タイツ
【目的】 本考案は、スキーやスケートなど低温環境下で行われるスポーツに用いられるタイツであって、特に膝部分の保温効果を高め、スポーツ傷害防止の効果を奏するタイツを提供することを目的とする。
【構成】 本考案に係るタイツは伸縮素材により本体部が形成されるタイツであって、膝関節部に保温部材を接着、縫着などの任意方法で配した構成からなる。また、本考案に係るタイツは、膝関節部に配せられる保温部材がいわゆる吸放湿吸水発熱性を有する繊維で形成することも可能である。更に、前記タイツにおいて、前記保温部材が膝関節部分の運動機能に悪影響を及ぼさないよう、その形状を大腿部下方側面部から膝蓋部下部を経て下腿部上方側面部に至る略帯状に形成し、該保温部材を両足の内外両側に接着、縫着などの任意方法で設置することも可能である。
【構成】 本考案に係るタイツは伸縮素材により本体部が形成されるタイツであって、膝関節部に保温部材を接着、縫着などの任意方法で配した構成からなる。また、本考案に係るタイツは、膝関節部に配せられる保温部材がいわゆる吸放湿吸水発熱性を有する繊維で形成することも可能である。更に、前記タイツにおいて、前記保温部材が膝関節部分の運動機能に悪影響を及ぼさないよう、その形状を大腿部下方側面部から膝蓋部下部を経て下腿部上方側面部に至る略帯状に形成し、該保温部材を両足の内外両側に接着、縫着などの任意方法で設置することも可能である。
【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、スキーやスケートなど低温環境下で行われるスポーツに用いられるタイツであって、特に膝部分の保温効果を高め、スポーツ傷害防止の効果を奏するタイツを提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、スキーやスケートなどの低温環境下でスポーツをする場合、下半身の防寒を目的としてスキーパンツなどの下にアクリル系伸縮素材やポリエステル系伸縮素材もしくはウールなどの動物性天然素材、及びそれらを適宜混紡した伸縮性素材からなるタイツを着用するのが一般的である。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
従来より用いられているタイツは防寒効果は期待できるものの、膝部分などの特定部位に関して保温効果を有するものはなく、競技中に準備運動が十分でないと、膝関節部分に冷えによる疼痛を感じたり、最悪の場合転倒して膝関節の靭帯を損傷するなどの故障を生じる場合もあった。
【0004】
特に、スキー競技においては、競技の性質上膝部分から下方の脚部に飛雪が付着し易く、そのため付着した雪が体温により融けて衣服を濡らすこととなり、防寒効果が低下して、競技能力が低下したり靭帯損傷などのスポーツ傷害を生じる危険性が増加するといった不都合があった。
【0005】
よって、このような問題を解決し、従来からの保温効果に加えて膝関節部の保温効果向上せしめ、なおかつ膝関節部分の運動機能に悪影響を及ぼさないタイツの提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本考案に係るタイツは伸縮素材により本体部が形成されるタイツであって、膝関節部に保温部材を接着、縫着などの任意方法で配した構成からなる。
また、本考案に係るタイツは、膝関節部に配せられる保温部材がいわゆる吸放湿吸水発熱性を有する繊維で形成することも可能である。
更に、前記タイツにおいて、前記保温部材が膝関節部分の運動機能に悪影響を及ぼさないよう、その形状を大腿部下方側面部から膝蓋部下部を経て下腿部上方側面部に至る略帯状に形成し、該保温部材を両足の内外両側に接着、縫着などの任意方法で設置することも可能である。
【0007】
【作用】
本考案に係るタイツは、上記のように構成されるためタイツ本体が有する防寒効果に加えて、膝関節部の保温性を向上せしめるように作用する。
特に、前記保温部材がいわゆる吸放湿吸水発熱性を有する繊維で形成される場合、該繊維が融雪水や人体から発生する水蒸気を吸収し、発熱するため膝関節部分の保温性を更に向上せしめるように作用する。
更に、前記保温部材を本考案の請求項4に記載された特有の形状に形成した場合、該保温部材の大腿部下方側面部から膝蓋部下部に至る部分が膝関節の内側側副靭帯、外側側副靭帯に当接し、膝蓋部下部にあたる部分が前十字靭帯に当接し、膝蓋部下部から下腿部上方側面部に至る部分が内側半月及び外側半月に当接するので、膝関節部に集中する重要な靭帯類を効果的に保温することができ、尚且、膝蓋部の上部に保温部材が配されていないためタイツ本体の伸縮性を阻害せず、膝関節の屈曲性を規制することなく膝関節部近傍を有効に保温することができる。
【0008】
【実施例】
本考案に係るタイツの実施例のいくつかを図面に基づいて説明する。
第1図から第6図はそれぞれ本考案に係るタイツの正面図、第7図及び第8図はそれぞれ本考案に係るタイツのパターン図、第9図は本考案に係るタイツの使用状態を示す側面図、第10図及び第11図は第2図におけるX−X線の拡大端面図である。
【0009】
本考案に係るタイツは、ナイロン、ポリエステル、ポリウレタン、アクリルなどの合成繊維やウール、綿などの天然繊維、またはそれらを適宜混紡した生地であって、ツウ・ウエイトリコットなどの伸縮性を有する生地から本体部1を形成し、膝関節付近に保温部材2を設けたタイツである。
【0010】
保温部材2としては、一般に綿花綿などの植物性繊維、ウールなどの動物性繊維、ダウンフェザーなどの羽毛類、ポリエステル綿などの合成繊維を中綿として用いたり、これら各種繊維を単独あるいは混合して織布や不織布に加工したものを素材として形成される。
また、ウールなどの動物性繊維やダウンフェザーなどの羽毛類及び一部の特異性を有する合成繊維は吸放湿吸水発熱性を有しており、衣服外から浸透してきた水分や人体が発生する水蒸気を吸収して発熱し、その後吸収した水分を発散しながら定常状態に可逆変化をする。
【0011】 前記吸放湿吸水発熱性を有する合成繊維としては、アクリル酸系繊維であってカルボキシル基のソーダ塩を有するもの(例えば、東洋紡績株式会社製 商品名「N−38」)が顕著な発熱性を示す。
また、他の吸放湿吸水発熱性繊維としては、合成品のシリカゲル乾燥剤や天然のシリカアルミナ系乾燥剤、若しくはモレキュラシーブスなどのセラミック系乾燥剤などのように、吸湿時及び吸水時に吸湿熱を発生するこれら乾燥剤の微粉末を各種繊維材料に混合したものが挙げられる。
【0012】
次に、保温部材2の形状に関して、第1図に示すように、膝蓋部Aを含む膝関節部aを全体的に包囲するように配することができる。
また、第2図に示すように膝蓋部Aを覆う楕円形状や、図示はしていないが多角形状に形成した保温部材を配することも可能である。
ここで、保温部材2は綿状の形態で用いられるものが一般的である。その場合、本体部1は伸縮性を有する生地で形成されているが綿状の保温部材2は伸縮性に乏しいため、膝関節の屈伸運動が規制されるおそれがある。
【0013】
そこで、伸縮性に乏しい綿状の保温部材を用いた場合においても、膝関節部の屈伸運動を阻害しないよう保温部材の形状を改良した。
第3図から第9図に示す実施例について、前記タイツにおいて、前記吸放湿吸水発熱性繊維などの素材を用いた保温部材2が、大腿部下方側面部Cから膝蓋部下部Bを経て下腿部上方側面部Dに至る略帯状であって、該保温部材2が両足の内外両側に設置されている。
そのため、該保温部材の大腿部下方側面部から膝蓋部下部に至る部分が膝関節の内側側副靭帯と外側側副靭帯に当接し、膝蓋部下部にあたる部分が前十字靭帯に当接し、膝蓋部下部から下腿部上方側面部に至る部分が内側半月と外側半月に当接するので、膝関節部に集中する重要な靭帯類を効果的に保温することができる。
第7図及び第8図から明らかなように、屈曲した帯状の保温部材2が膝蓋中心線Lを挟んで対峙しており、屈曲部分の頂上部が該膝蓋中心線L上で接しており、且つ、接している点が膝蓋部下部Bにあたるように配されている。
この場合、第9図の本考案に係るタイツの使用状態を示す側面図から明らかなように、保温部材2は膝蓋部Aの側方及び下方を包囲するように配され、膝蓋部Aにおける本体部1の長手方向の伸縮性を規制することなく、膝関節の屈伸運動を阻害することもない。
【0014】
また、第6図及び第8図に示すように、保温部材2の端部から切り替え部3を設けると、意匠的に躍動的なデザインとすることができ、商業的価値を高めることも可能である。
更に、切り替え部3に前記吸放湿吸水発熱性繊維からなり伸縮性を有する生地を使用した場合、膝関節部分のみならず、下腿部の腓腹筋、大腿部の外側広筋や内側広筋などの保温効果を高めることができる。
【0015】
本考案に係る保温部材2の止着方法は、第10図示されるように本体部1の表面に保温部材2を設置し、更にその上面から表面被覆材4を積層し、接着、縫着あるいは熱圧着など任意の方法で止着するのもである。
また、第11図に示すように本体部1の裏面に保温部材2を設置し、更にその裏面から裏面被覆材5を積層し、同じく接着、縫着あるいは熱圧着など任意の方法で止着することも可能である。
【0016】
ここで表面被覆材4及び裏面被覆材5は、本体部1に用いられる生地と同じものであっても良いし、たとえば表面被覆材4に関して、外部から融雪水などが浸透しすぎるのを防止するため透湿防水性を有する生地を用いたり、擦り切れを防止するため耐摩耗性を有する生地を用いることも可能である。
また、裏面被覆材5に関して、肌触りの良いパイル生地を用いたり、通気性を向上させるためメッシュ状生地を用いることも可能である。
表面被覆材4及び裏面被覆材5は、特に上記のものに限定されるものではなく適宜公知材料と置換しうるものである。
【0017】
【考案の効果】
本考案に係るタイツは、上記のように構成されるためタイツ本体が有する防寒効果に加えて、膝関節部の保温性を向上せしめ、低温環境下でスポーツを行う際、膝関節の怪我など傷害の発生を低減する効果を奏する。
特に、前記保温部材がいわゆる吸放湿吸水発熱性を有する繊維で形成される場合、該繊維が融雪水や人体から発生する水蒸気を吸収し、繊維自体が発熱するため膝関節部分の保温性を更に向上せしめる効果を奏する。
更に、前記保温部材を本考案特有の形状に形成した場合、膝関節部に集中する重要な靭帯類を効果的に保温することができ、尚且、膝関節の屈曲性を規制することなく膝関節部近傍を有効に保温する効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係るタイツの一実施例を示す正面図である。
【図2】本考案に係るタイツの他の実施例を示す正面図である。
【図3】本考案に係るタイツの他の実施例を示す正面図である。
【図4】本考案に係るタイツの他の実施例を示す正面図である。
【図5】本考案に係るタイツの他の実施例を示す正面図である。
【図6】本考案に係るタイツの他の実施例を示す正面図である。
【図7】本考案に係るタイツの一実施例におけるパターン図である。
【図8】本考案に係るタイツの他の実施例におけるパターン図である。
【図9】本考案に係るタイツの使用状態を示す側面図である。
【図10】第2図におけるX−X線における拡大端面図である。
【図11】第2図におけるX−X線における拡大端面図である。
【符号の説明】
1 本体部
2 保温部材
3 切り替え部
4 表面被覆材
5 裏面被覆材
A 膝蓋部
a 膝関節部
B 膝蓋部下部
C 大腿部下方側面部
D 下腿部上方側面部
L 膝蓋中心線
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、スキーやスケートなど低温環境下で行われるスポーツに用いられるタイツであって、特に膝部分の保温効果を高め、スポーツ傷害防止の効果を奏するタイツを提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、スキーやスケートなどの低温環境下でスポーツをする場合、下半身の防寒を目的としてスキーパンツなどの下にアクリル系伸縮素材やポリエステル系伸縮素材もしくはウールなどの動物性天然素材、及びそれらを適宜混紡した伸縮性素材からなるタイツを着用するのが一般的である。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
従来より用いられているタイツは防寒効果は期待できるものの、膝部分などの特定部位に関して保温効果を有するものはなく、競技中に準備運動が十分でないと、膝関節部分に冷えによる疼痛を感じたり、最悪の場合転倒して膝関節の靭帯を損傷するなどの故障を生じる場合もあった。
【0004】
特に、スキー競技においては、競技の性質上膝部分から下方の脚部に飛雪が付着し易く、そのため付着した雪が体温により融けて衣服を濡らすこととなり、防寒効果が低下して、競技能力が低下したり靭帯損傷などのスポーツ傷害を生じる危険性が増加するといった不都合があった。
【0005】
よって、このような問題を解決し、従来からの保温効果に加えて膝関節部の保温効果向上せしめ、なおかつ膝関節部分の運動機能に悪影響を及ぼさないタイツの提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本考案に係るタイツは伸縮素材により本体部が形成されるタイツであって、膝関節部に保温部材を接着、縫着などの任意方法で配した構成からなる。
また、本考案に係るタイツは、膝関節部に配せられる保温部材がいわゆる吸放湿吸水発熱性を有する繊維で形成することも可能である。
更に、前記タイツにおいて、前記保温部材が膝関節部分の運動機能に悪影響を及ぼさないよう、その形状を大腿部下方側面部から膝蓋部下部を経て下腿部上方側面部に至る略帯状に形成し、該保温部材を両足の内外両側に接着、縫着などの任意方法で設置することも可能である。
【0007】
【作用】
本考案に係るタイツは、上記のように構成されるためタイツ本体が有する防寒効果に加えて、膝関節部の保温性を向上せしめるように作用する。
特に、前記保温部材がいわゆる吸放湿吸水発熱性を有する繊維で形成される場合、該繊維が融雪水や人体から発生する水蒸気を吸収し、発熱するため膝関節部分の保温性を更に向上せしめるように作用する。
更に、前記保温部材を本考案の請求項4に記載された特有の形状に形成した場合、該保温部材の大腿部下方側面部から膝蓋部下部に至る部分が膝関節の内側側副靭帯、外側側副靭帯に当接し、膝蓋部下部にあたる部分が前十字靭帯に当接し、膝蓋部下部から下腿部上方側面部に至る部分が内側半月及び外側半月に当接するので、膝関節部に集中する重要な靭帯類を効果的に保温することができ、尚且、膝蓋部の上部に保温部材が配されていないためタイツ本体の伸縮性を阻害せず、膝関節の屈曲性を規制することなく膝関節部近傍を有効に保温することができる。
【0008】
【実施例】
本考案に係るタイツの実施例のいくつかを図面に基づいて説明する。
第1図から第6図はそれぞれ本考案に係るタイツの正面図、第7図及び第8図はそれぞれ本考案に係るタイツのパターン図、第9図は本考案に係るタイツの使用状態を示す側面図、第10図及び第11図は第2図におけるX−X線の拡大端面図である。
【0009】
本考案に係るタイツは、ナイロン、ポリエステル、ポリウレタン、アクリルなどの合成繊維やウール、綿などの天然繊維、またはそれらを適宜混紡した生地であって、ツウ・ウエイトリコットなどの伸縮性を有する生地から本体部1を形成し、膝関節付近に保温部材2を設けたタイツである。
【0010】
保温部材2としては、一般に綿花綿などの植物性繊維、ウールなどの動物性繊維、ダウンフェザーなどの羽毛類、ポリエステル綿などの合成繊維を中綿として用いたり、これら各種繊維を単独あるいは混合して織布や不織布に加工したものを素材として形成される。
また、ウールなどの動物性繊維やダウンフェザーなどの羽毛類及び一部の特異性を有する合成繊維は吸放湿吸水発熱性を有しており、衣服外から浸透してきた水分や人体が発生する水蒸気を吸収して発熱し、その後吸収した水分を発散しながら定常状態に可逆変化をする。
【0011】 前記吸放湿吸水発熱性を有する合成繊維としては、アクリル酸系繊維であってカルボキシル基のソーダ塩を有するもの(例えば、東洋紡績株式会社製 商品名「N−38」)が顕著な発熱性を示す。
また、他の吸放湿吸水発熱性繊維としては、合成品のシリカゲル乾燥剤や天然のシリカアルミナ系乾燥剤、若しくはモレキュラシーブスなどのセラミック系乾燥剤などのように、吸湿時及び吸水時に吸湿熱を発生するこれら乾燥剤の微粉末を各種繊維材料に混合したものが挙げられる。
【0012】
次に、保温部材2の形状に関して、第1図に示すように、膝蓋部Aを含む膝関節部aを全体的に包囲するように配することができる。
また、第2図に示すように膝蓋部Aを覆う楕円形状や、図示はしていないが多角形状に形成した保温部材を配することも可能である。
ここで、保温部材2は綿状の形態で用いられるものが一般的である。その場合、本体部1は伸縮性を有する生地で形成されているが綿状の保温部材2は伸縮性に乏しいため、膝関節の屈伸運動が規制されるおそれがある。
【0013】
そこで、伸縮性に乏しい綿状の保温部材を用いた場合においても、膝関節部の屈伸運動を阻害しないよう保温部材の形状を改良した。
第3図から第9図に示す実施例について、前記タイツにおいて、前記吸放湿吸水発熱性繊維などの素材を用いた保温部材2が、大腿部下方側面部Cから膝蓋部下部Bを経て下腿部上方側面部Dに至る略帯状であって、該保温部材2が両足の内外両側に設置されている。
そのため、該保温部材の大腿部下方側面部から膝蓋部下部に至る部分が膝関節の内側側副靭帯と外側側副靭帯に当接し、膝蓋部下部にあたる部分が前十字靭帯に当接し、膝蓋部下部から下腿部上方側面部に至る部分が内側半月と外側半月に当接するので、膝関節部に集中する重要な靭帯類を効果的に保温することができる。
第7図及び第8図から明らかなように、屈曲した帯状の保温部材2が膝蓋中心線Lを挟んで対峙しており、屈曲部分の頂上部が該膝蓋中心線L上で接しており、且つ、接している点が膝蓋部下部Bにあたるように配されている。
この場合、第9図の本考案に係るタイツの使用状態を示す側面図から明らかなように、保温部材2は膝蓋部Aの側方及び下方を包囲するように配され、膝蓋部Aにおける本体部1の長手方向の伸縮性を規制することなく、膝関節の屈伸運動を阻害することもない。
【0014】
また、第6図及び第8図に示すように、保温部材2の端部から切り替え部3を設けると、意匠的に躍動的なデザインとすることができ、商業的価値を高めることも可能である。
更に、切り替え部3に前記吸放湿吸水発熱性繊維からなり伸縮性を有する生地を使用した場合、膝関節部分のみならず、下腿部の腓腹筋、大腿部の外側広筋や内側広筋などの保温効果を高めることができる。
【0015】
本考案に係る保温部材2の止着方法は、第10図示されるように本体部1の表面に保温部材2を設置し、更にその上面から表面被覆材4を積層し、接着、縫着あるいは熱圧着など任意の方法で止着するのもである。
また、第11図に示すように本体部1の裏面に保温部材2を設置し、更にその裏面から裏面被覆材5を積層し、同じく接着、縫着あるいは熱圧着など任意の方法で止着することも可能である。
【0016】
ここで表面被覆材4及び裏面被覆材5は、本体部1に用いられる生地と同じものであっても良いし、たとえば表面被覆材4に関して、外部から融雪水などが浸透しすぎるのを防止するため透湿防水性を有する生地を用いたり、擦り切れを防止するため耐摩耗性を有する生地を用いることも可能である。
また、裏面被覆材5に関して、肌触りの良いパイル生地を用いたり、通気性を向上させるためメッシュ状生地を用いることも可能である。
表面被覆材4及び裏面被覆材5は、特に上記のものに限定されるものではなく適宜公知材料と置換しうるものである。
【0017】
【考案の効果】
本考案に係るタイツは、上記のように構成されるためタイツ本体が有する防寒効果に加えて、膝関節部の保温性を向上せしめ、低温環境下でスポーツを行う際、膝関節の怪我など傷害の発生を低減する効果を奏する。
特に、前記保温部材がいわゆる吸放湿吸水発熱性を有する繊維で形成される場合、該繊維が融雪水や人体から発生する水蒸気を吸収し、繊維自体が発熱するため膝関節部分の保温性を更に向上せしめる効果を奏する。
更に、前記保温部材を本考案特有の形状に形成した場合、膝関節部に集中する重要な靭帯類を効果的に保温することができ、尚且、膝関節の屈曲性を規制することなく膝関節部近傍を有効に保温する効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係るタイツの一実施例を示す正面図である。
【図2】本考案に係るタイツの他の実施例を示す正面図である。
【図3】本考案に係るタイツの他の実施例を示す正面図である。
【図4】本考案に係るタイツの他の実施例を示す正面図である。
【図5】本考案に係るタイツの他の実施例を示す正面図である。
【図6】本考案に係るタイツの他の実施例を示す正面図である。
【図7】本考案に係るタイツの一実施例におけるパターン図である。
【図8】本考案に係るタイツの他の実施例におけるパターン図である。
【図9】本考案に係るタイツの使用状態を示す側面図である。
【図10】第2図におけるX−X線における拡大端面図である。
【図11】第2図におけるX−X線における拡大端面図である。
【符号の説明】
1 本体部
2 保温部材
3 切り替え部
4 表面被覆材
5 裏面被覆材
A 膝蓋部
a 膝関節部
B 膝蓋部下部
C 大腿部下方側面部
D 下腿部上方側面部
L 膝蓋中心線
【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 伸縮素材により本体部が形成されるタイツであって、膝関節部に保温部材を配したことを特徴とするタイツ。
【請求項2】 前記タイツにおいて、前記保温部材が吸放湿吸水発熱性繊維からなることを特徴とする請求項1記載のタイツ。
【請求項3】 前記タイツにおいて、前記保温部材が動物性繊維を除く吸放湿吸水発熱性繊維からなることを特徴とする請求項1記載のタイツ。
【請求項4】 前記タイツにおいて、前記保温部材が、大腿部下方側面部から膝蓋部下部を経て下腿部上方側面部に至る略帯状であって、該保温部材が両足の内外両側に設置されたことを特徴とする請求項1、2又は3記載のタイツ。
【請求項1】 伸縮素材により本体部が形成されるタイツであって、膝関節部に保温部材を配したことを特徴とするタイツ。
【請求項2】 前記タイツにおいて、前記保温部材が吸放湿吸水発熱性繊維からなることを特徴とする請求項1記載のタイツ。
【請求項3】 前記タイツにおいて、前記保温部材が動物性繊維を除く吸放湿吸水発熱性繊維からなることを特徴とする請求項1記載のタイツ。
【請求項4】 前記タイツにおいて、前記保温部材が、大腿部下方側面部から膝蓋部下部を経て下腿部上方側面部に至る略帯状であって、該保温部材が両足の内外両側に設置されたことを特徴とする請求項1、2又は3記載のタイツ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【登録番号】第3009011号
【登録日】平成7年(1995)1月11日
【発行日】平成7年(1995)3月28日
【考案の名称】タイツ
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願平6−12569
【出願日】平成6年(1994)9月14日
【出願人】(000005935)美津濃株式会社 (239)
【登録日】平成7年(1995)1月11日
【発行日】平成7年(1995)3月28日
【考案の名称】タイツ
【国際特許分類】
【出願番号】実願平6−12569
【出願日】平成6年(1994)9月14日
【出願人】(000005935)美津濃株式会社 (239)
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