説明

スポーツ用手袋

【課題】滑りにくさやフィット感を従来よりもさらに向上させることが可能なスポーツ用手袋を提供する。
【解決手段】スポーツ用手袋1は、天然皮革からなり表裏面が銀面となっている革部材が手掌側(手掌部2、および中指13、薬指14、小指15の手掌側)に配置されていることを特徴とする。この結果、スポーツ用手袋1の手掌側において手に触れる面を銀面とすることができるとともに、スポーツ用手袋1がバットなどの部材と接触する面も銀面にすることができる。この結果、手とスポーツ用手袋1、およびスポーツ用手袋1とバットなどの部材との間における滑りを抑制するとともに、手と触れる面が銀面となることから良好なフィット感を得ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はスポーツ用手袋に関し、より特定的には、滑りにくく良好なフィット感を得られる天然皮革を用いたスポーツ用手袋に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、天然皮革を用いたスポーツ用手袋としては、皮革の銀面を残して銀面側が手袋の表面側に位置するように縫製されたものなどがあったが、より滑りにくくまたフィット感を向上させるため、様々な提案が成されている。たとえば、特開2001−299982号公報(以下、特許文献1と呼ぶ)では、銀面側を手袋の裏面側に配置することにより、ぬれても滑りにくく、手に良好なフィット感を与えるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−299982号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した特許文献1のスポーツ用手袋では、手に触れる面を銀面とすることで手と手袋の手掌部とは滑りにくくできるものの、滑りにくさやフィット感については更なる向上が求められている。
【0005】
この発明は、上記のような課題を解決するために成されたものであり、この発明の目的は、滑りにくさやフィット感を従来よりもさらに向上させることが可能なスポーツ用手袋を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に従ったスポーツ用手袋は、天然皮革からなり表裏面が銀面となっている革部材が手掌側に配置されていることを特徴とする。
【0007】
このようにすれば、手袋の手掌側において手に触れる面を銀面とすることができるとともに、手袋がバットなどの部材と接触する面も銀面にすることができる。この結果、手と手袋、および手袋とバットなどの部材との間における滑りを抑制するとともに、手と触れる面が銀面となることから良好なフィット感を得ることができる。
【0008】
上記スポーツ用手袋は、手の平を覆う手掌部と、指を覆う指部とを備えていてもよい。革部材は、指部の手掌側および手掌部の少なくとも一部に配置されていてもよい。この場合、特にバットなどを握ったときに力が入り、滑りにくさに影響する手掌部や指部の部位に、上記革部材を配置することができる。
【0009】
上記スポーツ用手袋は、手の平を覆う手掌部を備えていてもよい。革部材は、手掌部の少なくとも一部に配置されていてもよい。この場合、特にバットなどを握ったときに力が入り、滑りにくさに影響する手掌部の部位に、上記革部材を配置することができる。
【0010】
上記スポーツ用手袋において、革部材にはステッチが形成されていてもよい。この場合、ステッチが施された部分で、両銀面となった革部材(すなわち、2枚の天然皮革が銀面を外周に向けて重ねあわされた部材)が固定される。そのため、当該革部材の2枚の天然皮革がずれることに起因して、手袋と手との間、あるいは手袋とバットなどの部材との間での滑りが発生する可能性を低減できる。
【0011】
上記スポーツ用手袋において、ステッチは、革部材において親指側から小指側にむけて徐々に手首側へ近づくように形成されていてもよい。この場合、バットなどを握ってスイングするときに、最も遠心力がかかる方向(バットの延在方向)に沿ってステッチを形成することになるため、当該遠心力により両銀面の革部材を構成する天然皮革どうしがずれるといった問題の発生を抑制できる。
【0012】
上記スポーツ用手袋は、指を覆う指部を備えていてもよい。革部材は、指部の手掌側の少なくとも一部に配置されていてもよい。この場合、バットなどを持つ場合に特に繊細な感覚を得ることが必要な指部において、滑りを抑制することができる。
【0013】
上記スポーツ用手袋において、革部材にはステッチが形成されていてもよい。この場合、革部材を構成する2枚の天然皮革がスポーツ用手袋を使用している途中でずれることを防止することができる。
【0014】
また、当該ステッチが形成された部分が存在することにより、バットなどを握ったときに革部材と手、および/または皮部材とバットなどとの間の滑りをより効果的に抑制することができる。
【0015】
上記スポーツ用手袋において、ステッチは、革部材において、指部の延在方向と交差する方向に延びるように形成されていてもよい。この場合、バットなどを握ってスイングするときに、最も遠心力がかかる方向(バットの延在方向)に沿ってステッチを形成することになるため、当該遠心力により両銀面の革部材を構成する天然皮革同士がずれるといった問題の発生を抑制できる。
【発明の効果】
【0016】
このように、本発明によれば滑りにくくかつフィット感に優れたスポーツ用手袋を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に従ったスポーツ用手袋の実施の形態1の手掌部側を示す模式図である。
【図2】図1に示したスポーツ用手袋の手甲部側を示す模式図である。
【図3】図1および図2に示したスポーツ用手袋の第1の変形例を示す模式図である。
【図4】図1および図2に示したスポーツ用手袋の第2の変形例を示す模式図である。
【図5】図1および図2に示したスポーツ用手袋の第3の変形例を示す模式図である。
【図6】図1および図2に示したスポーツ用手袋の第4の変形例を示す模式図である。
【図7】図1および図2に示したスポーツ用手袋の第5の変形例を示す模式図である。
【図8】図1および図2に示したスポーツ用手袋の第6の変形例を示す模式図である。
【図9】図1および図2に示したスポーツ用手袋の第7の変形例を示す模式図である。
【図10】図1および図2に示したスポーツ用手袋の第8の変形例を示す模式図である。
【図11】図1および図2に示したスポーツ用手袋の第9の変形例を示す模式図である。
【図12】図1および図2に示したスポーツ用手袋の第10の変形例を示す模式図である。
【図13】図1および図2に示したスポーツ用手袋の第11の変形例を示す模式図である。
【図14】図1および図2に示したスポーツ用手袋の第12の変形例を示す模式図である。
【図15】図1および図2に示したスポーツ用手袋の第13の変形例を示す模式図である。
【図16】図1および図2に示したスポーツ用手袋の第14の変形例を示す模式図である。
【図17】図1および図2に示したスポーツ用手袋の第15の変形例を示す模式図である。
【図18】図1および図2に示したスポーツ用手袋の第16の変形例を示す模式図である。
【図19】図1および図2に示したスポーツ用手袋の第17の変形例を示す模式図である。
【図20】図1および図2に示したスポーツ用手袋の第18の変形例を示す模式図である。
【図21】図1および図2に示したスポーツ用手袋の第19の変形例を示す模式図である。
【図22】本発明によるスポーツ用手袋の実施の形態2を示す模式図である。
【図23】本発明によるスポーツ用手袋の実施の形態3を示す模式図である。
【図24】本発明によるスポーツ用手袋の実施の形態4を示す模式図である。
【図25】本発明によるスポーツ用手袋の実施の形態5を示す模式図である。
【図26】本発明によるスポーツ用手袋の実施の形態6を示す模式図である。
【図27】本発明によるスポーツ用手袋の実施の形態7を示す模式図である。
【図28】本発明によるスポーツ用手袋の実施の形態8を示す模式図である。
【図29】図28に示したスポーツ用手袋の第1の変形例を示す模式図である。
【図30】図28に示したスポーツ用手袋の第2の変形例を示す模式図である。
【図31】本発明によるスポーツ用手袋の実施の形態9を示す模式図である。
【図32】本発明によるスポーツ用手袋の実施の形態10を示す模式図である。
【図33】本発明によるスポーツ用手袋の実施の形態11を示す模式図である。
【図34】本発明によるスポーツ用手袋の実施の形態12を示す模式図である。
【図35】本発明によるスポーツ用手袋の実施の形態13を示す模式図である。
【図36】本発明によるスポーツ用手袋の実施の形態14を示す模式図である。
【図37】本発明によるスポーツ用手袋の実施の形態15を示す模式図である。
【図38】本発明によるスポーツ用手袋の実施の形態16を示す模式図である。
【図39】図38に示したスポーツ用手袋の第1の変形例を示す模式図である。
【図40】図38に示したスポーツ用手袋の第2の変形例を示す模式図である。
【図41】実験に用いた測定装置を示す模式図である。
【図42】実験結果を示すグラフである。
【図43】実験結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付しその説明は繰返さない。
【0019】
(実施の形態1)
図1は、本発明に従ったスポーツ用手袋の実施の形態1の手掌部側を示す模式図である。図2は、図1に示したスポーツ用手袋の手甲部側を示す模式図である。図1および図2を参照して、本発明によるスポーツ用手袋の実施の形態1を説明する。
【0020】
図1および図2に示すように、スポーツ用手袋1は、その手掌部側においては、手掌部2と中指13、薬指14、小指15の手掌側とが、本発明のポイントである両銀面の天然皮革(表裏面が銀面となるように、2枚の天然皮革を重ね合わせた革部材)により構成されている。また、人差し指12の手掌部側、親指11と、および親指11に連なる親指付け根部16とがそれぞれ別の部材(たとえば天然皮革、合成皮革など)により構成されている。スポーツ用手袋1の手首挿入部5側の端部には裾ゴム7が配置されている。人差し指12、中指13、薬指14、小指15の側部は指マチ部3として別部材の天然皮革または合成皮革、あるいは布などが配置されている。手掌部2においては、縫い目であるステッチ21a〜21cが形成されている。これらのステッチ21a〜21cは、親指側から小指側にかけて、徐々に手首挿入部5側へと近づくように、手掌部2を斜めに横切るように形成されている。
【0021】
スポーツ用手袋1の手甲部4は、天然皮革や他の合成繊維などによって構成される。また手甲部4側においては、裾ゴム7上に手首ベルト6が配置され、当該手首ベルト6の一方端は着脱可能になっている。
【0022】
図1および図2に示したスポーツ用手袋1においては、手掌側の手掌部2および中指13、薬指14、小指15に両銀面の天然皮革が用いられている。このため、手袋内部での手袋と手との間の滑りを軽減するとともに、当該手袋を嵌めて選手が握る部材(たとえばバット)と手袋との間の滑りを抑制することができる。
【0023】
また、ステッチ21a〜21cを形成することにより、両銀面の天然皮革を構成する2枚の皮革が使用時にずれるといった問題の発生を抑制できる。また、たとえば野球のバットを握るときに図1および図2に示したスポーツ用手袋1を用いる場合には、バットスイング時に最も遠心力の働く方向(当該スポーツ用手袋1を手にはめてバットを持ち、スイングした時のバットの延在方向)に沿ってステッチ21a〜21cが形成されているため、必要最小限のステッチ21a〜21cにより、両銀面の天然皮革を構成する2枚の皮革の間の遠心力方向でのずれを抑制することができる。
【0024】
このように、図1および図2に示したスポーツ用手袋1では、手とスポーツ用手袋1、およびスポーツ用手袋1とバットなどの部材との間における滑りを抑制するとともに、手と触れる面が銀面となることから良好なフィット感を得ることができる。
【0025】
図3は、図1および図2に示したスポーツ用手袋の第1の変形例を示す模式図である。図3を参照して、本発明によるスポーツ用手袋の実施の形態1の第1の変形例を説明する。なお、以下説明する図3〜図30は、いずれも図1に対応し、スポーツ用手袋の手掌側を示している。
【0026】
図3に示したスポーツ用手袋1は、基本的には図1および図2に示したスポーツ用手袋と同様の構成を備えるが、手掌側のステッチ21a〜21cの配置が異なる。すなわち、図3に示したスポーツ用手袋1においては、ステッチ21a〜21cがそれぞれ中指13、薬指14、小指15の先端部から裾ゴム7に向かう方向、すなわち中指13、薬指14、小指15の幅方向中央部において延在方向(幅方向と直交する方向)に沿って手首挿入部5側へと向かって延びるように形成されている。このように、ステッチ21a〜21cを、図2に示した手甲部側のステッチとほぼ同じ方向に形成することで、当該スポーツ用手袋1を嵌めた手によりバットなどを握り込むことがより容易になる。さらに、バットとボールとが接触したとき(ボールの打撃時)にグリップ部を握る手が受ける衝撃の方向にステッチ21a〜21cを入れることで、スポーツ用手袋1とバットとの間のずれや、両銀面の天然皮革を構成する2枚の皮革の間のずれを軽減することができる。また、スポーツ用手袋1の使用による、手掌部2を構成する両銀面の天然皮革の伸びを軽減することができる。
【0027】
図4は、図1および図2に示したスポーツ用手袋の第2の変形例を示す模式図である。図4を参照して、本発明によるスポーツ用手袋の実施の形態1の第2の変形例を説明する。
【0028】
図4に示したスポーツ用手袋1は、基本的には図1および図2に示したスポーツ用手袋1と同様の構成を備えるが、手掌側の両銀面の天然皮革からなる革部材に形成されたステッチ21a〜21cの形状が異なっている。すなわち、図4に示したスポーツ用手袋1においては、ステッチ21a〜21cが、中指13、薬指14、小指15の先端部からそれぞれの指に沿って形成されるとともに、手掌部2においては親指11側へと湾曲するように形成されている。このように、ステッチ21a〜21cを、図2に示した手甲部側のステッチとほぼ同じ方向に形成することで、図3に示したスポーツ用手袋1と同様に、当該スポーツ用手袋1を嵌めた手によりバットなどを握り込むことがより容易になる。
【0029】
図5は、図1および図2に示したスポーツ用手袋の第3の変形例を示す模式図である。図5を参照して、本発明によるスポーツ用手袋の実施の形態1の第3の変形例を説明する。
【0030】
図5に示したスポーツ用手袋1は、基本的には図4に示したスポーツ用手袋と同様の構成を備えるが、ステッチ21a〜21cの形状が異なっている。すなわち、図5に示したスポーツ用手袋1においては、ステッチ21a〜21cがそれぞれ中指13、薬指14および小指15に沿ってそれぞれの先端部から付け根部まで延びた後、手掌部2において互いの距離を徐々に縮めながら親指11側へと湾曲している。このようにして、図4に示したスポーツ用手袋1と同様の効果を得ることができる。
【0031】
図6は、図1および図2に示したスポーツ用手袋の第4の変形例を示す模式図である。図6を参照して、本発明によるスポーツ用手袋の実施の形態1の第4の変形例を説明する。
【0032】
図6に示したスポーツ用手袋1は、基本的には図1および図2に示したスポーツ用手袋と同様の構成を備えるが、手掌部側の両銀面の天然皮革からなる革部材に形成されたステッチの形状が異なっている。すなわち、図6に示したスポーツ用手袋1においては、中指13、薬指14、小指15の先端部からそれぞれの付け根にまで延びるように、ステッチ21a〜21cが(図4に示したスポーツ用手袋1と同様に)形成されるとともに、手掌部2においてはさらにスポーツ用手袋1の小指15側の側部中央から裾ゴム7に向けて、ステッチ21a〜21cに沿って延びるように配置された4本目のステッチ21dが形成されている。このようにしても、図4に示したスポーツ用手袋1と同様の効果を得ることができる。また、4本目のステッチ21dが形成されることにより、革部材を構成する2枚の天然皮革のずれをより効果的に抑制できる。
【0033】
図7は、図1および図2に示したスポーツ用手袋の第5の変形例を示す模式図である。図7を参照して、本発明によるスポーツ用手袋の実施の形態1の第5の変形例を説明する。
【0034】
図7に示したスポーツ用手袋1は、基本的には図3に示したスポーツ用手袋1と同様の構成を備えるが、人差し指12の手掌部側の面にも両銀面の天然皮革が用いられている点、および人差し指12においてその先端部から付け根に向けてステッチ21eが形成されている点が異なる。このようにすれば、人差し指12から小指15までの4本の指についてステッチ21a〜21eが形成されるため、バットなどをより強く握り込むことが可能になる。さらに、バットとボールとが接触したとき(ボールの打撃時)にグリップ部を握る手が受ける衝撃の方向にステッチ21a〜21c、21eを入れることで、スポーツ用手袋1とバットとの間のずれや、両銀面の天然皮革を構成する2枚の皮革の間のずれを軽減することができる。また、スポーツ用手袋1の使用による、手掌部2を構成する両銀面の天然皮革の伸びを軽減することができる。
【0035】
なお、この場合、図3に示したスポーツ用手袋1のように、人差し指12の手掌側については両銀面の革部材とは異なる部材(たとえば通常の天然皮革であって手掌部側が銀面、あるいは手掌部側が床面になっている革部材など)により構成してもよい。
【0036】
図8は、図1および図2に示したスポーツ用手袋の第6の変形例を示す模式図である。図8を参照して、本発明によるスポーツ用手袋の実施の形態1の第6の変形例を説明する。
【0037】
図8に示したスポーツ用手袋1は、基本的には図4に示したスポーツ用手袋1と同様の構成を備えるが、ステッチ21a〜21cの形状が異なっている。すなわち、図8に示したスポーツ用手袋1においては、ステッチ21a〜21cが、それぞれ中指13、薬指14、小指15の側部(親指11側と反対側の側部)から親指11側に向けて斜めに形成されている。このようにすれば、バットのスイング時に、バットにトルク(捻れ方向の力)がかかった場合において、当該トルク方向での手掌部2を構成する革部材(両銀面の革部材)のずれを軽減することができる。
【0038】
図9は、図1および図2に示したスポーツ用手袋の第7の変形例を示す模式図である。図9を参照して、本発明によるスポーツ用手袋の実施の形態1の第7の変形例を説明する。
【0039】
図9に示したスポーツ用手袋1は、基本的には図3に示したスポーツ用手袋と同様の構成を備えるが、ステッチ21a〜21cの形状が異なっている。すなわち、図9に示したスポーツ用手袋1においては、ステッチ21a〜21cが、それぞれ中指13、薬指14、小指15のみに形成されている。また、それぞれの指の付け根に当たる部分にはステッチ21iが形成されている。このように、特に指の手掌側にステッチ21a〜21cを形成することで、指の手掌側に配置された両銀面の革部材において、当該革部材を構成する2枚の天然皮革のずれを効果的に抑制できる。さらに、バットとボールとが接触したとき(ボールの打撃時)にグリップ部を握る手が受ける衝撃の方向にステッチ21a〜21cを入れることで、中指13、薬指14、小指15の手掌部側におけるスポーツ用手袋1とバットとの間のずれを軽減することができる。
【0040】
図10は、図1および図2に示したスポーツ用手袋の第8の変形例を示す模式図である。図10を参照して、本発明によるスポーツ用手袋の実施の形態1の第8の変形例を説明する。
【0041】
図10に示したスポーツ用手袋1は、基本的には図9に示したスポーツ用手袋1と同様の構成を備えるが、ステッチ21a〜21cの形状が異なっている。すなわち、図10に示したスポーツ用手袋1では、ステッチ21a〜21cがそれぞれの指の側部(親指11側と反対側の側部)から親指11側に位置する他方の側部へと、親指11に向かうように斜めに形成されている。また、それぞれ中指13、薬指14および小指15の付け根部には、それぞれの指の延在方向に対してほぼ垂直に交差するステッチ21iが形成されている。このようにすれば、バットのスイング時に、バットにトルク(捻れ方向の力)がかかった場合において、当該トルク方向での中指13、薬指14および小指15における手掌側を構成する革部材(両銀面の革部材)のずれを軽減することができる。
【0042】
図11は、図1および図2に示したスポーツ用手袋の第9の変形例を示す模式図である。図11を参照して、本発明によるスポーツ用手袋の実施の形態1の第9の変形例を説明する。
【0043】
図11に示したスポーツ用手袋1は、基本的には図10に示したスポーツ用手袋1と同様の構成を備えるが、中指13、薬指14、小指15にそれぞれ複数のステッチ21a〜21c、21g〜21hが形成されている点が異なる。すなわち、図11に示したスポーツ用手袋1では、それぞれの指に2本のステッチ21a〜21c、21f〜21hが小指15側から親指11側へと斜めに(それぞれの指の延在方向と交差するように)形成されている。このようにすれば、図10に示したスポーツ用手袋1と同様の効果が得られる。すなわち、バットのスイング時に、バットにトルク(捻れ方向の力)がかかった場合において、当該トルク方向での中指13、薬指14および小指15における手掌側を構成する革部材(両銀面の革部材)のずれを軽減することができる。なお、各指でのステッチの数は、3本以上であってもよいし、各指ごとに異なっていてもよい。
【0044】
図12は、図1および図2に示したスポーツ用手袋の第10の変形例を示す模式図である。図12を参照して、本発明によるスポーツ用手袋の実施の形態1の第10の変形例を説明する。
【0045】
図12に示したスポーツ用手袋1は、基本的には図9に示したスポーツ用手袋と同様の構成を備えるが、中指13、薬指14、小指15においてそれぞれの指の延在方向に沿って形成されたステッチ21a〜21cに加えて、それぞれの指の途中の側部から親指11側へと斜めに(各指の延在方向に対して交差する方向に)形成された他のステッチ21f〜21hが形成されている。このようにすれば、図7および図8に示したスポーツ用手袋1により得られる効果を同時に得ることができる。
【0046】
図13は、図1および図2に示したスポーツ用手袋の第11の変形例を示す模式図である。図13を参照して、本発明によるスポーツ用手袋の実施の形態1の第11の変形例を説明する。
【0047】
図13に示したスポーツ用手袋1は、基本的には図3に示したスポーツ用手袋1と同様の構成を備えるが、手掌部2に形成されたステッチ21a〜21cの形状が異なっている。すなわち、図17に示したスポーツ用手袋1では、手掌部2においてステッチ21a〜21cがそれぞれ中指13、薬指14、小指15の延在方向にほぼ沿った方向に形成されるとともに、中指13、薬指14、小指15の付け根の部分に形成されたステッチ21iより指先側にはステッチ21a〜21cが延在していない。異なる観点から言えば、図13に示したスポーツ用手袋1では、ステッチ21a〜21cが、手掌部2において中指13、薬指14、小指15の付け根部のほぼ中央から裾ゴム7に向かってほぼ直線状に形成されている。このようにすれば、バットとボールとが接触したとき(ボールの打撃時)にグリップ部を握る手が受ける衝撃の方向にステッチ21a〜21cを入れることで、スポーツ用手袋1とバットとの間のずれや、両銀面の天然皮革を構成する2枚の皮革の間のずれを軽減することができる。
【0048】
図14は、図1および図2に示したスポーツ用手袋の第12の変形例を示す模式図である。図14を参照して、本発明によるスポーツ用手袋の実施の形態1の第12の変形例を説明する。
【0049】
図14に示したスポーツ用手袋1は、基本的には図13に示したスポーツ用手袋1と同様の構成を備えるが、手掌部2に形成されたステッチ21a〜21cの形状が異なる。すなわち、図14に示したスポーツ用手袋1では、中指13、薬指14、小指15のそれぞれの付け根部から徐々に親指11から離れる方向にステッチ21a〜21cが形成されている。ステッチ21a〜21cはそれぞれ湾曲するように形成されている。このようにすれば、バットのスイング時に、バットにトルク(捻れ方向の力)がかかった場合において、当該トルク方向での手掌部2を構成する革部材(両銀面の革部材)のずれを軽減することができる。
【0050】
図15は、図1および図2に示したスポーツ用手袋の第13の変形例を示す模式図である。図15を参照して、本発明によるスポーツ用手袋の実施の形態1の第13の変形例を説明する。
【0051】
図15に示すように、スポーツ用手袋1は、基本的には図1および図2に示したスポーツ用手袋1と同様の構成を備えるが、手掌部2側において形成されるステッチの形状が異なる。すなわち、図15に示したスポーツ用手袋1では、手掌部2、中指13、薬指14、小指15という両銀面の天然皮革を用いた部位について、人差し指12側から小指側に向けて徐々に裾ゴム7側へと近づくように斜めにステッチ21a〜21fが形成されている。また、これらのステッチ21a〜21fはその終端(最も裾ゴム7寄りの端部)が手袋の小指15側の側部に連なるように形成されている。このようにすれば、バットのスイング時に、バットにトルク(捻れ方向の力)がかかった場合において、当該トルク方向での手掌部2を構成する革部材(両銀面の革部材)のずれを軽減することができる。
【0052】
図16は、図1および図2に示したスポーツ用手袋の第14の変形例を示す模式図である。図16を参照して、本発明によるスポーツ用手袋の実施の形態1の第14の変形例を説明する。
【0053】
図16を参照して、スポーツ用手袋1は基本的には図10に示したスポーツ用手袋1と同様の構成を備えるが、中指13、薬指14、小指15において形成されるステッチ21a〜21cの形状が異なっている。すなわち、図16に示したスポーツ用手袋1では、ステッチ21a〜21cが、中指13、薬指14、小指15の親指11寄りの側面から斜めに裾ゴム7側へと近づく方向へと形成されている。異なる観点から言えば、ステッチ21a〜21cは、それぞれの指の延在方向と交差するとともに、人差し指12側から小指15側へと向かうにつれて徐々にそれぞれの指の付け根に近づくように斜めに形成されている。このようにすれば、バットのスイング時に、バットにトルク(捻れ方向の力)がかかった場合において、当該トルク方向での手掌部2を構成する革部材(両銀面の革部材)のずれを軽減することができる。
【0054】
図17は、図1および図2に示したスポーツ用手袋の第15の変形例を示す模式図である。図17を参照して、本発明によるスポーツ用手袋の実施の形態1の第15の変形例を説明する。
【0055】
図17を参照して、スポーツ用手袋1は基本的には図14に示したスポーツ用手袋1と同様の構成を備えるが、手掌部2に形成されたステッチ21a〜21cの形状が異なっている。すなわち、図17に示したスポーツ用手袋1では、ステッチ21a〜21cがそれぞれ中指13、薬指14、小指15の付け根部の中央部から斜めに(親指11から徐々に離れるように)、かつ直線状に延びるように形成されている。このようにすれば、バットのスイング時に、バットにトルク(捻れ方向の力)がかかった場合において、当該トルク方向での手掌部2を構成する革部材(両銀面の革部材)のずれを軽減することができる。
【0056】
図18は、図1および図2に示したスポーツ用手袋の第16の変形例を示す模式図である。図18を参照して、本発明によるスポーツ用手袋の実施の形態1の第16の変形例を説明する。
【0057】
図18を参照して、スポーツ用手袋1は基本的には図17に示したスポーツ用手袋1と同様の構成を備えるが、手掌部2に形成されるステッチの本数が異なっている。すなわち、図18に示したスポーツ用手袋1では、中指13および薬指14の付け根部中央から2本のステッチ21a、21bが斜めに(裾ゴム7に近づくにつれて親指11から徐々に離れるように)形成されている。このようにすれば、バットのスイング時に、バットにトルク(捻れ方向の力)がかかった場合において、当該トルク方向での手掌部2を構成する革部材(両銀面の革部材)のずれを軽減することができる。
【0058】
図19は、図1および図2に示したスポーツ用手袋の第17の変形例を示す模式図である。図19を参照して、本発明によるスポーツ用手袋の実施の形態1の第17の変形例を説明する。
【0059】
図19を参照して、スポーツ用手袋1は基本的には図1および図2に示したスポーツ用手袋1と同様の構成を備えるが、中指13、薬指14および小指15にもステッチ21d〜21gが形成されている点が異なる。すなわち、図24に示したスポーツ用手袋1では、中指13、薬指14および小指15において、指の延在方向と交差する方向にそれぞれ複数のステッチ21d〜21gが形成されている。このようにすれば、バットのスイング時における遠心力方向に沿ってステッチを形成することで、当該遠心力方向における両銀面の革部材のずれを軽減することができる。
【0060】
図20は、図1および図2に示したスポーツ用手袋の第18の変形例を示す模式図である。図20を参照して、本発明によるスポーツ用手袋の実施の形態1の第18の変形例を説明する。
【0061】
図20を参照して、スポーツ用手袋1は基本的には図1および図2に示したスポーツ用手袋と同様の構成を備えるが、手掌側に形成されているステッチ21a〜21cの形状が異なっている。すなわち、図20に示したスポーツ用手袋1では、ステッチ21aが中指13の親指11側の側部から裾ゴム7に向かって親指11から徐々に離れるように斜めに形成されている。一方でステッチ21b、21cは、それぞれ薬指14、小指15の親指11が位置する側とは反対側の側部から親指付け根部16に向けて斜めに形成されている。すなわち、ステッチ21aとステッチ21b、21cとは互いに交差するように形成されている。このようにすれば、図8および図15に示したスポーツ用手袋1により得られる効果を両方とも得ることができる。
【0062】
図21は、図1および図2に示したスポーツ用手袋の第19の変形例を示す模式図である。図21を参照して、本発明によるスポーツ用手袋の実施の形態1の第19の変形例を説明する。
【0063】
図21を参照して、スポーツ用手袋1は基本的には図18に示したスポーツ用手袋1と同様の構成を備えるが、小指15の付け根部中央から裾ゴム7に向かって小指15の延在方向に沿ってステッチ21cが形成されている。このようにすれば、図8および図15に示したスポーツ用手袋1により得られる効果を両方とも得ることができる。さらに、バットのスイングにより破れやすい箇所(手掌部2の小指側(外側)領域)でステッチ21a〜21cを交差させることで、当該箇所を補強することができる。
【0064】
(実施の形態2)
図22は、本発明によるスポーツ用手袋の実施の形態2を示す模式図である。図22を参照して、本発明によるスポーツ用手袋の実施の形態2を説明する。なお、図22は図1に対応し、スポーツ用手袋1の手掌部側を示している。
【0065】
図22に示すように、スポーツ用手袋1は基本的には図1および図2に示したスポーツ用手袋1と同様の構成を備えるが、両銀面の天然皮革からなる部材が手掌部2のみに形成されている。すなわち、親指11、人差し指12、中指13、薬指14および小指15はそれぞれ銀面が表側に配置され、手袋の内側には床面が配置された天然皮革が用いられている。このため、中指13、薬指14、小指15の付け根部に縫合部30が形成される。
【0066】
このような構成としても、図1および図2に示したスポーツ用手袋1と同様の効果を得ることができる。また、指先などの微細な感覚を必要とする場合にそれぞれの指については両銀面の天然皮革ではなく1枚の天然皮革を用いることで、指先の感覚が妨げられることを抑制できる。
【0067】
なお、図22に示したスポーツ用手袋1においては、図3〜図21に示したいずれのステッチの構成を適用してもよい。
【0068】
(実施の形態3)
図23は、本発明によるスポーツ用手袋の実施の形態3を示す模式図である。図23を参照して、本発明によるスポーツ用手袋の実施の形態3を説明する。
【0069】
図23を参照して、スポーツ用手袋1は、基本的には図1および図2に示したスポーツ用手袋1と同様の構成を備えるが、両銀面の革部材が中指13、薬指14、小指15の手掌側のみに用いられている点が異なる。すなわち、図23に示したスポーツ用手袋1では、手掌部2は表面が銀面となっている1枚の天然皮革によって構成されている。また、中指13、薬指14、小指15には、それぞれの指の延在方向に対して交差するように(親指11側から小指15側に向けて、徐々に指の付け根方向へと近づくように)ステッチ21d〜21jが形成されている。このようにしても、図1および図2に示したスポーツ用手袋と同様の効果を得ることができる。
【0070】
なお、人差し指12の手掌側も両銀面の革部材により構成してもよい。また、図23に示したスポーツ用手袋1においては、図3〜図21に示したいずれのステッチの構成を適用してもよい。
【0071】
(実施の形態4)
図24は、本発明によるスポーツ用手袋の実施の形態4を示す模式図である。図24を参照して、本発明によるスポーツ用手袋の実施の形態4を説明する。
【0072】
図24を参照して、スポーツ用手袋1は、基本的には図1および図2に示したスポーツ用手袋と同様の構成を備えるが、両銀面の革部材が親指11、人差し指12、中指13、薬指14、小指15の先端部である親指先端部51、人差し指先端部52、中指先端部53、薬指先端部54、小指先端部55のみに用いられている点が異なっている。このようにしても、図1および図2に示したスポーツ用手袋と同様の効果を得ることができる。また、たとえば図24に示したスポーツ用手袋1をバッティング時に使用する場合には、バットのスイング時に圧力のかかる指先部に両銀面の皮部材を用いることで、手の力(手圧)を効率よくバットに伝達できる。また、図24に示したスポーツ用手袋1を守備の時に使用する場合には、守備時に圧力のかかる指先部に両銀面の皮部材を用いることで、捕球動作時のスポーツ用手袋1とグラブとの間のずれを軽減することができる。
【0073】
(実施の形態5)
図25を参照して、本発明によるスポーツ用手袋の実施の形態5を説明する。
【0074】
図25を参照して、スポーツ用手袋1は、基本的には図1および図2に示したスポーツ用手袋1と同様の構成を備えるが、両銀面の皮部材の配置が異なっている。すなわち、図25に示したスポーツ用手袋1では、中指先端部53、薬指先端部54、小指先端部55と、手掌部部分56とのみに両銀面の革部材が用いられている。手掌部部分56は、中指13、薬指14、小指15の付け根部を延在する横方向延在部と、当該横方向延在部の小指15の付け根部付近より裾ゴム7側へと延びる縦方向延在部とが接続された、屈曲した形状となっている。このような構成としても、図1および図2に示したスポーツ用手袋と同様の効果を得ることができる。また、スポーツ用手袋1において使用により磨耗しやすい手掌側の指先、および手掌部部分56を両銀面の革部材により構成することで、手と手袋との間のずれ、および手袋とバットなどの部材との間のずれを軽減するとともに、スポーツ用手袋1の磨耗を抑制することができる。
【0075】
(実施の形態6)
図26を参照して、本発明によるスポーツ用手袋の実施の形態6を説明する。
【0076】
図26を参照して、スポーツ用手袋1は、基本的には図1および図2に示したスポーツ用手袋1と同様の構成を備えるが、両銀面の皮部材の配置が異なっている。すなわち、図26に示したスポーツ用手袋1では、手掌部2のうち小指15の下方に位置する手掌部部分56のみに両銀面の革部材が用いられている。手掌部部分56は、手掌部2のうち小指15の下方であって、手掌部2の幅方向において親指付け根部16とほぼ対向する位置に配置されている。手掌部部分56の平面形状は概略四角形状となっている。手掌部部分56の外形の4つの辺のうち、相対的に長い長辺は小指15の延びる方向とほぼ同じ方向に延在している。手掌部部分56では、その外周部内側において手掌部部分56を固定するための縫い目(ステッチ)が形成されている。このように、本発明にしたがったスポーツ用手袋1では、両銀面の革部材により構成される部材の外周部内側に固定のためのステッチを配置することが好ましい。このような手掌部部分56を両銀面の革部材によって構成することで、時にバットを構えたときの下側(バットのグリップエンド側)に位置する手におけるバットのグリップをより確実に行なうことができる。すなわち、バットを構えたときの下側に位置する手に装着するスポーツ用手袋として、図26に示すような構成を採用すれば、バットのスイング時の遠心力や打撃の衝撃によりバットが押し戻される力に対して、スポーツ用手袋のうち特に力が集中して加わる部分(図26の手掌部部分56)に両銀面の革部材を配置することになる。このため、上記のようなバットのスイング時や打撃時において、バットを確実にグリップすることができる。
【0077】
なお、上記のようにスポーツ用手袋のうち力が集中する部分の判別は、以下のような方法により行なうことができる。すなわち、バットのグリップテープに、圧力に反応して変色する検出シート(たとえば富士フィルムビジネスサプライ株式会社製のプレスケール:(超低圧用:ツーシートタイプ))を貼り付け、当該バットのグリップを素手で握りスイングを行なう。この結果、グリップのうちスイングで素手から圧力が加わった部分では、検出シートが変色する。当該変色部の位置と、グリップを握っていた手の手掌部などとの位置関係から、バッターの手(すなわちスポーツ用手袋)においてバットスイング時に力が集中的に加わる部分を判別できる。
【0078】
(実施の形態7)
図27を参照して、本発明によるスポーツ用手袋の実施の形態7を説明する。
【0079】
図27を参照して、スポーツ用手袋1は、基本的には図1および図2に示したスポーツ用手袋1と同様の構成を備えるが、両銀面の皮部材の配置が異なっている。すなわち、図27に示したスポーツ用手袋1では、手掌部2のうち人差し指12と親指付け根部16(もしくは親指11)との間の領域に位置する手掌部親指側部分61のみに両銀面の革部材が用いられている。手掌部親指側部分61は、人差し指12の根元側から親指付け根部16にかけて配置されている。手掌部親指側部分61の小指側側部は、人差し指12と中指13との間から親指付け根部16に向けてほぼ直線状にのびる外周形状を有している。このような手掌部親指側部分61を両銀面の革部材によって構成することで、時にバットを構えたときの上側(バットの打球部側)に位置する手におけるバットのグリップをより確実に行なうことができる。すなわち、バットを構えたときの上側に位置する手に装着するスポーツ用手袋として、図27に示すような構成を採用すれば、バットのスイング時の遠心力や打撃の衝撃によりバットが押し戻される力に対して、スポーツ用手袋のうち特に力が集中して加わる部分(図27の手掌部親指側部分61)に両銀面の革部材を配置することになる。このため、上記のようなバットのスイング時や打撃時において、バットを確実にグリップすることができる。
【0080】
なお、上述した手掌部親指側部分61についても、実施の形態6において説明したように検出シートを用いて実験することにより、バットのスイング時に力が集中することを確認することができた。
【0081】
また、手掌部親指側部分61の平面形状は任意の形状とすることができ、たとえば小指側から親指側に向かうほど幅(指側から手首側に向かう方向における幅)が広くなるような形状であってもよい。
【0082】
(実施の形態8)
図28を参照して、本発明によるスポーツ用手袋の実施の形態8を説明する。
【0083】
図28を参照して、スポーツ用手袋1は、基本的には図26に示したスポーツ用手袋1と同様の構成を備えるが、両銀面の皮部材の配置が異なっている。すなわち、図28に示したスポーツ用手袋1では、手掌部2のうち小指15の下方に位置する手掌部部分56に加えて、中指13、薬指14、小指15の手掌部側に位置する中指手掌側部分63、薬指手掌側部分64、小指手掌側部分65にも両銀面の革部材が用いられている。中指手掌側部分63、薬指手掌側部分64、小指手掌側部分65は、それぞれ中指13、薬指14、小指15の先端部から、先端部より2つ目の関節と三つ目の関節との間の領域にまで延びている。このようにすれば、バットを構えたときに、手掌部部分56とバットを挟んで対向する位置に配置される中指手掌側部分63、薬指手掌側部分64、小指手掌側部分65も両銀面の革部材で構成されるので、バットのグリップをより安定して行なうことができる。
【0084】
図29を参照して、図28に示したスポーツ用手袋の第1の変形例を説明する。図29を参照して、スポーツ用手袋1は、基本的には図28に示したスポーツ用手袋1と同様の構成を備えるが、28に示した手掌部部分56に代えて、手掌部親指側部分61が両銀面の革部材で構成されている。なお、図29に示したスポーツ用手袋1の手掌部親指側部分61の構成は、基本的に図27に示したスポーツ用手袋1における手掌部親指側部分61の構成と同様である。このような構成によっても、バットを構えたときに、手掌部側部分61とバットを挟んで対向する位置に配置される中指手掌側部分63、薬指手掌側部分64、小指手掌側部分65も両銀面の革部材で構成されるので、バットのグリップをより安定して行なうことができる。
【0085】
図30を参照して、図28に示したスポーツ用手袋の第2の変形例を説明する。図30を参照して、スポーツ用手袋1は、基本的には図28に示したスポーツ用手袋1と同様の構成を備えるが、28に示した手掌部部分56に加えて、手掌部親指側部分61も両銀面の革部材で構成されている。なお、図30に示したスポーツ用手袋1の手掌部親指側部分61の構成は、基本的に図27に示したスポーツ用手袋1における手掌部親指側部分61の構成と同様である。このような構成によっても、バットを構えたときに、手掌部部分56および手掌部側部分61とバットを挟んで対向する位置に配置される中指手掌側部分63、薬指手掌側部分64、小指手掌側部分65も両銀面の革部材で構成されるので、バットのグリップをより安定して行なうことができる。また、このような構成とすれば、バットを構えたときにバットのグリップエンドに対して近い側(下側)の手にスポーツ用手袋1をはめた場合、また当該グリップエンドに対して遠い側(上側)の手にスポーツ用手袋1をはめた場合、つまり両方の手のいずれにおいてもバットのグリップをより安定して行なうことができる。
【0086】
なお、上述したスポーツ用手袋1では、両銀面の革部材からなる中指手掌側部分63、薬指手掌側部分64、小指手掌側部分65を配置しているが、これらのうちの2つまたは1つだけを配置するような構成としてもよい。また、中指手掌側部分63、薬指手掌側部分64、小指手掌側部分65は、それぞれ中指13、薬指14、小指15の先端部のみ、あるいは先端から1つ目の関節と2つ目の関節との間にまで延びるような配置となっていてもよい。また、中指手掌側部分63、薬指手掌側部分64、小指手掌側部分65は、中指13、薬指14、小指15のそれぞれにおいて異なる位置やサイズとなるように形成されていてもよい。また、中指手掌側部分63、薬指手掌側部分64、小指手掌側部分65は、中指13、薬指14、小指15の先端部からではなく、途中から各指の根元側へ伸びるように形成されていてもよい。また、中指13、薬指14、小指15のそれぞれにおいて、複数の中指手掌側部分63、薬指手掌側部分64、小指手掌側部分65を配置してもよい。また、上述した手掌部部分56および手掌部親指側部分61は、複数の独立した部分((両銀面の革部材からなる部分)が分散配置されている構成としてもよい。
【0087】
(実施の形態9)
図31を参照して、本発明によるスポーツ用手袋の実施の形態9を説明する。
【0088】
図31を参照して、スポーツ用手袋1は、基本的には図26に示したスポーツ用手袋1と同様の構成を備えるが、両銀面の皮部材からなる手掌部部分66の形状が異なっている。手掌部部分66は、手掌部2において小指15の下方から中指13の下方まで上端(指側端部)が延びるとともに、親指11側の端部の外周が人差し指12の付け根側から、手首側に向けて傾斜する(徐々に小指15側へ近づく)ように形成されている。異なる観点から言えば、手掌部部分66は、親指11側から小指15側に向けて徐々に幅(手掌部2の縦方向(指側から手首側に向かう方向)での幅)が広くなるように形成されている。そして、手掌部部分66の小指15側端部は、手掌部2の小指側端部にまで延在している。このようにすれば、バットのスイング時に軸となる手に当該スポーツ用手袋1を装着した場合に、バットのスイング軸の中心となる小指15の下側の領域(手掌部2の小指側端部)におけるバットのグリップ力をより向上させることができる。
【0089】
(実施の形態10)
図32を参照して、本発明によるスポーツ用手袋の実施の形態10を説明する。
【0090】
図32を参照して、スポーツ用手袋1は、基本的には図1および図2に示したスポーツ用手袋1と同様の構成を備えるが、両銀面の皮部材の配置が異なっている。すなわち、図32に示したスポーツ用手袋1では、手掌部2のうち人差し指12の付け根部下から小指15の下方に位置する手掌部部分76のみに両銀面の革部材が用いられている。手掌部部分76は、人差し指12の付け根部下から、小指15の下方に向けて延びるように形成され、その平面形状はほぼ長方形状であってもよい。この手掌部部分76は、バットのスイング時に最も手に圧力のかかる領域であり、この部分に両銀面の革部材を配置することでバットのグリップをより確実に行なうことができる。また、当該手掌部部分76を両銀面の革部材とすることで、手掌部部分76以外の部分と手掌部部分76との間で部材の厚みの差ができ、この結果バットをグリップしたときに手掌部部分76が確実に固定されることになる。なお、手掌部部分76の幅(指側から手首側に向かう方向における幅)は、バットのグリップ部の、外周の長さ以下であればよいが、好ましくは外周の長さの50%未満の長さにするとよい。具体的には、当該幅は好ましくは1mm以上35mm以下、より好ましくは10mm以上30mm以下とすることができる。また、手掌部部分76以外の部分と手掌部部分76との厚みの差については、手掌部部分76の方を少なくとも0.5mm厚くすることが好ましい。この場合、バットのグリップがしやすくなり、安定したスイングが可能となる。
【0091】
(実施の形態11)
図33を参照して、本発明によるスポーツ用手袋の実施の形態11を説明する。
【0092】
図33を参照して、スポーツ用手袋1は、基本的には図32に示したスポーツ用手袋1と同様の構成を備えるが、両銀面の皮部材の配置が異なっている。すなわち、図33に示したスポーツ用手袋1では、手掌部2のうち人差し指12の付け根部下から小指15の下方に位置する手掌部部分76ではなく、当該手掌部部分76以外の手掌側の表面である手掌部部分77および人差し指12〜小指15までの手掌部側表面に両銀面の革部材が用いられている。なお、手掌部部分76では、両銀面ではない部材が用いられる。このようにしても、手掌部部分77と手掌部部分76との間で部材の厚みの差ができ、この結果バットをより確実にグリップすることができる。このとき、手掌部部分76以外の部分と手掌部部分76との厚みの差は、手掌部部分76の方を少なくとも0.5mm薄くすると、バットのグリップがしやすくなり、安定したスイングが可能となる。
【0093】
(実施の形態12)
図34を参照して、本発明によるスポーツ用手袋の実施の形態12を説明する。
【0094】
図34を参照して、スポーツ用手袋1は、基本的には図1および図2に示したスポーツ用手袋1と同様の構成を備えるが、両銀面の皮部材の配置が異なっている。すなわち、図34に示したスポーツ用手袋1では、中指13、薬指14、小指15の手掌部側に位置する中指手掌側部分63、薬指手掌側部分64、小指手掌側部分65のみに両銀面の革部材が配置されている。さらに、中指手掌側部分63、薬指手掌側部分64、小指手掌側部分65では、それぞれ指の関節にあたる2箇所において、それぞれの両銀面の革部材の幅が狭くなっている関節狭幅部81が形成されている。当該関節狭幅部81に隣接して、通常の革部材や他の繊維などからなる関節部補助部82が形成されている。このようにすれば、両銀面の革部材を用いることでバットを確実にグリップするようにできるとともに、指を曲げたときの抵抗を低減し、スポーツ用手袋1をはめた状態での指の動きやすさを改善することができる。バットを握りやすくできる。なお、両銀面の革部材は、人差し指12の手掌側や親指11に配置してもよい。また、上述のような両銀面の革部材は、親指11〜小指15の任意の指の手掌側に配置してもよい。
【0095】
(実施の形態13)
図35を参照して、本発明によるスポーツ用手袋の実施の形態13を説明する。
【0096】
図35を参照して、スポーツ用手袋1は、基本的には図34に示したスポーツ用手袋1と同様の構成を備えるが、両銀面の皮部材の配置が異なっている。すなわち、図35に示したスポーツ用手袋1では、中指13、薬指14、小指15の手掌部側に位置する中指手掌側部分63、薬指手掌側部分64、小指手掌側部分65のみに両銀面の革部材が配置されている。さらに、中指手掌側部分63は、互いに関節部補助部82により分離されている中指先端部63a、中指中間部63b、および中指根元部63cにより構成されている。また、薬指手掌側部分64は、互いに関節部補助部82により分離されている薬指先端部64a、薬指中間部64b、および薬指根元部64cにより構成されている。また、小指手掌側部分65は、互いに関節部補助部82により分離されている小指先端部65a、小指中間部65b、および小指根元部65cにより構成されている。上述した関節部補助部82は、両銀面の革部材より柔軟性がある部材(さらに、より好ましくは厚さが両銀面の革部材より薄い部材)により構成される。たとえば、関節部補助部82の材料として、通常の化学繊維や片側銀面の革部材など、任意の材料を用いることができる。このような構成のスポーツ用手袋1によっても、図34に示したスポーツ用手袋1と同様の効果を得ることができる。
【0097】
(実施の形態14)
図36を参照して、本発明によるスポーツ用手袋の実施の形態14を説明する。
【0098】
図36を参照して、スポーツ用手袋1は、基本的には図1および図2に示したスポーツ用手袋1と同様の構成を備えるが、両銀面の革部材の配置が異なっている。すなわち、図36に示したスポーツ用手袋1では、親指付け根部16を除く手掌部2の全体を覆うように配置された手掌部部分56が両銀面の革部材により構成されている。また、異なる観点から言えば、手掌部部分56は、その平面形状の指側端部が中指13〜小指15の根元にまで到達する。また、当該平面形状の親指側端部の外形は、人差し指12と中指13との間から親指に向けて延びるとともに親指付け根部16の外周に沿って湾曲し、手首部の裾ゴム7にまで到達している。当該平面形状の手首側端部は裾ゴム7にまで到達し、当該手首側端部の外形は裾ゴム7の上端に沿ってほぼ直線状である。また、手掌部部分56には、ステッチ21a〜21cが形成されている。このステッチ21a〜21cは、人差し指12側から小指15側に向けて、指側から手首側(裾ゴム7側)へ徐々に近づくように傾斜して形成されている。このような構成のスポーツ用手袋1によっても、バットのグリップなどを確実に行なうことができる。
【0099】
(実施の形態15)
図37を参照して、本発明によるスポーツ用手袋の実施の形態15を説明する。
【0100】
図37を参照して、スポーツ用手袋1は、基本的には図1および図2に示したスポーツ用手袋1と同様の構成を備えるが、両銀面の革部材の配置が異なっている。すなわち、図37に示したスポーツ用手袋1では、手掌部側の全面(つまり手掌部2、親指11〜小指15の手掌側表面および親指付け根部16)が両銀面の革部材により構成されている。このようにしても、バットのグリップなどを確実に行なうことができる。
【0101】
(実施の形態16)
図38を参照して、本発明によるスポーツ用手袋の実施の形態16を説明する。
【0102】
図38を参照して、スポーツ用手袋1は、基本的には図36に示したスポーツ用手袋1と同様の構成を備えるが、両銀面の皮部材の配置が異なっている。すなわち、図38に示したスポーツ用手袋1では、図36に示した手掌部部分56が両銀面の革部材により構成されているのに加えて、各指の側面を覆うマチ部も両銀面の革部材からなる両銀面指マチ部83となっている。このようにすれば、バットをグリップしたときなど、指の間のずれを抑制することができるので、バットのスイング時にもより確実なバットのグリップ状態を維持できる。なお、指の側面を覆うマチ部の長手方向(指の延在方向)の一部のみを両銀面の革部材からなる両銀面指マチ部83としてもよい。また、特定の指についてのみ、両銀面指マチ部83を配置してもよい。
【0103】
図39を参照して、図38に示したスポーツ用手袋の第1の変形例を説明する。図39を参照して、スポーツ用手袋1は、基本的には図38に示したスポーツ用手袋1と同様の構成を備えるが、両銀面の革部材の配置が異なっている。すなわち、図39に示したスポーツ用手袋1では、図38に示した両銀面指マチ部83に加えて、図37に示したスポーツ用手袋1と同様に手掌部側の全面が両銀面の革部材により構成されている。このようにすれば、図38に示したスポーツ用手袋1による効果に加えて、図37に示したスポーツ用手袋1による効果も得ることができる。
【0104】
図40を参照して、図38に示したスポーツ用手袋の第2の変形例を説明する。図40を参照して、スポーツ用手袋1は、基本的には図38に示したスポーツ用手袋1と同様の構成を備えるが、指の一方の側面に位置するマチ部のみが両銀面指マチ部83となっている。この場合、比較的厚い両銀面の革部材を一方の側面のみに用い、他方の側面については他の比較的柔軟な材料で構成することができる。このため、図38に示したスポーツ用手袋1による効果をある程度維持すると共に、指の動きやすさを向上させることができる(つまりスポーツ用手袋1の装着感を改善できる)。なお、図40に示したスポーツ用手袋1では、中指13〜小指15の親指側の側面について両銀面指マチ部83を配置しているが、両銀面指マチ部83の配置方向は逆側(小指側の側面)であってもよいし、指ごとに配置方向を変えてもよい。また、すべての指ではなく、特定の指のみに両銀面指マチ部83を配置してもよい。
【0105】
(実施例)
本発明によるスポーツ用手袋の効果を確認するため、以下のような実験を行なった。
【0106】
(試料)
本発明のスポーツ用手袋の効果を確認するため、本発明の図1および図2に示したスポーツ用手袋に加えて、手掌側が通常の天然皮革の銀面により構成された手袋、手掌部側が通常の天然皮革の床面により構成された手袋、手掌部側が樹脂と合成皮革とにより構成された手袋を準備した。
【0107】
(実験装置)
図41に示した測定装置40は、トルク測定装置であって、ベース部材47上に支持部材43が対向するように配置され、この支持部材43に軸42が支持されている。この軸42は回転可能に支持される。そして、この軸42の一方端にはバットのグリップ部44が接続固定されている。このグリップ部44の表面にはグリップテープ45が表面に配置されている。そして、軸42の他方端にはトルクセンサ41が接続されている。このトルクセンサ41からの出力を記録するための制御部46が接続されている。
【0108】
なお、グリップ部44としては、グリップテープ45の材質の異なる2種類を準備した。すなわち、グリップテープAとしては、比較的滑りにくいグレードのものを用いた。また、グリップテープBとしては、グリップテープAより相対的に滑りやすいグレードのものを用いた。
【0109】
(実験方法)
8人の試験者に上述した4種類の手袋と素手とで図26に示した測定装置のグリップ部を握り左回りで回転させたときのトルクを測定した。測定は、グリップテープの異なる2種類のグリップ部についてそれぞれ行なった。
【0110】
(結果)
グリップテープAおよびグリップテープBを用いたグリップ部毎に、各試験者のトルクの測定結果を表1、表2に示す。表1はグリップテープAのグリップ部を用いた場合の結果であり、表2はグリップテープBのグリップ部を用いた場合の結果である。
【0111】
【表1】

【0112】
【表2】

【0113】
また、上記結果におけるトルクの平均値を、スポーツ用手袋の種類別に図42および図43に示す。
【0114】
図42および図43に示したグラフでは、横軸が用いた手袋の種類を示しており、縦軸がトルクを示している。縦軸のトルクの単位はNmである。図42および図43の横軸のAは手掌部が銀面となっている1枚の天然皮革を用いたスポーツ用手袋を用いた場合を示す。また、横軸のBは本発明の実施例であるスポーツ用手袋を用いた場合である。横軸のCは手掌部の表面が床面にされたスポーツ用手袋を用いた場合である。横軸のDは手掌部に樹脂と合成皮革とを用いたスポーツ用手袋を用いた場合である。横軸のEは、素手によりグリップ部を握った場合を示している。
【0115】
図42および図43からもわかるように、いずれのグリップテープの場合においても、本発明によるスポーツ用手袋を用いた場合が最もトルクが大きくなっていることがわかる。すなわち、最も本発明によるスポーツ用手袋を用いた場合が滑りにくい構成となっていることが示された。
【0116】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0117】
本発明は、スポーツ用手袋、特に野球やソフトボールなどのバッティング時に着用するスポーツ用手袋に有利に適用される。
【符号の説明】
【0118】
1 スポーツ用手袋、2 手掌部、3 指マチ部、4 手甲部、5 手首挿入部、6 手首ベルト、7 裾ゴム、11 親指、12 人差し指、13 中指、14 薬指、15 小指、16 親指付け根部、21a〜21j ステッチ、30 縫合部、40 測定装置、41 トルクセンサ、42 軸、43 支持部材、44 グリップ部、45 グリップテープ、46 制御部、47 ベース部材、51 親指先端部、52 人差し指先端部、53 中指先端部、54 薬指先端部、55 小指先端部、56,66,76,77 手掌部部分、61 手掌部親指側部分、63 中指手掌側部分、63a 中指先端部、63b 中指中間部、63c 中指根元部、64 薬指手掌側部分、64a 薬指先端部、64b 薬指中間部、64c 薬指根元部、65 小指手掌側部分、65a 小指先端部、65b 小指中間部、65c 小指根元部、81 関節狭幅部、82 関節部補助部、83 両銀面指マチ部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スポーツ用手袋であって、
天然皮革からなり表裏面が銀面となっている革部材が手掌側に配置されていることを特徴とする、スポーツ用手袋。
【請求項2】
手の平を覆う手掌部と、
指を覆う指部とを備え、
前記革部材は、前記指部の手掌側および前記手掌部の少なくとも一部に配置されている、請求項1に記載のスポーツ用手袋。
【請求項3】
手の平を覆う手掌部を備え、
前記革部材は、前記手掌部の少なくとも一部に配置されている、請求項1または2に記載のスポーツ用手袋。
【請求項4】
前記革部材にはステッチが形成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載のスポーツ用手袋。
【請求項5】
前記ステッチは、前記革部材において、親指側から小指側にむけて徐々に手首側へ近づくように形成されている、請求項4に記載のスポーツ用手袋。
【請求項6】
指を覆う指部を備え、
前記革部材は、前記指部の手掌側の少なくとも一部に配置されている、請求項1または2に記載のスポーツ用手袋。
【請求項7】
前記革部材にはステッチが形成されている、請求項6に記載のスポーツ用手袋。
【請求項8】
前記ステッチは、前記革部材において、前記指部の延在方向と交差する方向に延びるように形成されている、請求項7に記載のスポーツ用手袋。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【公開番号】特開2009−261922(P2009−261922A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−80101(P2009−80101)
【出願日】平成21年3月27日(2009.3.27)
【出願人】(000005935)美津濃株式会社 (239)
【Fターム(参考)】