説明

シーラントフィルム、包装材料、蓋材及び容器

【課題】 低温ヒートシール性、イージーピール性を備え、白色印刷や発泡樹脂層の形成をしなくても、十分な遮蔽性を備えたシーラントフィルムと、該シーラントフィルムを備えた包装材料、該包装材料からなる蓋材、該蓋材を備えた容器を提供する。
【解決手段】 メタロセン触媒またはシングルサイト系触媒により製造された直鎖状低密度ポリエチレン(a−1)と、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン三元共重合体、ポリブテン−1からなる群から選ばれた少なくとも1種の樹脂(a−2)とを特定量含むシール層11の片面に、特定の高密度ポリエチレン(b−1)を主成分とし、二酸化チタン(b−2)を特定量含む遮蔽層12が積層したシーラントフィルム10を使用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はシーラントフィルム、該シーラントフィルムを備えた包装材料、該包装材料からなる蓋材、該蓋材を備えた容器に関する。
【背景技術】
【0002】
味噌、カレー、シチュー、ヨーグルトなどの加工食品は、樹脂製の容器に充填されて流通することが多く、このような容器としては、例えば、樹脂製の容器本体に樹脂製の蓋材がヒートシールされた形態のものがある。
このような容器に使用される蓋材は、内容物である加工食品がすでに投入されている容器本体にヒートシールされ、取り付けられる。そのため蓋材には、内容物が加熱されないように、できるだけ低温で確実にヒートシールできること(低温ヒートシール性)が求められる。また、蓋材には、内容物を取り出す際に容器本体から容易に剥がせること(イージーピール性)、内容物の保存性の点から光を遮ることができ、かつ、内容物が付着性のあるものの場合には、その商品としての外観面から、内容物が蓋材の内表面に付着している様子が外から見えないようになっていること(遮蔽性)などが望まれている。
【0003】
このような蓋材の積層構造は、蓋材のシール面側から順番に、シーラントフィルム、アルミニウム箔及び保護フィルムであるのが一般的である。シーラントフィルムは蓋材にイージーピール性を付与し、アルミニウム箔は遮蔽性、バリア性を付与する、また保護フィルムは傷つきやすいアルミニウム箔を保護すると共に印刷が施され装飾性が付与される。印刷は印刷層として保護フィルムとは別に設けられることもある(例えば特許文献1)。
ところが、アルミニウム箔を用いた蓋材は、金属探知器による内容物の異物検査が難しい、焼却時に残渣が残るなどの問題点を有する。このためアルミニウム箔を用いない蓋材の出現が望まれていて、このようなものとしては、例えば、遮蔽性を発現させるために白色の印刷を施したシーラントフィルムに、バリアフィルム、さらに発泡二軸延伸ポリプロピレン層を設けたものがある。
【特許文献1】特開平06−031876号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような積層フィルムの製造には、印刷工程が必要であることから生産性が良好ではなかった。また、白色の印刷だけでは遮蔽性が不十分であることから、発泡により白化した二軸延伸ポリプロピレン層を設けているが、このように発泡させたものは引き裂き強度が弱いという問題があった。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、低温ヒートシール性、イージーピール性を備えるとともに、白色の印刷を施したり発泡樹脂層を形成したりしなくても、十分な遮蔽性を備えたシーラントフィルムと、該シーラントフィルムを備えた包装材料、該包装材料からなる蓋材、該蓋材を備えた容器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、低温ヒートシール性、イージーピール性、遮蔽性を備えたシーラントフィルムについて鋭意研究を重ねた結果、以下の構成からなるフィルムを用いることにより上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は以下の(1)〜(5)に示されるシーラントフィルム、これを用いた包装材料、該包装材料からなる蓋材、該蓋材を備えた容器に関する。
(1)メタロセン触媒またはシングルサイト系触媒により製造された直鎖状低密度ポリエチレン(a−1)60〜90質量%と、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン三元共重合体、ポリブテン−1からなる群から選ばれた少なくとも1種の樹脂(a−2)10〜40質量%とを含むシール層の片面に、密度0.945〜0.970g/cm3の高密度ポリエチレン(b−1)を主成分とし、二酸化チタン(b−2)を5〜10質量%を含む遮蔽層が積層したことを特徴とするシーラントフィルム。
(2)直鎖状低密度ポリエチレン(a−1)の一部が低密度ポリエチレン(a−11)に置換され、該低密度ポリエチレン(a−11)の配合割合が前記シール層中30質量%以下であることを特徴とする(1)に記載のシーラントフィルム。
(3)前記直鎖状低密度ポリエチレン(a−1)は、密度が0.890〜0.935g/cm3で、メルトフローレートが2〜20g/10分であることを特徴とする請求項(1)または(2)に記載のシーラントフィルム。
(4)前記高密度ポリエチレン(b−1)は、メルトフローレートが1〜15g/10分であることを特徴とする(1)ないし(3)のいずれかに記載のシーラントフィルム。
(5)メタロセン触媒またはシングルサイト系触媒により製造された直鎖状低密度ポリエチレン(c−1)を主成分とするサポート層が、前記遮蔽層側に積層したことを特徴とする(1)ないし(4)のいずれかに記載のシーラントフィルム。
(6)(1)ないし(5)のいずれかに記載のシーラントフィルムを備えたことを特徴とする包装材料。
(7)ガスバリア層及び/または保護層を備えたことを特徴とする(6)に記載の包装材料。
(8)(6)または(7)に記載の包装材料からなることを特徴とする蓋材。
(9)(8)に記載の蓋材を備えたことを特徴とする容器。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、低温ヒートシール性、イージーピール性、遮蔽性を備えるシーラントフィルムと、該シーラントフィルムを備えた包装材料、該包装材料からなる蓋材、該蓋材を備えた容器を提供できる。また、本発明のシーラントフィルムは、十分な遮蔽性を備えていることから、白色の印刷を施したり発泡樹脂層などの他の層を併用したりする必要がなく、生産性や引き裂き強度の点で問題がないうえ、層数が削減されることにより軽量な蓋材を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明を詳細に説明する。
図1は本発明のシーラントフィルム10の一例であって、シール層11の片面に、遮蔽層12が積層したものである。
シール層11は、メタロセン触媒またはシングルサイト系触媒により製造された直鎖状低密度ポリエチレン(a−1)(以下「(a−1)成分」ということもある。)と、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン三元共重合体、ポリブテン−1からなる群から選ばれた少なくとも1種の樹脂(a−2)(以下「(a−2)成分」ということもある。)とを含有して形成され、このような(a−1)成分と(a−2)成分とを特定の割合で含むことにより、低温ヒートシール性とイージーピール性とをともに発現する。
【0009】
シール層11に用いられる直鎖状低密度ポリエチレンは、メタロセン触媒またはシングルサイト系触媒により製造された直鎖状低密度ポリエチレン(以下「mLLDPE」ということもある。)(a−1)である。
【0010】
なお、ここでメタロセン触媒は、例えば「メタロセン触媒による次世代ポリマー工業化技術」(原田哲彌、株式会社ジスク、P.13、1994年)や“オレフィン系、スチレン系樹脂の高機能化”(株式会社技術情報協会、P.13、2000年)等に代表的定義が記載されているが、ここでは一般に定義されるが如く、ジルコニウム、チタン、ハフニウム等の金属原子と少なくとも1個のシクロペンタジエニル環を有する化合物との錯体即ちシクロペンタジエニル錯塩からなる触媒を挙げることができる。助触媒としては、トリフェニル(ヒドロキシフェニル)ボレート、トリス−(ペンタフルオロフェニル)(4−ヒドロキシフェニル)ボレート等の硼素化合物、メチルアルモキサン等のアルモキサンなどが挙げられるがこれに限定されるものではない。なお、ある種のメタロセン触媒はシングルサイト系触媒の代表的なものであり、これ以降、本発明においてメタロセン触媒とはメタロセン触媒及び/またはシングルサイト系触媒を意味する。
【0011】
mLLDPEは、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンから選択された一種以上のオレフィンを主成分とする共重合体である。この炭素数3〜20のα−オレフィンとしては、好ましくは炭素数3〜12のものであり、具体的にはプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセンなどが挙げられる。共重合体に占める炭素数3〜20のα−オレフィンの含有量は、通常30モル%以下、好ましくは2〜20モル%の範囲である。
【0012】
mLLDPEの密度(JIS K 7112 D法に準拠して測定)は、0.890〜0.935g/cm3が好ましく、より好ましくは0.892〜0.933g/cm3であり、特に好ましくは0.894〜0.931g/cm3である。密度が、0.890g/cm3未満の場合は、ヒートシール強度が強すぎ、このシーラントフィルム10を蓋材に使用した場合、蓋材を剥離する際のイージーピール性に劣ることがあり、一方、0.935g/cm3を超えると、剥離時のフェザリング(毛羽立ち)現象が起こりやすくなる。
【0013】
一方、メルトフローレート(以下「MFR」という。)は2〜25g/10分の範囲が好ましく、6〜22g/10分の範囲がより好ましく、7〜20g/10分の範囲がさらにより好ましい。MFRが2g/10分未満になるとヒートシール強度が強すぎ、このシーラントフィルム10を蓋材に使用した場合のイージーピール性に劣る傾向がある。また、蓋材の剥離時には、蓋材または蓋材がヒートシールされていた容器本体いずれかの剥離面に、確実にシールがなされていたことを示す白い剥離痕が形成されること(白化性)が好ましいが、そのような白化性が不十分となる傾向がある。一方、20g/10分を超えると、後述する樹脂(a−2)としてポリブテン−1を選択した際にポリブテン−1との相溶性に劣り、フェザリング現象が生じる傾向がある。なお、MFRはJIS K 7210 試験条件4により、温度190℃、荷重21.18Nで測定した値である。
【0014】
シール層に含まれる樹脂(a−2)は、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン三元共重合体、ポリブテン−1からなる群から選ばれた少なくとも1種であるが、これらのうち低温ヒートシール性に優れることから、エチレン−ブテン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン三元共重合体、ポリブテン−1のブテン系共重合体が好ましく、ポリブテン−1がより好ましい。
【0015】
シール層11に用いられるエチレン−プロピレン共重合体としては、エチレン含有量が65〜85質量%、JIS K 7210に準拠し、温度230℃、荷重21.18Nで測定したMFRが0.2〜20g/10分のものがよい。エチレン含有量が65質量%未満の場合は、低温ヒートシール性および白化性が劣り好ましくない。一方、85質量%を超えるとイージーピール性が劣り好ましくない。好ましくは、65〜82質量%、より好ましくは70〜80質量%である。MFRが0.2g/10分未満の場合は、イージーピール性に劣り好ましくない。一方、20g/10分を超えると、白化性、成形性が劣り好ましくない。好ましくは、0.2〜18g/10分、より好ましくは0.5〜15g/10分である。
【0016】
シール層11に用いられるエチレン−ブテン共重合体としては、エチレン含有量が70〜98質量%、JIS K 7210に準拠し、温度230℃、荷重21.18Nで測定したMFRが0.1〜20g/10分のものがよい。エチレン含有量が70質量%未満の場合は耐熱性が劣り、剥離外観、すなわちこのシーラントフィルムを蓋材として使用し剥離した際の剥離面の外観が良好でなく、白化性も不十分であり好ましくない。一方、98質量%を超えるとイージーピール性および白化性が劣り好ましくない。好ましくは、72〜96質量%、より好ましくは75〜95質量%である。MFRについては、0.1g/10分未満の場合はイージーピール性が劣り好ましくない。一方、10分/10分を超えると剥離外観および白化性が劣り好ましくない。好ましくは、0.2〜9g/10分、より好ましくは0.5〜8g/10分である。
【0017】
シール層11に用いられるプロピレン−ブテン共重合体としては、プロピレン含有量75〜98質量%、JIS K 7210に準拠し、温度230℃、荷重21.18Nで測定したMFRが0.1〜20g/10分のものがよい。プロピレン含有量が75質量%未満の場合はイージーピール性が劣り好ましくない。一方、98質量%を超えると、イージーピール性、白化性および低温ヒートシール性が劣り好ましくない。MFRが0.1g/10分未満の場合は、イージーピール性に劣り好ましくない。一方、20g/10分を超えると剥離外観、白化性に劣り好ましくない。好ましくは、0.5〜18g/10分、より好ましくは1〜15g/10分である。
【0018】
エチレン−プロピレン−ブテン三元共重合体(以下「PEB」ということもある。)は、プロピレン、エチレン及びブテン−1を主成分とする共重合体であり、通常多段共重合法で得られる樹脂である。
シール層11に用いられるPEBとしては、示差走査型熱量計(DSC)による結晶化ピーク温度(Tcp)が75〜90℃、結晶化エネルギー(△H)が55〜80J/gであるものが好ましい。PEBの融解温度(Tmp)については、特に限定するものではないが125〜145℃の範囲のものがよい。
なお、ここでTcp及び△Hは、精秤した約3〜5mgの試料をDSCにセットし、試料温度230℃まで昇温し、5分間保持した後、20℃/分の速度で30℃まで降温することにより求められる値である。
【0019】
PEBの組成割合に関しては、低温ヒートシール性が優れることから、プロピレン含有量が96〜72質量%、エチレン含有量が1〜10質量%、ブテン−1含有量が3〜18質量%であるものがよい。プロピレン含有量としては95.3〜75質量%が好ましく、特に94.5〜77質量%が好適である。エチレン含有量としては1.2〜8質量%が好ましく、特に1.5〜7質量%が好適である。また、ブテン−1含有量としては3.5〜17質量%が好ましく、特に4.0〜16質量%が好適である。
【0020】
ポリブテン−1(以下「PB」という。)は、ブテン−1モノマーを原料として重合されるものであり、ポリエチレンやポリプロピレンと同種のポリオレフィンである。一般に、PBは分子量が高く、高アイソタクティシティーを有する。重合方法については、チーグラー・ナッタ触媒を用い、ブテン−1モノマーを溶媒として重合する方法や、ヘキサンまたはヘプタンなどの炭化水素系溶媒を用いる溶液重合法が用いられている。
【0021】
PBは、ポリプロピレンより低い二次転移点を有するため、室温ないし低温における弾性率がポリプロピレンより高い〔D.G.Natta et.al:J.Polymer Sci. Vol.25 p119(1957)〕のでゴム弾性を有するポリマーとして知られている。
【0022】
PBは、ポリエチレンやポリプロピレンよりも引っ張り強度、衝撃強度、引き裂き強度等の機械的特性に優れているため、パイプ原料やチューブ、改質材として用いられている。
フィルム分野においてはPBは、他の樹脂とブレンドすることにより低温ヒートシール性を付与したりイージーピール性を付与するなどの目的で用いられている。
これらPBの性質や用途に関しては、例えば「最新ラミネート加工便覧」861〜866頁(1989)加工技術研究会発行や”I.D.Rubin,Poly(1−Butene)−its Preparation and Properties”,Gordon and Breach Science Publishers,inc.,New York(1968)等に詳細に記載されている。
【0023】
本発明においてシール層11に用いられるPBは、ASTM D1238EによるMFRが、0.5〜15g/10分の範囲のものが好ましく、0.8〜12g/10分の範囲がより好ましく、1〜10g/10分の範囲がさらにより好ましい。MFRが、0.5g/10分未満の場合は、ヒートシール強度が高くなりすぎ、イージーピール性に劣ることがあり、一方、15g/10分を超えるとシール部分を剥離すると剥離部分のフェザリング現象が発生したり、剥離時の白化性に劣ることがある。
【0024】
PBの融点については、示差走査型熱量計(DSC)による方法で100〜140℃の範囲のものが良い。融点が100℃以下の場合は、シール部分を剥離すると剥離部分のフェザリング現象が発生したり、白化性に劣りやすい。一方、140℃を超えるヒートシール強度、低温ヒートシール性および白化性が劣る傾向がある。
これらPBは、例えばシェル化学社及び三井化学社から「商品名:ビューロン」として販売されておりこれらを好適に利用できる。
【0025】
シール層11を構成するmLLDPE(a−1)と樹脂(a−2)との配合割合は、mLLDPE(a−1)が60〜90質量%、で、樹脂(a−2)が10〜40質量%である。好ましくは、(a−1)成分が65〜85質量%、(a−2)成分が15〜35質量%、特に好ましくは(a−1)成分65〜75質量%、(a−2)成分が25〜35質量%である。
ここで(a−1)成分が60質量%未満の場合は、低温ヒートシール性、ヒートシール強度、白化性がいずれも低下する傾向があり、好ましくない。また、剥離時にフェザリング現象を起こしやすくなる。一方、90質量%を超えると、白化性の低下の他、ヒートシール時にヒートシールしようとする部分以外までシールされてしまうことがある。その結果、このシーラントフィルム10を備えた包装材料から形成された袋などの包装体から、内容物が取り出しにくくなったり、同様の包装材料から形成された蓋材のイージーピール性が低下したり、さらには、これら包装体や蓋材の外観が劣ることもあり、好ましくない。
また、(a−2)成分が10質量%未満では、イージーピール性に劣り好ましくない。一方、40質量%を超えると、剥離時のフェザリングを起こしやすく好ましくない。
【0026】
このように(a−1)成分と(a−2)成分とを特定の割合で含むことにより、シール層11は低温ヒートシール性とイージーピール性とをともに発現する。
【0027】
シール層11には、低密度ポリエチレン(a−11)(以下「LDPE」、または単に「(a−11)成分」ということもある。)が30質量%以下の範囲で含まれてもよい。シール層11にLDPEをこの範囲で添加することにより、イージーピール性、成形性、白化性などを調整することができる。
なお、ここで(a−11)成分は(a−1)成分の一部を置換する形で添加される。すなわち(a−1)成分と(a−2)成分からなるシール層11に(a−11)成分を添加した際、(a−2)成分の配合割合は変化せず、(a−1)成分の配合割合が(a−11)成分の配合割合だけ減少することになる。
LDPEとしては特に制限はないが、JIS K 7112 D法に準拠して測定される密度が0.910〜0.925g/cm3であり、JIS K 7210に準拠して温度190℃、荷重21.18Nで測定されるMFRが20g/10分以下であるものがよい。密度としては0.912〜0.924g/cm3が好ましく、とりわけ0.915〜0.923g/cm3が好適である。MFRとしては15g/10分以下が好ましく、とりわけ0.1〜10g/10分が好適である。
【0028】
シーラントフィルム10を構成する遮蔽層12は、密度0.945〜0.970g/cm3の高密度ポリエチレン(b−1)を主成分とし、二酸化チタン(b−2)を5〜10質量%を含んで形成されている。
このように二酸化チタン(b−2)を含有する遮蔽層12を設けることによって、例えばこのシーラントフィルム10を包装材料や、さらに蓋材に使用した場合、内容物が外側から見えにくくなり商品としての外観面から好ましいとともに、その遮光性により内容物の保存性を高めることができる。また、主成分を高密度ポリエチレン(b−1)とすることにより、シーラントフィルム10は、水蒸気バリア性が優れ、ヒートシール温度幅が広くヒートシール強度の安定性や低温ヒートシール性に優れ、さらにはイージーピール性も良好となり、包装材料、蓋材としての使用に適したものとなる。ここで、二酸化チタン(b−2)を、例えば前述のシール層11に含有させると、シール層11のヒートシール性が低下し、一方、後述のサポート層13に含有させると、十分な遮光性が得られない。
なお、ここで主成分とは、50質量%以上のことをいう。また、遮蔽層12にはHDPEが主成分となる範囲内で、他のポリオレフィン樹脂などの樹脂が含まれてもよい。このような場合としては、二酸化チタン(b−2)をあらかじめ他のポリオレフィン樹脂に混合してマスターバッチとし、これをHDPEに配合する場合がある。
【0029】
遮蔽層12に用いられる高密度ポリエチレン(b−1)(以下「HDPE」ということもある。)は、密度が0.945〜0.970g/cm3であり、0.952〜0.965g/cm3の範囲が好ましく、0.953〜0.962g/cm3の範囲がより好ましい。密度が、0.945g/cm3未満の場合は、フィルムの剛性が低下し、加工性が悪くなったり、剥離時の白化性が劣ったりする。一方、0.970g/cm3を超えると低温ヒートシール性や白化性が損なわれる問題がある。
【0030】
HDPEのJIS K 7210に準拠し、温度190℃、荷重21.18Nで測定したMFRは、1〜15g/10分の範囲が好ましく、2〜13g/10分の範囲がより好ましく、3〜12g/10分の範囲がさらにより好ましい。MFRが、1g/10分未満の場合は低温ヒートシール性、白化性が劣る傾向があり、一方、15g/10分を超えるとフィルムが縦方向に裂けやすくなったり、剥離時のフェザーリング現象が発生したりすることがある。
【0031】
遮蔽層12に含まれる二酸化チタン(b−2)としては、ルチル型、アナターゼ型など、いずれものも使用でき特に制限はないが、遮蔽性の点から、平均粒径が0.01〜5μmの粒子を使用することが好ましい。さらに好ましくは、0.03〜3μmである。平均粒径がこれらの好ましい範囲であると、隠蔽性に優れるため、粒子の含有量を増加させる必要がなく、フィルム成形性が悪化するおそれがない。
また、二酸化チタン(b−2)は、遮蔽層12中5〜10質量%含まれる。ここで含有量が5質量%未満では、遮蔽層12の遮蔽効果が不十分であり、一方、10質量%を超えると、遮蔽層12とシール層11、さらには後述のサポート層とのシール強度が低下する
【0032】
本発明のシーラントフィルム10の他の形態としては、図2に示すように、mLLDPE(c−1)を主成分とする含むサポート層13が、遮蔽層12側にさらに積層した形態が挙げられる。このようなサポート層13を備えたシーラントフィルム10は、カーリングが少なく好ましい。なお、ここで主成分とは、50質量%以上のことをいう。
サポート層13に使用されるmLLDPE(c−1)としては、先に例示した、シール層11を形成するmLLDPE(a−1)と同様のものを好ましく使用できる。
その他の形態としては、図示は略すが、遮蔽層12の両面にシール層11が積層した形態のシーラントフィルムも例示できる。
【0033】
シーラントフィルム10の厚みは適宜設定できるが、20〜70μmの範囲であると、包装材料、さらには蓋材としての使用に適し、好ましくは、20〜60μm、特に好ましくは25〜50μmである。
【0034】
シール層11と遮蔽層12の厚み比については、シール層11:遮蔽層12が、0.05〜0.3:0.95〜0.7の範囲が好適で、好ましくは0.07〜0.25:0.93〜0.75、より好ましくは0.1〜0.2:0.9〜0.8の範囲である。
シール層11の厚み比が0.05未満の場合、ヒートシールを施したとき、部分的に遮蔽層12同士がヒートシールされる箇所が発生し、ヒートシール強度が高くなったり、このシーラントフィルム10を備えた包装材料から形成された袋などの包装体や、蓋材を開封する際に、ヒートシール端部が切れ、内容物を取り出しにくくなるという問題が生じる場合がある。一方、シール層11の厚み比が0.3を超えると、フェザリングを起こしたり、シーラントフィルム10の水蒸気バリア性の低下を伴うことがある。サポート層13を設ける場合、その厚みは、カーリング抑制の面から適宜選択することが可能であり、具体的にはシール層11と同程度の厚みであることが好ましい。
【0035】
シーラントフィルム10の製造方法は、特に制限されるものではなく、公知の成形方法を用いてよい。例えば、シーラントフィルム10の各層の樹脂成分に必要に応じて添加剤を添加し、ミキシングロール、バンバリミキサー、ヘンシェル、タンブラー及びリボンブレンダー等の混合機で各成分を混合した後、押出機を用い混練処理してペレット化または直接ドライブレンドした後、押出ラミネショーン成形法、共押出インフレーション成形方法及び共押出Tダイ成形法等でフィルム化する方法が挙げられる。
これらのうち共押出成形法でシーラントフィルム10を製造する場合には、押出温度160〜250℃で成膜し、冷却温度40〜80℃で冷却することにより、白化性に優れるものが得られ好ましい。
【0036】
本発明のシーラントフィルム10は、以上説明したように、シール層11と、シール層11の片面に積層した遮蔽層12と、遮蔽層12におけるシール層11と反対側の面に必要に応じて設けられたサポート層13とを備えたものであって、このままでも包装材料として使用することができるが、さらに、ガスバリア層や保護層を設けることによって、内容物の保存性やフィルム強度がより向上した包装材料とすることができる。
【0037】
ガスバリア層及び保護層は、シーラントフィルム10に、接着剤を介してまたは介さずに積層することにより得られる。
ガスバリア層としては、アルミ箔、金属蒸着フィルム、酸化珪素蒸着フィルム、ポリアミド樹脂、塩化ビニルデン樹脂及びエチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物などからなる層や、ポリビニルアルコールを保護層にコーティングしたものなどが挙げられる。
保護層としては具体的にポリエステル樹脂層、ポリアミド樹脂層及びポリカーボネート樹脂層などが挙げられる。
ガスバリア層と保護層とをともに設ける場合は、シーラントフィルム10におけるシール層11の反対側に、ガスバリア層、保護層を順次積層した形態が好ましい。
また、この包装材料には、本発明の目的を損なわない範囲で他のポリオレフィン系樹脂層を、さらに積層して用いてもよい。
包装材料を得る方法としては、公知の押出ラミネート成形法、ドライラミネート成形法などを用いることができる。
【0038】
このような包装材料は、種々の用途に使用することができるが、容器本体にヒートシールにより取り付けられ、剥離により開封される形態の蓋材や、シール層11同士がヒートシールにより融着した袋体などの包装体に形成に適している。なかでも、このような包装材料は、特に、低温ヒートシール性、イージーピール性、優れた遮蔽性を兼ね備えたシーラントフィルムを備えていることから、味噌などの付着性のある加工食品が充填される容器の蓋材への使用に特に適している。また、このような包装材料は、水蒸気バリア性を備え保存性に優れるとともに、白化性を備え、開封前には確実にシールされていたことが確認できることからも、加工食品用の容器の蓋材として好ましい。
【0039】
蓋材がヒートシールされる容器本体の材質としては、特に制限はないが、本発明のシーラントフィルム10は、ポリオレフィン、特に、ポリプロピレンを主成分とする樹脂からのイージーピール性に優れる。よって、容器本体は、少なくとも蓋材が取り付けられる部分が、ホモポリプロピレンを主成分とする樹脂から形成されたものであることが好ましい。具体的には、ホモポリプロピレンを主成分とする2層間に、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)からなる層が配置された3層から構成される容器本体などが例示できる。なお、3層間には、接着剤層が配置されていてもよい。
その他、容器の材質としては、上記ポリプロピレン以外に、ポリエチレン、ポリ−4−メチルペンテン−1等のポリオレフィン、ポリエステル、ポリスチレンなどが挙げられる。
【0040】
なお、以上説明したシーラントフィルム10および包装材料を構成する各層の構成材料に対しては、熱可塑性樹脂に慣用の他の添加剤(例えば、酸化防止剤、耐候性安定剤、帯電防止剤、滑剤、ブロックキング防止剤、防曇剤、染料、顔料、オイル、ワックス、充填剤等)やその他の熱可塑性樹脂を本発明の目的を損なわない範囲で適宜配合できる。
【0041】
例えば、このような添加剤の例としては、酸化防止剤として2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、2,6ジ−t−ブチル−p−クレゾール、4,4’−チオビス−(6−t−ブチルフェノール)、2,2−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、オクタデシル3−(3’,5’−ジ−t−ブチルー1’−ヒドロキシフェニル)プロピネート、4,4’−チオビス−(6−ブチルフェノール)、紫外線吸収剤としてはエチル−2−シアノ−3、3−ジフェニルアクリレート、2−(2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、可塑剤としてフタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、ワックス、流動パラフィン、りん酸エステル、帯電防止剤としてはペンタエリスリットモノステアレート、ソルビタンモノパルミテート、硫酸化オレイン酸、ポリエチレンオキシド、カーボンワックス、滑剤としてエチレンビスステアロアミド、ブチルステアレート、脂肪酸アミド(ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド等)、着色剤としてカーボンブラック、フタロシアニン、キナクリドン、インドリン、アゾ系顔料、酸化チタン、ベンガラ等、充填剤としてグラスファイバー、アスベスト、マイカ、ワラストナイト、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、炭酸カルシウム、ブロッキング防止剤として、ケイ酸塩系(ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム等)、シリコーン系、ゼオライト系、タルク、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)粒子などが挙げられる。具体的な、添加方法及び添加量の例として、シール層11にケイ酸塩6000〜12000ppm、PMMA粒子2,000〜6,000ppm、脂肪酸アミド300〜1,000ppm、サポート層13にケイ酸塩4,000〜8,000ppm添加することにより、本発明の主な課題を満足し、かつ、さらに耐ブロッキング性にも優れた積層フィルムを得ることができる。さらに、上記添加剤が粒状のものであれば、その平均粒径は0.05μm〜20μmが好ましく、0.1〜10μm以下がより好ましい。
【実施例】
【0042】
以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
【0043】
[用いた樹脂]
PE1:MFRが15g/10分、密度0.912g/cm3のシングルサイト系触媒直鎖状低密度ポリエチレン。
PE2:MFRが5.0g/10分、密度0.918g/cm3の過酸化物を用いた高圧法低密度ポリエチレン。
PE3:MFRが2g/10分、密度0.929g/cm3のチグラーナッタ系直鎖状低密度ポリエチレン。
【0044】
PE4:MFRが3.5g/10分、密度0.924g/cm3の過酸化物を用いた高圧法低密度ポリエチレン。
PE5:MFRが3.5g/10分、密度0.921g/cm3のシングルサイト系触媒直鎖状低密度ポリエチレン。
PE6:MFRが2.8g/10分、密度0.932g/cm3のチグラーナッタ系直鎖状低密度ポリエチレン。
【0045】
HDPE1:MFRが7.6g/10分、密度0.958g/cm3の高密度ポリエチレン。
HDPE2:MFRが8.6g/10分、密度0.945g/cm3の高密度ポリエチレン。
【0046】
PB1:MFRが1.8g/10分、密度0.915g/cm3、融点125℃のポリブテン−1である三井化学(株)製「商品名:ビューロンBL4000」。
PB2:MFRが20g/10分、密度0.917g/cm3、融点123℃のポリブテン−1である三井化学(株)製「商品名:ビューロンBL7000」。
PB3:MFRが1.0g/10分、密度0.900g/cm3、融点75℃のポリブテン−1である三井化学(株)製「商品名:ビューロンM2181」。
【0047】
PEP:MFRが5.4g/10分、密度0.87g/cm3のエチレン−プロピレン共重合体である三井化学(株)製「商品名:タフマーP」。
PEB:MFRが3.6g/10分、密度0.88g/cm3のエチレン−ブテン共重合体である三井化学(株)製「商品名:タフマーA」。
PPB:MFRが10g/10分、密度0.90g/cm3のプロピレン−ブテン共重合体であるサンアロマー(株)製「商品名:Clyrell722RCXP」。
PEPB:MFRが5.5g/10分、密度0.90g/cm3のエチレン−プロピレン−ブテン三元共重合体であるサンアロマー(株)製「商品名:Adsyl5C37F」。なお、Tcp、ΔH、Tmpはそれぞれ84.5℃、63.1J/g、135℃である。
【0048】
PP1:エチレン含有量が6.5質量%、温度230℃、荷重2.16KgのMFRが20g/10分のプロピレン−エチレンランダムコポリマー。
PP2:温度230℃、荷重2.16KgのMFRが8.5g/10分のホモポリプロピレン。
【0049】
(実施例1〜9および比較例1〜5)
〔試験片の作成〕
[混練処理]
表1に示すシール層各成分及び遮蔽層各成分の配合、ペレット化は次のとおり行った。
シール層構成材料の(a−1)成分及び(a−2)成分、必要に応じさらに(a−11)成分をタンブラーで混合した後、(株)神戸製鋼所製二軸押出機(KTX37型)を用いて、温度190〜210℃でペレット化した。なお、このときブロッキング防止剤としてPMMA粒子を4,000ppm添加した。
一方、JIS K 7210に準拠し、温度230℃、荷重21.18Nで測定したMFRが7g/10分のホモポリプロピレンに平均粒径2μmの二酸化チタン50質量%を含む二酸化チタンマスターバッチを作成した。遮蔽層構成材料の(b−1)成分に前記マスターバッチを用い所定量の(b−2)成分を添加し(株)神戸製鋼所製二軸押出機(KTX37型)を用いて、温度230℃でペレット化した。
【0050】
[シーラントフィルムの製造]
上記、混練処理した各ペレットを用い、口径65mmφ、ダイス幅1,300mmである東芝機械(株)製Tダイフィルム成形機を用い、ダイス温度210℃、冷却温度70℃で、シーラントフィルムを作成した。なお、フィルムの層構成及び厚みはシール層/遮蔽層=8μm/32μmの2種2層またはシール層/遮蔽層/サポート層=6μm/28μm/6μmの3種3層構成とした。
[包装材料の製造]
次に、シーラントフィルムのシール層の反対側の面に、厚み15μmのポリアミド樹脂からなるナイロンフィルム及び厚み12μmのポリエステルフィルムをウレタン系接着剤によりドライラミネート法で積層し包装材料を得た。
【0051】
[ヒートシール]
包装材料のシーラントフィルム面同士を合わせテスター産業(株)製ヒートシーラーを用い、圧力0.2MPa、時間1秒で、ヒートシールを行った。なお、ヒートシール温度は120℃、140℃及び160℃とした。
【0052】
〔物性測定方法〕
[ヒートシール性]
各温度でヒートシール後の試験片を幅15mmに切り出し、オリエンテック社製引張り試験機(RTA−100型)を用いて、引張り速度300mm/分の条件で180度剥離によりヒートシール強度を求めた。なお、試験は10点行い、その平均値を求めた。なお、ヒートシール温度は上述したように120℃、140℃、160℃の3点である。
[遮蔽性]
ヘイズ;JIS K 7105の方法に準拠し、全ヘイズを測定した。
透視性;蓋材のシール層側に少量の味噌を付着させ、反対面から次の基準で目視判断した。
○;味噌付着部の味噌の色が見えない。
×;味噌付着部の味噌の色が透けて見える。
【0053】
【表1】

【0054】
表1から明らかなように、各実施例のものは各ヒートシール温度においてヒートシール強度が適度であり、120〜160℃という低温での低温ヒートシール性とイージーピール性とを兼ね備えていた。しかも各実施例のものは、ヒートシール温度間でヒートシール強度に大きな変動がなく、ヒートシール強度の安定性にも優れていた。また、これらのものは遮蔽性も十分であった。
一方、シール層の(a−1)成分にメタロセン触媒またはシングルサイト系触媒により製造された直鎖状低密度ポリエチレン以外のものを使用した比較例1〜3では、ヒートシール性が悪かった。具体的には、比較例1では、ヒートシール温度が160℃の場合、120℃の場合や140℃の場合と比較して急激にヒートシール強度が上昇していて、ヒートシール温度幅が狭くヒートシール強度の安定性に劣っていた。比較例2では各温度でのヒートシール強度が弱すぎ、比較例3では各温度でのヒートシール強度が強すぎる結果となった。また、比較例4および5のものは、遮蔽層に適量の二酸化チタン(b−2)を含んだものでないため、遮蔽性が不十分であった。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明のシーラントフィルムの一例を示す断面図である。
【図2】本発明のシーラントフィルムの他の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0056】
10 シーラントフィルム
11 シール層
12 遮蔽層
13 サポート層


【特許請求の範囲】
【請求項1】
メタロセン触媒またはシングルサイト系触媒により製造された直鎖状低密度ポリエチレン(a−1)60〜90質量%と、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン三元共重合体、ポリブテン−1からなる群から選ばれた少なくとも1種の樹脂(a−2)10〜40質量%とを含むシール層の片面に、
密度0.945〜0.970g/cm3の高密度ポリエチレン(b−1)を主成分とし、二酸化チタン(b−2)を5〜10質量%含む遮蔽層が積層したことを特徴とするシーラントフィルム。
【請求項2】
直鎖状低密度ポリエチレン(a−1)の一部が低密度ポリエチレン(a−11)に置換され、該低密度ポリエチレン(a−11)の配合割合が前記シール層中30質量%以下であることを特徴とする請求項1に記載のシーラントフィルム。
【請求項3】
前記直鎖状低密度ポリエチレン(a−1)は、密度が0.890〜0.935g/cm3で、メルトフローレートが2〜20g/10分であることを特徴とする請求項1または2に記載のシーラントフィルム。
【請求項4】
前記高密度ポリエチレン(b−1)は、メルトフローレートが1〜15g/10分であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のシーラントフィルム。
【請求項5】
メタロセン触媒またはシングルサイト系触媒により製造された直鎖状低密度ポリエチレン(c−1)を主成分とするサポート層が、前記遮蔽層側に積層したことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のシーラントフィルム。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載のシーラントフィルムを備えたことを特徴とする包装材料。
【請求項7】
ガスバリア層及び/または保護層を備えたことを特徴とする請求項6に記載の包装材料。
【請求項8】
請求項6または7に記載の包装材料からなることを特徴とする蓋材。
【請求項9】
請求項8に記載の蓋材を備えたことを特徴とする容器。


【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−305886(P2006−305886A)
【公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−131856(P2005−131856)
【出願日】平成17年4月28日(2005.4.28)
【出願人】(000000550)オカモト株式会社 (118)
【Fターム(参考)】