説明

シャワーホース収納構造

【課題】 摺動抵抗が低減されてシャワーホースの出し入れが容易となるシャワーホース収納構造を提供する。
【解決手段】 シャワーホースを垂直方向に出し入れできる垂直部4の下端側から横方向に導かれたシャワーホースの全長の約半分を横方向にほぼ直線状に収納できるホースガイド5を備え、このホースガイド5のシャワーホースが接触するU字ガイド溝5aの底面に摺動性の高いテープを貼着して構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャワーホースを収納するシャワーホース収納構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に開示されているように、垂直方向にシャワーホースを出し入れし、滑らしながら横方向にシャワーホースを導くことのできるシャワーホース収納構造が存在する。
【特許文献1】特開平9−177151号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記従来のようなシャワーホース収納構造においては、シャワーホースと接触部との間に表面張力による水が残り、摺動性が悪化してシャワーホースの出し入れがしにくくなるという問題点があった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は上記従来の問題点に鑑み案出したものであって、シャワーホースの出し入れがしやすくなるシャワーホース収納構造を提供せんとするものであり、その請求項1は、シャワーホースを垂直方向に出し入れできる垂直部の下端側から横方向に導かれたシャワーホースの全長の約半分を横方向にほぼ直線状に収納できるホースガイドを備え、該ホースガイドの前記シャワーホースが接触する底面に摺動性の高いテープを貼着したことである。
【0005】
また、請求項2は、シャワーホースを垂直方向に出し入れできる垂直部の下端側から横方向に導かれたシャワーホースの全長の約半分を横方向にほぼ直線状に収納できるホースガイドを備え、該ホースガイドの底面に前記シャワーホースが線接触される直線状部を設けたことである。
【0006】
また、請求項3は、シャワーホースを垂直方向に出し入れできる垂直部の下端側から横方向に導かれたシャワーホースの全長の約半分を横方向にほぼ直線状に収納できるホースガイドを備え、該ホースガイドの底面に前記シャワーホースの直径よりも狭い溝を設け、該溝に前記シャワーホースが線接触されるように構成したことである。
【発明の効果】
【0007】
本発明のシャワーホース収納構造は、シャワーホースを横方向にほぼ直線状に収納できるホースガイドの、シャワーホースが接触する底面に摺動性の高いテープを貼着したことにより、シャワーホースとホースガイドの底面との摩擦抵抗が低減されるため、シャワーホースをホースガイドに良好に摺動させることができ、シャワーホースの出し入れがしやすいものとなる。
【0008】
また、シャワーホースを横方向にほぼ直線状に収納できるホースガイドの底面にシャワーホースが線接触される直線状部を設けたことにより、シャワーホースとホースガイドが直線状部を介在させて線接触となるため接触面積が少なくなり、シャワーホースの摺動性が良くなる。また、シャワーホースの表面の水の表面張力が切れやすく流れ落ちやすいものとなり、シャワーホースの出し入れがしやすいものとなる。
【0009】
また、シャワーホースを横方向にほぼ直線状に収納できるホースガイドの底面にシャワーホースの直径よりも狭い溝を設け、溝にシャワーホースが線接触されるように構成したことにより、シャワーホースとホースガイドの接触が線接触となり、ホースガイドに水が残りにくくなり、シャワーホースの出し入れがしやすいものとなる。
【実施例】
【0010】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は、浴室内に設置された横長鏡の正面構成図であり、この浴室用横長鏡1は、前面に左鏡1aと右鏡1bが設けられ、この鏡1a,1bの裏側にシャワーホースを収納できるように構成されており、左鏡1aと右鏡1bの境目にはシャワーホース2を掛止できるシャワーフック3が設けられて、このシャワーフック3から下方側に向かって垂直部4が形成され、この垂直部4内にシャワーホース2を垂直方向に出し入れできるように構成されている。
【0011】
この垂直部4の下端側からシャワーホース2を横方向に導き収納することのできるホースガイド5が左鏡1aの裏側に横方向に設けられており、このホースガイド5は図2に示すように、シャワーホース2の全長の約半分を横方向にほぼ直線状に収納できるU字状のU字ガイド溝5aを上面に備え、このホースガイド5のU字ガイド溝5aは垂直部4の反対側に向かって下傾した傾斜状に形成されている。
なお、図中6は、シャワーホース2が最小屈曲サイズ以上の半径で止まるように設けられたホースストッパーである。
【0012】
図3は、このホースガイド5の第1実施例を示すものであり、ホースガイド5の上面にU字状に形成されているU字ガイド溝5aの底面に、超高分子量ポリエチレンフィルムで構成されたテープ7がほぼ全長に亘り貼着されたものとなっており、このテープ7は、つるつるの表面であり、このテープ7上を摺動するシャワーホース2との摩擦抵抗を極めて低減させることができ、シャワーホース2を出し入れする際に良好にこのテープ7上をシャワーホース2が摺動して、シャワーホース2の摺動移動が円滑に行なわれ、シャワーホース2の出し入れがしやすいものとなる。
【0013】
次に、図4および図5で示すものは、ホースガイドの第2実施例であり、図4は、図5のA−A線断面図であり、図5は、図4のB−B線断面図である。
本例では、ホースガイド5のU字ガイド溝5aの底面5bに、幅方向に間隔をおいて2本の直線状部8a,8bを上方へ突出させたものであり、この直線状部8a,8bは、平行状に長手方向のほぼ全長に亘りU字ガイド溝5aの底面5bに設けられ、直線状部8a,8bのそれぞれの上端は鋭角に形成されて、シャワーホース2との接触が線接触となるように構成されている。
【0014】
なお、この直線状部8a,8bは、ホースガイド5と一体で形成したものであっても良いが、例えば、高摺動性の別部材からなる直線状部8a,8bをU字ガイド溝5aの底面5bに貼着等して固定させたものであっても良い。
このような構成では、シャワーホース2は直線状部8a,8bと線接触となり、接触面積が減り、摩擦抵抗が低減され、しかも、シャワーホース2の表面の水の表面張力が切れやすく流れ落ちやすいものとなり、水はU字ガイド溝5aの傾斜に沿って末端に導かれることとなり、シャワーホース2の出し入れがしやすいものとなる。
【0015】
次に、図6の要部拡大斜視図で、また図7の断面構成図で示すものは、ホースガイド5の第3実施例であり、図6および図7では、ホースガイド5のU字ガイド溝5aの底面5bに下方側へ貫通する溝9を長手方向全長に亘って形成したものである。
この溝9は、底面5bからアール部5cを介して下方側へ垂設された垂下片5d,5d間に形成されたものであり、この垂下片5d,5d間に形成される溝9の幅長dは、シャワーホース2の直径よりも狭い寸法に設定されており、また、シャワーホース2がU字ガイド溝5aの底面5bに摺接する際に線接触となるように前記アール部5c,5cのアール形状が設定されている。
【0016】
このような構成では、シャワーホース2はアール部5c,5cに線接触で接触し、摺動抵抗が少なくなるため、シャワーホース2を良好に摺動させることができるものとなり、また、線接触であることにより残り水の表面張力が切れやすくなり、水は下方へ流れ落ちやすいものとなり、溝9を通して水を良好に下方側へ排出させることができ、よりシャワーホース2の出し入れをスムーズに行なうことができるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】浴室用横長鏡の内側にシャワーホースを収納した状態の正面構成図である。
【図2】図1の内部構成部材の斜視構成図である。
【図3】ホースガイドの第1実施例の側面構成図である。
【図4】ホースガイドの第2実施例の図5のA−A線断面構成図である。
【図5】図4のB−B線断面構成図である。
【図6】ホースガイドの第3実施例を示す要部拡大斜視構成図である。
【図7】図6の縦断面拡大構成図である。
【符号の説明】
【0018】
1 浴室用横長鏡
2 シャワーホース
3 シャワーフック
4 垂直部
5 ホースガイド
5a U字ガイド溝
5b 底面
5c アール部
5d 垂下片
6 ホースストッパー
7 テープ
8a,8b 直線状部
9 溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャワーホースを垂直方向に出し入れできる垂直部の下端側から横方向に導かれたシャワーホースの全長の約半分を横方向にほぼ直線状に収納できるホースガイドを備え、該ホースガイドの前記シャワーホースが接触する底面に摺動性の高いテープを貼着したことを特徴とするシャワーホース収納構造。
【請求項2】
シャワーホースを垂直方向に出し入れできる垂直部の下端側から横方向に導かれたシャワーホースの全長の約半分を横方向にほぼ直線状に収納できるホースガイドを備え、該ホースガイドの底面に前記シャワーホースが線接触される直線状部を設けたことを特徴とするシャワーホース収納構造。
【請求項3】
シャワーホースを垂直方向に出し入れできる垂直部の下端側から横方向に導かれたシャワーホースの全長の約半分を横方向にほぼ直線状に収納できるホースガイドを備え、該ホースガイドの底面に前記シャワーホースの直径よりも狭い溝を設け、該溝に前記シャワーホースが線接触されるように構成したことを特徴とするシャワーホース収納構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−39957(P2007−39957A)
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−224773(P2005−224773)
【出願日】平成17年8月2日(2005.8.2)
【出願人】(000000479)株式会社INAX (1,429)
【Fターム(参考)】