説明

シリンダのクッション装置

【課題】 作動室の作動流体に混入している塵埃が、作動流体の流量を制限する絞り孔に詰まってクッション作動不良を起こすのを回避できるシリンダのクッション装置を提供する。
【解決手段】 ピストンロッド6がシリンダチューブ1内を往復動可能に設けられ、シリンダチューブ1の端部を被覆する被覆部材2とピストン5との間に作動室9が区画され、被覆部材2のポート11と作動室9とを連通して作動流体を供給する作動流体供給通路13がピストンロッド6の軸方向に形成されると共に、ピストンロッド6の衝撃を吸収するために、作動室9とポート11との間に作動室9の作動流体の流量を制限してポート11に排出する絞り孔18を有する絞り通路が設けられ、該絞り通路は、作動室9に臨む箇所に開口部17を有し、開口部17はその間隙αが絞り孔18の直径βよりも小さくかつ長手方向長さγが絞り孔18の直径βよりも長く形成されている。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、作動室の作動流体に混入している塵埃が、作動流体の流量を制限する絞り孔に詰まってクッション作動不良を起こすのを回避できるシリンダのクッション装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、シリンダのクッション装置としては、一般に、以下に記すものが知られている。先ず、シリンダ装置は、ピストンを一体に有するピストンロッドがシリンダチューブ内を往復動可能に設けられ、シリンダチューブの端部を被覆する被覆部材とピストンとの間に画成される作動室に作動流体を供給する方向にピストンロッドを移動させるために、被覆部材のポートと作動室とを連通して作動流体を供給する作動流体供給通路が、ピストンロッドの軸方向に形成されている。そして、シリンダのクッション装置は、ピストンロッドの衝撃を吸収するために、作動室とポートとの間に、作動室の作動流体の流量を制限してポートに排出する絞り孔を有する絞り通路により構成されている。
【0003】このシリンダのクッション装置では、ピストンロッドの作動室の作動流体を排出する方向への移動により、その移動終端近傍で作動流体供給通路を塞ぎ、作動流体を絞り通路を経由してポートに向けて排出することによりクッション作用が付与されるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この種の従来のシリンダのクッション装置では、作動室からポートに向かって排出される方向へのピストンロッドの移動により、作動流体が作動室から絞り通路を経由してポートに排出される際に、その作動室の作動流体に混入している塵埃が絞り孔に詰まって、絞り孔からポートに向かって作動流体が流れにくくなり、クッション作動不良を起こすおそれがある。
【0005】そこで、別の従来例となる実開昭61−94602号公報に開示された油圧シリンダのクッション装置では、絞り孔を有する絞り通路を廃止し、クッションリングに絞り孔に相当するオリフィスノッチを形成し、クッションリングの移動により塵埃が堆積するのを防止するようにしている。しかし、オリフィスノッチの開口面積は、絞り孔の開口面積と同程度であり、作動室からポートに向かって排出される方向へのピストンロッドの移動の際に、その移動終端近傍で、この開口面積と同程度の塵埃がオリフィスノッチを塞ぐと、作動流体の作動室からポートへの流れが急に悪くなり、依然として前記混入塵埃に基づくクッション作動不良を回避する確実性に乏しい問題点がある。
【0006】本発明は、上記の事情に鑑みなされたもので、その課題は、作動室の作動流体に混入している塵埃が、作動流体の流量を制限する絞り孔に詰まってクッション作動不良を起こすのを回避できるシリンダのクッション装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため、本願請求項1に記載のシリンダのクッション装置は、ピストンを有するピストンロッドがシリンダチューブ内を往復動可能に設けられ、前記シリンダチューブの端部を被覆部材が被覆し、前記被覆部材と前記ピストンとの間に作動室が画成され、前記被覆部材のポートと前記作動室とを連通して作動流体を供給する作動流体供給通路が形成されると共に、前記ピストンロッドの衝撃を吸収するために、前記作動室と前記ポートとの間に前記作動室の作動流体の流量を制限して前記ポートに排出する絞り孔を有する絞り通路が設けられ、前記ピストンロッドの前記作動室の作動流体を排出する方向への移動によりその移動終端近傍で前記作動流体供給通路を塞ぎ、前記絞り通路を経由して前記ポートに向けて前記作動流体を排出することによりクッション作用を付与するシリンダのクッション装置において、前記絞り通路は、前記作動室に臨む箇所に開口部を有し、該開口部はその間隙が前記絞り孔の直径よりも小さく且つその長手方向長さが前記絞り孔の直径よりも長いことを特徴とするものである。
【0008】請求項1に記載の発明によれば、作動室の作動流体に絞り孔を塞ぐ程度の大きさの塵埃が混入している場合でも、その塵埃を前記間隙が前記絞り孔の直径よりも小さく且つ長手方向長さが前記絞り孔の直径よりも長い当該開口部によって捕捉できる。したがって、絞り孔にまでその塵埃が到達せず、その結果該絞り孔がその塵埃によって詰まるおそれを確実に防止できると共に、開口部にたとえ塵埃が詰まったとしても、開口部の長手方向長さを十分な容量の大きさに確保できるので、開口部への塵埃の堆積に基づく作動流体の流れの阻害を低減できる。従って、作動流体が作動室から排出される際に、絞り孔に塵埃が詰まってクッション作動不良を起こす問題を回避できる。
【0009】また、本願請求項2に記載の発明は、請求項1に記載されたシリンダのクッション装置において、前記作動流体供給通路は、前記ピストンロッドと前記被覆部材との間に形成され、前記ピストンロッドには該ピストンロッドの移動終端の近傍で前記作動流体供給通路を塞ぐクッションリングが設けられ、前記開口部は前記被覆部材と前記クッションリングとの間に形成されていることを特徴とするものである。請求項2に記載の発明によれば、クッションリングと被覆部材とを利用して開口部を形成することにしたので、組立工数を増大させることなく、塵埃が絞り孔に詰まるのを防止できる。
【0010】また、本願請求項3に記載の発明は、請求項1に記載されたシリンダのクッション装置において、前記開口部は、前記シリンダチューブと前記被覆部材との間に形成されていることを特徴とするものである。請求項3に記載の発明によれば、既存のシリンダーチューブと被覆部材とを利用して開口部を形成することにしたので、組立工数を増大させることなく、塵埃が絞り孔に詰まるのを防止できる効果に加えて、該開口部はその長手方向長さをより大きくすることで当該開口部の開口面積を大きく確保することができるので、該開口部への塵埃の堆積に基づく作動流体の流れの阻害をより一層低減できる。また、絞り孔の加工も容易である。さらに、クッションリングのように摺動しないので、塵埃が開口部に詰まってもシリンダの作動に影響することがない。
【0011】また、本願請求項4に記載の発明は、請求項2に記載されたシリンダのクッション装置において、前記開口部の長手方向長さが、前記クッションリングの周回り方向の全長であることを特徴とするものである。請求項4に記載の発明によれば、開口部をクッションリングの周回り方向の全長に渡って形成したので、開口部の開口面積をより一層大きくすることができ、多量の塵埃が開口部に捕捉された場合でも、開口部への塵埃の堆積に基づく作動流体の流れの阻害をより一層低減できる。
【0012】また、本願請求項5に記載の発明は、請求項3に記載されたシリンダのクッション装置において、前記開口部の長手方向長さが前記シリンダチューブの周回り方向の全長であることを特徴とするものである。請求項5に記載の発明によれば、開口部をシリンダチューブの周回り方向の全長に亘って形成したので、開口部の開口面積をより一層大きくすることができ、多量の塵埃が開口部に捕捉された場合でも、開口部への塵埃の堆積に基づく作動流体の流れの阻害をより一層低減できる。
【0013】また、本願請求項6に記載の発明は、請求項5に記載されたシリンダのクッション装置において、前記絞り孔が、前記開口部と接続される部分に流入口を有し、前記流入口が、前記シリンダチューブの周回り方向の全長に亘って溝状に形成されているものであることを特徴とするものである。
【0014】請求項6に記載の発明によれば、開口部および流入口を、シリンダチューブの周回り方向の全長に亘って形成したので、開口部の間隙をより一層小さくしても開口部から絞りに至る作動流体の流量は確保されることとなる。従って、開口部の間隙をより一層小さくすることができ、これにより、より小さい塵埃を開口部により捕捉することができ、該塵埃が絞り孔に流入することを防止することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係るシリンダのクッション装置の一実施の形態を図1ないし図6を参照しつつ説明する。図1は本発明に係るシリンダのクッション装置であって、作動室の作動流体を排出する方向へピストンロッドが移動されてその移動終端近傍に位置してクッションリングが作動流体供給通路を塞ぐ直前の状態を示す半断面図であり、図2はクッションリングが作動流体供給通路に嵌合してこの作動流体供給通路を塞いだ状態を示す半断面図であり、図3は図1に示す開口部と絞り孔とを説明するための部分拡大説明図である。図4R>4は開口部と絞り孔とを説明するための部分拡大断面図であり、図5は作動室へ作動流体を供給する方向へのピストンロッドの移動を説明するための半断面図であり、図6は本発明に係るシリンダ装置の全体構成を示す部分断面図である。
【0016】図6において、符号1はシリンダーチューブである。このシリンダーチューブ1の一方の端部には、該シリンダチューブ1を被覆して端面開口を閉塞する第1被覆部材2が設けられている。この第1被覆部材2は、シリンダーチューブ1の端面開口に嵌合される嵌合部3を有する。この第1被覆部材2は、その嵌合部3をシリンダーチューブ1の端面開口に嵌合させた状態で取り付けボルト3Aによりシリンダーチューブ1の一方の端部に固定されている。
【0017】シリンダチューブ1の他方の端部には、このシリンダチューブ1を被覆して端面開口を閉塞する第2被覆部材4がシリンダチューブ1と一体に設けられている。シリンダチューブ1内にはピストン5がその軸方向に往復動可能に設けられている。このピストン5と一体的にピストンロッド6が設けられている。
【0018】ピストンロッド6は、その一方の端部、本実施の形態では図6における右端部が第1被覆部材2からシリンダチューブ1外に突出されて、その突出端部に取り付け部7が形成され、第2被覆部材4にはこれに対応して他の取り付け部8が形成されている。
【0019】シリンダチューブ1の内部は、ピストン5によって第1被覆部材2の側の作動室9と第2被覆部材4の側の作動室10とに画成されている。第1被覆部材2には、その作動室9に作動流体(例えば、油又は水)を供給しかつ排出するためのポート11が形成され、第2被覆部材4にはその作動室10に作動流体を供給しかつ排出するためのポート12が形成されている。
【0020】図6はシリンダが短縮して第2被覆部材4の側にピストン5が位置して停止されている状態を示し、ポート12から作動流体を供給すると、ピストンロッド6が矢印A方向に移動して伸張されるようになっている。
【0021】第1被覆部材2には、図1に拡大して示すように、ピストンロッド6が軸方向に貫通する貫通穴13が形成されている。この貫通穴13は、拡径穴13aと縮径穴13bとから構成されている。拡径穴13aは、作動室9とポート11とを連通して作動流体を作動室9に供給排出する作動流体供給通路としての役割を果たす。縮径穴13bには、シール部材14が設けられ、これにより、作動流体が第1被覆部材2から洩れ出ないようにされている。
【0022】その第1被覆部材2の嵌合部3には、作動室9からポート11に向かって延びる通路15が形成され、該通路15の作動室9に臨む開口は盲栓16によって閉塞されている。
【0023】第1被覆部材2の嵌合部3の外周面とシリンダチューブ1の一方の端部の内周面との間には、作動室9に臨む箇所に隙間状の開口部17が形成されている。そして、その嵌合部3には開口部17と通路15とを連通する絞り孔18が、図4に拡大して示すように形成されている。この絞り孔18は、開口部17と接続される部分に流入口18aを有する。通路15と絞り孔18(流入口18aを含む。)と開口部17とにより、絞り通路が形成されている。この絞り孔18は、作動室9の作動流体の流量を制限してポート11に向けて排出する役割を果たす。
【0024】ピストンロッド6には、ピストン5に隣接してクッションリング19が設けられている。このクッションリング19は、ピストンロッド6が作動室9の作動流体を排出する方向に移動されたときに、図2に示すように、その移動終端近傍で拡径穴13aに嵌合されて、拡径穴13aを塞ぐ役割を果たす。これにより、作動室9の作動流体は、矢印Bから矢印CおよびD(図2および図4)で示すように、開口部17から絞り孔18を経由してポート11に向けて流量を制限されつつ排出されることになり、ピストンロッド6の移動終端でクッション作用が付与されるようになっている。最終的にはピストン5が嵌合部3に当接する位置まで移動可能である。
【0025】その開口部17のシリンダチューブ1の半径方向間隙αは、作動室9の作動流体中に混入している塵埃でかつ絞り孔18を塞ぐ程度の大きさの塵埃を捕捉するために、絞り孔18の直径βよりも小さくされている。これにより、作動室9の作動流体がクッション作用時に絞り孔18を経由してポート11に向かって流れるときに、該開口部17の所で捕捉され、絞り孔18にまで到達しないので、その塵埃が当該絞り孔18に詰まることが防止される。
【0026】例えば、絞り孔18の直径βは、1.0mm+0.05mm〜1.0mm−0.05mmの公差内で形成され、半径方向間隙αは、0.05mmを基準とし、その半径方向間隙αは絞り孔18の直径βの80%以下であることが塵埃による詰まりを防止する上で望ましい。
【0027】その開口部17のシリンダチューブ1の周回り方向長さγは、図3に示すようにその絞り孔18の直径βよりも十分大きく形成され、従って、開口部17にたとえ多量の塵埃が詰まったとしても、開口部17の周回り方向長さγを十分に確保できているので、開口部17への塵埃の堆積に基づく作動流体の流れの阻害を低減できることになる。したがって、作動流体が作動室9から排出される際に、絞り孔18に塵埃が詰まってクッション作動不良を起こす虞を回避できる。
【0028】この開口部17の周回り方向長さγを、図3R>3のように周方向の一部にせず、シリンダチューブ1の周回り方向の全長にすると、その開口部17の作動室9に臨む開口面積をより一層十分に大きく確保できる。したがって、多量の塵埃が開口部17に捕捉された場合でも、該開口部17への塵埃の堆積に基づく作動流体の流れの阻害をより一層低減でき、絞り孔18に塵埃が詰まってクッション作動不良を起こす虞を長期にわたって回避できる。すなわち、長期間にわたって前記塵埃による詰まりの影響を受けずに済む。
【0029】また、開口部17の周回り方向長さγを、シリンダチューブ1の周回り方向の全長にするとともに、流入口18aの周回り方向長さも、図3のように周方向の一部にせず、図8及び図9に示すようにシリンダチューブ1の周回り方向の全長に亘って溝状に形成することもできる。これにより、開口部17の半径方向間隙αをより一層小さくしても開口部から絞りに至る作動流体の流量は確保されるので、半径方向間隙αをより一層小さくすることができる。従って、より小さな塵埃を開口部17によって捕捉することができ、塵埃が絞り孔18に流入することを防止することができる。
【0030】このシリンダのクッション装置では、ポート11から作動流体を供給すると、図5に示すようにクッションリング19部分に矢印E方向に圧力が加わり、当該ピストンロッド6が、シリンダの短縮方向に移動され、クッションリング19部分が拡径穴13aを外れ、図6に示した状態に向かって当該ピストンロッド6は移動する。
【0031】次に、本発明の他の実施の形態を図7に基づいて説明する。上記の実施の形態では、開口部17をシリンダチューブ1と嵌合部3との間に形成することとしたが、図7に示すように、開口部17を嵌合部3とクッションリング19との間に形成する構造としても良い。この構造によっても上記実施の形態とほぼ同様の作用効果が得られる。
【0032】この場合に、開口部17の周回り方向の長さは、クッションリング19の周方向の一部とすることもできるし、クッションリング19の周回り方向の全長とすることもできる。
【0033】なお、当該開口部17は、先の実施の形態のように、シリンダチューブ1と嵌合部3との間に形成する構成の方が、嵌合部3とクッションリング19との間に形成する構成よりも、該開口部17の周回り方向の長さγをより一層大きく形成できるので、シリンダチューブ1と嵌合部3との間に形成する構成の方が望ましい。また、絞り孔18の加工も容易である。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、作動室の作動流体に絞り孔を塞ぐ程度の大きさの塵埃が混入している場合でも、その塵埃をその間隙が前記絞り孔の直径よりも小さく且つ長手方向長さが前記絞り孔の直径よりも大きい当該開口部によって捕捉できる。したがって、絞り孔にまでその塵埃が到達せず、その結果該絞り孔がその塵埃によって詰まるおそれを確実に防止できると共に、開口部にたとえ塵埃が詰まったとしても、開口部の長手方向長さを十分な容量の大きさに確保できるので、開口部への塵埃の堆積に基づく作動流体の流れの阻害を低減できる。従って、作動流体が作動室から排出される際に、絞り孔に塵埃が詰まってクッション作動不良を起こす問題を回避できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るシリンダのクッション装置であって、作動室の作動流体を排出する方向へピストンロッドが移動されてその移動終端近傍に位置してクッションリングが作動流体供給通路を塞ぐ直前の状態を示す半縦断面図である。
【図2】クッションリングが作動流体供給通路に嵌合してこの作動流体供給通路を塞いだ状態を示す半縦断面図である。
【図3】図1に示す開口部と絞り孔とを説明するための部分拡大説明図である。
【図4】開口部と絞り孔とを説明するための部分拡大断面図である。
【図5】作動室へ作動流体を供給する方向へのピストンロッドの移動を説明するための半縦断面図である。
【図6】本発明に係るシリンダ装置の全体構成を示す部分断面図である。
【図7】本発明に係るシリンダのクッション装置の他の実施の形態を示す半縦断面図である。
【図8】図3に示す開口部と絞り孔の流入口とがシリンダチューブの周回り方向の全周に亘って形成されていることを説明するための部分拡大横断面図である。
【図9】図3に示す開口部と絞り孔の流入口とがシリンダチューブの周回り方向の全周に亘って形成されていることを説明するための部分拡大縦断面図である。
【符号の説明】
1 シリンダチューブ
2 第1被覆部材
3 嵌合部
4 第2被覆部材
5 ピストン
6 ピストンロッド
9 作動室
11 ポート
13 貫通穴(作動流体供給通路)
15 通路
17 開口部
18 絞り孔
18a 流入口
α 半径方向間隙
β 直径
γ 周回り方向長さ

【特許請求の範囲】
【請求項1】 ピストンを有するピストンロッドがシリンダチューブ内を往復動可能に設けられ、前記シリンダチューブの端部を被覆部材が被覆し、前記被覆部材と前記ピストンとの間に作動室が画成され、前記被覆部材のポートと前記作動室とを連通して作動流体を供給する作動流体供給通路が形成されると共に、前記ピストンロッドの衝撃を吸収するために、前記作動室と前記ポートとの間に前記作動室の作動流体の流量を制限して前記ポートに排出する絞り孔を有する絞り通路が設けられ、前記ピストンロッドの前記作動室の作動流体を排出する方向への移動によりその移動終端近傍で前記作動流体供給通路を塞ぎ、前記絞り通路を経由して前記ポートに向けて前記作動流体を排出することによりクッション作用を付与するシリンダのクッション装置において、前記絞り通路は、前記作動室に臨む箇所に開口部を有し、該開口部はその間隙が前記絞り孔の直径よりも小さく且つその長手方向長さが前記絞り孔の直径よりも長いことを特徴とするシリンダのクッション装置。
【請求項2】 請求項1において、前記作動流体供給通路は、前記ピストンロッドと前記被覆部材との間に形成され、前記ピストンロッドには該ピストンロッドの移動終端の近傍で前記作動流体供給通路を塞ぐクッションリングが設けられ、前記開口部は前記被覆部材と前記クッションリングとの間に形成されていることを特徴とするシリンダのクッション装置。
【請求項3】 請求項1において、前記開口部は、前記シリンダチューブと前記被覆部材との間に形成されていることを特徴とするシリンダのクッション装置。
【請求項4】 請求項2において、前記開口部の長手方向長さが、前記クッションリングの周回り方向の全長であることを特徴とするシリンダのクッション。
【請求項5】 請求項3において、前記開口部の長手方向長さが、前記シリンダチューブの周回り方向の全長であることを特徴とするシリンダのクッション装置。
【請求項6】 請求項5において、前記絞り孔が、前記開口部と接続される部分に流入口を有し、前記流入口が、前記シリンダチューブの周回り方向の全長に亘って溝状に形成されているものであることを特徴とするシリンダのクッション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図8】
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【図9】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2001−82415(P2001−82415A)
【公開日】平成13年3月27日(2001.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平11−254593
【出願日】平成11年9月8日(1999.9.8)
【出願人】(000004019)株式会社ナブコ (7)
【Fターム(参考)】