説明

サンプリング手順における試料収集機器と被分析表面の位置関係のレーザ・センサを使用した制御

システム(20)および方法が、レーザ・センサ(42)を含む距離測定装置(40)を利用して、例えば質量分光検出で使用される試料収集プロセス中に収集機器−表面間距離を制御する。レーザ・センサは、収集機器(23)と固定位置関係で配置され、レーザ・センサと表面(22)の間の実際の距離に対応する信号がレーザ・センサにより生成される。収集機器が表面から試料収集に望ましい距離で配置されたときに、レーザ・センサと表面の間の実際の距離が、レーザ・センサと表面の間のターゲット距離と比較され、必要に応じて、実際の距離がターゲット距離に近づくように調整される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にサンプリング手段および方法に関し、より詳細には被分析表面上の領域または場所から試料を得るための手段および方法に関する。
【0002】
本発明は、米国エネルギー省からUT−Battelle,LLCに認められた契約番号DE−AC05−00OR22725による政府支援で行われ、政府は本発明に対して特定の権利を有する。
【背景技術】
【0003】
本発明が関係するサンプリング収集技術は、分析のために表面の質量(例えば、イオン)を収集する目的で、分析またはサンプリングされる表面の比較的近くに収集機器や他の試料収集装置を位置決めすることを必要とする。そのような収集技術の一例は、脱離エレクトロスプレイイオン化(DESI)質量分析法と関連して使用されるが、脱離大気圧化学イオン化(DAPCI)やマトリックス支援レーザ脱離/イオン化(MALDI)などを含むような他の技術にも当てはまる。そのようなどの技術でも最適な収集結果を得るために、収集機器がサンプリングされる表面から所定の(すなわち、望ましい)距離に維持され、それにより後で分析されたときに収集結果が誤って解釈される可能性を少なくすることが望ましい。
【0004】
さらに、噴霧柱(スプレイ・プルーム)内で試料収集プロセス中にサンプリング表面に試薬を送出する自己吸気式放射器を必要とするいくつかの試料収集プロセスが存在する。そのような放射器(エミッタ)は、一般に、噴霧柱がサンプリング表面に向かって所定の(すなわち、固定された)入射角で導かれるように収集機器または装置に対して所定の位置に固定され、それにより、送出された噴霧柱が、サンプリング表面の所定の位置に当たり、それによりサンプリング表面の物質を収集機器の方に移動させることができる。換言すると、放射器と収集機器と被分析表面との間に望ましい空間割り当てが存在し、位置決めされるべき位置(例えば、所定の平面内)に表面が正確に位置決めされないと、満足な収集結果が得られない可能性が高い。
【0005】
オペレータが、試料収集プロセス中に試料収集機器と表面との距離を手動調整する必要をなくすために、試料収集プロセス中に試料収集機器−表面間距離を正確に制御するシステムおよび方法を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明の目的は、レーザ・センサを利用してサンプリング手順における実際の収集機器−表面間距離を監視する機器によって、試料収集機器(または装置)と分析(またはサンプリング)される表面との間の距離を自動的に制御するシステムおよび方法を提供することである。
【0007】
本発明の別の目的は、収集機器−表面間距離がサンプリング手順中ずっと連続的に監視され、必要に応じて収集機器−表面間距離が最適間隔で維持されるように調整されるシステムおよび方法を提供することである。
【0008】
本発明のさらに別の目的は、試料収集プロセスの結果が分析されるときに誤って解釈される可能性を減少させるシステムを提供することである。
【0009】
本発明の更に他の目的は、試料に対して所定の角度で向けられた放射器を利用する試料収集操作と関連して使用されるときに、試料収集プロセス中に放射器と収集機器と被分析表面との間の適切な空間割り当てを維持するのに役立つシステムを提供することである。
【0010】
本発明のさらに別の目的は、構造が複雑でないにも関わらず動作が有効なシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、被分析表面から試料を収集するためのサンプリング・システムおよび方法にある。
【0012】
サンプリング・システムは、被分析表面から試料を収集する試料収集機器と、収集機器と表面を互いに近づけ遠ざけるための手段とを含み、収集機器と表面との間には試料収集に望ましい位置関係が存在する。システムは、また、レーザ・センサと表面との間の実際の距離に対応する信号を生成するために、収集機器に対して固定された位置関係で配置されたレーザ・センサを含む距離測定手段を含み、収集機器と表面とが試料収集に望ましい位置関係で配置されたときにレーザ・センサと表面との間にターゲット距離が存在する。
【0013】
更に、システムは、レーザ・センサと表面の間の実際の距離に対応する信号を受け取るための手段と、レーザ・センサと表面の間の実際の距離をレーザ・センサと表面の間のターゲット距離と比較し、レーザ・センサと表面の間の実際の距離とターゲット距離との差が所定の範囲を超えたときに、レーザ・センサと表面を互いに近づけるか遠ざけることを開始する比較手段を含み、それにより、表面と収集機器を互いに近づけるか遠ざけることによって、レーザ・センサと表面の間の実際の距離がターゲット距離に近づくようにする。
【0014】
本発明の方法は、本発明のシステムによって実行される段階を含む。詳細には、そのような段階は、距離測定手段によってレーザ・センサと表面の間の実際の距離に対応する信号を生成する段階と、距離生成手段によって生成された信号からレーザ・センサと表面の間の実際の距離を決定する段階とを含む。次に、レーザ・センサと表面の間の実際の距離がターゲット距離と比較され、レーザ・センサと表面の間の実際の距離とターゲット距離との差が所定の範囲を超えたときに表面とレーザ・センサを互いに近づけるか遠ざけることを開始し、それにより、表面とレーザ・センサを互いに近づけるか遠ざけることによって、実際の距離が望ましいターゲット距離に近づくようにする。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の特徴が組み込まれたシステム20の概略図である。
【図2】少し大きな縮尺で描かれた図1のシステムの特定の構成要素の斜視図である。
【図3】図2の上から見た図1のシステムの被分析表面と種々の構成要素の図である。
【図4a】前方から概略的に見た図1のシステムのレーザ・センサと試料収集機器と表面との例示的な位置関係を概略的に示す図である。
【図4b】図4aの右側から概略的に見た図である。
【図5a】試料収集に最適な関係で位置決めされたときの図4aの構成要素間の例示的な関係を概略的に示す図である。
【図5b】構成要素が試料収集に最適でない1つの関係で位置決めされた点以外、図5aと類似の図である。
【図5c】構成要素が試料収集に最適でない別の関係で位置決めされた点以外、図5aと類似の図である。
【図6a−b】毛細管−表面間距離の連続的な再最適化において図1のシステムの表面に対する試料毛細管の先端の経路を概略的に示す図である。
【図7】表面が水平に対して傾けられた点以外図5aと類似の図である。
【図8】本発明が実施される代替システムの構成要素間の例示的な関係を概略的に示す図7と類似の図であり、そのような構成要素は2つのレーザ・センサを含む。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に詳細な図面に移り、最初に図1を検討すると、後の分析のために(サンプリングする表面を具現する)表面22の少なくとも1箇所(または領域)から試料を得るために本発明の特徴が具現された脱離エレクトロスプレイ(DESI)システムの一実施形態(全体が20で示される)の例が概略的に示される。サンプリングされる表面22は、例えば、質量分析計32によって分析したい試料を有する配列でよいが、システム20を使用して、いくつかの表面のうち関心のあるどの表面もサンプリングすることができる。したがって、本発明の原理を様々に適用することができる。
【0017】
さらに、示したシステム20は、本明細書では脱離エレクトロスプレイ・イオン化(DESI)に関して述べられているが、本明細書で述べる本発明の原理は、脱離大気圧化学イオン化(DAPCI)やマトリックス支援レーザ脱離/イオン化(MALDI)質量分析法などの他の表面サンプリング技術にも適用可能である。
【0018】
示した例のシステム20は、表面22の近くに位置決めできる先端26で終端する毛細管23を含むサンプリング・プローブ24(および、関連したDESI放射器25)の形の収集機器を含む。サンプリング・プロセス中に、例えば、シリンジポンプ37から放射器25を介して所定の試薬がサンプリング表面22に導かれ、収集試料の分析のために、真空および/または電界によって、試料の質量(例えば、試料のイオン)が、毛細管23によって表面22の残りの部分から取り出される。
【0019】
図1と図2を参照し、また表面22に沿った任意の箇所から試料を収集できるようにするために、収集管23は、その先端26と共に、固定された静止状態で支持され、またサンプリング表面22は、示されたX−Y座標軸に沿って(即ち、支持板27の平面内で)また示されたZ座標軸に沿って収集管23に対して移動され、収集管23の先端26から近づき遠ざかるように、支持板27上に支持される。示されたシステムの支持板27は、例えば、分析したい物質量が配置された薄層クロマトグラフィ(TLC)板の形をとることができる。したがって、本明細書の説明のため、サンプリング表面22は、X−Y平面(ほぼ水平面に対応する)内で支持板27によって支持され、Z軸はX−Y平面と垂直である。
【0020】
放射器25は、毛細管23に対して所定の位置に固定され、表面22に対して事前に設定された関係で配置され、それにより、小出しされた噴流(気体または液体)が、表面22に所定の入射角で当たる。したがって、試料収集結果を最適なものにするためには、毛細管23と放射器25と表面22との間に望ましい関係(すなわち、空間的割り当て)が存在することになる。
【0021】
支持板27は、支持板27を動かすためにXYZステージ28(図1)の可動支持アーム36に支持され取り付けられ、それにより表面22が、示されたX、YおよびZ座標方向に沿って支持される。XYZステージ28は、コマンド信号を受け取るための第1の制御コンピュータ30に接続されたジョイスティック制御ユニット29に適切に配線され、これにより、システム20によって行われるサンプリング・プロセス中に、表面22が収集管先端26の下でX−Y平面内で動かされたときに表面22または表面22を横切る任意の所望のレーンに沿った(すなわち、XまたはY座標経路に沿った)任意の所望の箇所(すなわち、任意の所望のX−Y座標位置)から試料を得ることができる。
【0022】
例えば、図3では、表面22が、毛細管先端26の下で割り出しされ、矢印18で示された複数のY座標レーン(すなわち、経路)に沿って順に移動されるときに表面22から試料を収集するために表面22の上の所定の位置に配置された放射器25と毛細管23の図が示される。掃引速度や収集管23を表面22と位置決めしたいX−Y位置の識別などの表面22と毛細管23の相対運動の特徴は、例えばコンピュータ・キーボード31によってコンピュータ30に入力されてもよく、コンピュータ30のメモリ33にあらかじめプログラムされてもよい。
【0023】
XYZステージ28の内部構成要素の説明が必要とは思われないが、ここでは、収集管先端26に対する支持面27(および、表面22)のXおよびY座標位置が、例えば、XYZステージ28内部に取り付けられた1対の可逆サーボモータ(図示せず)の適切な動作によって制御され、収集管先端26に対する支持面27(および、表面22)のZ座標位置が、例えば、XYZステージ28の内部に取り付けられた可逆ステップモータ(図示せず)の適切な動作によって制御されるとだけを説明しておく。したがって、XおよびY座標サーボモータに適切に通電することによって、収集管23の先端26を表面22のX−Y座標平面内の任意の箇所と合うように位置決めできるように表面22を位置決めすることができ、またZ軸ステッピング・モータに適切に通電することによって、表面22を収集管先端26に近づけまたは遠ざけることができる。
【0024】
更に図1を参照すると、示された例のシステム20は、さらに、収集管23に接続されて分析のために送り込まれた試料を受け入れる質量分析計32を有し、質量分析計32は、質量分析計32の操作と機能を制御するための第2の制御コンピュータ34と関連付けられる。質量分析計32のように、示されたシステム20と共に使用するのに適した質量分析計の例は、カナダ国オンタリオのMDS SCIEX of Concordから商品名4000 Qtrapで入手可能である。システム構成要素(質量分析計32を含む)の種々の動作を制御するために、示されたシステム20内では2つの別々のコンピュータ30および34が利用されるが、システム20内で実行される全ての動作は、本発明にとっては、単一のコンピュータで制御されてもよく、あるいは質量分析計ソフトウェアパッケージ内にロードされた適切なソフトウエアコンポーネントによって制御されてもよい。この後者の例では、単一ソフトウェア・パッケージは、毛細管−表面間距離の監視と質量分析検出の監視の最中に行われるXYZステージ操作、計算(本明細書で述べる)を制御することになる。
【0025】
示されたシステム20の特徴は、収集管23の先端26と表面22との離間距離(すなわち、示されたZ座標軸方向に測った距離)を監視し制御するために全体が40で示された距離測定手段を含むことである。示されたシステム20内で、距離測定手段40は、表面22の真上(すなわち、Z座標軸方向)に支持されたレーザ・センサ42を含む。必要に応じて、試料収集操作中に画像を収集するための閉回路カラーカメラ44を表面22の上に支持することができ、カメラ44に、カメラ44によって収集された画像を受け取り表示するためのビデオ(例えば、テレビ)モニタ46を接続することができる。モニタ46は、カメラ44によって撮影された画像に対応する信号をコンピュータ30に伝えるために、第1の制御コンピュータ30に(ビデオ・キャプチャ装置50によって)接続される。オペレータは、そのようなカメラで生成した画像を使用して、試料収集プロセス中のイベントを視覚的に監視し記録することができる。
【0026】
さらに、システム20は、毛細管23と表面22の広角ビューをオペレータに提供するために、ほぼ収集管23と表面22の方に向けられかつコンピュータ30に接続されたレンズ付きウェブカメラ48を備える。オペレータは、試料収集操作に備えて毛細管23に対する表面22の初期位置決めを容易にするために、ウェブカメラ48によって収集された画像を、第1の制御コンピュータ30と関連付けられたディスプレイ画面(52で示された)上で見ることができる。
【0027】
カメラ44として使用するのに適した閉回路カメラの一例は、Panasonic Matsushita Electric Corporationから商品名Panasonic GP−KR222で入手可能であり、カメラ44は、商品名Optem70XLとしてニューヨーク州フェアポートのThales Optem Inc.から入手可能なズームレンズを備える。ビデオ・キャプチャ装置50として使用するのに適したビデオ・キャプチャ装置の例は、カリフォルニア州カンプトンのBelkin Corp.から商品名Belkin USB VideoBus IIで入手可能であり、ウェブカメラ48として使用するのに適したウェブカメラの例は、カリフォルニア州ミルピータスのW.Creative Labs Inc.から商品名Creative Notebook Webcamで入手可能である。
【0028】
システム20とその距離測定手段40の動作は、距離測定手段40を使用することにより、システム20が、収集管23とサンプリング表面22の間の距離の実時間測定を監視し、その後で、必要に応じて、コンピュータ30とXYZステージ28によって実際の毛細管−表面間距離の調整を行い、それにより、表面22に沿った他の箇所または表面22を横切る様々なレーンに沿った箇所から試料を収集するために表面22がXまたはY座標軸方向に移動される場合でも、サンプリング・プロセス全体にわたって最適または望ましい毛細管−表面間距離(Z軸に沿って測った)が維持されるというシステム動作の説明によってよりよく理解することができる。
【0029】
システム20により実行される試料収集操作の一実施形態の最初に、毛細管23の先端26が、試料を収集するのに毛細管23と表面22の間の最適または望ましい距離に対応する望ましい毛細管−表面間距離に位置決めされ(操作の準備段階で)、この最適距離は、(本明細書に述べた技術によって)決定され第1の制御コンピュータ30のメモリ33に記憶される。毛細管23とのそのような望ましい関係での表面22の位置決めは、XYZステージ28のジョイスティック制御ユニット29の適切な(例えば、手動)操作によって達成され、この位置決めは、オペレータが、操作のこの準備段階でテレビモニタ46を見ながら視覚的に監視される。表面22が、毛細管23とその望ましい位置関係で位置決めされた後で、レーザ・センサ42と表面22とのこの最初の(かつ実際の)距離に対応する信号が、距離測定手段40によって生成され、記憶し(すなわち、コンピュータ30のメモリ内に)後で使用するためにコンピュータ30に送られる。
【0030】
そのような所望の毛細管−表面間距離での毛細管先端23の前述の手動準備が、完全に自動化された操作でなくてもよいことを理解されよう。例えば、連続的な試料収集操作中にXYZステージ28の再調整が不要な場合がある。したがって、同様に取り付けられた表面を含む第2またはその後の試料収集操作では、毛細管−表面間距離を最適な状態に繰り返し設定することなく、適切なコマンドをコンピュータ30に出して試料収集操作を開始することができる。
【0031】
前述し、図4aと図4bに示されたように、距離測定手段40のレーザ・センサ42は、表面22の真上に配置される。測定し決定するために、レーザ・センサ42は、表面22の方または支持体22と並んで配置された支持体平面27の(上側)表面上の任意の場所に向けることができる。従って、本明細書で使用されるとき、語句「レーザ・センサ−表面間距離」(図4aと図4bにdPOS/LSと示された)は、レーザ・センサと表面との実際の距離、またはレーザ・センサと、表面22が支持された支持体平面27の(上側)表面上の位置と間の実際の距離と解釈することができ、そのような位置は、表面22のそばにある。
【0032】
距離測定手段40のレーザ・センサ42のような、レーザ・センサから対象物まで距離を測定するためのレーザ・センサの使用は知られており、従って、レーザ・センサの動作の詳細な説明と構造詳細は、必要とは考えられない。従って、測定のために使用される一般的なレーザ・センサがレーザ光線を対象物の方に放射し、次にビームが対象物からセンサの方に反射されることだけを説明しておく。反射したビームは、レーザ・センサによって検出され、レーザ光線が往復するのに必要な期間が検出される。次に、レーザ・センサと対象物との距離が、経過時間(レーザ光線の往復)の2分の1にレーザ光線の速度を掛けたものに等しくなるように計算される。
【0033】
図5aを参照すると、毛細管23と表面22の位置関係(すなわち、距離)が試料収集に最適なときの、レーザ・センサ42と毛細管26と示されたシステム20の表面22との典型的な関係が示される。より具体的には、表面22は、一般にX−Y平面内にあり、毛細管23は、表面22のすぐ上に配置され、レーザ・センサ42は、表面22と反対の毛細管23の側に配置される。
【0034】
さらに、レーザ・センサ42は、毛細管26と関連して固定される。換言すると、レーザ・センサ42と毛細管23の間の測定されたZ座標距離(図4a、図4bおよび図5aでdSC/LSと示された)は、操作中に表面22が上昇または下降された(XYZステージ28によって)場合でも試料収集操作中ずっと一定でなければならない。したがって、レーザ・センサ42と毛細管23の間の距離(図4a、図4bおよび図5aに示されたdSC/LS)と毛細管23の厚さが分かった後で、毛細管23と表面22の間の実際の距離を決定したい場合は、レーザ・センサ42と表面22の間の距離(dPOS/LS)から毛細管23の厚さを引くことによって、毛細管23と表面22との距離を計算することができる。
【0035】
この設定段階(すなわち、毛細管−表面間距離がその最適値に設定されたとき)でレーザ・センサ42と表面22の間の実際の距離が決定された後で、このレーザ源−表面間距離が、コンピュータ30に記憶され、目下の目的のために、試料収集プロセス中ずっと維持したいターゲット・レーザ・センサ−表面間距離として指定される。換言すると、ターゲット・レーザ源−表面間距離は、コンピュータ30内に記憶され、表面22の所望の位置からまたは表面22を横切る所望のレーンに沿って試料を収集するために、表面22をX−Y平面に沿って毛細管23に対して移動させることによりサンプリング・プロセスを開始することができる。サンプリング・プロセス中に、レーザ・センサ42と表面22の間の実際の距離が、距離測定手段40によって周期的に測定され、次に、それぞれの測定された実際のレーザ・センサ−表面間距離が、ターゲット・レーザ・センサ−表面間距離と比較され、必要に応じて、実際のレーザ・センサ−表面間距離をターゲット・レーザ・センサ−表面間距離の近くに維持するように調整される。
【0036】
比較のために、コンピュータ30(すなわちそのメモリ30)が、ターゲット距離に対して許容可能な距離(すなわち、許容)限度に関する情報によって事前にプログラムされることを理解されよう。換言すると、実際のレーザ・センサ−表面間距離が、ターゲット・レーザ・センサ−表面間距離と、そのような許容限度を超える大きさだけ異なることが分かった場合は、コマンドがXYZステージ28に送られて、実際の距離をターゲット・レーザ源−表面間距離(すなわち、許容限度内)に合うように戻すために、毛細管23と表面22の間のZ軸調整が開始される。従って、そのような事前設定された許容限度は、実際のレーザ源−表面間距離が、表面22が毛細管23に近づくか遠ざかる追加の動きを必要とすることなく望ましいターゲットレーザ源−表面間距離に十分に近づくことができる所定の範囲(例えば、±3μm以内)に対応することなる。
【0037】
図5aと図5bを参照すると、毛細管−表面間距離が試料収集に最適でないときの、レーザ・センサ42と毛細管23と表面22の間の例示的な関係が示される。比較として、前に言及したように、図5aの図に示された構成要素関係における毛細管−表面間距離は、試料収集に最適になるように取られ、従って、この図5aの関係におけるレーザ・センサ−表面間距離は、試料収集操作の設定段階で決定される。しかしながら、図5bの例では、レーザ・センサ−表面間距離(dPOS/LS)は、設定段階で決定されたレーザ・センサ−表面間距離よりも大きく、従って、毛細管23と表面22の間に望ましい幅より大きい隙間ができたことを示す。図5bの例の決定されたレーザ・センサ−表面間距離が、事前設定された許容限度を超えた場合、コンピュータ30は、適切なコマンドを出して(XYZステージ28によって)表面22を毛細管23に近づけることを開始し、その結果、実際のレーザ・センサ−表面間距離が、ターゲット・レーザ・センサ−表面間距離(例えば、操作の設定段階中に決定されたレーザ・センサ−表面間距離)に近づく。
【0038】
同様に、図5cの例では、レーザ・センサ−表面間距離(dPOS/LS)は、設定段階で決定された望ましいレーザ・センサ−表面間距離より小さく、従って、毛細管23と表面22の間に望ましい幅より小さい隙間ができたことを示す。実際には、そのような判断は、毛細管23が表面22によって上方に曲げられたことを示す可能性がある。図5cの例の決定されたレーザ・センサ−表面間距離が、事前設定された許容限度を超える場合、コンピュータ30は、適切なコマンドを出して(XYZステージ28によって)表面を毛細管23から遠ざけることを開始し、その結果、実際のレーザ・センサ−表面間距離が、ターゲット・レーザ・センサ−表面間距離(すなわち、操作の設定段階で決定されたレーザ・センサ−表面間距離)に近づく。
【0039】
したがって、本発明の一実施形態により、試料収集プロセス中の実際の毛細管−表面間距離の制御が一連の段階で構成されることが分かる。最初に、システム20で実行される試料収集操作に備えて、オペレータは、表面22のZ軸位置を、表面22が毛細管23の先端26の比較的すぐ近くに位置決めされて毛細管先端−表面間距離が試料収集に最適になるまで調整する。この設定段階で、表面22と毛細管先端26の間の相対位置は、ウェブカメラ48によって取得されコンピュータ表示画面52に表示された画像を見るオペレータによって視覚的に監視することができる。しかしながら、前述のように、完全に自動化された操作ではこの初期設定段階を省略できることが理解されるであろう。
【0040】
この設定段階において、表面22が毛細管先端26と望ましい位置関係になった後で、オペレータは、適切なコマンドをキーボード31によってコンピュータ30に入力し、その結果、初期(および、実際の)レーザ・センサ−表面間が、距離測定手段40により決定される。これに関連して、実際のレーザ・センサ−表面間距離を測定するために距離測定手段40(レーザ・センサ42による)が使用され、測定された距離に対応する信号が、距離測定手段40からコンピュータ30に伝えられる。この初期レーザ・センサ−表面間距離は、コンピュータ・メモリ30内に記憶され、目下の目的のために、後で決定される実際のレーザ・センサ−表面間距離と最終的に比較されるターゲット・レーザ・センサ−表面間距離として指定される。
【0041】
次に、試料収集プロセスが行われるとき、距離測定手段40によって、実際のレーザ・センサ−表面間距離の定期的測定が行われる。そのような測定距離に対応する電気信号は、ターゲット・レーザ・センサ−表面間距離と比較するために、直ちにコンピュータ30に送られる。そのような定期的測定は、あらかじめ選択され規則的な時間間隔(例えば、0.5秒ごと)で行うことができ、そのような実際のレーザ・センサ−表面間距離を得る時間間隔は、コンピュータ30に事前にプログラムされてもよく、コンピュータ30で選択されてもよい。
【0042】
収集された試料の分析に関しては、収集管23を通して表面22から収集された試料は、質量分析計32に導かれ、そこで当該技術分野で既知の方式で分析される。必要に応じて、ディスプレイ画面38とキーボード39を備えた第2の制御コンピュータ34(前に紹介し図1に示された)が質量分析計32に接続され、質量分析計32の動作を制御することができる。換言すると、キーボード39を使用して、コンピュータ34にコマンドを入力し、それにより質量分析計32の動作とデータ収集を制御することができる。
【0043】
システム20により実行される試料収集動作において、表面22は、毛細管23に対してX−Y平面内で移動され、これにより、表面22がプローブ24の下で動くときに毛細管23の先端26が表面22をサンプリングすることは一般的である。このために、例えば、コンピュータ30は、毛細管先端26による試料収集位置に代替位置(または箇所)を位置決めして代替位置で試料を得るために表面22をX−Y平面内で割り出すか、表面22を横切る特定のレーン(図3の経路18など)に沿って毛細管23で表面22をサンプリングするようにXまたはY座標軸方向に表面を移動させるように、あらかじめプログラムされてもよい。
【0044】
図6aと図6bを参照すると、試料収集動作において表面22が毛細管先端26の下を通るときの表面22と毛細管先端26との位置関係と、毛細管−表面位置の再最適化における毛細管先端26の動きを概略的に示す。(図6aと図6bの両方で、表面22は、例示のために毛細管23の縦軸に対して誇張された角度で示される。)より具体的には、図6aでは、表面22と毛細管23は互いに、試料収集プロセスで試料が表面22のレーンから試料が収集されるように、矢印62で示された負の(−)X座標方向に動かされ、図6bでは、表面22と毛細管23は互いに、試料収集プロセスで試料が表面22のレーンから収集されるように、矢印63で示された正の(+)X座標方向に動かされる。
【0045】
一方、図6aと図6bに示された点線64および66は、表面22と毛細管先端26の間に試料収集に最適または望ましい距離を維持するために、毛細管先端26を位置決めしなければならない外側境界またはあらかじめ設定された限度を示す。例えば、毛細管26と表面22の間の最適距離を試料収集の最適距離に対応する距離に維持するために、毛細管先端26を(Z軸に沿って)線64より表面22に近づけてはならず、また毛細管先端26を表面22から線66より遠ざけてはならない。実際には、(Z軸方向に測定されたような)あらかじめ設定された限度間の離間距離が、互いから約6μmなどの数マイクロメートル以内でよく、これにより、あらかじめ設定された限度(点線64および66に対応する)はそれぞれ、表面22が毛細管先端26に対して最適に調整された関係でターゲット距離から約3μmに離間される。従って、システム20によって実行される試料収集操作において、実際のレーザ・センサ−表面間距離は、離れた時間間隔で決定され、それらの実際のレーザ・センサ−表面間距離に対応する適切な信号が、コンピュータ30に送られる。
【0046】
次に、それぞれの測定された実際のレーザ・センサ−表面間距離は、コンピュータ30で動作している適切なソフトウェア70(図1)によって、レーザ・センサ42と表面22との所望のターゲット距離と比較され、このターゲット距離は、規定された限度線64および66(図6aまたは図6b)によって定められる。実際のレーザ・センサ−表面間距離が、規定された限度線64および66内にあると判断された場合は、表面22と毛細管先端26のZ軸方向の相対的な動きまたは調整は不要である。しかしながら、実際のレーザ表面−表面間距離が、規定された限度線64および66上またはその外にあると判断された場合は、実際のレーザ・センサ−表面間距離を限度線64および66に対応する規定された限度内に戻すために、表面22と毛細管先端26との相対移動または相対位置の調整が必要である。したがって、図6aに示されたような試料収集操作では、毛細管23が表面22に対して負(−)のX座標軸方向に移動されるときはZ軸方向の表面22と毛細管23の頻繁な調整を行わなければならず、表面22に対して毛細管先端26が辿る経路は、階段状経路68によって示すことができる。
【0047】
これと比較し、図6bに示された試料収集操作では、毛細管23が表面22に対して正(+)の座標軸方向に移動されるときはZ軸方向の表面22と毛細管23の頻繁な調整を行わなければならず、表面22に対して毛細管先端26が辿る経路は、階段状経路69によって示すことができる。
【0048】
前述したように、レーザ・センサ−支持体間平面をレーザ・センサ−表面と一致させることによって(レーザ・センサ42を使用して、表面22自体までの距離ではなく、表面22と並置された支持体平面27上の位置までの距離を測定する場合のように)、特に支持体平面27がX−Y平面に対して大きな角度で傾けられている場合は、誤差の原因になる可能性がある。しかしながら、支持体平面27がX−Y平面に対して傾けられている場合は、そのような誤差を補正することができる。例えば、図7に、表面22がX−Y平面に対してω度の角度で傾けられた場合のレーザ源と表面との関係が示される。この図7で、実際のレーザ・センサ−表面間距離(Z座標方向)(すなわち、dPOS/LS)が、毛細管23と表面22の間のZ軸方向の距離を間違って表わしていることが分かる。
【0049】
出願人により使用されているシステム20では、レーザ源42から放射されたビームの線と毛細管の中心との間のY軸方向距離は約500のμmである。出願人は、また、例えば、角度ω(すなわち、表面22の傾斜角度)が約1度(実際には、とても小さくて手動で調節するのが難しい)の場合は、tan(ω)と500μmの積がわずか約9μmであること分かった。この9μmの値は、許容可能な誤差であり、表面全体にわたって検出される信号レベルに大きな影響を及ぼす可能性は低い。そのような誤差が許容可能でない場合、システムは、2つのレーザ・センサを使用して、Z軸距離に沿ったレーザ・センサ−表面間距離のより正確な表現を得ることができる。
【0050】
例えば、図8に、毛細管123から等距離でその両側に下向きのビームを放射するために、表面122、毛細管123、および毛細管123の上に配置された1対のレーザ・センサ142と143を含むシステムの一部(全体が120で示された)が示される。レーザ・センサ−表面間距離の正確な計算は、2つのレーザ・センサ142,143によって測定されたレーザ・センサ−表面間距離を平均することにより得ることができる。この計算から得られる値を、毛細管123と表面122の間のZ軸距離を表すように取って、X−Y平面に対する表面122の傾きよって生じる誤差の可能性を小さくすることができる。
【0051】
したがって、以上のことから、試料収集装置を利用する表面サンプリング・プロセスにおいて毛細管−表面間距離を制御するためのシステム20およびそれに関連した方法を述べた。これに関連して、システム20は、レーザ・センサ42によって得られた距離測定値を使用して試料収集機器−表面間距離の実時間再最適化の構築を自動化する。距離測定分析は、レーザ・センサ42と表面22の間の実際の距離を定期的に測定し、その後で実際のレーザ・センサ−表面間距離のそれぞれをターゲット・レーザ・センサ−表面間距離と比較することを含む。次に実際のレーザ・センサ−表面間距離を、(例えば手順の準備段階で確立することができる望ましい毛細管−表面間距離に対応する)ターゲット・レーザ・センサ−表面間距離と比較することによって、システム20は、必要に応じて、離間されたレーザ・センサ−表面間距離をZ座標軸方向に調整することによって、試料収集手順における毛細管−表面間距離を自動的かつ連続的に再最適化することができる。
【0052】
必要に応じて、表面22をX−Y平面に沿って(かつ毛細管23に対して)移動させて、表面22上の等しい間隔または個別化された間隔の複数の平行レーンに沿って、毛細管23によって試料を自動収集することができる。前述のシステム20により、試料を一定の走査速度または個別化された(即ち、様々な)走査速度で収集することができる。
【0053】
試料収集プロセス全体にわたって毛細管−表面間距離を制御するためのシステム20および関連方法によって提供される基本的な利点は、試料収集プロセスにおける毛細管−表面間距離の(すなわち、Z座標軸方向の)操作介入および手動制御を不要にすることに関係する。したがって、システム20により行われる試料収集操作の精度が、試料収集プロセスを監視するために必要なオペレータの技術によって限定されない。さらに、システム20はまた、毛細管23によって収集される試料の精度に直接影響を及ぼす利点を有する。例えば、試料収集プロセス全体にわたって最適または望ましい毛細管−表面間距離が維持されるので、表面22が不正確にサンプリングされ、収集された試料が分析されるときに誤って解釈される可能性を実質的に減少させる。
【0054】
前述のシステム20および方法は、互いに望ましい空間的関係(すなわち、割り当て)で位置決めされるように設計されたノズルチップを有する放射器25などの部品を使用する試料収集機器においてさらなる利点を提供する。例えば、ノズルチップとサンプリング表面が、一般に、試料収集操作において互いに固定関係で配置された試料収集システムでは、ノズルチップ−表面間距離が変化すると、それに対応する大きさだけサンプリング毛細管−表面間距離が変化することになる。しかしながら、本発明のシステム20および方法は、試料収集プロセスにおいて望ましい毛細管−表面間距離を維持するのに役立つので、このシステム20および方法は、放射器と収集管とサンプリング表面の間に望ましい空間的関係を維持するのにも役立つ。
【0055】
本発明の精神から逸脱することなく前述の実施形態に多数の修正および置換を行うことができることを理解されよう。例えば、前述の実施形態では、毛細管23が、固定静止状態で示され、表面22が、X,YまたはZ座標方向のいずれかの方向に毛細管23に対して移動されて、所望の箇所または現像レーンを毛細管23と位置合わせするように示し説明したが、本発明の幅広い態様による代替実施形態は、固定静止状態で支持された表面と、X、YまたはZ座標方向のいずれかに沿って表面に対して移動可能な毛細管を、毛細管との関係が固定されたレーザ・センサと共に含むことができる。したがって、前述の実施形態は、限定としてではなく例示のためのものである。
【符号の説明】
【0056】
20…システム、22…表面、23…収集機器、40…距離測定装置、42…レーザ・センサ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプリング・システムであって、
被分析表面から試料を収集する収集機器と、
前記収集機器と前記表面を互いに近づけ遠ざけるための動かす手段であって、前記収集機器と前記表面の間に試料収集に望ましい位置関係が存在する、動かす手段と、
前記レーザ・センサと前記表面の間の実際の距離に対応する信号を生成するために、前記収集機器に対して固定位置関係で配置されたレーザ・センサを含む距離測定手段であって、前記収集機器と前記表面が試料収集に望ましい位置関係で配置されたときに、前記レーザ・センサと前記表面の間にターゲット距離が存在する距離測定手段と、
前記レーザ・センサと前記表面の間の前記実際の距離に対応する信号を受け取るための手段と、
前記レーザ・センサと前記表面の間の前記実際の距離を前記レーザ・センサと前記表面の間の前記ターゲット距離と比較し、前記レーザ・センサと前記表面の間の前記実際の距離と前記ターゲット距離との差が所定の範囲を超えたときに、前記レーザ・センサと前記表面を互いに近づけるか遠ざけることを開始し、それにより前記表面と前記収集機器を互いに近づけるか遠ざけることによって、前記レーザ・センサと前記表面の前記実際の距離が前記ターゲット距離に近づくようにする比較手段と
を含むサンプリング・システム。
【請求項2】
前記表面が、実質的に平面内に支持され、前記レーザ・センサが、前記平面との前記距離を測定するために前記平面と実質的に垂直に配置された、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記サンプリングが、実質的に水平面内に支持され、前記レーザ・センサが、前記水平面との前記距離を測定するために前記水平面に対して実質的に垂直に配置された、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記ターゲット距離が記憶されるメモリと、レーザ源と前記表面の間の前記実際の距離を前記ターゲット距離と比較するための比較回路と有するコンピュータを更に含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記収集機器によってサンプリングされる前記表面が、実質的にX−Y平面内に配置され、かつ前記収集機器からZ座標軸方向に離間されており、前記表面と前記収集機器を互いに近づけ遠ざけるための手段が、更に、前記表面を前記X−Y平面内で前記収集機器に対して移動させ、それにより、前記表面に沿ったいくつかの座標位置のうちの任意の座標位置も、試料収集のために前記収集機器の近くに位置決めできるようにする手段を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記レーザ・センサが、第1のレーザ・センサであり、前記距離測定手段が、前記収集機器に対して固定位置関係で配置され、第2のレーザ・センサと前記表面の間の前記実際の距離に対応する信号を生成するための前記第2のレーザ・センサを含み、前記第1と第2のレーザ・センサが、前記第1と第2のレーザ・センサと前記表面の間の前記実際の距離に対応する信号を生成するために前記収集機器の両側に配置され、更に、前記生成された信号が対応する前記実際の距離を平均化し、それにより前記比較手段によって比較された前記実際の距離が、前記平均化された実際の距離になるようにする計算手段を更に含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
分析のために被分析表面をサンプリングする表面サンプリング・システムであって、前記表面をサンプリングする収集機器を有し、前記収集機器と前記表面の間に試料収集に望ましい位置関係が存在する表面サンプリング・システムにおいて、
前記収集機器と固定位置関係で取り付けられたレーザ源を含み、前記レーザ・センサと前記表面の間の実際の距離に対応する信号を生成する距離測定手段と、
前記収集機器が、前記表面と試料収集に望ましい位置関係にあるときの前記レーザ・センサと前記表面の間のターゲット距離に関係する情報を含むコンピュータと、
前記コンピュータに接続されており、前記コンピュータから受け取ったコマンドに応じて、前記表面と前記レーザ・センサを近づけ遠ざけるための動かす手段と
を有し、
前記コンピュータが、前記レーザ源と前記表面の間の前記実際の距離に対応する前記信号を受け取るための手段を含み、
前記コンピュータが、前記レーザ源と前記表面の間の前記実際の距離と前記ターゲット距離を比較し、前記実際の距離が所定の範囲を超えたときに前記表面と前記レーザ源を互いに近づけるか遠ざけることを開始し、前記実際の距離が前記ターゲット距離に近づくようにする比較手段を含む、
サンプリング・システム。
【請求項8】
前記サンプリングが、実質的に平面内に支持され、前記レーザ・センサが、前記平面に対する前記距離を測定するために前記平面に対して実質的に垂直に配置された、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記ターゲット距離が記憶されるメモリと、前記レーザ源と前記表面の間の前記実際の距離を前記ターゲット距離と比較するための比較回路とを有するコンピュータを更に含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項10】
前記収集機器によってサンプリングされる前記表面が、実質的にX−Y平面内に配置され、かつ前記収集機器と前記レーザ源からZ座標軸方向に離間され、前記表面と前記レーザ源を互いに近づけ遠ざける前記手段が、更に、前記表面を前記レーザ源に対して前記X−Y平面内で移動させ、それにより、前記平面に沿ったいくつかの座標位置のうちの任意の座標位置も、試料収集のために前記収集機器と位置合わせできるようにする手段を含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項11】
被分析表面をサンプリングする方法であって、
収集機器が前記表面に対して望ましい位置関係で配置されたときに被分析面から試料を収集する収集機器を準備する段階と、
レーザ・センサと前記表面の間の実際の距離に対応する信号を生成するレーザ・センサを含み、前記レーザ・センサを前記収集機器に対して固定位置関係で配置するための距離測定手段を提供する段階と、
前記レーザ・センサと前記表面を互いに近づけ遠ざけることができるように前記レーザ・センサと前記表面を互いに対して支持する段階であって、前記収集機器と前記表面が互いに対して望ましい位置関係で配置されたときに前記レーザ源と前記表面の間にターゲット距離が存在する段階と、
前記距離測定手段によって、前記レーザ・センサと前記表面の間の前記実際の距離に対応する信号を生成する段階と、
前記距離生成手段によって生成された信号から、前記レーザ・センサと前記表面の間の実際の距離を決定する段階と、
前記レーザ・センサと前記表面の間の前記実際の距離を前記ターゲット距離と比較し、前記レーザ・センサと前記表面の間の前記実際の距離と前記ターゲット距離との差が所定の範囲を超えたときに、前記表面と前記レーザ・センサを互いに近づけるか遠ざけることを開始し、それにより、前記表面と前記レーザ・センサを互いに近づけるか遠ざけることによって、前記実際の距離が前記望ましいターゲット距離に近づくようにする段階と
を含む方法。
【請求項12】
信号を生成する前記段階の後に、前記表面と前記収集機器を互いに対して初期位置関係で配置し、前記表面と前記収集機器が前記初期位置関係に配置されたときの前記レーザ・センサと前記表面の間の前記実際の距離を前記ターゲット距離として利用する段階を有する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記表面が、実質的に前記平面内に支持され、前記支持する段階が、前記平面に対する前記距離を測定するために前記レーザ・センサを前記平面に対して実質的に垂直に配置する、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記支持する段階が、前記収集機器を、前記表面から前記試料を収集するための条件で配置する、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記比較する段階が、コンピュータによって実行される、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
被分析表面をサンプリングする方法であって、
前記収集機器が前記表面に対して試料収集に望ましい位置関係で配置されたときに、分析のために表面をサンプリングするように適応された収集機器を提供する段階と、
レーザ・センサと前記表面の間の前記実際の距離に対応する信号を生成するレーザ・センサを含み、前記レーザ・センサを前記収集機器に対して固定位置関係で配置する距離測定手段を提供する段階と、
前記収集機器と前記表面を互いに近づけ遠ざけることができるように前記収集機器と前記表面を互いに対して支持する手段と、
前記表面と前記収集機器を、互いに対して最適な試料収集に望ましい初期位置関係に移動させる段階と、
前記表面が、前記収集機器とその望ましい初期位置関係にあるときに、前記レーザ・センサと前記表面の間の前記実際の初期距離を決定し、前記実際の初期距離を前記レーザ・センサと前記表面の間のターゲット距離に指定する段階と、
前記収集機器を前記表面に対して横切って移動させることによって試料収集プロセスを開始する段階と、
前記試料収集プロセス中に、前記距離測定手段によって、前記レーザ・センサと前記表面の間の前記実際の距離に対応する距離移動信号を生成する段階と、
前記レーザ・センサと前記表面の間の前記実際の距離を前記レーザ・センサと前記表面の間の前記ターゲット距離と比較する段階と、
前記レーザ・センサと前記表面の間の前記実際の距離と前記ターゲット距離との差が、所定の範囲を超えたときに、前記表面と前記レーザ・センサを互いに近づけるか遠ざけることを開始し、それにより前記表面と前記レーザ・センサを互いに近づけるか遠ざけることによって、前記実際の距離が前記望ましいターゲット距離に近づくようにする段階とを含む方法。
【請求項17】
距離移動信号を生成する前記段階と、比較する前記段階が両方とも、前記試料収集プロセス中に定期的な間隔で実行される、請求項16に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5a】
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【図5b】
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【図5c】
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【図6a】
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【図6b】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2011−527075(P2011−527075A)
【公表日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−516271(P2011−516271)
【出願日】平成21年6月2日(2009.6.2)
【国際出願番号】PCT/US2009/003347
【国際公開番号】WO2010/002427
【国際公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【出願人】(301006404)ユーティバトル・エルエルシイ (5)
【Fターム(参考)】