説明

シーミングスピンドルからのスリーブ取り外し装置

【課題】缶蓋巻締機のシーミングスピンドルから、オイルシールの摺動面を有するスリーブを、オイルシール摺接面に傷を付けることなく簡単に外せるようにする。
【解決手段】この発明のスリーブ取り外し装置は、半円環状部材11,12からなる円環状部材1と、棒状部材2と、板状部材3と、ネジ棒部材4と、芯出し部品6と、円板状のハンドル7とを有する。棒状部材2の一端を半円環状部材11,12に固定し、他端を板状部材3の長穴32に連結した。ネジ棒部材4を、板状部材3の中央を貫通する雌ねじ31に螺合した。芯出し部品6を、ネジ棒部材4の先端に、ネジ棒部材4の回転を許容するように取り付けた。円環状部材1でスリーブ109を接触保持し、芯出し部品6でシーミングスピンドル102に対して芯出しを行った後に、ネジ棒部材4を回転する。この回転で板状部材3が下降するため、円環状部材1とともにスリーブ109が外れる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、缶蓋巻締機(シーマー)のシーミングスピンドルから、オイルシールの摺動面を有するスリーブを外す装置に関する。
【背景技術】
【0002】
缶蓋巻締機は、缶の本体(胴)にビールやジュースなどを入れた後、本体の上端縁部に蓋の周縁部を巻いて締めつけることで、本体に蓋を固定する装置であり、例えば図4に示すものが挙げられる(下記の特許文献1参照)。
図4の缶蓋巻締機は、シーミングヘッド101と、シーミングスピンドル102と、ノックアウトロッド103と、シーミングロール104と、リフター105を備えている。シーミングヘッド101は、図示しない左側の軸を中心として公転するように構成されている。シーミングヘッド101の公転軌道の円周方向に、複数のシーミングスピンドル102が等間隔で配置され、シーミングヘッド101に対して各シーミングスピンドル102が、転がり軸受106により回転(自転)自在に支持されている。
【0003】
シーミングヘッド101の転がり軸受106の上部には、潤滑油のオイルタンクとなる空間101aが設けてあり、この空間(オイルタンク)101aから転がり軸受106に潤滑油が供給される。転がり軸受106の下端には、クランプリング107によりオイルシール108が取り付けられている。
シーミングスピンドル102は、最も下側に配置された転がり軸受106の内輪の下端面を保持するフランジ102aを有し、このフランジ102aより先端側の外径が基端側より小さく形成されている。この小径部102bにスリーブ109とカラー110が外嵌されている。スリーブ109とカラー110は、内面に溝を設けてこの溝にOリング111を取り付けることにより、シーミングスピンドル102の小径部102bに強固に外嵌されている。
【0004】
このスリーブ109のフランジ102a側の外周面が、オイルシール108のリップ部が接触する摺接面となっている。カラー110はスリーブ109の位置調整用のスペーサ(シーミングチャック112とスリーブ109との間を埋めるもの)として配置されている。そして、シーミングスピンドル102の最も先端(小径部102bよりさらに外径が小さい部分)の外周面に、シーミングチャック112が螺合されている。
【0005】
シーミングスピンドル102には、ガイドリング113を介してノックアウトロッド103が内挿され、ノックアウトロッド103の先端に、缶の蓋121を押さえるパッド103aが設けてある。
シーミングロール104は、図示しないシーミングシャンクシャフト下端に支持されたシーミングレバー114により、リフター105に置かれた缶の胴122に向かって接近するように、また公転および自転自在となるように支持されている。
【0006】
この缶蓋巻締機は以下のように駆動する。
手前の工程で、缶の胴122内にビールやジュースなどの液体が入り、その上に蓋121を載せたものが、リフター105の上に置かれている。先ず、このリフター105が、シーミングスピンドル102の下方に配されて、上昇し、シーミングチャック112が蓋121の外縁部と胴122の上端縁部を押さえる。
【0007】
次に、ノックアウトロッド103の先端のパッド103aを蓋121に押し当てる。次に、シーミングロール104をチャック112に接近させて、シーミングスピンドル102を回転させるとともに、シーミングロール104を回転させることにより、蓋121の周縁部を胴122の上端縁部に巻き締め固定する。
このような缶蓋巻締機では、上方のオイルタンク101aから潤滑油が転がり軸受106に供給されており、潤滑油が漏れると下側に配置された缶に付着する恐れがあるため、オイル漏れを確実に防止する必要がある。そのために、オイルシール108を取り付けるとともに、クランプリング107にラビリンスリール107aを設けているが、漏れが生じた場合には缶蓋巻締機の駆動を停止してオイルシール108を交換する必要がある。
【0008】
オイルシール108の交換時には、スリーブ109とカラー110が存在しない状態で新しいオイルシール108を取り付ける必要がある。そのため、シーミングスピンドル102からシーミングチャック112とスリーブ109とカラー110を外す作業が必要となる。
シーミングチャック112は、シーミングスピンドル102の先端部に螺合されているため、その取り外しは特に問題なくできる。しかし、スリーブ109とカラー110は、内面の溝にOリング111を入れて、シーミングスピンドル102に強固に取り付けられているため、簡単に引き抜くことができない。
【0009】
そのため、スリーブ109とカラー110を取り外す作業に時間がかかったり、プーリー抜きなどの道具で無理に引き抜こうとして、外周面に傷を付けたりする恐れがある。特に、スリーブ109のオイルシール108が摺接する面に傷が付くと、そのスリーブ109を使用できなくなる。
下記の特許文献2には、回転軸に圧挿されるインナーレース外周の環状溝にスナップリングが嵌挿された軸受のインナーレースを、前記回転軸から取り外す軸受のインナーレース取り外し装置が提案されている。この装置は、前記インナーレースの外周を径方向に挟み込む複数に分割された挟持部材と、前記挟持部材の一側に設けられ前記スナップリングに係合する係合部と、複数の連結部材を介して前記挟持部材に連結され中心部にねじ穴が貫設された支持部材と、抜出し用ボルトと、を備えている。
【0010】
前記抜き出し用ボルトは、前記支持部材のねじ穴に螺合されるとともに、先端部が前記回転軸の軸端面に当接可能にされ、先端部を前記回転軸の軸端面に当接し前記支持部材のねじ穴にねじ込むことにより、前記インナーレースを前記挟持部材及びスナップリングを介して前記回転軸から抜き出すものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2003−172457号公報
【特許文献2】特開2007−44822号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
この発明の課題は、缶蓋巻締機のシーミングスピンドルから、オイルシールの摺動面を有するスリーブを外す装置として、オイルシール摺接面に傷を付けることなくスリーブを簡単に外すことができる装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために、この発明は、シーミングヘッドと、シーミングヘッドに転がり軸受を介して回転自在に支持されているシーミングスピンドルと、を有し、前記シーミングスピンドルにはオイルシールの摺動面を有するスリーブが外嵌されている缶蓋巻締機の、前記シーミングスピンドルから前記スリーブを外す、シーミングスピンドルからのスリーブ取り外し装置であって、下記の構成(1) 〜(8) を有することを特徴とする。
【0014】
(1) 前記スリーブの外周面に接触させる内周面を有する外包部材が、前記スリーブの周方向で分割された複数の分割体。
(2) 前記複数の分割体を結合する結合部材。
(3) 前記各分割体からスリーブの軸方向に延びる棒状部材。
(4) 中央に板面を貫通する雌ねじが形成され、周辺に前記棒状部材の先端を位置調整可能に連結させる連結部を有する板状部材。
(5) 前記棒状部材の先端を、前記板状部材の連結部の所定位置に固定する固定部材。
(6) 前記板状部材の前記雌ねじに螺合されたネジ棒部材。
(7) 前記シーミングスピンドルの先端面に接触させる端面と、前記シーミングスピンドルの先端部内に挿入する突起と、を有し、前記ネジ棒部材の前記板状部材から前記外包部材側に突出する側の先端に、ネジ棒部材の回転を許容するように取り付けられた芯出し部材。
(8) 前記ネジ棒部材の前記芯出し部材が取り付けられた先端とは反対の端部に設けられたハンドル。
【0015】
この発明のスリーブ取り外し装置を使用する際には、先ず、前記ネジ棒部材の前記板状部材から前記分割体側への突出量を少なくする。また、前記固定部材による前記棒状部材の先端の前記板状部材の連結部に対する固定を緩めて、前記連結部における前記棒状部材の先端の位置を、前記複数の分割体同士の間隔が拡がる位置に調整する。
この状態で、前記板状部材をシーミングスピンドルの先端側に配置し、前記複数の分割体の内周面を、シーミングスピンドルに外嵌されているスリーブの外周面に接触させる。その際に、前記棒状部材の先端の位置は前記連結部で調整される。この状態で、各分割体を結合部材で結合する。前記棒状部材の長さはこの状態が実現できる長さとする。これにより、前記スリーブが前記外包部材で接触支持される。ここで、外包部材で接触支持する位置を、スリーブの外周面のオイルシール摺動面でない部分にすることで、スリーブのオイルシール摺接面に傷を付けることが防止できる。
【0016】
次に、前記ハンドルを操作して前記ネジ棒部材を回すことにより、前記板状部材よりシーミングスピンドル側に前記芯出し部材を進ませて、前記芯出し部材の突起をシーミングスピンドルの先端部内に挿入し、前記芯出し部材の端面をシーミングスピンドルの先端面に当てる。これにより、シーミングスピンドルと前記ネジ棒部材の芯出しが行われる。
次に、前記固定部材により前記棒状部材の先端を前記板状部材の前記連結部に固定する。
この状態で、前記ネジ棒部材をさらに同じ向きに回し続けることで、前記芯出し部の端面がシーミングスピンドルの端面に強く押し付けられ、ネジ棒部材がシーミングスピンドル側に移動できなくなると、ネジ棒部材が螺合している雌ねじを有する板状部材が、ハンドル側に移動する。これに伴って、前記板状部材に固定されている前記棒状部材とともに前記外包部材もハンドル側に移動する。この外包部材で前記スリーブが支持されているため、このスリーブもハンドル側に移動する。
【0017】
そして、前記ネジ棒部材の長さを、取り外し対象となるスリーブの軸方向寸法とそのシーミングスピンドルに対する外嵌位置に応じて、前記移動によりスリーブがシーミングスピンドルの外嵌位置から外せる長さにしておくことで、前記移動により前記スリーブがシーミングスピンドルから取り外される。
【発明の効果】
【0018】
この発明の取り外し装置によれば、スリーブの外周面のオイルシール摺動面でない部分を外包部材で接触支持することで、シーミングスピンドルからスリーブを、オイルシール摺接面に傷を付けることなく簡単に外すことができる。
また、スリーブの取り外し作業を、缶蓋巻締機からシーミングスピンドルを外さない状態で行うこともできる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】この発明の一実施形態に相当するスリーブ取り外し装置を、組み立てた状態で上側から見た斜視図である。
【図2】この発明の一実施形態に相当するスリーブ取り外し装置を、組み立てた状態で下側から見た斜視図である。
【図3】実施形態のスリーブ取り外し装置とスリーブおよびシーミングスピンドルとの関係を示す断面図であって、(a)は、スリーブ取り外し装置の取り付けが完了して、芯出しが行われた状態を示し、(b)は、スリーブ取り外し装置によるスリーブ取り外し作業の最終段階を示す。
【図4】缶蓋巻締機のシーミングスピンドルの部分を説明する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、この発明の実施形態について説明する。
図1および2は、この実施形態のスリーブ取り外し装置を示す図である。図1は、組み立てた状態で上側から見た斜視図であり、図2は組み立てた状態で下側から見た斜視図である。
この実施形態のスリーブ取り外し装置は、一対の半円環状部材(複数の分割体)11,12からなる円環状部材(外包部材)1と、2本の棒状部材2と、板状部材3と、ネジ棒部材4と、芯出し部品(芯出し部材)6と、円板状のハンドル7を備えている。
【0021】
半円環状部材11には、外周面から半円環状部材12と向かい合う端面に貫通する雌ねじ孔11bが形成されている。半円環状部材12には、外周面から半円環状部材11と向かい合う端面に貫通する貫通孔12bが形成されている。この貫通孔12bは大径部と小径部で構成され、端面側が小径部で外周面側が大径部となっている。外周面側の大径部にボルト13の頭部が配置され、小径部にボルト13の軸部が配置される。
【0022】
半円環状部材11と半円環状部材12は、半円環状部材12の貫通孔12bから挿入したボルト(結合部材)13の先端を半円環状部材11の雌ねじ孔11bに螺合することで結合されて、円環状部材1となる。この円環状部材1の内周面10が、取り外し対象のスリーブの外周面に接触可能な寸法に設計されている。
棒状部材2は、図3に示すように、長さ方向の一端に雄ねじ21が形成されていて、この雄ねじ21が、各半円環状部材11,12の周方向中心に設けた雌ねじ11c,12cに螺合されている。これにより、各半円環状部材11,12の上面から各1本の棒状部材2が垂直に(スリーブの軸方向に)延びた状態になっている。棒状部材2の長さ方向他端は、先端部に雌ねじ孔22が形成されていて、先端から板状部材3の板厚分だけ下がった位置にフランジ23が設けてある。
【0023】
板状部材3の平面形状はほぼ短冊状であって、その中央に、板面を貫通する雌ねじ31が形成され、その周辺である長手方向両端部(雌ねじ31を挟んで径方向に沿った位置)に、長穴(連結部)32が形成されている。長穴32の長手方向は板状部材3の長手方向に合わせてある。そして、棒状部材2の上端を、板状部材3の各長穴32に入れ、その雌ねじ孔22にワッシャー24を介して止めネジ25を螺合することで、棒状部材2の上端が板状部材3に固定される。
【0024】
止めネジ25を締めて棒状部材2が板状部材3の長穴32に固定されている状態から止めネジ25を緩めることで、板状部材3の長穴32に対する棒状部材2の先端部の位置調整ができ、位置を決めた状態で止めネジ25を締めれば、棒状部材2をその位置に固定することができる。この位置調整により半円環状部材11,12の向かい合う端面の間隔が変更できる。
【0025】
ネジ棒部材4の長さ方向両端部は小径部となっていて、両小径部に雌ねじ孔が形成されている。このネジ棒部材4が板状部材3の雌ねじ31に螺合されていて、円環状部材1側に突出する側の先端に芯出し部品6が、反対側の先端に円板状のハンドル7が取り付けられている。ハンドル7をなす円板は中心孔を有し、この中心孔とネジ棒部材4の小径部の雌ねじ孔とを合わせてハンドル7側から止めネジ71を螺合することで、ハンドル7はネジ棒部材4に固定されている。
【0026】
芯出し部品6は大径部61と小径部62とからなり、先端の小径部62がシーミングスピンドルの先端部内に挿入される突起である。大径部61の小径部62側の端面61aがシーミングスピンドルの先端面に押し当てる部分である。図3に示すように、芯出し部品6の中心に、ネジ棒部材4の小径部41に対して緩みを有する寸法の貫通孔63が形成されている。
【0027】
芯出し部品6はネジ棒部材4に対して、止めネジ65とその座面を有するワッシャー66を用いて取り付けられている。すなわち、図3に示すように、芯出し部品6の大径部61側から貫通孔63にネジ棒部材4の小径部41が挿入され、芯出し部品6の小径部62にワッシャー66を重ねた状態でワッシャー66側から挿入された止めネジ65が、ネジ棒部材4の小径部41の雌ねじ孔に螺合している。
【0028】
止めネジ65を締めた状態で、ワッシャー66と芯出し部品6との間に隙間があり、ネジ棒部材4の小径部41と芯出し部品6との間にも隙間がある。これにより、ネジ棒部材4が回転した時に、ワッシャー66は一緒に回転するが、芯出し部品6は回転しない。このようにして、芯出し部品6はネジ棒部材4の先端に、ネジ棒部材4の回転を許容するように取り付けられている。
【0029】
この実施形態のスリーブ取り外し装置は例えば以下の方法で使用することができる。
先ず、ネジ棒部材4の板状部材3から円環状部材1側への突出量を少なくして、図1および2に示す状態から、ボルト13を外して外包部材1を半円環状部材11,12に分割し、止めネジ25を緩めて棒状部材2を板状部材3の長穴32に対して移動可能な状態にする。
【0030】
次に、図4に示す缶蓋巻締機のシーミングスピンドル102から、シーミングチャック112を外す。この状態で、図3(A)に示すように、ハンドル7を下側に向け、板状部材3をシーミングスピンドル102の下側に配置し、半円環状部材11,12でシーミングスピンドル102に外嵌されているスリーブ109の外周側を囲う。その際に、棒状部材2の下端部は長穴32に沿って移動する。
この状態で、半円環状部材12の貫通孔12bから挿入したボルト13の先端を、半円環状部材11の雌ねじ孔11bに螺合する。これにより、半円環状部材11,12が結合されて円環状部材1となり、その内周面10がスリーブ109の外周面に接触し、円環状部材1でスリーブ109が支持された状態となる。
【0031】
次に、ハンドル7を回して、ネジ棒部材4を上向きに回転させることにより、先端のワッシャー66と芯出し部品6の小径部62をシーミングスピンドル102の先端部内に挿入し、芯出し部品6の大径部61の端面61aをシーミングスピンドル102の先端面に当てる。その際に、棒状部材2の下端部が長穴32に沿って移動することで、板状部材3に対する位置調整がなされる。
これにより、シーミングスピンドル102とネジ棒部材4の芯出しが行われる。次に、止めネジ25を締めて、棒状部材2の下端部を板状部材3の長穴32に対して固定する。図3(A)はこの状態を示している。
【0032】
この状態からさらに、ハンドル7を同じ向きに回し続けて、ネジ棒部材4を上向きに回転させ続ける。これに伴い、芯出し部品6の大径部61の端面61aがシーミングスピンドル102の端面に強く押し付けられて、ネジ棒部材4が上昇できなくなると、ネジ棒部材4が螺合している雌ねじ31を有する板状部材3が下降する。これに伴って、板状部材3に固定されている棒状部材2とともに円環状部材1が下降する。この円環状部材1の下降に伴って、スリーブ109とその下方のカラー110がシーミングスピンドル102から取り外される。図3(B)はこの状態を示している。
【0033】
そして、この取り外しの際に、円環状部材1は、スリーブ109のオイルシール108が摺動している面より下側の部分を接触支持しているため、スリーブ109のオイルシール摺動面に傷が生じない。
この実施形態のスリーブ取り外し装置は、上述のように、図4に示す缶蓋巻締機からシーミングスピンドル102を外さない状態で、シーミングスピンドル102からスリーブ109とその下方のカラー110を外すことができる。
なお、この実施形態のスリーブ取り外し装置は、図4に示す缶蓋巻締機からシーミングスピンドル102を外した状態で使用することもできる。
【符号の説明】
【0034】
1 円環状部材(外包部材)
10 円環状部材の内周面(半円環状部材の内周面)
11 半円環状部材(分割体)
11b 雌ねじ孔
11c 雌ねじ
12 半円環状部材(分割体)
12b 貫通孔
12c 雌ねじ
13 ボルト
2 棒状部材
21 雄ねじ
22 雌ねじ孔
23 フランジ
3 板状部材
31 雌ねじ
32 長孔(連結部)
4 ネジ棒部材
6 芯出し部品
61 大径部
61a 大径部の端面(シーミングスピンドルの先端面に押し当てる部分)
62 小径部(シーミングスピンドルの先端部内に挿入される突起)
63 貫通孔
65 止めネジ
66 ワッシャー
7 ハンドル
71 止めネジ
101 シーミングヘッド
101a 潤滑油のオイルタンクとなる空間
102 シーミングスピンドル
103 ノックアウトロッド
104 シーミングロール
105 リフター
106 転がり軸受
107 クランプリング
108 オイルシール
109 スリーブ
110 カラー
111 Oリング
112 シーミングチャック
114 シーミングレバー
121 缶の蓋
122 缶の胴(本体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シーミングヘッドと、シーミングヘッドに転がり軸受を介して回転自在に支持されているシーミングスピンドルと、を有し、前記シーミングスピンドルにはオイルシールの摺動面を有するスリーブが外嵌されている缶蓋巻締機の、前記シーミングスピンドルから前記スリーブを外す装置であって、
前記スリーブの外周面に接触させる内周面を有する外包部材が、前記スリーブの周方向で分割された複数の分割体と、
前記複数の分割体を結合する結合部材と、
前記各分割体からスリーブの軸方向に延びる棒状部材と、
中央に板面を貫通する雌ねじが形成され、周辺に前記棒状部材の先端を位置調整可能に連結させる連結部を有する板状部材と、
前記棒状部材の先端を、前記板状部材の連結部の所定位置に固定する固定部材と、
前記板状部材の前記雌ねじに螺合されたネジ棒部材と、
前記シーミングスピンドルの先端面に接触させる端面と、前記シーミングスピンドルの先端部内に挿入する突起と、を有し、前記ネジ棒部材の前記板状部材から前記外包部材側に突出する側の先端に、ネジ棒部材の回転を許容するように取り付けられた芯出し部材と、
前記ネジ棒部材の前記芯出し部材が取り付けられた先端とは反対の端部に設けられたハンドルと、
を有することを特徴とするシーミングスピンドルからのスリーブ取り外し装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−93054(P2011−93054A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−250554(P2009−250554)
【出願日】平成21年10月30日(2009.10.30)
【出願人】(000000055)アサヒビール株式会社 (535)
【Fターム(参考)】