説明

シール印刷物の抜き加工方法

【課題】 輪転印刷機又は凸版印刷機では、ロール状の原紙を印刷して打ち抜くもであるが、印刷機そのものが複雑で高価なものであり、PCプリンターや通常の印刷機でも印刷可能な枚葉状のシール印刷では、格子状の抜き型により一気に半抜き加工をしており、抜き型の型代が高価で、少量のシール印刷では単価が高価なものに成っていた。
【解決手段】 短冊状のシール印刷物と、ストッカー手段と、移送と停止とを繰り返す移送手段と、シール印刷物を乗載させるベースと、昇降自在に配設された抜き型と、を用いて、短冊状のシール印刷物を複数枚重ねてストッカー手段に収納する工程と、ストッカー手段から短冊状のシール印刷物を一枚宛ベースの上面に乗載させる工程と、ベースの上面に乗載させた短冊状のシール印刷物を一コマ分のシール部分を抜き型により半抜き加工する工程と、を含むものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シール印刷物の抜き加工方法に関するものであり、更に詳細には、複数コマのシール部分を印刷された枚葉状のシール印刷物を短冊状にカットして少量でも経済的に抜き加工をするための枚葉状のシール印刷物の抜き加工方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、シール印刷物は、大別してロール状のものと枚葉状のものとの2つの方法で行われており、接着層を裏面に有する印刷用基材と剥離層を表面に有する剥離基材とを積層して、印刷用基材の表面に複数のコマとなる複数のシール部分を印刷しているものであるが、1つのコマを形成する印刷された一コマ分のシール部分の印刷用基材を剥離基材から剥離する必要があり、剥離基材を残して印刷用基材のみを切断する半抜き加工を実施するものである。
【0003】
そして、ロール状のシール印刷物では、ロール状に捲着した印刷用基材と剥離基材とを積層した加工前の原紙の巾方向を印刷する一コマ分のシール部分のサイズに切断したロール状のもので、つまり、50mm×50mmの一コマ分のシール部分を加工する場合は、原紙を50mmの巾に切断してロール状に捲着しており、捲着した原紙を50mm宛繰り出し停止させると共に先端側は巻き取りものであるが、繰り出す側のロールと巻き取り側のロールとの間で、凸版印刷等の印刷を行い、次に抜き型を用いて半抜き加工をしており、巻き取ったロール状のシール印刷物は後の工程で適宜の長さに揃えて切断しているものである。
【0004】
次いで、枚葉状のものは例えばB4サイズの原紙を製造して、4段5列の20コマのシート部分に印刷して、格子状の抜き型により一気に半抜き加工をしているものである。
【0005】
また、例えば、印刷・打抜装置は給紙部1からの紙Wを一定速度で印刷し、これを連続して一定速度で打抜装置3に送り、排出部4でロール状に巻き取る。打抜装置3はステッパ32を進退動させて紙Wを支持しながら送り、紙の上面側には切刃40が固定され、下面側に受部材43が昇降自在に設けられたものから成る。ステッパ32を紙Wの送り速度に同期して反対方向に移動させ静止状態を作り、その間に打抜きするもの(特許文献1参照)や、シール印刷物1はその表面に印刷層を有し、印刷層は漫画のコマ割りと識別可能な枠絵柄2とコマの中の絵柄4を有している。そして、印刷層、基材、接着層を貫く抜き加工部3は枠絵柄2と重なっているおり、コマ5、コマ6、コマ7、コマ8、コマ9、コマ10は各々が独立したシールとして取り外して他のものに貼着することができるもの(特許文献2参照)等が開示されている。
【特許文献1】特開平6−285796号公報
【特許文献2】特開平11−265147号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
然し乍ら、特許文献1に記載のものは、所謂、輪転印刷機又は凸版印刷機であり、ロール状の原紙を印刷して打ち抜くもであるが、印刷機そのものが複雑で高価なものであり、零細な印刷業者では購入できるものでは無く、大手企業が大量のシール印刷物を印刷するのに好適なものである。
【0007】
また、特許文献2に記載のものは、PCプリンターや通常の印刷機でも印刷可能な枚葉状のシール印刷であり、必要とするシール部分の形状や格子状の抜き型により一気に半抜き加工をしているものであるが、抜き型の型代がB4サイズでも3〜10万程度かかるものであり、少量のシール印刷しか必要としない場合には一枚当たりの単価が高価なものに成っていた。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題に鑑み鋭意研鑚の結果、本発明のシール印刷物の抜き加工方法は、表面に多列多段に面付けされ複数コマのシール部分が印刷された印刷用基材と接着層と剥離層と剥離基材とを順次積層した枚葉状のシール印刷物を一定巾の短冊状に切断した短冊状のシール印刷物において、短冊状のシール印刷を多数枚重ねて収容して一枚宛送出するストッカー手段と、ストッカー手段から送出された短冊状のシール印刷物を一コマ分宛の移送と停止とを繰り返す移送手段と、移送手段で移送されるシール印刷物を上面に乗載させるベースと、ベースの上方に昇降自在に配設された一コマ分の抜き型と、を用いて、短冊状のシール印刷物を複数枚重ねてストッカー手段に収納する工程と、ストッカー手段から短冊状のシール印刷物を一枚宛ベースの上面に乗載させる工程と、ベースの上面に乗載させた短冊状のシール印刷物を一コマ分のシール部分を抜き型により半抜き加工する工程と、を含むものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明のシール印刷物の抜き加工方法は、入手が容易なPCプリンターや一般の印刷機で印刷された枚葉状のシール印刷物を一定巾の短冊状に切断して短冊状のシール印刷物に加工し、該短冊状のシール印刷物を一コマ分のシール部分に合わせて順次半抜きするもので、型代を大幅に廉価とするため、特に、少量のシール印刷物しか必要としない場合には有効な抜き加工方法で、極めて実用性の高い発明である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明は、シール印刷物の抜き加工方法に関するものであり、更に詳細には、複数コマのシール部分を印刷された枚葉状のシール印刷物を短冊状にカットして少量でも経済的に抜き加工をするための枚葉状のシール印刷物の抜き加工方法に関するものであり、表面に多列多段に面付けされ複数コマのシール部分が印刷された印刷用基材と接着層と剥離層と剥離基材とを順次積層した枚葉状のシール印刷物を一定巾の短冊状に切断した短冊状のシール印刷物において、前記短冊状のシール印刷を多数枚重ねて収容して一枚宛送出するストッカー手段と、該ストッカー手段から送出された短冊状のシール印刷物を一コマ分宛の移送と停止とを繰り返す移送手段と、該移送手段で移送されるシール印刷物を上面に乗載させるベースと、該ベースの上方に昇降自在に配設された一コマ分の抜き型と、を用いて、前記短冊状のシール印刷物を複数枚重ねてストッカー手段に収納する工程と、該ストッカー手段から短冊状のシール印刷物を一枚宛ベースの上面に乗載させる工程と、該ベースの上面に乗載させた短冊状のシール印刷物を一コマ分のシール部分を抜き型により半抜き加工する工程と、を含むことを特徴とするものである。
【実施例】
【0011】
即ち、本発明のシール印刷物の抜き加工方法のシール印刷物は、印刷用基材と剥離基材とを積層した枚葉状のものであり、印刷用基材には裏面に接着層を備え、剥離基材には表面に剥離層を備えて、接着層と剥離層と合着させて積層しているもので、印刷用基材の表面には多列多段、実施例では、5列×4段に20コマの面付けされたシール部分を印刷されているものである。
【0012】
そして、実施例の5列×4段に20コマの面付けされたシール部分を備えた枚葉状のシール印刷物を一定巾、つまり、1列宛の短冊状に切断するもので、汎用されているカッター装置で短冊状に切断するものである。
【0013】
次に、ストッカー手段は、短冊状のシール印刷を多数枚重ねて収容できると共に、後述するベースの上に一枚宛送出可能もので、後述する移送手段に受け渡すものである。
【0014】
次いで、移送手段は、ストッカー手段から送出される短冊状のシール印刷物を移送するものであり、汎用されているアームの先端にバキューム吸着する吸盤を備えた移送手段でも、一対のローラーで挟持して移送するものでも構わないものであるが、一コマ分の移送と停止を繰り返すものである。
【0015】
更に、ベースは、移送手段で移送された短冊状のシール印刷物を上面に乗載させるためのもので、後述する抜き型で半抜きするための台となるものである。
【0016】
更には、抜き型は、ベースの上方に昇降自在に配設されていもので、一コマ分、つまり、矩形状の一コマ分の刃を有するものである。
【0017】
そして、短冊状のシール印刷物は、多数列多数段に印刷された枚葉状のシール印刷物を周知のカッター手段で印刷されたシール部分の境目を一定巾の短冊状に切断するものであり、縦方向に一列を切断しても、横方向に一段を切断しても構わないもので、短冊状に成れば構わないものである。
【0018】
次に、ストッカー手段に収納する工程では、短冊状に切断したシール印刷物を多数枚重ねて、ストッカー手段に収納するものである。
【0019】
次いで、ベースの上面に乗載する工程では、多数枚重ねて収納した短冊状のシール印刷物をストッカー手段から一枚宛移送手段を用いて移送して乗載させるものである。
【0020】
更に、一コマ分のシール部分を抜き型により半抜き加工する工程では、ベースの上面に乗載させた短冊状のシール印刷物を一コマ分のシール部分に合わせて境目を抜き型により一コマ分宛半抜き加工するものである。
【0021】
更には、半抜き加工された短冊状のシール印刷物は、再度、移送手段を用いて収納側のストッカーに多数枚積層させるものである。
【0022】
また、本発明のシール印刷物の抜き加工方法の一コマ分宛半抜きする工程をロール状のシール印刷物の印刷後の抜き加工に用いることも可能であり、また、一般的にロール状のシール印刷物は、大量に印刷できるものであるが、多色に色を重ねるための位置合わせが困難であることから、単色印刷が主流であり、一方、枚葉状のシール印刷物は、位置合わせが容易にできることから多色、及び、フルカラーのシール印刷が可能なものである。
【産業上の利用可能性】
【0023】
本発明のシール印刷物の抜き加工方法は、入手が容易なPCプリンターや一般の印刷機で印刷された枚葉状のシール印刷物を一定巾の短冊状に切断して短冊状のシール印刷物に加工し、該短冊状のシール印刷物を一コマ分のシール部分に合わせて半抜きするもので、型代が大幅に廉価にできるもので、特に、少量のシール印刷物を経済的に加工する方法を提供するものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に多列多段に面付けされ複数コマのシール部分が印刷された印刷用基材と接着層と剥離層と剥離基材とを順次積層した枚葉状のシール印刷物を一定巾の短冊状に切断した短冊状のシール印刷物において、前記短冊状のシール印刷を多数枚重ねて収容して一枚宛送出するストッカー手段と、該ストッカー手段から送出された短冊状のシール印刷物を一コマ分宛の移送と停止とを繰り返す移送手段と、該移送手段で移送されるシール印刷物を上面に乗載させるベースと、該ベースの上方に昇降自在に配設された一コマ分の抜き型と、を用いて、前記短冊状のシール印刷物を複数枚重ねてストッカー手段に収納する工程と、該ストッカー手段から短冊状のシール印刷物を一枚宛ベースの上面に乗載させる工程と、該ベースの上面に乗載させた短冊状のシール印刷物を一コマ分のシール部分を抜き型により半抜き加工する工程と、を含むことを特徴とするシール印刷物の抜き加工方法。

【公開番号】特開2009−178839(P2009−178839A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−46816(P2008−46816)
【出願日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願人】(507150493)
【Fターム(参考)】