説明

システムキッチン

【課題】腰を屈めずに左右どちらからでも包丁を出し入れすることができるシステムキッチンを提供することを目的とする。
【解決手段】フロアキャビネットと、前記フロアキャビネットの上方に設けられたシンクと、前記シンクの前方において開閉可能に設けられた幕板部と、複数本の包丁をそれぞれの切っ先を後方に向けた状態で収納可能な包丁収納部であって、前記幕板部が閉じた状態においては前記シンクの下方にあり、前記幕板部が開くと前方へ移動可能であって前記シンクの前方に前記包丁の柄を露出させる包丁収納部と、を備えたことを特徴とするシステムキッチンが提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の態様は、一般的に、システムキッチンに関する。
【背景技術】
【0002】
近年のシステムキッチンの中には、キッチンの乱雑さを避けるために、例えばシンクの下方に設けられたフロアキャビネットの中に包丁を収納するものがある。それらの中でも一般的によく知られているシステムキッチンは、例えばシンクの下の開き戸や引出しの前板の裏面(内側面)に設けられた包丁差しに包丁を収納するものである(特許文献1)。しかしながら、特許文献1に記載されたキッチンでは、使用者は、腰を屈めて包丁を出し入れする必要がある。そのため、足腰に負担がかかり、包丁を出し入れすることがやや面倒である。
【0003】
また、シンクの前方の前板によって隠蔽される収納スペース内に設けられた包丁収納ホルダーに、包丁をその柄が横向きとなるように保持するキッチンキャビネットがある(特許文献2)。あるいは、キャビネットを構成する幕板の内方側に設けられた包丁ホルダーに、包丁をその柄あるいは刃が横向きとなるように収納する流し台がある(特許文献3)。しかしながら、特許文献2に記載されたキッチンキャビネットおよび特許文献3に記載された流し台では、収納された包丁の柄が横方向(左方向または右方向)を向いている。そのため、収納された包丁からみて左右のいずれかの側から包丁を取り出すことは困難であり、使い勝手が悪いという問題がある。
【0004】
また、シンクの下の引き出し内に包丁を収納可能なキッチンがある(特許文献4)。しかしながら、特許文献4に記載されたキッチンでは、引き出しの中に包丁が置かれるため、包丁の出し入れがしにくいという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−5914号公報
【特許文献2】特開2009−55954号公報
【特許文献3】特開2009−66193号公報
【特許文献4】特開2002−291547号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、腰を屈めずに左右どちらからでも包丁を出し入れできるシステムキッチンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、フロアキャビネットと、前記フロアキャビネットの上方に設けられたシンクと、前記シンクの前方において開閉可能に設けられた幕板部と、複数本の包丁をそれぞれの切っ先を後方に向けた状態で収納可能な包丁収納部であって、前記幕板部が閉じた状態においては前記シンクの下方にあり、前記幕板部が開くと前方へ移動可能であって前記シンクの前方に前記包丁の柄を露出させる包丁収納部と、を備えたことを特徴とするシステムキッチンである。
【0008】
このシステムキッチンによれば、シンクの下方のより狭い空間を活用して複数の包丁を収納することができる。そのため、従来までは有効に使用できない無駄な空間と考えられていた空間の有効活用を図り、システムキッチンの収納容量を増加させることができる。また、使用者が幕板部を開けて包丁収納部をシンクの下方からシンクの前方へ移動させると、包丁の柄がシンクの前方に露出する。そのため、使用者は、腰を屈めずに包丁を出し入れすることができる。これにより、使い勝手を向上させることができる。また、包丁は、その切っ先を奥行方向(後方)へ向け、その柄尻を手前方向(前方)へ向けて収納される。そのため、包丁は、柄尻を左右方向へ向けて収納される場合と比較して、使用者が包丁を取り出しやすい方向に整理して収納される。これにより、使用者は、包丁収納部からみて左側方および右側方のどちらからでも包丁を取り出しやすい。また、右仕様のシステムキッチンおよび左仕様のシステムキッチンに合わせた左右違いの包丁収納部を品揃えする必要がない。
【0009】
また、第2の発明は、第1の発明において、前記幕板部は、下端部を回動軸として開閉し開いた状態で停止する扉であり、前記包丁収納部は、前記開いた状態で停止した扉の上方の位置に前記包丁の柄を露出させることを特徴とするシステムキッチンである。
【0010】
このシステムキッチンによれば、露出した包丁の柄は、開いた位置で停止した扉の前端部よりも前方に位置することはない。そのため、使用者は、システムキッチンの正面を移動するときに包丁の柄に触れることはない。そのため、使用者は、包丁収納部を前方へ移動させたままでも安心して厨房作業を行うことができる。また、幕板部が下端部を回動軸として開閉し開いた状態で停止する扉であるため、扉が前方へ移動する量は、幕板部が引出しの前板である場合の前方へ移動する量よりも少ない。そのため、より使いやすいシステムキッチンを提供することができる。
【0011】
また、第3の発明は、第2の発明において、前記扉の開閉と、前記包丁収納部の前後移動と、を連動させる連動機構部をさらに備えたことを特徴とするシステムキッチンである。
【0012】
このシステムキッチンによれば、扉が開く動作に連動して、包丁収納部が前方へ移動する。そのため、使用者は、調理作業をすいすいとより効率的に行うことができる。
【0013】
また、第4の発明は、第2または第3の発明において、前記シンクと前記扉との間に設けられた小物収納部をさらに備え、前記包丁収納部は、前記扉と前記小物収納部との間から前記包丁の柄を露出させることを特徴とするシステムキッチンである。
【0014】
このシステムキッチンによれば、使用者は、例えば扉の背後などに調理小物を収納することができる。また、使用者が包丁を出し入れする際に、小物収納部が邪魔になることはない。
【0015】
また、第5の発明は、第2の発明において、前記扉が閉じた状態における前記包丁収納部に収納された前記包丁の柄尻と前記扉との間隔は、前記扉が開くときの前記包丁収納部の前記前方への移動の際の前記包丁と前記扉との接触を回避するための移動代を含むことを特徴とするシステムキッチンである。
【0016】
このシステムキッチンによれば、包丁収納部が移動する際に、包丁の柄が扉と接触して支えることを防止することができる。これにより、扉が開かなくなることを防止することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の態様によれば、腰を屈めずに左右どちらからでも包丁を出し入れすることができるシステムキッチンが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態にかかるシステムキッチンを表す斜視模式図である。
【図2】本実施形態にかかるシステムキッチンを表す断面模式図である。
【図3】本実施形態の連動機構部の具体例を例示する断面模式図である。
【図4】本実施形態の連動機構部の具体例を例示する断面模式図である。
【図5】本実施形態の連動機構部の他の具体例を例示する断面模式図である。
【図6】本実施形態の連動機構部のさらに他の具体例を例示する断面模式図である。
【図7】本実施形態の連動機構部のさらに他の具体例を例示する断面模式図である。
【図8】本具体例の連動機構部を拡大して眺めた斜視模式図である。
【図9】本具体例の連動機構部を拡大して眺めた斜視模式図である。
【図10】本実施形態の連動機構部のさらに他の具体例を例示する断面模式図である。
【図11】本実施形態の手動機構部を説明するための斜視模式図である。
【図12】本実施形態の手動機構部を説明するための断面模式図である。
【図13】本実施形態の幕板部が引出しの前板である場合の具体例を例示する断面模式図である。
【図14】本実施形態の幕板部が引出しの前板である場合の他の具体例を例示する断面模式図である。
【図15】本実施形態の幕板部が引出しの前板である場合のさらに他の具体例を例示する断面模式図である。
【図16】本発明の他の実施の形態にかかるシステムキッチンを表す斜視模式図である。
【図17】本実施形態にかかるシステムキッチンを表す断面模式図である。
【図18】本実施形態にかかるシステムキッチンの変形例を例示する斜視模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、本発明の実施の形態にかかるシステムキッチンを表す斜視模式図である。
また、図2は、本実施形態にかかるシステムキッチンを表す断面模式図である。
なお、図1(a)は、幕板部が閉じた状態を表す斜視模式図である。図1(b)は、幕板部が開いた状態を表す斜視模式図である。また、図2(a)は、図1(a)に表した切断面A−Aにおける断面模式図である。図2(b)は、図1(b)に表した切断面B−Bにおける断面模式図である。
【0020】
本実施形態にかかるシステムキッチン100は、フロアキャビネット110と、シンク120と、幕板部130と、を備える。
シンク120は、フロアキャビネット110の上方に設けられている。
【0021】
図1(b)および図2(b)に表したように、幕板部130は、例えば、下端部を回動軸として開閉する扉である。そして、幕板部130は、開いた位置で停止する。但し、幕板部130は、回動する扉に限定されるわけではなく、後述するような前後方向に移動する引出しの前板であってもよい。つまり、幕板部130は、シンク120の前方において開閉可能に設けられている。
【0022】
なお、本願明細書において「前方」とは、システムキッチン100の正面に立った使用者からみて手前方向をいうものとする。また、「後方」とは、システムキッチン100の正面に立った使用者からみて奥行方向をいうものとする。また、「右側方」とは、システムキッチン100の正面に立った使用者からみて右側の方向をいうものとする。また、「左側方」とは、システムキッチン100の正面に立った使用者からみて左側の方向をいうものとする。
【0023】
図1(b)および図2(b)に表したように、幕板部130には、例えば、丁番133およびリンクアーム155が取り付けられている。丁番133としては、例えば「スライド丁番」などと呼ばれる丁番などが挙げられる。そのため、本願明細書において「回動軸」という範囲には、固定された回動軸だけではなく、移動可能な回動軸が含まれるものとする。丁番133の一端は、幕板部130に固定され、丁番133の他端は、フロアキャビネット110に固定されている。つまり、丁番133は、幕板部130とフロアキャビネット110とを連結させている。
【0024】
リンクアーム155は、一端において幕板部130に連結され、前後方向に移動することができる。リンクアーム155の詳細については、後に詳述する。
【0025】
図2(a)および図2(b)に表したように、シンク120の下方には、収納領域101が設けられている。収納領域101は、シンク120の直下で上下に狭い所定範囲を有する空間を形成している。幕板部130が閉じた状態において、収納領域101には、包丁収納部141が設けられている。言い換えれば、包丁収納部141は、収納状態において収納領域101にシンク120の底面とほぼ平行な姿勢となるように設けられている。包丁収納部141は、複数本の包丁10をそれぞれの切っ先をシステムキッチン100の後方へ向けた状態で収納することができる。言い換えれば、包丁収納部141は、複数本の包丁10をそれぞれの切っ先とは反対側の柄11の柄尻をシステムキッチン100の前方へ向けた状態で収納することができる。但し、包丁10の収納状態は、包丁10の長手方向が幕板部130に対して垂直である状態に限定されるわけではない。
【0026】
図1(a)および図2(a)に表したように、幕板部130は、閉じた状態における上端部に把手131を有する。使用者は、把手131を把持し前方へ操作することにより、幕板部130を回動させ開くことができる。そうすると、使用者は、収納領域101に設けられた包丁収納部141を前方へ移動させることができる。このとき、包丁収納部141は、幕板部130の開閉動作により前後方向へ移動してもよいし、幕板部130の開閉動作とは関係なく使用者の操作により前後方向へ移動してもよい。これらの具体例については、後に詳述する。
【0027】
図1(b)および図2(b)に表したように、本実施形態にかかるシステムキッチン100では、使用者は、幕板部130を開き包丁収納部141を前方へ移動させることにより、シンク120の前方に包丁10の柄11を露出させることができる。言い換えれば、包丁収納部141は、収納領域101から前方へ移動することにより、シンク120の前方に包丁10の柄11を露出させることができる。
【0028】
本実施形態によれば、シンク120の下方のより狭い空間を活用して複数の包丁10を収納することができる。そのため、従来までは有効に使用できない無駄な空間と考えられていた空間の有効活用を図り、システムキッチン100の収納容量を増加させることができる。また、使用者が幕板部130を開けて包丁収納部141をシンク120の下方からシンク120の前方へ移動させると、包丁10の柄11がシンク120の前方に露出する。そのため、使用者は、腰を屈めずに包丁10を出し入れすることができる。これにより、使い勝手を向上させることができる。また、包丁10は、その切っ先を奥行方向(後方)へ向け、その柄11の柄尻を手前方向(前方)へ向けて収納される。そのため、包丁10は、柄11の柄尻を左右方向へ向けて収納される場合と比較して、使用者が包丁10を取り出しやすい方向に整理して収納される。これにより、使用者は、包丁収納部141からみて左側方および右側方のどちらからでも包丁10を取り出しやすい。また、右仕様のシステムキッチン100および左仕様のシステムキッチン100に合わせた左右違いの包丁収納部を品揃えする必要がない。
【0029】
図1(b)および図2(b)に表したように、幕板部130が下端部を回動軸として開閉し開いた位置で停止する扉である場合には、使用者は、幕板部130を開き包丁収納部141を前方へ移動させることにより、シンク120の前方および開いた位置で停止した幕板部130の上方の位置に包丁10の柄11を露出させることができる。言い換えれば、フロアキャビネット110から露出した包丁10の柄11は、開いた位置で停止した幕板部130の前端部130aよりも前方に位置することはない。
【0030】
これによれば、開いた位置で停止した幕板部130の前端部130aよりも前方に包丁10の柄11が位置することはないため、使用者は、システムキッチン100の正面を移動するときに包丁10の柄11に触れることはない。そのため、使用者は、包丁収納部141を前方へ移動させたままでも安心して厨房作業を行うことができる。また、開いた位置で停止した幕板部130の前端部130aは、幕板部130が引出しの前板である場合において開いた位置で停止した幕板部130の前端部よりも後方に位置する。つまり、幕板部130が前方へ移動する量は、幕板部130が引出しの前板である場合の前方へ移動する量よりも少ない。そのため、より使いやすいシステムキッチン100を提供することができる。
【0031】
また、閉じた状態の幕板部130と、シンク120と、の間には、小物収納部143が設けられている。小物収納部143は、例えばキッチンばさみや栓抜きなどの調理小物を収納することができる。小物収納部143は、図示しない軸により例えばフロアキャビネット110などに回動自在に軸支され、閉じた状態の幕板部130に寄りかかっている。そのため、図1(b)および図2(b)に表したように、使用者が幕板部130を開くと、幕板部130に寄りかかっていた小物収納部143は、図示しない軸を中心に回動しシンク120の前方に露出する。そして、小物収納部143は、所定位置で停止する。
【0032】
この場合には、包丁10の柄11は、幕板部130と小物収納部143との間から飛び出して露出する。これによれば、使用者は、幕板部130の背後(後方)に小物を収納することができる。また、使用者が包丁10を出し入れする際に、小物収納部143が邪魔になることはない。
【0033】
次に、幕板部130の開閉と、包丁収納部141の前後移動と、を連動させる連動機構部の具体例について、図面を参照しつつ説明する。
図3および図4は、本実施形態の連動機構部の具体例を例示する断面模式図である。
なお、図3は、説明の便宜上、包丁を省略した断面模式図である。図3(a)は、幕板部が閉じた状態を表す断面模式図である。図3(b)は、幕板部が開いた状態を表す断面模式図である。図4は、包丁を省略せずに表した断面模式図である。図4(a)は、幕板部が閉じた状態を表す断面模式図である。図4(b)および図4(c)は、幕板部130が開いている途中の状態を例示する断面模式図である。図4(d)は、幕板部が開いた状態を表す断面模式図である。
【0034】
図3(a)および図4(a)は、図1(a)に表した切断面A−Aにおける断面模式図に相当する。図3(b)および図4(d)は、図1(b)に表した切断面B−Bにおける断面模式図に相当する。
【0035】
本具体例の連動機構部150は、包丁収納部ガイド板151と、可動溝カム板153と、リンクアーム155と、アングル157と、を有する。本具体例の幕板部130は、下端部を回動軸として開閉し開いた位置で停止する扉である。
【0036】
包丁収納部ガイド板151は、第1の包丁収納部ガイド溝151aと、第2の包丁収納部ガイド溝151bと、包丁収納部ガイド板軸部151cと、を有する。包丁収納部ガイド板151は、フロアキャビネット110に固定されている。
【0037】
可動溝カム板153は、カム溝153aと、可動溝カム板軸部153bと、を有する。可動溝カム板153は、包丁収納部ガイド板軸部151cにおいて包丁収納部ガイド板151に対して回動自在に軸支されている。
【0038】
リンクアーム155は、アングル157が有するアングル軸部157aにおいてアングル157に対して回動自在に軸支されている。そして、リンクアーム155は、一端においてアングル157を介して幕板部130に連結されている。リンクアーム155は、他端において可動溝カム板153に連結されている。具体的には、リンクアーム155は、可動溝カム板軸部153bにおいて可動溝カム板153に対して回動自在に軸支されている。
【0039】
包丁収納部141は、第1の包丁収納部軸部141aと、第2の包丁収納部軸部141bと、を有する。第1の包丁収納部軸部141aは、第1の包丁収納部ガイド溝151aと係合し、第1の包丁収納部ガイド溝151aに沿って移動することができる。第2の包丁収納部軸部141bは、第2の包丁収納部ガイド溝151bおよびカム溝153aと係合し、第2の包丁収納部ガイド溝151bおよびカム溝153aに沿って移動することができる。
【0040】
使用者が幕板部130を開くと、リンクアーム155が前方へ移動する。そうすると、図3(a)に表した矢印A1のように、リンクアーム155と連結された可動溝カム板153は、包丁収納部ガイド板軸部151cを中心として前方へ向かって回動する。そうすると、第2の包丁収納部軸部141bは、可動溝カム板153の回動開始と略同時あるいは可動溝カム板153の回動開始よりも遅れて、カム溝153aの側壁から前方への力を受ける。これにより、第2の包丁収納部軸部141bは、第2の包丁収納部ガイド溝151bおよびカム溝153aに沿って前方へ移動する。また、第1の包丁収納部軸部141aは、第1の包丁収納部ガイド溝151aに沿って前方へ移動する。
【0041】
これにより、図3(b)に表したように、包丁収納部141は、前方へ移動する。そして、図4(d)に表したように、包丁収納部141は、前方へ移動することにより、シンク120の前方に包丁10の柄11を露出させることができる。つまり、使用者は、幕板部130を開くことにより包丁収納部141を前方へ移動させ、包丁収納部141の前方移動に連動してシンク120の前方に包丁10の柄11を露出させることができる。
【0042】
これによれば、幕板部130が開く動作に連動して、包丁収納部141が前方へ移動する。そのため、使用者は、調理作業をすいすいとより効率的に行うことができる。また、使用者が幕板部130を開くと、包丁収納部141が前方へ移動し、包丁10の柄11がシンク120の前方に自動的に露出する。そのため、使用者は、腰を屈めずに包丁10を出し入れすることができる。これにより、使い勝手を向上させることができる。
【0043】
図3(a)および図3(b)に表したように、第1の包丁収納部軸部141aが係合した第1の包丁収納部ガイド溝151aは、前方へ向かうにつれて上昇するように形成されている。一方、第2の包丁収納部軸部141bが係合した第2の包丁収納部ガイド溝151bは、略水平に形成されている。これにより、包丁収納部141が前方へ移動するにつれて、包丁収納部141の前端部は上昇し、包丁収納部141の後端部は略水平に移動する。
【0044】
すなわち、本具体例の連動機構部150は、シンク120の下方において包丁収納部141が略水平に配置された収納位置と、シンク120の前方において包丁収納部141がその前端部を上方へ傾斜させた状態で配置された使用位置と、の間を包丁収納部141が移動するように動作する。あるいは、包丁収納部ガイド板151は、シンク120の下方において包丁収納部141が略水平に配置された収納位置と、シンク120の前方において包丁収納部141がその前端部を上方へ傾斜させた状態で配置された使用位置と、の間を包丁収納部141が移動できるように包丁収納部141を支持する。
【0045】
そのため、包丁収納部141は、前方への動作と連動して包丁10の柄11を上方へ持ち上げるように移動する。言い換えれば、本具体例の連動機構部150は、幕板部130の開閉動作と、包丁収納部141が包丁10の柄11を上下させる動作と、が連動するように動作する。そして、包丁10の柄11は、前方へ向かうにつれて上昇してシンク120の前方に露出する。
【0046】
これによれば、包丁収納部141は、使用者が包丁10を取り出しやすい位置に自動的に移動する。また、幕板部130の開閉動作と、包丁収納部141の上下動作と、が連動するため、包丁10の出し入れの手間が軽減される。そのため、調理作業の効率を向上させることができる。さらに、連動機構部150は、シンク120の下方のより狭い空間へ包丁収納部141を収納する動作と、使用者が包丁10を取り出しやすい位置へ包丁収納部141を移動させる動作と、をより楽に行うことができる。
【0047】
本具体例では、例えば図3に表した範囲B1内のカム溝153aは、包丁収納部ガイド板軸部151cあるいは包丁収納部ガイド板軸部151cと係合する可動溝カム板孔部を中心した円形状を呈する。そのため、使用者が幕板部130を開くことで、リンクアーム155と連結された可動溝カム板153が包丁収納部ガイド板軸部151cを中心として回動しても、第2の包丁収納部軸部141bは、カム溝153aの側壁から力を受けない。そのため、図4(b)に表したように、第2の包丁収納部軸部141bが図3に表した範囲B1内のカム溝153aを相対的に移動するときには、第2の包丁収納部軸部141bは、前方へは移動しない。
【0048】
続いて、使用者が幕板部130をさらに開くと、第2の包丁収納部軸部141bは、図3に表した範囲B1外のカム溝153aを相対的に移動するときにカム溝153aの側壁から前方への力を受ける。そうすると、図4(c)に表したように、包丁収納部141は、前方へ移動する。
【0049】
このように、本具体例の連動機構部150は、幕板部130が開く動作よりも遅れて、シンク120の前方および開いた位置で停止した幕板部130の上方の位置に包丁収納部141を露出させることができる。具体的には、包丁収納部141は、幕板部130が開く動作の途中から前方への移動を開始する。つまり、本具体例の連動機構部150は、遅延引き出し機構部としての機能を有する。
【0050】
幕板部130が開く動作よりも遅れることなく包丁収納部141を露出させようとすると、包丁収納部141が前方へ移動する際に、包丁10の柄11が幕板部130と接触して支(つか)える場合がある。そうすると、幕板部130や包丁収納部141が動かなくなる場合がある。あるいは、包丁10が幕板部130を無理に押して露出する場合がある。
【0051】
これに対して、本具体例では、幕板部130が開く動作よりも遅れて、包丁収納部141を露出させることができる。そのため、包丁収納部141が前方へ移動する際に、包丁10の柄11が幕板部130と接触して支えることを防止することができる。これにより、幕板部130が開かなくなることを防止することができる。そのため、使用者は、幕板部130を滑らかに開くことができる。
【0052】
また、前述したように、包丁収納部141は、幕板部130が開く動作の途中から前方への移動を開始する。そのため、使用者は、幕板部130を開く初期段階では、より軽い力でより楽に幕板部130を開くことができる。一方、使用者は、幕板部130を閉じる際には、幕板部130を閉じる途中で包丁収納部141の格納作業を終了することができる。これによれば、使用者は、幕板部130を閉じる初期段階ではより大きい力を必要とする一方で、包丁収納部141を格納した後ではより軽い力でより楽に幕板部130を閉じることができる。そのため、幕板部130が不用意に開いたままの状態となることを防止することができる。
【0053】
図5は、本実施形態の連動機構部の他の具体例を例示する断面模式図である。
なお、図5(a)は、幕板部が閉じた状態を表す断面模式図である。図5(b)および図5(c)は、幕板部130が開いている途中の状態を例示する断面模式図である。図5(d)は、幕板部が開いた状態を表す断面模式図である。
図5(a)は、図1(a)に表した切断面A−Aにおける断面模式図に相当する。図5(d)は、図1(b)に表した切断面B−Bにおける断面模式図に相当する。
【0054】
本具体例の連動機構部150aは、図3および4に関して前述した連動機構部150の変形例に相当する。
すなわち、本具体例の可動溝カム板153は、カム溝153dを有する。カム溝153dは、図3に表した範囲B1内のカム溝153aのようには、包丁収納部ガイド板軸部151cあるいは包丁収納部ガイド板軸部151cと係合する可動溝カム板孔部を中心した円形状を呈するわけではない。本具体例のカム溝153dは、一端部153eから他端部153fへ向かうに連れて包丁収納部ガイド板軸部151cあるいは包丁収納部ガイド板軸部151cと係合する可動溝カム板孔部へ近づく湾曲部B2を有する。
【0055】
そのため、使用者が幕板部130を開くことで、リンクアーム155と連結された可動溝カム板153が包丁収納部ガイド板軸部151cを中心として前方へ向かって回動すると、第2の包丁収納部軸部141bは、可動溝カム板153の回動開始と略同時に、カム溝153dの側壁から前方への力を受ける。このとき、図5(a)に表したように、カム溝153dの湾曲部B2は、一端部153eから他端部153fへ向かうに連れて包丁収納部ガイド板軸部151cあるいは包丁収納部ガイド板軸部151cと係合する可動溝カム板孔部へ徐々に近づく。そのため、第2の包丁収納部軸部141bは、カム溝153dの湾曲部B2を相対的に移動するときには、カム溝153dの側壁から前方への僅かな力を受ける。そうすると、図5(b)に表したように、包丁収納部141は、前方へ徐々に移動する。
【0056】
続いて、第2の包丁収納部軸部141bは、カム溝153dの湾曲部B2よりも他端部153fの側を相対的に移動するときには、カム溝153dの湾曲部B2を相対的に移動するときと比較して、カム溝153dの側壁から前方へのより大きな力を受ける。そうすると、図5(c)および図5(d)に表したように、包丁収納部141は、第2の包丁収納部軸部141bがカム溝153dの湾曲部B2を相対的に移動するときと比較して、より速い速度で前方へ移動する。
その他の構造および動作は、図3および4に関して前述した連動機構部150の構造および動作と同様である。
【0057】
本具体例の連動機構部150aは、幕板部130が開く動作よりも遅れて、シンク120の前方および開いた位置で停止した幕板部130の上方の位置に包丁10の柄11を露出させることができる。具体的には、包丁収納部141は、幕板部130が開く動作の開始と略同時に前方への移動を開始し、前方への移動の初期段階では、幕板部130が前方へ移動する速度よりも遅い速度で前方へ移動する。つまり、本具体例の連動機構部150aは、遅延引き出し機構部としての機能を有する。
【0058】
本具体例によれば、包丁収納部141が前方へ移動する際に、包丁10の柄11が幕板部130と接触して支えることを防止することができる。そのため、使用者は、幕板部130を滑らかに開くことができる。また、使用者は、幕板部130を開く初期段階において包丁10の柄11の前方移動を確認することができ、また、より早い段階で包丁10を取り出すこともできる。そのため、調理作業の効率をより向上させることができる。
【0059】
図6および図7は、本実施形態の連動機構部のさらに他の具体例を例示する断面模式図である。
また、図8および図9は、本具体例の連動機構部を拡大して眺めた斜視模式図である。 なお、図6は、説明の便宜上、包丁を省略した断面模式図である。図6(a)は、幕板部が閉じた状態を表す断面模式図である。図6(b)は、幕板部130が開いている途中の状態を例示する断面模式図である。図6(c)は、幕板部が開いた状態を表す断面模式図である。図7は、包丁を省略せずに表した断面模式図である。図7(a)は、幕板部が閉じた状態を表す断面模式図である。図7(b)は、幕板部130が開いている途中の状態を例示する断面模式図である。図7(c)は、幕板部が開いた状態を表す断面模式図である。
図8(a)は、幕板部が開いた状態を表す斜視模式図である。図8(b)は、幕板部が開いた状態における包丁収納部ガイド板軸部161cの近傍を拡大して眺めた斜視模式図である。図9(a)は、幕板部が閉じる途中の状態を例示する斜視模式図である。図9(b)は、幕板部が閉じる途中の状態における包丁収納部ガイド板軸部161cの近傍を拡大して眺めた斜視模式図である。
【0060】
図6(a)および図7(a)は、図1(a)に表した切断面A−Aにおける断面模式図に相当する。図6(c)および図7(c)は、図1(b)に表した切断面B−Bにおける断面模式図に相当する。
【0061】
本具体例の連動機構部160は、包丁収納部ガイド板161と、可動溝カム板163と、リンクアーム165と、アングル167と、を有する。本具体例の幕板部130は、下端部を回動軸として開閉し開いた位置で停止する扉である。
【0062】
包丁収納部ガイド板161は、第1の包丁収納部ガイド溝161aと、第2の包丁収納部ガイド溝161bと、包丁収納部ガイド板軸部161cと、を有する。包丁収納部ガイド板161は、フロアキャビネット110に固定されている。
【0063】
可動溝カム板163は、カム溝163aと、可動溝カム板軸部163bと、可動溝カム板突起部163cと、を有する。可動溝カム板163は、包丁収納部ガイド板軸部161cにおいて包丁収納部ガイド板161に対して回動自在に軸支されている。可動溝カム板軸部163bは、リンクアーム165が有するリンクアーム溝部165aと係合し、リンクアーム溝部165aに沿って移動することができる。可動溝カム板突起部163cは、図8(b)および図9(b)に表したように、リンクアーム165が設けられた側の可動溝カム板163の側面からリンクアーム165あるいは包丁収納部ガイド板161へ向かって突出している。
【0064】
リンクアーム165は、アングル167が有するアングル軸部167aにおいてアングル167に対して回動自在に軸支されている。そして、リンクアーム165は、一端においてアングル167を介して幕板部130に連結されている。リンクアーム165は、他端において、リンクアーム165の延在方向に沿って設けられたリンクアーム溝部165aを有する。前述したように、可動溝カム板軸部163bは、リンクアーム溝部165aと係合し、リンクアーム溝部165aに沿って移動することができる。
包丁収納部141は、図3および図4に関して前述した包丁収納部と同様である。
【0065】
使用者が幕板部130を開くと、図6(a)に表した矢印A2のように、リンクアーム165が前方へ移動する。そうすると、図6(b)に表したように、可動溝カム板軸部163bは、リンクアーム溝部165aを相対的に後方へ移動する。このとき、可動溝カム板軸部163bは、リンクアーム溝部165aの側壁から力を受けない。そのため、図6(b)および図7(b)に表したように、可動溝カム板163は、包丁収納部ガイド板軸部161cを中心としては回動しない。そのため、可動溝カム板軸部163bがリンクアーム溝部165aを相対的に後方へ移動するときには、第2の包丁収納部軸部141bが、カム溝163aの側壁から力を受けることはなく、第2の包丁収納部ガイド溝161bおよびカム溝163aに沿って前方へ移動することはない。
【0066】
続いて、可動溝カム板軸部163bがリンクアーム溝部165aの後端部に当接し、使用者が幕板部130をさらに開くと、可動溝カム板軸部163bは、リンクアーム溝部165aの後端部の側壁から力を受ける。これにより、図6(b)に表した矢印A3のように、可動溝カム板163は、包丁収納部ガイド板軸部161cを中心として前方へ向かって回動する。そうすると、第2の包丁収納部軸部141bは、可動溝カム板163の回動開始と略同時に、カム溝163aの側壁から前方への力を受ける。これにより、第2の包丁収納部軸部141bは、第2の包丁収納部ガイド溝161bおよびカム溝163aに沿って前方へ移動する。また、第1の包丁収納部軸部141aは、第1の包丁収納部ガイド溝161aに沿って前方へ移動する。
【0067】
これにより、図6(c)に表したように、包丁収納部141は、前方へ移動する。そして、図7(c)に表したように、包丁収納部141は、前方へ移動することにより、シンク120の前方に包丁10の柄11を露出させることができる。つまり、使用者は、幕板部130を開くことにより包丁収納部141を前方へ移動させ、包丁収納部141の前方移動に連動してシンク120の前方に包丁10の柄11を露出させることができる。
【0068】
このとき、図3および図4に関して前述した具体例と同様に、包丁収納部141は、前方への動作と連動して包丁10の柄11を上方へ持ち上げるように移動する。言い換えれば、本具体例の連動機構部160は、幕板部130の開閉動作と、包丁収納部141が包丁10の柄11を上下させる動作と、が連動するように動作する。そして、包丁10の柄11は、前方へ向かうにつれて上昇してシンク120の前方に露出する。
【0069】
このように、本具体例の連動機構部160は、幕板部130が開く動作よりも遅れて、シンク120の前方および開いた位置で停止した幕板部130の上方の位置に包丁収納部141を露出させることができる。具体的には、包丁収納部141は、幕板部130が開く動作の途中から前方への移動を開始する。つまり、本具体例の連動機構部160は、遅延引き出し機構部としての機能を有する。
【0070】
ここで、図6(b)に表したように、包丁収納部ガイド板軸部161cと、第2の包丁収納部軸部141bと、の間の距離を「L4」とする。また、包丁収納部ガイド板軸部161cと、可動溝カム板軸部163bと、の間の距離を「L3」とする。
一方、図3(a)に表したように、包丁収納部ガイド板軸部151cと、第2の包丁収納部軸部141bと、の間の距離を「L2」とする。また、包丁収納部ガイド板軸部151cと、可動溝カム板軸部153bと、の間の距離を「L1」とする。
【0071】
本具体例では、距離L3に対する距離L4の比率は、距離L1に対する距離L2の比率よりも大きい。そのため、本具体例では、図3および図4に関して前述した具体例と比較して、幕板部130およびリンクアーム165の前方へのより小さい移動距離で、包丁収納部141および包丁10の柄11をシンク120のより前方へ移動させ露出させることができる。また、図3および図4に関して前述した効果と同様の効果が得られる。
【0072】
一方、使用者が幕板部130を閉じると、図8(a)および図8(b)に表したように、リンクアーム165の後端部が可動溝カム板突起部163cに当接する。
ここで、可動溝カム板突起部163cが設けられていない場合において、使用者が幕板部130を閉じると、リンクアーム165だけが後方へ移動し、可動溝カム板163は、包丁収納部ガイド板軸部161cを中心としては回動しない。そうすると、包丁収納部141および包丁収納部141に収納された包丁10が後方へ移動しないにもかかわらず、幕板部130が閉じる。そうすると、幕板部130が包丁10の柄11と接触する。
【0073】
これに対して、本具体例の連動機構部160の可動溝カム板163は、側面からリンクアーム165へ向かって突出した可動溝カム板突起部163cを有する。そのため、使用者が開いた状態の幕板部130を閉じると、リンクアーム165の後端部が可動溝カム板突起部163cに当接する。これにより、可動溝カム板163が包丁収納部ガイド板軸部161cを中心として後方へ回動しない状態でリンクアーム165だけが後方へ移動することを防止することができる。言い換えれば、リンクアーム165の後端部が可動溝カム板突起部163cに当接した状態において、可動溝カム板軸部163bがリンクアーム溝部165aを相対的に前方へ移動することを防止することができる。これにより、使用者が幕板部130を閉じる際にも、幕板部130が包丁10の柄11と接触することを防止することができる。
【0074】
そして、リンクアーム165の後端部が可動溝カム板突起部163cに当接し後方への力を与えることで、図9(a)および図9(b)に表したように、可動溝カム板163は、包丁収納部ガイド板軸部161cを中心として後方へ回動する。そうすると、第2の包丁収納部軸部141bは、可動溝カム板163の回動開始と略同時に、カム溝163aの側壁から後方への力を受ける。これにより、第2の包丁収納部軸部141bは、第2の包丁収納部ガイド溝161bおよびカム溝163aに沿って後方へ移動する。また、第1の包丁収納部軸部141aは、第1の包丁収納部ガイド溝161aに沿って後方へ移動する。これにより、包丁収納部141は、前方へ移動する。
【0075】
また、可動溝カム板163が所定角度だけ回動すると、リンクアーム165は、可動溝カム板突起部163cに当接せず、あるいは可動溝カム板突起部163cの表面を摺動することで後方へ移動することができる。このときには、包丁収納部141は、前方へ移動している。そのため、幕板部130が包丁10の柄11と接触することを防止することができる。そして、幕板部130が開くときとは逆の作用により、シンク120の下方の収納領域101に包丁収納部141を収納することができる。
【0076】
図10は、本実施形態の連動機構部のさらに他の具体例を例示する断面模式図である。 なお、図10(a)は、幕板部が閉じた状態を表す断面模式図である。図10(b)および図10(c)は、幕板部130が開いている途中の状態を例示する断面模式図である。図10(d)は、幕板部が開いた状態を表す断面模式図である。
図10(a)は、図1(a)に表した切断面A−Aにおける断面模式図に相当する。図10(d)は、図1(b)に表した切断面B−Bにおける断面模式図に相当する。
【0077】
本具体例の連動機構部170は、包丁収納部ガイド板171と、包丁収納部駆動アーム173と、リンクアーム175と、アングル177と、を有する。本具体例の幕板部130は、下端部を回動軸として開閉し開いた位置で停止する扉である。
【0078】
包丁収納部ガイド板171は、第1の包丁収納部ガイド溝171aと、第2の包丁収納部ガイド溝171bと、を有する。包丁収納部ガイド板171は、フロアキャビネット110に固定されている。
【0079】
包丁収納部駆動アーム173は、長穴173aと、包丁収納部駆動アーム軸部173bと、を有する。包丁収納部駆動アーム173は、フロアキャビネット110に設けられたキャビネット軸部111において、フロアキャビネット110に対して回動自在に軸支されている。
【0080】
リンクアーム175は、一端においてアングル157を介して幕板部130に連結されている。これは、図3および図4に関して前述したリンクアーム155の連結構造と同様である。リンクアーム175は、他端において包丁収納部駆動アーム173に連結されている。具体的には、リンクアーム155は、包丁収納部駆動アーム軸部173bにおいて包丁収納部駆動アーム173に対して回動自在に軸支されている。
【0081】
本具体例では、収納領域101(図2参照)に収納された包丁収納部141は、図3〜図7に関して前述した具体例において収納領域101に収納された包丁収納部141よりも後方側のフロアキャビネット110に配置されている。つまり、収納状態の包丁収納部141に収納された包丁10の柄11の柄尻と、閉じた状態の幕板部130と、の間隔は、幕板部130が開くときの包丁収納部141の前方への移動の際の包丁10と幕板部130との接触を回避するための移動代を含む。
その他の包丁収納部141の構造は、図3および図4に関して前述した包丁収納部の構造と同様である。
【0082】
本具体例によれば、包丁収納部141の前方への移動の際の包丁10と幕板部130との接触を回避するための移動代が、収納状態の包丁収納部141に収納された包丁10の柄11の柄尻と、閉じた状態の幕板部130と、の間隔に含まれる。そのため、包丁収納部141が前方へ移動する際に、包丁10の柄11が幕板部130と接触して支えることを防止することができる。これにより、幕板部130が開かなくなることを防止することができる。そのため、使用者は、幕板部130を滑らかに開くことができる。
【0083】
使用者が幕板部130を開くと、リンクアーム175が前方へ移動する。そうすると、図10(a)に表した矢印A4のように、リンクアーム175と連結された包丁収納部駆動アーム173は、キャビネット軸部111を中心として前方へ向かって回動する。そうすると、第2の包丁収納部軸部141bは、包丁収納部駆動アーム173の回動開始と略同時に長穴173aの側壁から前方への力を受ける。これにより、第2の包丁収納部軸部141bは、第2の包丁収納部ガイド溝171bおよび長穴173aに沿って前方へ移動する。また、第1の包丁収納部軸部141aは、第1の包丁収納部ガイド溝171aに沿って前方へ移動する。
【0084】
これにより、図10(b)および図10(c)に表したように、包丁収納部141は、前方へ移動する。そして、図10(d)に表したように、包丁収納部141は、前方へ移動することにより、シンク120の前方に包丁10の柄11を露出させることができる。つまり、使用者は、幕板部130を開くことにより包丁収納部141を前方へ移動させ、包丁収納部141の前方移動に連動してシンク120の前方に包丁10の柄11を露出させることができる。
【0085】
このとき、図3および図4に関して前述した具体例と同様に、包丁収納部141は、前方への動作と連動して包丁10の柄11を上方へ持ち上げるように移動する。言い換えれば、本具体例の連動機構部170は、幕板部130の開閉動作と、包丁収納部141が包丁10の柄11を上下させる動作と、が連動するように動作する。そして、包丁10の柄11は、前方へ向かうにつれて上昇してシンク120の前方に露出する。
また、図10(c)および図10(d)に表したように、包丁10の柄11は、幕板部130と小物収納部143との間から飛び出して露出する。これによれば、使用者は、幕板部130の背後に小物を収納することができる。また、使用者が包丁10を出し入れする際に、小物収納部143が邪魔になることはない。
【0086】
本具体例の連動機構部170は、幕板部130が開く動作よりも遅れて、シンク120の前方および開いた位置で停止した幕板部130の上方の位置に包丁収納部141を露出させることができる。具体的には、包丁収納部141は、幕板部130が開く動作の開始と略同時に前方への移動を開始する。そして、収納状態の包丁収納部141に収納された包丁10の柄11の柄尻と、閉じた状態の幕板部130と、の間隔が含む移動代により、包丁10の柄11が幕板部130と接触して支えることを防止することができる。これにより、幕板部130が開かなくなることを防止することができる。つまり、本具体例の連動機構部170は、遅延引き出し機構部としての機能を有する。
【0087】
次に、幕板部130の開閉動作とは関係なく使用者の操作により包丁収納部141を前後方向へ移動可能な手動機構部の具体例について、図面を参照しつつ説明する。
図11は、本実施形態の手動機構部を説明するための斜視模式図である。
また、図12は、本実施形態の手動機構部を説明するための断面模式図である。
なお、図11(a)は、幕板部が閉じた状態を表す斜視模式図である。図11(b)は、幕板部が開いた状態を表す斜視模式図である。図11(c)は、包丁収納部を前方へ移動させた状態を例示する斜視模式図である。図12(a)は、図11(a)に表した切断面C−Cにおける断面模式図である。図12(b)は、図11(b)に表した切断面D−Dにおける断面模式図である。図12(c)は、図11(c)に表した切断面E−Eにおける断面模式図である。
【0088】
本具体例では、幕板部130の下端部には、丁番133が取り付けられている。つまり、本具体例の幕板部130は、下端部を回動軸として開閉し開いた位置で停止する扉である。使用者は、閉じた状態の幕板部130の把手131を把持し前方へ操作することにより、幕板部130を回動させ開くことができる。そうすると、図11(b)に表したように、幕板部130は、下端部を回動軸として開閉し開いた位置で停止する。このとき、包丁収納部141は、幕板部130の開閉動作と連動して前後方向へ移動するわけではない。
【0089】
図12(a)〜図12(c)に表したように、本具体例の手動機構部180は、包丁収納部トレー181と、レール185とを有する。包丁収納部トレー181は、包丁収納部141およびまな板20を載置することができる。但し、包丁収納部トレー181は、必ずしもまな板20を載置できなくともよい。また、包丁収納部トレー181は、前方部において把持部181aを有する。図1および図2に関して前述したように、包丁収納部141は、複数本の包丁10をそれぞれの柄11の柄尻をシステムキッチン100の前方へ向けた状態で収納することができる。レール185は、包丁収納部トレー181を支持している。そして、包丁収納部トレー181は、レール185に支持された状態で前後方向へ移動することができる。
【0090】
図11(a)および図12(a)に表したように、幕板部130が閉じた状態において、包丁収納部トレー181および包丁収納部141は、収納領域101に収納されている。図11(b)および図12(b)に表したように、使用者は、幕板部130を開き把持部181aを把持することができる。ここで、把持部181aは、例えば枠体などとして形成されており、底部を有していない。そのため、使用者は、把持部181aをより容易に掴むことができる。
【0091】
そして、図11(c)および図12(c)に表したように、使用者は、把持部181aを把持し前方へ操作することにより、包丁収納部トレー181および包丁収納部トレー181に載置された包丁収納部141を前方へ移動させることができる。これにより、使用者は、シンク120の前方に包丁10の柄11を露出させることができる。
【0092】
前述したように、把持部181aは、例えば枠体などとして形成され底部を有していないため、包丁10の柄11の下方には、包丁収納部トレー181は、存在しない。つまり、包丁10の柄11の下方には、空間が存在している。そのため、使用者は、包丁10の柄11をより掴みやすく、腰を屈めずに左右どちらからでも包丁10をより容易に出し入れすることができる。また、図1および図2に関して前述した効果と同様の効果が得られる。
【0093】
包丁収納部トレー181が包丁収納部141およびまな板20を載置できる場合には、使用者は、包丁収納部141およびまな板20を載置可能な包丁収納部トレー181を同じ動作で出し入れすることができる。そのため、包丁10とまな板20とを出し入れする時間を短縮することができる。そして、使用者は、調理作業をすいすいとより効率的に行うことができる。また、使用者は、包丁10の柄11とまな板20とがシンク120の前方に露出するように包丁収納部トレー181を移動させることで、腰を屈めずに左右どちらからでも包丁10およびまな板20を出し入れすることができる。
【0094】
次に、幕板部130が引出しの前板である場合について、図面を参照しつつ説明する。 図1および図2に関して前述したように、幕板部130は、回動する扉に限定されるわけではない。幕板部130は、前後方向に移動する引出しの前板であってもよい。
【0095】
図13は、本実施形態の幕板部が引出しの前板である場合の具体例を例示する断面模式図である。
なお、図13(a)は、幕板部が閉じた状態を表す断面模式図である。図13(b)は、幕板部が開いた状態を表す断面模式図である。
図13(a)は、図1(a)に表した切断面A−Aにおける断面模式図に相当する。図13(b)は、図1(b)に表した切断面B−Bにおける断面模式図に相当する。
【0096】
本具体例の幕板部130は、前後方向に移動する引出しの前板である。幕板部130には、包丁収納部145が付設されている。図1および図2に関して前述したように、包丁収納部145は、複数本の包丁10をそれぞれの柄11の柄尻をシステムキッチン100の前方へ向けた状態で収納することができる。また、図13(a)に表したように、幕板部130が閉じた状態において、包丁収納部145は、収納領域101に収納されている。
【0097】
使用者は、幕板部130を前方へ引き出すことにより包丁収納部145を前方へ移動させることができる。これにより、使用者は、シンク120の前方に包丁10の柄11を露出させることができる。このとき、図13(b)に表した矢印A5のように、包丁収納部145は、前方への動作と連動して包丁10の柄11を上方へ持ち上げるように移動する。例えば、包丁収納部145が前方へ移動すると、図示しないばねの付勢力が解除され、包丁10の柄11が上方へ浮き上がるなどといった如くである。
【0098】
本具体例によれば、使用者は、通常の引出しを引き出す感覚で、腰を屈めずに左右どちらからでも包丁10をより容易に出し入れすることができる。また、図1および図2に関して前述した効果と同様の効果が得られる。
【0099】
図14は、本実施形態の幕板部が引出しの前板である場合の他の具体例を例示する断面模式図である。
なお、図14(a)は、幕板部が閉じた状態を表す断面模式図である。図14(b)は、幕板部が開いた状態を表す断面模式図である。
図14(a)は、図1(a)に表した切断面A−Aにおける断面模式図に相当する。図14(b)は、図1(b)に表した切断面B−Bにおける断面模式図に相当する。
【0100】
本具体例の包丁収納部146は、図13に関して前述した包丁収納部145の変形例に相当する。
すなわち、本具体例の幕板部130は、前後方向に移動する引出しの前板である。幕板部130には、包丁収納部146が付設されている。包丁収納部146は、複数本の包丁10をそれぞれの柄11の柄尻をシステムキッチン100の前方へ向けた状態で収納することができる。また、包丁収納部146は、収納状態の包丁10の柄11の下方に貫通穴146aを有する。つまり、包丁収納部146に収納された包丁10の柄11の下方には、貫通穴146aによる空間が存在している。図14(a)に表したように、幕板部130が閉じた状態において、包丁収納部146は、収納領域101に収納されている。
【0101】
使用者は、幕板部130を前方へ引き出すことにより包丁収納部146を前方へ移動させることができる。これにより、使用者は、シンク120の前方に包丁10の柄11を露出させることができる。このとき、包丁10の柄11は、包丁収納部146の前方への動作と連動して上方へ持ち上がるわけではない。前述したように、包丁収納部146に収納された包丁10の柄11の下方には、貫通穴146aによる空間が存在している。そのため、使用者は、包丁10の柄11をより掴みやすく、腰を屈めずに左右どちらからでも包丁10をより容易に出し入れすることができる。また、図1および図2に関して前述した効果と同様の効果が得られる。
【0102】
図15は、本実施形態の幕板部が引出しの前板である場合のさらに他の具体例を例示する断面模式図である。
なお、図15(a)は、幕板部が閉じた状態を表す断面模式図である。図15(b)は、幕板部が開いた状態を表す断面模式図である。
図15(a)は、図1(a)に表した切断面A−Aにおける断面模式図に相当する。図15(b)は、図1(b)に表した切断面B−Bにおける断面模式図に相当する。
【0103】
図13および図14に関して前述した具体例と同様に、本具体例の幕板部130は、前後方向に移動する引出しの前板である。図15(b)に表した矢印A6のように、使用者は、幕板部130を前後方向へ移動させることにより包丁収納部147を前後方向へ移動させることができる。つまり、使用者は、幕板部130を前方へ引き出すことにより包丁収納部147を前方へ移動させることができる。これにより、使用者は、シンク120の前方に包丁10の柄11を露出させることができる。
【0104】
このとき、図15(b)に表した矢印A7のように、使用者は、幕板部130を前方へ引き出した状態において、幕板部130の下端部を中心として回動させることができる。これにより、使用者は、幕板部130を手前(前方)へ倒すことにより、幕板部130と、フロアキャビネット110あるいはカウンタ115と、の間により大きな空間を確保することができる。その空間に包丁収納部147が飛び出すことにより、使用者は、包丁10の柄11をより掴みやすく、腰を屈めずに左右どちらからでも包丁10をより容易に出し入れすることができる。また、図1および図2に関して前述した効果と同様の効果が得られる。
【0105】
次に、本発明の他の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
図16は、本発明の他の実施の形態にかかるシステムキッチンを表す斜視模式図である。
また、図17は、本実施形態にかかるシステムキッチンを表す断面模式図である。
なお、図16(a)は、幕板部が閉じた状態を表す斜視模式図である。図16(b)は、幕板部が開いた状態を表す斜視模式図である。また、図17(a)は、図16(a)に表した切断面F−Fにおける断面模式図である。図17(b)は、図16(b)に表した切断面G−Gにおける断面模式図である。
【0106】
本実施形態にかかるシステムキッチン100aの包丁収納部149は、まな板20および複数本の包丁10を収納することができる。図1および図2に関して前述した包丁収納部141と同様に、本実施形態の包丁収納部149は、複数本の包丁10をそれぞれの柄11の柄尻をシステムキッチン100aの前方へ向けた状態で収納することができる。図17(a)に表したように、幕板部130が閉じた状態において、包丁収納部149は、収納領域101に設けられている。その他の構造は、図1および図2に関して前述したシステムキッチン100の構造と同様である。
【0107】
使用者は、把手131を把持し前方へ操作することにより、幕板部130を回動させ開くことができる。そうすると、使用者は、収納領域101に設けられた包丁収納部149を前方へ移動させることができる。このとき、包丁収納部149は、幕板部130の開閉動作により前後方向へ移動してもよいし、幕板部130の開閉動作とは関係なく使用者の操作により前後方向へ移動してもよい。幕板部130の開閉と、包丁収納部149の前後移動と、を連動させる連動機構部の具体例は、図3〜図10に関して前述した如くである。また、幕板部130の開閉動作とは関係なく使用者の操作により包丁収納部141を前後方向へ移動可能な手動機構部の具体例は、図11および図12に関して前述した如くである。
【0108】
図16(b)および図17(b)に表したように、本実施形態にかかるシステムキッチン100aでは、使用者は、幕板部130を開き包丁収納部149を前方へ移動させることにより、シンク120の前方に包丁10の柄11およびまな板20を露出させることができる。
【0109】
本実施形態にかかるシステムキッチン100aによれば、まな板20および包丁10を収納可能な包丁収納部149を同じ動作で出し入れすることができる。そのため、包丁10とまな板20とを出し入れする時間を短縮することができる。そして、使用者は、調理作業をすいすいとより効率的に行うことができる。また、使用者は、包丁10の柄11とまな板20とがシンク120の前方に露出するように包丁収納部149を移動させることで、腰を屈めずに左右どちらからでも包丁10およびまな板20を出し入れすることができる。また、図1および図2に関して前述した効果と同様の効果が得られる。
【0110】
図18は、本実施形態にかかるシステムキッチンの変形例を例示する斜視模式図である。
なお、図18(a)は、第1の幕板部130cが開いた状態および第2の幕板部130dが閉じた状態を表す斜視模式図である。図18(b)は、第1の幕板部130cが閉じた状態および第2の幕板部130dが開いた状態を表す斜視模式図である。
【0111】
図18に表したシステムキッチン100bは、図16および図17に関して前述したシステムキッチン100aの変形例に相当する。
すなわち、本変形例にかかるシステムキッチン100bは、第1の幕板部130cと、第2の幕板部130dと、を備える。第1の幕板部130cは、収納状態の包丁収納部141の前方に設けられている。一方、第2の幕板部130dは、収納状態のまな板20の前方に設けられている。
【0112】
図18(a)に表したように、使用者は、第1の幕板部130cの把手131を把持し前方へ操作することにより、第1の幕板部130cを回動させ開くことができる。そうすると、使用者は、収納領域101に設けられた包丁収納部141を前方へ移動させることができる。このとき、包丁収納部141は、第1の幕板部130cの開閉動作により前後方向へ移動してもよいし、第1の幕板部130cの開閉動作とは関係なく使用者の操作により前後方向へ移動してもよい。第1の幕板部130cの開閉と、包丁収納部141の前後移動と、を連動させる連動機構部の具体例は、図3〜図10に関して前述した如くである。また、幕板部130の開閉動作とは関係なく使用者の操作により包丁収納部141を前後方向へ移動可能な手動機構部の具体例は、図11および図12に関して前述した如くである。
【0113】
また、図18(b)に表したように、使用者は、第2の幕板部130dの把手131を把持し前方へ操作することにより、第2の幕板部130dを回動させ開くことができる。そうすると、使用者は、収納領域101に設けられたまな板20を前方へ移動させることができる。このとき、まな板20は、第2の幕板部130dの開閉動作により前後方向へ移動してもよいし、第2の幕板部130dの開閉動作とは関係なく使用者の操作により前後方向へ移動してもよい。第2の幕板部130dの開閉と、まな板20の前後移動と、を連動させる連動機構部の具体例は、図3〜図10に関して前述した如くである。また、幕板部130の開閉動作とは関係なく使用者の操作によりまな板20を前後方向へ移動可能な手動機構部の具体例は、図11および図12に関して前述した如くである。
【0114】
本変形例によれば、図16および図17に関して前述した幕板部130が、収納状態の包丁収納部141の前方に設けられた第1の幕板部130cと、収納状態のまな板20の前方に設けられた第2の幕板部130dと、に分割されている。そのため、使用者は、図16および図17に関して前述した幕板部130を開くときに必要な力よりも軽い力で第1の幕板部130cあるいは第2の幕板部130dを開くことができる。また、図16および図17に関して前述した効果と同様の効果が得られる。
【0115】
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、システムキッチン100、100a、100bなどが備える各要素の形状、寸法、材質、配置などや包丁収納部141、145、146、147、149の設置形態などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、幕板部130の開閉と、包丁収納部141の前後移動と、を連動させる連動機構部などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0116】
10 包丁、 11 柄、 20 まな板、 100、100a、100b システムキッチン、 101 収納領域、 110 フロアキャビネット、 111 キャビネット軸部、 115 カウンタ、 120 シンク、 130 幕板部、 130a 前端部、 130c、130d 幕板部、 131 把手、 133 丁番、 141 包丁収納部、 141a 第1の包丁収納部軸部、 141b 第2の包丁収納部軸部、 143 小物収納部、 145、146 包丁収納部、 146a 貫通穴、 147、149 包丁収納部、 150、150a 連動機構部、 151 包丁収納部ガイド板、 151a 第1の包丁収納部ガイド溝、 151b 第2の包丁収納部ガイド溝、 151c 包丁収納部ガイド板軸部、 153 可動溝カム板、 153a カム溝、 153b 可動溝カム板軸部、 153d カム溝、 153e 一端部、 153f 他端部、 155 リンクアーム、 157 アングル、 157a アングル軸部、 160 連動機構部、 161 包丁収納部ガイド板、 161a 第1の包丁収納部ガイド溝、 161b 第2の包丁収納部ガイド溝、 161c 包丁収納部ガイド板軸部、 163 可動溝カム板、 163a カム溝、 163b 可動溝カム板軸部、 163c 可動溝カム板突起部、 165 リンクアーム、 165a リンクアーム溝部、 167 アングル、 167a アングル軸部、 170 連動機構部、 171 包丁収納部ガイド板、 171a 第1の包丁収納部ガイド溝、 171b 第2の包丁収納部ガイド溝、 173 包丁収納部駆動アーム、 173a 長穴、 173b 包丁収納部駆動アーム軸部、 175 リンクアーム、 177 アングル。 180 手動機構部、 181 包丁収納部トレー、 181a 把持部、 185 レール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フロアキャビネットと、
前記フロアキャビネットの上方に設けられたシンクと、
前記シンクの前方において開閉可能に設けられた幕板部と、
複数本の包丁をそれぞれの切っ先を後方に向けた状態で収納可能な包丁収納部であって、前記幕板部が閉じた状態においては前記シンクの下方にあり、前記幕板部が開くと前方へ移動可能であって前記シンクの前方に前記包丁の柄を露出させる包丁収納部と、
を備えたことを特徴とするシステムキッチン。
【請求項2】
前記幕板部は、下端部を回動軸として開閉し開いた状態で停止する扉であり、
前記包丁収納部は、前記開いた状態で停止した扉の上方の位置に前記包丁の柄を露出させることを特徴とする請求項1記載のシステムキッチン。
【請求項3】
前記扉の開閉と、前記包丁収納部の前後移動と、を連動させる連動機構部をさらに備えたことを特徴とする請求項2記載のシステムキッチン。
【請求項4】
前記シンクと前記扉との間に設けられた小物収納部をさらに備え、
前記包丁収納部は、前記扉と前記小物収納部との間から前記包丁の柄を露出させることを特徴とする請求項2または3に記載のシステムキッチン。
【請求項5】
前記扉が閉じた状態における前記包丁収納部に収納された前記包丁の柄尻と前記扉との間隔は、前記扉が開くときの前記包丁収納部の前記前方への移動の際の前記包丁と前記扉との接触を回避するための移動代を含むことを特徴とする請求項2記載のシステムキッチン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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