説明

ソレノイドバルブ

【課題】少流量を精度よく調節することと、大流量を応答性よく調節することを両立するソレノイドバルブを提供すること。
【解決手段】サブパイロット室41をメインシート31より流入側のバルブ通路2に連通する流入側サブパイロット通路42、43と、サブパイロット室41をメインシート31より流出側のバルブ通路2に連通する流出側サブパイロット通路46、47と、この流出側サブパイロット通路46、47に介装されるサブシート51と、ソレノイド推力に応じてサブシート51に対して変位することによってサブシート51の開口面積を変えるピンポペット60と、流入側サブパイロット通路42、43においてピンポペット60に沿ってサブシート51へと向かう作動流体の流れを絞る絞り手段(絞り間隙63)と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソレノイド推力に応じて作動流体の流量を調節するソレノイドバルブに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のソレノイドバルブとして、例えば特許文献1に開示されたものは、ソレノイド推力に応じて移動するピンポペットがパイロット圧力を調節し、このパイロット圧力に応じて移動するポペットがバルブシートの開口面積を変えることによって、バルブシート(バルブ通路)を通過する作動流体の流量を調節するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−138925号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような従来のソレノイドバルブにあっては、ピンポペットの開度が小さいときピンポペットに働く流体力が急変するため、少流量を精度よく調節することと、大流量を応答性よく調節することを両立することが難しいという問題点があった。
【0005】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、少流量を精度よく調節することと、大流量を応答性よく調節することを両立するソレノイドバルブを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ソレノイド推力に応じてバルブ通路の流入側から流出側へと流れる作動流体の流量を調節するソレノイドバルブ1であって、バルブ通路に介装されるメインシートと、このメインシートに対して変位することによってメインシートの開口面積を変えるポペットと、このポペットを閉弁方向に付勢するサブパイロット圧力が生じるサブパイロット室と、このサブパイロット室をメインシートより流入側のバルブ通路に連通する流入側サブパイロット通路と、サブパイロット室をメインシートより流出側のバルブ通路に連通する流出側サブパイロット通路と、この流出側サブパイロット通路に介装されるサブシートと、ソレノイド推力に応じてサブシートに対して変位することによってサブシートの開口面積を変えるピンポペットと、流入側サブパイロット通路においてピンポペットに沿ってサブシートへと向かう作動流体の流れを絞る絞り手段と、を備え、ピンポペットがソレノイド推力によって開弁方向に駆動されるものとした。
【発明の効果】
【0007】
本発明によると、絞り手段を流れる作動流体は、ピンポペットに沿ってサブシートへと向かうことにより、その粘性抵抗によってピンポペットを閉弁方向に付勢する。この粘性抵抗による閉弁方向の付勢力とピンポペットに働く流体力がソレノイド推力と釣り合い、ピンポペットをソレノイド推力に応じて漸次変位させることが可能となり、ピンポペットにより少流量を精度よく調節することと、ポペットを介して大流量を応答性よく調節することが両立される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施形態を示すソレノイドバルブの構成図。
【図2】同じくソレノイドバルブの構成図。
【図3】同じくソレノイド電流値とバルブ通路の流量の関係を示す線図。
【図4】同じくピンポペットの変位とポペットに働く流体力の関係を示す線図。
【図5】他の実施形態を示すソレノイドバルブの構成図。
【図6】他の実施形態を示すソレノイドバルブの構成図。
【図7】他の実施形態を示すソレノイドバルブの構成図。
【図8】他の実施形態を示すソレノイドバルブの構成図。
【図9】他の実施形態を示すソレノイドバルブの構成図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0010】
(第1実施形態)
図1、2は、ソレノイドバルブ1の概略構成を示す図であり、以下、これについて説明する。
【0011】
ソレノイドバルブ1は、流入側(圧力源側)と流出側(負荷側)を連通するバルブ通路2の開口面積をソレノイド推力に応じて変え、このバルブ通路2を通過する作動油(以下作動流体と呼ぶ)の流量を調節するものである。
【0012】
バルブハウジング9にはバルブ通路2を構成するバルブポート12、13が形成される。バルブポート12、13の一方が図示しない配管等を介して圧力源に連通し、バルブポート12、13の他方が図示しない配管等を介して負荷に連通する。
【0013】
ソレノイドバルブ1は、両方向開閉タイプのものであり、図1に矢印で示すようにバルブポート12からバルブポート13に向かう作動流体の流れ(以下、第一流れと呼ぶ)に対して開閉作動するとともに、図2に矢印で示すようにバルブポート13からバルブポート12に向かう作動流体の流れ(以下、第二流れと呼ぶ)に対しても開閉作動する。
【0014】
ソレノイドバルブ1は、上記した第一、第二流れの流量を調節する弁体として、大流量を制御するメインポペット20と、小流量を制御するポペット40と、微少流量を制御するピンポペット60とを備える。円筒状のメインポペット20の内側にポペット40が摺動可能に嵌合し、メインポペット20とポペット40とピンポペット60とは、同軸上に直列に配置される。
【0015】
ソレノイドバルブ1のバルブ通路2は、メインポペット20によって開閉されるメイン通路10と、ポペット40によって開閉されるメインパイロット通路100、110と、ピンポペット60によって開閉されるサブパイロット通路30、50とによって構成される。このメイン通路10とメインパイロット通路100、110とサブパイロット通路30、50とは、互いに並列に設けられる。
【0016】
円筒状のメインポペット20は、バルブハウジング9内に摺動可能に介装され、メイン通路10を開閉する。
【0017】
メイン通路10は、単一のバルブポート12と、複数のバルブポート13とによって構成される。
【0018】
バルブポート12は、メインポペット20が摺動する軸方向に延びる円筒面によって形成され、バルブポート12の開口端に環状のバルブシート11が形成される。
【0019】
メインポペット20は、バルブシート11に着座する円錐面状のテーパ部20aを有する。
【0020】
メインポペット20は、そのテーパ部20aがバルブシート11に着座することによって閉弁し、この閉弁状態から図1、図2にて上方に摺動し、テーパ部20aがバルブシート11から離れることによって開弁する。メインポペット20は、このバルブシート11に対して軸方向に変位し、メイン通路10の開口面積を変える。
【0021】
メインポペット20は、バルブシート11より内側に設けられる円盤状の受圧部と、バルブシート11より外側に設けられる環状の受圧部とを有する。メインポペット20は、これらの受圧部が受けるバルブポート12、13の供給圧力によって開弁方向に付勢される。
【0022】
バルブハウジング9にはメインポペット20の背後にメインパイロット室21が画成される。メインポペット20は、その背面に受けるメインパイロット室21のメインパイロット圧力によって閉弁方向に付勢される。
【0023】
バルブハウジング9とメインポペット20の間にはメインリターンスプリング8が介装される。メインポペット20は、メインリターンスプリング8のバネ力によって閉弁方向に付勢される。
【0024】
バルブポート12、13の供給圧力による開弁力が、メインパイロット室21のメインパイロット圧力による閉弁力とメインリターンスプリング8のバネ力(閉弁力)とを合わせた力より大きくなると、メインポペット20は図1、図2にて上方に摺動して開弁可能なように構成される。
【0025】
メインパイロット室21に生じるメインパイロット圧力を制御する手段として、バルブシート11を迂回してバルブ通路2を流れる作動流体を導くメインパイロット通路100、110が設けられる。
【0026】
このメインパイロット通路100、110に、メインパイロットオリフィス24、25、メインパイロット室21、メインシート31とがそれぞれ介装される。
【0027】
メインパイロット通路100は、バルブポート12からバルブポート13に向かう作動流体の第一流れに対して開通し、作動流体を図1に矢印で示すようにバルブポート12→メインパイロットオリフィス24→メインパイロット室21→メインシート31→バルブポート13の順に導く。一方、メインパイロット通路110は、バルブポート13からバルブポート12に向かう作動流体の第二流れに対して開通し、作動流体を図2に矢印で示すようにバルブポート13→メインパイロットオリフィス25→メインパイロット室21→メインシート31→バルブポート12の順に導く。
【0028】
ポペット40がメインシート31の開口面積を変えて、メインパイロット通路100、110を流れる作動流体の流量を調節することにより、メインパイロットオリフィス24、25とメインシート31との間に生じるメインパイロット圧力(中間圧力)が制御される。
【0029】
メインパイロット通路100、110は、メインパイロット室21をバルブシート11より流入側のバルブ通路2に連通する第一、第二流入側メインパイロット通路22、23と、メインパイロット室21をバルブシート11より流出側のバルブ通路2に連通する第一、第二流出側メインパイロット通路26、27とを備える。
【0030】
メインパイロット通路100におけるバルブポート12からバルブポート13に向かう作動流体の第一流れは、図1に矢印で示すように、第一流入側メインパイロット通路(流入側メインパイロット通路)22と第一流出側メインパイロット通路(流出側メインパイロット通路)26とを通る。
【0031】
第一流入側メインパイロット通路22は、その上流端がバルブポート12に連通し、その下流端がメインパイロット室21に連通する。
【0032】
第一流入側メインパイロット通路22には、チェック弁34とメインパイロットオリフィス24とがそれぞれ介装される。このチェック弁34は、バルブポート12から第一流入側メインパイロット通路22を通ってメインパイロット室21に向かう作動流体の流れに対して開弁し、逆方向の流れに対して閉弁する。
【0033】
メインパイロット室21から延びる第一流出側メインパイロット通路26は、メインポペット20に形成される通孔29と、メインポペット20とポペット40の間に画成されるポペット間室48と、ポペット40の先端に開口するポペット内室49とを介して連通し、その下流端がバルブポート13に連通する。
【0034】
第一流出側メインパイロット通路26には、メインシート31とチェック弁36とが介装される。このチェック弁36は、第一流出側メインパイロット通路26を通ってバルブポート13に向かう作動流体の流れに対して開弁し、逆方向の流れに対して閉弁する。
【0035】
一方、メインパイロット通路110におけるバルブポート13からバルブポート12に向かう作動流体の第二流れは、図2に矢印で示すように、第二流入側メインパイロット通路23と第二流出側メインパイロット通路27とを通る。
【0036】
第二流入側メインパイロット通路23は、その上流端がバルブポート13に連通し、その下流端がメインパイロット室21に連通する。
【0037】
第二流入側メインパイロット通路23には、チェック弁35とメインパイロットオリフィス25とがそれぞれ介装される。このチェック弁35は、バルブポート13から第二流入側メインパイロット通路23を通ってメインパイロット室21に向かう作動流体の流れに対して開弁し、逆方向の流れに対して閉弁する。
【0038】
メインパイロット室21から延びる第二流出側メインパイロット通路27は、メインポペット20に形成される通孔29と、メインポペット20とポペット40の間に画成されるポペット間室48と、ポペット40の先端に開口するポペット内室49とを介して連通し、その下流端がバルブポート12に連通する。
【0039】
第二流出側メインパイロット通路27には、メインシート31とチェック弁37とが介装される。このチェック弁37は、第二流出側メインパイロット通路27を通ってバルブポート12に向かう作動流体の流れに対して開弁し、逆方向の流れに対して閉弁する。
【0040】
円筒状のポペット40は、メインポペット20内に摺動可能に介装される。メインポペット20内には、圧力補償スリーブ81が介装され、この圧力補償スリーブ81にメインシート31が形成される。ポペット40はメインシート31に対して変位することによってメインシート31の開口面積を変える。
【0041】
圧力補償機構80として、ポペット40を着座させる圧力補償スリーブ81がメインポペット20内に摺動可能に介装され、この圧力補償スリーブ81に形成されるメインシート31をポペット40に押し付ける方向に付勢する圧力補償スプリング82が介装される。後述するサブパイロット圧力が上昇するのに伴ってサブシート51が図1、図2において下方に移動し、ピンポペット60を開弁させるソレノイド推力(開弁力)が高まることが抑えられる。
【0042】
ポペット40は、メインシート31より外側に設けられる環状の受圧部を有し、この受圧部にメインパイロット室21のメインパイロット圧力がポペット間室48を介して導かれ、このメインパイロット圧力によって開弁方向に付勢される。
【0043】
メインポペット20内にはポペット40の背後にサブパイロット室41が画成される。ポペット40は、その背面が受けるサブパイロット室41のサブパイロット圧力によって閉弁方向に付勢される。
【0044】
メインポペット20のサブパイロット室41に対する受圧面積は、メインパイロット室21に対する受圧面積より小さく設定される。
【0045】
ポペット40とバルブハウジング9の間にはサブリターンスプリング7が介装される。ポペット40は、サブリターンスプリング7のバネ力によって閉弁方向に付勢される。
【0046】
ポペット40は、メインパイロット圧力による開弁力が、サブパイロット室41のサブパイロット圧力による閉弁力とサブリターンスプリング7のバネ力(閉弁力)とを合わせた力より大きくなると、図1、図2にて上方に摺動して開弁する。
【0047】
サブパイロット室41に生じるサブパイロット圧力を制御する手段として、バルブシート11を迂回してバルブ通路2を流れる作動流体を導くサブパイロット通路30、50が設けられる。
【0048】
このサブパイロット通路30、50に、サブオリフィス44、45、サブパイロット室41、サブシート51とがそれぞれ介装される。ピンポペット60がサブシート51の開口面積を変えて、サブパイロット通路30、50を流れる作動流体の流量を調節することにより、サブオリフィス44、45とサブシート51との間に生じるサブパイロット圧力が制御される。
【0049】
サブパイロット通路30は、バルブポート12からバルブポート13に向かう作動流体の第一流れに対して開通し、作動流体を図1に矢印で示すようにバルブポート12→サブオリフィス44→サブパイロット室41→サブシート51→バルブポート13の順に導く。一方、サブパイロット通路50は、バルブポート13からバルブポート12に向かう作動流体の第二流れに対して開通し、作動流体を図2に矢印で示すようにバルブポート13→サブオリフィス45→サブパイロット室41→サブシート51→バルブポート12の順に導く。
【0050】
サブパイロット通路30、50は、サブパイロット室41をバルブシート11より流入側のバルブ通路2に連通する第一、第二流入側サブパイロット通路42、43と、サブパイロット室41をバルブシート11より流出側のバルブ通路2に連通する第一、第二流出側サブパイロット通路46、47とを備える。
【0051】
サブパイロット通路30におけるバルブポート12からバルブポート13に向かう作動流体の第一流れは、図1に矢印で示すように、第一流入側サブパイロット通路(流入側サブパイロット通路)42と第一流出側サブパイロット通路(流出側サブパイロット通路)46とを通る。一方、サブパイロット通路50におけるバルブポート13からバルブポート12に向かう作動流体の第二流れは、図2に矢印で示すように、第二流入側サブパイロット通路43と第二流出側サブパイロット通路47とを通る。
【0052】
第一流入側サブパイロット通路42には、チェック弁34とサブオリフィス44とがそれぞれ介装される。
【0053】
このチェック弁34は、バルブポート12から第一流入側サブパイロット通路42を通ってサブパイロット室41に向かう作動流体の流れに対して開弁し、逆方向の流れに対して閉弁する。
【0054】
第一流入側サブパイロット通路42は、第一流入側メインパイロット通路22に対して、チェック弁34とこのチェック弁34より上流側の通路部分が共通して設けられており、構造の簡素化がはかられている。なお、これに限らず、第一流入側サブパイロット通路42と第一流入側メインパイロット通路22とをそれぞれ独立して設けてもよい。
【0055】
第二流入側サブパイロット通路43には、チェック弁35とサブオリフィス45とがそれぞれ介装される。このチェック弁35は、バルブポート13から第二流入側サブパイロット通路43を通ってサブパイロット室41に向かう作動流体の流れに対して開弁し、逆方向の流れに対して閉弁する。
【0056】
第二流入側サブパイロット通路43は、第二流入側メインパイロット通路23に対して、チェック弁35とこのチェック弁35より上流側の通路部分が共通して設けられており、構造の簡素化がはかられている。なお、これに限らず、第二流入側サブパイロット通路43と第二流入側メインパイロット通路23とをそれぞれ独立して設けてもよい。
【0057】
そして本発明の要旨とするところであるが、ピンポペット60に働く流体力を調節するために、第一、第二流入側サブパイロット通路42、43においてピンポペット60に沿ってサブシート51へと向かう作動流体の流れを絞る絞り手段が設けられる。
【0058】
本実施形態では、絞り手段として、ピンポペット60の外周面61のまわりに絞り間隙63が画成される。
【0059】
メインポペット20には、ピンポペット60を挿通させる絞り壁部62が形成される。この絞り壁部62は円筒面状に形成され、ピンポペット60の外周面61との間に絞り間隙63を円筒状の隙間として画成する。
【0060】
バルブハウジング9とメインポペット20の間には、絞り壁部62より上流側に絞り上流側室64が画成され、絞り壁部62より下流側にサブパイロット室41が画成される。
【0061】
第一流入側サブパイロット通路42は、その上流端がバルブポート12に連通し、その下流端が絞り上流側室64に連通する。
【0062】
第二流入側サブパイロット通路43は、その上流端がバルブポート13に連通し、その下流端が絞り上流側室64に連通する。
【0063】
これにより、第一、第二流入側サブパイロット通路42、43を通る作動流体は、絞り上流側室64から絞り間隙63を通ってサブパイロット室41に流入し、サブシート51へと向かう。
【0064】
絞り間隙63を通る作動流体は、ピンポペット60に沿ってサブシート51へと向かうことにより、その粘性抵抗によってピンポペット60を閉弁方向に付勢する。
【0065】
絞り間隙63の開口幅(ピンポペット60の径方向の寸法)、通路長(ピンポペット60の軸方向の寸法)は、任意に設定され、ピンポペット60の変位(流量)に応じて適度な粘性抵抗が生じるようになっている。
【0066】
第一流出側サブパイロット通路46は、その上流端がサブパイロット室41に連通し、その下流端がバルブポート13に連通する。
【0067】
第一流出側サブパイロット通路46には、サブシート51とチェック弁36とが介装される。このチェック弁36は、サブパイロット室41から第一流出側サブパイロット通路46を通ってバルブポート13に向かう作動流体の流れに対して開弁し、逆方向の流れに対して閉弁する。
【0068】
第一流出側サブパイロット通路46と第一流出側メインパイロット通路26とは、両者の間で共通のチェック弁36が用いられ、チェック弁36の前後通路部分を共用することによって、構造の簡素化がはかられている。なお、これに限らず、第一流出側サブパイロット通路46と第一流出側メインパイロット通路26とをそれぞれ独立して設けてもよい。
【0069】
第二流出側サブパイロット通路47は、その上流端がサブパイロット室41に連通し、その下流端がバルブポート12に連通する。
【0070】
第二流出側サブパイロット通路47には、サブシート51とチェック弁37とが介装される。このチェック弁37は、サブパイロット室41から第二流出側サブパイロット通路47を通ってバルブポート12に向かう作動流体の流れに対して開弁し、逆方向の流れに対して閉弁する。
【0071】
第二流出側サブパイロット通路47と第二流出側メインパイロット通路27とは、両者の間で共通のチェック弁37が用いられ、チェック弁37の前後通路部分を共用することによって、構造の簡素化がはかられている。なお、これに限らず、第二流出側サブパイロット通路47と第二流出側メインパイロット通路27とをそれぞれ独立して設けてもよい。
【0072】
図1には、バルブポート12からバルブポート13に向かう作動流体の第一流れが矢印で示されている。以下、この第一流れについて説明する。
【0073】
・ソレノイド推力によってピンポペット60がサブシート51から離れ、サブパイロット通路30が開通すると、作動流体は、バルブポート12→第一流入側サブパイロット通路42(チェック弁34、サブオリフィス44)→絞り上流側室64→絞り間隙63→サブパイロット室41→第一流出側サブパイロット通路46(サブシート51、ポペット内室49、チェック弁36)→バルブポート13の順に流れる。
【0074】
・上記サブパイロット通路30の流量が増加するのに伴ってサブパイロット室41のサブパイロット圧力が低下すると、サブパイロット圧力とメインパイロット圧力との差圧力によってポペット40がサブリターンスプリング7に抗してメインシート31より離れ、メインパイロット通路100が開通する。こうしてメインパイロット通路100が開通すると、作動流体は、バルブポート12→第一流入側メインパイロット通路22(チェック弁34、メインパイロットオリフィス24)→メインパイロット室21→第一流出側メインパイロット通路26(メインシート31、ポペット内室49、チェック弁36)→バルブポート13の順に流れる。
【0075】
・メインパイロット通路100の流量が増加するのに伴ってメインパイロット室21のメインパイロット圧力が低下すると、メインパイロット圧力とバルブポート12に導かれる圧力源からの圧力の差圧力によってメインリターンスプリング8に抗してメインポペット20がバルブシート11より離れ、メイン通路10が開通する。こうしてメイン通路10が開通すると、作動流体は、バルブポート12→バルブシート11→バルブポート13の順に流れる。
【0076】
図2には、バルブポート13からバルブポート12に向かう作動流体の第二流れが矢印で示されている。以下、この第二流れについて説明する。
【0077】
・ソレノイド推力によってピンポペット60がサブシート51から離れ、サブパイロット通路50が開通すると、作動流体は、バルブポート13→第二流入側サブパイロット通路43(チェック弁35、サブオリフィス45)→絞り上流側室64→絞り間隙63→サブパイロット室41→第二流出側サブパイロット通路47(サブシート51、ポペット内室49、チェック弁37)→バルブポート12の順に流れる。
【0078】
・上記サブパイロット通路50の流量が増加するのに伴ってサブパイロット室41のサブパイロット圧力が低下すると、サブパイロット圧力とメインパイロット圧力との差圧力によってポペット40がサブリターンスプリング7に抗してメインシート31より離れ、メインパイロット通路110が開通する。こうしてメインパイロット通路110が開通すると、作動流体は、バルブポート13→第二流入側メインパイロット通路23(チェック弁35、メインパイロットオリフィス25)→メインパイロット室21→第二流出側メインパイロット通路27(メインシート31、ポペット内室49、チェック弁37)→バルブポート12の順に流れる。
【0079】
・メインパイロット通路110の流量が増加するのに伴ってメインパイロット室21のメインパイロット圧力の低下すると、メインパイロット圧力とバルブポート12に導かれる圧力源からの圧力の差圧力によってメインリターンスプリング8に抗してメインポペット20がバルブシート11より離れ、メイン通路10が開通する。こうしてメイン通路10が開通すると、作動流体は、バルブポート13→バルブシート11→バルブポート12の順に流れる。
【0080】
図3は、ソレノイドに流れるソレノイド電流値Iと、バルブ通路2の流量Qの関係を示す線図である。
【0081】
ソレノイド電流値Iが零の場合、バルブ通路2の流量Qは零である。
【0082】
ソレノイド電流値Iが小さい場合、サブパイロット通路30、50のみが開通し、バルブ通路2の流量Qはソレノイド電流値Iに応じて零から低い増加率で漸次増加する。
【0083】
これについて詳述すると、ピンポペット60を開弁方向に駆動するソレノイド推力は、ピンポペット60に働く流体力Ffと、ピンポペット60に働く作動流体圧力Fpと、ピンポペット60を閉弁方向に付勢するリターンスプリング(図示せず)のバネ力Fsと、を合わせた力とバランスする位置にピンポペット60を変位させる。
【0084】
上記のピンポペット60に働く流体力Ffは、サブシート51に対峙する部位に生じる前後差圧力ΔPと、サブシート51からポペット内室49へと流出する作動流体の流量、流速、流出角に応じて増減する流体力f(f=ρQvCOSθ、ρ:定数、Q:流量、v:流速、θ:流出角)と、作動流体がピンポペット60に付与する粘性抵抗による流体力(剪断力)Tと、を合わせた力となる。
【0085】
図4は、ピンポペット60の変位Xと、ピンポペット60に働く流体力Ffの関係を示す線図である。
【0086】
図4の線図にて波線で示す特性は、絞り手段(絞り間隙63)を備えない従来装置のものであり、ピンポペット60の変位Xが大きくなるのに伴って、ピンポペット60の開弁方向に働く流体力Ffが一旦増加した後に減少する。これは、ピンポペット60の変位Xが大きくなるのに伴って、粘性抵抗による流体力Tが一旦増加した後に減少するためである。
【0087】
図3の線図にて波線で示す特性は、絞り手段(絞り間隙63)を備えない従来装置のものであり、ソレノイド電流値Iが小さいときに、バルブ通路2の流量Qが段差をもって変化する。
【0088】
図4の線図にて実線で示す特性は、絞り手段(絞り間隙63)を備える本発明のソレノイドバルブ1のものであり、ピンポペット60の変位Xが大きくなるのに伴って、ピンポペット60の開弁方向に働く流体力Ffが漸次増加している。これは、ピンポペット60の変位Xが大きくなるのに伴って、絞り間隙63を流れる作動流体の速度が高まり、粘性抵抗による流体力Tが漸次増加するためである。
【0089】
これにより、本発明のソレノイドバルブ1は、図3の線図に実線で示すように、バルブ通路2の流量Qがソレノイド電流値Iに応じて零から低い増加率で漸次増加する。
【0090】
ソレノイド電流値Iが所定値I1を超えて大きくなると、サブパイロット通路30、50に加えてメインパイロット通路100、110が開通し、バルブ通路2の流量Qはソレノイド電流値Iに応じて中程度の増加率で次第に増加する。
【0091】
ソレノイド電流値Iが所定値I2を超えて大きくなると、サブパイロット通路30、50及びメインパイロット通路100、110に加えてメイン通路10が開通し、バルブ通路2の流量Qはソレノイド電流値Iに応じて高い増加率で次第に増加する。
【0092】
このように、ソレノイド電流値I(ソレノイド推力)が大きくなるのに伴ってバルブ通路2の流量Qは段階的に増加率を高められる。
【0093】
以下、本実施形態の要旨と作用、効果を説明する。
【0094】
本実施の形態では、ソレノイド推力に応じてバルブ通路2の流入側から流出側へと流れる作動流体の流量を調節するソレノイドバルブ1であって、バルブ通路2に介装されるメインシート31と、このメインシート31に対して変位することによってメインシート31の開口面積を変えるポペット40と、このポペット40を閉弁方向に付勢するサブパイロット圧力が生じるサブパイロット室41と、このサブパイロット室41をメインシート31より流入側のバルブ通路2に連通する流入側サブパイロット通路42、43と、サブパイロット室41をメインシート31より流出側のバルブ通路2に連通する流出側サブパイロット通路46、47と、この流出側サブパイロット通路46、47に介装されるサブシート51と、ソレノイド推力に応じてサブシート51に対して変位することによってサブシート51の開口面積を変えるピンポペット60と、流入側サブパイロット通路42、43においてピンポペット60に沿ってサブシート51へと向かう作動流体の流れを絞る絞り手段と、を備え、ピンポペット60がソレノイド推力によって開弁方向に駆動される構成とした。
【0095】
上記構成に基づき、ソレノイド推力に応じて移動するピンポペット60がサブパイロット圧力を調節し、サブパイロット圧力に応じて移動するポペット40がメインシート31の開口面積を変えることによって、メインシート31(メインパイロット通路100、110)を通過する作動流体の流量が調節される。
【0096】
絞り手段(絞り間隙63)を流れる作動流体は、ピンポペット60に沿ってサブシート51へと向かうことにより、その粘性抵抗によってピンポペット60を閉弁方向に付勢する。この粘性抵抗による閉弁方向の付勢力とピンポペット60に働く流体力がピンポペット60を開弁方向に駆動するソレノイド推力と釣り合い、ピンポペット60をソレノイド推力に応じて漸次変位させることが可能となり、ピンポペット60により少流量を精度よく調節することと、ポペット40を介して大流量を応答性よく調節することが両立される。
【0097】
本実施形態では、絞り手段として、ピンポペット60の外周面61のまわりに絞り間隙63が画成され、この絞り間隙63が流入側サブパイロット通路42、43に介装される構成とした。
【0098】
上記構成に基づき、流入側サブパイロット通路42、43を通る作動流体の流れは、絞り間隙63にてピンポペット60に沿ってサブシート51へと向かうことにより、その粘性抵抗によってピンポペット60を閉弁方向に付勢する。この粘性抵抗による閉弁方向の付勢力をピンポペット60の開度が増大するのに伴って漸次増大することにより、ピンポペット60により微少流量を精度よく調節することができる。
【0099】
なお、本実施形態は、メイン通路10における作動流体の一方向の流れと逆方向の流れに対して開弁作動する両方向開閉タイプのソレノイドバルブ1であるが、これに限らず、2系統の通路構成と、これを切換えるチェック弁34〜37等とを廃止した、一方向開閉タイプのソレノイドバルブに本発明を適用してもよい。
【0100】
また、本実施形態は、メインポペット20、ポペット40、ピンポペット60を介して流量を3段階に調節するソレノイドバルブ1であるが、これに限らず、メインポペット20を廃止し、ポペット40、ピンポペット60を介して流量を2段階に調節するソレノイドバルブに本発明を適用してもよい。
【0101】
また、本実施形態は、流入側サブパイロット通路42、43にサブオリフィス44、45が介装されるソレノイドバルブ1であるが、これに限らず、サブオリフィス44、45を廃止し、ピンポペット60がサブシート51の開口面積を変えて、サブパイロット通路30、50を流れる作動流体の流量を調節することにより、絞り間隙63(絞り手段)とサブシート51との間に生じるサブパイロット圧力が制御される構成としてもよい。
【0102】
(第2実施形態)
次に図5に示す他の実施形態を説明する。なお、前記実施形態と同一構成部には同一符号を付す。
【0103】
本実施形態では、絞り手段として、ピンポペット60の外周面61から環状に突出する環状凸部65を備え、この環状凸部65に絞り穴66が形成され、この絞り穴66が流入側サブパイロット通路42、43に介装される。
【0104】
環状凸部65は円盤状に形成される。環状凸部65に複数の絞り穴66がオリフィスとして形成される。
【0105】
メインポペット20には、ピンポペット60を挿通させる壁部67が形成される。この壁部67は円筒面状に形成され、環状凸部65を摺動可能に挿通させる。
【0106】
バルブハウジング9とメインポペット20の間には、壁部67より上流側に絞り上流側室64が画成され、壁部67より下流側にサブパイロット室41が画成される。
【0107】
これにより、第一、第二流入側サブパイロット通路42、43を通る作動流体は、絞り上流側室64から絞り穴66を通ってサブパイロット室41に流入し、サブシート51へと向かう。
【0108】
こうしてピンポペット60に沿ってサブシート51へと向かう作動流体は、絞り穴66に付与される粘性抵抗と流体力によってピンポペット60を閉弁方向に付勢する。
【0109】
絞り穴66の開口径は、任意に設定され、ピンポペット60の変位(流量)に応じて適度な粘性抵抗と流体力が生じるようにする。
【0110】
この場合に、絞り手段が絞り穴66によって構成されるため、前記実施形態に比べて流路の開口幅を大きくすることが可能となり、作動流体中に含まれるコンタミ等の異物が流路を塞ぐことを防止できる。
【0111】
また、図6に示すように、環状凸部65が円柱状に形成され、この環状凸部65に複数の絞り穴66がチョークとして形成される構成としてもよい。
【0112】
この場合に、絞り穴66の流路長さが大きいため、絞り穴66を流れる作動流体の粘性抵抗が増大される。
【0113】
(第3実施形態)
次に図7に示す他の実施形態を説明する。なお、前記実施形態と同一構成部には同一符号を付す。
【0114】
本実施形態では、絞り手段として、ピンポペット60の外周面61から突出する複数のフィン71を備え、このフィン71が流入側サブパイロット通路42、43に介装される。
【0115】
各フィン71は、ピンポペット60の外周面61から放射状に突出するリブ状に形成される。
【0116】
メインポペット20には、ピンポペット60を挿通させる壁部70が形成される。この壁部70は円筒面状に形成され、フィン71の突出端部に間隙をもって対峙する。
【0117】
バルブハウジング9とメインポペット20の間には、壁部70より上流側に絞り上流側室64が画成され、壁部70より下流側にサブパイロット室41が画成される。
【0118】
これにより、第一、第二流入側サブパイロット通路42、43を通る作動流体は、絞り上流側室64から各フィン71の間を通ってサブパイロット室41に流入し、サブシート51へと向かう。
【0119】
こうしてピンポペット60に沿ってサブシート51へと向かう作動流体は、各フィン71に付与する粘性抵抗と体力によってピンポペット60を閉弁方向に付勢する。
【0120】
フィン71の形状は、任意に設定され、ピンポペット60の変位(流量)に応じて適度な粘性抵抗と流体力が生じるようにする。
【0121】
この場合に、絞り手段が各フィン71によって構成されるため、前記各実施形態に比べて流路の開口幅をさらに大きくすることが可能となり、作動流体中に含まれるコンタミ等の異物が流路を塞ぐことを防止できる。
【0122】
(第4実施形態)
次に図8に示す他の実施形態を説明する。なお、前記実施形態と同一構成部には同一符号を付す。
【0123】
本実施形態では、絞り手段として、ピンポペット60の内部に絞り通路74が形成され、この絞り通路74が流入側サブパイロット通路42、43に介装される。
【0124】
メインポペット20には、ピンポペット60を挿通させる壁部73が形成される。この壁部73は円筒面状に形成され、ピンポペット60の外周面61を摺動可能に挿通させる。
【0125】
バルブハウジング9とメインポペット20の間には、壁部73より上流側に絞り上流側室64が画成され、壁部73より下流側にサブパイロット室41が画成される。
【0126】
これにより、第一、第二流入側サブパイロット通路42、43を通る作動流体は、絞り上流側室64から絞り通路74を通ってサブパイロット室41に流入し、サブシート51へと向かう。
【0127】
こうしてピンポペット60に沿ってサブシート51へと向かう作動流体は、絞り通路74に付与される粘性抵抗によってピンポペット60を閉弁方向に付勢する。
【0128】
絞り通路74の開口径及び通路長は、任意に設定され、ピンポペット60の変位(流量)に応じて適度な粘性抵抗が生じるようにする。
【0129】
この場合に、絞り手段がピンポペット60の内部に形成される絞り通路74によって構成されるため、前記実施形態に比べて流路の長さと開口幅をそれぞれ大きくすることが可能となり、作動流体中に含まれるコンタミ等の異物が流路を塞ぐことを防止できる。
【0130】
(第5実施形態)
次に図9に示す他の実施形態を説明する。なお、前記実施形態と同一構成部には同一符号を付す。
【0131】
本実施形態では、絞り手段として、ピンポペット60の外周面61に絞り溝77が形成され、この絞り溝77が流入側サブパイロット通路42、43に介装される。
【0132】
絞り溝77は、ピンポペット60の外周面61に沿って螺旋状に延びる。
【0133】
メインポペット20には、ピンポペット60を挿通させる壁部76が形成される。この壁部76は円筒面状に形成され、ピンポペット60の外周面61を摺動可能に挿通させる。
【0134】
バルブハウジング9とメインポペット20の間には、壁部76より上流側に絞り上流側室64が画成され、壁部76より下流側にサブパイロット室41が画成される。
【0135】
これにより、第一、第二流入側サブパイロット通路42、43を通る作動流体は、絞り上流側室64から絞り溝77を通ってサブパイロット室41に流入し、サブシート51へと向かう。
【0136】
こうしてピンポペット60に沿ってサブシート51へと向かう作動流体は、絞り溝77に付与される粘性抵抗によってピンポペット60を閉弁方向に付勢する。
【0137】
絞り溝77の開口幅及び通路長は、任意に設定され、ピンポペット60の変位(流量)に応じて適度な粘性抵抗が生じるようにする。
【0138】
この場合に、絞り手段がピンポペット60の外周面61に形成される絞り溝77によって構成されるため、前記実施形態に比べて流路の長さと開口幅をそれぞれ大きくすることが可能となり、作動流体中に含まれるコンタミ等の異物が流路を塞ぐことを防止できる。
【0139】
本発明は上記の実施形態に限定されずに、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がなしうることは明白である。
【符号の説明】
【0140】
1 ソレノイドバルブ
2 バルブ通路
7 サブリターンスプリング
8 メインリターンスプリング
9 バルブハウジング
10 メイン通路
11 バルブシート
20 メインポペット
30 サブパイロット通路
31 メインシート
40 ポペット
41 サブパイロット室
42、43 流入側サブパイロット通路
44 サブオリフィス
46、47 流出側サブパイロット通路
51 サブシート
60 ピンポペット
61 外周面
62 絞り壁部
63 絞り間隙
64 絞り上流側室
65 環状凸部
66 絞り穴
71 フィン
74 絞り通路
77 絞り溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソレノイド推力に応じてバルブ通路の流入側から流出側へと流れる作動流体の流量を調節するソレノイドバルブ1であって、
前記バルブ通路に介装されるメインシートと、
前記メインシートに対して変位することによって前記メインシートの開口面積を変えるポペットと、
前記ポペットを閉弁方向に付勢するサブパイロット圧力が生じるサブパイロット室と、
前記サブパイロット室を前記メインシートより流入側の前記バルブ通路に連通する流入側サブパイロット通路と、
前記サブパイロット室を前記メインシートより流出側の前記バルブ通路に連通する流出側サブパイロット通路と、
前記流出側サブパイロット通路に介装されるサブシートと、
ソレノイド推力に応じて前記サブシートに対して変位することによって前記サブシートの開口面積を変えるピンポペットと、
前記流入側サブパイロット通路において前記ピンポペットに沿って前記サブシートへと向かう作動流体の流れを絞る絞り手段と、を備え、
前記ピンポペットがソレノイド推力によって開弁方向に駆動されることを特徴とするソレノイドバルブ。
【請求項2】
前記絞り手段として、
前記ピンポペットの外周面のまわりに絞り間隙が画成され、
前記絞り間隙が前記流入側サブパイロット通路に介装されることを特徴とする請求項1に記載のソレノイドバルブ。
【請求項3】
前記絞り手段として、
ピンポペットの外周面から環状に突出する環状凸部を備え、
前記環状凸部に絞り穴が形成され、
前記絞り穴が流入側サブパイロット通路に介装されることを特徴とする請求項1に記載のソレノイドバルブ。
【請求項4】
前記絞り手段として、
前記ピンポペットの外周面から突出する複数のフィンを備え、
前記フィンが前記流入側サブパイロット通路に介装されることを特徴とする請求項1に記載のソレノイドバルブ。
【請求項5】
前記絞り手段として、前記ピンポペットの内部に絞り通路が形成され、
前記絞り通路が前記流入側サブパイロット通路に介装されることを特徴とする請求項1に記載のソレノイドバルブ。
【請求項6】
前記絞り手段として、前記ピンポペットの外周面に絞り溝が形成され、
前記絞り溝が流入側サブパイロット通路に介装されることを特徴とする請求項1に記載のソレノイドバルブ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2012−215187(P2012−215187A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−79207(P2011−79207)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000000929)カヤバ工業株式会社 (2,151)
【Fターム(参考)】