulfuron)、トリフルスルフロン・メチル(triflusulfuron-methyl)、トリフルラリン(trifluralin)、トリフロキシスルフロンナトリウム塩(trifloxysulfuron-sodium)、トリベニュロン・メチル(tribenuron-methyl)、ナプタラム(naptalam)、ナプロパミド(napropamide)、ニコスルフロン(nicosulfuron)、ネブロン(neburon)、ノルフルラゾン(norflurazon)、パラコート(paraquat-dichloride)、ハロキシホップ(haloxyfop)、ハロキシホップ・P(haloxyfop-P)、ハロスルフロン・メチル(halosulfuron-methyl)、ピクロラム(picloram)、ピコリナフェン(picolinafen)、ビスピリバック・ナトリウム塩(bispyribac-sodium)、ピノキサデン(pinoxaden)、ビフェノックス(bifenox)、ピペロホス(piperophos)、ピラクロニル(pyraclonil)、ピラスルホトール(pyrasulfotole)、ピラゾキシフェン(pyrazoxyfen)、ピラゾスルフロン・エチル(pyrazosulfuron-ethyl)、ピラゾリネート(pyrazolynate)、ビラナホス(bilanafos)、ピラフルフェン・エチル(pyraflufen-ethyl)、ピリダフォル(pyridafol)、ピリチオバック・ナトリウム塩(pyrithiobac-sodium)、ピリデート(pyridate)、ピリフタリド(pyriftalid)、ピリブチカルブ(pyributicarb)、ピリベンゾキシム(pyribenzoxim)、ピリミスルファン(pyrimisulfan)、ピリミノバック・メチル(pyriminobac-methyl)、ピロキサスルホン(pyroxasulfone)、ピロクススラム(pyroxsulam)、フェノキサスルホン(fenoxasulfone)、フェノキサプロップ・P・エチル(fenoxaprop-P-ethyl)、フェントラザミド(fentrazamide)、フェンメディファム(phenmedipham)、フォラムスルフロン(foramsulfuron)、ブタクロール(butachlor)、ブタフェナシル(butafenacil)、ブタミホス(butamifos)、ブチレート(butylate)、ブトラリン(butralin)、ブトロキシジム(butroxydim)、フラザスルフロン(flazasulfuron)、フラムプロップ・M(flamprop-M)、プリミスルフロン(primisulfuron-methyl)、フルアジホップ(fluazifop-butyl)、フルアジホップ・P(fluazifop-P-butyl)、フルオメツロン(fluometuron)、フルオログリコフェン(fluoroglycofen-ethyl)、フルカルバゾン・ナトリウム塩(flucarbazone-sodium)、フルセトスルフロン(flucetosulfuron)、フルチアセット・メチル(fluthiacet-methyl)、フルピルスルフロン(flupyrsulfuron-methyl-sodium)、フルフェナセット(flufenacet)、フルフェンピル・エチル(flufenpyr-ethyl)、フルプロパネート(flupropanate)、フルポキサム(flupoxame)、フルミオキサジン(flumioxazin)、フルミクロラック・ペンチル(flumiclorac-pentyl)、フルメツラム(flumetsulam)、フルリドン(fluridone)、フルルタモン(flurtamone)、フルロキシピル(fluroxypyr)、フルロクロリドン(flurochloridone)、プレチラクロール(pretilachlor)、プロジアミン(prodiamine)、プロスルフロン(prosulfuron)、プロスルホカルブ(prosulfocarb)、プロパキザホップ(propaquizafop)、プロパクロール(propachlor)、プロパジン(propazine)、プロパニル(propanil)、プロピザミド(propyzamide)、プロピソクロール(propisochlor)、プロファム(propham)、プロポキシカルバゾン・ナトリウム塩(propoxycarbazone-sodium)、プロホキシジム(profoxydim)、ブロマシル(bromacil)、プロメトリン(prometryn)、プロメトン(prometon)、ブロモキシニル(bromoxynil)、ブロモブチド(bromobutide)、フロラスラム(florasulam)、ヘキサジノン(hexazinone)、ペトキサミド(pethoxamid)、ベナゾリン(benazolin)、ペノキススラム(penoxsulam)、ベフルブタミド(beflubutamid)、ペブレート(pebulate)、ベンカルバゾン(bencarbazone)、ペンジメタリン(pendimethalin)、ベンズフェンジゾン(benzfendizone)、ベンスリド(bensulide)、ベンスルフロン・メチル(bensulfuron-methyl)、ベンゾビシクロン(benzobicyclon)、ベンゾフェナップ(benzofenap)、ベンタゾン(bentazone)、ペンタノクロール(pentanochlor)、ペントキサゾン(pentoxazone)、ベンフルラリン(benfluralin)、ベンフレセート(benfuresate)、ホサミン(fosamine)、ホメサフェン(fomesafen)、メコプロップ(mecoprop)、メコプロップ‐P・カリウム塩(mecoprop-P)、メソスフロン・メチル(mesosulfuron-methyl)、メソトリオン(mesotrione)、メタザクロール(metazachlor)、メタベンズチアズロン(methabenzthiazuron)、メタミトロン(metamitron)、メタミホップ(metamifop)、メチルダイムロン(methyl-daimuron)、メトキスロン(metoxuron)、メトスラム(metosulam)、メトスルフロン・メチル(metsulfuron-methyl)、メトラクロール(metolachlor)、メトリブジン(metribuzin)、メフェナセット(mefenacet)、モノリニュロン(monolinuron)、モリネート(molinate)、ヨードスルフロンメチルナトリウム塩(iodosulfulon-methyl-sodium)、ラクトフェン(lactofen)、リニュロン(linuron)、リムスルフロン(rimsulfuron)、レナシル(lenacil)。
これらの除草剤の、サトウキビ用糖度向上剤中の含有量は特に限定されないが、好ましくは、糖度向上剤100質量部に対して1〜99質量部、より好ましくは、10〜50質量部である。
【0031】
本発明のサトウキビ用糖度向上剤は、上記の(A)成分と(B)成分とを好ましくは、質量比5:1ないし1:5の割合、より好ましくは2:1ないし1:2の割合で含有する。
【0032】
本発明の糖度向上剤は、栽培中のサトウキビに対し、(A)成分が1ha当り1〜1000g、好ましくは5〜200g、さらに好ましくは20〜40gになるように施用される。(B)成分として、例えばピロキサスルホンを使用する場合には、1ha当り(A)成分5〜200gにピロキサスルホンを1〜1000g、好ましくは10〜500g、さらに好ましくは50〜150gの割合で併用する。
【0033】
本発明のサトウキビ用糖度向上剤は、上記有効成分の他に植物成長調整剤、殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、殺菌剤、微生物製剤、セーフナー、肥料、展着剤、その他農薬に慣用されている添加剤と混合して用いることができる。また、必要に応じて、固体担体、液体担体、界面活性剤、結合剤などを加え、粒剤、粉剤、水和剤、懸濁剤、乳剤、塗布剤などに製剤して適用することができる。
【0034】
本発明のサトウキビ用糖度向上剤に含有できる植物成長調整剤の例としては、下記のものを挙げることができる。
1‐ナフチルアセトアミド(1-naphthylacetamide)、1‐メチルシクロプロペン(1-methylcyclopropene)、2,6‐ジイソプロピルナフタレン(2,6-diisopropylnaphthalene)、4‐CPA、アビグリシン(aviglycine)、アンシミドール(ancymidol)、イナベンフィド(inabenfide)、インドール酢酸(indole-acetic-acid)、インドール酪酸(indole-butyric-acid)、ウニコナゾール(uniconazole)、エチクロゼート(ethychlozate)、エテホン(ethephon)、カルボネ(carvone)、クロキシホナック(cloxyfonac)、クロプロップ(cloprop)、クロルメコート(chlormequat)、サイトカイニン(cytokinins)、シクラニリド(cyclanilide)、ジケグラック(dikegulac)、ジベレリン(gibberellin)、ジメチピン(dimethipin)、シントフェン(sintofen)、ダミノジット(daminodide)、チジアズロン(thidiazuron)、デシルアルコール(n-decanol)、トリアコンタノール(triacontanol)、トリネキサパック・エチル(trinexapac-ethyl)、パクロブトラゾール(paclobutrazol)、フルメトラリン(flumetralin)、フルルプリミドール(flurprimidol)、フルレノール(flurenol)、プロヘキサジオン・カルシウム塩(prohexadione-calcium)、ベンジルアミノプリン(benzylaminopurine)、ホルクロルフェニュロン(forchlorfenuron)、マレイン酸ヒドラジド(maleic-hydrazide)、メピコート・クロリド(mepiquat-chloride)、メフルイジド(mefluidide)。
【0035】
本発明のサトウキビ用糖度向上剤に含有できる殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤の例としては、下記のものを挙げることができる。
1,3‐ジクロロプロペン(1,3-dichloropropene)、CL900167(コード番号)、クリオライト(cryolite)、DCIP、DNOC、EPN、NI‐30(コード番号)、RU15525、スルホキサフロール(sulfoxaflor、IUPAC名:[methyl(oxo){1-[6-(trifluoromethyl)-3-pyridyl]ethyl}-λ6-sulfanylidene]cyanamide)、XMC、ZXI8901、アクリナトリン(acrinathrin)、アザメチホス(azamethiphos)、アジンホス・エチル(azinphos-ethyl)、アジンホス・メチル(azinphos-methyl)、アセキノシル(acequinocyl)、アセタミプリド(acetamiprid)、アセトプロール(acetoprol)、アセフェート(acephate)、アゾシクロチン(azocyclotin)、アバメクチン(abamectin)、アミトラズ(amitraz)、アラニカルブ(alanycarb)、アルジカルブ(aldicarb)、アルファ‐シペルメトリン(alpha-cypermethrin)、アレスリン(allethrin)、イソカルボホス(isocarbophos)、イソキサチオン(isoxathion)、イソフェンホス(isofenphos-methyl)、イソプロカルブ(isoprocarb)、イミシアホス(imicyafos)、イミダクロプリド(imidacloprid)、イミプロトリン(imiprothrin)、インドキサカルブ(indoxacarb)、エスフェンバレレート(esfenvalerate)、エチオフェンカルブ(ethiofencarb)、エチオン(ethion)、エチプロール(ethiprole)、エトキサゾール(etoxazole)、エトフェンプロックス(etofenprox)、エトプロホス(ethoprophos)、エマメクチン(emamectin)、エンドスルファン(endosulfan)、エンペントリン(empenthrin)、オキサミル(oxamyl)、オキシジメトン・メチル(oxydemeton-methyl)、オメトエート(omethoate)、カズサホス(cadusafos)、カランジン(karanjin)、カルタップ(cartap)、カルバリル(carbaryl)、カルボスルファン(carbosulfan)、カルボフラン(carbofuran)、ガンマ・シハロトリン(gamma-cyhalothrin)、キシリルカルブ(xylylcarb)、キナルホス(quinalphos)、キノプレン(kinoprene)、キノメチオネート(chinomethionat)、クマホス(coumaphos)、クロチアニジン(clothianidin)、クロフェンテジン(clofentezine)、クロマフェノジド(chromafenozide)、クロラントラニリプロール(chlorantraniliprole)、クロルエトキシホス(chlorethoxyfos)、クロルデン(chlordane)、クロルピクリン(chloropicrin)、クロルピリホス(chlorpyrifos)、クロルピリホス・メチル(chlorpyrifos-methyl)、クロルフェナピル(chlorfenapyr)、クロルフェンビンホス(chlorfenvinphos)、クロルフルアズウロン(chlorfluazuron)、クロルメホス(chlormephos)、シアジピル(cyazypyr)、シアノホス(cyanophos)、ジアフェンチウロン(diafenthiuron)、ジエノクロル(dienochlor)、シエノピラフェン(cyenopyrafen)、ジクロトホス(dicrotophos)、ジクロフェンチオン(dichlofenthion)シクロプロトリン(cycloprothrin)、ジクロルボス(dichlorvos)、ジコホル(dicofol)、ジシクラニル(dicyclanil)、ジスルホトン(disulfoton)、ジノテフラン(dinotefuran)、ジノブトン(dinobuton)、シハロトリン(cyhalothrin)、シフェノトリン(cyphenothrin)、シフルトリン(cyfluthrin)、ジフルベンズウロン(diflubenzuron)、シフルメトフェン(cyflumetofen)、ジフロビダジン(diflovidazin)、シヘキサチン(cyhexatin)、シペルメトリン(cypermethrin)、ジメチルビンホス(dimethylvinphos)、ジメトエート(dimethoate)、シラフルオフェン(silafluofen)、シロマジン(cyromazine)、スピネトラム(spinetoram)、スピノサド(spinosad)、スピロジクロフェン(spirodiclofen)、スピロテトラマト(spirotetramat)、スピロメシフェン(spiromesifen)、スルコフロン(sulcofuron-sodium)スルフラミド(sulflramid)、スルホテップ(sulfotep)、ゼタ・シペルメトリン(zeta-cypermethrin)、ダイアジノン(diazinon)、タウフルバリネート(tau-fluvalinate)、チアクロプリド(thiacloprid)、チアメトキサム(thiamethoxam)、チオジカルブ(thiodicarb)、チオシクラム(thiocyclam)、チオスルタップ(thiosultap)、チオファノックス(thiofanox)、チオメトン(thiometon)、テトラクロルビンホス(tetrachlorvinphos)、テトラジホン(tetradifon)テトラメスリン(tetramethrin)、テブピリムホス(tebupirimfos)、テブフェノジド(tebufenozide)、テブフェンピラド(tebufenpyrad)、テフルトリン(tefluthrin)、テフルベンズウロン(teflubenzuron)、デメトン・S・メチル(demeton-S-methyl)、テメホス(temephos)、デルタメトリン(deltamethrin)、テルブホス(terbufos)、トラロメトリン(tralomethrin)、トランスフルトリン(transfluthrin)、トリアザメート(triazamate)、トリアゾホス(triazophos)、トリクロルホン(trichlorfon)、トリフルムロン(triflumuron)、トリメタカルブ(trimethacarb)、トルフェンピラド(tolfenpyrad)、ナレッド(naled)、ニコチン(nicotine)、ニテンピラム(nitenpyram)、ノバルロン(novaluron)、ノビフルムロン(noviflumuron)、ハイドロプレン(hydroprene)、バチルスチューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)、バチルス チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)の生産する昆虫毒素、バミドチオン(vamidothion)、パラチオン(parathion)、パラチオン・メチル(parathion-methyl)、ハルフェンプロックス(halfenprox)、ハロフェノジド(halofenozide)、ビオアレスリン(bioallethrin)、ビオレスメトリン(bioresmethrin)、ビストリフルロン(bistrifluron)、ヒドラメチルノン(hydramethylnon)、ビフェナゼート(bifenazate)、ビフェントリン(bifenthrin)、ピメトロジン(pymetrozine)、ピラクロホス(pyraclofos)、ピリダフェンチオン(pyridaphenthion)、ピリダベン(pyridaben)、ピリダリル(pyridalyl)、ピリフルキナゾン(pyrifluquinazon)、ピリプロキシフェン(pyriproxyfen)、ピリミカルブ(pirimicarb)、ピリミジフェン(pyrimidifen)、ピリミホス・メチル(pirimiphos-methyl)、ファムフル(famphur)、フィプロニル(fipronil)、フェナザキン(fenazaquin)、フェナミホス(fenamiphos)、フェニトロチオン(fenitrothion)、フェノキシカルブ(fenoxycarb)、フェノチオカルブ(fenothiocarb)、フェノトリン(phenothrin)、フェノブカルブ(fenobucarb)、フェンチオン(fenthion)、フェントエート(phenthoate)、フェンバレレート(fenvalerate)、フェンピロキシメート(fenpyroximate)、フェンブタンチン・オキシド(fenbutatin-oxide)、フェンプロパトリン(fenpropathrin)、ブトカルボキシム(butocarboxim)、ブトキシカルボキシム(butoxycarboxim)、ブプロフェジン(buprofezin)、フラチオカルブ(furathiocarb)、プラレトリン(prallethrin)、フルアクリピリム(fluacrypyrim)、フルシクロクスロン(flucycloxuron)、フルシトリネート(flucythrinate)、フルスルファミド(flusulfamide)、フルバリネート(fluvalinate)、フルピラゾホス(flupyrazofos)、フルフェネリム(flufenerim)、フルフェノクスウロン(flufenoxuron)、フルベンジアミド(flubendiamide)、フルメトリン(flumethrin)、フルリムフェン(flurimfen)、プロチオホス(prothiofos)、フロニカミド(flonicamid)、プロパホス(propaphos)プロパルギット(propargite)プロフェノホス(profenofos)、プロペタムホス(propetamphos)、プロポキスル(propoxur)、ブロモプロピレート(bromopropylate)、ベータ・シフルトリン(betacyfluthrin)、ヘキサチアゾクス(hexythiazox)、ヘキサフルムロン(hexaflumuron)、ヘプテノホス(heptenophos)、ペルメトリン(permethrin)、ベンクロチアズ(benclothiaz)、ベンスルタップ(bensultap)、ベンゾキシメート(benzoximate)、ベンダイオカルブ(bendiocarb)、ベンフラカルブ(benfuracarb)、ホキシム(phoxim)、ホサロン(phosalone)、ホスチアゼート(fosthiazate)、ホスファミドン(phosphamidon)、ホスメット(phosmet)、ホルメタネート(formetanate)、ホレート(phorate)、マラチオン(malathion)、ミルベメクチン(milbemectin)メカルバム(mecarbam)、メスルフェンホス(mesulfenfos)、メソミル(methomyl)、メタフルミゾン(metaflumizon)、メタミドホス(methamidophos)、メタム(metham)、メチオカルブ(methiocarb)、メチダチオン(methidathion)、メチルイソチオシアネート(methyl-isothiocyanate)、メトキシクロル(methoxychlor)、メトキシフェノジド(methoxyfenozide)、メトトリン(methothrin)、メトフルトリン(metofluthrin)、メトプレン(methoprene)、メビンホス(mevinphos)、モノクロトホス(monocrotophos)、ラムダ・シハロトリン(lambda-cyhalothrin)、ルフェヌロン(lufenuron)、レスメトリン(resmethrin)、レピメクチン(lepmectin)、ロテノン(rotenone)。
【0036】
本発明のサトウキビ用糖度向上剤に含有できる殺菌剤の例としては、下記のものを挙げることができる。
AF‐0201(コード番号)、BAG‐010(コード番号)、BAF‐045(コード番号)、BYF‐14182(コード番号)、copper-dioctanoate、DBEDC、IKF‐309(コード番号)、OK‐5203(コード番号)、S‐2188(コード番号)、SYP‐Z‐048(コード番号)、TPTA、TPTC、TPTH、アシベンゾラル・S・メチル(acibenzolar-S-methyl)、アゾキシストロビン(azoxystrobin)、アミスルブロム(amisulbrom)、アルジモルフ(aldimorph)、硫黄(sulfur)、イソチアニル(isotianil)、イソピラザム(isopyrazam)、イソプロチオラン(isoprothiolane)、イプコナゾール(ipconazole)、イプロジオン(iprodione)、イプロバリカルブ(iprovalicarb)、イプロベンホス(iprobenfos)、イマザリル(imazalil)、イミノクタジン・アルベシル酸塩(iminoctadine-albesilate)、イミノクタジン酢酸塩(iminoctadine-triacetate)、イミベンコナゾール(imibenconazole)、エジフェンホス(edifenphos)、エタボキサム(ethaboxam)、エトキシキン(ethoxyquin)、エトリジアゾール(etridiazole)、エネストロブリン(enestroburin)、エポキシコナゾール(epoxiconazole)、塩基性塩化銅(copper-oxychloride)、オキサジキシル(oxadixyl)、オキサジニラゾール(oxazinylazole)、オキシカルボキシン(oxycarboxin)、オキシキノリン銅(oxine-copper)、オキシテトラサイクリン(oxytetracycline)、オキスポコナゾールフマル酸塩(oxpoconazole-fumarate)、オキソリニック酸(oxolinic-acid)、オクチリノン(octhilinone)、オフラセ(ofurace)、オリサストロビン(orysastrobin)、オルソフェニルフェノール(o-phenylphenol)、カスガマイシン(kasugamycin)、カプタホール(captafol)、カルプロパミド(carpropamid)、カルベンダジム(carbendazim)、カルボキシン(carboxin)、キノキシフェン(quinoxyfen)、キノメチオネート(chinomethionat)、キャプタン(captan)、銀(silver)、キントゼン(quintozene)、グアザチン(guazatine)、クレソキシム・メチル(kresoxim-methyl)、クロロタロニル(chlorothalonil)、クロロネブ(chloroneb)、酸化第一銅(cuprous-oxide)、シアゾファミド(cyazofamid)、ジエトフェンカルブ(diethofencarb)、ジクロシメット(diclocymet)、ジクロフルアニド(dichlofluanid)、ジクロメジン(diclomezine)、ジクロラン(dicloran)、ジチアノン(dithianon)、ジニコナゾール(diniconazole)、ジネブ(zineb)、ジノカップ(dinocap)、ジフェニール(biphenyl)、ジフェニルアミン(diphenylamine)、ジフェノコナゾール(difenoconazole)、ジフェンゾコート(difenzoquat)、シフルフェナミド(cyflufenamid)、ジフルメトリム(diflumetorim)、シプロコナゾール(cyproconazole)、シプロジニル(cyprodinil)、シメコナゾール(simeconazole)、ジメトモルフ(dimethomorph)、シモキサニル(cymoxanil)、ジモキシストロビン(dimoxystrobin)、ジラム(ziram)、シルチオファム(silthiofam)、水酸化第二銅(copper-hydroxide)、ストレプトマイシン(streptomycin)、スピロキサミン(spiroxamine)、ゾキサミド(zoxamide)、ダゾメット(dazomet)、炭酸水素カリウム(potassium-bicarbonate)、チアジニル(tiadinil)、チアベンダゾール(thiabendazole)、チオファネート・メチル(thiophanate-methyl)、チフルザミド(thifluzamide)、チラム(thiram)、テクナゼン(tecnazene)、テクロフタラム(tecloftalam)、テトラコナゾール(tetraconazole)、デバカルブ(debacarb)、テブコナゾール(tebuconazole)、ドジン(dodine)、ドデモルフ(dodemorph)、トリアジメノール(triadimenol)、トリアジメホン(triadimefon)、トリアゾキシド(triazoxide)、トリシクラゾール(tricyclazole)、トリチコナゾール(triticonazole)、トリデモルフ(tridemorph)、トリフルミゾール(triflumizole)、トリフロキシストロビン(trifloxystrobin)、トリホリン(triforine)、トリルフルアニド(tolylfluanid)、トルクロホス・メチル(tolclofos-methyl)、トルニファニド(tolnifanide)、ナーバム(nabam)、ニトロタル・イソプロピル(nitrothal-isopropyl)、ヌアリモール(nuarimol)、ノニルフェノールスルホン酸銅(copper(nonylphenyl)sulphonate)、バリダマイシン(validamycin)、ビキサフェン(bixafen)、ピコキシストロビン(picoxystrobin)、ビテルタノール(bitertanol)、ピペラリン(piperalin)、ヒメキサゾール(hymexazol)、ピラクロストロビン(pyraclostrobin)、ピラゾホス(pyrazophos)、ピリフェノックス(pyrifenox)、ピリブチカルブ(pyributicarb)、ピリベンカルブ(pyribencarb)、ピリメタニル(pyrimethanil)、ピロキロン(pyroquilon)、ビンクロゾリン(vinclozolin)、ファーバム(ferbam)、ファモキサドン(famoxadone)、フェナミドン(fenamidone)、フェナリモル(fenarimol)、フェノキサニル(fenoxanil)、フェリムゾン(ferimzone)、フェンブコナゾール(fenbuconazole)、フェンフラム(fenfuram)、フェンプロピジン(fenpropidin)、フェンプロピモルフ(fenpropimorph)、フェンヘキサミド(fenhexamid)、フォルペット(folpet)、フサライド(phthalide)、ブピリメート(bupirimate)、フベリダゾール(fuberidazole)、フラメトピル(furametpyr)、フララキシル(furalaxyl)、フルアジナム(fluazinam)、フルオキサストロビン(fluoxastrobin)、フルオピコリド(fluopicolide)、フルオピラム(fluopyram)、フルオルイミド(fluoroimide)、フルキンコナゾール(fluquinconazole)、フルジオキソニル(fludioxonil)、フルシラゾール(flusilazole)、フルスルファミド(flusulfamide)、フルトラニル(flutolanil)、フルトリアホール(flutriafol)、フルモルフ(flumorph)、プロキナジド(proquinazid)、プロクロラズ(prochloraz)、プロシミドン(procymidone)、プロチオコナゾール(prothioconazole)、ブロノポール(bronopol)、プロパモカルブ塩酸塩(propamocarb-hydrochloride)、プロピコナゾール(propiconazole)、プロピネブ(propineb)、プロベナゾール(probenazole)、ブロムコナゾール(bromuconazole)、ヘキサコナゾール(hexaconazole)、ベナラキシル(benalaxyl)、ベナラキシル・M(benalaxyl-M)、ベノミル(benomyl)、ペフラゾエート(pefurazoate)、ペンコナゾール(penconazole)、ペンシクロン(pencycuron)、ベンチアバリカルブ・イソプロピル(benthiavalicarb-isopropyl)、ペンチオピラド(penthiopyrad)、ボスカリド(boscalid)、ホセチル(fosetyl-alminium)、ポリオキシン(polyoxin)、ポリカーバメート(polycarbamate)、ボルドー液(Bordeaux-mixture)、マンカッパー(mancopper)、マンコゼブ(mancozeb)、マンジプロパミド(mandipropamid)、マンネブ(maneb)、ミクロブタニル(myclobutanil)、ミルディオマイシン(mildiomycin)、メタスルホカルブ(methasulfocarb)、メタム(metam)、メタラキシル(metalaxyl)、メタラキシル・M(metalaxyl-M)、メトコナゾール(metconazole)、メトミノストロビン(metominostrobin)、メトラフェノン(metrafenone)、メパニピリム(mepanipyrim)、メプロニル(mepronil)、硫酸オキシキノリン(oxyquinoline-sulfate)、硫酸銅(copper-sulfate)。
【0037】
本発明のサトウキビ用糖度向上剤に含有できるセーフナーの例としては、下記のものを挙げることができる。
ジクロルミド(dichlormid)、イソキサジフェン・エチル(isoxadifen-ethyl)、オクサベトリニル(oxabetrinil)、クロキントセット・メキシル(cloquintocet-mexyl)、フェンクロラゾール・エチル(fenchlorazole-ethyl)、フェンクロリム(fenclorim)、フリラゾール(furilazole)、フルキソフェニム(fluxofenim)、ベノキサコル(benoxacor)、メフェンピル・ジエチル(mefenpyr-diethyl)。
【0038】
本発明のサトウキビ用糖度向上剤の製剤に用いる固体担体としては、例えばカオリン、けいそう土、合成含水酸化ケイ素、フバサミクレー、ベントナイト、酸性白土、タルク、セリサイト、石英粉末、硫黄粉末、活性炭、炭酸カルシウム、水和シリカが用いられる。そのほか、硫安、リン安、硝安、尿素、塩安などの化学肥料の微粉末又は粒状体を担体とすることもできる。
【0039】
また、液体担体としては、水やアルコール類例えばメタノール、エタノールなど、ケトン類例えばアセトン、メチルエチルケトンなど、芳香族炭化水素類例えばベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メチルナフタレンなど、脂肪族炭化水素類例えばn‐へキサン、シクロヘキサノン、ケロシン、灯油など、エステル類例えば酢酸エチル、酢酸ブチルなど、ニトリル類例えばアセトニトリル、イソブチロニトリルなど、エーテル類例えばジオキサン、ジイソプロピルエーテルなど、酸アミド類例えばジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど、ハロゲン化炭化水素類例えばジクロロエタン、トリクロロエチレン、四塩化炭素などが用いられる。
【0040】
また、本発明のサトウキビ用糖度向上剤の製剤に用いる界面活性剤としては、例えばアルキル硫酸エステル類、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルアリールエーテル類及びそのポリオキシエチレン化物、ポリエチレングリコールエーテル類、多価アルコールエステル類、糖アルコール誘導体など挙げることができる。
【0041】
次に、本発明のサトウキビ用糖度向上剤の製剤に用いる結合剤としては、例えばカゼインやゼラチン、デンプン粉末、アラビアゴム、セルロース誘導体、アルギン酸のような多糖類、リグニン誘導体やベントナイト、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸のような合成水溶性高分子を挙げることができる。
【0042】
本発明のサトウキビ用糖度向上剤は、前記したような固体担体に担持された粉末製剤又は液体担体に溶かされた液体製剤として、そのままであるいは所望の濃度に希釈して用いられるが、液体製剤とした場合は、1ha当り1〜10000リットルの割合で散布しうるような濃度に調製するのが好ましい。
【0043】
本発明のサトウキビ用糖度向上剤は、本発明のサトウキビ用糖度向上剤を使用しない場合の収穫適期より15〜60日前に均一に散布して適用する。サトウキビの登熟は、ショ茎の中央節間部より汁液を採取し、それに含まれる可溶性固形分の濃度(Brix)を測定して調査することができる。ブラジルにおいては、Brixが18%以上になることが収穫適期の目安である。本発明のサトウキビ用糖度向上剤を処理する時期は、栽培中のサトウキビのBrixを調査し、その値がその地域における収穫適期の平均的なBrix値の80〜90%になった頃として決めることもできる。
【0044】
このように、前記一般式(I)で表わされる化合物を農業用除草剤として施用するときには、サトウキビの栽培期間の前半に散布するのに対し、本発明の糖度向上剤は、栽培期間の後半に散布することが必要であり、その用法は明らかに異なっている。
【0045】
そして、本発明のサトウキビ用糖度向上剤は、(A)成分と(B)成分とを組み合わせたことにより、(A)成分を単独で用いた場合に比べ、約2〜15%多く糖度を向上させることができる。
【0046】
本発明のサトウキビ用糖度向上剤は、遺伝子組み換え技術により形質転換された作物に対しても、天然栽培のサトウキビと同様に適用することができる。
【実施例】
【0047】
次に、実施例により、本発明を実施するための最良の形態を説明するが、本発明は、これによりなんら限定されるものではない。
【0048】
ブラジルのサトウキビ栽培地域に生育しているサトウキビ(収穫適期の平均的なBrix値が18%)を、アトランダムに選んだ5個所のショ茎の中央節間部より汁液を採取し、常法に従って、Brix値を測定し、それが上記の平均的なBrix値の82%になった時期にビスピリバックナトリウム塩とピロキサスルホンの両方を含んだ製剤を、散布液120リットル中の有効成分の量がビスピリバックナトリウム塩は25g、ピロキサスルホンは75gになるように水に希釈し、試験区画に1ヘクタール当り120リットルの割合で、動力噴霧器を用いて植物体の上方から噴霧散布した。
【0049】
また、比較区画にビスピリバックナトリウム製剤(市販品、商品名「ノミニー(NOMINEE)400SC」)、ピロキサスルホンを含有する製剤を同様にして散布した。さらに、これらの散布液が飛散到達しない離れた区域に無処理区画を設けた。
【0050】
次いで、散布初日、散布15日後、散布30日後、散布45日後、散布59日後にそれぞれの区画よりサトウキビ10本ずつを刈り取り、ショ茎を搾汁して、汁液からショ糖を回収し、収量を求めた。各収量を散布初日の収量と比較し、その増加率(%)を求めた。
【0051】
なお、ショ茎搾汁液中の糖含有量の分析は、ブラジルの製糖工場で使用されているプロトコル「サトウキビの品質評価基準(ノルマス ディ アバリアサオン ダ クアリダージ ダ カナディアスーカ)」に従い、Brix値及びショ茎から回収可能な総糖量(ATR)を求めた。(具体的な測定方法はWO2009/054480A1公報参照。)
【0052】
ビスピリバックナトリウム塩とピロキサスルホンの両方を含んだ製剤を散布したサトウキビのショ茎搾汁液中のBrix値及びATR値の散布初日の収量と比較した増加率は、散布30日後、散布45日後、散布59日後のいずれも、無散布のサトウキビより高いのはもちろん、ビスピリバックナトリウム塩、ピロキサスルホンのいずれか一方のみを散布したサトウキビよりも明らかに高かった。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明の糖度向上剤を用いると、広大なサトウキビ栽培地域において、未登熟のサトウキビ栽培区域に対し、登熟を促進させて適正な糖度にコントロールすることにより、大規模の処理設備を無駄なく利用することができる。また、サトウキビからの糖の収量を増大させるという効果も奏される。
【0054】
本発明は、広大なサトウキビ栽培地域における収穫量の集約に対して有効であり、効率的な製糖を行うために利用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(I)、

(式中のAは酸素原子、硫黄原子又はヒドロキシメチレン基を表し、Yは遊離形若しくは塩形のカルボキシル基、分岐を有してもよい炭素原子数1〜10のアルキルオキシカルボニル基、ハロゲン化メチルスルホニルアミノ基又はジフェニルメチリデンイミノオキシカルボニル基を表し、Rはハロゲン原子、分岐を有してもよい炭素原子数1〜10のアルキル基、分岐を有してもよい炭素原子数1〜10のヒドロキシアルキル基、分岐を有してもよい炭素原子数1〜10のアルコキシアルキル基、分岐を有してもよい炭素原子数1〜10のアルコキシイミノアルキル基又は4,6‐ジメトキシピリミジン‐2‐イルオキシ基を表し、YとRはたがいに結合して−C(=O)−O−CH(CH)−基を形成してもよい。)
で表わされる化合物の少なくとも1種(A)、及び、除草剤(B)を有効成分として含有することを特徴とするサトウキビ用糖度向上剤。
【請求項2】
前記化合物(A)が下記式、

で表わされる請求項1記載のサトウキビ用糖度向上剤。
【請求項3】
前記化合物(A)が下記式、

で表わされる請求項1記載のサトウキビ用糖度向上剤。
【請求項4】
前記化合物(A)が下記式、

で表わされる請求項1記載のサトウキビ用糖度向上剤。
【請求項5】
前記化合物(A)が下記式、

で表わされる請求項1記載のサトウキビ用糖度向上剤。
【請求項6】
前記化合物(A)が下記式、

で表わされる請求項1記載のサトウキビ用糖度向上剤。
【請求項7】
前記化合物(A)が下記式、

で表わされる請求項1記載のサトウキビ用糖度向上剤。
【請求項8】
前記化合物(A)と前記除草剤(B)を質量比(A):(B)=1:5〜5:1の割合で含有する請求項1〜7のうちいずれか一項記載のサトウキビ用糖度向上剤。
【請求項9】
栽培中のサトウキビに対し、収穫適期より15〜60日前に請求項1記載のサトウキビ用糖度向上剤を適用することを特徴とするサトウキビの登熟促進方法。
【請求項10】
栽培中のサトウキビに対し、そのショ茎中の汁液の可溶性固形分の濃度(Brix)が、収穫適期の平均的なBrix値の80〜90%に達した時期に請求項1記載のサトウキビ用糖度向上剤を適用することを特徴とするサトウキビの登熟促進方法。

【公開番号】特開2012−19737(P2012−19737A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−160123(P2010−160123)
【出願日】平成22年7月14日(2010.7.14)
【出願人】(000000169)クミアイ化学工業株式会社 (86)
【出願人】(507355331)
【Fターム(参考)】