スライド式卓上切断機
【課題】加工不良を低減したスライド式卓上切断機の提供。
【解決手段】切断刃7を回転可能に支持する切断部4と、切断部4を支持する支持部3と、を備え、支持部3は、切断部4をベース部2に対して近接離間するように揺動可能に軸支する揺動支持部35と、揺動支持部35をスライド方向に移動可能に保持するスライド支持部33と、を有し、切断部4には、ローラ44が設けられ、スライド支持部33には、被当接面34Aが設けられ、切断部4が揺動にしてローラ44と被当接面34Aとが当接することにより、切断部4が後方へ移動するスライド式卓上切断機を提供する。
【解決手段】切断刃7を回転可能に支持する切断部4と、切断部4を支持する支持部3と、を備え、支持部3は、切断部4をベース部2に対して近接離間するように揺動可能に軸支する揺動支持部35と、揺動支持部35をスライド方向に移動可能に保持するスライド支持部33と、を有し、切断部4には、ローラ44が設けられ、スライド支持部33には、被当接面34Aが設けられ、切断部4が揺動にしてローラ44と被当接面34Aとが当接することにより、切断部4が後方へ移動するスライド式卓上切断機を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は卓上切断機に関し、特にスライド機構を備えた卓上切断機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のスライド式卓上切断機で、幅広材を切断するスライド切断作業では、ベース部上に幅広材を載置した状態で、丸のこが装着された切断部を予め前方(作業者側)へスライドさせた状態で、ハンドルを押下げて切断部を下限位置まで揺動させた後に、後方(反作業者側)へスライドさせ、切断を行っていた(例えば、特許文献1参照)。この切断作業において作業者は、切断部に下側向きの荷重を掛けた後、スライド方向への荷重を加える必要がある。
【特許文献1】特開2007−223127号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述のように、切断を行った場合には、切断方向の変化に応じて作業者が切断部に加える荷重の方向が変化するが、この荷重方向の変化により、操作上無意識に、切断刃の左右方向(回転軸方向)へ荷重が加わり、加工材の切断面に段差等の加工不良箇所が発生する場合があった。
【0004】
よって本発明は、加工不良を低減したスライド式卓上切断機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために本発明は、上面に被加工材が載置されるベース部と、該被加工材を切断する切断刃を回転可能に支持する切断部と、該ベース部と該切断部との間に設けられて該ベース部上で該切断部を支持する支持部と、を備え、該支持部は、該切断部を該ベース部に対して近接離間するように揺動可能に軸支する揺動支持部と、該揺動支持部を該ベース部上面と略平行かつ該切断刃の回転軸方向と略直交するスライド方向に移動可能に保持するスライド支持部と、を有し、該切断部と該スライド支持部との間には、該切断部の該ベース部に近接する揺動に応じて該切断部を該スライド方向に移動するように誘導する誘導機構が介在しているスライド式卓上切断機を提供する。
【0006】
上記のスライド式卓上切断機において、該誘導機構は、該切断部と該スライド支持部とのいずれか一方に設けられた当接部と、該切断部と該スライド支持部とのいずれか他方に設けられ該当接部が当接可能な被当接部とから構成され、該当接部が該被当接部に当接して案内されることにより該切断部が該スライド方向に移動することが好ましい。
【0007】
このような構成によると、切断部がスムーズに揺動動作からスライド動作へと移行できる。
【0008】
また該誘導機構は、該切断部と該スライド支持部とのいずれか一方に設けられた当接部と、該切断部と該スライド支持部とのいずれか他方に設けられ該当接部が当接可能な被当接部とから構成され、該被当接部は、切断部と該スライド支持部との相対揺動において、仮に該当接部が該被当接部に当接しないとした場合における該当接部の該相対揺動の軌跡と交差すると共に、該軌跡の接線方向と非直交で該軌跡と交差するように構成されていることが好ましい。
【0009】
このような構成によると、切断部に、押し下げる(ベース部に対して近接させる)ような荷重を加えれば、切断部をスライド方向に移動させることができる。即ち切断部への荷重を一の方向に加えることにより、切断部を揺動させた後にスライド方向へと移動させることができる。よって切断方向の変化に伴う荷重を加える方向の変化を防ぐことができ、これら変化に伴う切断不良を抑制することができる。
【0010】
また該当接部は回転体から構成され、該当接部は該回転体が当接して回転しつつ移動可能な被当接面を備えていることが好ましい。
【0011】
このような構成によると、回転体が被当接面を転がりつつ切断部が揺動することができ、好適に切断部をスライド方向へと導くことができる。
【0012】
また該当接部と該被当接部とのいずれか一方は、該スライド方向に移動可能に該スライド支持部に設けられると共に、該スライド方向において所定の位置で固定されて該当接部と該被当接部とのいずれか他方と当接可能に構成されていることが好ましい。
【0013】
このような構成によると、スライド支持部上において、スライド方向における所定の位置で、当接部と被当接部とからなる誘導機構を機能させることができる。よって色々な幅の被加工材を誘導機構により切断することができる。
【0014】
また該スライド支持部は、該当接部と該被当接部とのいずれか一方の該スライド支持部に対する該スライド方向における位置を示す位置表示部を有することが好ましい。
【0015】
このような構成によると、スライド支持部に対する該当接部と該被当接部とのいずれか一方の位置を容易に把握することができる。
【0016】
また該当接部と該被当接部とは、互いに非接触の位置に配置可能に構成されていることが好ましい。
【0017】
このような構成によれば誘導機構を使用しない方がよい被加工部材も好適に切断することができる。特に揺動動作のみでの作業時に有効である。
【発明の効果】
【0018】
本発明のスライド式卓上切断機によれば、加工不良を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態に係るスライド式卓上切断機の側面図。
【図2】本発明の実施の形態に係るスライド式卓上切断機の正面図。
【図3】本発明の実施の形態に係るスライド式卓上切断機のローラと被当接部との関係を示す上面部分断面図。
【図4】本発明の実施の形態に係るスライド式卓上切断機のローラと被当接面との動作に係る関係を示す図。
【図5】本発明の実施の形態に係るスライド式卓上切断機のローラと被当接部との関係を示す側面部分断面図(ローラが被当接面に非当接の状態)。
【図6】本発明の実施の形態に係るスライド式卓上切断機のローラと被当接部との関係を示す側面部分断面図(ローラが被当接面に当接した状態)。
【図7】本発明の実施の形態に係るスライド式卓上切断機のローラと被当接部との関係を示す側面部分断面図(切断部が最下端まで揺動した状態)。
【図8】本発明の実施の形態に係るスライド式卓上切断機の切断部の揺動時の動作を説明する側面図。
【図9】従来のスライド式卓上切断機の切断部の揺動動作を示す側面図。
【図10】本発明の実施の形態に係るスライド式卓上切断機の切断部の揺動動作を示す側面図。
【図11】本発明の実施の形態に係るスライド式卓上切断機の切断部の揺動動作とスライド動作とを示す概念図であって(a)本実施の形態、(b)従来例。
【図12】本発明の実施の形態の第一の変形例に係るスライド式卓上切断機の側面図。
【図13】本発明の実施の形態の第一の変形例に係るスライド式卓上切断機のローラと被当接部との関係を示す上面部分断面図。
【図14】本発明の実施の形態の第2の変形例に係るスライド式卓上切断機の切断部を示す平面部分断面図(ローラが被当接部と当接可能な状態)。
【図15】本発明の実施の形態の第2の変形例に係るスライド式卓上切断機の切断部を示す平面部分断面図(ローラが被当接部と当接不能な状態)。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の実施の形態に係る切断工具について、図1乃至図8に基づき説明する。図1に示される切断工具である卓上切断機1は、ベース部2と、支持部3と、切断部4と、から主に構成され、切断部4に切断刃7が装着され、ベース部2に対して切断部4を切断刃7の側面に直交する方向に傾動可能、ベース部2に対して切断刃7を切断刃7の回転軸と直交する方向(ベース部2に対して切断刃7を近接・離間する方向)に揺動可能、更に後述のベース21に対して切断刃7を後述の上下方向に伸びる軸周りに回動可能に構成されている。切断刃7は円板状に構成されると共に、中央にボルト7A(回転軸)が貫通する貫通孔を有し外周に木材Wを切削する刃を備えている。
【0021】
ベース部2は、被切断部材である木材Wを担持するベース21と、ベース21上に後述の上下方向に伸びる図示せぬ回動軸で回動可能に担持されベース21と共に木材Wを担持するターンテーブル22と、ベース21に設けられたフェンス23とから主に構成されている。ベース21は、図2に示されるように、一対の左ベース21Aと右ベース21Bとから構成されている。これら左ベース21Aと右ベース21Bとが並んでいる方向を左右方向と定義し、ベース21の木材W(図1)を載置する面の上方を上方、反対を下方と定義する。
【0022】
図2に示されるように、ターンテーブル22は、右ベース21Bと左ベース21Aとの間に配置されている。図1に示されるようにターンテーブル22は、略円台状のターンテーブル本体部22Aとターンテーブル本体部22Aの一方側に突出する突出部24と他方側に設けられた後述の支持部3を支持する切断部支持部27(図1)とから構成されている。この突出部24がターンテーブル本体部22Aより突出している方向であって左右方向と直交する方向を前方、反対を後方と定義する。
【0023】
また、ターンテーブル22の上面22Bには、切断部支持部27近傍位置から突出部24にかけて一連の図示せぬ溝部が形成されている。この図示せぬ溝部は、切断刃7が下方に揺動してターンテーブル22と交わった際の交線位置と同一位置にあり切断刃7の刃先を収容する箇所である。
【0024】
図1及び図2に示されるように、突出部24には、ターンテーブル22のベース21に対する回動を規制する際の操作部となる規制操作部28が設けられている。規制操作部28は、突出部24に螺合すると共に、その先端(後側端部)がベース21の一部に当接可能に構成されている。よって規制操作部28が回転操作され、後方に向けて螺進し先端がベース21と当接することにより、ターンテーブル22がベース21に対して固定され、ターンテーブル22の回動が抑制される。
【0025】
図1に示されるように切断部支持部27は、ターンテーブル22の図示せぬ回動軸に対して突出部24の反対位置に配置されている。切断部支持部27には、図示せぬ溝部の延長線上に位置する傾動軸部27Aと、最後端部から上方へ向けて直立する傾動支持部27Bとを有している。なお、傾動支持部27はターンテーブル22と一体的に形成されている。
【0026】
傾動支持部27Bには図2に示されるように、前後方向に貫通し左右方向に延びる円弧状の長孔27bが形成されている。この長孔27b内に後述のクランプ31Aが挿入されている。また図1に示されるように、傾動支持部27Bには、直角時の位置決め部材となるピン29が装着されている。ピン29は、丸棒状を成し、その軸方向が前後方向と一致するように、かつ前後方向に移動可能に傾動支持部27Bに支持され、前端が傾動支持部27Bから前方へと突出可能に構成されている。ピン29が傾動支持部27Bから前方へと突出することにより、後述の傾動部31と係合し、傾動部31をベース部2に対して垂直状態に保持することができる。以下の説明においては、特に言及しない限り、傾動部31がベース部2に対して垂直状態に保持され、かつ切断刃7の回転軸の軸方向が前後方向と直交している状態として説明する。
【0027】
ベース21上であって、ターンテーブル22の上方位置には、フェンス23が設けられている。フェンス23は、図2に示されるように、左ベース21A及び右ベース21Bに対応して左フェンス23A及び右フェンス23Bから構成されており、左フェンス23A及び右フェンス23Bの前面は、互いに同一平面上に位置するように配置されて、木材W(図1)の位置を規定している。
【0028】
図1に示されるように、支持部3は、傾動部31と、スライド支持部33と、被当接部34と、揺動支持部35とから主に構成されている。傾動部31は傾動軸部27Aによりターンテーブル22に支持されている。傾動部31には、クランプ31Aが螺合しており、クランプ31Aは、傾動支持部27Bの長孔27b(図2)に挿入され、クランプ31Aを締めることにより、傾動部31が傾動支持部27Bに固定され、クランプ31Aを緩めることにより傾動部31が左右方向に傾動可能である。またクランプ31Aが長孔27bに挿入されているため、傾動部31が傾動支持部27Bに対して傾動可能な角度は、クランプ31Aが長孔27b内で移動可能な範囲に限定される。
【0029】
スライド支持部33は、二本のスライドパイプ33A、33Bを有し、傾動部31の上部に傾動部31と一体に設けられている。二本のスライドパイプ33A、33Bは、傾動部31がベース部2上面に対して垂直な状態で、ベース部2と垂直な方向(図1の上下方向)に並ぶと共に、ベース部2の上面とそれぞれ平行かつ上述のターンテーブル22の図示せぬ溝部と平行に配置されている。
【0030】
被当接部34は、二本のスライドパイプ33A、33Bの前端に装着されて二本のスライドパイプ33A、33Bを互いに接続している。また被当接部34の後端位置には、被当接面34Aが設けられている。被当接面34Aについての詳しい形状は後述する。
【0031】
揺動支持部35は、スライド部35Aと腕部35Bとから構成されている。スライド部35Aは、平行に伸びる二本の図示せぬ貫通孔を有し、この貫通孔内に二本のスライドパイプ33A、33Bが挿入されている。このスライド部35Aが二本のスライドパイプ33A、33Bに対してスライドパイプの長手方向(図1の前後方向)にスライドすることにより、揺動支持部35が前後移動可能になる。またスライド部35Aには、螺進してスライド部35Aの貫通孔内に突出可能なノブ35C(図2)が螺合している。よってノブ35Cを螺進させることにより、スライドパイプ33A、33Bに対してスライド部35Aを固定することが可能である。
【0032】
腕部35Bは、略コの字形を成して一対の腕部を有し、スライド部35Aと一体移動するように構成されており、一対の腕部の間に揺動軸部35Dが渡されて切断部4を揺動可能に軸支するように略コの字形状に構成されている。揺動軸部35Dは、その軸方向がベース部2の上面と平行であり、かつスライド部35Aのスライド方向と直交する方向になるように腕部35Bに装着されている。また揺動軸部35Dにはバネ35Eが装着されており、このバネ35Eにより、切断部4が上方へと移動する(ベース部2の上面から離間する)ような付勢力を切断部4に与えている。
【0033】
切断部4は、揺動軸部35Dに軸支されるハウジング41を筐体として構成されている。図1及び図2に示されるようにハウジング41は、本体部41Aと、モータ収容部41Bと、切断刃収容部41Cとから構成されている。本体部41Aは、腕部35Bで揺動可能に支持される箇所であり、内部に図示せぬギア機構を備え、ハンドル4B及びハンドル4Bに設けられてモータ5の回転オン・オフを制御するトリガ4Cを有している。本体部41Aにおいて、下部位置には、図示せぬギア機構によって駆動される図示せぬ回転軸を有し、この図示せぬ回転軸に切断刃7がフランジ7B等を解してボルト7Aにより固定されている。
【0034】
また、本体部41Aにおいて被当接部34に対抗する側面であって揺動時に被当接部34近傍箇所を横切る箇所には、当接部となるローラ44が設けられている。ローラ44は、本体部41Aに固定されるピンとピンに回転可能に支承されている環状体とから成り、本体部41Aに対して環状体がピンの軸回りに回転可能であり、図3に示されるように、その本体部41Aからの突出量が本体部41Aから被当接部34までの距離より大きくなり、かつ図2に示されるように、切断部4がもっとも上方に位置する状態で、被当接部34の上端より下側に位置するように、構成されている。即ちローラ44は、切断部4が前方へ移動した際に、ローラ44が被当接部34に当接可能なように構成されている。
【0035】
モータ収容部41Bは、本体部41Aの上部から左側に延出されて切断刃7の上方に配置されるように構成され、内部にモータ5が収容されている。モータ5により図示せぬギア機構を駆動している。
【0036】
切断刃収容部41Cは、本体部41Aの左側に位置し切断刃7の上半分を覆うように構成されている。切断刃収容部41Cにおいて腕部35Bの近傍には、切断部4が下側に所定の角度揺動した際に腕部35Bと当接する当接部45が設けられている。当接部45は切断刃収容部41Cに螺合しており、螺進退することにより、切断部4の下方への揺動量を変更することができる。
【0037】
次に、本発明の誘導機構を構成する上述の被当接面34A及びローラ44について詳細に説明する。図1及び図4に示されるように、被当接面34Aは、左右方向と直交する断面が、左右方向に伸びる仮想の軸心Gを中心軸とする下に凸な円弧状に構成されている。またこの仮想の軸心Gは、揺動軸部35Dと平行であって、切断部4がもっとも前方へとスライドした状態で、揺動軸部35Dの前方かつ上方に配置されている。また被当接面34Aの円弧は、仮にローラ44が、被当接部34(被当接面34A)が存在しないとした場合(被当接部34(被当接面34A)に当接しないとした場合)におけるローラ44の揺動の軌跡(図4における区間a−b−cで示される円弧)と交差すると共に、ローラ44軌跡の接線方向と非直交で交差するように構成されている。被当接面34Aの円弧の中心Gは切断刃7の揺動中心(揺動軸部35D)と異なる位置であり半径が異なる。
【0038】
このような構成により、切断部4を最も前方へとスライドさせた状態で作業者がハンドル4Bを把持し、切断部4を点aから下側(ベース部2側)へ揺動させると、図5に示されるように、ローラ44が被当接面34Aに当接するまでは、図4の区間a−bに沿って切断部4が移動する。その後に図6に示されるように、点b(図4)でローラ44が被当接面34Aに当接した後は、ローラ44が被当接面34Aに誘導されるため、図4の区間b−dに沿って切断部4が移動し、図7に示されるように、ローラ44が被当接面34Aの下端に移動した状態で、当接部45が腕部35Bに当接し(図1)、切断部4の揺動が終了する。
【0039】
上記区間a−bにおいては、ローラ44が被当接面34Aに当接していないため、ローラ44が反力を受けることはなく、故に切断部4は、揺動軸部35D回りに揺動するのみであって揺動以外の動作をすることがない。これに対して区間b−dにおいてはローラ44が被当接面34Aに当接して反力を受けるため、この反力により、切断部4は、スライド部35Aがスライドパイプ33A、33B上を摺動して後方へと移動する。具体的には、図8に示されるように、揺動において、ローラ44は矢印A(区間a’−b’に対応)、矢印B(区間b’−d’)のように移動する。ここで図8に示される点a’、b’、
c’、d’は、それぞれ、図4における点a、b、c、dに対応しており、切断刃7の軸心であるボルト7A位置を示している。
【0040】
上述のように、ローラ44が被当接部34(被当接面34A)に当接しないと仮定した場合、即ちローラ44が被当接面34Aから反力を受けないと仮定した場合には、図9に示されるように移動し、この動作により、図8の矢印A(区間a’−b’)、矢印C(区間b’−c’)のように切断刃7が移動する。これに対して、本実施の形態では、切断部4が、揺動時に被当接面34Aに当接することにより、図10に示されるように移動し、この動作により、図8の矢印A(区間a’−b’)、矢印B(区間b’−d’)のように切断刃7が移動し、図9の状態(従来の状態)に比べて図10の状態(本実施の形態の状態)では、点c’から点d’までの距離ほど後方へと移動する。その後に切断部4を後方へと付勢して矢印Dの如く移動させることにより、幅広の木材Wを切断することができる。なお、図10は、当接部44と被当接面34Aが当接した状態からの軌跡(図中矢印)を示す。
【0041】
即ち、本実施の形態においては、切断部4を揺動するように押し下げる(ベース部2に対して近接させる)ことにより、切断部4を後方へと移動させることができる。換言すると、切断部4への荷重を一の方向である下方向に加えることにより、切断部4を揺動させると共にスライド方向へと移動させることができる。よって揺動動作からスライド動作への円滑な移行が可能となり、切断方向の変化に伴う荷重を加える方向の変化を防ぐことができる。
【0042】
より詳細には、ローラ44が点d、即ち切断刃7が点d’まで移動するとそれ以上切断部4を下側に揺動することはできず、後方に切断部4を移動させることになるが、ローラ44が点dまで移動した時点ですでに切断部4は後方へと移動している状態であるため、この状態から切断部4を後方に付勢したとしても、すでに移動している方向に更に付勢することになり、切断部4への運動方向の変化が小さく滑らかになる。これにより、切断部4を操作する上で、切断刃7が揺動しスライドする際に、揺動運動からスライド運動への切り替わり時に切断刃7が一点に止まることが無く、これにより無意識に切断部4へ左右方向に荷重が加えられることが抑制され、切断刃7が左右方向へぶれることにより木材Wに形成される段差の発生を抑制することができ、切断不良を抑制することができる。
【0043】
ここで、切断刃7の回転軸であるボルト7と切断部4の揺動軸部35Dの関係を図11A、図11Bにより説明する。従来、切断部4を上限位置から下限位置に揺動させると、ボルト7は点a’から点c’に移動するが揺動軸部35Dは元の位置(上限位置での位置)のままである(図11B)。これに対し本願発明によれば、切断部4を上限位置から下限位置に揺動させると、ボルト7は点a’から点d’に移動すると共に揺動軸部35Dは元の位置から後方に距離X分移動することになり、揺動動作を行うことでスライド動作に円滑に移行することができる。
【0044】
また本実施の形態では、誘導機構として回転体であるローラ44と被当接面34Aとを備えるが、この構成により、ローラ44が被当接面34Aを転がりつつ切断部4が揺動することができ、好適に切断部4を後方(スライド方向)へと導くことができる。
【0045】
本発明によるスライド式卓上切断機は、上述の実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の改良や変形が可能である。たとえば第一の変形例として、被当接部34は、スライドパイプ33A、33Bの前端に固定されていたが、これに限らず、被当接部34をスライドパイプ33A、33Bに対して前後動可能かつ所定の位置で固定可能に構成してもよい。
【0046】
具体的には、図12に示されるように、スライドパイプ33A、33Bの前端に、これらを一体に固定する固定部134Bを装着すると共に、スライドパイプ33A、33Bにおいて固定部134Bとスライド支持部33との間にスライドパイプ33A、33Bに対して前後動可能な、被当接部134を設ける。被当接部134には、スライドパイプ33A、33Bに対し被当接部134を前後方向において所定の位置で固定可能なノブ134Cが設けられている。
【0047】
このような構成によると、スライドパイプ33A、33B上において、スライド方向における所定の位置で、図13に示されるように、ローラ44と被当接面134Aとからなる誘導機構を機能させることができる。よって色々な幅の木材Wを、誘導機構を用いて切断することができる。
【0048】
また図12、図13において、被当接部134がスライドパイプ33A、33Bに対して移動可能な構成においては、スライド支持部、具体的にはスライドパイプ33A、33Bに対する切断部4の位置を示す位置表示部、例えばスライドパイプ33A、33Bに設けられた目盛りを備えていてもよい。このような構成によると、スライドパイプ33A、33Bに対する切断刃7(被当接部134)の位置を容易に把握することができる。
【0049】
またローラ44は切断部4を揺動時に、被当接部34と当接する構成であったが、揺動時に当接しない位置に移動可能であってもよい。具体的には、第二の変形例として、図14に示されるように、本体部41Aにおいてローラ44が装着される箇所に、ローラ44の軸方向に穿設された収容部241aを形成し、この収容部241a内にローラ44の軸方向に移動可能なローラ支持部241Dを設け、このローラ支持部241Dによりローラ44を保持する。ローラ44は、ローラ軸の頭部を把持してローラ軸方向に摺動させることで移動可能になっている。また、収容部241aからローラ支持部241Dが抜けないように、収容部241aのローラ側端部の寸法(図中左右方向)をローラ44の直径より大きくローラ保持部241Dのローラ軸に直交する方向の寸法(図中左右方向)より小さくしている。なお、ローラ44を引っ込めた状態(図15)において、ローラ軸の頭部が被当接面34Aに当接しないような位置関係となっている。
【0050】
このような構成を成すことにより、図15に示されるように、ローラ44と被当接部34とが当接しない構成を得ることができ、誘導機構を使用しない方がよい木材Wも好適に切断することができる。特に、切断部4のスライドが不要な揺動のみの作業に有効である。
【0051】
また、上述した実施の形態では、切断部4側に当接部44、スライド支持部33側に被当接部34を設けたが、切断部4側に被当接部34、スライド支持部33側に当接部44としてもよい。この場合、スライドパイプ33A、33Bを連結・固定する固定部134B(図12)に、固定部134Bからスライドパイプ側(後方側)に向けて当接部44(ローラ)を設ける。当接部44の回転軸は切断刃7の回転軸と平行となるように配置する。一方、切断部4には、本体部41の側面からスライドパイプ側に突出し、被当接面34Aをローラ44と対向するように設けた被当接部34を配置すればよい。
【符号の説明】
【0052】
1:卓上切断機 2:ベース部 3:支持部 4:切断部 4B:ハンドル
4C:トリガ 5:モータ 7:切断刃 7A:ボルト 7B:フランジ 21:ベース
21A:左ベース 21B:右ベース 22:ターンテーブル
22A:ターンテーブル本体部 22B:上面 23:フェンス 23A:左フェンス
23B:右フェンス 24:突出部 27:切断部支持部 27A:傾動軸
27B:傾動支持部 27b:長孔 28:規制操作部 29:ピン 31:傾動部
31A:クランプ 33:スライド支持部 33A:スライドパイプ 34:被当接部
34A:被当接面 35:揺動支持部 35A:スライド部 35B:腕部
35C:ノブ 35D:揺動軸部 35E:バネ 41:ハウジング 41A:本体部
41B:モータ収容部 41C:切断刃収容部 44:ローラ 45:当接部
【技術分野】
【0001】
本発明は卓上切断機に関し、特にスライド機構を備えた卓上切断機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のスライド式卓上切断機で、幅広材を切断するスライド切断作業では、ベース部上に幅広材を載置した状態で、丸のこが装着された切断部を予め前方(作業者側)へスライドさせた状態で、ハンドルを押下げて切断部を下限位置まで揺動させた後に、後方(反作業者側)へスライドさせ、切断を行っていた(例えば、特許文献1参照)。この切断作業において作業者は、切断部に下側向きの荷重を掛けた後、スライド方向への荷重を加える必要がある。
【特許文献1】特開2007−223127号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述のように、切断を行った場合には、切断方向の変化に応じて作業者が切断部に加える荷重の方向が変化するが、この荷重方向の変化により、操作上無意識に、切断刃の左右方向(回転軸方向)へ荷重が加わり、加工材の切断面に段差等の加工不良箇所が発生する場合があった。
【0004】
よって本発明は、加工不良を低減したスライド式卓上切断機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために本発明は、上面に被加工材が載置されるベース部と、該被加工材を切断する切断刃を回転可能に支持する切断部と、該ベース部と該切断部との間に設けられて該ベース部上で該切断部を支持する支持部と、を備え、該支持部は、該切断部を該ベース部に対して近接離間するように揺動可能に軸支する揺動支持部と、該揺動支持部を該ベース部上面と略平行かつ該切断刃の回転軸方向と略直交するスライド方向に移動可能に保持するスライド支持部と、を有し、該切断部と該スライド支持部との間には、該切断部の該ベース部に近接する揺動に応じて該切断部を該スライド方向に移動するように誘導する誘導機構が介在しているスライド式卓上切断機を提供する。
【0006】
上記のスライド式卓上切断機において、該誘導機構は、該切断部と該スライド支持部とのいずれか一方に設けられた当接部と、該切断部と該スライド支持部とのいずれか他方に設けられ該当接部が当接可能な被当接部とから構成され、該当接部が該被当接部に当接して案内されることにより該切断部が該スライド方向に移動することが好ましい。
【0007】
このような構成によると、切断部がスムーズに揺動動作からスライド動作へと移行できる。
【0008】
また該誘導機構は、該切断部と該スライド支持部とのいずれか一方に設けられた当接部と、該切断部と該スライド支持部とのいずれか他方に設けられ該当接部が当接可能な被当接部とから構成され、該被当接部は、切断部と該スライド支持部との相対揺動において、仮に該当接部が該被当接部に当接しないとした場合における該当接部の該相対揺動の軌跡と交差すると共に、該軌跡の接線方向と非直交で該軌跡と交差するように構成されていることが好ましい。
【0009】
このような構成によると、切断部に、押し下げる(ベース部に対して近接させる)ような荷重を加えれば、切断部をスライド方向に移動させることができる。即ち切断部への荷重を一の方向に加えることにより、切断部を揺動させた後にスライド方向へと移動させることができる。よって切断方向の変化に伴う荷重を加える方向の変化を防ぐことができ、これら変化に伴う切断不良を抑制することができる。
【0010】
また該当接部は回転体から構成され、該当接部は該回転体が当接して回転しつつ移動可能な被当接面を備えていることが好ましい。
【0011】
このような構成によると、回転体が被当接面を転がりつつ切断部が揺動することができ、好適に切断部をスライド方向へと導くことができる。
【0012】
また該当接部と該被当接部とのいずれか一方は、該スライド方向に移動可能に該スライド支持部に設けられると共に、該スライド方向において所定の位置で固定されて該当接部と該被当接部とのいずれか他方と当接可能に構成されていることが好ましい。
【0013】
このような構成によると、スライド支持部上において、スライド方向における所定の位置で、当接部と被当接部とからなる誘導機構を機能させることができる。よって色々な幅の被加工材を誘導機構により切断することができる。
【0014】
また該スライド支持部は、該当接部と該被当接部とのいずれか一方の該スライド支持部に対する該スライド方向における位置を示す位置表示部を有することが好ましい。
【0015】
このような構成によると、スライド支持部に対する該当接部と該被当接部とのいずれか一方の位置を容易に把握することができる。
【0016】
また該当接部と該被当接部とは、互いに非接触の位置に配置可能に構成されていることが好ましい。
【0017】
このような構成によれば誘導機構を使用しない方がよい被加工部材も好適に切断することができる。特に揺動動作のみでの作業時に有効である。
【発明の効果】
【0018】
本発明のスライド式卓上切断機によれば、加工不良を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態に係るスライド式卓上切断機の側面図。
【図2】本発明の実施の形態に係るスライド式卓上切断機の正面図。
【図3】本発明の実施の形態に係るスライド式卓上切断機のローラと被当接部との関係を示す上面部分断面図。
【図4】本発明の実施の形態に係るスライド式卓上切断機のローラと被当接面との動作に係る関係を示す図。
【図5】本発明の実施の形態に係るスライド式卓上切断機のローラと被当接部との関係を示す側面部分断面図(ローラが被当接面に非当接の状態)。
【図6】本発明の実施の形態に係るスライド式卓上切断機のローラと被当接部との関係を示す側面部分断面図(ローラが被当接面に当接した状態)。
【図7】本発明の実施の形態に係るスライド式卓上切断機のローラと被当接部との関係を示す側面部分断面図(切断部が最下端まで揺動した状態)。
【図8】本発明の実施の形態に係るスライド式卓上切断機の切断部の揺動時の動作を説明する側面図。
【図9】従来のスライド式卓上切断機の切断部の揺動動作を示す側面図。
【図10】本発明の実施の形態に係るスライド式卓上切断機の切断部の揺動動作を示す側面図。
【図11】本発明の実施の形態に係るスライド式卓上切断機の切断部の揺動動作とスライド動作とを示す概念図であって(a)本実施の形態、(b)従来例。
【図12】本発明の実施の形態の第一の変形例に係るスライド式卓上切断機の側面図。
【図13】本発明の実施の形態の第一の変形例に係るスライド式卓上切断機のローラと被当接部との関係を示す上面部分断面図。
【図14】本発明の実施の形態の第2の変形例に係るスライド式卓上切断機の切断部を示す平面部分断面図(ローラが被当接部と当接可能な状態)。
【図15】本発明の実施の形態の第2の変形例に係るスライド式卓上切断機の切断部を示す平面部分断面図(ローラが被当接部と当接不能な状態)。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の実施の形態に係る切断工具について、図1乃至図8に基づき説明する。図1に示される切断工具である卓上切断機1は、ベース部2と、支持部3と、切断部4と、から主に構成され、切断部4に切断刃7が装着され、ベース部2に対して切断部4を切断刃7の側面に直交する方向に傾動可能、ベース部2に対して切断刃7を切断刃7の回転軸と直交する方向(ベース部2に対して切断刃7を近接・離間する方向)に揺動可能、更に後述のベース21に対して切断刃7を後述の上下方向に伸びる軸周りに回動可能に構成されている。切断刃7は円板状に構成されると共に、中央にボルト7A(回転軸)が貫通する貫通孔を有し外周に木材Wを切削する刃を備えている。
【0021】
ベース部2は、被切断部材である木材Wを担持するベース21と、ベース21上に後述の上下方向に伸びる図示せぬ回動軸で回動可能に担持されベース21と共に木材Wを担持するターンテーブル22と、ベース21に設けられたフェンス23とから主に構成されている。ベース21は、図2に示されるように、一対の左ベース21Aと右ベース21Bとから構成されている。これら左ベース21Aと右ベース21Bとが並んでいる方向を左右方向と定義し、ベース21の木材W(図1)を載置する面の上方を上方、反対を下方と定義する。
【0022】
図2に示されるように、ターンテーブル22は、右ベース21Bと左ベース21Aとの間に配置されている。図1に示されるようにターンテーブル22は、略円台状のターンテーブル本体部22Aとターンテーブル本体部22Aの一方側に突出する突出部24と他方側に設けられた後述の支持部3を支持する切断部支持部27(図1)とから構成されている。この突出部24がターンテーブル本体部22Aより突出している方向であって左右方向と直交する方向を前方、反対を後方と定義する。
【0023】
また、ターンテーブル22の上面22Bには、切断部支持部27近傍位置から突出部24にかけて一連の図示せぬ溝部が形成されている。この図示せぬ溝部は、切断刃7が下方に揺動してターンテーブル22と交わった際の交線位置と同一位置にあり切断刃7の刃先を収容する箇所である。
【0024】
図1及び図2に示されるように、突出部24には、ターンテーブル22のベース21に対する回動を規制する際の操作部となる規制操作部28が設けられている。規制操作部28は、突出部24に螺合すると共に、その先端(後側端部)がベース21の一部に当接可能に構成されている。よって規制操作部28が回転操作され、後方に向けて螺進し先端がベース21と当接することにより、ターンテーブル22がベース21に対して固定され、ターンテーブル22の回動が抑制される。
【0025】
図1に示されるように切断部支持部27は、ターンテーブル22の図示せぬ回動軸に対して突出部24の反対位置に配置されている。切断部支持部27には、図示せぬ溝部の延長線上に位置する傾動軸部27Aと、最後端部から上方へ向けて直立する傾動支持部27Bとを有している。なお、傾動支持部27はターンテーブル22と一体的に形成されている。
【0026】
傾動支持部27Bには図2に示されるように、前後方向に貫通し左右方向に延びる円弧状の長孔27bが形成されている。この長孔27b内に後述のクランプ31Aが挿入されている。また図1に示されるように、傾動支持部27Bには、直角時の位置決め部材となるピン29が装着されている。ピン29は、丸棒状を成し、その軸方向が前後方向と一致するように、かつ前後方向に移動可能に傾動支持部27Bに支持され、前端が傾動支持部27Bから前方へと突出可能に構成されている。ピン29が傾動支持部27Bから前方へと突出することにより、後述の傾動部31と係合し、傾動部31をベース部2に対して垂直状態に保持することができる。以下の説明においては、特に言及しない限り、傾動部31がベース部2に対して垂直状態に保持され、かつ切断刃7の回転軸の軸方向が前後方向と直交している状態として説明する。
【0027】
ベース21上であって、ターンテーブル22の上方位置には、フェンス23が設けられている。フェンス23は、図2に示されるように、左ベース21A及び右ベース21Bに対応して左フェンス23A及び右フェンス23Bから構成されており、左フェンス23A及び右フェンス23Bの前面は、互いに同一平面上に位置するように配置されて、木材W(図1)の位置を規定している。
【0028】
図1に示されるように、支持部3は、傾動部31と、スライド支持部33と、被当接部34と、揺動支持部35とから主に構成されている。傾動部31は傾動軸部27Aによりターンテーブル22に支持されている。傾動部31には、クランプ31Aが螺合しており、クランプ31Aは、傾動支持部27Bの長孔27b(図2)に挿入され、クランプ31Aを締めることにより、傾動部31が傾動支持部27Bに固定され、クランプ31Aを緩めることにより傾動部31が左右方向に傾動可能である。またクランプ31Aが長孔27bに挿入されているため、傾動部31が傾動支持部27Bに対して傾動可能な角度は、クランプ31Aが長孔27b内で移動可能な範囲に限定される。
【0029】
スライド支持部33は、二本のスライドパイプ33A、33Bを有し、傾動部31の上部に傾動部31と一体に設けられている。二本のスライドパイプ33A、33Bは、傾動部31がベース部2上面に対して垂直な状態で、ベース部2と垂直な方向(図1の上下方向)に並ぶと共に、ベース部2の上面とそれぞれ平行かつ上述のターンテーブル22の図示せぬ溝部と平行に配置されている。
【0030】
被当接部34は、二本のスライドパイプ33A、33Bの前端に装着されて二本のスライドパイプ33A、33Bを互いに接続している。また被当接部34の後端位置には、被当接面34Aが設けられている。被当接面34Aについての詳しい形状は後述する。
【0031】
揺動支持部35は、スライド部35Aと腕部35Bとから構成されている。スライド部35Aは、平行に伸びる二本の図示せぬ貫通孔を有し、この貫通孔内に二本のスライドパイプ33A、33Bが挿入されている。このスライド部35Aが二本のスライドパイプ33A、33Bに対してスライドパイプの長手方向(図1の前後方向)にスライドすることにより、揺動支持部35が前後移動可能になる。またスライド部35Aには、螺進してスライド部35Aの貫通孔内に突出可能なノブ35C(図2)が螺合している。よってノブ35Cを螺進させることにより、スライドパイプ33A、33Bに対してスライド部35Aを固定することが可能である。
【0032】
腕部35Bは、略コの字形を成して一対の腕部を有し、スライド部35Aと一体移動するように構成されており、一対の腕部の間に揺動軸部35Dが渡されて切断部4を揺動可能に軸支するように略コの字形状に構成されている。揺動軸部35Dは、その軸方向がベース部2の上面と平行であり、かつスライド部35Aのスライド方向と直交する方向になるように腕部35Bに装着されている。また揺動軸部35Dにはバネ35Eが装着されており、このバネ35Eにより、切断部4が上方へと移動する(ベース部2の上面から離間する)ような付勢力を切断部4に与えている。
【0033】
切断部4は、揺動軸部35Dに軸支されるハウジング41を筐体として構成されている。図1及び図2に示されるようにハウジング41は、本体部41Aと、モータ収容部41Bと、切断刃収容部41Cとから構成されている。本体部41Aは、腕部35Bで揺動可能に支持される箇所であり、内部に図示せぬギア機構を備え、ハンドル4B及びハンドル4Bに設けられてモータ5の回転オン・オフを制御するトリガ4Cを有している。本体部41Aにおいて、下部位置には、図示せぬギア機構によって駆動される図示せぬ回転軸を有し、この図示せぬ回転軸に切断刃7がフランジ7B等を解してボルト7Aにより固定されている。
【0034】
また、本体部41Aにおいて被当接部34に対抗する側面であって揺動時に被当接部34近傍箇所を横切る箇所には、当接部となるローラ44が設けられている。ローラ44は、本体部41Aに固定されるピンとピンに回転可能に支承されている環状体とから成り、本体部41Aに対して環状体がピンの軸回りに回転可能であり、図3に示されるように、その本体部41Aからの突出量が本体部41Aから被当接部34までの距離より大きくなり、かつ図2に示されるように、切断部4がもっとも上方に位置する状態で、被当接部34の上端より下側に位置するように、構成されている。即ちローラ44は、切断部4が前方へ移動した際に、ローラ44が被当接部34に当接可能なように構成されている。
【0035】
モータ収容部41Bは、本体部41Aの上部から左側に延出されて切断刃7の上方に配置されるように構成され、内部にモータ5が収容されている。モータ5により図示せぬギア機構を駆動している。
【0036】
切断刃収容部41Cは、本体部41Aの左側に位置し切断刃7の上半分を覆うように構成されている。切断刃収容部41Cにおいて腕部35Bの近傍には、切断部4が下側に所定の角度揺動した際に腕部35Bと当接する当接部45が設けられている。当接部45は切断刃収容部41Cに螺合しており、螺進退することにより、切断部4の下方への揺動量を変更することができる。
【0037】
次に、本発明の誘導機構を構成する上述の被当接面34A及びローラ44について詳細に説明する。図1及び図4に示されるように、被当接面34Aは、左右方向と直交する断面が、左右方向に伸びる仮想の軸心Gを中心軸とする下に凸な円弧状に構成されている。またこの仮想の軸心Gは、揺動軸部35Dと平行であって、切断部4がもっとも前方へとスライドした状態で、揺動軸部35Dの前方かつ上方に配置されている。また被当接面34Aの円弧は、仮にローラ44が、被当接部34(被当接面34A)が存在しないとした場合(被当接部34(被当接面34A)に当接しないとした場合)におけるローラ44の揺動の軌跡(図4における区間a−b−cで示される円弧)と交差すると共に、ローラ44軌跡の接線方向と非直交で交差するように構成されている。被当接面34Aの円弧の中心Gは切断刃7の揺動中心(揺動軸部35D)と異なる位置であり半径が異なる。
【0038】
このような構成により、切断部4を最も前方へとスライドさせた状態で作業者がハンドル4Bを把持し、切断部4を点aから下側(ベース部2側)へ揺動させると、図5に示されるように、ローラ44が被当接面34Aに当接するまでは、図4の区間a−bに沿って切断部4が移動する。その後に図6に示されるように、点b(図4)でローラ44が被当接面34Aに当接した後は、ローラ44が被当接面34Aに誘導されるため、図4の区間b−dに沿って切断部4が移動し、図7に示されるように、ローラ44が被当接面34Aの下端に移動した状態で、当接部45が腕部35Bに当接し(図1)、切断部4の揺動が終了する。
【0039】
上記区間a−bにおいては、ローラ44が被当接面34Aに当接していないため、ローラ44が反力を受けることはなく、故に切断部4は、揺動軸部35D回りに揺動するのみであって揺動以外の動作をすることがない。これに対して区間b−dにおいてはローラ44が被当接面34Aに当接して反力を受けるため、この反力により、切断部4は、スライド部35Aがスライドパイプ33A、33B上を摺動して後方へと移動する。具体的には、図8に示されるように、揺動において、ローラ44は矢印A(区間a’−b’に対応)、矢印B(区間b’−d’)のように移動する。ここで図8に示される点a’、b’、
c’、d’は、それぞれ、図4における点a、b、c、dに対応しており、切断刃7の軸心であるボルト7A位置を示している。
【0040】
上述のように、ローラ44が被当接部34(被当接面34A)に当接しないと仮定した場合、即ちローラ44が被当接面34Aから反力を受けないと仮定した場合には、図9に示されるように移動し、この動作により、図8の矢印A(区間a’−b’)、矢印C(区間b’−c’)のように切断刃7が移動する。これに対して、本実施の形態では、切断部4が、揺動時に被当接面34Aに当接することにより、図10に示されるように移動し、この動作により、図8の矢印A(区間a’−b’)、矢印B(区間b’−d’)のように切断刃7が移動し、図9の状態(従来の状態)に比べて図10の状態(本実施の形態の状態)では、点c’から点d’までの距離ほど後方へと移動する。その後に切断部4を後方へと付勢して矢印Dの如く移動させることにより、幅広の木材Wを切断することができる。なお、図10は、当接部44と被当接面34Aが当接した状態からの軌跡(図中矢印)を示す。
【0041】
即ち、本実施の形態においては、切断部4を揺動するように押し下げる(ベース部2に対して近接させる)ことにより、切断部4を後方へと移動させることができる。換言すると、切断部4への荷重を一の方向である下方向に加えることにより、切断部4を揺動させると共にスライド方向へと移動させることができる。よって揺動動作からスライド動作への円滑な移行が可能となり、切断方向の変化に伴う荷重を加える方向の変化を防ぐことができる。
【0042】
より詳細には、ローラ44が点d、即ち切断刃7が点d’まで移動するとそれ以上切断部4を下側に揺動することはできず、後方に切断部4を移動させることになるが、ローラ44が点dまで移動した時点ですでに切断部4は後方へと移動している状態であるため、この状態から切断部4を後方に付勢したとしても、すでに移動している方向に更に付勢することになり、切断部4への運動方向の変化が小さく滑らかになる。これにより、切断部4を操作する上で、切断刃7が揺動しスライドする際に、揺動運動からスライド運動への切り替わり時に切断刃7が一点に止まることが無く、これにより無意識に切断部4へ左右方向に荷重が加えられることが抑制され、切断刃7が左右方向へぶれることにより木材Wに形成される段差の発生を抑制することができ、切断不良を抑制することができる。
【0043】
ここで、切断刃7の回転軸であるボルト7と切断部4の揺動軸部35Dの関係を図11A、図11Bにより説明する。従来、切断部4を上限位置から下限位置に揺動させると、ボルト7は点a’から点c’に移動するが揺動軸部35Dは元の位置(上限位置での位置)のままである(図11B)。これに対し本願発明によれば、切断部4を上限位置から下限位置に揺動させると、ボルト7は点a’から点d’に移動すると共に揺動軸部35Dは元の位置から後方に距離X分移動することになり、揺動動作を行うことでスライド動作に円滑に移行することができる。
【0044】
また本実施の形態では、誘導機構として回転体であるローラ44と被当接面34Aとを備えるが、この構成により、ローラ44が被当接面34Aを転がりつつ切断部4が揺動することができ、好適に切断部4を後方(スライド方向)へと導くことができる。
【0045】
本発明によるスライド式卓上切断機は、上述の実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の改良や変形が可能である。たとえば第一の変形例として、被当接部34は、スライドパイプ33A、33Bの前端に固定されていたが、これに限らず、被当接部34をスライドパイプ33A、33Bに対して前後動可能かつ所定の位置で固定可能に構成してもよい。
【0046】
具体的には、図12に示されるように、スライドパイプ33A、33Bの前端に、これらを一体に固定する固定部134Bを装着すると共に、スライドパイプ33A、33Bにおいて固定部134Bとスライド支持部33との間にスライドパイプ33A、33Bに対して前後動可能な、被当接部134を設ける。被当接部134には、スライドパイプ33A、33Bに対し被当接部134を前後方向において所定の位置で固定可能なノブ134Cが設けられている。
【0047】
このような構成によると、スライドパイプ33A、33B上において、スライド方向における所定の位置で、図13に示されるように、ローラ44と被当接面134Aとからなる誘導機構を機能させることができる。よって色々な幅の木材Wを、誘導機構を用いて切断することができる。
【0048】
また図12、図13において、被当接部134がスライドパイプ33A、33Bに対して移動可能な構成においては、スライド支持部、具体的にはスライドパイプ33A、33Bに対する切断部4の位置を示す位置表示部、例えばスライドパイプ33A、33Bに設けられた目盛りを備えていてもよい。このような構成によると、スライドパイプ33A、33Bに対する切断刃7(被当接部134)の位置を容易に把握することができる。
【0049】
またローラ44は切断部4を揺動時に、被当接部34と当接する構成であったが、揺動時に当接しない位置に移動可能であってもよい。具体的には、第二の変形例として、図14に示されるように、本体部41Aにおいてローラ44が装着される箇所に、ローラ44の軸方向に穿設された収容部241aを形成し、この収容部241a内にローラ44の軸方向に移動可能なローラ支持部241Dを設け、このローラ支持部241Dによりローラ44を保持する。ローラ44は、ローラ軸の頭部を把持してローラ軸方向に摺動させることで移動可能になっている。また、収容部241aからローラ支持部241Dが抜けないように、収容部241aのローラ側端部の寸法(図中左右方向)をローラ44の直径より大きくローラ保持部241Dのローラ軸に直交する方向の寸法(図中左右方向)より小さくしている。なお、ローラ44を引っ込めた状態(図15)において、ローラ軸の頭部が被当接面34Aに当接しないような位置関係となっている。
【0050】
このような構成を成すことにより、図15に示されるように、ローラ44と被当接部34とが当接しない構成を得ることができ、誘導機構を使用しない方がよい木材Wも好適に切断することができる。特に、切断部4のスライドが不要な揺動のみの作業に有効である。
【0051】
また、上述した実施の形態では、切断部4側に当接部44、スライド支持部33側に被当接部34を設けたが、切断部4側に被当接部34、スライド支持部33側に当接部44としてもよい。この場合、スライドパイプ33A、33Bを連結・固定する固定部134B(図12)に、固定部134Bからスライドパイプ側(後方側)に向けて当接部44(ローラ)を設ける。当接部44の回転軸は切断刃7の回転軸と平行となるように配置する。一方、切断部4には、本体部41の側面からスライドパイプ側に突出し、被当接面34Aをローラ44と対向するように設けた被当接部34を配置すればよい。
【符号の説明】
【0052】
1:卓上切断機 2:ベース部 3:支持部 4:切断部 4B:ハンドル
4C:トリガ 5:モータ 7:切断刃 7A:ボルト 7B:フランジ 21:ベース
21A:左ベース 21B:右ベース 22:ターンテーブル
22A:ターンテーブル本体部 22B:上面 23:フェンス 23A:左フェンス
23B:右フェンス 24:突出部 27:切断部支持部 27A:傾動軸
27B:傾動支持部 27b:長孔 28:規制操作部 29:ピン 31:傾動部
31A:クランプ 33:スライド支持部 33A:スライドパイプ 34:被当接部
34A:被当接面 35:揺動支持部 35A:スライド部 35B:腕部
35C:ノブ 35D:揺動軸部 35E:バネ 41:ハウジング 41A:本体部
41B:モータ収容部 41C:切断刃収容部 44:ローラ 45:当接部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面に被加工材が載置されるベース部と、
該被加工材を切断する切断刃を回転可能に支持する切断部と、
該ベース部と該切断部との間に設けられて該ベース部上で該切断部を支持する支持部と、を備え、
該支持部は、該切断部を該ベース部に対して近接離間するように揺動可能に軸支する揺動支持部と、該揺動支持部を該ベース部上面と略平行かつ該切断刃の回転軸方向と略直交するスライド方向に移動可能に保持するスライド支持部と、を有し、
該切断部と該スライド支持部との間には、該切断部の該ベース部に近接する揺動に応じて該切断部を該スライド方向に移動するように誘導する誘導機構が介在していること特徴とするスライド式卓上切断機。
【請求項2】
該誘導機構は、該切断部と該スライド支持部とのいずれか一方に設けられた当接部と、該切断部と該スライド支持部とのいずれか他方に設けられ該当接部が当接可能な被当接部とから構成され、
該当接部が該被当接部に当接して案内されることにより該切断部が該スライド方向に移動することを特徴とする請求項1に記載のスライド式卓上切断機。
【請求項3】
該誘導機構は、該切断部と該スライド支持部とのいずれか一方に設けられた当接部と、該切断部と該スライド支持部とのいずれか他方に設けられ該当接部が当接可能な被当接部とから構成され、
該被当接部は、切断部と該スライド支持部との相対揺動において、仮に該当接部が該被当接部に当接しないとした場合における該当接部の該相対揺動の軌跡と交差すると共に、該軌跡の接線方向と非直交で該軌跡と交差するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のスライド式卓上切断機。
【請求項4】
該当接部は回転体から構成され、
該被当接部は該回転体が当接して回転しつつ移動可能な被当接面を備えていることを特徴とする請求項2又は3に記載のスライド式卓上切断機。
【請求項5】
該当接部と該被当接部とのいずれか一方は、該スライド方向に移動可能に該スライド支持部に設けられると共に、該スライド方向において所定の位置で固定されて該当接部と該被当接部とのいずれか他方と当接可能に構成されていることを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれか一に記載のスライド式卓上切断機。
【請求項6】
該スライド支持部は、該当接部と該被当接部とのいずれか一方の該スライド支持部に対する該スライド方向における位置を示す位置表示部を有することを特徴とする請求項5に記載のスライド式卓上切断機。
【請求項7】
該当接部と該被当接部とは、互いに非接触の位置に配置可能に構成されていることを特徴とする請求項2乃至請求項6のいずれかに記載のスライド式卓上切断機。
【請求項1】
上面に被加工材が載置されるベース部と、
該被加工材を切断する切断刃を回転可能に支持する切断部と、
該ベース部と該切断部との間に設けられて該ベース部上で該切断部を支持する支持部と、を備え、
該支持部は、該切断部を該ベース部に対して近接離間するように揺動可能に軸支する揺動支持部と、該揺動支持部を該ベース部上面と略平行かつ該切断刃の回転軸方向と略直交するスライド方向に移動可能に保持するスライド支持部と、を有し、
該切断部と該スライド支持部との間には、該切断部の該ベース部に近接する揺動に応じて該切断部を該スライド方向に移動するように誘導する誘導機構が介在していること特徴とするスライド式卓上切断機。
【請求項2】
該誘導機構は、該切断部と該スライド支持部とのいずれか一方に設けられた当接部と、該切断部と該スライド支持部とのいずれか他方に設けられ該当接部が当接可能な被当接部とから構成され、
該当接部が該被当接部に当接して案内されることにより該切断部が該スライド方向に移動することを特徴とする請求項1に記載のスライド式卓上切断機。
【請求項3】
該誘導機構は、該切断部と該スライド支持部とのいずれか一方に設けられた当接部と、該切断部と該スライド支持部とのいずれか他方に設けられ該当接部が当接可能な被当接部とから構成され、
該被当接部は、切断部と該スライド支持部との相対揺動において、仮に該当接部が該被当接部に当接しないとした場合における該当接部の該相対揺動の軌跡と交差すると共に、該軌跡の接線方向と非直交で該軌跡と交差するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のスライド式卓上切断機。
【請求項4】
該当接部は回転体から構成され、
該被当接部は該回転体が当接して回転しつつ移動可能な被当接面を備えていることを特徴とする請求項2又は3に記載のスライド式卓上切断機。
【請求項5】
該当接部と該被当接部とのいずれか一方は、該スライド方向に移動可能に該スライド支持部に設けられると共に、該スライド方向において所定の位置で固定されて該当接部と該被当接部とのいずれか他方と当接可能に構成されていることを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれか一に記載のスライド式卓上切断機。
【請求項6】
該スライド支持部は、該当接部と該被当接部とのいずれか一方の該スライド支持部に対する該スライド方向における位置を示す位置表示部を有することを特徴とする請求項5に記載のスライド式卓上切断機。
【請求項7】
該当接部と該被当接部とは、互いに非接触の位置に配置可能に構成されていることを特徴とする請求項2乃至請求項6のいずれかに記載のスライド式卓上切断機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2013−111703(P2013−111703A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−260249(P2011−260249)
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【出願人】(000005094)日立工機株式会社 (1,861)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【出願人】(000005094)日立工機株式会社 (1,861)
【Fターム(参考)】
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