説明

シャワー浴槽

【課題】立ち姿で、シャワーと浴槽との双方の特性を合わせ持つことにより、シャワーしながら浴槽に入っている気分が味わえるシャワー浴槽を提供する。
【解決手段】立ち姿の洗浄者500の周囲を、入浴空間として囲む防水性及び可撓性を有する有底筒体の筒状シート100と、前記筒状シート100を径方向に広がる方向に張設して支持し、該張設支持された筒状シート100を軸方向に伸長させた起立姿勢とこれより軸方向に圧縮させた折畳姿勢とに伸縮自在に支持するスプリング200と、前記筒状シート100の筒状開口部に備えられ、該筒状シート内の立ち姿の洗浄者500に向けて噴射されたシャワー水が該筒状シート外に飛散するのを防止する飛散防止カバー300とを備え、前記筒状シート内にシャワー水を溜める構成としたシャワー浴槽1である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、シャワーしながら身体を温めるシャワー浴槽に関し、さらに詳しくは立ち姿のままシャワーと入浴とを可能にしたシャワー浴槽に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、浴室やシャワー室で利用されるシャワーは短時間に身体の汚れを洗い流せることから家庭などにおいても広く利用されている。ところが、シャワーヘッドから噴出されるシャワー水は、そのシャワー水を洗浄者が浴びて流下する僅かの間しか利用されず、シャワー水は床面からそのまま下方に生活排水として流れ、シャワー水を有効に利用できていなかった。ことに、季節的に寒い時期や身体が冷えている場合には寒さを避けるため温水シャワーを長くかけ続けることになり、多量の温水シャワーが使用されることになる。
【0003】
このような問題を解決するため、シャワーヘッドの下方に折り畳み可能な蛇腹構造の浴槽を配置し、ここにシャワーヘッドより噴出した温水を溜め、浴槽に入りながらシャワーできるようにした簡易浴槽が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0004】
しかし、このような簡易浴槽では温水シャワーなどから多量の湯を溜めるために時間がかかり、通常の浴槽として使用するのと変わらず、シャワー施設と浴槽施設とを上下に対設させたにすぎず、シャワー機能と浴槽機能とを満足する状態に共用させることができなかった。
【0005】
このほかにも頂部を吊支して周囲を筒状のカバーで囲ったシャワールームを作成し、この独立したシャワールームにより洗浄者が簡易にシャワーできるようにした簡易シャワーが提案されている(例えば特許文献2参照)。
【0006】
しかし、このような簡易シャワーは設備が大掛かりで独立した大きな配置スペースを要していた。さらに、利用に際してはシャワー機能だけであり、温水シャワーの温水を有効に利用するような新たな技術はみられない。
【0007】
さらに、多数のシャワーノズルを周囲に配置させ、その多数のシャワーノズルから洗浄水を一斉に噴出させることにより、立ち姿勢あるいは座り姿勢の洗浄者の身体を多方向から一気に洗浄できるようにしたシャワー洗浄装置が提案されている(例えば特許文献3参照)。
【0008】
しかし、このようなシャワー洗浄装置は多くのシャワーノズルとその多くの噴出装置を必要とするため設備費が嵩み、また洗浄者に対し、多方向からシャワー水を吹き付けるという機械的な洗浄であり、シャワーを浴びる部分を自由に変えて心地よく身体を洗うものでもなく、また立ち姿で身体を湯に浸けて温めるという浴槽に関する技術を有するものでもない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平8−490号
【特許文献2】実開平6−45590号
【特許文献3】特開2001−149440号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこでこの発明は、上述の課題に鑑み、立ち姿でシャワーしながら浴槽に入っている気分が味わえるというシャワーと浴槽との双方の長所を合わせ持つことができるシャワー浴槽を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明は、立ち姿の洗浄者の周囲を入浴空間として囲む防水性及び可撓性を有する有底筒体の筒状シートと、前記筒状シートを径方向に広がる方向に張設して支持し、該張設支持された筒状シートを軸方向に伸長させた起立姿勢とこれより軸方向に圧縮させた折畳姿勢とに伸縮自在に支持する環状支持体と、前記筒状シートの筒状開口部に備えられ、該筒状シート内の立ち姿の洗浄者に向けて噴射されたシャワー水が該筒状シート外に飛散するのを防止する飛散防止カバーとを備え、前記筒状シート内にシャワー水を溜める構成としたシャワー浴槽であることを特徴とする。
【0012】
他の実施態様として、前記筒状シートには、該筒状シートの筒状開口部に位置する環状支持体を径方向に拡縮させて、該筒状シートの筒状開口部の大きさを変える拡縮手段を備えて構成することができる。
【0013】
他の実施態様として、前記拡縮手段を、前記筒状シートの筒状開口部に位置する環状支持体が大径に広がった状態で位置決め係止する大径係止手段と、前記筒状シートの筒状開口部に位置する環状支持体が小径に絞られた縮小状態で位置決め係止する小径係止手段とで構成することができる。
【0014】
他の実施態様として、前記環状支持体を、前記筒状シートの軸方向における周囲に沿って螺旋方向に摺動自在に巻回して取り付け、且つ筒状シートの軸方向に伸縮自在な弾性を有して該筒状シートを軸方向及び周方向に張設支持するコイル状のスプリングで構成することができる。
【0015】
他の実施態様として、前記飛散防止カバーには、シャワー室の支持壁の係止部材に係止させて該飛散防止カバーを立ち上がらせる係止部を備えて構成することができる。
【0016】
他の実施態様として、前記環状支持体を、前記筒状シートの軸方向における筒状開口部側を囲って支持するコイル状のスプリングと、前記筒状シートの軸方向における筒状閉鎖部側を囲って支持する複数の支持リングとで構成することができる。
【0017】
他の実施態様として、前記筒状シートには、該筒状シートの軸方向における筒状閉鎖部側に補強用の有底筒体を備えて構成することができる。
【0018】
他の実施態様として、前記筒状シートを、該筒状シートの軸方向における周囲を該筒状シートが蛇腹状に伸縮自在に複数の支持リングで囲って構成することができる。
【0019】
他の実施態様として、前記筒状シートには、該筒状シートの下部に、筒状シートの内部と連通して筒状シートの外部に略垂直に立ち上げられる排水管と、前記排水管の下部に、該排水管を起立姿勢と傾倒姿勢とに切換えさせる起立傾倒手段とを備えて構成することができる。
【発明の効果】
【0020】
この発明によれば、温水シャワーを浴びると、身体の周囲に温水が次第に溜まるため身体を温めながら心地よく身体を洗うことができる。また、立ち姿の洗浄者の周囲に湯を溜めることができる立ち風呂として利用できる。この立ち風呂は、立ち姿の洗浄者の身体を湯が包み込むという円柱状の立体的な浴槽となり、少量の湯で浴槽を満たすことができる。また、不使用時にはコンパクトに折り畳んで簡単に持ち運ぶことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】実施例1のシャワー浴槽を示す正面図。
【図2】(A)は実施例1のシャワー浴槽を示す左側面図、(B)はその平面図、(C)はその底面図。
【図3】(A)は実施例1のシャワー浴槽の折り畳み状態を示す正面図、(B)はそのときのスプリングが圧縮された状態を示す概略説明図、(C)は実施例1のシャワー浴槽の立ち上げた状態を示す正面図、(D)はそのときのスプリングが伸長した状態を示す概略説明図。
【図4】(A)は実施例1のシャワー浴槽の折畳完了状態を示す左側面図、(B)はシャワー浴槽を立ち上げたスプリング伸長時の状態を示す左側面図、(C)はシャワー浴槽の立ち上げ後におけるスプリングの引き出し動作を示す要部左側面図、(D)は筒状開口部を小径に絞った時のスプリングの係止対応状態を示す要部左側面図、(E)は筒状開口部を小径に絞った時のスプリングの係止状態を示す要部左側面図。
【図5】(A)は実施例1のシャワー浴槽の飛散防止カバーを示す要部正面図、(B)はその使用状態を示す要部側面図、(C)は飛散防止カバー上部の係止構造を変えた他の例を示す要部正面図、(D)は飛散防止カバー上部の他の係止構造を示す係止前の説明図、(E)は飛散防止カバー上部の他の係止構造を示す係止動作を示す説明図、(F)は飛散防止カバー上部の他の係止構造を示す係止完了状態を示す説明図。
【図6】(A)は実施例1のシャワー浴槽の使用初期状態を示す正面図、(B)はその使用状態を示す正面図。
【図7】(A)は実施例1のシャワー浴槽の使用状態を示す要部断面図、(B)はシャワー方向を側方に変えた場合の使用状態を示す正面図。
【図8】実施例2のシャワー浴槽を示す正面図。
【図9】実施例3のシャワー浴槽を示す正面図。
【図10】(A)は実施例4のシャワー浴槽を立ち上げた状態を示す正面図、(B)はそのシャワー浴槽の折り畳み状態を示す正面図。
【図11】(A)は実施例4のシャワー浴槽を示す平面図、(B)はその上部を小径に絞った状態を示す平面図、(C)はその上部絞り前の状態を示す要部説明図、(D)はその上部を少し絞った状態を示す要部説明図、(E)はその上部を多く絞った状態を示す要部説明図、(F)はその上部をさらに多く絞った状態を示す要部説明図。
【図12】(A)は実施例5のシャワー浴槽の使用状態を示す正面図、(B)はそのシャワー浴槽の排水状態を示す正面図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図面はシャワー浴槽を示し、シャワーの機能に加えて浴槽の機能を合わせ持つことができるシャワー浴槽の実施形態を示す。
【実施例1】
【0023】
図1及び図2はシャワーと浴槽とを兼ね備えたシャワー浴槽1を示し、このシャワー浴槽1は立ち姿の洗浄者の周囲を入浴空間として囲む底部を閉じた有底筒体の筒状シート100と、該筒状シート100を径方向に広がる方向に張設して支持し、該張設支持された筒状シート100を軸方向に伸長させた起立姿勢とこれより軸方向に圧縮させた折畳姿勢とに伸縮自在に支持するスプリング200と、前記筒状シート100の筒状開口部120に備えられ、該筒状シート内の立ち姿の洗浄者に向けて噴射されたシャワー水が該筒状シート外に飛散するのを防止する飛散防止カバー300とを備え、筒状シート内にシャワー水を溜める構成としたものである。
【0024】
前記筒状シート100は、立ち姿で身体を洗うことができる大きさの筒状を有し、さらに筒状シート100の内部に湯を溜め、立ち風呂として利用するために筒状の底部110を閉じた有底筒体に構成している。ここに用いられるシートの材質は浴槽として、また折畳可能なシートとして使用するため防水性、可撓性に優れ、さらに耐熱性及び耐久性にも富む合成樹脂等のシートを用いる。
【0025】
筒状シート100の上面は円形に開口され、この開口された筒状開口部120の上部周縁に、上環状ガイド筒130と大径係止部140と小径係止部150とが備えられている。
【0026】
上環状ガイド筒130は、筒状開口部120の上部周縁で前記スプリング200の上部を周方向に挿通させて該スプリング200を摺動自在に支持する環状の筒体であり、スプリング上部における周方向の拡縮に伴って該上環状ガイド筒130が拡縮し、これにより筒状開口部120の大きさを拡縮するものである。
【0027】
具体的には、図3(A)及び図3(B)に示すように、上環状ガイド筒130に挿通されたスプリング200の上部が弾性復帰して大径に伸びきっている状態と、図3(C)及び図3(D)に示すように、上環状ガイド筒130に挿通されたスプリング200の上部が周方向に引き絞られて小径になっている状態とに応じて上環状ガイド筒130が拡縮する。
【0028】
この上環状ガイド筒130は常にスプリング200の持つ径方向の弾性復帰力が働いた張設支持作用を受けてスプリング200が自由状態で最も大径に支持される。そして、該上環状ガイド筒130の周方向の一部に、スプリング200の拡縮した位置を係止する後述する大径係止部140と小径係止部150とが備えられる。
【0029】
上述の大径係止部140は、図2(A)に示すように、上環状ガイド筒130の一部(図においては左側)を開口した開口部分により構成している。この開口部分がスプリング上端部の格納係止位置となり、またスプリング上端部の取り出し口となっている。この開口部分に対し、スプリング200が大径状態になった時のスプリング200の上端部を係止させることにより、大径状態でのスプリング200を大径状態のまま係止する役目を有している。
【0030】
前記大径係止部140におけるスプリング上端部の位置決め係止に際しては、該スプリング上端部をL形状に折曲した係止突起210(図4参照)を上環状ガイド筒130の開口部分に係止させることで位置決め係止される。
【0031】
小径係止部150は、図2(B)及び図2(C)に示すように、上環状ガイド筒130の背面側に係止リング151を水平に突出し、この係止リング151の上下方向に開口されているスプリング係止用の係止孔152により構成している。この係止孔152に対し、スプリング200が最も小径に絞られた位置でスプリング200の上端部が係止されて、小径状態でのスプリング200を小径状態のまま係止する役目を有している。
【0032】
さらに、筒状シート100の下部周縁には、下環状ガイド筒160が備えられている。この下環状ガイド筒160はスプリング200の下部を周方向に挿通させて支持する環状の筒体であり、ここに挿通されたスプリング200の持つ弾性作用によって該下環状ガイド筒160は小径に張設支持されている。ここでの小径寸法は立ち風呂に適した筒状となる大きさであり、これより上方にかけて略同径で筒状シート100を立ち上がらせるものである。
【0033】
さらに、筒状シート100の外周面にはスプリング200を挿通させて螺旋方向にガイドする複数のガイドリング170がスプリングの螺旋方向に一定間隔(半周)毎に取り付けられている。
【0034】
前記スプリング200は、コイル状を有して軸方向に伸縮自在に設けられ、また筒状シート100の外周面に取り付けられている各ガイドリング170に挿通されて該スプリング200が筒状シート100を周方向及び軸方向に張設支持している。また、スプリング200は各ガイドリング170にガイドされることで、筒状シート100の外周面に沿って螺旋方向に摺動自在にガイドされている。このとき、スプリング200の持つ弾性力により該スプリング200は軸方向に弾性復帰し、該スプリング200の軸方向の伸縮動作に連動して、筒状シート100を筒状に伸長させて立ち上がらせることができ、また筒状シート100を蛇腹状に圧縮して折り畳むことができるようにしている。
【0035】
さらに、スプリング下部は下環状ガイド筒160内で固定されており、この下環状ガイド筒160を基準に、スプリング上部側は筒状シート100の外周面に沿って螺旋方向に摺動許容されている。
【0036】
該スプリング200は自由状態では、図3(D)に示すように、軸方向に伸長し、このスプリング伸長状態では、図3(C)に示すように、筒状シート100を軸方向に伸長させた起立姿勢に立ち上がらせている。そして、この伸長した状態より筒状シート100をスプリング伸長方向の付勢力に抗して圧縮させると、筒状シート100は圧縮されて図3(A)及び図3(B)に示すように折畳姿勢となる。
【0037】
前記筒状シート100を起立させた最大伸長時では、洗浄者の肩高さ付近まで伸びて起立し、立ち姿で身体を温めることができる浴槽深さを有している。そして、この起立高さから圧縮した際は、洗浄者の膝高さ程度、あるいはそれよりも低く圧縮して蛇腹状に折り畳めるようにしている。
【0038】
さらに、筒状シート100の折畳姿勢において、折り畳まれた筒状シート100は嵩が低くなって洗浄者が筒状開口部120から入り易くなるが、さらに筒状開口部120から洗浄者が入り易いように、洗浄者の出入口となる筒状開口部120をスプリング200によって大径に張設支持している。これにより、筒状シート100の筒状開口部120を形作るスプリング上部は自由状態で周方向に大きく伸長して大径に広がった環状となるようにしている。一方、これより下方は自由状態で立ち姿の洗浄者を囲うのに適した大きさとなる小径に形作っている。
【0039】
スプリング200の上端部には下向きに折曲させたL形状の係止突起210が設けられており、この係止突起210が前記係止リング151の係止孔152に挿通されることにより、スプリング200の周方向の動きが規制される。
【0040】
具体的には、図4(A)に示すように、筒状シート100が軸方向に圧縮されて該筒状シート100が蛇腹状に折り畳まれた場合、その筒状シート100を圧縮保持手段によって圧縮状態に保持している。圧縮保持手段としては、例えば圧縮高さに相当する紐長さを有する接続具153を設け、該接続具153の基端部を筒状シート100の下部に取り付け、先端部を筒状シート100の係止リング151に係止させることにより筒状シート100を圧縮状態に保持している。また、圧縮収納スペースを有する図示しない収納ケースに収納して該筒状シート100を圧縮状態に保持して収納管理するようにしてもよい。
【0041】
この筒状シート100が折り畳まれた場合、スプリング200の上部は上環状ガイド筒130により大径に収納支持された状態にある。そのときのスプリング200の上端部に形成されている係止突起210が大径係止部140の開口部分に係止されることにより、上環状ガイド筒130が大径に広がった状態に保持される。
【0042】
そして、前記接続具153を外して圧縮保持作用を解除すると、スプリング200は開放されて上向きに弾性復帰し、その復帰力に伴って筒状シート100を折畳状態から、図4(B)に示すように、一気に起立状態に立ち上がらせることができる。
【0043】
この立ち上がった筒状シート100に対し、さらに洗浄者がその上環状ガイド筒130より露出しているスプリング上端部の係止突起210を周方向に引っ張って上環状ガイド筒130を引き絞るようにすることで該上環状ガイド筒130は縮小化し、小径に絞られる。そして、図4(C)に示すように、係止突起210が係止リング151に対応した絞込み完了位置で、図4(D)に示すように、スプリング200の係止突起210が係止リング151の係止孔152に係止される。この係止時点で小径方向の絞り込みが終わり、上環状ガイド筒130は小径となり、該筒状シート100の内部は立ち姿の洗浄者を囲うのに適した無駄な空間がないシャワー浴槽1となる。
【0044】
ことに、筒状シート100の筒状開口部120を小径に絞ることにより、筒状シート100の上部での形状安定性が高まり、また浴槽高さを高くすることができる。
【0045】
また、上環状ガイド筒130の大径度合いと小径度合いを調節して筒状開口部120の大きさを自由に拡縮調整できるようにしてもよい。例えば、上環状ガイド筒130の周方向に前記係止リング151を複数備え、これらの周方向の任意の位置でスプリング200の係止突起210を何れかの係止リング151に係止させるようにすれば上環状ガイド筒130の大きさを任意の大きさに調整することができる。
【0046】
ここに用いられるスプリング200は軸方向の伸縮動作と径方向の拡縮動作との繰り返しに強い耐久性に優れた材質を使用し、さらに上環状ガイド筒130やガイドリング170との接触時の摩擦抵抗が小さく、しかも水回り製品となるので耐食性に優れた材質を使用する。例えば、十分な強度と弾性を有する合成樹脂性のスプリング、あるいは金属製のバネ線材の外表面を樹脂コーティングしたスプリングを用いるとよい。
【0047】
前記飛散防止カバー300は、図5(A)に示すように、筒状シート100と同材質のシートを用いて正面視三角形状に作成し、その頂部に吊支孔等の係止部310を有し、下辺部を筒状開口部120内の背面側に取り付けている。これにより、該飛散防止カバー300を筒状開口部120から立ち上げて、その頂部の係止部310を、図5(B)に示すように、例えばシャワー室の支持壁400に固定されているJ形状の係止部材410に係止させることで取り付けることができる。
【0048】
このため、飛散防止カバー300は筒状開口部120の中心に対し、その筒状開口部120の背面側を円弧形に囲むように配置して、シャワー水が背面側に飛散しないようにし、またシャワー水を筒状シート内に導いて溜めるようにしている。また、この飛散防止カバー300のカバー面積を増やせばシャワー水の飛散防止率を高めることができる。
【0049】
このほか、飛散防止カバー300の係止に際しては、図5(C)に示すように、該飛散防止カバー300の頂部側方を一部開放し、この開放部分より前記係止部材410を挿入させて係止させるという横型係止部320を設けてもよい。
【0050】
さらに、図5(D)〜図5(F)に示すように、ハンドシャワーヘッド430を、壁面440に固定した受け金具450に支持させる構成の場合、図5(D)に示すように、受け金具450に係止可能な形状と大きさの係止開口部(図においては四角形状の開口部)460を飛散防止カバー300の頂部に開口して設ける。
【0051】
そして、飛散防止カバー300を取り付ける際は、図5(E)に示すように、頂部の係止開口部460を受け金具450に挿通させて係止させた状態で、図5(F)に示すように、ハンドシャワーヘッド430を受け金具450に差し込んで支持させると、飛散防止カバー300は壁面440とハンドシャワーヘッド430とに挟まれた状態に支持される。その後、ハンドシャワーヘッド430を受け金具450から外すと、飛散防止カバー300を外すことができる。このように、飛散防止カバー300を吊支するのに適した係止手段であればよい。
【0052】
このように飛散防止カバー300は、筒状シート100の筒状開口部120に備えられて筒状シート内の立ち姿の洗浄者(図6(B)参照)に向けて噴射されたシャワー水が筒状シート外に飛散するのを防止する役目を有している。
【0053】
次に、このように構成されたシャワー浴槽1の使用状態を図6及び図7を参照して説明する。
まず洗浄者500は、筒状開口部120を上向きにして折り畳まれたシャワー浴槽1を、シャワーを利用する位置に配置し、その配置されたシャワー浴槽1の中央空間に、図6(A)に示すように、洗浄者500が立ったまま入る。この際、筒状シート100の高さを低くし、さらに筒状シート100の上部を大径に広げることにより筒状シート100の内部に洗浄者500が入り易くなっている。
【0054】
この状態で接続具153を外して圧縮された状態から解放させると、図4(B)に示すように、スプリング200の弾性復帰作用に伴って筒状シート100が立ち上がり、立ち姿の洗浄者500の身体の周囲を筒状シート100が縦長に囲う。このとき、立ち上がった筒状シート100の上部に付設されている飛散防止カバー300を上方に引っ張り上げて該飛散防止カバー300の頂部の係止部310を、シャワー室の支持壁400に固定されている係止部材410に係止させる。これにより、飛散防止カバー300が吊支状態に取り付けられ、筒状シート100の上方背面側は飛散防止カバー300によって覆われる。
【0055】
最後に、この立ち上がった筒状シート100の上部に位置する上環状ガイド筒130から洗浄者500が係止突起210を引き出して周方向の係止リング151と対応する位置まで周回し、該係止突起210がその係止リング151の係止孔152に係止されることにより、上環状ガイド筒130のスプリング部分が縮小化し、これに伴い上環状ガイド筒130が絞られて下方の筒状部分と略同径となる。これにより、筒状シート100は立ち姿の洗浄者500を囲うのに適した無駄な空間がないシャワー浴槽1となる。
【0056】
この状態で洗浄者500が例えば温水シャワーの利用を開始すると、図6(B)に示すように、洗浄者500はシャワー浴槽1内で温水シャワーを浴びることができる。このとき、洗浄者500は温水シャワーにより身体を洗うだけでなく、そのときに浴びた温水はシャワー浴槽1内に留まり、外部に排出されない。
【0057】
したがって、図7(A)に示すように、洗浄者500の身体の周囲に温水が次第に溜まるため、洗浄者500は身体を温めながら心地よく身体を洗うことができる。また、このシャワーを兼ねた立ち風呂としてのシャワー浴槽1は、屈むことなく立ったまま湯(温水)510に浸かり、湯510が立ち姿の洗浄者500の身体を包み込むという円柱状の立体的な浴槽となる。このとき、筒状シート100と洗浄者500との間の無駄な空間が少ないため少量の湯510でシャワー浴槽1を直ぐに満たすことができる。つまり、立ち姿の洗浄者500の周りだけ湯が溜まるため、短時間に湯が溜まる。ことに、シャワーし始めて洗浄完了近くになると、それまでの間に湯が溜まるため浴槽として十分満足できる浴槽深さを実現できる。これにより、立ち風呂として利用することができる。
【0058】
このシャワー浴槽1を使用してシャワー浴槽1から洗浄者500が出る場合は、まず飛散防止カバー300を外し、続いて該シャワー浴槽1を上方から押し下げれば、筒状シート100が下方に圧縮されて蛇腹状に縮まる。このときの圧縮動作に伴い槽内から湯を外部に溢れ出させることができるため容易に排水することができる。排水完了後は、図6(A)に示すように、シャワー浴槽1が元通り蛇腹状に折り畳まれた折畳状態となり、簡単に持ち運ぶことができる。
【0059】
さらに、シャワー浴槽1は、図7(A)に示すように、固定設置された固定シャワーヘッド420を使用する場合、あるいは、図7(B)に示すように、ハンドタイプのハンドシャワーヘッド430を使用する場合においても支障なく、快適に使用することができる。
【0060】
このようにシャワー浴槽1は洗浄者500が立ったままシャワーと入浴とが可能なため、シャワー装置があれば適用することができる。このため、簡単な利用が図れる。例えば、シャワー浴槽1を持ち運びして利用できるため、キャンプ等での携帯利用にも適用できる。また、この場合、筒状シートの色をスモーク色等の不透明色にすれば、簡易脱衣所として利用できる。
【0061】
さらに、介護利用を図る場合も洗浄者500は立ったままでよく、シャワー浴槽1を伸縮させて使うため洗浄者500がシャワー浴槽1から出る場合に介護者が引き上げるような労力を要しなくなり、浴槽でありながら大きな段差障害がなく、また無理な姿勢を要しないため介護利用に適した浴槽となる。
【0062】
また、シャワー装置しかない場所においても、浴槽に入っている気分を味わうことができる利点がある。さらに、温水シャワーに限らず、夏場などで身体を冷やす場合は冷水シャワーを浴びると、身体の周囲に冷水が次第に溜まるため短時間に気持ちよく身体冷やすことができる。したがって、浴槽施設の無い場所や介護利用を図る場合、さらには一般家庭等においても広く利用することができる。
【0063】
また、シャワー浴槽1の利用に際しては、該シャワー浴槽1の大きさを、L、M、S等の大きさ別に設けて利用者の身体に適した大きさのものを使用するようにすれば子供から大人まで利用者に応じた快適なシャワー浴槽となって利用することができる。
【実施例2】
【0064】
図8は実施例2のシャワー浴槽800を示し、このシャワー浴槽800は、実施例1のシャワー浴槽1と比較して筒状シート100の下部に複数の支持リング810を備えた点が異なり、他は同じ構成である。このため、同じ構成については同符号を用いてその同じ説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
【0065】
この実施例2の特徴とする支持リング810は、筒状シート100の下部に該筒状シート100の外径より少し大きい径を有して筒状シート100の外周面に取り付ける。これにより、該筒状シート100のシート面を補強するものであり、該支持リング810の複数本を筒状シート100の軸方向に一定間隔ごとに配置して構成したものである(図においては6本の例を示す)。これにより、湯が溜まって負荷が集中するシャワー浴槽800の下部を十分に補強している。
【0066】
この場合もシャワー浴槽800を伸縮する場合は該筒状シート100を蛇腹状に折り畳んだ状態から上方に立ち上げることができ、また圧縮して折り畳むことができる。さらに、利用に際しても、立ち姿でシャワーしながら浴槽に入っている気分が味わえるシャワーと浴槽との双方の長所を合わせ持つことができる実施例1と同様の使用形態にて利用できる同様の作用効果が得られる。
【実施例3】
【0067】
図9は実施例3のシャワー浴槽900を示し、このシャワー浴槽900は、実施例1のシャワー浴槽1と比較して筒状シート100の下部に補強用の有底筒体910を備えた点が異なり、他は同じ構成である。このため、同じ構成については同符号を用いてその同じ説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
【0068】
この実施例3の特徴とする有底筒体910は、筒状シート100の軸方向における筒状閉鎖部側となる下部に該筒状シート100の外径より少し大きい径を有して筒状シート100の外周面に取り付ける。これにより、該筒状シート100の下部シート面を補強するものであり、例えば合成樹脂により製作することができる。これにより、湯が溜まって負荷が集中する筒状シート100の下部を十分に補強することができる。
【0069】
この有底筒体910は筒状シート100の下部を覆うように配置してもよく、該有底筒体910の上端開口部に筒状シートを連結するように構成してもよい。
【0070】
この場合も筒状シート100を伸縮する場合は下部の有底筒体910を基準に上部の筒状シート100を蛇腹状に折り畳んだ状態から上方に立ち上げることができ、また圧縮して折り畳むことができる。
【0071】
さらに、シャワー浴槽900の下部が強度の高い有底筒体910で補強されているため、シャワー浴槽900の下部に、湯の圧力や洗浄者の足が当たるなど内部からの負荷を受けても外力を受けても変形せず、また損傷するおそれもない。このため、より一層耐久性を高めたシャワー浴槽900が得られる。
【0072】
さらに、利用に際しても、立ち姿でシャワーしながら浴槽に入っている気分が味わえるシャワーと浴槽との双方の長所を合わせ持つことができる実施例1と同様の使用形態にて利用できる同様の作用効果が得られる。
【実施例4】
【0073】
図10(A)及び図10(B)は実施例4のシャワー浴槽1000を示し、このシャワー浴槽1000は、実施例1のシャワー浴槽1と比較して筒状シート100の外周囲を複数の支持リング1010で支持した点と上環状ガイド筒130を拡縮する係止構造とが異なり、他は同じ構成である。このため、同じ構成については同符号を用いてその同じ説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
【0074】
この実施例4の特徴とする支持リング1010は、筒状シート100の外径より少し大きい径を有して筒状シート100の外周面に取り付ける。これにより、該筒状シート100のシート面を補強するものであり、該支持リング1010の複数本を筒状シート100の軸方向に一定間隔ごとに配置して構成したものである。これにより、湯が溜まって負荷を受けるシャワー浴槽1000の全体を均一に補強している。また、支持リング1010の配置数を増やせば筒状シート100の補強を高めることができるのは言うまでもない。
【0075】
この場合もシャワー浴槽1000を伸縮する場合は、該筒状シート100を蛇腹状に折り畳んだ状態から図10(A)に示すように、上方に立ち上げることができ、また図10(B)に示すように、圧縮して折り畳むことができる。さらに、利用に際しても、立ち姿でシャワーしながら浴槽に入っている気分が味わえるシャワーと浴槽との双方の長所を合わせ持つことができる実施例1と同様の使用形態にて利用できる同様の作用効果が得られる。
【0076】
さらに、このシャワー浴槽1000の上環状ガイド筒130を拡縮する拡縮係止構造の一例を、図11を参照して説明する。図11(A)はシャワー浴槽1000の平面図を示し、上環状ガイド筒130の内部には該上環状ガイド筒130を大径に張設支持するための環状ワイヤー1020が挿通されている。
【0077】
そして、図11(C)に示すように、上環状ガイド筒130の正面中央部を一部切り欠いて環状ワイヤー1020を露出させた拡縮操作部1030を備えている。この拡縮操作部1030は、露出された環状ワイヤー1020を洗浄者が掴んで引っ張ると、該環状ワイヤー1020が縮まり、これに伴い上環状ガイド筒130は図11(B)及び図11(D)に示すように小径化する。
【0078】
そして、上環状ガイド筒130が所望の径に縮小した時点で引っ張り出された環状ワイヤー1020の引き出し部分1040を、筒状シート100の周辺に係止させて、環状ワイヤー1020を引き戻し規制させるとよい。
【0079】
例えば、図11(C)に示すように、筒状シート100の正面側内面の中央上部に下向きに折曲したフック1050を上下左右の4ヶ所に配置し、これらのフック1050の係止位置を選択して、図11(D)に示すように、引っ張り出された環状ワイヤー1020の引き出し部分1040を何れかのフック1050に係止させるとよい。これにより、環状ワイヤー1020の引き出し長さが調節されて上環状ガイド筒130を所望の大きさに縮小して調節することができる。図11(E)は上環状ガイド筒130をやや小さく縮小化した係止例を示し、図11(F)は十分に縮小化した係止例を示している。
【実施例5】
【0080】
図12(A)及び図12(B)は実施例5のシャワー浴槽1100を示し、このシャワー浴槽1100は、実施例1のシャワー浴槽1と比較して排水管1110を備えたことが異なり、他は同じ構成である。このため、同じ構成については同符号を用いてその同じ説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
【0081】
この実施例5の特徴とする排水管1110は、筒状シート100に溜まった湯を効率よく排水するためのものであり、該筒状シート100の下部に、筒状シート100の内部と連通して筒状シート100の外部に略垂直に立ち上げている。
【0082】
この排水管1110は、図12(A)に示すように、中間部に起立係止用のフランジ部1120を有し、このフランジ部1120は排水管1110が起立した時に筒状シート100の外部に備えられたC型係止具1130と対応して着脱自在にして係止される。
【0083】
排水管1110の下部には、該排水管1110を起立姿勢と傾倒姿勢とに切換え自在な可撓性の屈曲操作部1140が備えられている。この屈曲操作部1140を基点に該排水管1110は起立傾倒する。
【0084】
この排水管1110は上端を開放しており、シャワー使用時に起立させておくことにより、筒状シート100内に湯が溜まっても起立した排水管1110は筒状シート100の内部と連通しているためパスカルの原理により排水管1110内の水位L1と筒状シート100内の水位L2とは同水位高さとなり、通常の使用状態では該排水管1110から湯が溢れ出ることはない。つまり、排水管1110を傾倒しないかぎり排水せず、起立した排水管1110が栓の役目をすることになる。このため、筒状シート100の下部に開閉栓を要しなくなる利点がある。
【0085】
さらに、排水管1110の中間高さには、排水管1110の長さを調整するスライド操作部1150が備えられており、このスライド操作部1150を境とする軸方向の排水管下部側を大径管1151とし、上部側をスライド可能な小径管1152としている。そして、スライド操作部1150で小径管1152を固定あるいは開放操作して、大径管1151から突出する小径管1152の突出長さを調整するものである。
【0086】
例えば、背の高い利用者の場合は、小径管1152を伸ばして排水管1110の起立高さを高くする。これにより、排水管1110内での水位と同水位高さとなる筒状シート100内の湯を十分に溜めて深い浴槽として使用することができる。
【0087】
これに対し、子供等の背の低い利用者の場合は、小径管1152を縮めて排水管1110の起立高さを低く設定することができる。これにより、排水管1110内での水位と同水位高さとなる筒状シート100内の湯を低位利用者に適した深さの浴槽に設定して使用することができる。このように、この起立状態にある排水管1110は水位計としての役目を有することになり、誤ってシャワーを出し過ぎて筒状シート100内に湯が必要以上に溜まろうとしても該排水管1110の上端開放部分からオーバーフローした湯が自然に外部に排出される。
【0088】
ことに、排水管1110の高さをスライド調整して低水位深さになるように設定しているときは、設定された高さ以上に筒状シート100内で湯が溜まろうとしても該排水管1110から余分な湯が外部に溢れ出るので、低水位の浴槽深さに保つことができる。このため、子供の使用等にあっても安全を確保した利用となる。
【0089】
使用後に筒状シート100内の湯を排水する場合は、図12(B)に示すように、まず排水管1110を略水平状態に傾倒させる。これにより、該排水管1110が筒状シート100内の湯を外部に排水する排水通路となり、筒状シート100の下方から排水管1110を介して勢いよく排水させることができる。ここに用いられる排水管1110としては、塩化ビニールパイプ等の樹脂製の硬質パイプや軟質のビニールホース等でもよい。また、前記排水管1110の先端部にホースを繋いで所望の離れた位置へ排水するようにしてもよい。
【0090】
上述のように、シャワー浴槽は温水シャワーを浴びる以外に、その温水を身体の周囲に円柱状に溜めてシャワーに用いた温水を有効に使用することができる。ことに、立ち姿の洗浄者の身体の回りを湯が包み込むという立ち風呂として利用できる。また、このときは温水シャワーを浴槽の湯として利用できるため水量を節約することができる。さらに、この立ち風呂として用いることができるシャワー浴槽は、立ち姿の洗浄者1人分のスペースがあればよく、大きな配置スペースを要しない利点がある。このほか介護用のシャワー浴槽としても有効に利用することができる。また、不使用時にはコンパクトに折り畳んで簡単に持ち運ぶことができる。
【0091】
この発明の構成と、上述の実施例の構成との対応において、この発明は上述の実施例の構成に限定されるものではなく、請求項に記載される技術思想に基づいて応用することができる。
【0092】
例えば、上述の実施例では耐久性や耐食性に優れたスプリング200の一例を示したが、これに限らず、スプリング200の材質を形状記憶合金により構成し、お湯をかけると、その温度に反応して折畳状態から立ち上がるように構成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0093】
シャワーや浴槽を必要とする家庭や宿泊施設及び介護施設等のあらゆる場所で広く利用することができる。
【符号の説明】
【0094】
1,800,900,1000,1100…シャワー浴槽
100…筒状シート
120…筒状開口部
140…大径係止部
150…小径係止部
200…スプリング
300…飛散防止カバー
810,1010…支持リング
910…補強用の有底筒体
1110…排水管


【特許請求の範囲】
【請求項1】
立ち姿の洗浄者の周囲を入浴空間として囲む防水性及び可撓性を有する有底筒体の筒状シートと、
前記筒状シートを径方向に広がる方向に張設して支持し、該張設支持された筒状シートを軸方向に伸長させた起立姿勢とこれより軸方向に圧縮させた折畳姿勢とに伸縮自在に支持する環状支持体と、
前記筒状シートの筒状開口部に備えられ、該筒状シート内の立ち姿の洗浄者に向けて噴射されたシャワー水が該筒状シート外に飛散するのを防止する飛散防止カバーとを備え、前記筒状シート内にシャワー水を溜める構成とした
シャワー浴槽。
【請求項2】
前記筒状シートには、
該筒状シートの筒状開口部に位置する環状支持体を径方向に拡縮させて、該筒状シートの筒状開口部の大きさを変える拡縮手段を備えた
請求項1に記載のシャワー浴槽。
【請求項3】
前記拡縮手段を、
前記筒状シートの筒状開口部に位置する環状支持体が大径に広がった状態で係止する大径係止手段と、
前記筒状シートの筒状開口部に位置する環状支持体が小径に絞られた縮小状態で係止する小径係止手段とで構成した
請求項2に記載のシャワー浴槽。
【請求項4】
前記環状支持体を、
前記筒状シートの軸方向における周囲に沿って螺旋方向に摺動自在に巻回して取り付け、且つ筒状シートの軸方向に伸縮自在な弾性を有して該筒状シートを軸方向及び周方向に張設支持するコイル状のスプリングで構成した
請求項1、2または3に記載のシャワー浴槽。
【請求項5】
前記飛散防止カバーには、
シャワー室の支持壁の係止部材に係止させて該飛散防止カバーを立ち上がらせる係止部を備えた
請求項1乃至4の何れか1項に記載のシャワー浴槽。
【請求項6】
前記環状支持体を、
前記筒状シートの軸方向における筒状開口部側を囲って支持するコイル状のスプリングと、
前記筒状シートの軸方向における筒状閉鎖部側を囲って支持する複数の支持リングとで構成した
請求項4に記載のシャワー浴槽。
【請求項7】
前記筒状シートには、
該筒状シートの軸方向における筒状閉鎖部側に補強用の有底筒体を備えた
請求項1乃至6の何れか1項に記載のシャワー浴槽。
【請求項8】
前記筒状シートを、
該筒状シートの軸方向における周囲を該筒状シートが蛇腹状に伸縮自在に複数の支持リングで囲って構成した
請求項1乃至7の何れか1項に記載のシャワー浴槽。
【請求項9】
前記筒状シートには、
該筒状シートの下部に、筒状シートの内部と連通して筒状シートの外部に略垂直に立ち上げられる排水管と、
前記排水管の下部に、該排水管を起立姿勢と傾倒姿勢とに切換えさせる起立傾倒手段とを備えた
請求項1乃至8の何れか1項に記載のシャワー浴槽。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−19787(P2011−19787A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−168488(P2009−168488)
【出願日】平成21年7月17日(2009.7.17)
【出願人】(509203544)
【Fターム(参考)】