説明

ショーケース

【課題】どのような形状のフィギュアFでもきれいに見せることができるようにすること。
【解決手段】 このショーケース100は、台座1と、台座1の上側の開口部1aに取り付けられるステージ板2と、台座1の上部に取り付けられる透明カバー3とからなる。外部からの光L1は透明カバー3を通じて内部に入り、一部はステージ板2により反射し反射光L2としてフィギュアFを下側から照らす。これにより、フィギュアFの全体に光が均一に照射され、影になって暗くなるようなところが少なくなり、どのような形状のフィギュアFでも見やすくできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィギュア、模型、装飾品等を展示するショーケースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
図9は、従来のコレクションケースの一例を示す斜視図である。このコレクションケース500は、特許文献1に開示されているように、フィギュアFを展示するものであって、表面に複数の穴が設けられた台座501と、台座501の穴に固定される固定台502と、固定台502及び台座501の上部を覆う透明プラスチック製のカバーケース503とから構成される。
【0003】
フィギュアFは、台座501に固定する固定台502に装着され、コレクションケース500内に収納される。前記固定台503は、台座501の複数の穴に必要な数だけ所望の箇所に取り付け可能である。ユーザは、カバーケース503越しに外部からフィギュアFを見ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−6911号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来のコレクションケース500では、カバーケース503の上方や側方からフィギュアFに光を当てると、複雑形状のフィギュアFの場合、フィギュアFの下側を向いた部位(例えば、フィギュアFの腕や足の下側等)が暗くなってしまい、フィギュアFをきれいに見せることができないという問題点があった。特に、白熱灯等のデスクライトの下では影ができやすいので当該問題は顕著であった。
【0006】
そこで、この発明は、どのような形状のフィギュアFでもきれいに見せることができるショーケースを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のショーケースは、フィギュアその他の展示対象物を載せる台座と、前記台座の前記展示対象物を載せる側に鏡面状の光の反射面を設けたステージ板と、台座の上部で且つ前記展示対象物を囲うように設けられる透明カバーとを備えたことを特徴とする。
【0008】
このショーケースによれば、台座の展示対象物を載せる側に反射面を設けたので、当該反射面で反射した反射光が下側から展示対象物に当たる。これにより、展示対象物の下側を向いている部分にも光が良く当たるので、展示対象物が均一に照らされて見やすくなる。なお、前記鏡面状の反射面は、アクリルミラー、ガラス鏡、研磨金属板等で構成できる。また、展示対象物は、フィギュアに限定されない。
【0009】
また、本発明のショーケースは、上記発明において、前記ステージ板は、反射面の裏面に表面とは異なる反射率の面を有し、前記裏面を上にした状態で前記台座の前記展示対象物を載せる側に取り付け可能であることを特徴とする。
【0010】
ステージ板を異なる反射率の面を有するリバーシブル構造とすることで、異なる趣でフィギュアを見ることができる。
【0011】
また、本発明のショーケースは、上記発明において、更に、前記台座は中空構造であって、前記反射面がハーフミラーからなり且つ前記台座の開口側に設けられ、台座内に照明手段が設けられていることを特徴とする。
【0012】
このショーケースによれば、ライト等によりハーフミラーを通じて展示対象物を照らす。また、外側の光もハーフミラーにより反射され、展示対象物を照らすことになる。これにより、展示対象物が均一に照らされるので当該展示対象物が見やすくなる。
【0013】
また、本発明のショーケースは、フィギュアその他の展示対象物を載せる中空構造の台座と、前記台座の前記展示対象物を載せる側の面に設けた光を透過する透過面を有するステージ板と、前記台座内に設けられた照明手段と、台座の上部で且つ前記展示対象物を囲うように設けられる透明カバーとを備えたことを特徴とする。
【0014】
このショーケースでは、照明手段の光が透過面を通じて展示対象物を照らすので、展示対象物が均一に照らされて見やすくなる。
【0015】
また、本発明のショーケースは、フィギュアその他の展示対象物を載せる中空構造の台座と、前記台座の前記展示対象物を載せる側に光を発光する面発光手段を設けたステージ板と、台座の上部で且つ前記展示対象物を囲うように設けられる透明カバーとを備えたことを特徴とする。
【0016】
この発明のように、展示対象物を載せる側の面に面発光手段を設け、この面発光手段により下側から展示対象物を照らすようにすれば、当該展示対象物が均一に照らされて見やすくなる。面発光手段としては、LED(Light Emitting
Diode)光源及び導光板の組みや、EL(Electro Luminescence)パネル等が挙げられる。
【0017】
また、本発明のショーケースは、上記発明において、更に、前記台座は、3cm以上20cm以下の高さを有することを特徴とする。このように、台座に所定の高さを持たせることで、周囲の文具類や雑貨類によりフィギュアが隠れてしまうことがなく、またフィギュアをローアングルからも見ることができる。
【0018】
また、本発明のショーケースは、上記発明において、更に、前記透明カバーはUVカット機能を備えていることを特徴とする。このようにすれば、紫外線が強い直射日光が当たる環境にもショーケースを置くことができる。
【0019】
また、本発明のショーケースは、上記発明において、更に、照明手段を前記透明カバー内の上側に配置したことを特徴とする。このように、透明カバー内の上側に照明手段を配置することで、照明手段の光により展示対象物を上から照らすと共に、下から反射した光または照射された光により展示対象物を照らすことになる。これにより、展示対象物が均一に照らされるので、展示対象物が見やすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】この発明の実施の形態1に係るショーケースを示す斜視図である。
【図2】図1に示したショーケースの組立図である。
【図3】図1に示したショーケースの断面図である。
【図4】ショーケースの使用状態を示す斜視図である。
【図5】この発明の実施の形態2に係るショーケースを示す説明図である。
【図6】図5に示すショーケースの変形例を示す説明図である。
【図7】図5に示すショーケースの変形例を示す説明図である。
【図8】この発明の実施の形態3に係るショーケースを示す断面構成図である。
【図9】従来のコレクションケースの一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1に係るショーケースを示す斜視図である。図2は、図1に示したショーケースの組立図である。図3は、図1に示したショーケースの断面図である。このショーケース100は、中空構造をした箱状の台座1と、台座1の上側の開口部1aにはめ込むように取り付けられるステージ板2と、台座1の上部に被せるように取り付けられる透明カバー3とからなる。
【0022】
台座1は黒色等のアクリル樹脂からなる。前記台座1は、ローアングルからショーケース100内のフィギュアを見やすいように、高さHが高い。机上に設置した場合、文具類、雑貨類、書類等が邪魔をしてフィギュアをローアングルから見ることが難しくなる。机上に置かれることが多い、ペン、消しゴム、ステープラ等の文具類、財布、携帯、名刺入れ、計算機等の雑貨類、コミックや雑誌等の本類は、寝かせても3cm程度の高さがある。一方、あまりに高いと邪魔になることがある。このため、台座1の高さは、3cm以上20cm以下が好ましく、5cm以上15cm以下がより好ましい。この高さを確保することで、机上の文具、雑貨、書類等に邪魔されることなく、フィギュアをローアングルでも見ることができる。特に、机の高さは通常70cm〜75cm程度であり、ここから更に3cm以上の高さが加わることで、ユーザが椅子に座った状態、或いは近くのソファに座った状態において、内部のフィギュアを見やすくできる。
【0023】
また、前記ステージ板2は、鏡面状の光の反射面を備え、軽量かつ加工が容易で割れにくいアクリルミラーからなる。ステージ板2は、表面の全体をミラー面としても良いし、表面の中央付近を非ミラー面としたロの字形状のミラー面としても良い(図示省略)。ステージ板2は、アクリルミラーの他、ガラス製のミラーをアクリル樹脂板に貼り付けた構造としても良い。この場合、フィギュアFを載せてもミラー面に傷が付き難いので、長期間きれいなミラー面を維持できる。また、ステージ板2は、ステンレス等の金属板にバフ研磨等で鏡面加工を施したもので構成しても良い。金属板の場合、丈夫であり、ショーケース100全体に重量感を持たせることができるので、高級感が得られる。
【0024】
また、ステージ板2は、リバーシブル構造であって、裏返した状態で台座1に取り付け可能である。ステージ板2の前記ミラー面2aの裏面は通常の反射率又は低反射率の床面2bとなる。床面2bは、ステージ板2を構成するアクリル素材そのもので構成しても良いし、反射を抑制して高級感を出すために布等を張り付けた低反射面としても良い。床面2bには、必要により模様を施すこともできる。更に、このステージ板2は、複数枚用意しておいても良い。その場合、予備のステージ板2は、台座1の内部に収納できるようにするのが良い(図示省略)。
【0025】
透明カバー3は、透明のアクリル樹脂からなり、UVカット機能を備えている。UVカットアクリル板を用いる場合、フィギュアの変色や劣化を防止できる。また、透明カバー3は、反射率が3%以下の低反射率のノングレア板としても良い。この場合、透明カバー3の表面のギラツキや照明の写り込みが減少し、フィギュアをよく見ることができる。更に、透明カバー3には、ブラックライトに反応して発光するアクリル集光板を用いても良い。この場合、ブラックライトの下に置くことで、イメージを変えてフィギュアを見ることができる。
【0026】
図4は、このショーケースの使用状態を示す斜視図である。ユーザは、台座1のステージ板2の表面にフィギュアFを載せる。フィギュアFは、ステージ板2に対して両面テープ等により固定するが、固定方法はこれに限定されない。次に、フィギュアFをステージ板2に載せた状態で台座1に透明カバー3を被せて固定する。
【0027】
外部からの光L1は透明カバー3を通じて内部に入り、一部はステージ板2により反射し反射光L2としてフィギュアFを下側から照らす。例えば、机上にこのショーケース100を置き、上方又は斜め方向からデスクライト等の光が入ると、透明カバー3を通じてフィギュアFが照らされると共に、直接光L1で照らされることができない部分(例えば、フィギュアFの手足の下側面等)については、ステージ板2のミラー面2aで反射した反射光L2により照らされるようになる。これにより、フィギュアFの全体に光が均一に照射され、複雑形状のフィギュアFでも影になって暗くなるようなところが少なくなり、ユーザがフィギュアFを見やすくなる。
【0028】
また、台座1が高くなっているので、机上の雑貨や書類等に邪魔されることなく、フィギュアFを見ることができる。また、透明カバー3をUVカットアクリル板で構成した場合、紫外線による退色や劣化を防止できるので、ショーケース100を直射日光が当たる場所等の紫外線の強い所に置くことができる。
【0029】
また、ステージ板2を裏返して使用する場合、フィギュアFをミラー面2aから取り外し、当該ステージ板2を裏返して床面2bを上にして台座1に再び設置し、当該床面2bにフィギュアFを取り付ける。床面2bは、アクリル素材や布等からなる面であるから、ミラー面2aとは異なる趣を出すことができる。
【0030】
なお、このショーケース100の展示対象物としては、フィギュアFの他、宝石、時計、プラモデル、文房具、電子機器等の様々なものが対象となる。
【0031】
(実施の形態2)
図5は、この発明の実施の形態2に係るショーケースを示す説明図である。このショーケース200は、実施の形態1のショーケース100のステージ板をハーフミラー4とし、台座1の内部空間1bに照明装置5を設けた点に特徴がある。ハーフミラー4には、透明のアクリル板にアルミ蒸着を施したアクリルミラーを用いる。照明装置5は、複数のLED6と、LED6の点灯を行う点灯回路7と、電源8と、LED6の点灯消灯を行うスイッチ9とから構成される。LED6は、台座1の上部端縁近傍1cに配置されており、LED6の光束が台座1に載せたフィギュアFに当たるように傾けて配置されている。
【0032】
このショーケース200によれば、台座1のハーフミラー4上にフィギュアFを載せることで、実施の形態1と同様の効果が得られる他、照明装置5によりハーフミラー4を通してフィギュアFを照らすことでフィギュアFを下側から積極的に照らすことができる。このため、フィギュアF全体に光が均一に照射され、複雑形状のフィギュアFでも影になって暗くなるところが少なくなり、その結果、フィギュアFを見やすくなる。特に、デスクライトによりフィギュアFを照らした場合であって、ハーフミラー4の反射光L2ではフィギュアFをうまく照らせないとき、照明装置5による照明が有効となる。なお、上記では透過面としてハーフミラー4を用いたが、白色のアクリル板でも良い。
【0033】
また、LED6に変えて面発光手段であるELを用いても良い。具体的には、図6に示すように、台座1の開口部1aに取り付けた上板10にEL11を貼り付けるようにする。台座1内には、EL11を点灯させる点灯回路12と、電源13と、EL11の点灯消灯を行うスイッチ14とが内設される。係る構成によれば、EL11を発光させることで、フィギュアFの下側からフィギュアFを照らすことができる。特に、EL11は面発光するため、フィギュアFを均一に照らすことが可能となる。なお、EL11は、上板10の全体に設けても良いし、中央付近を除いてロの字形状に設けても良い(図示省略)。
【0034】
また、面発光手段としてEL11の他、直下型の導光板15とLED16とを組み合わせたものを用いても良い。具体的には、図7に示すように、台座1の開口部1aに導光板15を取り付け、この導光板15の下側で且つ台座1の内部に所定数のLED16を配置する。係る構成によれば、LED16の光は導光板15に入って台座1の上面から出射される。これにより、面発光する導光板15によりフィギュアFを均一に照らすことが可能となる。なお、上記では透過面として導光板15を用いたが、白色のアクリル板でも良い。
【0035】
(実施の形態3)
図8は、この発明の実施の形態3に係るショーケースを示す断面構成図である。このショーケース300は、実施の形態1または2のショーケース100,200にフィギュアFの上方から光を照射する上部照明装置20を設けた点に特徴がある。この上部照明装置20は、台座1の端部に立設した自在アーム18の端部にLED17を取り付けた構成である。LED17の点灯回路7、電源8及びスイッチ9は台座1に内設されている。
【0036】
この上部照明装置20は、自在アーム18によりフィギュアFの上方、換言すれば透明カバー3内の上側にLED17を配置しているため、フィギュアFを上方から照らすと共に、このLED17からの光がステージ板2で反射して下方からフィギュアFを照らす。これにより、フィギュアFを均一に照らすことができる。また、フィギュアFの上の位置にLED17を設けることで、上部照明装置20のみの光でフィギュアFを均一に照らすことができる。
【0037】
また、実施の形態2の構成に上部照明装置20を設けた場合、フィギュアFを上方及び下方から積極的に照らすことになるため、暗い中でフィギュアFが浮かび上がるように照らすことが出来る。更に、ステージ板2を裏返して低反射率の床面2bを上にした場合、照明装置20による光の照射方向を変えることでフィギュアFにユーザ好みの陰影を付けることができる。
【符号の説明】
【0038】
100 ショーケース
1 台座
2 ステージ板
3 透明カバー
4 ハーフミラー
5 照明装置
F フィギュア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィギュアその他の展示対象物を載せる台座と、
前記台座の前記展示対象物を載せる側に鏡面状の光の反射面を設けたステージ板と、
台座の上部で且つ前記展示対象物を囲うように設けられる透明カバーと、
を備えたことを特徴とするショーケース。
【請求項2】
前記ステージ板は、反射面の裏面に表面とは異なる反射率の面を有し、前記裏面を上にした状態で前記台座の前記展示対象物を載せる側に取り付け可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載のショーケース。
【請求項3】
更に、前記台座は中空構造であって、
前記ステージ板がハーフミラーからなり且つ前記中空の台座の開口側に設けられ、
台座内に照明手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のショーケース。
【請求項4】
フィギュアその他の展示対象物を載せる中空構造の台座と、
前記台座の前記展示対象物を載せる側に光を透過する透過面を有するステージ板と、
前記台座内に設けられた照明手段と、
台座の上部で且つ前記展示対象物を囲うように設けられる透明カバーと、
を備えたことを特徴とするショーケース。
【請求項5】
フィギュアその他の展示対象物を載せる中空構造の台座と、
前記台座の前記展示対象物を載せる側に光を発光する面発光手段を設けたステージ板と、
台座の上部で且つ前記展示対象物を囲うように設けられる透明カバーと、
を備えたことを特徴とするショーケース。
【請求項6】
更に、前記台座は、3cm以上20cm以下の高さを有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載のショーケース。
【請求項7】
更に、前記透明カバーはUVカット機能を備えていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載のショーケース。
【請求項8】
更に、照明手段を前記透明カバー内の上側に配置したことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載のショーケース。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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