ストロボ装置
【課題】 リフレクタやレンズを移動させることなく、撮影レンズの画角に応じて配光特性を適正に保つ。
【解決手段】 ストロボ装置10は、光線を発する発光管12と、光線を被写体側に向けて偏向させるリフレクタ14と、リフレクタ14の被写体側に配設されるレンズ20とを備える。レンズ20の第1および第2のコバ面31、32は、被写体側に広がるように光軸Xに対して傾いている。発光管12から発した光線の少なくとも一部は、第1および第2のコバ面31、32で反射して、光軸Xに対して略平行に被写体側に出射する。そして、レンズ20の被写体側に第1および第2遮蔽部41、42を配置する。第1および第2遮蔽部41、42は、レンズ20の開口径を変化させるように光線の光路内に進退する。第1および第2遮蔽部41、42は、進出すると、第1および第2のコバ面31、32で反射した光線の少なくとも一部を遮蔽する。
【解決手段】 ストロボ装置10は、光線を発する発光管12と、光線を被写体側に向けて偏向させるリフレクタ14と、リフレクタ14の被写体側に配設されるレンズ20とを備える。レンズ20の第1および第2のコバ面31、32は、被写体側に広がるように光軸Xに対して傾いている。発光管12から発した光線の少なくとも一部は、第1および第2のコバ面31、32で反射して、光軸Xに対して略平行に被写体側に出射する。そして、レンズ20の被写体側に第1および第2遮蔽部41、42を配置する。第1および第2遮蔽部41、42は、レンズ20の開口径を変化させるように光線の光路内に進退する。第1および第2遮蔽部41、42は、進出すると、第1および第2のコバ面31、32で反射した光線の少なくとも一部を遮蔽する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はズーム撮影レンズ付きカメラ等に設けられる配光特性可変ストロボ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ストロボ装置は、一般的に発光管、リフレクタ、およびレンズを有し、発光管から発せられた光線は、リフレクタで発散された後、レンズにおいてある程度集光され、これにより適正な配光角を保ちつつ被写体に向けて出射される。
【0003】
カメラは、ズーム撮影レンズを有するものが一般的であり、ズーム撮影レンズのズーム倍率が変更されると、撮影レンズの画角が変更される。撮影レンズの画角が変更されると、その画角に応じてストロボ光の配光を変化させなければならず、例えば画角が狭い場合、ストロボ光は、できるだけ被写体の中央部に効率良く集光させなければならないし、画角が広い場合、広い範囲にできるだけ均一に配光させなければならない。
【0004】
すなわち、ズーム撮影レンズを有するカメラにおいて、ストロボ光を適正に被写体に向けて照射させるためには、ストロボ装置から発せられる光の配光角を変化させなければならない。そこで例えば、ストロボ装置において、レンズとリフレクタとの相対的な距離を、撮影レンズの画角に応じて変更させ、ストロボ光の配光特性を変更させることが知られている(例えば特許文献1)。
【特許文献1】特開2002−236307号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の発明によれば、ストロボ装置において、レンズまたはリフレクタのいずれか一方を移動させるための移動空間を確保しなければならない。しかし、近年カメラは小型化されつつあり、このような小型化されたカメラにおいては、このような移動空間を確保することは困難である。
【0006】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、リフレクタやレンズを移動させることなく、撮影レンズの画角に応じて配光特性を適正に保ちつつ、ストロボ光の光量を充分に確保することができるストロボ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る配光特性可変ストロボ装置は、光線を発する発光管と、光線を被写体側に向けて偏向させるリフレクタと、リフレクタの被写体側に配設され、コバ部の少なくとも一部が被写体側に広がるように光軸に対して傾いている傾斜部であるレンズとを備え、発光管から発せられた光線の少なくとも一部は、傾斜部で反射して、光軸に対して略平行に被写体側に出射される。そして、本発明に係るストロボ装置は、さらにレンズの被写体側に配置され、レンズの開口径を変化させるように出射光線の光路内に進退する遮蔽部を有し、この遮蔽部が、上述の略平行に出射される光線の少なくとも一部を遮蔽し、出射光線の配光特性を制御することを特徴とする。以上のような構成によれば、リフレクタやレンズを移動させることなく、ストロボ光の配光特性を変化させることができる。
【0008】
ここで、ストロボ光の光線は、画角が狭い場合、できるだけ被写体の中央部に効率良く集光させなければならないし、画角が広い場合、広い範囲にできるだけ均一に配光させなければならない。一方、本発明において、遮蔽部に遮蔽される光軸に対して略平行な光線は、被写体の中央部に集光される。したがって例えば画角が広いときは、遮蔽部を進出させ、中央部に集光される光線を遮蔽し、広い範囲に亘って均一に照射されるストロボ光を実現することができる。また、例えば画角が狭いときは、遮蔽部を退避させ、この光軸に対して略平行な光線を、被写体に照射させ、被写体の中央部に効率良く集光されるストロボ光を実現することが可能である。すなわち、本発明においては、遮蔽部は、例えばカメラの撮影レンズの画角に応じて進退させられることが好ましい。
【0009】
傾斜部で反射する光線の少なくとも一部は、発光管から発せられレンズに直接入射する直接入射光線と、発光管から発せられた後、リフレクタを介してレンズに入射される間接入射光線から成り、直接入射光線および間接入射光線の少なくともいずれか一方の光線が、光軸に対して略平行に被写体側に出射される光線であることが好ましい。また、直接入射光線および間接入射光線はいずれも、光軸に対して略平行に被写体側に出射される光線であっても良い。
【0010】
遮蔽部は、傾斜部に接続されるレンズの被写体側の面の外縁部を覆うことにより、略平行に出射される光線の少なくとも一部を遮蔽し、出射光線の配光特性を制御することが好ましい。また、発光管は光軸に対して垂直方向に延び、コバ部は、垂直方向に延び、かつ光軸を挟んで反対側にある第1および第2のコバ面を有し、第1および第2のコバ面は、それぞれ傾斜部である場合、遮蔽部は、第1および第2のコバ面に接続するレンズの被写体側の面の外縁部近傍を覆うことにより、略平行に出射される光線の少なくとも一部を遮蔽することにより出射光線の配光特性を制御する。これらの構成においては、コバ部で反射された光を有効に遮蔽することができるので、効率よくストロボ光の配光を制御することができる。
【0011】
発光管は光軸に対して垂直方向に延び、コバ部は、垂直方向に延び、かつ光軸を挟んで反対側にある第1および第2のコバ面の両端を連結し、かつ光軸を挟んで反対側にある第3および第4のコバ面をさらに有し、第3および第4のコバ面は、それぞれ被写体側に広がるように光軸に対して傾斜する傾斜部であることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るストロボ装置は、レンズのコバ部を傾け、さらにレンズの開口径を変化させる進退可能な遮蔽部を設けることにより、リフレクタやレンズを移動させることなく、ストロボ光の配光特性を変化させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下本発明に係る一実施形態を図面を参照して説明する。図1および図3は、本実施形態に係るストロボ装置が搭載される不図示のカメラが、横長矩形の撮像画面を有するとした時、光軸Xに沿ったストロボ装置の縦断面図を示す。なお、図1は、ストロボ装置において、後述する遮蔽部が退避したときの図であって、図3は、遮蔽部が進出したときの図である。図2は、図1において、光軸Xに沿う横断面図を示す。本実施形態において、不図示のカメラは、撮影レンズ(不図示)がカメラ前方(被写体側)を向き、撮影レンズで捉えられた被写体像を撮像面で結像させ、これにより被写体像を撮影する。
【0014】
本実施形態に係るストロボ装置10は、発光管12と、凹状形状を呈し、その凹状形状の底部に発光管を収納するリフレクタ14と、リフレクタ14の前方に配設されるレンズ20とを備える。なお、光軸Xとは、発光管12の中心を通り、撮像面の垂直方向と平行な軸であって、本実施形態では、発光管12の中心と、レンズ20の第1面r1または第2面r2の曲率中心を通る。
【0015】
発光管12は、軸Yを中心に円筒状を呈するキセノン管であって、ストロボ装置の横方向(光軸Xに対して垂直であって図2中の上下方向)に延びる。リフレクタ14は、凹状形状の底部を成す円弧部15と、この円弧部15から前方に延びる発散部16から形成される。円弧部15の内周面は、発光管12の側面に沿うように形成され、発光管12が密接して固定される。
【0016】
発散部16は、それぞれ光軸Xを中心に対向する一対の平板部17と、一対の側壁部18から成り、前方に向かうにしたがって、徐々に光軸Xから遠ざかるように形成される。一対の平板部17は、それぞれ発光管12の側面に接しつつ、円弧部15の各円弧の端から延び、前方に広がるように光軸Xに対して傾いて形成される。
【0017】
側壁部18は、それぞれ一対の平板部17を連結し、図2に示すようにそれぞれ第1および第2の壁面18a、18bから成る。第1の壁面18aは、円弧部15に連結され、発光管12の両端を支持する円形の開口(不図示)が設けられる。第2の壁面18bは、第1の壁面18aの光軸前方に連接され、前方に広がるように光軸Xに対して傾いて設けられる。発散部16の前方の開口部19は、1対の平板部17と1対の側壁面18から成ることにより、矩形を呈する。
【0018】
レンズ20は、リフレクタ14の開口部19から僅かに離間して、前方に配置される。レンズ20は、発光管12側から第1面r1と、第2面r2とを有する。第1面r1は、凸フレネルレンズから成り、正の屈折力を有する。第2面r2は、縦断面に対して屈折力を有する凸シリンダレンズから成り、第1の面r1より弱い正の屈折力を有する。レンズ20の断面形状(第1面r1および第2面r2も含む)は、開口部19の形状に合わせて矩形に形成される。なお、シリンダレンズのシリンダ面の弧の中心軸は、横方向に延びる。
【0019】
ここで、開口部19は、横方向(図2の上下方向)の長さが、縦方向(図1の上下方向)の長さより長いので、レンズ20の断面も横方向の長さが縦方向の長さより長くなる。また、開口部19の縦方向の長さは、レンズの第1面r1の縦方向の長さと略同一である一方、開口部19の横方向の長さは、レンズの第1面r1の横方向の長さより短い。
【0020】
レンズ20がその断面形状が矩形を呈することにより、レンズ20のコバ部は、それぞれ光軸Xを挟んで反対側にあり、かつ横断面において軸Yの方向に延びる第1および第2のコバ面31、32と、第1および第2のコバ面31、32の両端を連結し、かつ光軸Xを挟んで反対側にある第3および第4のコバ面33、34から成る。
【0021】
ここで、第1および第2のコバ面31、32は、光軸前方に広がるように光軸Xに対して傾いて形成された平面である。一方、第3および第4のコバ面33、34は、光軸Xに対して平行に設けられた平面である。
【0022】
発光管12は、横方向および縦方向に拡散する光線を発し、その光線はその一部がリフレクタ17によって偏向させられる。図1、2には発光管が発する光線の一部である光線L1〜L6が示される。
【0023】
発光管12から発した光線は、第1面r1からレンズ20に直接入射される直接入射光線と、リフレクタ17で全反射された後、第1面r1からレンズ20に入射される間接入射光線から成る。大部分の直接入射光線(例えば光線L1、L2)および間接入射光線(例えば光線L3、L4)は、第1面r1で屈折し、第2面r2に直接入射され、第2面r2でさらに屈折された後、被写体に照射される(以下通常光線という)。
【0024】
しかし、直接入射光線および間接入射光線の一部(例えば光線L5、L6)は、第1面r1への入射角が大きく、第1面r1で屈折された後、第2面に入射される前に、第1ないし第4のコバ面31、32、33、34に入射される。
【0025】
本実施形態では、第1および第2のコバ面31、32が、図1に示すように、前方に広がるように光軸Xに対して傾いて形成される。これにより、第1および第2のコバ面31、32に入射される光線(例えば光線L5)は、これらコバ面31、32で全反射されると、図1に示すように光軸Xに対する角度が小さい光線となる。したがって、コバ面31、32で全反射された光線は、光軸Xに対して比較的小さい角度で進行する光線として、第2面r2から前方に出射され、被写体に適正に照射される。
【0026】
また、本実施形態では、通常光線は比較的広く拡散されて被写体に照射されるので、配光範囲の中央部が暗くなる傾向にある。そこで、第1および第2のコバ面31、32の光軸Xに対する傾き角度は、コバ面で全反射された光線が、第2面r2から前方に光軸Xに対して略平行に出射されるように設定される。これにより、コバ面で全反射された光線は、被写体の中心付近に重点的に照射されるので、配光範囲の中央部を明るくすることができる。なお、ここで略平行に出射される光線とは、図1(縦断面図)において、光軸Xに対して、15°以下傾いて進む光線をいう。
【0027】
以上のように、本実施形態では、横方向に延びる第1および第2のコバ面31、32が、光軸Xに対して被写体側に向けて広がるように形成されているので、コバ面31、32で全反射される光線は、被写体に適正に照射させることができる。これにより、本実施形態では、発光管12から発する光線をより多く被写体に照射させることができる。また、本実施形態においては、コバ面で全反射された光線は、光軸Xに対して略平行に前方に出射されるので、被写体の中心付近の光量不足を補うことができる。なお、第1および第2のコバ面31、32は、その傾きの角度を変更することにより、コバ面で全反射される光線の光軸に対する角度を変更することができるので、本実施形態においては、配光特性を自由に設定することができる。
【0028】
本実施形態のストロボ装置は、図3に示すように、レンズ20の第2面r2の前方に、第1および第2の遮蔽部41、42が設けられる。第1および第2の遮蔽部41、42は、ストロボ光の光路内に進退することにより、レンズ20の開口径を変化させることができる。レンズ20の開口径が変化させられると、照明光の配光状態が変更させられる。本実施形態のストロボ装置は、以下のように撮影レンズの画角変更(ズーミング)にあわせてレンズ20の開口径を変更させている。
【0029】
すなわち第1および第2の遮蔽部41、42は、撮影レンズの画角(ズーミング)に合わせて光路内に進退し、撮影レンズが、テレ(tele)側に設定されると、遮蔽部41、42は光路から退避する(図1参照)。一方、撮影レンズがワイド(wide)側に設定されると、遮蔽部41、42は光路内に進出する(図3参照)。
【0030】
第1および第2の遮蔽部41、42は、光路内に進出すると、第1および第2のコバ面31、32に接続される第2面r2の外縁部近傍全体を遮蔽する。ここで、第2面r2の外縁部近傍からは、主に第1および第2のコバ面31、32で全反射された光線(例えば光線L5)が出射される。したがって、第1および第2の遮蔽部41、42を進出させると、主にコバ面31、32で全反射された光線(例えば光線L5)が、第1および第2の遮蔽部41、42に遮蔽される。
【0031】
第1および第2のコバ面31、32で全反射された光線(例えば光線L5)は、先述したように、被写体の中心部分に照射される。したがって、第1および第2の遮蔽部41、42を光路上に進出させると、被写体の中心部分を相対的に暗くできる。これにより、レンズがワイド側にあるとき、被写体の中心部と周辺部の明るさの差を抑えることができるので、より広い被写体にストロボ光を均一に照射させることができる。
【0032】
一方、第1および第2の遮蔽部41、42を光路上から退避させると、コバ面から全反射した光線が被写体に向けて出射されるので、被写体の中心部分での明るさを上昇させることができる。したがって、テレ状態では、狭い範囲を明るく照らすことができるので、遠い被写体にストロボ光を適正に照射させることができる。
【0033】
なお、本実施形態では、直接入射光線および間接入射光線のいずれもが、第1および第2のコバ面31、32に入射され、これらコバ面で全反射される構成について述べたが、直接入射光線および間接入射光線のいずれか一方のみ、第1および第2のコバ面31、32に入射され、これらコバ面で全反射され、その全反射された光線のみが、第1および第2の遮蔽部41、42によって遮蔽されても良い。
【0034】
さらに、本実施形態では、第3および第4のコバ面33、34は、光軸Xに対して平行に設けられたが、第3および第4のコバ面33、34についても、それぞれ前方に広がるように光軸に対して傾いていても良い。これにより、第3および第4のコバ面33、34に入射された光線についても有効に被写体に照射させることができる。ただし、ストロボ光は、一般的に横方向の光量が縦方向の光量に比べて大きくなる傾向にあるので、通常、第3および第4のコバ面33、34を傾ける必要は比較的少ない。
【0035】
なお、本実施形態においては、第1および第2のコバ面31、32に接続される第2面r2の外縁部近傍を遮断する第1および第2の遮蔽部41、42のみが設けられるが、第3および第4のコバ面33、34に接続される第2面r2の外縁部近傍を、遮蔽するように第3および第4の遮蔽部が設けられても良い。なお、第3および第4の遮蔽部は、第3および第4のコバ面の傾斜の有無に拘わらず設けられて良い。
【0036】
さらに、第1ないし第4の遮蔽部が遮蔽する第2面r2の面積(開口径)は、レンズの画角に合わせて、変化させられても良い。すなわち、撮影レンズのワイド側への移動に合わせて、徐々に遮蔽部が進出する構成にしても良い。
【0037】
[実施例]
以下実施例を用いて本発明についてさらに詳細に説明する。
【表1】
【0038】
表1は、各実施例のストロボ装置の形状の詳細を示す。表1中、A〜Sは図4、図5中の、各A〜Sの長さを示す。A(またはP)は発光管12の軸Yから、第1の壁面18aと第2の壁面18bとの境界αまでの光軸X方向の距離を示す。B(またはQ)は境界αから、開口部19までの光軸X方向の距離を示す。Cは開口部19からレンズ20の第1面r1までの光軸X方向の距離を示す。Dはレンズ20の厚さを示す。Eは円弧部15と発光管12の接線から、軸Yまでの光軸X方向の距離を示す。Fは円弧部15と発光管12の接線から、発光管の軸Yまでの縦方向の距離を示す。Gは発光管12の軸Yから、境界αまでの縦方向の距離を示す。Hは発光管12の中心から、開口部19の端部までの縦方向の距離を示す。Jは第1面r1の縦方向の長さ、Kはレンズ20の第2面r2の縦方向の長さを示す。Lは第1の遮蔽部41、42が第2面r2を遮蔽するときの、露出している第2面r2の縦方向の長さを示す。Mは発光部12の横方向の長さを示す。Nは開口部19の横方向の長さを示す。Rはレンズ20の横方向の長さを示す。Sは第3および第4の遮蔽部43、44が第2面r2を遮蔽するときの、露出している第2面r2の横方向の長さを示す。
【0039】
[実施例1]
図6〜図8は、光軸Xに沿う縦断面において、ストロボ装置がテレ側に設定されたときの、光線の挙動を模式的に示した図である。図9〜図11は、光軸Xに沿う縦断面において、ストロボ装置がワイド側に設定されたときの、光線の挙動を模式的に示した図である。図12、図13は、光軸Xに沿う横断面において、ストロボ装置がテレ側およびワイド側に設定されたときの光線の挙動を模式的に示した図である。なお、縦断面においては、光線を3つに分割して示すとともに、横断面においては、光線を2つに分割して示した。さらに、光軸Xに沿う横断面においては、ストロボ装置がテレ側およびワイド側に設定されたときはともに、光線は遮蔽されないので、光線の挙動は同様であった。
【0040】
上述したように、ストロボ装置がテレ側に設定されたとき、遮蔽部41、42は退避される一方、ストロボ装置がワイド側に設定されたとき、遮蔽部41、42は進出させられた。図6〜8に示すように、遮蔽部が退避させられると、コバ面で反射される光線は、面r2から前方に照射された。このコバ面での反射光線は光軸Xとほぼ平行に、すなわち配光角が小さく前方に照射された。一方、遮蔽部が進出させられると、レンズ20の外縁部から出射される光線はその遮蔽部に遮蔽され、特にコバ面で反射された光線はすべて遮蔽された。
【0041】
図14〜17は、実施例1におけるガイドナンバー(被写体面における中心部の明るさ)に対する配光角毎の被写体面における明るさの変化およびEV値の変化を示す。ストロボ装置がテレ側のときは、ワイド側のときに比べて、ガイドナンバーは縦方向および横方向ともに全体的に大きくなった。これは被写体の中央部付近に照射されるコバ面で反射された光線によるものである。縦方向だけでなく遮蔽しない横方向にも効果があるのは、被写体面上で評価しているためである。即ち、図14〜17においては、縦断面、横断面以外の断面を通過する光線に対しても立体的に考慮されているからである。一方、ワイド側ではガイドナンバーは下がるものの、配広角±20度の明るさは遮蔽の有無で変わらないことから、中心部と周辺部との明るさの差が小さくなり、より均一に被写体を照らすことができた。これは、遮蔽部が主に、被写体の中央部付近に照射されるコバ面で反射された光線を遮蔽したことを示す。
【0042】
また、図16、17のEV変化が示すように、ストロボ装置がテレ側のとき、ストロボ光は被写体の中心部を中心に照射した。それに対して、ストロボ装置がワイド側のとき、ストロボ光は、被写体の中心部のみならず、より広範囲に亘って照射した。すなわち、本実施例では、主にコバ面の反射光を制御することにより、テレ状態およびワイド状態に適したストロボ光を被写体に照射させることができた。
【0043】
[実施例2]
図18〜図20は、実施例2において光軸Xの縦断面において、ストロボ装置がテレ側に設定されたときの光線の挙動を模式的に示した縦断面図である。図21〜図23は、ストロボ装置がワイド側に設定されたときの光線の挙動を模式的に示した縦断面図である。図24、図25は、光軸Xの横断面において、ストロボ装置がテレ側およびワイド側に設定されたときの光線の挙動を模式的に示した図である。図26〜図29は、実施例2におけるガイドナンバーに対する配光角毎の被写体面における明るさの変化およびEV値の変化を示す。なお、光軸Xに沿う横断面においては、ストロボ装置がテレ側およびワイド側に設定されたときはともに、光線は遮蔽されないので、光線の挙動は同様であった。
【0044】
実施例2においては、例えば図21に示すようにコバ面で反射された光は、その一部が遮蔽部で遮蔽されるとともに、一部が遮蔽部で遮蔽されなかった。しかし、実施例2においても、ガイドナンバーが示すように、ストロボ装置がテレ側にあるとき、ガイドナンバーが、高くなった。一方、ストロボ装置がワイド側にあるときには、ガイドナンバーが低下し、配光角±20度の明るさが変わらなかった。すなわち、実施例2においても、実施例1と同様に、コバ面で反射された光線を制御することにより、テレおよびワイド撮影に適したストロボ光を提供することができた。
【0045】
[実施例3]
図30〜図34は、ストロボ装置がテレ側に設定されたときの、実施例3の光線の挙動を模式的に示した縦断面図、横断面図である。図35〜図39は、ストロボ装置がワイド側に設定されたときの、光線の挙動を模式的に示した縦断面図、横断面図である。図40〜図43は、配光角毎のガイドナンバーおよびEV値の挙動を示す。図38、図39から明らかなように実施例3は、第1および第2の遮蔽部に加えて、第3および第4の遮蔽部がさらに設けられた。第3および第4の遮蔽部も、第1および第2の遮蔽部と同様にレンズの画角に合わせて進退した。
【0046】
図30〜図32および図35〜図37に示すように、光軸Xに沿う縦断面における光線は実施例2とほぼ同様の挙動を示した。すなわち、コバ面で反射された光は、その一部が第1および第2の遮蔽部で遮蔽されるとともに、一部が第1および第2の遮蔽部で遮蔽されなかった。
【0047】
一方、光軸Xに沿う横断面においては、ストロボ装置がワイド側にあるとき、図38、図39に示すように外縁部を通る光線が第3および第4の遮蔽部に遮蔽された。ここで、第3および第4の遮蔽部で遮蔽される光線は、主にリフレクタの第2の壁面18bに反射される光線およびコバ面で反射される光線であった。そして、これらの光線には、光軸Xにほぼ平行の光線が含まれていた。
【0048】
したがって、第3および第4の遮蔽部で遮蔽される光線は、配光角度が小さく被写体の中心部付近に照射される光線が含まれていた。すなわち、実施例3では、ストロボ装置がワイド側のとき、例えば図40、図41に示すように配光角度が小さい部分のガイドナンバーを抑制し、広い配光角範囲に対して、より均一に配光することができた。
【0049】
以上の実施例からも明らかなように、本実施形態に係るストロボ装置は、ストロボ光を撮影レンズの画角に応じてより効率的に被写体に照射させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】第1の実施形態において、光軸に沿ったストロボ装置の縦断面図である。
【図2】第1の実施形態において、光軸に沿ったストロボ装置の横断面図である。
【図3】第1の実施形態において、光軸に沿ったストロボ装置の縦断面図である。
【図4】ストロボ装置の寸法を示すための光軸に沿った縦断面の模式図である。
【図5】ストロボ装置の寸法を示すための光軸に沿った横断面図の模式図である。
【図6】実施例1に係るストロボ装置の光軸に沿う縦断面において、光線の一部を示した図である。
【図7】実施例1に係るストロボ装置の光軸に沿う縦断面において、光線の一部を示した図である。
【図8】実施例1に係るストロボ装置の光軸に沿う縦断面において、光線の一部を示した図である。
【図9】実施例1に係るストロボ装置の光軸に沿う縦断面において、遮蔽部が進出したときの光線の一部を示した図である。
【図10】実施例1に係るストロボ装置の光軸に沿う縦断面において、遮蔽部が進出したときの光線の一部を示した図である。
【図11】実施例1に係るストロボ装置の光軸に沿う縦断面において、遮蔽部が進出したときの光線の一部を示した図である。
【図12】実施例1に係るストロボ装置の光軸に沿う横断面において、光線の一部を示した図である。
【図13】実施例1に係るストロボ装置の光軸に沿う横断面において、光線の一部を示した図である。
【図14】実施例1に係るストロボ装置の縦方向の配光角度毎のガイドナンバーを示すグラフである。
【図15】実施例1に係るストロボ装置の横方向の配光角度毎のガイドナンバーを示すグラフである。
【図16】実施例1に係るストロボ装置の縦方向の配光角度毎のEV値を示すグラフである。
【図17】実施例1に係るストロボ装置の横方向の配光角度毎のEV値を示すグラフである。
【図18】実施例2に係るストロボ装置の光軸に沿う縦断面において、光線の一部を示した図である。
【図19】実施例2に係るストロボ装置の光軸に沿う縦断面において、光線の一部を示した図である。
【図20】実施例2に係るストロボ装置の光軸に沿う縦断面において、光線の一部を示した図である。
【図21】実施例2に係るストロボ装置の光軸に沿う縦断面において、遮蔽部が進出したときの光線の一部を示した図である。
【図22】実施例2に係るストロボ装置の光軸に沿う縦断面において、遮蔽部が進出したときの光線の一部を示した図である。
【図23】実施例2に係るストロボ装置の光軸に沿う縦断面において、遮蔽部が進出したときの光線の一部を示した図である。
【図24】実施例2に係るストロボ装置の光軸に沿う横断面において、光線の一部を示した図である。
【図25】実施例2に係るストロボ装置の光軸に沿う横断面において、光線の一部を示した図である。
【図26】実施例2に係るストロボ装置の縦方向の配光角度毎のガイドナンバーを示すグラフである。
【図27】実施例2に係るストロボ装置の横方向の配光角度毎のガイドナンバーを示すグラフである。
【図28】実施例2に係るストロボ装置の縦方向の配光角度毎のEV値を示すグラフである。
【図29】実施例2に係るストロボ装置の横方向の配光角度毎のEV値を示すグラフである。
【図30】実施例3に係るストロボ装置の光軸に沿う縦断面において、光線の一部を示した図である。
【図31】実施例3に係るストロボ装置の光軸に沿う縦断面において、光線の一部を示した図である。
【図32】実施例3に係るストロボ装置の光軸に沿う縦断面において、光線の一部を示した図である。
【図33】実施例3に係るストロボ装置の光軸に沿う横断面において、光線の一部を示した図である。
【図34】実施例3に係るストロボ装置の光軸に沿う横断面において、光線の一部を示した図である。
【図35】実施例3に係るストロボ装置の光軸に沿う縦断面において、遮蔽部が進出したときの光線の一部を示した図である。
【図36】実施例3に係るストロボ装置の光軸に沿う縦断面において、遮蔽部が進出したときの光線の一部を示した図である。
【図37】実施例3に係るストロボ装置の光軸に沿う縦断面において、遮蔽部が進出したときの光線の一部を示した図である。
【図38】実施例3に係るストロボ装置の光軸に沿う横断面において、遮蔽部が進出したときの光線の一部を示した図である。
【図39】実施例3に係るストロボ装置の光軸に沿う横断面において、遮蔽部が進出したときの光線の一部を示した図である。
【図40】実施例3に係るストロボ装置の縦方向の配光角度毎のガイドナンバーを示すグラフである。
【図41】実施例3に係るストロボ装置の横方向の配光角度毎のガイドナンバーを示すグラフである。
【図42】実施例3に係るストロボ装置の縦方向の配光角度毎のEV値を示すグラフである。
【図43】実施例3に係るストロボ装置の横方向の配光角度毎のEV値を示すグラフである。
【符号の説明】
【0051】
10 ストロボ装置
12 発光管
14 リフレクタ
20 レンズ
31 第1のコバ面
32 第2のコバ面
41 第1の遮蔽部
42 第2の遮蔽部
X 光軸
Y 軸
【技術分野】
【0001】
本発明はズーム撮影レンズ付きカメラ等に設けられる配光特性可変ストロボ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ストロボ装置は、一般的に発光管、リフレクタ、およびレンズを有し、発光管から発せられた光線は、リフレクタで発散された後、レンズにおいてある程度集光され、これにより適正な配光角を保ちつつ被写体に向けて出射される。
【0003】
カメラは、ズーム撮影レンズを有するものが一般的であり、ズーム撮影レンズのズーム倍率が変更されると、撮影レンズの画角が変更される。撮影レンズの画角が変更されると、その画角に応じてストロボ光の配光を変化させなければならず、例えば画角が狭い場合、ストロボ光は、できるだけ被写体の中央部に効率良く集光させなければならないし、画角が広い場合、広い範囲にできるだけ均一に配光させなければならない。
【0004】
すなわち、ズーム撮影レンズを有するカメラにおいて、ストロボ光を適正に被写体に向けて照射させるためには、ストロボ装置から発せられる光の配光角を変化させなければならない。そこで例えば、ストロボ装置において、レンズとリフレクタとの相対的な距離を、撮影レンズの画角に応じて変更させ、ストロボ光の配光特性を変更させることが知られている(例えば特許文献1)。
【特許文献1】特開2002−236307号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の発明によれば、ストロボ装置において、レンズまたはリフレクタのいずれか一方を移動させるための移動空間を確保しなければならない。しかし、近年カメラは小型化されつつあり、このような小型化されたカメラにおいては、このような移動空間を確保することは困難である。
【0006】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、リフレクタやレンズを移動させることなく、撮影レンズの画角に応じて配光特性を適正に保ちつつ、ストロボ光の光量を充分に確保することができるストロボ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る配光特性可変ストロボ装置は、光線を発する発光管と、光線を被写体側に向けて偏向させるリフレクタと、リフレクタの被写体側に配設され、コバ部の少なくとも一部が被写体側に広がるように光軸に対して傾いている傾斜部であるレンズとを備え、発光管から発せられた光線の少なくとも一部は、傾斜部で反射して、光軸に対して略平行に被写体側に出射される。そして、本発明に係るストロボ装置は、さらにレンズの被写体側に配置され、レンズの開口径を変化させるように出射光線の光路内に進退する遮蔽部を有し、この遮蔽部が、上述の略平行に出射される光線の少なくとも一部を遮蔽し、出射光線の配光特性を制御することを特徴とする。以上のような構成によれば、リフレクタやレンズを移動させることなく、ストロボ光の配光特性を変化させることができる。
【0008】
ここで、ストロボ光の光線は、画角が狭い場合、できるだけ被写体の中央部に効率良く集光させなければならないし、画角が広い場合、広い範囲にできるだけ均一に配光させなければならない。一方、本発明において、遮蔽部に遮蔽される光軸に対して略平行な光線は、被写体の中央部に集光される。したがって例えば画角が広いときは、遮蔽部を進出させ、中央部に集光される光線を遮蔽し、広い範囲に亘って均一に照射されるストロボ光を実現することができる。また、例えば画角が狭いときは、遮蔽部を退避させ、この光軸に対して略平行な光線を、被写体に照射させ、被写体の中央部に効率良く集光されるストロボ光を実現することが可能である。すなわち、本発明においては、遮蔽部は、例えばカメラの撮影レンズの画角に応じて進退させられることが好ましい。
【0009】
傾斜部で反射する光線の少なくとも一部は、発光管から発せられレンズに直接入射する直接入射光線と、発光管から発せられた後、リフレクタを介してレンズに入射される間接入射光線から成り、直接入射光線および間接入射光線の少なくともいずれか一方の光線が、光軸に対して略平行に被写体側に出射される光線であることが好ましい。また、直接入射光線および間接入射光線はいずれも、光軸に対して略平行に被写体側に出射される光線であっても良い。
【0010】
遮蔽部は、傾斜部に接続されるレンズの被写体側の面の外縁部を覆うことにより、略平行に出射される光線の少なくとも一部を遮蔽し、出射光線の配光特性を制御することが好ましい。また、発光管は光軸に対して垂直方向に延び、コバ部は、垂直方向に延び、かつ光軸を挟んで反対側にある第1および第2のコバ面を有し、第1および第2のコバ面は、それぞれ傾斜部である場合、遮蔽部は、第1および第2のコバ面に接続するレンズの被写体側の面の外縁部近傍を覆うことにより、略平行に出射される光線の少なくとも一部を遮蔽することにより出射光線の配光特性を制御する。これらの構成においては、コバ部で反射された光を有効に遮蔽することができるので、効率よくストロボ光の配光を制御することができる。
【0011】
発光管は光軸に対して垂直方向に延び、コバ部は、垂直方向に延び、かつ光軸を挟んで反対側にある第1および第2のコバ面の両端を連結し、かつ光軸を挟んで反対側にある第3および第4のコバ面をさらに有し、第3および第4のコバ面は、それぞれ被写体側に広がるように光軸に対して傾斜する傾斜部であることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るストロボ装置は、レンズのコバ部を傾け、さらにレンズの開口径を変化させる進退可能な遮蔽部を設けることにより、リフレクタやレンズを移動させることなく、ストロボ光の配光特性を変化させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下本発明に係る一実施形態を図面を参照して説明する。図1および図3は、本実施形態に係るストロボ装置が搭載される不図示のカメラが、横長矩形の撮像画面を有するとした時、光軸Xに沿ったストロボ装置の縦断面図を示す。なお、図1は、ストロボ装置において、後述する遮蔽部が退避したときの図であって、図3は、遮蔽部が進出したときの図である。図2は、図1において、光軸Xに沿う横断面図を示す。本実施形態において、不図示のカメラは、撮影レンズ(不図示)がカメラ前方(被写体側)を向き、撮影レンズで捉えられた被写体像を撮像面で結像させ、これにより被写体像を撮影する。
【0014】
本実施形態に係るストロボ装置10は、発光管12と、凹状形状を呈し、その凹状形状の底部に発光管を収納するリフレクタ14と、リフレクタ14の前方に配設されるレンズ20とを備える。なお、光軸Xとは、発光管12の中心を通り、撮像面の垂直方向と平行な軸であって、本実施形態では、発光管12の中心と、レンズ20の第1面r1または第2面r2の曲率中心を通る。
【0015】
発光管12は、軸Yを中心に円筒状を呈するキセノン管であって、ストロボ装置の横方向(光軸Xに対して垂直であって図2中の上下方向)に延びる。リフレクタ14は、凹状形状の底部を成す円弧部15と、この円弧部15から前方に延びる発散部16から形成される。円弧部15の内周面は、発光管12の側面に沿うように形成され、発光管12が密接して固定される。
【0016】
発散部16は、それぞれ光軸Xを中心に対向する一対の平板部17と、一対の側壁部18から成り、前方に向かうにしたがって、徐々に光軸Xから遠ざかるように形成される。一対の平板部17は、それぞれ発光管12の側面に接しつつ、円弧部15の各円弧の端から延び、前方に広がるように光軸Xに対して傾いて形成される。
【0017】
側壁部18は、それぞれ一対の平板部17を連結し、図2に示すようにそれぞれ第1および第2の壁面18a、18bから成る。第1の壁面18aは、円弧部15に連結され、発光管12の両端を支持する円形の開口(不図示)が設けられる。第2の壁面18bは、第1の壁面18aの光軸前方に連接され、前方に広がるように光軸Xに対して傾いて設けられる。発散部16の前方の開口部19は、1対の平板部17と1対の側壁面18から成ることにより、矩形を呈する。
【0018】
レンズ20は、リフレクタ14の開口部19から僅かに離間して、前方に配置される。レンズ20は、発光管12側から第1面r1と、第2面r2とを有する。第1面r1は、凸フレネルレンズから成り、正の屈折力を有する。第2面r2は、縦断面に対して屈折力を有する凸シリンダレンズから成り、第1の面r1より弱い正の屈折力を有する。レンズ20の断面形状(第1面r1および第2面r2も含む)は、開口部19の形状に合わせて矩形に形成される。なお、シリンダレンズのシリンダ面の弧の中心軸は、横方向に延びる。
【0019】
ここで、開口部19は、横方向(図2の上下方向)の長さが、縦方向(図1の上下方向)の長さより長いので、レンズ20の断面も横方向の長さが縦方向の長さより長くなる。また、開口部19の縦方向の長さは、レンズの第1面r1の縦方向の長さと略同一である一方、開口部19の横方向の長さは、レンズの第1面r1の横方向の長さより短い。
【0020】
レンズ20がその断面形状が矩形を呈することにより、レンズ20のコバ部は、それぞれ光軸Xを挟んで反対側にあり、かつ横断面において軸Yの方向に延びる第1および第2のコバ面31、32と、第1および第2のコバ面31、32の両端を連結し、かつ光軸Xを挟んで反対側にある第3および第4のコバ面33、34から成る。
【0021】
ここで、第1および第2のコバ面31、32は、光軸前方に広がるように光軸Xに対して傾いて形成された平面である。一方、第3および第4のコバ面33、34は、光軸Xに対して平行に設けられた平面である。
【0022】
発光管12は、横方向および縦方向に拡散する光線を発し、その光線はその一部がリフレクタ17によって偏向させられる。図1、2には発光管が発する光線の一部である光線L1〜L6が示される。
【0023】
発光管12から発した光線は、第1面r1からレンズ20に直接入射される直接入射光線と、リフレクタ17で全反射された後、第1面r1からレンズ20に入射される間接入射光線から成る。大部分の直接入射光線(例えば光線L1、L2)および間接入射光線(例えば光線L3、L4)は、第1面r1で屈折し、第2面r2に直接入射され、第2面r2でさらに屈折された後、被写体に照射される(以下通常光線という)。
【0024】
しかし、直接入射光線および間接入射光線の一部(例えば光線L5、L6)は、第1面r1への入射角が大きく、第1面r1で屈折された後、第2面に入射される前に、第1ないし第4のコバ面31、32、33、34に入射される。
【0025】
本実施形態では、第1および第2のコバ面31、32が、図1に示すように、前方に広がるように光軸Xに対して傾いて形成される。これにより、第1および第2のコバ面31、32に入射される光線(例えば光線L5)は、これらコバ面31、32で全反射されると、図1に示すように光軸Xに対する角度が小さい光線となる。したがって、コバ面31、32で全反射された光線は、光軸Xに対して比較的小さい角度で進行する光線として、第2面r2から前方に出射され、被写体に適正に照射される。
【0026】
また、本実施形態では、通常光線は比較的広く拡散されて被写体に照射されるので、配光範囲の中央部が暗くなる傾向にある。そこで、第1および第2のコバ面31、32の光軸Xに対する傾き角度は、コバ面で全反射された光線が、第2面r2から前方に光軸Xに対して略平行に出射されるように設定される。これにより、コバ面で全反射された光線は、被写体の中心付近に重点的に照射されるので、配光範囲の中央部を明るくすることができる。なお、ここで略平行に出射される光線とは、図1(縦断面図)において、光軸Xに対して、15°以下傾いて進む光線をいう。
【0027】
以上のように、本実施形態では、横方向に延びる第1および第2のコバ面31、32が、光軸Xに対して被写体側に向けて広がるように形成されているので、コバ面31、32で全反射される光線は、被写体に適正に照射させることができる。これにより、本実施形態では、発光管12から発する光線をより多く被写体に照射させることができる。また、本実施形態においては、コバ面で全反射された光線は、光軸Xに対して略平行に前方に出射されるので、被写体の中心付近の光量不足を補うことができる。なお、第1および第2のコバ面31、32は、その傾きの角度を変更することにより、コバ面で全反射される光線の光軸に対する角度を変更することができるので、本実施形態においては、配光特性を自由に設定することができる。
【0028】
本実施形態のストロボ装置は、図3に示すように、レンズ20の第2面r2の前方に、第1および第2の遮蔽部41、42が設けられる。第1および第2の遮蔽部41、42は、ストロボ光の光路内に進退することにより、レンズ20の開口径を変化させることができる。レンズ20の開口径が変化させられると、照明光の配光状態が変更させられる。本実施形態のストロボ装置は、以下のように撮影レンズの画角変更(ズーミング)にあわせてレンズ20の開口径を変更させている。
【0029】
すなわち第1および第2の遮蔽部41、42は、撮影レンズの画角(ズーミング)に合わせて光路内に進退し、撮影レンズが、テレ(tele)側に設定されると、遮蔽部41、42は光路から退避する(図1参照)。一方、撮影レンズがワイド(wide)側に設定されると、遮蔽部41、42は光路内に進出する(図3参照)。
【0030】
第1および第2の遮蔽部41、42は、光路内に進出すると、第1および第2のコバ面31、32に接続される第2面r2の外縁部近傍全体を遮蔽する。ここで、第2面r2の外縁部近傍からは、主に第1および第2のコバ面31、32で全反射された光線(例えば光線L5)が出射される。したがって、第1および第2の遮蔽部41、42を進出させると、主にコバ面31、32で全反射された光線(例えば光線L5)が、第1および第2の遮蔽部41、42に遮蔽される。
【0031】
第1および第2のコバ面31、32で全反射された光線(例えば光線L5)は、先述したように、被写体の中心部分に照射される。したがって、第1および第2の遮蔽部41、42を光路上に進出させると、被写体の中心部分を相対的に暗くできる。これにより、レンズがワイド側にあるとき、被写体の中心部と周辺部の明るさの差を抑えることができるので、より広い被写体にストロボ光を均一に照射させることができる。
【0032】
一方、第1および第2の遮蔽部41、42を光路上から退避させると、コバ面から全反射した光線が被写体に向けて出射されるので、被写体の中心部分での明るさを上昇させることができる。したがって、テレ状態では、狭い範囲を明るく照らすことができるので、遠い被写体にストロボ光を適正に照射させることができる。
【0033】
なお、本実施形態では、直接入射光線および間接入射光線のいずれもが、第1および第2のコバ面31、32に入射され、これらコバ面で全反射される構成について述べたが、直接入射光線および間接入射光線のいずれか一方のみ、第1および第2のコバ面31、32に入射され、これらコバ面で全反射され、その全反射された光線のみが、第1および第2の遮蔽部41、42によって遮蔽されても良い。
【0034】
さらに、本実施形態では、第3および第4のコバ面33、34は、光軸Xに対して平行に設けられたが、第3および第4のコバ面33、34についても、それぞれ前方に広がるように光軸に対して傾いていても良い。これにより、第3および第4のコバ面33、34に入射された光線についても有効に被写体に照射させることができる。ただし、ストロボ光は、一般的に横方向の光量が縦方向の光量に比べて大きくなる傾向にあるので、通常、第3および第4のコバ面33、34を傾ける必要は比較的少ない。
【0035】
なお、本実施形態においては、第1および第2のコバ面31、32に接続される第2面r2の外縁部近傍を遮断する第1および第2の遮蔽部41、42のみが設けられるが、第3および第4のコバ面33、34に接続される第2面r2の外縁部近傍を、遮蔽するように第3および第4の遮蔽部が設けられても良い。なお、第3および第4の遮蔽部は、第3および第4のコバ面の傾斜の有無に拘わらず設けられて良い。
【0036】
さらに、第1ないし第4の遮蔽部が遮蔽する第2面r2の面積(開口径)は、レンズの画角に合わせて、変化させられても良い。すなわち、撮影レンズのワイド側への移動に合わせて、徐々に遮蔽部が進出する構成にしても良い。
【0037】
[実施例]
以下実施例を用いて本発明についてさらに詳細に説明する。
【表1】
【0038】
表1は、各実施例のストロボ装置の形状の詳細を示す。表1中、A〜Sは図4、図5中の、各A〜Sの長さを示す。A(またはP)は発光管12の軸Yから、第1の壁面18aと第2の壁面18bとの境界αまでの光軸X方向の距離を示す。B(またはQ)は境界αから、開口部19までの光軸X方向の距離を示す。Cは開口部19からレンズ20の第1面r1までの光軸X方向の距離を示す。Dはレンズ20の厚さを示す。Eは円弧部15と発光管12の接線から、軸Yまでの光軸X方向の距離を示す。Fは円弧部15と発光管12の接線から、発光管の軸Yまでの縦方向の距離を示す。Gは発光管12の軸Yから、境界αまでの縦方向の距離を示す。Hは発光管12の中心から、開口部19の端部までの縦方向の距離を示す。Jは第1面r1の縦方向の長さ、Kはレンズ20の第2面r2の縦方向の長さを示す。Lは第1の遮蔽部41、42が第2面r2を遮蔽するときの、露出している第2面r2の縦方向の長さを示す。Mは発光部12の横方向の長さを示す。Nは開口部19の横方向の長さを示す。Rはレンズ20の横方向の長さを示す。Sは第3および第4の遮蔽部43、44が第2面r2を遮蔽するときの、露出している第2面r2の横方向の長さを示す。
【0039】
[実施例1]
図6〜図8は、光軸Xに沿う縦断面において、ストロボ装置がテレ側に設定されたときの、光線の挙動を模式的に示した図である。図9〜図11は、光軸Xに沿う縦断面において、ストロボ装置がワイド側に設定されたときの、光線の挙動を模式的に示した図である。図12、図13は、光軸Xに沿う横断面において、ストロボ装置がテレ側およびワイド側に設定されたときの光線の挙動を模式的に示した図である。なお、縦断面においては、光線を3つに分割して示すとともに、横断面においては、光線を2つに分割して示した。さらに、光軸Xに沿う横断面においては、ストロボ装置がテレ側およびワイド側に設定されたときはともに、光線は遮蔽されないので、光線の挙動は同様であった。
【0040】
上述したように、ストロボ装置がテレ側に設定されたとき、遮蔽部41、42は退避される一方、ストロボ装置がワイド側に設定されたとき、遮蔽部41、42は進出させられた。図6〜8に示すように、遮蔽部が退避させられると、コバ面で反射される光線は、面r2から前方に照射された。このコバ面での反射光線は光軸Xとほぼ平行に、すなわち配光角が小さく前方に照射された。一方、遮蔽部が進出させられると、レンズ20の外縁部から出射される光線はその遮蔽部に遮蔽され、特にコバ面で反射された光線はすべて遮蔽された。
【0041】
図14〜17は、実施例1におけるガイドナンバー(被写体面における中心部の明るさ)に対する配光角毎の被写体面における明るさの変化およびEV値の変化を示す。ストロボ装置がテレ側のときは、ワイド側のときに比べて、ガイドナンバーは縦方向および横方向ともに全体的に大きくなった。これは被写体の中央部付近に照射されるコバ面で反射された光線によるものである。縦方向だけでなく遮蔽しない横方向にも効果があるのは、被写体面上で評価しているためである。即ち、図14〜17においては、縦断面、横断面以外の断面を通過する光線に対しても立体的に考慮されているからである。一方、ワイド側ではガイドナンバーは下がるものの、配広角±20度の明るさは遮蔽の有無で変わらないことから、中心部と周辺部との明るさの差が小さくなり、より均一に被写体を照らすことができた。これは、遮蔽部が主に、被写体の中央部付近に照射されるコバ面で反射された光線を遮蔽したことを示す。
【0042】
また、図16、17のEV変化が示すように、ストロボ装置がテレ側のとき、ストロボ光は被写体の中心部を中心に照射した。それに対して、ストロボ装置がワイド側のとき、ストロボ光は、被写体の中心部のみならず、より広範囲に亘って照射した。すなわち、本実施例では、主にコバ面の反射光を制御することにより、テレ状態およびワイド状態に適したストロボ光を被写体に照射させることができた。
【0043】
[実施例2]
図18〜図20は、実施例2において光軸Xの縦断面において、ストロボ装置がテレ側に設定されたときの光線の挙動を模式的に示した縦断面図である。図21〜図23は、ストロボ装置がワイド側に設定されたときの光線の挙動を模式的に示した縦断面図である。図24、図25は、光軸Xの横断面において、ストロボ装置がテレ側およびワイド側に設定されたときの光線の挙動を模式的に示した図である。図26〜図29は、実施例2におけるガイドナンバーに対する配光角毎の被写体面における明るさの変化およびEV値の変化を示す。なお、光軸Xに沿う横断面においては、ストロボ装置がテレ側およびワイド側に設定されたときはともに、光線は遮蔽されないので、光線の挙動は同様であった。
【0044】
実施例2においては、例えば図21に示すようにコバ面で反射された光は、その一部が遮蔽部で遮蔽されるとともに、一部が遮蔽部で遮蔽されなかった。しかし、実施例2においても、ガイドナンバーが示すように、ストロボ装置がテレ側にあるとき、ガイドナンバーが、高くなった。一方、ストロボ装置がワイド側にあるときには、ガイドナンバーが低下し、配光角±20度の明るさが変わらなかった。すなわち、実施例2においても、実施例1と同様に、コバ面で反射された光線を制御することにより、テレおよびワイド撮影に適したストロボ光を提供することができた。
【0045】
[実施例3]
図30〜図34は、ストロボ装置がテレ側に設定されたときの、実施例3の光線の挙動を模式的に示した縦断面図、横断面図である。図35〜図39は、ストロボ装置がワイド側に設定されたときの、光線の挙動を模式的に示した縦断面図、横断面図である。図40〜図43は、配光角毎のガイドナンバーおよびEV値の挙動を示す。図38、図39から明らかなように実施例3は、第1および第2の遮蔽部に加えて、第3および第4の遮蔽部がさらに設けられた。第3および第4の遮蔽部も、第1および第2の遮蔽部と同様にレンズの画角に合わせて進退した。
【0046】
図30〜図32および図35〜図37に示すように、光軸Xに沿う縦断面における光線は実施例2とほぼ同様の挙動を示した。すなわち、コバ面で反射された光は、その一部が第1および第2の遮蔽部で遮蔽されるとともに、一部が第1および第2の遮蔽部で遮蔽されなかった。
【0047】
一方、光軸Xに沿う横断面においては、ストロボ装置がワイド側にあるとき、図38、図39に示すように外縁部を通る光線が第3および第4の遮蔽部に遮蔽された。ここで、第3および第4の遮蔽部で遮蔽される光線は、主にリフレクタの第2の壁面18bに反射される光線およびコバ面で反射される光線であった。そして、これらの光線には、光軸Xにほぼ平行の光線が含まれていた。
【0048】
したがって、第3および第4の遮蔽部で遮蔽される光線は、配光角度が小さく被写体の中心部付近に照射される光線が含まれていた。すなわち、実施例3では、ストロボ装置がワイド側のとき、例えば図40、図41に示すように配光角度が小さい部分のガイドナンバーを抑制し、広い配光角範囲に対して、より均一に配光することができた。
【0049】
以上の実施例からも明らかなように、本実施形態に係るストロボ装置は、ストロボ光を撮影レンズの画角に応じてより効率的に被写体に照射させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】第1の実施形態において、光軸に沿ったストロボ装置の縦断面図である。
【図2】第1の実施形態において、光軸に沿ったストロボ装置の横断面図である。
【図3】第1の実施形態において、光軸に沿ったストロボ装置の縦断面図である。
【図4】ストロボ装置の寸法を示すための光軸に沿った縦断面の模式図である。
【図5】ストロボ装置の寸法を示すための光軸に沿った横断面図の模式図である。
【図6】実施例1に係るストロボ装置の光軸に沿う縦断面において、光線の一部を示した図である。
【図7】実施例1に係るストロボ装置の光軸に沿う縦断面において、光線の一部を示した図である。
【図8】実施例1に係るストロボ装置の光軸に沿う縦断面において、光線の一部を示した図である。
【図9】実施例1に係るストロボ装置の光軸に沿う縦断面において、遮蔽部が進出したときの光線の一部を示した図である。
【図10】実施例1に係るストロボ装置の光軸に沿う縦断面において、遮蔽部が進出したときの光線の一部を示した図である。
【図11】実施例1に係るストロボ装置の光軸に沿う縦断面において、遮蔽部が進出したときの光線の一部を示した図である。
【図12】実施例1に係るストロボ装置の光軸に沿う横断面において、光線の一部を示した図である。
【図13】実施例1に係るストロボ装置の光軸に沿う横断面において、光線の一部を示した図である。
【図14】実施例1に係るストロボ装置の縦方向の配光角度毎のガイドナンバーを示すグラフである。
【図15】実施例1に係るストロボ装置の横方向の配光角度毎のガイドナンバーを示すグラフである。
【図16】実施例1に係るストロボ装置の縦方向の配光角度毎のEV値を示すグラフである。
【図17】実施例1に係るストロボ装置の横方向の配光角度毎のEV値を示すグラフである。
【図18】実施例2に係るストロボ装置の光軸に沿う縦断面において、光線の一部を示した図である。
【図19】実施例2に係るストロボ装置の光軸に沿う縦断面において、光線の一部を示した図である。
【図20】実施例2に係るストロボ装置の光軸に沿う縦断面において、光線の一部を示した図である。
【図21】実施例2に係るストロボ装置の光軸に沿う縦断面において、遮蔽部が進出したときの光線の一部を示した図である。
【図22】実施例2に係るストロボ装置の光軸に沿う縦断面において、遮蔽部が進出したときの光線の一部を示した図である。
【図23】実施例2に係るストロボ装置の光軸に沿う縦断面において、遮蔽部が進出したときの光線の一部を示した図である。
【図24】実施例2に係るストロボ装置の光軸に沿う横断面において、光線の一部を示した図である。
【図25】実施例2に係るストロボ装置の光軸に沿う横断面において、光線の一部を示した図である。
【図26】実施例2に係るストロボ装置の縦方向の配光角度毎のガイドナンバーを示すグラフである。
【図27】実施例2に係るストロボ装置の横方向の配光角度毎のガイドナンバーを示すグラフである。
【図28】実施例2に係るストロボ装置の縦方向の配光角度毎のEV値を示すグラフである。
【図29】実施例2に係るストロボ装置の横方向の配光角度毎のEV値を示すグラフである。
【図30】実施例3に係るストロボ装置の光軸に沿う縦断面において、光線の一部を示した図である。
【図31】実施例3に係るストロボ装置の光軸に沿う縦断面において、光線の一部を示した図である。
【図32】実施例3に係るストロボ装置の光軸に沿う縦断面において、光線の一部を示した図である。
【図33】実施例3に係るストロボ装置の光軸に沿う横断面において、光線の一部を示した図である。
【図34】実施例3に係るストロボ装置の光軸に沿う横断面において、光線の一部を示した図である。
【図35】実施例3に係るストロボ装置の光軸に沿う縦断面において、遮蔽部が進出したときの光線の一部を示した図である。
【図36】実施例3に係るストロボ装置の光軸に沿う縦断面において、遮蔽部が進出したときの光線の一部を示した図である。
【図37】実施例3に係るストロボ装置の光軸に沿う縦断面において、遮蔽部が進出したときの光線の一部を示した図である。
【図38】実施例3に係るストロボ装置の光軸に沿う横断面において、遮蔽部が進出したときの光線の一部を示した図である。
【図39】実施例3に係るストロボ装置の光軸に沿う横断面において、遮蔽部が進出したときの光線の一部を示した図である。
【図40】実施例3に係るストロボ装置の縦方向の配光角度毎のガイドナンバーを示すグラフである。
【図41】実施例3に係るストロボ装置の横方向の配光角度毎のガイドナンバーを示すグラフである。
【図42】実施例3に係るストロボ装置の縦方向の配光角度毎のEV値を示すグラフである。
【図43】実施例3に係るストロボ装置の横方向の配光角度毎のEV値を示すグラフである。
【符号の説明】
【0051】
10 ストロボ装置
12 発光管
14 リフレクタ
20 レンズ
31 第1のコバ面
32 第2のコバ面
41 第1の遮蔽部
42 第2の遮蔽部
X 光軸
Y 軸
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光線を発する発光管と、前記光線を被写体側に向けて偏向させるリフレクタと、前記リフレクタの被写体側に配設され、コバ部の少なくとも一部が被写体側に広がるように光軸に対して傾いている傾斜部であるレンズとを備える配光特性可変ストロボ装置において、
前記光線の少なくとも一部は、前記傾斜部で反射して、前記光軸に対して略平行に被写体側に出射され、
前記レンズの被写体側に配置され、前記レンズの開口径を変化させるように前記光線の光路内に進退する遮蔽部によって、前記略平行に出射される光線の少なくとも一部を遮蔽することにより、前記光線の配光特性を制御することを特徴とする配光特性可変ストロボ装置。
【請求項2】
前記傾斜部で反射する前記光線の少なくとも一部は、前記発光管から発せられ前記レンズに直接入射する直接入射光線と、前記発光管から発せられた後、前記リフレクタを介して前記レンズに入射される間接入射光線から成り、前記直接入射光線および前記間接入射光線の少なくともいずれか一方の光線が、前記光軸に対して略平行に被写体側に出射される光線であることを特徴とする請求項1に記載の配光特性可変ストロボ装置。
【請求項3】
前記直接入射光線および前記間接入射光線はいずれも、前記光軸に対して略平行に被写体側に出射される光線であることを特徴とする請求項2に記載の配光特性可変ストロボ装置。
【請求項4】
前記遮蔽部は、前記傾斜部に接続される前記レンズの被写体側の面の外縁部を覆うことにより、前記略平行に出射される光線の少なくとも一部を遮蔽し、前記光線の配光特性を制御することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の配光特性可変ストロボ装置。
【請求項5】
前記発光管は前記光軸に対して垂直方向に延び、
前記コバ部は、前記垂直方向に延び、かつ前記光軸を挟んで反対側にある第1および第2のコバ面を有し、前記第1および第2のコバ面は、それぞれ前記傾斜部であり、
前記遮蔽部は、前記第1および第2のコバ面に接続する前記レンズの被写体側の面の外縁部近傍を覆うことにより、前記略平行に出射される光線の少なくとも一部を遮蔽し、前記光線の配光特性を制御することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の配光特性可変ストロボ装置。
【請求項6】
前記遮蔽部は、前記ストロボ装置が設けられるカメラが有する撮影レンズの画角に応じて進退させられることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の配光特性可変ストロボ装置。
【請求項7】
前記発光管は前記光軸に対して垂直方向に延び、
前記コバ部は、前記垂直方向に延び、かつ前記光軸を挟んで反対側にある第1および第2のコバ面の両端を連結し、かつ前記光軸を挟んで反対側にある第3および第4のコバ面をさらに有し、前記第3および第4のコバ面は、それぞれ被写体側に広がるように光軸に対して傾斜する傾斜部であることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の配光特性可変ストロボ装置。
【請求項1】
光線を発する発光管と、前記光線を被写体側に向けて偏向させるリフレクタと、前記リフレクタの被写体側に配設され、コバ部の少なくとも一部が被写体側に広がるように光軸に対して傾いている傾斜部であるレンズとを備える配光特性可変ストロボ装置において、
前記光線の少なくとも一部は、前記傾斜部で反射して、前記光軸に対して略平行に被写体側に出射され、
前記レンズの被写体側に配置され、前記レンズの開口径を変化させるように前記光線の光路内に進退する遮蔽部によって、前記略平行に出射される光線の少なくとも一部を遮蔽することにより、前記光線の配光特性を制御することを特徴とする配光特性可変ストロボ装置。
【請求項2】
前記傾斜部で反射する前記光線の少なくとも一部は、前記発光管から発せられ前記レンズに直接入射する直接入射光線と、前記発光管から発せられた後、前記リフレクタを介して前記レンズに入射される間接入射光線から成り、前記直接入射光線および前記間接入射光線の少なくともいずれか一方の光線が、前記光軸に対して略平行に被写体側に出射される光線であることを特徴とする請求項1に記載の配光特性可変ストロボ装置。
【請求項3】
前記直接入射光線および前記間接入射光線はいずれも、前記光軸に対して略平行に被写体側に出射される光線であることを特徴とする請求項2に記載の配光特性可変ストロボ装置。
【請求項4】
前記遮蔽部は、前記傾斜部に接続される前記レンズの被写体側の面の外縁部を覆うことにより、前記略平行に出射される光線の少なくとも一部を遮蔽し、前記光線の配光特性を制御することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の配光特性可変ストロボ装置。
【請求項5】
前記発光管は前記光軸に対して垂直方向に延び、
前記コバ部は、前記垂直方向に延び、かつ前記光軸を挟んで反対側にある第1および第2のコバ面を有し、前記第1および第2のコバ面は、それぞれ前記傾斜部であり、
前記遮蔽部は、前記第1および第2のコバ面に接続する前記レンズの被写体側の面の外縁部近傍を覆うことにより、前記略平行に出射される光線の少なくとも一部を遮蔽し、前記光線の配光特性を制御することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の配光特性可変ストロボ装置。
【請求項6】
前記遮蔽部は、前記ストロボ装置が設けられるカメラが有する撮影レンズの画角に応じて進退させられることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の配光特性可変ストロボ装置。
【請求項7】
前記発光管は前記光軸に対して垂直方向に延び、
前記コバ部は、前記垂直方向に延び、かつ前記光軸を挟んで反対側にある第1および第2のコバ面の両端を連結し、かつ前記光軸を挟んで反対側にある第3および第4のコバ面をさらに有し、前記第3および第4のコバ面は、それぞれ被写体側に広がるように光軸に対して傾斜する傾斜部であることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の配光特性可変ストロボ装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【公開番号】特開2006−259463(P2006−259463A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−78961(P2005−78961)
【出願日】平成17年3月18日(2005.3.18)
【出願人】(000000527)ペンタックス株式会社 (1,878)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年3月18日(2005.3.18)
【出願人】(000000527)ペンタックス株式会社 (1,878)
【Fターム(参考)】
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