説明

スクリーン装置

【課題】固定枠と可動框との間にスクリーンを取り付けたスクリーンユニットのスクリーン枠に対する組み付けの向きを自由に選定可能に構成したスクリーン装置を提供する。
【解決手段】横方向に拡縮自在のスクリーン2の一端側を固定枠3に、他端側を可動框4に連結して開閉自在としたスクリーンユニット1を、可動框が当接する受け枠5と共に、スクリーン枠10内に離脱可能に装着するが、上記スクリーン枠における側枠11,12に対して、スクリーンユニットの固定枠と受け枠をそれぞれ合成樹脂または金属により形成した係着機構20により着脱自在とする。上記係着機構は、上記固定枠及び受け枠の対応位置にそれぞれ形成された係止部3d,5dと、両側枠に設けられて該係止部に係脱可能なラッチ部片22を有する係着部材21によって構成され、スクリーンユニットを受け枠と共に上下、左右及び表裏のいずれの向きに反転しても係着可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物開口部に設置するための横引きのスクリーン装置に関するものであり、更に具体的には、スクリーンの開閉の左右勝手を変更したり、固定枠と可動框との間にスクリーンを取り付けたスクリーンユニットの組み付けの向きを自由に選定できるようにしたスクリーン装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示されているように、建物開口部に設置するスクリーン枠内に、横方向に拡縮自在としたスクリーンの一端を固定枠に連結すると共に、該スクリーンの他端を開閉操作用の可動框に連結して開閉自在としたスクリーンユニットを、該スクリーンの張設時に可動框が当接する受け枠と共に組み付けるに当たり、上記固定枠及び受け枠を面ファスナーによりスクリーン枠に取り付け、上記スクリーンユニットの補修・交換の便宜性を図るようにしたものが、既に知られている。
【0003】
上記特許文献1に示されているような、サッシ窓等に取り付けられる網戸等のスクリーン装置においては、スクリーン枠における一対の側枠が断面コ字状をなす枠部材で形成されて、それらの開口側が互いに対向する向きになるように配設されるのが通例であり、この場合、上記スクリーンユニットの固定枠及び受け枠を面ファスナーによってスクリーン枠の枠部材に取り付けるには、上記固定枠及び受け枠を断面コ字状をなす枠部材の内底面に取り付ける必要があり、上記特許文献1においても示されているように、上記枠部材の内底面と上記固定枠及び受け枠の取付面に、それぞれファスナー部片を接着等で固定し、それらを相互に接合させるようにしている。
【0004】
一般的に、上記面ファスナーは、それを接合した場合の接合力が比較的大きく、但し、接合された面ファスナーをその一端部から逐次剥がしていく場合には、比較的容易に接合面を離脱させることができるが、ファスナー面と直交する方向に一挙に引き剥がすには非常に大きな力を要するものである。
【0005】
しかるに、上記固定枠及び受け枠を断面コ字状をなす枠部材の内底面に接合した場合には、比較的広いファスナー面において両者が接合され、しかも、接合されている両者が金属等の剛性を有する素材で形成されているので、それらを離脱させようとするときに、両者をファスナー面と直交する方向に引っ張る必要があり、そのために非常に大きな力を必要とするので、それらの離脱に困難性があり、また、大きな力を両者間に作用させるために一部が破損する可能性も高く、特に、固定枠及び受け枠と枠部材の内底面に対するファスナー部片の接着等を強固に行っていないと、それらに対する面ファスナーの接着部が剥離される可能性が大であり、ユーザーにスクリーン枠に対する上記スクリーンユニット等の着脱をまかせるのには問題がある。
【0006】
一方、上記面ファスナーは、一対のファスナー部片を接合すると2〜3mm程度の厚さを有するものになり、固定枠及び受け枠と枠部材の内底面との間を複数個所において該面ファスナーで連結すると、それらの間に上記2〜3mm程度の隙間が生じ、しかも、面ファスナー自体の接合面間にも細い繊維のループや鈎状部材の絡みの間に多くの空間が形成されているので、スクリーンを防虫網戸や花粉等の侵入を避けるような目的で設置する場合には、虫や花粉等の流通路が生じるのを避けることが困難であるばかりでなく、また、面ファスナー自体の特性として、ファスナー部片相互が剛に接合されるのではなく、若干の可撓性を持つ状態で接合されるので、上記虫や花粉等の流通路を確実に封じることにも困難性がある。
【0007】
更に、上述した虫や花粉等の流通路を通して流れる気流により、各種塵埃が上記間隙に侵入し、特に、面ファスナーの接合面はフィルター状に形成されているので、その内部に塵埃が捕捉されることが多く、特に雨水や結露水などが介在するとその捕捉も著しく、そのため、一旦面ファスナーを接合状態から離脱させると上記塵埃等に起因してその後の接合力が著しく低下するという問題もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平9−105284号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の技術的課題は、スクリーン枠に対するスクリーンユニット及び受け枠の取り付けを、上述した面ファスナーによることなく、合成樹脂または金属のような剛性のある素材により形成した係着機構により相互に連結可能とし、しかも、該係着機構を、スクリーンの開閉の左右勝手を変更したり、固定枠と可動框との間にスクリーンを取り付けたスクリーンユニットの組み付けの向きを自由に選定できるように構成したスクリーン装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明によれば、横方向に拡縮自在としたスクリーンの一端側を固定枠に保持させると共に、該スクリーンの他端側を開閉操作用の可動框に連結して開閉自在としたスクリーンユニットを、該スクリーンの張設時に可動框が当接する受け枠と共に、建物開口部に設置するスクリーン枠内に離脱可能に装着してなるスクリーン装置において、上記スクリーン枠における一方の側枠に対して、上記スクリーンユニットの固定枠を、同他方の側枠に対して上記受け枠を、それぞれ合成樹脂または金属により形成した係着機構により着脱自在とし、上記係着機構が、上記固定枠及び受け枠の対応位置にそれぞれ形成された係止部と、双方の側枠にそれぞれ設けられて上下移動操作により上記係止部に係脱可能なラッチ部片を有する係着部材とによって構成され、且つ、該両ラッチ部片が上記スクリーンユニットを受け枠と共に上下、左右及び表裏のいずれの向きに反転した場合にも、固定枠及び受け枠の上記係止部に対して係着可能に配設されていることを特徴とするスクリーン装置が提供される。
【0011】
本発明に係る上記スクリーン装置のより好ましい実施形態においては、上記係着機構を構成する固定枠及び受け枠の係止部が、それらの各上半部及び下半部において上下端から同長の対応位置にそれぞれ設けられ、一対の側枠にそれぞれ設けられている上記ラッチ部片が、上記固定枠及び受け枠の各上下部のいずれの係止部に対しても係着可能に配設される。
【0012】
また、本発明に係る上記スクリーン装置の他の好ましい実施形態においては、上記スクリーン枠における一対の側枠が、断面コ字状の枠部材により形成されて、それらの開口側が互いに対向する向きに配設され、それらの開口内に上記固定枠及び受け枠がそれぞれ収容され、それらの固定枠及び受け枠における係止部が、該固定枠及び受け枠における上記コ字状の枠部材の内底面側に位置する係止板の両側端に切欠きを設けて、該切欠きの上下端に形成される。
【0013】
更に、本発明に係る上記スクリーン装置の好ましい実施形態においては、上記係着部材が、上記一対の側枠を形成するコ字状断面の枠部材の内面に沿ってガイドされるコ字状のラッチ部片と、枠部材外に突出して外部からの操作により該枠部材の長手方向に摺動させる操作子とを有するものとして構成され、また、上記ラッチ部片が、上記係止板における両側端の係止部が枠部材の内底面側から浮上するのを抑止する一対の抑止部を備えたものとして構成される。
【0014】
また、本発明に係る上記スクリーン装置の他の好ましい実施形態においては、上記スクリーン枠における一対の側枠が、断面コ字状の枠部材により形成されて、それらの開口側が互いに対向する向きに配設され、それらの開口内に上記固定枠及び受け枠がそれぞれ収容され、上記開口を形成する枠部材の対向前後壁の内面に、そこに装着する固定枠と受け枠の各前後壁に当接する突出部分を、上記枠部材の全長にわたって備えているものとして構成される。
【発明の効果】
【0015】
上記構成を有する本発明のスクリーン装置によれば、スクリーン枠に対するスクリーンユニット及び受け枠の取り付けを、合成樹脂または金属のような剛性のある素材により形成した係着機構により相互に連結可能とし、しかも、該係着機構を、スクリーンの開閉の左右勝手を変更したり、固定枠と可動框との間にスクリーンを取り付けたスクリーンユニットの組み付けの向きを自由に選定できるように構成したので、スクリーン枠に対するスクリーンユニット及び受け枠の組み付けの自由度が増大し、また、スクリーンに図柄を付したり、スクリーンユニットの上下あるいは表裏両面側の仕様、装飾等を変更しておくことにより、単一のスクリーン装置を多様性のあるものとして利用することができ、更に上記係着機構は度重なる係着操作にも耐えるものとして構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係るスクリーン装置の実施例の要部を分解して示す斜視図である。
【図2】本発明に係るスクリーン装置の実施例の全体的構成を示す部分破断正面図である。
【図3】上記実施例の構成を示す水平断面図である。
【図4】上記実施例におけるスクリーンユニット及び受け枠の上下を反転させて、図3に対してスクリーンの開閉の左右勝手を変えた状態を示す水平断面図である。
【図5】上記実施例における係着機構において、ラッチ部片による固定枠または受け枠の係着を行っていない状態の正面図である。
【図6】同係着を行った状態を示す正面図である。
【図7】上記実施例における係着部材の分解斜視図である。
【図8】同分解平断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図面は、本発明に係るスクリーン装置の代表的な実施例を示している。このスクリーン装置は、防虫、花粉の侵入防止、目隠し等のために、主として窓や出入り口等の建物開口部に取り付けて使用するもので、それらの目的に応じたスクリーン2を備えている。図1〜図3から分かるように、上記スクリーン2は、その一端側を固定枠3に保持させると共に、その他端側を開閉操作用の可動框4に連結してスクリーンユニット1を構成させ、このスクリーンユニット1を、上記スクリーン2の張設時に可動框4が当接する受け枠5と共に、建物開口部にネジ6等で固定的に設置されるスクリーン枠10内に離脱可能に装着している。上記スクリーン2が張設される上記スクリーン枠10は、スクリーン2の一端側の固定枠3を保持させる一方の側枠11と、上記可動框4に対向する受け枠5を保持させる他方の側枠12と、可動框4の上下端をガイドする上部及び下部の横枠13,14とを備えたものとして構成している。
【0018】
上記スクリーン2は、例えば、横方向にアコーディオン式に交互の逆方向の折り畳みにより拡縮自在とした防虫ネット等として構成されるもので、このスクリーン2の両端をそれぞれ固定枠3及び可動框4に着脱自在に取り付けるため、該スクリーン2の両端には、図3に示すように、合成樹脂製の取付板2a,2bを両面接着テープ等で固定している。そして、スクリーン2の一端に取り付けた取付板2aを、該スクリーン2の一端側の固定枠3に設けた口部が狭い取付溝3aに嵌挿し、また、該スクリーン2の他端の取付板2bを、可動框4の平行移動機構を構成するワイヤー7と共に、筒状部材8内に保持させたうえで、開閉操作用の可動框4に設けた口部が狭い取付溝4aに嵌挿することにより、上記両取付板2a,2bをそれぞれ固定枠3及び可動框4に着脱自在に保持させている。
【0019】
上記スクリーンユニット1においては、可動框4の姿勢を常に一定に保持して安定的に平行移動させるための平行移動機構として、図2に示すように、1本のワイヤー7を、受け枠5の上端部から可動框4の上端部を経て該可動框4の下部に導き、そこからスクリーン2に挿通した後、固定枠3の下部において上方に転向させ、更に該固定枠3の上部での転向によりスクリーン2に挿通して可動框4の上部に導き、そこから可動框4の下端を経て受け枠5の下端に戻して固定するように張り廻らし、このワイヤー7によりスクリーン2の弛みや風等による揺らぎをも防止できるようにしているが、かかる構成に限らず、同種の既知の平行移動機構を採用することができる。
【0020】
なお、上記実施例では、上記スクリーン2として横方向に交互に逆方向の折り畳みにより拡縮自在としたものを用い、該スクリーン2を固定枠3と可動框4との間に連結して開閉自在としたスクリーンユニット1を示しているが、該スクリーン2としては、巻取り方向にばね付勢された巻取り軸にロールスクリーンを巻き取るようにしたものを用いることもでき、この場合には、上記固定枠3が巻取り軸の支持ボックスとして構成される。
【0021】
上記スクリーン枠10における一方の側枠11に対して上記固定枠3を、同他方の側枠12に対して上記受け枠5をそれぞれ着脱自在に係着させる係着機構20としては、前述の面ファスナー等を用いることなく、以下に詳述するように、合成樹脂または金属からなる部材により着脱自在に形成している。該係着機構20は、図1に示すように、固定枠3及び受け枠5の対応位置にそれぞれ形成された係止板3b,5b上の係止部3d,5dと、双方の側枠11,12にそれぞれ設けられて上下移動操作により上記係止部3d,5dに係脱可能なラッチ部片22を有する係着部材21とによって構成されるものであるが、それらの具体的構成については後述することとし、まず、それらの係着機構20を備える側枠11,12並びに固定枠3及び受け枠5の構成について説明する。
【0022】
上記係着機構20により固定枠3及び受け枠5が係着される上記スクリーン枠10の一対の側枠11,12は、図1〜図3から明らかなように、いずれも断面形状が同じコ字状をなす枠部材により形成され、該スクリーン枠10においては、それらの開口側が互いに対向する向きに配設され、それらの開口内に上記固定枠3及び受け枠5をそれぞれ収容するように形成している。この場合、固定枠3に設けたスクリーン2の一端の取付板2aを嵌挿する取付溝3aが側枠11の開口側を向き、また、可動框4に設けた取付板2bの取付溝4aが側枠12の開口側を向くように、該固定枠3及び受け枠5がそれぞれ収容される。
【0023】
一方、上記固定枠3及び受け枠5は、側枠11,12における上記コ字状の枠部材の内底面側に位置する係止板3b,5bを備えているが、これは前記ラッチ部片22により側枠11,12内において該係止板3b,5bが側枠11,12の内底面側から浮上するのを抑止されるものである。上記係止板3b,5bは、図示しているように、固定枠3及び受け枠5を構成する型材の一部によって形成してもよいが、独立の板材を上記固定枠3や受け枠5に取り付けるようにしてもよい。
【0024】
更に、上記側枠11,12の開口内には、上記固定枠3及び受け枠5が同幅を有するものとして収容されるが、該開口を形成する側枠11,12の対向前後壁の内面には、該固定枠3と受け枠5の各前後壁に当接する突出部分11a,12aがその全長にわたって形成されていて、それにより、側枠11,12内に収容した固定枠3及び受け枠5の位置決めが行われると同時に、スクリーン2を防虫網戸や花粉等の侵入を避けるような目的で設置する場合に、上記固定枠3及び受け枠5と側枠11,12の枠部材との間に虫や花粉等の流通路が形成されないようにするための、流通路の封止手段が形成されている。
【0025】
上記スクリーン装置は、上記係着機構20によりスクリーンユニット1を受け枠5と共に上下、左右及び表裏のいずれの向きにも反転可能にするものであるが、このように反転してスクリーンユニット1を受け枠5と共にその姿勢を変える場合には、スクリーンユニット1及び受け枠5をそれぞれ側枠11,12から離脱させた後に、可動框4の上下端をガイドしている上下の横枠13,14からそれらを離脱させる必要がある。上記スクリーンユニット1及び受け枠5の上下端を上下の横枠13,14から離脱させるためには、スクリーン張設面内におけるそれらの傾倒などにより、容易にスクリーン枠10から取り外すことを可能にするための手段を設けておく必要がある。
【0026】
なお、上記可動框4は、必要に応じてその上下を反転して使用されるものであるため、下方の横枠14の転動面上を転動する転輪4bを、その上下端に備えている。また、スクリーン2の張設時に可動框4が受け枠5に当接した状態に保持するためのマグネットラッチ4cを備え、受け枠5には該マグネットラッチと相互に吸着する吸着板等を備えることになるが、これらも上下の一方に片寄らせることなく、上下を反転して使用するときに同じ使い勝手になるように、上下対称位置に配置するのが望ましい。
【0027】
次に、図1及び図5〜図8を参照して、上記スクリーン枠10における側枠11,12に対して上記固定枠3及び受け枠5を係着させる係着機構20について説明する。
上記係着機構20は、上述したように、合成樹脂または金属からなる部材により構成され、該係着機構20の一部を形成する係止板3b,5b上の係止部3d,5dは、上記固定枠3及び受け枠5における側枠11,12の内底面側に位置する係止板3b,5bの対応位置に形成され、更に具体的には、図1に示すように、上記係止板3b,5bの各上半部及び下半部における上下端から同長の対応位置において、該係止板3b,5bの両側端にそれぞれ切欠き3c,5cを設け、該切欠き3c,5cの上下端にそれぞれ上記係止部3d,5dを形成している。
【0028】
また、上記一対の側枠11,12には、上下移動操作により上記係止部3d,5dのいずれかに係脱可能なラッチ部片22を有する係着部材21がそれぞれ設けられ、上記係着機構20は、この係着部材21と上記係止板3b,5bの係止部3d,5dとによって構成されるものである。
上記係着部材21の構成について具体的に説明すると、該係着部材21は、一対の側枠11,12を形成するコ字状断面の枠部材の内面に沿ってガイドされるコ字状のラッチ部片22と、枠部材外に突出して外部からの操作により該枠部材の長手方向に該ラッチ部片22を摺動させる操作子23とを有するものである。
【0029】
図3及び図8から分かるように、上記枠部材の内面に沿ってガイドされるコ字状のラッチ部片22は、該枠部材の対向前後壁の内面に沿って延びる部分の先端部が、該枠部材の対向前後壁の内面に設けた突出部分11a,12aによってガイドされ、そのため、枠部材内を安定的に移動できるように形成されている。
また、上記ラッチ部片22には、上記操作子23の操作によりそれが押し下げられたときに、上記係止板3b,5bにおける両側端の係止部3d,5dにそれぞれ係合して、係止板3b,5bが枠部材の内底面側から浮上するのを抑止し、結果的に上記固定枠3及び受け枠5を側枠11,12内に固定的に保持する一対の抑止部22aを備えている。
【0030】
上記ラッチ部片22と、枠部材外に突出して外部からの操作により該ラッチ部片22を枠部材の長手方向に摺動させる操作子23とは、上記一対の側枠11,12における前面側に設けた上下方向の該操作子23の移動範囲にわたる長孔24(図1参照)を通して結合させている。即ち、上記ラッチ部片22の前面側には、図1及び図7に明瞭に示すような操作子23との連結孔22bを開設し、また、操作子23には上記連結孔22bの内周面に沿って該連結孔22b内に嵌入され、且つ弾性的に変形して該連結孔22bの内側に係止する複数の係止突片23aを突設している。従って、側枠11,12における長孔24を通してラッチ部片22の連結孔22bに操作子23の係止突片23aを押し込むことにより、両者を結合することができる。更に、上記ラッチ部片22の前面側には、該ラッチ部片22の上動位置及び下動位置において、側枠11,12の前面側に設けた上下の切欠き部25a,25bに選択的に係合する係止弾片22cを設けている。
【0031】
従って、図5に示すように係着部材21を上動させて、係止弾片22cを側枠の上方の切欠き部25aに係合させ、ラッチ部片22によ側枠に対する固定枠3または受け枠5の係着を行っていない状態から、図6に示すように操作子23を係止弾片22cが側枠の下方の切欠き部25bに係合する位置まで押し下げると、ラッチ部片22における一対の抑止部22aが固定枠3または受け枠5の係止板3b,5bにおける両側端の係止部3d,5dに乗り上げて、それらを側枠11,12内に固定的に保持させることができる。
【0032】
上記構成を有するスクリーン装置においては、上記側枠11,12の上下にそれぞれ設けられている上記ラッチ部片22が、上記スクリーンユニット1を受け枠5と共に上下、左右及び表裏のいずれの向きに反転した場合にも、固定枠3及び受け枠5の上記係止部3d,5dに対して係着可能に配設されているので、スクリーン枠10に対するスクリーンユニット1及び受け枠5の取り付け態様の変更により、図4に示すように、図3の組み付け態様に対してスクリーン2の開閉の左右勝手を変更したり、スクリーンユニット1の組み付けの向きを自由に選定することができ、スクリーン枠10に対するスクリーンユニット1及び受け枠5の組み付けの自由度が増大するだけでなく、スクリーン2に図柄を付したり、スクリーンユニット1の上下あるいは表裏両面側の仕様、装飾等を変更しておくことにより、単一のスクリーン装置を多様性のあるものとして利用することができる。
【符号の説明】
【0033】
1 スクリーンユニット
2 スクリーン
3 固定枠
3b 係止板
3c 切欠き
3d 係止部
4 可動框
5 受け枠
5b 係止板
5c 切欠き
5d 係止部
10 スクリーン枠
11,12 側枠
11a,12a 突出部分
20 係着機構
21 係着部材
22 ラッチ部片
22a 抑止部
23 操作子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
横方向に拡縮自在としたスクリーンの一端側を固定枠に保持させると共に、該スクリーンの他端側を開閉操作用の可動框に連結して開閉自在としたスクリーンユニットを、該スクリーンの張設時に可動框が当接する受け枠と共に、建物開口部に設置するスクリーン枠内に離脱可能に装着してなるスクリーン装置において、
上記スクリーン枠における一方の側枠に対して、上記スクリーンユニットの固定枠を、同他方の側枠に対して上記受け枠を、それぞれ合成樹脂または金属により形成した係着機構により着脱自在とし、
上記係着機構が、上記固定枠及び受け枠の対応位置にそれぞれ形成された係止部と、双方の側枠にそれぞれ設けられて上下移動操作により上記係止部に係脱可能なラッチ部片を有する係着部材とによって構成され、且つ、該両ラッチ部片が上記スクリーンユニットを受け枠と共に上下、左右及び表裏のいずれの向きに反転した場合にも、固定枠及び受け枠の上記係止部に対して係着可能に配設されている、
ことを特徴とするスクリーン装置。
【請求項2】
上記係着機構を構成する固定枠及び受け枠の係止部が、それらの各上半部及び下半部において上下端から同長の対応位置にそれぞれ設けられ、
一対の側枠にそれぞれ設けられている上記ラッチ部片が、上記固定枠及び受け枠の各上下部のいずれの係止部に対しても係着可能に配設されている、
ことを特徴とする請求項1に記載のスクリーン装置。
【請求項3】
上記スクリーン枠における一対の側枠が、断面コ字状の枠部材により形成されて、それらの開口側が互いに対向する向きに配設され、それらの開口内に上記固定枠及び受け枠がそれぞれ収容され、
それらの固定枠及び受け枠における係止部を、該固定枠及び受け枠における上記コ字状の枠部材の内底面側に位置する係止板の両側端に切欠きを設けて、該切欠きの上下端に形成している、
ことを特徴とする請求項1または2に記載のスクリーン装置。
【請求項4】
上記係着部材が、上記一対の側枠を形成するコ字状断面の枠部材の内面に沿ってガイドされるコ字状のラッチ部片と、枠部材外に突出して外部からの操作により該枠部材の長手方向に摺動させる操作子とを有している、
ことを特徴とする請求項3に記載のスクリーン装置。
【請求項5】
上記ラッチ部片が、上記係止板における両側端の係止部が枠部材の内底面側から浮上するのを抑止する一対の抑止部を備えている、
ことを特徴とする請求項3または4に記載のスクリーン装置。
【請求項6】
上記スクリーン枠における一対の側枠が、断面コ字状の枠部材により形成されて、それらの開口側が互いに対向する向きに配設され、それらの開口内に上記固定枠及び受け枠がそれぞれ収容され、
上記開口を形成する枠部材の対向前後壁の内面に、そこに装着する固定枠と受け枠の各前後壁に当接する突出部分を、上記枠部材の全長にわたって備えている、
ことを特徴とする請求項1または2に記載のスクリーン装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−180636(P2012−180636A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−42040(P2011−42040)
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【出願人】(000107930)セイキ販売株式会社 (57)