説明

シャーシ用自動倉庫及びシャーシ載置用パレット

【課題】シャーシを一箇所に効率的に貯蔵するシャーシ用自動倉庫を提供する。
【解決手段】シャーシ用自動倉庫1は、シャーシ3を牽引可能なトラクタ5の走行路7と、走行路7の脇に設けられたシャーシ格納庫9と、シャーシ格納庫9が備える複数個のシャーシ格納棚11と、シャーシ格納棚11との間でシャーシ3の出し入れを行うスタッカークレーン13と、シャーシ格納庫9の外部の所定の場所とスタッカークレーン13との間でシャーシ3の移載を行う移載装置15とを備えるものであって、移載装置15は、シャーシ3の幅方向に伸縮可能なフォークとフォークを昇降する昇降機構を有するフォーク機構を備えてなり、シャーシ格納棚11、スタッカークレーン13及び移載装置15のうち少なくとも一つは、シャーシ3のフレームにおける長手方向の前部を下支えする支持部材T19又はS28を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテナを搭載可能なシャーシを貯蔵する格納棚(シャーシの貯蔵単位一つで又は二つ以上集合して構成されるものをいう。以下、シャーシ貯蔵棚又は単に棚という場合がある)が立体的に集合してなるシャーシ用自動倉庫に関する。
【背景技術】
【0002】
コンテナを搭載可能なシャーシは、トラクタ(有人・無人を問わない)に牽引されて当該コンテナの搬送に供される一方で、コンテナの搬送に供されていないときに放置されていると交通事故の原因となり、コンテナターミナルの稼働を阻害する一因にもなる。それ故、コンテナと搭載していない状態、即ち空荷状態のシャーシを一箇所に効率的に貯蔵し、必要時に入出庫を可能ならしめる技術が必要とされる。
【0003】
そのような技術に係るシャーシ用自動倉庫の例として、シャーシを牽引可能なトラクタの走行路と、その走行路上に設けられ入出庫口と、その入出庫口でシャーシを積載可能なパレット(駐車台又は駐車板)と、入出庫口上に設けられた昇降空間と、その昇降空間の(トラクタの走行方向に対する)左右各側に隣接するシャーシの多段の格納庫と、パレットを積載して昇降空間内で当該パレットを移動せしめるエレベータと、そのエレベータの本体フレームに又は当該本体フレームと格納庫の棚に設けられ、パレットを水平方向に移動せしめるパレットスライド駆動機構とを備えるものが知られている(特許文献1〜4参照。以下、まとめて又は個別に「第1の従来設備」という)。
【0004】
第1の従来設備では、多数のパレットをピットに貯蔵しておき、必要に応じて一枚ずつ取り出して入出庫口に配置させ、そこでパレットにシャーシを載置する。次いで、シャーシを牽引するトラクタを前進させて入出庫口にあるパレット上を通過させ、シャーシをパレット上に載置した後、シャーシのアウトリガを伸長させてパレット上に接地させ、トラクタをシャーシから切離して退出させる。入出庫口にあるパレットに載荷されたシャーシを搬出する際には、入出庫口にあるパレットに載荷されたシャーシをトラクタに連結するとともに、シャーシのアウトリガを収縮させてパレットとの接地を解除し、トラクタによりシャーシを牽引して搬出させる。使用後のパレットはビットに所蔵される。
しかし、第1の従来設備では、パレットの載置されたシャーシを下から積み上げるため、先入れ後出しとなり、所望のシャーシを選定して出すことはできない。
【0005】
この問題を解決する技術に係るシャーシ用自動倉庫の例として、シャーシを牽引可能なトラクタの走行路と、その走行路の脇に設けられてシャーシ格納庫と、その格納庫が備える複数個の格納棚と、各格納棚との間でシャーシの出し入れを行うシャーシ用スタッカークレーンと、格納庫外の所定の場所(シャーシの出入場所)とシャーシ用スタッカークレーンとの間でシャーシの出し入れを行う移載装置とを備えるものが知られている(特許文献5の段落0070〜0072、図13〜15参照。以下「第2の従来設備」という)。これによれば、所望のシャーシを一台ずつ個別に格納棚に収容し、取り出すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10−220059号公報
【特許文献2】特開平9−317234号公報
【特許文献3】特開平10−140871号公報
【特許文献4】特開平10−153010号公報
【特許文献5】特開2010−260718号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここで、シャーシの入出庫(移載を含む)の際には、シャーシの骨格(シャーシのフレーム)のうち、その長手方向(望ましくは長手方向及びそれと直交する幅方向)の骨格を水平に保持することにより、当該シャーシの姿勢を安定に維持する必要がある。そのような姿勢に維持できなければ危険だからである。
この観点からいえば、第1の従来設備では、シャーシのアウトリガを伸長させてパレット上に接地させ、シャーシの長手方向(トラクタにより牽引される方向)とそれと直交する幅方向の骨格を水平に保持することで姿勢を安定に維持しつつ、エレベータ及びパレットスライド駆動機構によりシャーシをパレットごと移載しているので、シャーシの入出庫は安全といえる。しかし、第2の従来設備では、シャーシの入出庫のためにパレットを用いる場合であれ用いない場合であれ、シャーシの姿勢を安定に維持する手法が定かでなく、シャーシ用スタッカークレーン及び移載装置によりシャーシをその姿勢を安定に維持したまま移載する手法も定かでない。
【0008】
第2の従来設備においてパレットを用いてシャーシの入出庫を行う場合には、第1の従来設備と同様に、シャーシのアウトリガを伸長させてパレット上に接地させ、シャーシの長手方向(トラクタにより牽引される方向)の骨格を水平にすることにより姿勢を安定に維持することも可能かもしれない。
しかし、第1の従来設備と同様に多数のパレットを収容するためのピットを設けると、構造が複雑になり、ピットとの間でパレットを出し入れするために時間を要し、入出庫の円滑な流れを妨げ、設備の稼動効率の低下を招来しかねない。
また、第1の従来設備と同様に入出庫の度にアウトリガを昇降させるのは、ピットを設けると否とに拘らず煩瑣であり、しかも入出庫の円滑な流れを妨げるのでシャーシ用自動倉庫の稼働効率の低下を招来しかねない。尤も、第2の従来設備においてパレットを用いずにシャーシの入出庫を行う場合、何らかの事情からアウトリ一度伸長させて接地させてしまった後に、改めて収縮させて接地を解除しない限り、入出庫ができないとなると、今度は逆に煩瑣となり、シャーシ用自動倉庫の稼働効率を低下させることにもなりかねない。
【0009】
本発明は以上の問題に鑑みてなされたものであり、シャーシの入出庫のためにパレットを用いると否とに拘らず、多数のパレットを収容するためのピットのような特別な場所を設けると否とに拘らず及び/又はアウトリガの昇降を伴うと否とに拘らず、シャーシの長手方向の骨格を水平に保持することにより、当該シャーシの姿勢を安定に維持することができる構造又は機構を備え、シャーシを一箇所に効率的に貯蔵し、効率的な入出庫を可能ならしめるシャーシ用自動倉庫に関する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するための、本発明の第1の形態に係るシャーシ用自動倉庫は、シャーシを牽引可能なトラクタの走行路と、その走行路の脇に設けられたシャーシ格納庫と、該シャーシ格納庫が備える複数個の格納棚と、各格納棚との間でシャーシの出し入れを行うスタッカークレーンと、前記シャーシ格納庫の外部の所定の場所とスタッカークレーンとの間でシャーシの移載を行う移載装置とを備えるシャーシ用自動倉庫であって、
前記移載装置は、前記シャーシの幅方向に伸縮可能なフォークと該フォークを昇降する昇降機構を有するフォーク機構を備えてなり、
前記格納棚、前記スタッカークレーン及び前記移載装置のうち少なくとも一つは、前記シャーシのフレームにおける長手方向の前部を下支えする支持部材を備えていることを特徴とするものである。
【0011】
本発明の第2の形態に係るシャーシ用自動倉庫は、第1の形態に係るものにおいて、前記フォーク機構は、シャーシの車輪を挟み込む方向に前記フォークを水平移動する水平移動機構を備えてなることを特徴とするものである。
【0012】
本発明の第3の形態に係るシャーシ用自動倉庫は、第1の形態に係るものにおいて、前記シャーシを載置可能であると共に前記格納棚に載置可能で、かつ前記シャーシのフレームにおける長手方向の前部を下支えする支持部材を有するシャーシ載置用パレットを備え、前記移載装置は前記シャーシ載置用パレットを前記フォーク機構により移載することを特徴とするものである。
【0013】
本発明の第4の形態に係るシャーシ用自動倉庫は、第3の形態に係るものにおいて、前記シャーシ載置用パレットは、前記シャーシが具備するタイヤを、その回転を抑制するように保持する保持機構を具備していることを特徴とするものである。
【0014】
本発明の第5の形態に係るシャーシ載置用パレットは、シャーシを載置するシャーシ載置用パレットであって、シャーシ格納庫が備える格納棚に載置可能に構成されているとともに、前記シャーシのフレームにおける長手方向の前部を下支えする支持部材を備えていることを特徴とするものである。
【0015】
本発明の第6の形態に係るシャーシ載置用パレットは、第5の形態に係るものにおいて、前記シャーシが具備するタイヤを、その回転を抑制するように保持する保持機構を具備していることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、格納棚、前記スタッカークレーン及び前記移載装置のうち少なくとも一つが、シャーシのフレームのうち長手方向の前部を下支えする支持部材を備えているので、当該シャーシのアウトリガを昇降させることなく、また、アウトリガを昇降させる場合であっても、シャーシの長手方向の骨格を水平に保持することができ、しかも移載装置が備えるフォーク機構によりシャーシを下支えできるので、シャーシのフレームの幅方向も安定に保持したままで移載、ひいては入出庫を行うことができる。
【0017】
なお、シャーシ載置用パレットを用いてシャーシの入出庫(移載を含む)を行う場合、上記支持部材を備えていれば、それは、格納棚、前記スタッカークレーン及び前記移載装置のうち少なくとも一つが当該支持部材を備えているにことに実質的に等しいので、上記と同じ効果が得られる。
この意味から、上記の効果は、シャーシ載置用パレットを用いてシャーシの入出庫(移載を含む)を行うと否とを問わない(第1の形態参照)。尤も、パレットを用いる場合、特別に設けた場所に纏めて保管することもできるが、シャーシ格納庫の各格納棚に保管することもできる。後者の場合には、上記の効果と相俟って、シャーシを一箇所に効率的に貯蔵し、効率的な入出庫を可能ならしめるシャーシ用自動倉庫を実現できるので、好ましい。
【0018】
シャーシ載置用パレットを用いることなくシャーシの入出庫、特に移載を行う場合であれば、フォーク機構によりシャーシが具備する車輪を挟み込んで制動すれば、当該シャーシの姿勢を安定に維持することができるので、より奏功的になる(第2の形態参照)。
【0019】
シャーシをシャーシ載置用パレットに載置して入出庫を行う場合であれば、そのシャーシ載置用パレットをフォーク機構により下支えすれば、シャーシ格納庫の任意の格納棚とスタッカークレーンとの間でシャーシの移載を行うことができる(第3の形態参照)。この場合、シャーシ載置用パレットは、フォーク機構のフォークの差し入れが可能な溝や孔を具備していることが望ましい。このような溝や孔があれば、フォークとシャーシ載置用パレットとの間で滑りがなくなり、安全だからである。また、シャーシ載置用パレットは、シャーシが具備するタイヤの回転を抑制する機構を備えていることが望ましい。このような機構があれば、シャーシ載置用パレット上のシャーシの動きが抑制されるので、安全だからである(第4の形態参照)。
【0020】
本発明の第5の形態によれば、シャーシのフレームのうち長手方向の前部を下支えする支持部材を備えているので、当該シャーシのアウトリガを昇降させることなく、また、アウトリガを昇降させる場合であっても、シャーシの長手方向の骨格を水平に保持することができるパレットを実現することができる。このようなシャーシ載置用パレットは、本発明に係るシャーシ用自動倉庫のうちシャーシ載置用パレットを用いてシャーシの入出庫を行うように構成されたものに好適である。
【0021】
シャーシ載置用パレットを本発明に係るシャーシ用自動倉庫において採用する場合には、フォーク機構のフォークの差し入れが可能な溝や孔を具備しているものであることが望ましい。このような溝や孔があれば、フォークとシャーシ載置用パレットとの間で滑りがなくなり、安全だからである。また、シャーシ載置用パレットは、シャーシが具備するタイヤの回転を抑制する機構を備えていることが望ましい。このような機構があれば、シャーシ載置用パレット上のシャーシの動きが抑制されるので、安全だからである(第6の形態参照)。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施の形態に係るシャーシ用自動倉庫の全体構成の説明図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係るシャーシ用自動倉庫を構成する各部の配置関係を説明する説明図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係るシャーシ用自動倉庫の構成の一つであるスタッカークレーン、移載装置及び移載されるシャーシの説明図である。
【図4】本発明の一実施の形態に係るシャーシ用自動倉庫の構成の一つである移載装置の動作を説明する説明図である。
【図5】本発明の一実施の形態に係るシャーシ用自動倉庫の構成の一つである移載装置の動作を説明する説明図である。
【図6】本発明の一実施の形態に係るシャーシ用自動倉庫の構成の一つであるシャーシ格納庫の構造と、スタッカークレーンの動作の説明図である。
【図7】本発明の一実施の形態に係るシャーシ用自動倉庫のシャーシ格納庫にシャーシを格納する工程の説明図である(S1〜S7)。
【図8】本発明の一実施の形態に係るシャーシ用自動倉庫のシャーシ格納庫にシャーシを格納する工程の説明図である(S9〜S14)。
【図9】本発明の一実施の形態に係るシャーシ用自動倉庫のシャーシ格納庫にシャーシを格納する工程の説明図である(S15〜S17)。
【図10】本発明の実施の形態2に係るシャーシ用自動倉庫の全体構成の説明図である。
【図11】本発明の実施の形態2に係るシャーシ用自動倉庫を構成する各部の配置関係を説明する説明図である。
【図12】本発明の実施の形態2に係るシャーシ用自動倉庫のシャーシ格納庫にシャーシを格納する工程の説明図である(S7−2a〜S7−2e)。
【図13】本発明の実施の形態3に係るシャーシ用自動倉庫の全体構成の説明図である。
【図14】本発明の実施の形態3に係るシャーシ用自動倉庫を構成する各部の配置関係を説明する説明図である。
【図15】本発明の実施の形態3に係るシャーシ用自動倉庫の構成の一つであるスタッカークレーン、移載装置、シャーシ載置用パレット、及び移載されるシャーシの説明図である。
【図16】本発明の実施の形態3に係るシャーシ用自動倉庫の構成の一つである移載装置の動作を説明する説明図である。
【図17】本発明の実施の形態3に係るシャーシ用自動倉庫の構成の一つであるシャーシ格納庫の構造と、スタッカークレーンの動作の説明図である。
【図18】本発明の一実施の形態に係るシャーシ用自動倉庫の構成の一つであるシャーシ載置用パレットの説明図である。
【図19】本発明の一実施の形態に係るシャーシ用自動倉庫の構成の一つであるシャーシ載置用パレットの説明図である。
【図20】本発明の一実施の形態に係るシャーシ用自動倉庫の構成の一つであるシャーシ載置用パレットの説明図である。
【図21】本発明の一実施の形態に係るシャーシ用自動倉庫の構成の一つであるシャーシ載置用パレットの説明図である。
【図22】本発明の一実施の形態に係るシャーシ用自動倉庫の構成の一つであるシャーシ載置用パレットの説明図である。
【図23】本発明の一実施の形態に係るシャーシ用自動倉庫の構成の一つであるシャーシ載置用パレットの説明図である。
【図24】本発明の実施の形態3に係るシャーシ用自動倉庫のシャーシ格納庫にシャーシを格納する工程の説明図である(S7−1a〜S7−1c)。
【図25】本発明の実施の形態3に係るシャーシ用自動倉庫のシャーシ格納庫にシャーシを格納する工程の説明図である(S8−1〜S15−1)。
【発明を実施するための形態】
【0023】
[実施の形態1]
本発明の一実施の形態に係るシャーシ用自動倉庫1は、図1に示すように、シャーシ3を牽引可能なトラクタ5の走行路7と、その走行路7の脇に設けられたシャーシ格納庫9と、シャーシ格納庫9が備える複数個のシャーシ格納棚11と、各シャーシ格納棚11との間でシャーシ3の出し入れを行うスタッカークレーン13と、前記シャーシ格納庫9の外部の所定の場所とスタッカークレーン13との間でシャーシ3の移載を行う移載装置15とを備えて構成されるものである。
以下、各構成を詳細に説明する。
【0024】
<走行路>
走行路7は、シャーシ用自動倉庫1の敷地内に設けられて、シャーシ3を牽引可能なトラクタ5が走行できる路である。走行路7は固定化されたルートである必要はないが、スタッカークレーン13に対してシャーシ3を受け渡す関係から、スタッカークレーン13の走行軌条17に平行する部位を有することが好ましい。
【0025】
<シャーシ格納庫>
シャーシ格納庫9は、図1、図2、図6に示されるように、スタッカークレーン13の走行軌条17の両側又は片側に設けられている。シャーシ格納庫9には、多数のシャーシ格納棚11が設けられている。各シャーシ格納棚11はシャーシ3のフレームにおける長手方向の前部を下支えする支持部材T19を備えている。各シャーシ格納棚11が支持部材T19を備えることにより、シャーシ格納棚11に格納されたシャーシ3はアウトリガを伸長させることなく、安定して格納することができる。
【0026】
<スタッカークレーン>
スタッカークレーン13は、図3に示すように、走行軌条17を走行するための自走機構21と、マスト23間を昇降する昇降体25と、昇降体25を昇降させる昇降装置27とを備え、昇降体25上に移載装置15を搭載している。
スタッカークレーン13における昇降体25は、シャーシ3のフレームにおける長手方向の前部を下支えする支持部材S28を備えている。昇降体25が支持部材S28を備えることにより、シャーシ3の移載及び搬送時においてシャーシ3はアウトリガを伸長させる必要がないので、移載を円滑にかつ安定して行うことができる。
図3(a)には、スタッカークレーン13がシャーシ3を昇降体25に載せて上下している状態が示されている。この図3(a)の状態を構成する要素を分解してみると、図3(b)に示される移載装置15、図3(c)に示されるシャーシ3となる。
【0027】
<移載装置>
移載装置15は、昇降体25と一体的に構成されていてもよく、分離自在で、それぞれが独立に昇降するように構成されていてもよい。
移載装置15はシャーシ3のフレームを下支えするフォーク機構29を備えている(図4参照)。
なお、移載装置15を昇降体25と分離可能にした場合には、移載装置15にシャーシ3のフレームにおける長手方向の前部を下支えする支持部材を備えるようにするのが好ましい。移載装置15が支持部材を備えることにより、シャーシ3の移載時においてシャーシ3はアウトリガを伸長させる必要がないので、移載を円滑にかつ安定して行うことができる。
【0028】
フォーク機構29は、スタッカークレーン13と各シャーシ格納棚11との間で、シャーシ3の移動を行う。
フォーク機構29は、図4に示すように、三段重ねのフォーク31と、フォーク31から順次水平移動させて全体を伸縮させる水平駆動機構33と、フォーク機構29を鉛直方向に短距離だけ昇降させて、シャーシ3の底部とフォーク31との接触と離隔を可能にする垂直駆動機構35と、フォーク31間の幅調整できる幅調整機構37を備えている。
スタッカークレーン13側と各シャーシ格納棚11との間でシャーシ3の移動が可能である限り、フォーク31の重なりの段数は1段であっても、2段であっても、4段以上であってもよい。
【0029】
フォーク機構29は、シャーシ3の底部又はその他の適当箇所の強度が高い箇所に上記のフォーク31を指し込んで、シャーシ3を直接支えて移載を行う。
スタッカークレーン13に搭載された移載装置15は、シャーシ3をスタッカークレーン13の一方の側面から他方の側面に移動することができる。この点を図5に基づいて詳細に説明する。
【0030】
図5においてシャーシ3は二点鎖線で示されている。
図5におけるシャーシ3を移載装置15に載置している状態(S0)を起点として、シャーシ3を下す動作が(S0)→(S1)→(S2)である。つまり、フォーク31でシャーシ3のタイヤ39を把持してシャーシ3を載置した状態(S0)から、フォーク31を伸長してシャーシ3をスタッカークレーン13の側方に移動し(S1)、その状態で垂直駆動機構35によってフォーク31を下動させてシャーシ3のタイヤ39を着地させて、フォーク31を拡幅させる(S3)。移載装置15がシャーシ3を載置している状態では、シャーシ3の長手方向の全部は支持部材S28によって支持されるので、安定した移載作業が円滑に行われる。
【0031】
地上にあるシャーシ3をスタッカークレーン13に移載する場合は、フォーク31を伸長してシャーシ3のフレームの下に入れ、その状態でフォーク31を縮幅してシャーシ3のタイヤ39を保持する(S−2)、その状態でフォーク31を上昇させてシャーシ3を持ち上げる(S−1)。そして、フォーク31を縮退させてスタッカークレーン13上に配置して、フォーク31を下動させることで載置を完了する(S0)。
【0032】
スタッカークレーン13が移載装置15を搭載していることにより、図3の矢印で示すように、シャーシ3はスタッカークレーン13の昇降体25の昇降によりシャーシ格納棚11間の大きな距離を上下方向に移動でき、また移載装置15の垂直駆動機構35によって地上と移載装置15との間の上下動をすることができる。
【0033】
移載装置15は、シャーシ3を載せたまま、シャーシ格納棚11とスタッカークレーン13側との間で移動する移載台車であってもよい。この場合には、昇降体25とシャーシ格納棚11には、移載台車の往来を可能にするための、昇降台車の車輪の軌道となるレールが設けられる。また、移載台車には、当該移載台車の載置面とシャーシ3との間を鉛直方向に短距離だけ昇降させて、両者間の接触と離隔を可能にする垂直駆動機構35が設けられる。
【0034】
スタッカークレーン13によるシャーシ格納庫9のシャーシ格納棚11へのシャーシ3の格納と、シャーシ格納棚11からシャーシ3の取出しを図6に基づいて説明する。
スタッカークレーン13がシャーシ格納棚11にシャーシ3を格納する場合は、図6の下側に示すように、移載装置15からシャーシ3を持ち上げてシャーシ3をシャーシ格納棚11に格納する。この動きは、図5における(S0)〜(S2)の動作となる。
また、スタッカークレーン13がシャーシ格納棚11からシャーシ3を取り出す場合は、図6の上側に示すように、移載装置15がシャーシ3が格納されているシャーシ格納棚11の位置まで移動(上動)して、伸長したフォーク31でシャーシ3を持ち上げてシャーシ3を移載装置15に載置する。この動きは、図5における(S−2)〜(S0)の動作となる。
【0035】
次に上記のように構成された本実施の形態に係るシャーシ用自動倉庫1の動作を、総括して、シャーシ3を格納する場合と、シャーシ3を搬出する場合に分けて説明する。
【0036】
<シャーシを格納する場合>
この場合の一連の動作は図1(a)に示されており、また各動作が図7〜図9に示されている。
スタッカークレーン13がトラクタ5の走行路7の近くに移動しており、そこに向かってシャーシ3を牽引するトラクタ5が走行する(S1)。トラクタ5がスタッカークレーン13の脇に横付けされると(S2)、スタッカークレーン13に搭載された移載装置15のフォーク31が伸長される(S3)。フォーク31がシャーシ3の下に挿入され、フォーク31が上昇してシャーシ3がフォーク31で支持可能になるとトラクタ5とシャーシ3の連結を切り離す(S4)。この状態で、シャーシ3はフォーク31で支持されているのでトラクタ5はシャーシ3を置いて走行する(S5)。トラクタ5が離れると、フォーク31でシャーシ3を支持したままフォーク31を縮退させて(図5のS−2〜S0)、シャーシ3を移載装置15上に載置させる(S6)。この状態で、スタッカークレーン13を走行させて(S7)、シャーシ格納庫9においける格納対象となるシャーシ格納棚11のあるラックに停止する(S9)。
【0037】
スタッカークレーン13の昇降体25を昇降させ(S10)、格納対象となるシャーシ格納棚11の位置で停止する(S11)。この状態でフォーク31を上昇させてシャーシ3を持ち上げ(S12)、フォーク31を伸長させてシャーシ3をシャーシ格納棚11側に受け渡す(S13)。シャーシ3を受け渡すと、フォーク31を下動させて、さらにフォーク31を縮退させる(S14)。スタッカークレーン13の昇降体25を降下させ(S15)、降下が完了すると(S16)、スタッカークレーン13をシャーシ3の受取位置に向かって走行させる(S17)。
【0038】
<シャーシを搬出する場合>
シャーシ3をシャーシ格納棚11から取り出して搬出する一連の動作は図1(b)に示されている。
シャーシ3を搬出する場合の動作は、上述したシャーシ3を格納する動作の反対の動作となるので詳細の説明は省略して概説する。
スタッカークレーン13は搬出対象のシャーシ3が格納されているシャーシ格納棚11のあるラックまで走行して、シャーシ3をフォーク31によって取り出して移載装置15に搭載して、トラクタ5の走行路7まで移動して、トラクタ5にシャーシ3を受け渡す。
【0039】
以上のように、本実施の形態によれば、スタッカークレーン13及びシャーシ格納棚11にシャーシ3のフレームにおける長手方向の前部を下支えする支持部材T19、支持部材S28を備えているので、シャーシ3をトラクタ5から受け取り、シャーシ格納棚11に搬送して格納する一連の工程、及びこれとは逆のシャーシ3を格納棚11から搬出する一連の工程において、シャーシ3を安定に保持することができ、作業の効率化を実現できる。
【0040】
[実施の形態2]
実施の形態1においては、スタッカークレーン13に移載装置15を搭載して、スタッカークレーン13の昇降体25に支持部材S28を備え、トラクタ5から直接スタッカークレーン13にシャーシ3を移載する例であった。
本実施の形態のシャーシ用自動倉庫41においては、スタッカークレーン13の昇降体25には支持部材S28がなく、かつトラクタ5からスタッカークレーン13とは別の走行機能を備えた自走式移載装置43によってシャーシ3を受け取り、受け取ったシャーシ3を一旦移載台45に載置して、スタッカークレーン13が移載台45からシャーシ3を受け取るようにしたものである。
【0041】
本実施の形態のシャーシ用自動倉庫41の全体構成と、シャーシ3の格納及びシャーシ3の搬出の一連の動作が図10に示されている。
本実施の形態に係るシャーシ用自動倉庫41においては、実施の形態1の構成に加えて、トラクタ5からシャーシ3を移載台45に移載するための走行機能を備えた自走式移載装置43と、自走式移載装置43によってトラクタ5から受け取ったシャーシ3を一旦載置する移載台45とを備えている。
そして、図11に示されるように、トラクタ5の走行路7に隣接して自走式移載装置43が配置され、自走式移載装置43の側方に移載台45が配置され、移載台45の側方にスタッカークレーン13の走行軌条17が設けられる。
【0042】
本実施の形態の自走式移載装置43は、実施の形態1の移載装置15に自走機能を備えたものである。また、移載台45は、シャーシ3のフレームにおける長手方向の前部を下支えする支持部材D47を備えている。
なお、本実施の形態におけるスタッカークレーン13に搭載された移載装置15は実施の形態1のものと同等のものである。ただ、スタッカークレーン13の昇降体25には支持部材S28が設けられていない。これは、シャーシ3がスタッカークレーン13上の移載装置15で支持されるときは、フォーク31によってシャーシ3が下支えされているので、支持部材S28がなくても安定してシャーシ3を保持できるからである。
【0043】
上記のように構成された本実施の形態に係るシャーシ用自動倉庫41の動作を、総括して、シャーシ3を格納する場合と、シャーシ3を搬出する場合に分けて説明する。
【0044】
<シャーシを格納する場合>
本実施の形態おいて、シャーシ3を格納する工程は、トラクタ5から自走式移載装置43がシャーシ3を受け取って移載台45に載置する工程(第1工程)と、スタッカークレーン13が移載台45に載置されているシャーシ3をスタッカークレーン13に移載する工程(第2工程)と、シャーシ3を載せたスタッカークレーン13がシャーシ3をシャーシ格納庫9のシャーシ格納棚11に格納する工程(第3工程)とに分けることができる。
【0045】
第1工程は、実施の形態1における図7の(S1)〜(S6)とほぼ同様の動作となるので説明を省略する。なお、実施の形態1と異なる点を述べると、実施の形態1ではトラクタ5からシャーシ3を受け取るのがスタッカークレーン13上に搭載された移載装置15であるのに対して本実施の形態では自走式移載装置43である点、実施の形態1ではトラクタ5から受け取ったシャーシ3をスタッカークレーン13に移載するのに対して本実施の形態では移載台45に移載する点である。
【0046】
第2工程を図12に基づいて説明する。
シャーシ3はフレームにおける長手方向の前部を支持部によって支持されて移載台45に載置されている(S7−2a)。この状態で、スタッカークレーン13が移載台45の側方に移動してきて移載台45に横付けされる(S7−2b)。スタッカークレーン13に搭載されている移載装置15のフォーク31をシャーシ3側に伸長して(S7−2c)、フォーク31がシャーシ3を下支えできる位置になるとフォーク31を上昇させてシャーシ3をフォーク31で支持する(S7−2d)。この状態でフォーク31を縮退させてシャーシ3をスタッカークレーン13側に移載する(S7−2e)。本実施の形態ではスタッカークレーン13に支持部材S28がないが、(S7−2e)の状態ではシャーシ3がフォーク31で支持されており、シャーシ3が傾くことなく安定して支持される。
【0047】
第3工程は、実施の形態1における図7の(S9)〜(S17)と同様の動作となるので説明を省略する。
【0048】
<シャーシを搬出する場合>
シャーシ3をシャーシ格納棚11から取り出して搬出する一連の動作は図10(b)に示されている。
シャーシ3を搬出する動作を概説すると、スタッカークレーン13は搬出対象のシャーシ3が格納されているシャーシ格納棚11のあるラックまで走行して、シャーシ3をフォーク31によって取出して移載装置15に搭載して、移載台45の側方まで移動して、移載台45にシャーシ3を受け渡す。自走式移載装置43が移載台45からシャーシ3を受け取り、トラクタ5にシャーシ3を受け渡す。シャーシ3を受け取ったトラクタ5はシャーシ3を連結して走行する。
【0049】
以上のように、本実施の形態においては、移載台45及びシャーシ格納棚11にシャーシ3のフレームにおける長手方向の前部を下支えする支持部材D47、支持部材T19を備えているので、実施の形態1と同様に、シャーシ3をトラクタ5から受け取り、シャーシ格納棚11に搬送して格納する一連の工程及びこれとは逆のシャーシ3をシャーシ格納棚11から搬出する一連の工程において、シャーシ3を安定に保持することができ、作業の効率化を実現できる。
【0050】
[実施の形態3]
実施の形態2は移載台45を用いた態様において、移載台45にシャーシ格納棚11にシャーシ3における長手方向の前部を下支えする支持部材D47を備え、かつシャーシ格納棚11にも同様の支持部材T19を備えたものであった。
これに対して、本実施の形態のシャーシ用自動倉庫51は、実施の形態2と同様に移載台45を用いる態様において、シャーシ3における長手方向の前部を下支えする支持部材P59を備えたシャーシ載置用パレット53を用いるものである。そして、シャーシ載置用パレット53が搬送可能なものであり、それ故にシャーシ格納庫54にはシャーシ格納棚11がなく、それに代えてシャーシ載置用パレット53を着脱可能に載置するための載置片55が設けられている(図17参照)。
【0051】
本実施の形態のシャーシ用自動倉庫51の全体構成と、シャーシ3の格納及びシャーシ3の搬出の一連の動作が図13に示されている。
本実施の形態に係るシャーシ用自動倉庫51においては、実施の形態2と同様に、実施の形態1の構成に加えて、トラクタ5からシャーシ3を移載台45に移載するための走行機能を備えた自走式移載装置43と、自走式移載装置43によってトラクタ5から受け取ったシャーシ3を一旦載置する移載台45とを備えている。
そして、図14に示されるように、移動可能なシャーシ載置用パレット53が移載台45に置かれている。図13、図14において、実施の形態2の図10、図11と同一部分には同一の符号が付してある。
以下においては、本実施の形態のシャーシ用自動倉庫51を構成する構成要素において、実施の形態1、2と異なるものについて説明する。
【0052】
<スタッカークレーン>
本実施の形態のスタッカークレーン52は、基本構成は図3に示した実施の形態1のものと同様であるが、以下の点で異なっている。この異なる点を図15に基づいて説明する。
本実施の形態のスタッカークレーン52は、図15に示すように、昇降体25上に移載装置15を搭載しているが、昇降体25にはシャーシ3における長手方向の前部を下支えする支持部材S28が備わっていない。
また、移載装置15は、シャーシ載置用パレット53の底部の下面を下支えしてシャーシ載置用パレット53を移載できるようになっている。
図15(a)には、スタッカークレーン52がパレットに載置されたシャーシ3を昇降体25に載せて上下している状態が示されている。この図15(a)の状態を構成する要素を分解してみると、図15(b)に示される移載装置15、図15(c)に示されるシャーシ載置用パレット53、図15(d)に示されるシャーシ3となる。
【0053】
<移載装置>
移載装置15は、図16の(S0→S1、S0→S−1)に示されるように、スタッカークレーン52の昇降体25に設置されてシャーシ3を載置したシャーシ載置用パレット53をスタッカークレーン52の両サイドに移載することができる。
なお、本実施の形態の移載装置15は実施の形態1,2のものと同一であるが、本実施の形態に用いる場合には、実施の形態1,2のようにフォーク31の幅を調整する機能を備えていなくてもよい。その理由は、本実施の形態ではシャーシ3はシャーシ載置用パレット53に安定的に載置されるので、フォーク31の幅を狭めてシャーシ3のタイヤ39を挟持する必要がないからである。
【0054】
<シャーシ格納庫>
シャーシ格納庫54は、図17に示されるように、シャーシ格納棚11を備えることなく、シャーシ載置用パレット53を着脱可能に載置するための載置片55が設けられている。スタッカークレーン52は、図17に示されるように、昇降体25を昇降して、シャーシ3を載置したシャーシ載置用パレット53を載置片55が設けられている位置まで移動し、その位置でシャーシ3を載置したシャーシ載置用パレット53を載置片55側に受け渡す。これによって、シャーシ3はシャーシ載置用パレット53に安定して載置された状態でシャーシ格納庫54に格納される。
【0055】
<シャーシ載置用パレット>
シャーシ載置用パレット53の一つの態様としては、図18に示すように、矩形の台部57と、台部57の前部に設けられてシャーシ3における長手方向の前部を下支えする支持部材P59とを備えている。また、台部57の下面側には、移載装置15のフォーク31が装入される溝部61が3本設けられている。溝部61を設けることで、移載装置15による移載を安定して行うことができる。
【0056】
シャーシ載置用パレット53の他の態様として、図19に示されるように、台部57の後部にシャーシ3のタイヤ39をその回転を抑制するように保持する保持機構としての凹み部63を設けるようにしてもよい。図19に示される凹み部63は、シャーシ3の前後2輪のうちの片方の一部が装入されるものである。凹み部63を設けることでシャーシ3をより安定的に台部57に載置できる。
なお、凹み部63の他の態様として、図20に示すように、シャーシ3の前後2輪両方の一部が装入されるようにしてもよい。
【0057】
保持機構の他の態様として、図21に示されるように、所定間隔を離して設置された2条の凸条部からなる車止め部65を設けるようにしてもよい。図21に示される車止め部65はシャーシ3の前後2輪のうちの片方を止めるものである。
なお、車止め部65の他の態様として、図22に示すように、左右の車止めが分離されているものであってもよい。また、図23に示されるように、シャーシ3の前後のタイヤ39の間に装入される一本の凸条部からなる車止め部65であってもよい。
【0058】
次に上記のように構成された本実施の形態に係るシャーシ用自動倉庫51の動作を、総括して、シャーシ3を格納する場合と、シャーシ3を搬出する場合に分けて説明する。
【0059】
<シャーシを格納する場合>
本実施の形態おいて、シャーシ3を格納する工程は、トラクタ5から自走式移載装置43がシャーシ3を受け取ってシャーシ載置用パレット53が載置された移載台45に載置する工程(第1工程)と、スタッカークレーン52が移載台45に載置されているシャーシ3を載置したシャーシ載置用パレット53をスタッカークレーン52に移載する工程(第2工程)と、シャーシ3を載置したシャーシ載置用パレット53を載せたスタッカークレーン52が、シャーシ載置用パレット53をシャーシ3と共にシャーシ格納庫54の載置片55上に移載して格納する工程(第3工程)とに分けることができる。
【0060】
第1工程は、実施の形態1における図7の(S1)〜(S6)とほぼ同様の動作となるので説明を省略する。
なお、実施の形態1と異なる点を述べると、実施の形態1ではトラクタ5からシャーシ3を受け取るのがスタッカークレーン52上に搭載された移載装置15であるのに対して本実施の形態では自走式移載装置43である点、実施の形態1ではトラクタ5から受け取ったシャーシ3をスタッカークレーン52に移載するのに対して本実施の形態ではシャーシ載置用パレット53が載置された移載台45に移載する点である。
【0061】
第2工程を図24に基づいて説明する。
シャーシ3はフレームにおける長手方向の前部を、シャーシ載置用パレット53の支持部によって支持されて移載台45に載置されている。この状態で、スタッカークレーン52が移載台45に側方に移動してきて移載台45に横付けされる(S7−1a)。
スタッカークレーン52に搭載されている移載装置15のフォーク31をシャーシ載置用パレット53側に伸長して、フォーク31がシャーシ載置用パレット53を下支えできる位置になるとフォーク31を上昇させてシャーシ載置用パレット53をフォーク31で支持する(S7−1b)。この状態でフォーク31を縮退させてシャーシ載置用パレット53をスタッカークレーン52側に移載する(S7−1c)。
本実施の形態ではスタッカークレーン52に支持部材S28がないが、シャーシ3は支持部材P59を備えたシャーシ載置用パレット53に載置されており、一連の動作においてシャーシ3が傾くことなく安定して支持される。
【0062】
第3工程を図25に基づいて説明する。
シャーシ載置用パレット53を載置したスタッカークレーン52がシャーシ格納庫54に向けて走行し(S8−1)、格納対象となるシャーシ格納庫54に停止する(S9−1)。
スタッカークレーン52の昇降体25を昇降させ(S10−1)、格納対象となる載置片55の位置で停止する(S11−1)。この状態でフォーク31を上昇させてシャーシ載置用パレット53を持ち上げ、フォーク31を伸長させてシャーシ載置用パレット53を載置片55側に受け渡す(S12−1)。シャーシ載置用パレット53を受け渡すと、フォーク31を下動させて、さらにフォーク31を縮退させ、スタッカークレーン52の昇降体25を降下させる(S13−1)。昇降体25の降下が完了すると(S14−1)、スタッカークレーン52を移載台45に向けて走行させる(S15−1)。
【0063】
<シャーシを搬出する場合>
シャーシ3をシャーシ格納庫54から取り出して搬出する一連の動作は図13(b)に示されている。
シャーシ3を搬出する動作を概説すると、スタッカークレーン13は搬出対象のシャーシ3がシャーシ載置用パレット53に載置されて格納されているラックまで走行して、シャーシ3が載置されているシャーシ載置用パレット53をフォーク31によって取出して移載装置15に搭載して、移載台45の側方まで移動して、移載台45にシャーシ載置用パレット53を受け渡す。自走式移載装置43が移載台45からシャーシ3のみ受け取り、トラクタ5にシャーシ3を受け渡す。シャーシ3を受け取ったトラクタ5はシャーシ3を連結して走行する。
【0064】
以上のように、本実施の形態においては、シャーシ載置用パレット53にシャーシ3のフレームにおける長手方向の前部を下支えする支持部材P59を備えているので、実施の形態1、2と同様に、シャーシ3をトラクタ5から受け取り、シャーシ格納庫54に搬送して格納する一連の工程及びこれとは逆のシャーシ格納庫54からシャーシを搬出する一連の工程において、シャーシ3を安定に保持することができ、作業の効率化を実現できる。
また、本実施の形態では、シャーシ載置用パレット53にシャーシ3のフレームにおける長手方向の前部を下支えする支持部材P59を備えると共に、シャーシ格納庫54にシャーシ載置用パレット53を載置する載置片55を設けるようにしたので、シャーシ格納庫54側にシャーシ3を格納するための棚を設ける必要がない。
【符号の説明】
【0065】
1 シャーシ格納庫
3 シャーシ
5 トラクタ
7 走行路
9 シャーシ格納庫
11 シャーシ格納棚
13 スタッカークレーン
15 移載装置
17 走行軌条
19 支持部材T
21 自走機構
23 マスト
25 昇降体
27 昇降装置
28 支持部材S
29 フォーク機構
31 フォーク
33 水平駆動機構
35 垂直駆動機構
37 幅調整機構
39 タイヤ
41 シャーシ自動倉庫
43 自走式移載装置
45 移載台
47 支持部材D
51 シャーシ用自動倉庫
52 スタッカークレーン
53 シャーシ載置用パレット
54 シャーシ格納庫
55 載置片
57 台部
59 支持部材P
61 溝部
63 凹み部
65 車止め部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャーシを牽引可能なトラクタの走行路と、その走行路の脇に設けられたシャーシ格納庫と、該シャーシ格納庫が備える複数個の格納棚と、各格納棚との間でシャーシの出し入れを行うスタッカークレーンと、前記シャーシ格納庫の外部の所定の場所とスタッカークレーンとの間でシャーシの移載を行う移載装置とを備えるシャーシ用自動倉庫であって、
前記移載装置は、前記シャーシの幅方向に伸縮可能なフォークと該フォークを昇降する昇降機構を有するフォーク機構を備えてなり、
前記格納棚、前記スタッカークレーン及び前記移載装置のうち少なくとも一つは、前記シャーシのフレームにおける長手方向の前部を下支えする支持部材を備えていることを特徴とするシャーシ用自動倉庫。
【請求項2】
前記フォーク機構は、シャーシの車輪を挟み込む方向に前記フォークを水平移動する水平移動機構を備えてなることを特徴とする請求項1に記載のシャーシ用自動倉庫。
【請求項3】
前記シャーシを載置可能であると共に前記格納棚に載置可能で、かつ前記シャーシのフレームにおける長手方向の前部を下支えする支持部材を有するシャーシ載置用パレットを備え、前記移載装置は前記シャーシ載置用パレットを前記フォーク機構により移載することを特徴とする請求項1に記載のシャーシ用自動倉庫。
【請求項4】
前記シャーシ載置用パレットは、前記シャーシが具備するタイヤを、その回転を抑制するように保持する保持機構を具備していることを特徴とする請求項3に記載のシャーシ用自動倉庫。
【請求項5】
シャーシを載置するシャーシ載置用パレットであって、シャーシ格納庫が備える格納棚に載置可能に構成されているとともに、前記シャーシのフレームにおける長手方向の前部を下支えする支持部材を備えていることを特徴とするシャーシ載置用パレット。
【請求項6】
前記シャーシが具備するタイヤを、その回転を抑制するように保持する保持機構を具備していることを特徴とする請求項5に記載のシャーシ載置用パレット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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