スクリーン装置
【課題】可動框によるスクリーンの開閉操作に伴って、スクリーンの端部が固定される側枠及び可動框の一方における下端から出入りするスクリーンガイドに下端を安定的に保持させるとともに、巻軸のスクリーン枠の見付方向に沿う移動をより円滑化して、スクリーンの開閉操作の安定化及び円滑化を図る。
【解決手段】横枠4にガイドされて横移動する可動框12及び巻軸16を備える。側枠6と可動框12との間に巻軸16に巻き取られるスクリーン14A,14Bを張設する。スクリーン14Bの端部が固定される可動框12の下端から出入りするスクリーンガイド18の一端を側枠6の下端に固定する。スクリーンガイド18に巻軸16及びスクリーン14A,14Bの各下端をスクリーンの張設面と直交する方向にのみガイドさせる。
【解決手段】横枠4にガイドされて横移動する可動框12及び巻軸16を備える。側枠6と可動框12との間に巻軸16に巻き取られるスクリーン14A,14Bを張設する。スクリーン14Bの端部が固定される可動框12の下端から出入りするスクリーンガイド18の一端を側枠6の下端に固定する。スクリーンガイド18に巻軸16及びスクリーン14A,14Bの各下端をスクリーンの張設面と直交する方向にのみガイドさせる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スクリーン枠の上部横枠にガイドされて横移動する可動框及び巻取機能を付与したスクリーンの巻軸を備え、上記スクリーン枠における一方の側枠と上記可動框との間に、中間に位置する上記巻軸に巻き取られるスクリーンを張設することにより構成されて、建物の開口枠に、防虫、防塵、遮光、断熱、又は目隠し等を目的として装着されるスクリーン装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
スクリーン枠の横枠にガイドされて横移動する可動框及びスクリーンの巻軸を備え、上記スクリーン枠における一方の側枠と上記可動框との間に、中間に位置する上記巻軸にスプリングの付勢力で巻き取られるスクリーンを張設したスクリーン装置は、例えば、特許文献1に開示されているようなものが従来より知られている。
ところが、上記従来のスクリーン装置は、可動框によるスクリーンの開閉操作に応動してスクリーン枠の一方の側枠に導出入りされる上下一対のスクリーンガイドに、上記スクリーンの巻軸の上下端部が摺動自在ではあるが係合保持されているため、スクリーンの開閉操作に伴うスクリーンガイドと巻軸との相対移動によって、該巻軸のスクリーン開閉方向に沿う移動が不円滑になり、延いてはスクリーンの開閉操作が不円滑になってしまう虞がある。
【特許文献1】特開2005−351046号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
如上に鑑みて、本発明の技術的課題は、スクリーン枠の上部横枠にガイドされて横移動する可動框及び巻取機能を付与したスクリーンの巻軸を備え、上記スクリーン枠における一方の側枠と上記可動框との間に、中間に位置する上記巻軸に巻き取られるスクリーンを張設するようにしたスクリーン装置において、上記可動框によるスクリーンの開閉操作に伴って、スクリーンの端部が固定される側枠及び可動框の一方における下端から出入りするスクリーンガイドに下端を安定的に保持させるとともに、該巻軸における上記スクリーン枠の見付方向に沿う移動をより円滑に行えるように構成することにより、上記スクリーンの開閉操作を安定的に且つ円滑に行えるようにすることにある。
本発明の他の技術的課題は、上記巻軸の移動の円滑化ばかりでなく、上記スクリーンの開閉操作に供する可動框を、上記スクリーン枠に対して安定的に平行移動させることができるように構成することにより、該可動框によるスクリーンの開閉操作をより安定化させたスクリーン装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するため、本発明は、スクリーン枠の上部横枠にガイドされて横移動する可動框及びスプリングによる巻取機能を付与したスクリーンの巻軸を備え、上記スクリーン枠における一方の側枠と上記可動框との間に、中間に位置する上記巻軸に上記スプリングの付勢力で巻き取られるスクリーンを張設するようにしたスクリーン装置において、上記スクリーンの端部が固定される側枠及び可動框の一方における下端から可動框の横移動に伴って出入りする可撓のスクリーンガイドの一端を、上記側枠及び可動框の他方における下端に固定し、上記スクリーンガイドに、前記巻軸及びスクリーンの各下端をスクリーンの張設面と直交する方向にのみ拘束してガイドさせたことを特徴とするものである。
【0005】
本発明に係るスクリーン装置の好ましい実施形態においては、上記スクリーンガイドを、上記可動框の横移動に伴って該可動框の下端からその内部に出入りするものとして、該スクリーンガイドの一端が上記スクリーンの端部が固定されている側枠の下端に固定される。
本発明に係るスクリーン装置の他の好ましい実施形態においては、スクリーンの端部が固定される側枠と可動框との間の対向部に、上記巻軸に巻き取ったスクリーンを該巻軸とともに収容する収納部が形成される。
本発明に係るスクリーン装置の他の好ましい実施形態においては、上記可動框の姿勢をその移動に際して一定に拘束する該可動框の平行移動機構が、上記スクリーン枠と可動框との間に張設されたワイヤー及び該ワイヤーを先端に連結した上記スクリーンガイドにより構成され、この場合、上記ワイヤーの一部に、側枠または可動框の下端からそれらの内部に導入されているスクリーンガイドの重量をバランスさせるための重錘を取り付けることができ、また、上記可動框は上部横枠に吊下することなく上下の横枠にガイドさせ、上記巻軸は上部横枠に吊車を有する吊部材で上吊りするとともに下端をスクリーンガイドに遊動自在に保持させるのが望ましい。
本発明に係るスクリーン装置の他の好ましい実施形態においては、上記スクリーンが、その中間に設けた複数の巻軸に巻き取られる複数のスクリーン群で構成される。
【発明の効果】
【0006】
以上に詳述した本発明に係るスクリーン装置によれば、スクリーン枠における一方の側枠と上部横枠にガイドされて横移動する可動框との間に、巻軸に巻き取られるスクリーンを張設したスクリーン装置において、スクリーンの端部が固定される側枠及び可動框の一方における下端から出入りするスクリーンガイドに、上記巻軸及びスクリーンの各下端を安定的に保持可能とするとともに、該巻軸のスクリーン枠に沿う移動をより円滑に行えるように構成することにより、上記スクリーンの開閉操作を安定的に且つ円滑に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下に、本発明のスクリーン装置を実施するための最良の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に説明する各実施例においては、本発明に係るスクリーン装置を防虫網戸に適用した場合について示しているが、本発明に係るスクリーン装置は、防虫を目的とするものに限定されず、防塵、遮光、断熱又は目隠し等を目的としたスクリーン装置にも適用することができるものである。
【0008】
図1〜図4は、本発明に係るスクリーン装置の第1実施例を示している。このスクリーン装置は、図1に示すように、上部の横枠4、左右の側枠6,8及び下部の横枠10からなるスクリーン枠2内に、上部の横枠4にガイドされて横移動する可動框12、並びにコイルスプリング16aの回転付勢力による巻取機能が付与されたスクリーン14A,14Bの巻軸16を備えており、スクリーン14Aの一端を固定した上記側枠6とスクリーン14Bの一端を固定した上記可動框12との中間に位置する上記巻軸16に、それらの両スクリーン14A,14Bの各他端を固定することにより、該巻軸16に両スクリーン14A,14Bが巻き取られるように構成したものである。そして、上記可動框12の横移動に伴ってその下端から出入りする可撓のスクリーンガイド18の一端を、上記スクリーン14Aの端部が固定された側枠6の下端に固定し、該スクリーンガイド18に上記巻軸16及びその両側のスクリーン14A,14Bの各下端を遊動自在にガイドさせている。
【0009】
上記可動框12は、図2に示すように、スクリーン枠2を構成する上部横枠4に吊車を備えた吊部材等のスライド移動のための手段によって吊支されることなく、その上下端をそれぞれ上下の横枠4,10に単に摺動自在にガイドさせている。具体的には、上記可動框12の上端においては、下面側に開口する上部横枠4における対向する一対のガイド壁4aに該可動框12の両側面をガイドされており、一方、該可動框12の下端においては、その下面両側から垂下させた対向する一対の係合壁12aを、該可動框12及びスクリーンガイド18のガイドレールとしての下部横枠10の両側縁10aに係合させるとともに、該可動框12の下面に設けた一対の転動子12bが下部横枠10の上面を転動するようにしている。なお、下部横枠10は必ずしも設ける必要がなく、上記転動子12bを直接床面上に転動させることができる。
【0010】
上記一対のスクリーン14A,14Bは、それぞれ略同丈同幅の防虫網からなり、それらのスクリーン14A,14Bの各一端を上記スクリーン枠2を構成する一方の側枠6及び可動框12にそれぞれ固定するとともに、両スクリーン14A,14Bの各他端をそれらの中間に位置する上記巻軸16にそれぞれ固定することにより、該巻軸16に内蔵されたコイルスプリング16aの回転付勢力によって、該巻軸16に巻き取り及び繰り出し自在に巻回されている。
また、上記巻軸16の上端には、図1及び図3に示すように、該巻軸16に対して回転自在の連結手段を介して、一対の吊車20aを備えた吊部材20が付設されており、該吊車20aを上部横枠4における一対のガイド壁4aの各内面に対向して立設したガイドレール4b上に転動自在に係合させることにより、上記巻軸16を上部横枠4に対して移動自在に吊支させている。なお、巻軸16の下端は、後述するように、単にスクリーンガイド18に遊動自在に保持させている。
【0011】
一方、図4に示すように、上記可動框12における上記スクリーン14Bの取付部の両側には、該スクリーン14Bの取付端に付設した取付板22を係止させるための内側に相対向する一対の係止部片12cが形設されており、該係止部片12cの形設部分から上記側枠6の方向に、外側に略鉤形に折曲する一対の袖壁12dを延設することにより、上記巻軸16に巻き取ったスクリーン14A,14Bを該巻軸16とともに収容するための収納部を形成している。それにより、上記可動框12を図5に示すようなスクリーン14A,14Bの全収納位置(全開放位置)まで横移動させたときに、該スクリーン14A,14Bを巻軸16に巻き取った状態で上記袖壁12dにより外部から遮蔽することができる。
なお、上記収納部を構成する袖壁12dは、上記可動框12におけるスクリーン14Bの取付部に形成するものに限定されず、該可動框12と相対峙するルスクリーン枠2の側枠6におけるスクリーン14Aの取付部にその全部または一部を形成したものとして構成することもできる。
【0012】
上記スクリーンガイド18は、図1、図3及び図4に示すように、合成樹脂で形成した多数のガイド駒18Aを可撓性を有するワイヤー18Bで連結することにより、長尺且つ湾曲可能に形成されており、該スクリーンガイド18の一端が上記側枠6の下端に固定され、その他端側が上記可動框12の横移動に伴って該可動框12の下端に開設された開口12eからその内部に湾曲して出入りするように構成されている。そして、上記可動框12によるスクリーンの展張操作によって上記巻軸16からスクリーン14A,14Bが繰り出されると、上記スクリーンガイド18が可動框12内から下部横枠10上にスクリーン14A,14Bの各下端に沿って直線的に導出されて、上記巻軸16及びスクリーン14A,14Bの各下端をガイドするようになっている。
なお、上述したように、上記可動框12にスクリーン14A,14Bを巻き取った状態の巻軸16を収容する収納部を設けて見付方向の幅を大きくしておくと、該可動框12の下端における上記スクリーンガイド18の屈曲回転の曲率半径を大きくすることができるので、上記可動框12の横移動に伴う該スクリーンガイド18の屈曲を円滑化することができる。
【0013】
ここで、上記スクリーンガイド18は、その一端を上記側枠6の下端に固定して、その他端側が上記可動框12の内部に湾曲して出入りするように構成したものに限定されるものではなく、図10を参照して後述するように、その一端を可動框12の下端に固定して、その他端側がスクリーン枠2におけるスクリーン14Aの端部を固定した側枠6の内部に湾曲して出入りするように構成することもできる。この場合、上記側枠6は、スクリーンガイド18が出入りできる程度の大きさの中空に形成する必要があるのはいうまでもない。
【0014】
上記スクリーンガイド18を構成するガイド駒18Aは、図3及び図4に示すように、スクリーン14A,14Bの下端に沿う底部18aと該スクリーンの外面に沿って立ち上がる立壁部18bとにより略U字状に形成したもので、該ガイド駒18Aにおける立壁部18bの先端部に沿って、ワイヤー18Bを挿通する通孔を設け、それぞれのガイド駒18Aの該通孔に上記ワイヤー18Bを挿通することにより、各ガイド駒18Aを回転可能に連結している。なお、図示は省略しているが、上記ワイヤー18Bの両端部には、上記スクリーンガイド18の両端のガイド駒18Aの外側端において、それぞれストッパー部材を付設して、各ガイド駒18Aがワイヤー18Bから抜脱しないようにしている。上記一対の立壁部18bは、それらの間にスクリーン14A,14Bを保持するだけでなく、巻軸16の下端を遊動自在に保持するものである。
【0015】
上記可動框12には、図1に示すように、該可動框12の横移動によるスクリーン14A,14Bの開閉操作時に、該可動框12の姿勢をその移動に際して一定に拘束し、該可動框12を安定的に平行移動させるための平行移動機構を付設している。この可動框12の平行移動機構は、上記スクリーンガイド18を利用したもので、上記スクリーン枠2における左右の側枠6,8と可動框12との間に張設された第1のワイヤー24A及び第2のワイヤー24Bを、上記スクリーンガイド18における上記可動框12の内部に導入される側の先端のガイド駒18Aに付設した固定部材26に連結することにより構成している。
【0016】
上記可動框12の平行移動機構を構成する第1及び第2のワイヤー24A,24Bの張設態様について具体的に説明すると、図6に概念的に示すように、上記第1のワイヤー24Aは、その一端が上記可動框12の内部においてスクリーンガイド18の先端のガイド駒18Aに付設した固定部材26に固定されており、その他端を該可動框12の上端部へと導き、そして、該可動框12の上端部において転向して、上部横枠4に沿って側枠8の上端部に架け渡したうえで、該側枠8の内部において該ワイヤー24Aの張力を調節可能に固定している。
【0017】
一方、上記第2のワイヤー24Bは、上記第1のワイヤー24Aと同様に、その一端が上記可動框12の内部においてスクリーンガイド18の先端の固定部材26に固定されており、その他端を可動框12の下端部へと導くとともに、該可動框12の下端部において折り返して該可動框12の内部をその上端部へと導き、次いで、該可動框12の上端部において転向して、上部横枠4に沿って側枠6の上端部へと架け渡し、さらに、該側枠6の上端部の挿通孔6aに挿通して折り返して、上部横枠4に沿ってもう一方の側枠8の上端部に架け渡したうえで、該側枠8の内部において該ワイヤー24Bの張力を調節可能に固定している。
なお、上述したように、上記第2のワイヤー24Bは必ずしも上記側枠8まで導く必要はなく、側枠6の上端に固定することもできるが、上記第1及び第2のワイヤー24A,24Bの端部を側枠8において近接して固定することにより、それらのワイヤー24A,24Bの張力調整等を一括して容易に行うことができる。
【0018】
このように構成することにより、上記可動框12をスクリーン枠2に対して安定的に平行移動させることができ、延いては該可動框12によるスクリーン14A,14Bの開閉操作をより安定化させることができる。
なお、上記第1及び第2のワイヤー24A,24Bは、上記可動框12及び巻軸16等との干渉を避けるため、図2,図3及び図6に示すように、上部横枠4における両ガイド壁4aの内側のガイドレール4bに近接した位置で、且つスクリーン枠2の表裏両側に偏位した位置に架け渡すのが適切である。
【0019】
上記構成を有するスクリーン装置においては、可動框の姿勢が上記平行移動機構により一定に保持され、その可動框12と一方の側枠6との間に張設されるスクリーン14A,14Bに対して、巻軸16内のコイルスプリング16aによる巻取り方向の付勢力が作用しているので、逆に上記巻軸16はコイルスプリング16aの付勢力でスクリーンの張設面内における姿勢が保持されることになる。なお、巻軸16の軸線方向の移動は該巻軸16の自重により拘束されている。
したがって、巻軸16の姿勢は、その下端部がスクリーンの張設面に対して直交する方向にのみ移動して傾動できるものであるが、その巻軸16の下端を前述したようにスクリーンガイド18におけるガイド駒18Aの一対の立壁部18b間に遊動自在に保持させると、該巻軸16は他部材と強く接触したりすることなくその姿勢が安定化し、延いては巻軸16によるスクリーン14A,14Bの巻取り、巻戻しが円滑化し、スクリーンの開閉を軽快に行うことが可能となる。しかも、上記スクリーンガイド18は、可動框12によるスクリーン14A,14Bの開閉操作に伴って、該可動框12の下端から出入し、上記巻軸16及びスクリーン14A,14Bの下端に対して相対移動するものでありながら、それらの各下端を安定的に保持させることができる。
【0020】
また、上記スクリーン枠2と可動框12との間に張設された第1及び第2ワイヤー24A,24Bを、上記スクリーンガイド18の先端のガイド駒18Aに付設した固定部材26に連結することにより、上記可動框12に平行移動機構を付設したものとして構成しているが、上記平行移動機構を構成するワイヤーの張設態様は、上述した第1実施例のものに限定されるものではなく、例えば、以下の第2〜4実施例に示す張設態様とすることができる。
すなわち、図7に示す第2実施例においては、上記可動框12の平行移動機構を構成するワイヤー24は、上記第1実施例における第1及び第2のワイヤー24A,24Bの上記側枠8内の固定端を該側枠8の内部の同一箇所に張力調整可能に固定し、あるいは両ワイヤー24A,24Bの端部を連結して上記側枠8の内部に張力調整可能に固定することにより、実質的に1本のワイヤー24として構成したものである。
【0021】
次に、図8に示す第3実施例における可動框12の平行移動機構は、第1のワイヤー24Aの張設態様は前記第1実施例と同様としているが、上記第2のワイヤー24Bを、上記スクリーン枠2の側枠8まで架け渡すことなく、該側枠8に対向する側枠6の内部に張力調整可能に固定し、あるいは重錘を吊下可能にしたものである。すなわち、上記第2のワイヤー24Bの一端は、スクリーンガイド18の先端のガイド駒18Aに付設した固定部材26に固定されており、その他端を上記可動框12の下端部へと導くとともに、該可動框12の下端部において折り返して該可動框12の内部をその上端部へと導き、次いで、該可動框12の上端部において転向して、上部横枠4に沿って側枠6の上端部へと架け渡したうえで該側枠6の下方に導き、該側枠6の内部において張力調整可能に固定している。このように構成することにより、上記可動框12及びスクリーン枠2に対する上記ワイヤー24Bの架け渡しを簡素化することができる。
【0022】
図9に示す第4実施例における可動框12の平行移動機構は、前記第2実施例におけるワイヤー24の張設態様と略同様としたものであるが、側枠8内において該ワイヤー24を張力調整可能に固定することなく、該ワイヤー24に重錘28を吊下することにより、上記可動框12の下端からその内部に導入されているスクリーンガイド18の重量をバランスさせたものである。すなわち、上記平行移動機構を構成するワイヤー24には、上記スクリーンガイド18が可動框12の下端から出入りする部分の摩擦力を主体とし、ワイヤー24の架け渡しによって生じる摩擦力等を含むところの上記巻軸16のコイルスプリング16aの回転付勢力に対する抵抗力が作用し、それに対して上記巻軸16のコイルスプリング16aの回転付勢力が対抗するが、可動框12内に導入されているスクリーンガイド18の重量も無視できないことがあり、そのため、それらの力がバランスする程度に上記重錘28の重量を設定して両者を拮抗させることにより、上記可動框12を任意の中間位置に安定的に停止させることが可能になる。
【0023】
ここで、上述した各実施例においては、上記スクリーンガイド18が、可動框12の下端から該可動框12の横移動に伴って出入りする場合について記載したが、図10に示す第5実施例のように、上記スクリーンガイド18を、可動框12の横移動に伴ってスクリーン14Aの端部を固定した側枠6の下端から出入りするように構成することもできる。
【0024】
上記第5実施例のスクリーン装置において、上記可動框12の平行移動機構を構成する第1及び第2のワイヤー24A,24Bの張設態様について具体的に説明すると、第1のワイヤー24Aは、その一端がスクリーン14Aの端部を固定した上記側枠6の内部においてスクリーンガイド18の先端のガイド駒18Aに付設した固定部材26に固定されており、その他端を該側枠6の上端部へと導き、そして、該側枠6の上端部において転向して、上部横枠4に沿って対向するもう一方の側枠8の上端部まで架け渡し、次いで、該側枠8の上端部において転向して、上部横枠4に沿って可動框12の上端部へと戻したうえで該可動框12の上端部において該ワイヤー24Aの張力を調節可能に固定している。
【0025】
一方、上記第2のワイヤー24Bは、上記第1のワイヤー24Aと同様に、その一端が上記側枠6の内部においてスクリーンガイド18の先端の固定部材26に固定されており、その他端を該側枠6の下端部へと導くとともに、該側枠6の下端部において折り返して該側枠6の内部をその上端部へと導き、次いで、該側枠6の上端部において転向して、上部横枠4に沿って上記可動框12の上端部へと架け渡したうえで該可動框12の上端部において該ワイヤー24Bの張力を調節可能に固定している。
【0026】
なお、上述した各実施例においては、一対のスクリーン14A,14Bの各一端を上記スクリーン枠2を構成する一方の側枠6及び可動框12にそれぞれ固定するとともに、両スクリーン14A,14Bの各他端をそれらの中間に位置する1本の巻軸16にそれぞれ固定することにより、該巻軸16に巻き取り及び繰り出し自在に構成した場合について記載したが、そのように構成したものに限定されるものではなく、図11の第6実施例に示すように、複数のスクリーン14A〜14Cからなるスクリーン群を、各スクリーン14A〜14Cの中間に位置する複数の巻軸16A,16Bに巻き取られるように構成することもできる。
【0027】
上記第6実施例のスクリーン装置においては、上記巻軸16A,16Bが、その両側の各スクリーンをそれぞれ均等な長さだけ巻き取るようにするため、上記各スクリーン14A〜14Cのスクリーン幅の比は、図11からわかるように、上記スクリーン14Aを1とした場合、スクリーン14Bは2とし、スクリーン14Cは1とするのが適切である。また、上記可動框12に形成した一対の袖壁12dからなる収納部において、各スクリーン14A〜14Cを巻き取った状態の両巻軸16A,16Bを収容して外部から遮蔽するには不十分である場合には、図11に示すように、上記スクリーン14Aの端部を固定している側枠6における該スクリーン14Aの取付部の両側に、上記可動框12の袖壁12dに対向して一対の袖壁6bを延設することにより、該可動框12の袖壁12d及び側枠6の袖壁6bによって形成される収納部内に、上記両巻軸16A,16Bに巻き取った各スクリーン14A〜14Cを両巻軸16A,16Bとともに収容して外部から遮蔽することができる。
【0028】
ここで、上述した第2〜6実施例のその他の構成及び作用は、実質的に前記第1実施例と変わるところがないから、同一部分または相当部分に同一符号を付して、それらの説明を省略する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の第1実施例に係るスクリーン装置の正断面図である。
【図2】図1のX−X線における側断面図である。
【図3】同Y−Y線における側断面図である。
【図4】図1の平断面図である。
【図5】第1実施例に係るスクリーン装置における収納部内に巻軸に巻き取ったスクリーンを該巻軸とともに収容した状態を説明する平断面図である。
【図6】第1実施例に係るスクリーン装置における平行移動機構を構成するワイヤーの張設態様を概念的に示す斜視図である。
【図7】本発明の第2実施例に係るスクリーン装置における平行移動機構を構成するワイヤーの張設態様を概念的に示す斜視図である。
【図8】本発明の第3実施例に係るスクリーン装置における同ワイヤーの張設態様を概念的に示す斜視図である。
【図9】本発明の第4実施例に係るスクリーン装置において、同ワイヤーの一部にスクリーンガイドの重量等をバランスさせるための重錘を取り付けた場合における該ワイヤーの張設態様を概念的に示す斜視図である。
【図10】本発明の第5実施例に係るスクリーン装置の正断面図である。
【図11】本発明の第6実施例に係るスクリーン装置の平断面図である。
【符号の説明】
【0030】
2 スクリーン枠
4 側枠(上部)
6,8 側枠
10 横枠(下部)
12 可動框
14A,14B,14C スクリーン
16,16A,16B 巻軸
18 スクリーンガイド
20 吊部材
20a 吊車
24,24A,24B ワイヤー
28 重錘
【技術分野】
【0001】
本発明は、スクリーン枠の上部横枠にガイドされて横移動する可動框及び巻取機能を付与したスクリーンの巻軸を備え、上記スクリーン枠における一方の側枠と上記可動框との間に、中間に位置する上記巻軸に巻き取られるスクリーンを張設することにより構成されて、建物の開口枠に、防虫、防塵、遮光、断熱、又は目隠し等を目的として装着されるスクリーン装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
スクリーン枠の横枠にガイドされて横移動する可動框及びスクリーンの巻軸を備え、上記スクリーン枠における一方の側枠と上記可動框との間に、中間に位置する上記巻軸にスプリングの付勢力で巻き取られるスクリーンを張設したスクリーン装置は、例えば、特許文献1に開示されているようなものが従来より知られている。
ところが、上記従来のスクリーン装置は、可動框によるスクリーンの開閉操作に応動してスクリーン枠の一方の側枠に導出入りされる上下一対のスクリーンガイドに、上記スクリーンの巻軸の上下端部が摺動自在ではあるが係合保持されているため、スクリーンの開閉操作に伴うスクリーンガイドと巻軸との相対移動によって、該巻軸のスクリーン開閉方向に沿う移動が不円滑になり、延いてはスクリーンの開閉操作が不円滑になってしまう虞がある。
【特許文献1】特開2005−351046号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
如上に鑑みて、本発明の技術的課題は、スクリーン枠の上部横枠にガイドされて横移動する可動框及び巻取機能を付与したスクリーンの巻軸を備え、上記スクリーン枠における一方の側枠と上記可動框との間に、中間に位置する上記巻軸に巻き取られるスクリーンを張設するようにしたスクリーン装置において、上記可動框によるスクリーンの開閉操作に伴って、スクリーンの端部が固定される側枠及び可動框の一方における下端から出入りするスクリーンガイドに下端を安定的に保持させるとともに、該巻軸における上記スクリーン枠の見付方向に沿う移動をより円滑に行えるように構成することにより、上記スクリーンの開閉操作を安定的に且つ円滑に行えるようにすることにある。
本発明の他の技術的課題は、上記巻軸の移動の円滑化ばかりでなく、上記スクリーンの開閉操作に供する可動框を、上記スクリーン枠に対して安定的に平行移動させることができるように構成することにより、該可動框によるスクリーンの開閉操作をより安定化させたスクリーン装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するため、本発明は、スクリーン枠の上部横枠にガイドされて横移動する可動框及びスプリングによる巻取機能を付与したスクリーンの巻軸を備え、上記スクリーン枠における一方の側枠と上記可動框との間に、中間に位置する上記巻軸に上記スプリングの付勢力で巻き取られるスクリーンを張設するようにしたスクリーン装置において、上記スクリーンの端部が固定される側枠及び可動框の一方における下端から可動框の横移動に伴って出入りする可撓のスクリーンガイドの一端を、上記側枠及び可動框の他方における下端に固定し、上記スクリーンガイドに、前記巻軸及びスクリーンの各下端をスクリーンの張設面と直交する方向にのみ拘束してガイドさせたことを特徴とするものである。
【0005】
本発明に係るスクリーン装置の好ましい実施形態においては、上記スクリーンガイドを、上記可動框の横移動に伴って該可動框の下端からその内部に出入りするものとして、該スクリーンガイドの一端が上記スクリーンの端部が固定されている側枠の下端に固定される。
本発明に係るスクリーン装置の他の好ましい実施形態においては、スクリーンの端部が固定される側枠と可動框との間の対向部に、上記巻軸に巻き取ったスクリーンを該巻軸とともに収容する収納部が形成される。
本発明に係るスクリーン装置の他の好ましい実施形態においては、上記可動框の姿勢をその移動に際して一定に拘束する該可動框の平行移動機構が、上記スクリーン枠と可動框との間に張設されたワイヤー及び該ワイヤーを先端に連結した上記スクリーンガイドにより構成され、この場合、上記ワイヤーの一部に、側枠または可動框の下端からそれらの内部に導入されているスクリーンガイドの重量をバランスさせるための重錘を取り付けることができ、また、上記可動框は上部横枠に吊下することなく上下の横枠にガイドさせ、上記巻軸は上部横枠に吊車を有する吊部材で上吊りするとともに下端をスクリーンガイドに遊動自在に保持させるのが望ましい。
本発明に係るスクリーン装置の他の好ましい実施形態においては、上記スクリーンが、その中間に設けた複数の巻軸に巻き取られる複数のスクリーン群で構成される。
【発明の効果】
【0006】
以上に詳述した本発明に係るスクリーン装置によれば、スクリーン枠における一方の側枠と上部横枠にガイドされて横移動する可動框との間に、巻軸に巻き取られるスクリーンを張設したスクリーン装置において、スクリーンの端部が固定される側枠及び可動框の一方における下端から出入りするスクリーンガイドに、上記巻軸及びスクリーンの各下端を安定的に保持可能とするとともに、該巻軸のスクリーン枠に沿う移動をより円滑に行えるように構成することにより、上記スクリーンの開閉操作を安定的に且つ円滑に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下に、本発明のスクリーン装置を実施するための最良の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に説明する各実施例においては、本発明に係るスクリーン装置を防虫網戸に適用した場合について示しているが、本発明に係るスクリーン装置は、防虫を目的とするものに限定されず、防塵、遮光、断熱又は目隠し等を目的としたスクリーン装置にも適用することができるものである。
【0008】
図1〜図4は、本発明に係るスクリーン装置の第1実施例を示している。このスクリーン装置は、図1に示すように、上部の横枠4、左右の側枠6,8及び下部の横枠10からなるスクリーン枠2内に、上部の横枠4にガイドされて横移動する可動框12、並びにコイルスプリング16aの回転付勢力による巻取機能が付与されたスクリーン14A,14Bの巻軸16を備えており、スクリーン14Aの一端を固定した上記側枠6とスクリーン14Bの一端を固定した上記可動框12との中間に位置する上記巻軸16に、それらの両スクリーン14A,14Bの各他端を固定することにより、該巻軸16に両スクリーン14A,14Bが巻き取られるように構成したものである。そして、上記可動框12の横移動に伴ってその下端から出入りする可撓のスクリーンガイド18の一端を、上記スクリーン14Aの端部が固定された側枠6の下端に固定し、該スクリーンガイド18に上記巻軸16及びその両側のスクリーン14A,14Bの各下端を遊動自在にガイドさせている。
【0009】
上記可動框12は、図2に示すように、スクリーン枠2を構成する上部横枠4に吊車を備えた吊部材等のスライド移動のための手段によって吊支されることなく、その上下端をそれぞれ上下の横枠4,10に単に摺動自在にガイドさせている。具体的には、上記可動框12の上端においては、下面側に開口する上部横枠4における対向する一対のガイド壁4aに該可動框12の両側面をガイドされており、一方、該可動框12の下端においては、その下面両側から垂下させた対向する一対の係合壁12aを、該可動框12及びスクリーンガイド18のガイドレールとしての下部横枠10の両側縁10aに係合させるとともに、該可動框12の下面に設けた一対の転動子12bが下部横枠10の上面を転動するようにしている。なお、下部横枠10は必ずしも設ける必要がなく、上記転動子12bを直接床面上に転動させることができる。
【0010】
上記一対のスクリーン14A,14Bは、それぞれ略同丈同幅の防虫網からなり、それらのスクリーン14A,14Bの各一端を上記スクリーン枠2を構成する一方の側枠6及び可動框12にそれぞれ固定するとともに、両スクリーン14A,14Bの各他端をそれらの中間に位置する上記巻軸16にそれぞれ固定することにより、該巻軸16に内蔵されたコイルスプリング16aの回転付勢力によって、該巻軸16に巻き取り及び繰り出し自在に巻回されている。
また、上記巻軸16の上端には、図1及び図3に示すように、該巻軸16に対して回転自在の連結手段を介して、一対の吊車20aを備えた吊部材20が付設されており、該吊車20aを上部横枠4における一対のガイド壁4aの各内面に対向して立設したガイドレール4b上に転動自在に係合させることにより、上記巻軸16を上部横枠4に対して移動自在に吊支させている。なお、巻軸16の下端は、後述するように、単にスクリーンガイド18に遊動自在に保持させている。
【0011】
一方、図4に示すように、上記可動框12における上記スクリーン14Bの取付部の両側には、該スクリーン14Bの取付端に付設した取付板22を係止させるための内側に相対向する一対の係止部片12cが形設されており、該係止部片12cの形設部分から上記側枠6の方向に、外側に略鉤形に折曲する一対の袖壁12dを延設することにより、上記巻軸16に巻き取ったスクリーン14A,14Bを該巻軸16とともに収容するための収納部を形成している。それにより、上記可動框12を図5に示すようなスクリーン14A,14Bの全収納位置(全開放位置)まで横移動させたときに、該スクリーン14A,14Bを巻軸16に巻き取った状態で上記袖壁12dにより外部から遮蔽することができる。
なお、上記収納部を構成する袖壁12dは、上記可動框12におけるスクリーン14Bの取付部に形成するものに限定されず、該可動框12と相対峙するルスクリーン枠2の側枠6におけるスクリーン14Aの取付部にその全部または一部を形成したものとして構成することもできる。
【0012】
上記スクリーンガイド18は、図1、図3及び図4に示すように、合成樹脂で形成した多数のガイド駒18Aを可撓性を有するワイヤー18Bで連結することにより、長尺且つ湾曲可能に形成されており、該スクリーンガイド18の一端が上記側枠6の下端に固定され、その他端側が上記可動框12の横移動に伴って該可動框12の下端に開設された開口12eからその内部に湾曲して出入りするように構成されている。そして、上記可動框12によるスクリーンの展張操作によって上記巻軸16からスクリーン14A,14Bが繰り出されると、上記スクリーンガイド18が可動框12内から下部横枠10上にスクリーン14A,14Bの各下端に沿って直線的に導出されて、上記巻軸16及びスクリーン14A,14Bの各下端をガイドするようになっている。
なお、上述したように、上記可動框12にスクリーン14A,14Bを巻き取った状態の巻軸16を収容する収納部を設けて見付方向の幅を大きくしておくと、該可動框12の下端における上記スクリーンガイド18の屈曲回転の曲率半径を大きくすることができるので、上記可動框12の横移動に伴う該スクリーンガイド18の屈曲を円滑化することができる。
【0013】
ここで、上記スクリーンガイド18は、その一端を上記側枠6の下端に固定して、その他端側が上記可動框12の内部に湾曲して出入りするように構成したものに限定されるものではなく、図10を参照して後述するように、その一端を可動框12の下端に固定して、その他端側がスクリーン枠2におけるスクリーン14Aの端部を固定した側枠6の内部に湾曲して出入りするように構成することもできる。この場合、上記側枠6は、スクリーンガイド18が出入りできる程度の大きさの中空に形成する必要があるのはいうまでもない。
【0014】
上記スクリーンガイド18を構成するガイド駒18Aは、図3及び図4に示すように、スクリーン14A,14Bの下端に沿う底部18aと該スクリーンの外面に沿って立ち上がる立壁部18bとにより略U字状に形成したもので、該ガイド駒18Aにおける立壁部18bの先端部に沿って、ワイヤー18Bを挿通する通孔を設け、それぞれのガイド駒18Aの該通孔に上記ワイヤー18Bを挿通することにより、各ガイド駒18Aを回転可能に連結している。なお、図示は省略しているが、上記ワイヤー18Bの両端部には、上記スクリーンガイド18の両端のガイド駒18Aの外側端において、それぞれストッパー部材を付設して、各ガイド駒18Aがワイヤー18Bから抜脱しないようにしている。上記一対の立壁部18bは、それらの間にスクリーン14A,14Bを保持するだけでなく、巻軸16の下端を遊動自在に保持するものである。
【0015】
上記可動框12には、図1に示すように、該可動框12の横移動によるスクリーン14A,14Bの開閉操作時に、該可動框12の姿勢をその移動に際して一定に拘束し、該可動框12を安定的に平行移動させるための平行移動機構を付設している。この可動框12の平行移動機構は、上記スクリーンガイド18を利用したもので、上記スクリーン枠2における左右の側枠6,8と可動框12との間に張設された第1のワイヤー24A及び第2のワイヤー24Bを、上記スクリーンガイド18における上記可動框12の内部に導入される側の先端のガイド駒18Aに付設した固定部材26に連結することにより構成している。
【0016】
上記可動框12の平行移動機構を構成する第1及び第2のワイヤー24A,24Bの張設態様について具体的に説明すると、図6に概念的に示すように、上記第1のワイヤー24Aは、その一端が上記可動框12の内部においてスクリーンガイド18の先端のガイド駒18Aに付設した固定部材26に固定されており、その他端を該可動框12の上端部へと導き、そして、該可動框12の上端部において転向して、上部横枠4に沿って側枠8の上端部に架け渡したうえで、該側枠8の内部において該ワイヤー24Aの張力を調節可能に固定している。
【0017】
一方、上記第2のワイヤー24Bは、上記第1のワイヤー24Aと同様に、その一端が上記可動框12の内部においてスクリーンガイド18の先端の固定部材26に固定されており、その他端を可動框12の下端部へと導くとともに、該可動框12の下端部において折り返して該可動框12の内部をその上端部へと導き、次いで、該可動框12の上端部において転向して、上部横枠4に沿って側枠6の上端部へと架け渡し、さらに、該側枠6の上端部の挿通孔6aに挿通して折り返して、上部横枠4に沿ってもう一方の側枠8の上端部に架け渡したうえで、該側枠8の内部において該ワイヤー24Bの張力を調節可能に固定している。
なお、上述したように、上記第2のワイヤー24Bは必ずしも上記側枠8まで導く必要はなく、側枠6の上端に固定することもできるが、上記第1及び第2のワイヤー24A,24Bの端部を側枠8において近接して固定することにより、それらのワイヤー24A,24Bの張力調整等を一括して容易に行うことができる。
【0018】
このように構成することにより、上記可動框12をスクリーン枠2に対して安定的に平行移動させることができ、延いては該可動框12によるスクリーン14A,14Bの開閉操作をより安定化させることができる。
なお、上記第1及び第2のワイヤー24A,24Bは、上記可動框12及び巻軸16等との干渉を避けるため、図2,図3及び図6に示すように、上部横枠4における両ガイド壁4aの内側のガイドレール4bに近接した位置で、且つスクリーン枠2の表裏両側に偏位した位置に架け渡すのが適切である。
【0019】
上記構成を有するスクリーン装置においては、可動框の姿勢が上記平行移動機構により一定に保持され、その可動框12と一方の側枠6との間に張設されるスクリーン14A,14Bに対して、巻軸16内のコイルスプリング16aによる巻取り方向の付勢力が作用しているので、逆に上記巻軸16はコイルスプリング16aの付勢力でスクリーンの張設面内における姿勢が保持されることになる。なお、巻軸16の軸線方向の移動は該巻軸16の自重により拘束されている。
したがって、巻軸16の姿勢は、その下端部がスクリーンの張設面に対して直交する方向にのみ移動して傾動できるものであるが、その巻軸16の下端を前述したようにスクリーンガイド18におけるガイド駒18Aの一対の立壁部18b間に遊動自在に保持させると、該巻軸16は他部材と強く接触したりすることなくその姿勢が安定化し、延いては巻軸16によるスクリーン14A,14Bの巻取り、巻戻しが円滑化し、スクリーンの開閉を軽快に行うことが可能となる。しかも、上記スクリーンガイド18は、可動框12によるスクリーン14A,14Bの開閉操作に伴って、該可動框12の下端から出入し、上記巻軸16及びスクリーン14A,14Bの下端に対して相対移動するものでありながら、それらの各下端を安定的に保持させることができる。
【0020】
また、上記スクリーン枠2と可動框12との間に張設された第1及び第2ワイヤー24A,24Bを、上記スクリーンガイド18の先端のガイド駒18Aに付設した固定部材26に連結することにより、上記可動框12に平行移動機構を付設したものとして構成しているが、上記平行移動機構を構成するワイヤーの張設態様は、上述した第1実施例のものに限定されるものではなく、例えば、以下の第2〜4実施例に示す張設態様とすることができる。
すなわち、図7に示す第2実施例においては、上記可動框12の平行移動機構を構成するワイヤー24は、上記第1実施例における第1及び第2のワイヤー24A,24Bの上記側枠8内の固定端を該側枠8の内部の同一箇所に張力調整可能に固定し、あるいは両ワイヤー24A,24Bの端部を連結して上記側枠8の内部に張力調整可能に固定することにより、実質的に1本のワイヤー24として構成したものである。
【0021】
次に、図8に示す第3実施例における可動框12の平行移動機構は、第1のワイヤー24Aの張設態様は前記第1実施例と同様としているが、上記第2のワイヤー24Bを、上記スクリーン枠2の側枠8まで架け渡すことなく、該側枠8に対向する側枠6の内部に張力調整可能に固定し、あるいは重錘を吊下可能にしたものである。すなわち、上記第2のワイヤー24Bの一端は、スクリーンガイド18の先端のガイド駒18Aに付設した固定部材26に固定されており、その他端を上記可動框12の下端部へと導くとともに、該可動框12の下端部において折り返して該可動框12の内部をその上端部へと導き、次いで、該可動框12の上端部において転向して、上部横枠4に沿って側枠6の上端部へと架け渡したうえで該側枠6の下方に導き、該側枠6の内部において張力調整可能に固定している。このように構成することにより、上記可動框12及びスクリーン枠2に対する上記ワイヤー24Bの架け渡しを簡素化することができる。
【0022】
図9に示す第4実施例における可動框12の平行移動機構は、前記第2実施例におけるワイヤー24の張設態様と略同様としたものであるが、側枠8内において該ワイヤー24を張力調整可能に固定することなく、該ワイヤー24に重錘28を吊下することにより、上記可動框12の下端からその内部に導入されているスクリーンガイド18の重量をバランスさせたものである。すなわち、上記平行移動機構を構成するワイヤー24には、上記スクリーンガイド18が可動框12の下端から出入りする部分の摩擦力を主体とし、ワイヤー24の架け渡しによって生じる摩擦力等を含むところの上記巻軸16のコイルスプリング16aの回転付勢力に対する抵抗力が作用し、それに対して上記巻軸16のコイルスプリング16aの回転付勢力が対抗するが、可動框12内に導入されているスクリーンガイド18の重量も無視できないことがあり、そのため、それらの力がバランスする程度に上記重錘28の重量を設定して両者を拮抗させることにより、上記可動框12を任意の中間位置に安定的に停止させることが可能になる。
【0023】
ここで、上述した各実施例においては、上記スクリーンガイド18が、可動框12の下端から該可動框12の横移動に伴って出入りする場合について記載したが、図10に示す第5実施例のように、上記スクリーンガイド18を、可動框12の横移動に伴ってスクリーン14Aの端部を固定した側枠6の下端から出入りするように構成することもできる。
【0024】
上記第5実施例のスクリーン装置において、上記可動框12の平行移動機構を構成する第1及び第2のワイヤー24A,24Bの張設態様について具体的に説明すると、第1のワイヤー24Aは、その一端がスクリーン14Aの端部を固定した上記側枠6の内部においてスクリーンガイド18の先端のガイド駒18Aに付設した固定部材26に固定されており、その他端を該側枠6の上端部へと導き、そして、該側枠6の上端部において転向して、上部横枠4に沿って対向するもう一方の側枠8の上端部まで架け渡し、次いで、該側枠8の上端部において転向して、上部横枠4に沿って可動框12の上端部へと戻したうえで該可動框12の上端部において該ワイヤー24Aの張力を調節可能に固定している。
【0025】
一方、上記第2のワイヤー24Bは、上記第1のワイヤー24Aと同様に、その一端が上記側枠6の内部においてスクリーンガイド18の先端の固定部材26に固定されており、その他端を該側枠6の下端部へと導くとともに、該側枠6の下端部において折り返して該側枠6の内部をその上端部へと導き、次いで、該側枠6の上端部において転向して、上部横枠4に沿って上記可動框12の上端部へと架け渡したうえで該可動框12の上端部において該ワイヤー24Bの張力を調節可能に固定している。
【0026】
なお、上述した各実施例においては、一対のスクリーン14A,14Bの各一端を上記スクリーン枠2を構成する一方の側枠6及び可動框12にそれぞれ固定するとともに、両スクリーン14A,14Bの各他端をそれらの中間に位置する1本の巻軸16にそれぞれ固定することにより、該巻軸16に巻き取り及び繰り出し自在に構成した場合について記載したが、そのように構成したものに限定されるものではなく、図11の第6実施例に示すように、複数のスクリーン14A〜14Cからなるスクリーン群を、各スクリーン14A〜14Cの中間に位置する複数の巻軸16A,16Bに巻き取られるように構成することもできる。
【0027】
上記第6実施例のスクリーン装置においては、上記巻軸16A,16Bが、その両側の各スクリーンをそれぞれ均等な長さだけ巻き取るようにするため、上記各スクリーン14A〜14Cのスクリーン幅の比は、図11からわかるように、上記スクリーン14Aを1とした場合、スクリーン14Bは2とし、スクリーン14Cは1とするのが適切である。また、上記可動框12に形成した一対の袖壁12dからなる収納部において、各スクリーン14A〜14Cを巻き取った状態の両巻軸16A,16Bを収容して外部から遮蔽するには不十分である場合には、図11に示すように、上記スクリーン14Aの端部を固定している側枠6における該スクリーン14Aの取付部の両側に、上記可動框12の袖壁12dに対向して一対の袖壁6bを延設することにより、該可動框12の袖壁12d及び側枠6の袖壁6bによって形成される収納部内に、上記両巻軸16A,16Bに巻き取った各スクリーン14A〜14Cを両巻軸16A,16Bとともに収容して外部から遮蔽することができる。
【0028】
ここで、上述した第2〜6実施例のその他の構成及び作用は、実質的に前記第1実施例と変わるところがないから、同一部分または相当部分に同一符号を付して、それらの説明を省略する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の第1実施例に係るスクリーン装置の正断面図である。
【図2】図1のX−X線における側断面図である。
【図3】同Y−Y線における側断面図である。
【図4】図1の平断面図である。
【図5】第1実施例に係るスクリーン装置における収納部内に巻軸に巻き取ったスクリーンを該巻軸とともに収容した状態を説明する平断面図である。
【図6】第1実施例に係るスクリーン装置における平行移動機構を構成するワイヤーの張設態様を概念的に示す斜視図である。
【図7】本発明の第2実施例に係るスクリーン装置における平行移動機構を構成するワイヤーの張設態様を概念的に示す斜視図である。
【図8】本発明の第3実施例に係るスクリーン装置における同ワイヤーの張設態様を概念的に示す斜視図である。
【図9】本発明の第4実施例に係るスクリーン装置において、同ワイヤーの一部にスクリーンガイドの重量等をバランスさせるための重錘を取り付けた場合における該ワイヤーの張設態様を概念的に示す斜視図である。
【図10】本発明の第5実施例に係るスクリーン装置の正断面図である。
【図11】本発明の第6実施例に係るスクリーン装置の平断面図である。
【符号の説明】
【0030】
2 スクリーン枠
4 側枠(上部)
6,8 側枠
10 横枠(下部)
12 可動框
14A,14B,14C スクリーン
16,16A,16B 巻軸
18 スクリーンガイド
20 吊部材
20a 吊車
24,24A,24B ワイヤー
28 重錘
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スクリーン枠の上部横枠にガイドされて横移動する可動框及びスプリングによる巻取機能を付与したスクリーンの巻軸を備え、上記スクリーン枠における一方の側枠と上記可動框との間に、中間に位置する上記巻軸に上記スプリングの付勢力で巻き取られるスクリーンを張設するようにしたスクリーン装置において、
上記スクリーンの端部が固定される側枠及び可動框の一方における下端から可動框の横移動に伴って出入りする可撓のスクリーンガイドの一端を、上記側枠及び可動框の他方における下端に固定し、
上記スクリーンガイドに、前記巻軸及びスクリーンの各下端をスクリーンの張設面と直交する方向にのみ拘束してガイドさせた、
ことを特徴とするスクリーン装置。
【請求項2】
上記スクリーンガイドを、上記可動框の横移動に伴って該可動框の下端からその内部に出入りするものとして、該スクリーンガイドの一端を上記スクリーンの端部が固定されている側枠の下端に固定した、
ことを特徴とする請求項1に記載のスクリーン装置。
【請求項3】
スクリーンの端部が固定される側枠と可動框との間の対向部に、上記巻軸に巻き取ったスクリーンを該巻軸とともに収容する収納部を形成した、
ことを特徴とする請求項1または2に記載のスクリーン装置。
【請求項4】
上記可動框の姿勢をその移動に際して一定に拘束する該可動框の平行移動機構を、上記スクリーン枠と可動框との間に張設されたワイヤー及び該ワイヤーを先端に連結した上記スクリーンガイドにより構成した、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のスクリーン装置。
【請求項5】
上記ワイヤーの一部に、側枠または可動框の下端からそれらの内部に導入されているスクリーンガイドの重量をバランスさせるための重錘を取り付けた、
ことを特徴とする請求項4に記載のスクリーン装置。
【請求項6】
上記可動框は上部横枠に吊下することなく上下の横枠にガイドさせ、上記巻軸は上部横枠に吊車を有する吊部材で上吊りするとともに下端をスクリーンガイドに遊動自在に保持させた、
ことを特徴とする請求項4または5に記載のスクリーン装置。
【請求項7】
上記スクリーンを、その中間に設けた複数の巻軸に巻き取られる複数のスクリーン群で構成した、
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のスクリーン装置。
【請求項1】
スクリーン枠の上部横枠にガイドされて横移動する可動框及びスプリングによる巻取機能を付与したスクリーンの巻軸を備え、上記スクリーン枠における一方の側枠と上記可動框との間に、中間に位置する上記巻軸に上記スプリングの付勢力で巻き取られるスクリーンを張設するようにしたスクリーン装置において、
上記スクリーンの端部が固定される側枠及び可動框の一方における下端から可動框の横移動に伴って出入りする可撓のスクリーンガイドの一端を、上記側枠及び可動框の他方における下端に固定し、
上記スクリーンガイドに、前記巻軸及びスクリーンの各下端をスクリーンの張設面と直交する方向にのみ拘束してガイドさせた、
ことを特徴とするスクリーン装置。
【請求項2】
上記スクリーンガイドを、上記可動框の横移動に伴って該可動框の下端からその内部に出入りするものとして、該スクリーンガイドの一端を上記スクリーンの端部が固定されている側枠の下端に固定した、
ことを特徴とする請求項1に記載のスクリーン装置。
【請求項3】
スクリーンの端部が固定される側枠と可動框との間の対向部に、上記巻軸に巻き取ったスクリーンを該巻軸とともに収容する収納部を形成した、
ことを特徴とする請求項1または2に記載のスクリーン装置。
【請求項4】
上記可動框の姿勢をその移動に際して一定に拘束する該可動框の平行移動機構を、上記スクリーン枠と可動框との間に張設されたワイヤー及び該ワイヤーを先端に連結した上記スクリーンガイドにより構成した、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のスクリーン装置。
【請求項5】
上記ワイヤーの一部に、側枠または可動框の下端からそれらの内部に導入されているスクリーンガイドの重量をバランスさせるための重錘を取り付けた、
ことを特徴とする請求項4に記載のスクリーン装置。
【請求項6】
上記可動框は上部横枠に吊下することなく上下の横枠にガイドさせ、上記巻軸は上部横枠に吊車を有する吊部材で上吊りするとともに下端をスクリーンガイドに遊動自在に保持させた、
ことを特徴とする請求項4または5に記載のスクリーン装置。
【請求項7】
上記スクリーンを、その中間に設けた複数の巻軸に巻き取られる複数のスクリーン群で構成した、
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のスクリーン装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−223259(P2008−223259A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−60155(P2007−60155)
【出願日】平成19年3月9日(2007.3.9)
【出願人】(000107930)セイキ販売株式会社 (57)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月9日(2007.3.9)
【出願人】(000107930)セイキ販売株式会社 (57)
【Fターム(参考)】
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