説明

シート取付機構

【課題】 乗員シート部を含めて試験装置部分の使い回しを可能にする、利便性の高いシート取付機構を提供することを目的とする。
【解決手段】 操作用のペダル22と乗員シート部のベースフレーム32との間にアクチュエータ10を装着し、該アクチュエータ10を操作して前記被試験車両の性能の評価を行う車両において、ベースフレーム32と被試験車両の床面との間を、ベースフレーム32側がベースフレーム32への共通取付面41Aとされ床面側が被試験車両床面への専用取付面41Bとされたアタッチメント41にて接続して、被試験車両毎にアタッチメント41をシート部との間に介設するだけで、試験装置部分の使い回しを可能にするので、低コストのアタッチメント41の準備のみにて、テストドライバーによるバラツキに影響されることなく、一定で安定した制御を可能にする高精度の試験装置を設定できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被試験車両における操作用のペダルと乗員シート部のベースフレームとの間にアクチュエータを装着し、該アクチュエータを操作して前記被試験車両の性能の評価を行う車両のシート取付機構に関する。特に、ブレーキ性能評価試験のためのブレーキ操作用のペダルに装着されるアクチュエータを有する試験装置として適用されるが、その他のペダル操作を行う試験装置のシート取付機構としても使用可能である。
【背景技術】
【0002】
現在、例えば、車両におけるブレーキ性能の評価に使用する支援装置として種々のものが提案されている。そして、ブレーキ性能の評価に関しても、制動器そのものの評価は無論のこと、制動時の鳴きや異音に関する評価試験・制動器の効力特性・制動時のフィーリング評価等、評価技術の高度化に伴い、今までとは異なる複雑で特殊な制動条件に基づく評価試験が要求されるようになってきている。そこで、被試験車両に搭乗して評価試験を行うテストドライバーが、ブレーキペダルを操作して各種の複雑で特殊な制動条件のもとに評価試験を行うことになる。ところが、テストドライバーが特殊な制動を実施するには、テストドライバーの技量や経験に個人差があって、一定で安定した適切な制動を実施するのは困難であった。そのようなことから、ブレーキ性能の評価に使用するいくつかの支援装置が提案された(例えば下記文献等参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】Anthony Best Dynamics 「Brake Robot 」(2007.11.30 インターネットにて閲覧。http://www.abd.uk.com/参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記文献1に開示された従来例のABDブレーキロボットを図12を用いて簡単に説明する。このブレーキロボットは、ブレーキペダルに装着したリンク部材と乗員シート部に設置したフレームに装着したリンク部材との接続軸支点にアクチュエータのロッド先端を軸支したものが開示されている。そして、人為によることなくアクチュエータを操作することにより、ブレーキ性能の評価試験のための支援装置として機能させるものである。そして、その文献中の試験データ表からも理解されるように、制御項目として、ブレーキペダル踏力、ブレーキペダルストロークおよび車両の加減速度計からの信号入力のもとでフィードバック制御を行って、ブレーキペダルに装着したリンク部材がブレーキペダルを踏動して各種ブレーキ性能評価試験を行うことができる。
【0005】
ところが、この従来例のブレーキロボットでは、接続軸支点にてアクチュエータが組み込まれたリンク部材の一方を被試験車両の乗員シート部に設置したフレームに接続する必要があった。そのため、被試験車両の乗員シート部にフレームを設置するために乗員シート部にフレームを設置するための面倒な細工を施さねばならず、被試験車両毎に乗員シート部を加工する作業が面倒である上に、乗員シート部におけるベースフレームにおける取付スペースも限られており、フレームを設置できない虞れもあった。そのため、やや複雑なアクチュエータを含むリンク部材等の試験装置を、被試験車両の乗員シート部の形状等に応じて加工ないし組合せ形態を変更する必要が生じた。このことは、被試験車両の数だけ試験装置を準備する事態を招いてコストアップを生じた。
【0006】
そこで、本発明は、前記従来の操作支援装置における課題を解決して、乗員シート部を含めて試験装置部分の使い回しを可能にする、利便性の高いシート取付機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このため本発明は、被試験車両における操作用のペダルと乗員シート部のベースフレームとの間にアクチュエータを装着し、該アクチュエータを操作して前記被試験車両の性能の評価を行う車両のシート取付機構において、前記ベースフレームから上部とアクチュエータとを共通の試験装置とするとともに、前記ベースフレームと被試験車両の床面との間を、ベースフレーム側がベースフレームへの共通取付面とされ床面側が被試験車両床面への専用取付面とされたアタッチメントにて接続したことを特徴とする。また本発明は、前記ペダルがブレーキペダルであることを特徴とするもので、これらを課題解決のための手段とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、被試験車両における操作用のペダルと乗員シート部のベースフレームとの間にアクチュエータを装着し、該アクチュエータを操作して前記被試験車両の性能の評価を行う車両のシート取付機構において、前記ベースフレームから上部とアクチュエータとを共通の試験装置とするとともに、前記ベースフレームと被試験車両の床面との間を、ベースフレーム側がベースフレームへの共通取付面とされ床面側が被試験車両床面への専用取付面とされたアタッチメントにて接続したことにより、被試験車両毎に簡素な構造のアタッチメントをシート部との間に介設するだけで、乗員シート部を含めた試験装置部分の使い回しを可能にするので、低コストのアタッチメントの準備のみにて、テストドライバーの技量差によるバラツキに影響されることなく、一定で安定した制御を可能にする高精度の試験装置を実施することができる。
また、前記ペダルがブレーキペダルである場合は、乗員シート部を含めたアクチュエータ等をブレーキ性能試験装置として使い回しを可能にするので、テストドライバーの特性によるバラツキに影響されることなく、一定で安定した高い評価精度によるブレーキ性能評価試験等を低コストで行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明のシート取付機構が採用された特殊制動支援装置の第1実施例を示すもので、図1(A)は図4の縦断面図、図1(B)はシート部を取り外したベースフレーム取付レール部材を示す斜視図である。
【図2】本発明のシート取付機構が採用された特殊制動支援装置のシステム概略図である。
【図3】同、レール部材の変形例を示す斜視図である。
【図4】同、運転席近傍の斜視図である。
【図5】同、図4の一部断面平面図である。
【図6】同、図4の正面図である。
【図7】同、一部断面のアクチュエータとブレーキペダル接続部との接続状態を示す要部断面図である。
【図8】本発明のシート取付機構が採用された特殊制動支援装置の第2実施例を示すもので、運転席近傍の縦断面図である。
【図9】同、運転席近傍の斜視図である。
【図10】同、図9の一部断面平面図である。
【図11】同、図9の正面図である。
【図12】従来例のブレーキロボットの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係るシート取付機構を実施するための好適な形態を図面に基づいて説明する。本発明の基本的な構成は、図1に示すように、被試験車両における操作用のペダル22と乗員シート部30のベースフレーム32との間にアクチュエータ10を装着し、該アクチュエータ10を操作して前記被試験車両の性能の評価を行う車両のシート取付機構において、前記ベースフレーム32から上部とアクチュエータ10とを共通の試験装置とするとともに、前記ベースフレーム32と被試験車両の床面との間を、ベースフレーム32側がベースフレーム32への共通取付面41Aとされ床面側が被試験車両床面への専用取付面41Bとされたアタッチメント41にて接続したことを特徴とする。
【実施例1】
【0011】
本発明のシート取付機構として、ブレーキ性能試験装置に適用されたものを例示して以下に説明する。図2(A)に示すように、アクチュエータ等の支援装置を取り付ける前の制動装置は、ブレーキペダル22の踏動によってペダルレバー21が支軸を中心に揺動し、ペダルレバー21に一端部が支持されたマスタシリンダ3の図示省略のピストンロッドの押動によって、マスタシリンダ3から出力管6を通じてブレーキ圧油が左右の制動器5、5に作用し、ディスクロータ4、4をそれぞれ挟圧して制動力を発生させる。出力管6内には液圧センサ9が、車両の適宜部位には車両の加減速度を検知する加速度センサ7が配設されている。そして、車輪にはエンコーダーからなる車輪速度センサ8が付設されている。このような制動装置に対して本発明のシート取付機構が採用された特殊制動支援装置(Special Brake Assist System :複雑かつ特殊で多様な制動条件毎に、多岐にわたる評価項目が必要な幅広いブレーキ評価試験に適応させる支援装置。以下制御部あるいはSBASという)が取り付けられる。
【0012】
ブレーキペダル22を上下から挟持してブレーキペダル接続部(アタッチメント)20が取り付けられ、該アタッチメント20に対して、例えば電源等により作動する電動モータにより作動する電動等のアクチュエータ10が取り付けられる。アクチュエータ10の基端部側は、乗員のシート部30におけるベースフレーム32に起立植設されたアーム部50の上端部に取り付けられる。前記アクチュエータ10は、SBAS制御部2により制御信号を受けて電動制御される。アクチュエータ10には、ブレーキペダル22の踏圧に相当する力センサ12、ブレーキペダル22のストロークに相当するストロークセンサ11が設置されている。制御部2は、前記力センサ12、ストロークセンサ11、液圧センサ9、車輪速度センサ8および加速度センサ7からの信号を得て、フィードバック制御を行う。加えて、制御部2には、パソコン等の制御設定部1からの制御指令が送出される。
【0013】
図2(B)に示すように、制御部2には、パソコン等1のCPUにおける制御パターン設定部1Aにて設定された多種の制御パターンを記録・選択する制御パターン選択部2Aと、選択された特定の制御パターンの制御を開始するスタートボタン2B、その特定の制御パターンについて各センサからのデータを入力しつつフィードバック制御を行う信号処理部2Cおよびその制御履歴記録部2Dを備える。該制御履歴記録部2Dのデータはパソコン等1のCPUにおけるデータ格納部1Bに記録される。
【0014】
制御設定部1において設定される制御指令は、以下に例示するような様々な態様が可能である。
(1)一定制御。
(2)ブレーキペダルを一定割合で徐々に踏み込んでいく追込み制御。
(3)ブレーキペダルを段階的に踏み込む段踏み制御。
(4)熟練者による上記(1)〜(3)等の各制御。
(5)初心者による上記(1)〜(3)等の各制御。
(6)特定のA氏による上記(1)〜(3)等の各制御。
(7)ノーズダイブ時にブレーキ鳴きを発生させる制御。
これらの制御のための設定を予め制御設定部1において設定しておくことによって、評価試験のために搭乗する乗員は、制御部2における制御パターン選択部2Aで制御パターンを選択し、始動のためのボタンを押すだけの操作をすれば、各センサからの信号を入力値としたフィードバック制御に加えて、予め設定されるより複雑かつ特殊で多様な制動条件毎に、多岐にわたる評価項目が必要な幅広いブレーキ評価試験に適応させることが可能となる。その際、制御はバラツキのある乗員による制動制御を伴わないので、常に一定で安定した制御データが得られるので、高い評価精度による少ない評価試験回数を実現して評価効率を格段に向上できる。
【0015】
本発明のシート取付機構が採用される特殊制動支援装置の取付形態を詳述する。図4に示すように、ペダルレバー21の下端部のブレーキペダル22(図4の正面図である図6参照)の上下を挟持する形態にて接続板23が取り付けられる。図6はペダルレバー21の下端部におけるブレーキペダル22を上下から挟持してブレーキペダル接続部(アタッチメント)20の接続板23が取り付けられた状態を明瞭に理解することができる。図4に戻り、接続板23にはヒンジ部26を介してマグネット接合筒部27が取り付けられる。該マグネット接合筒部27内にはアクチュエータ10におけるピストンロッド15の先端の接続金具が挿入されて、後述する磁石により磁気接続される。アクチュエータ10の基端部側は、乗員(運転者)のシート31が載置されたベースフレーム32にボルト等の固定によって起立植設されたアーム部50を構成するアクチュエータ固定ブラケット54の上端部に接続される。アクチュエータ固定ブラケット54は揺動することなく固定されているので、図1(A)に示すように、アクチュエータ固定ブラケット54の上端部とアクチュエータ10の基端部側が接続される接続部53との間に異なった厚さのシム(スペーサ)55を選択的に選択介設することにより、アクチュエータ10の基端部のベースフレーム32に対する高さ、すなわちアクチュエータ10のブレーキペダル22への作動角度を調整することができる。
【0016】
図1および図3に基づいて本発明のシート取付機構について詳述する。図1(A)に示すように、前記アクチュエータ固定ブラケット54の下端部はベースフレーム32にボルト等により固定されるとともに、スペーサ55の選択的介設によりアクチュエータ10のベースフレーム32に対する角度を調整可能にされている。ベースフレーム32は、被試験車両の車体の床に取り付けられたベースフレーム取付レール部材40におけるレール部材41に取り付けられる。シート部30を取り外したベースフレーム取付レール部材を示す斜視図である図1(B)に示すように、これらのレール部材41は被試験車両毎にアタッチメントとして準備される。レール部材41は、ベースフレーム32側がベースフレーム32への共通取付面41Aとされ床面側が被試験車両床面への専用取付面41Bとされたアタッチメントとして、アクチュエータ10およびシート部30のベースフレーム32を含む特殊制動支援装置である試験装置と被試験車両の床面との間に介設される。このように被試験車両毎に適合したアタッチメントとしての簡素な構造のレール部材41の介設により、被試験車両におけるブレーキペダル22の位置とシート部30の床への取付部との特有の位置関係が適正に調整されることになる。
【0017】
図3はレール部材の変形例を示す斜視図である。図3(A)に示す実施例は、左右のレール部材41、41が被試験車両毎に車両床面への専用取付面41Bの寸法等の仕様が異なっていることが理解される。図3(B)に示す実施例は、平面視で方形を呈している例で、左右がつながっており、試験装置を構成するシート部30のベースフレーム32への取付面41Aが汎用性を有しており、専用取付面41Bは被試験車両毎に車両床面への専用性を有する。図3(C)に示す実施例は、平面視で方形枠状を呈している。この例では図3(B)の例に比較して軽量化が図られ、汎用の取付面41A、41Aの左右幅の間隔は試験装置を構成するベースフレーム32における取付部と整合する。
【0018】
図5に示すように、前記ベースフレーム32上に取り付けられたシートレール33に、スライド自在にシート31の下部に固定されたシート台座34が把持される。前記シート台座34とシートレール33との間の位置決めロック・解除はシートスライドレバー35の係脱によってなされる。前記ブレーキペダル22を挟持して取り付けられる接続板23には、アクチュエータ10の軸と偏位した位置に基板24が形成され、該基板24の表面にはセンサ部25が設置される。
【0019】
図7は一部断面のアクチュエータとブレーキペダル接続部との接続状態を示す要部断面図である。前記アタッチメント20に下端部がヒンジ部26にて軸支されたマグネット接合筒部27内の底部に設置された永久磁石(例えば22Kgfの磁気力)28に対して、アクチュエータ10のシリンダ14内に配設されたピストンロッド15の先端に固定された接続金具16が吸着されている。通常のブレーキ性能評価試験におけるブレーキ制御中は、制御部2からの制御信号に応じて電動モータ13等からの回転駆動に基づき、ピストンロッド15が進退し、アタッチメント20を介してブレーキペダル22を自動操作することになる。符号11はストロークセンサを示す。
【0020】
特殊制動支援装置(SBAS)のアクチュエータ10によるブレーキ性能評価試験中に、何らかの原因により緊急ブレーキを操作する必要が生じた場合には、乗員がアタッチメント20の接続板23上に設置された基板24を強い力で踏動することによって、前記マグネット接合筒部27内の底部の永久磁石28とピストンロッド15の先端の接続金具16との間の吸着を分離する。接続金具16がマグネット接合筒部27内を例えば20mmスライドすると、アクチュエータ10が脱落する。これにより、車両はアクチュエータ10によるブレーキ制御から開放される。アクチュエータ10のリセットは、基板24の充分に深い踏動により、ピストンロッド15の先端の接続金具16を前記マグネット接合筒部27内に挿入復帰させることによりなされる。また、アクチュエータ10が固着した場合には、アクチュエータ10の基端部におけるロッドエンドベアリング17を、アクチュエータ固定リンク51の上端部の接続部53に軸支して接続しているクイックリリースピン18を引き抜いてアクチュエータ10の基端部を取り外した後、前記ピストンロッド15の先端の接続金具16を前記マグネット接合筒部27から取り外すことで、アクチュエータ10の修理ないし交換を行う。
【実施例2】
【0021】
図8は本発明のシート取付機構が採用された特殊制動支援装置の第2実施例を示すもので、運転席近傍の縦断面図である。前記第1実施例のものが、ベースフレーム32に対するアクチュエータ10の角度(作動角度)の調整がスペーサ55の選択的介設によるものであったのに対して、本実施例のものでは、揺動自在なアクチュエータ固定リンク51とアジャスタ52の伸縮によりなされるように構成したものである。詳述すると、アクチュエータ10の基端部側は、乗員(運転者)のシート31が載置されたベースフレーム32に起立植設されたアーム部50を構成するアクチュエータ固定リンク51の上端部の接続部53に支軸によって接続される。アクチュエータ固定リンク51の中間の適宜部位とベースフレーム32との間にはアジャスタ機構52が介設され、アジャスタ機構52の調整によってアクチュエータ固定リンク51の傾きを調整することで、ブレーキペダル22とアクチュエータ10を介したベースフレーム32との位置関係を微調整することができる。
【0022】
図9は運転席近傍の斜視図であり、アクチュエータ10の基端部側とアクチュエータ固定リンク51との支軸による接続部の接続形態が明瞭に理解される。前述したように、前記アクチュエータ10の基端部側は、運転者のシート31が載置されたベースフレーム32に起立植設されたアーム部50を構成するアクチュエータ固定リンク51の上端部の接続部53に支軸によって接続されており、アクチュエータ固定リンク51の中間の適宜部位とベースフレーム32との間に介設されたアジャスタ機構52の調整によってアクチュエータ固定リンク51の傾きを調整する。
【0023】
図10は運転席近傍の一部断面平面図であり、前記図5に対応するものであるが、運転席であるシート31は図示が省略されている。本実施例における調整手段としての、揺動自在なアクチュエータ固定リンク51のみが図示されており、アジャスタ52はアクチュエータ固定リンク51の下側に隠れていて見えない。図11は運転席近傍の正面図であり、前記図6に対応するものである。図11においても、板状の揺動自在なアクチュエータ固定リンク51が図示されており、アジャスタ52はアクチュエータ10の裏側に隠れていて見えない。
【0024】
以上、本発明の実施例について説明してきたが、本発明の趣旨の範囲内で、被試験車両の形状、形式、操作用のペダルの形状、形式(好適にはブレーキペダルを対象とするが、これに限定されない)、試験装置としての乗員シート部の形状、形式、ベースフレームの形状、形式、ベースフレームへのアクチュエータの取付け形態、アクチュエータのペダルへの装着形態、被試験車両の走行性能の評価形態、アタッチメントとしてのレール部材の形状(ベースフレームへの共通取付面の形状、および被試験車両床面への専用取付面の形状)、形式等については適宜選定できる。実施例に記載の諸元はあらゆる点で単なる例示に過ぎず限定的に解釈してはならない。
【符号の説明】
【0025】
10 アクチュエータ
20 ブレーキペダル接続部(アタッチメント)
21 ペダルレバー
22 ブレーキペダル
27 マグネット接合筒部
30 シート部
31 シート
32 ベースフレーム
33 スライドレール部材
34 シート台座
40 ベースフレーム取付レール部材
41 レール部材(アタッチメント)
41A 共通取付面
41B 専用取付面
50 アーム部
51 アクチュエータ固定リンク
52 アジャスタ機構
53 上端接続部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被試験車両における操作用のペダルと乗員シート部のベースフレームとの間にアクチュエータを装着し、該アクチュエータを操作して前記被試験車両の性能の評価を行う車両のシート取付機構において、前記ベースフレームから上部とアクチュエータとを共通の試験装置とするとともに、前記ベースフレームと被試験車両の床面との間を、ベースフレーム側がベースフレームへの共通取付面とされ床面側が被試験車両床面への専用取付面とされたアタッチメントにて接続したことを特徴とするシート取付機構。
【請求項2】
前記ペダルがブレーキペダルであることを特徴とする請求項1に記載のシート取付機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−164312(P2010−164312A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−4311(P2009−4311)
【出願日】平成21年1月13日(2009.1.13)
【出願人】(000000516)曙ブレーキ工業株式会社 (621)
【出願人】(591210600)川田工業株式会社 (57)