説明

ステアリングエンブレムの装飾用シート及びエンブレムの装飾用シート

【課題】ステアリングに設けられるエンブレムの凹部分に装飾を施すことを実現可能なステアリングエンブレムの装飾用シート及びエンブレムの装飾用シートを提供する。
【解決手段】所定の形状が立体的に設けられたステアリングエンブレムの凹部分と略同一形状に構成された基板2と、この基板2の一方の面に施された装飾面3と、この基板2の他方の面に設けられた粘着層4と、この粘着層4に覆着された剥離フィルム5とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はステアリングエンブレムの装飾用シート及びエンブレムの装飾用シートに関する。詳しくは自動車のステアリングに取り付けるステアリングエンブレムの装飾用シート及び自動車のボンネット等のエンブレムに取り付けるエンブレムの装飾用シートに係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車のステアリングに貼り付けるステッカーとして、例えば非特許文献1に記載されたものが知られている。
具体的には、非特許文献1に記載されたステッカーは、車種のメーカーのロゴマークが印刷されたステッカーやステアリングのメーカーのロゴが印刷されたステッカーを装飾して貼り付ける構成とされている。
【0003】
また、高級車等では高級感を演出するために自動車のステアリングの略中央、あるいは車体のボンネットに、その自動車のメーカーのロゴマークが金属で立体的に型取られたエンブレムが設けられたものが多く販売されている。
【0004】
このエンブレムは例えば図8に示すように、車種のメーカーのロゴマーク101が合成樹脂材によってマークや文字部分が浮き出るように立体的に造型され、その表面が金属メッキ処理されることによって金属的に高級感ができるように演出された構成とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【非特許文献1】ステアリングエンブレムステッカー! インターネット(http://www.gt300ps.com/steering.html)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した非特許文献1に記載されたステッカーでは、ステアリングの略中央に表示されるメーカーのロゴマーク等が覆い被されて車本来のイメージを損ねる恐れがある。
【0007】
また、メーカーのロゴマークが金属で立体的に型取られたエンブレムの場合では、ステアリングにステッカーや他の装飾を加えると高級感を演出することができなくなる問題がある。
【0008】
従って、予めエンブレムが設けられたステアリングに自分好みのステッカーを貼る、あるいはアクセサリー等の装飾を施すことができないために他車との差別化を演出することができ難いことが多い。
【0009】
本発明は、以上の点に鑑みて創案されたものであって、車本来のイメージを損なうことなく、他車との差別化を演出できるステアリングエンブレムの装飾用シート及びエンブレムの装飾用シートを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、本発明に係るステアリングエンブレムの装飾用シートは、所定の形状が立体的に設けられたステアリングエンブレムの凹部分と略同一形状に構成された基板と、前記基板の一方の面に施された装飾面と、前記基板の他方の面に設けられた粘着層と、前記粘着層に覆着された剥離フィルムとを備える。
【0011】
ここで、所定の形状が立体的に設けられたステアリングエンブレムの凹部分と略同一形状に基板が構成され、この基板の一方の面に装飾面が施され、他方の面に粘着層が設けられたことによって、例えば車種のロゴ、あるいはマークが立体的に設けられたステアリングエンブレムの凹部分にステアリングエンブレムの装飾用シートを貼り付けることで、基板の一方の面に施された装飾面でロゴ、あるいはマーク等を引き立てることが可能となる。
【0012】
また、基板がステアリングエンブレムの凹部分の位置に合わせて剥離フィルム上に配置された構成を採用した場合には、ステアリングエンブレムの各凹部分に対応する基板の選択が確実、かつ容易に行うことができる。
【0013】
また、装飾面が反射乱光状に加工処理された構成を採用した場合には、装飾面に照射された光が乱反射することで装飾面が光輝き、より一層の高級感を演出することができる。
【0014】
また、ステアリングエンブレムの装飾用シートの中央部分の厚さが、中央部分の周辺に位置する周辺部分の厚さより厚く構成された場合には、例えば、ステアリングエンブレムの各凹部深さよりステアリングエンブレムの装飾用シートの厚さ(中央部分の厚さ)が厚い場合でも、ステアリングエンブレムの装飾用シートの端部が凹部よりはみ出さないこととなる。このことによって、ステアリングエンブレムの装飾用シートの剥離を抑制することができる。
【0015】
なお、ステアリングエンブレムの装飾用シートの中央部分の厚さを、中央部分の周辺に位置する周辺部分の厚さより厚くする方法としては、例えば、(1)基板の中央部分の厚さを基板の周辺部分の厚さよりも厚くする、(2)基板の装飾面上に、その周縁端近傍から周縁端に向けて順次薄くなるように透明樹脂層を形成する、といった方法が考えられる。
【0016】
また、上記の目的を達成するために、本発明に係るエンブレムの装飾用シートは、所定の形状が立体的に設けられたエンブレムの凹部分と略同一形状に構成された基板と、前記基板の一方の面に施された装飾面と、前記基板の他方の面に設けられた粘着層と、前記粘着層に覆着された剥離フィルムとを備え、中央部分の厚さが、同中央部分の周辺に位置する周辺部分の厚さより厚く構成されている。
【0017】
ここで、所定の形状が立体的に設けられたエンブレムの凹部分と略同一形状に基板が構成され、この基板の一方の面に装飾面が施され、他方の面に粘着層が設けられたことによって、例えば車種のロゴ、あるいはマークが立体的に設けられたエンブレムの凹部分にエンブレムの装飾用シートを貼り付けることで、基板の一方の面に施された装飾面でロゴ、あるいはマーク等を引き立てることが可能となる。
【0018】
また、エンブレムの装飾用シートの中央部分の厚さが、中央部分の周辺に位置する周辺部分の厚さより厚く構成されたことによって、例えば、エンブレムの各凹部深さよりエンブレムの装飾用シートの厚さ(中央部分の厚さ)が厚い場合でも、エンブレムの装飾用シートの端部が凹部よりはみ出さないこととなる。このことによって、エンブレムの装飾用シートの剥離を抑制することができる。
【0019】
なお、エンブレムの装飾用シートの中央部分の厚さを、中央部分の周辺に位置する周辺部分の厚さより厚くする方法としては、例えば、(1)基板の中央部分の厚さを基板の周辺部分の厚さよりも厚くする、(2)基板の装飾面上に、その周縁端近傍から周縁端に向けて順次薄くなるように透明樹脂層を形成する、といった方法が考えられる。
【0020】
また、基板がエンブレムの凹部分の位置に合わせて剥離フィルム上に配置された構成を採用した場合には、エンブレムの各凹部分に対応する基板の選択が確実、かつ容易に行うことができる。
【0021】
また、装飾面が反射乱光状に加工処理された構成を採用した場合には、装飾面に照射された光が乱反射することで装飾面が光輝き、より一層の高級感を演出することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明のステアリングエンブレムの装飾用シートは、ステアリングエンブレムの凹部分に貼り付けることで自分の好みに合ったステリングエンブレムに演出することができる。また、本発明のエンブレムの装飾用シートは、エンブレムの凹部分に貼り付けることで自分の好みに合ったエンブレムに演出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明を適用したステアリングエンブレムの装飾用シートの一例を説明するための模式図である。
【図2】本発明を適用したステアリングエンブレムの装飾用シートの一例を説明するための断面模式図である。
【図3】本発明を適用したステアリングエンブレムの装飾用シートの他の例を説明するための模式図である。
【図4】本発明を適用したステアリングエンブレムの装飾用シートの一例の変形例を説明するための断面模式図である。
【図5】本発明を適用したエンブレムの装飾用シートの一例を説明するための模式図である。
【図6】本発明を適用したエンブレムの装飾用シートの一例を説明するための断面模式図である。
【図7】本発明を適用したエンブレムの装飾用シートの使用状態を説明するための断面模式図である。
【図8】従来のステアリングエンブレムの一例を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態を図面を参酌しながら説明し、本発明の理解に供する。
【0025】
図1は本発明を適用したステアリングエンブレムの装飾用シートの一例を説明するための模式図である。また、図2は本発明を適用したステアリングエンブレムの装飾用シートの一例を説明するための断面模式図である。
【0026】
ここで示す装飾用シート1は、柔軟性を有する合成樹脂製の基板2の上面に、光が乱反射するように、例えば、アルミニウム製等のシルバー状の突起を無数に施した装飾面3が形成されている。
【0027】
また、合成樹脂製の基板2の底面には粘着層4が設けられ、この粘着層4にポリエチレンフィルム製の剥離フィルム5が貼り付けられている。
【0028】
ここで、装飾用シート1は、車種のステアリングエンブレムのデザインに応じてカッティングされている。例えば、図1(ロ)に示すような(公序良俗違反につき、不掲載)の場合には、図1(イ)で示すように、略円形状の枠内に(公序良俗違反につき、不掲載)部分7が浮き出たようにプレス加工がされている。具体的には、ステアリングエンブレム6のそれぞれの凹部分8の形状に合わせて、合成樹脂製の基板2がカッティングされている(図1(イ)参照)。
【0029】
また、図2に示すように、ステアリングエンブレム6のそれぞれの凹部分8の形状に合わせてカッティングされたそれぞれの基板2は、一枚の剥離フィルム5上にステアリングエンブレム6のそれぞれの凹部分8に対応した位置に配置されている。
【0030】
以上の構成よりなる本発明のステアリングエンブレムの装飾用シート1では、一枚の剥離フィルム5にステアリングエンブレム6のそれぞれの凹部分8に対応した位置の状態で基板2が貼着されているので、ステアリングエンブレム6に貼り合わせた状態をイメージし易く、確実、かつ容易に商品を選択することが可能となる。
【0031】
そして、装飾用シート1を貼り合わせる場合には、剥離フィルム5を取り剥がして粘着層4を露出させた状態でステアリングエンブレム6の凹部分8の底面に貼り付ける。なお、上記の様に構成された装飾用シート1をステアリングエンブレム6のそれぞれの凹部分8に貼り合わせた状態を図1(ハ)に示す。
【0032】
このようにして、その上面にアルミニウム製等のシルバー状の突起を無数に施した装飾面3が形成された基板2をステアリングエンブレム6の凹部分8に貼り付けることで、光の乱反射を生起することとなる。
【0033】
ここで、装飾面3が乱反射によって光輝き、マーク部分7を引き立たせると共に宝石が散りまかれたように高級感に溢れたステアリングエンブレムを演出することが可能となる。
【0034】
なお、本実施例では装飾面にシルバー状の無数の突起が施された形態について詳述するものであるが、必ずしもそうする必要性は無く、車種や車体の色に応じて赤、青等の色彩が付された形態であっても構わない。
【0035】
また、装飾用シートの装飾面に蛍光体(図示せず。)を塗布することで夜間、あるいは駐車場等のように光が遮断された環境下で発光して幻想的な雰囲気を醸し出すことが可能となる。
【0036】
また、本実施例では一枚の剥離フィルムにステアリングエンブレムのそれぞれの凹部分に対応した位置の状態で基板が貼着された構成を詳述するものであるが、必ずしもこのような構成とする必要性はなく、例えばそれぞれの基板に対して剥離フィルムを貼着する構成であっても構わない。
【0037】
図4は本発明を適用したステアリングエンブレムの装飾用シートの一例の変形例を説明するための断面模式図である。
【0038】
ここで示す装飾用シート1は、上記した本発明を適用したステアリングエンブレムの装飾用シートの一例(図1参照)の構成に加えて、基板2の装飾面3上に、その周縁端に向けて順次、その厚さが薄くなるように透明樹脂層9が形成されている。
【0039】
ここで、透明樹脂層9の周縁部を薄く構成する方法としては、例えば基板2の上面に施された装飾面3の上面からポリウレタン等の透明樹脂液をゆっくりと流し込む方法が挙げられる。こうした方法を採用した場合には、表面張力が働き、その周縁部分がその周縁端に向けて順次、その厚さが薄くなる。
【0040】
上記の様に構成された装飾用シート1では、周縁端に向けて順次その厚さが薄くなるように透明樹脂層9が形成されることで、装飾用シート1の中央部分の厚さを、中央部分の周辺に位置する周辺部分の厚さより厚く構成している。このことによって、装飾用シート1の剥離を抑制することができる。
【0041】
図3は本発明を適用したステアリングエンブレムの装飾用シートの他の例を説明するための模式図である。
【0042】
ここで示す装飾用シート1Aは、上記した本発明を適用したステアリングエンブレムの装飾用シートの一例と同様に、柔軟性を有する合成樹脂製の基板2Aの上面に、光が乱反射するように、例えばアルミニウム製等のシルバー状の突起を無数に施した装飾面3Aが形成されている。
【0043】
また、合成樹脂製の基板2Aの底面には粘着層4Aが設けられ、この粘着層4Aにポリエチレンフィルム製の剥離フィルム5Aが貼り付けられている点も、上記した本発明を適用したステアリングエンブレムの装飾用シートの一例と同様である。
【0044】
ここで、装飾用シート1Aは、例えば、図3(ロ)に示すような(公序良俗違反につき、不掲載)の場合には、図3(イ)で示すように、略四角形状の枠内にH形状のマーク部分7Aが浮き出たようにプレス加工がされている。具体的には、ステアリングエンブレム6のそれぞれの凹部分8の形状に合わせて、合成樹脂製の基板2Aがカッティングされている(図3(イ)参照)。
【0045】
また、ステアリングエンブレム6のそれぞれの凹部分8の形状に合わせてカッティングされたそれぞれの基板2Aは、一枚の剥離フィルム5A上にステアリングエンブレム6のそれぞれの凹部分8に対応した位置に配置されている。
【0046】
更に、基板2Aの装飾面3A上に、その周縁端に向けて順次、その厚さが薄くなるように透明樹脂層9が形成されている(図4参照)。
【0047】
以上の構成よりなる本発明のステアリングエンブレムの装飾用シート1Aでは、一枚の剥離フィルム5Aにステアリングエンブレム6のそれぞれの凹部分8に対応した位置の状態で基板2Aが貼着された構成とされているので、ステアリングエンブレム6に貼り合わせた状態をイメージし易く、確実、かつ容易に商品を選択することが可能となる。
【0048】
そして、装飾用シート1を貼り合わせる場合には、剥離フィルム5Aを取り剥がして粘着層4Aを露出させた状態でステアリングエンブレム6の凹部分8の底面に貼り付ける。なお、上記の様に構成された装飾用シート1Aをステアリングエンブレム6のそれぞれの凹部分8に貼り合わせた状態を図3(ハ)に示す。
【0049】
このようにして、その上面にアルミニウム製等のシルバー状の突起を無数に施した装飾面3が形成された基板2Aをステアリングエンブレム6の凹部分8に貼り付けることで、光の乱反射を生起することとなる。
【0050】
ここで、装飾面3Aが乱反射によって光輝き、マーク部分7Aを引き立たせると共に宝石が散りまかれたような高級感に溢れたステアリングエンブレムを演出することが可能となる。
【0051】
また、基板2Aの周縁部は、その周縁端に向けて順次、その厚さが薄くなるよう、即ち縁部分に孤度を付け滑らかにすることで外部との接触機会が少なくなる。これにより、装飾用シート1Aの最上端がステアリングエンブレム6の凹部分8よりはみ出る場合でも剥れ難い状態となる。
【0052】
なお、本実施例では装飾面にシルバー状の無数の突起が施された形態について詳述するものであるが、必ずしもそうする必要性は無く、車種や車体の色に応じて赤、青等の色彩が付された形態であっても構わない。
【0053】
また、装飾用シートの装飾面に蛍光体(図示せず。)を塗布することで夜間、あるいは駐車場等のように光が遮断された環境下で発光して幻想的な雰囲気を醸し出すことが可能となる。
【0054】
また、本実施例では一枚の剥離フィルムにステアリングエンブレムのそれぞれの凹部分に対応した位置の状態で基板が貼着された構成を詳述するものであるが、必ずしもこのような構成とする必要性はなく、例えばそれぞれの基板に対して剥離フィルムを貼着する構成であっても構わない。
【0055】
図5は本発明を適用したエンブレムの装飾用シートの一例を説明するための模式図である。また、図6は本発明を適用したエンブレムの装飾用シートの一例を説明するための断面模式図である。
【0056】
ここで示す装飾用シート10は、柔軟性を有する合成樹脂製の基板12の上面に、光が乱反射するように、例えば、アルミニウム製等のシルバー状の突起を無数に施した装飾面13が形成されている。
【0057】
また、基板12の底面にはアクリル系の粘着層14が設けられ、この粘着層14にポリエチレンフィルム製の剥離フィルム15が貼り付けられている。
【0058】
ここで、装飾用シート10は、車種のエンブレムのデザインに応じてカッティングされている。例えば、図5(ロ)に示すような(公序良俗違反につき、不掲載)の場合には、図5(イ)で示すように、略円形状の枠内に(公序良俗違反につき、不掲載)部分21が浮き出るようにプレス加工がされている。具体的には、エンブレム20のそれぞれの凹部分22の形状に合わせて、合成樹脂製の基板12がカッティングされている(図5(イ)参照)。
【0059】
また、エンブレム20のそれぞれの凹部分22の形状に合わせてカッティングされたそれぞれの基板12は、一枚の剥離フィルム15上にエンブレム20のそれぞれの凹部分22に対応した位置に配置されている。
【0060】
更に、基板12の装飾面13上面に、その周縁端に向けて順次、その厚さが薄くなるように透明樹脂層19が形成されている(図6参照)。
【0061】
ここで、透明樹脂層19の周縁部を薄く構成する方法としては、例えば基板12の上面に施された装飾面13の上面からポリウレタン系の透明樹脂液をゆっくりと流し込む方法が挙げられる。こうした方法を採用した場合には、表面張力が働き、その周縁部分がその周縁端に向けて順次、その厚さが薄くなる。
【0062】
以上の構成よりなる本発明のエンブレムの装飾用シート10では、一枚の剥離フィルム15にエンブレム20のそれぞれの凹部分22に対応した位置の状態で基板12が貼着された構成とされているので、エンブレム20に貼り合わせた状態をイメージし易く、確実、かつ容易に商品を選択することが可能となる。
【0063】
そして、装飾用シート10を貼り合わせる場合には、剥離フィルム15を取り剥がして粘着層14を露出させた状態でエンブレム20の凹部分22の底面に貼り付ける。なお、上記の様に構成された装飾用シート10をエンブレム20のそれぞれの凹部分22に貼り合わせた状態を図5(ハ)に示す。
【0064】
このようにして、その上面にアルミニウム製等のシルバー状の突起を無数に施した装飾面13が形成された基板12をエンブレム20の凹部分22に貼り付けることで、光の乱反射を生起することとなる。
【0065】
また、図7は本発明を適用したエンブレムの装飾用シートの使用状態を説明するための断面模式図である。ここで示す装飾用シート10は、エンブレム20の凹部分22内に貼り付けられた基板12の装飾面13上の透明樹脂層19の最上端が、エンブレム20の凹部分22よりはみ出ている。
【0066】
ここで、本実施例では、透明樹脂層19の周縁部分がその周縁端に向けて順次、その厚さが薄くなるよう、即ち縁部分に孤度を付け滑らかにすることで透明樹脂層19の周縁端が凹部分22内に収まった状態としている。
【0067】
従って、透明樹脂層19の周縁端が凹部分22よりはみ出ることがなく、外部との接触機会が少なくなり、風雨や洗車時のブラシなどで基板12が剥がれるのを抑制することができる。
【0068】
また、装飾用シートの装飾面に蛍光体(図示せず。)を塗布することで夜間、あるいは駐車場等のように光が遮断された環境下で発光して幻想的な雰囲気を醸し出すことが可能となる。
【0069】
また、装飾としてアルミニウム製等のシルバー状の突起を使用することで、夜間では他車のライトに反射して昼間とは異なった雰囲気を醸し出すことができる。
【0070】
なお、本実施例では装飾面上にその周縁端に向けて順次、その厚さが薄くなるように透明樹脂層が形成される場合について詳述するものであるが、必ずしもその周縁端に向けて順次、その厚さが薄くなるような構成とする必要性はない。
【0071】
例えば、透明樹脂層の周縁部に段差を設ける、あるいは透明樹脂層の断面形状を半円形状や三角形状とすることで透明樹脂層の周縁端が凹部内に収まる構成であればいかなる構成であっても構わない。
【0072】
なお、本実施例では装飾面がシルバー状の無数の突起によって施された形態について詳述するものであるが、必ずしもそうする必要性は無く、車種や車体の色に応じて赤、青等の色彩が付された形態であっても構わない。
【0073】
また、本実施例では一枚の剥離フィルムにエンブレムのそれぞれの凹部分に対応した位置の状態で基板が貼着された構成を詳述するものであるが、必ずしもこのような構成とする必要性はなく、例えばそれぞれの基板に対して剥離フィルムを貼着する構成であっても構わない。
【0074】
また、本実施例では(公序良俗違反につき、不掲載)エンブレムの装飾用シートについて詳述するものであるが、これに限定するものでなく、他に例えば(公序良俗違反につき、不掲載)などあらゆる車種のエンブレムに対応した装飾用シートを実現可能とするものである。
【符号の説明】
【0075】
1、1A、10 装飾用シート
2、2A、12 基板
3、3A、13 装飾面
4、4A、14 粘着層
5、5A、15 剥離フィルム
6 ステアリングエンブレム
7、7A、21 マーク部分
8、22 凹部分
9、19 透明樹脂層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の形状が立体的に設けられたステアリングエンブレムの凹部分と略同一形状に構成された基板と、
前記基板の一方の面に施された装飾面と、
前記基板の他方の面に設けられた粘着層と、
前記粘着層に覆着された剥離フィルムとを備える
ステアリングエンブレムの装飾用シート。
【請求項2】
前記基板が、ステアリングエンブレムの凹部分の位置に合わせて剥離フィルム上に配置された
請求項1に記載のステアリングエンブレムの装飾用シート。
【請求項3】
前記装飾面が、反射乱光状に加工処理された
請求項1または請求項2に記載のステアリングエンブレムの装飾用シート。
【請求項4】
中央部分の厚さが、同中央部分の周辺に位置する周辺部分の厚さより厚く構成されている
請求項1、請求項2または請求項3に記載のステアリングエンブレムの装飾用シート。
【請求項5】
前記基板の装飾面上に、その周縁端近傍から該周縁端に向けて順次薄くなるように透明樹脂層が形成された
請求項4に記載のステアリングエンブレムの装飾用シート。
【請求項6】
所定の形状が立体的に設けられたエンブレムの凹部分と略同一形状に構成された基板と、
前記基板の一方の面に施された装飾面と、
前記基板の他方の面に設けられた粘着層と、
前記粘着層に覆着された剥離フィルムとを備え、
中央部分の厚さが、同中央部分の周辺に位置する周辺部分の厚さより厚く構成されている
エンブレムの装飾用シート。
【請求項7】
前記基板の装飾面上に、その周縁端近傍から該周縁端に向けて順次薄くなるように透明樹脂層が形成された
請求項6に記載のエンブレムの装飾用シート。
【請求項8】
前記基板が、エンブレムの凹部分の位置に合わせて剥離フィルム上に配置された
請求項6または請求項7に記載のエンブレムの装飾用シート。
【請求項9】
前記装飾面が、反射乱光状に加工処理された
請求項6、請求項7または請求項8に記載のエンブレムの装飾用シート。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2012−25379(P2012−25379A)
【公開日】平成24年2月9日(2012.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−87622(P2011−87622)
【出願日】平成23年4月11日(2011.4.11)
【公序良俗違反の表示】
特許法第64条第2項第4号の規定により明細書の一部または全部を不掲載とする。
特許法第64条第2項第4号の規定により図面の一部または全部を不掲載とする。
【出願人】(503441883)株式会社フォーチュン (1)
【Fターム(参考)】