説明

チェック回路、およびチェック治具

【課題】サービスマンの手元にしかるべき測定器が無くても、写真処理機器等のチェック対象装置のパルス列信号をチェックすることによって、交換が必要な基板もしくは部品を絞り込めるような機能を提供すること。
【解決手段】本発明のチェック回路は、直流電圧と連続したパルス列信号とに基づいてステッピングモータを制御するプリント基板の状態をチェックするチェック回路C11、C12、C21、C22において、前記プリント基板に、前記パルス列信号で点滅するチェック用LED(D1)と、前記直流電圧で連続点灯する比較用LED(D2)とを隣接して配設した。また、本発明のチェック治具は、チェック対象の装置から直流電圧と連続したパルス列信号とを取り込む手段と、前記パルス列信号で点滅するチェック用LEDと、前記直流電圧で連続点灯する比較用LEDとを備えるとともに、前記チェック用LEDと比較用LEDとを隣接して配設した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クロック信号等のパルス列信号に基づいて制御される機器の動作不良等をチェックするチェック機構およびチェック治具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、印画紙等の感光材料を処理する写真処理機器においては、感光材料を搬送する搬送手段を備えており、その搬送手段としてステッピングモータを複数個使用している。前記搬送手段の一例は、図示したように、搬送タイミングや搬送速度等を制御するコントロール基板と、ステッピングモータ用のドライバ基板と、ステッピングモータとから構成されている。
図示した構成においては、前記コントロール基板からは所定のクロック信号がステッピングモータを駆動するためのパルス列信号として出力され、前記ドライバ基板では、前記クロック信号に基づいてステッピングモータの各相のコイルを所定のタイミングおよび順番で駆動するように構成されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
図示した構成の搬送手段において、ステッピングモータの動作不良が発生した場合、その原因がコントロール基板なのか、ドライバ基板なのかステッピングモータなのか不明であるため、例えば写真処理機器のサービスマンは、それぞれを順番に正常なものと交換するという試行錯誤が必要であった。
試行錯誤しなければならない理由としては、以下の2つが挙げられる。
(理由1)サービスマンが、当該写真処理機器が設置されている現場において、基板や装置のチェックポイントをしかるべき測定器で確認することは、技術的に、また時間的に困難な場合が多い。
(理由2)仮に、サービスマンが基板や装置のチェックポイントを測定できる技術的条件や時間的条件が整っていたとしても、ステッピングモータのクロック信号の確認には通常はオシロスコープを必要とするのが、オシロスコープが手元に無い場合が多い。
【0004】
以上のような方法では、処置完了まで時間を要するという問題や、無駄な部品交換をする場合があるというコスト的な問題があった。
また、ロジック回路のチェックのためにロジックチェッカーが使用される場合があるが、ロジックチェッカーは、チェックポイントがハイレベルか、ローレベルかを簡単にチェックするものであって、クロック信号等のパルス列信号の正常/異常を簡単にチェックできるものではない。
【0005】
そこで、本発明は、サービスマンの手元にしかるべき測定器が無くても、修理対象の写真処理機器が設置されている現場において、パルス列信号をチェックすることによって、交換が必要な基板もしくは部品を絞り込めるような機能を提供することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明にかかる請求項1のチェック回路は、
直流電圧と連続したパルス列信号とに基づいて動作が制御される装置の状態をチェックするチェック回路において、
前記装置に、前記パルス列信号で点滅するチェック用LEDと、前記直流電圧で連続点灯する比較用LEDとを隣接して配設して構成した。
請求項2のチェック回路は、
直流電圧と連続したパルス列信号とに基づいてステッピングモータを制御するプリント基板の状態をチェックするチェック回路において、
前記プリント基板に、前記パルス列信号で点滅するチェック用LEDと、前記直流電圧で連続点灯する比較用LEDとを隣接して配設して構成した。
請求項3のチェック治具は、
チェック対象の装置から直流電圧と連続したパルス列信号とを取り込む手段と、
前記パルス列信号で点滅するチェック用LEDと、
前記直流電圧で連続点灯する比較用LEDとを備えるとともに、
前記チェック用LEDと比較用LEDとが隣接して配設されている構成とした。
【発明の効果】
【0007】
本発明にかかる請求項1のチェック回路は、直流電圧と連続したパルス列信号とに基づいて動作が制御される装置の状態をチェックするチェック回路において、前記装置に、前記パルス列信号で点滅するチェック用LEDと、前記直流電圧で連続点灯する比較用LEDとを隣接して配設して構成したので、前記チェック用LEDの明るさを前記比較用LEDと比較することによって、パルス列信号が正常であるか否かを簡単にチェックすることができる。
請求項2のチェック回路は、直流電圧と連続したパルス列信号とに基づいてステッピングモータを制御するプリント基板の状態をチェックするチェック回路において、前記プリント基板に、前記パルス列信号で点滅するチェック用LEDと、前記直流電圧で連続点灯する比較用LEDとを隣接して配設して構成したので、前記チェック用LEDの明るさを前記比較用LEDと比較することによって、パルス列信号が正常であるか否か、即ち、当該プリント基板が交換を要しないか要するかを簡単にチェックすることができる。
そして、請求項3のチェック治具は、チェック対象の装置から直流電圧と連続したパルス列信号とを取り込む手段と、前記パルス列信号で点滅するチェック用LEDと、前記直流電圧で連続点灯する比較用LEDとを備えるとともに、前記チェック用LEDと比較用LEDとが隣接して配設されているので、前記チェック用LEDの明るさを前記比較用LEDと比較することによって、チェックポイントにおけるパルス列信号が正常であるか否かを簡単にチェックして、格別の計測器を用いることなく、簡単にトラブルが発生している個所を絞り込むことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下に、本発明にかかるチェック回路を、その実施の形態を示した図面に基づいて詳細に説明する。
図1においては、本発明にかかるチェック回路を備えた写真処理装置の全体構成図を示し、図2においては、その要部のブロック図を示した。
【0009】
図1において、この写真処理装置1は、
手前側(図上左側)に配設された操作パネル11と、この操作パネル11の後方に配設され、印画紙用マガジン2から供給された画像形成媒体としての印画紙を所定の長さにカットする切断手段としての切断部3と、カットされた印画紙に写真画像を焼付け露光する焼付処理部4と、この焼付処理部の後方側に配設された現像処理部5と、この現像処理部5の後方に配設された乾燥部6と、乾燥部6の上方に配設された印画紙排出部8とを有している。
この操作盤パネル11には、スタートスイッチ、焼付時の拡大倍率を指定する倍率設定キーなどの各種キーが配設されており、操作者はこの操作パネル11の手前側に位置して操作パネル11の各種キーを操作することで焼付処理さらに現像処理をさせるようになっている。
【0010】
焼付け処理部4は、レーザー露光方式が採用されており、別途フィルムスキャナ等で得られたデジタル写真画像データを、副走査方向に搬送される印画紙上にレーザー光を主走査方向に走査してライン露光して焼き付けするように構成されている。
このようにして写真画像が焼き付けられた印画紙は、後述する搬送手段によって現像処理部5へ搬送される。
【0011】
現像処理部5は、現像液が充填される現像処理タンクと、漂白定着液の充填される漂白定着処理タンクと、安定液の充填される複数の安定処理タンクとを手前側から後側にかけて(図1、2上の左側から右側にかけて)順に備えており、各処理タンク内にはそれぞれ後述する搬送手段が配設されており、印画紙を各処理内に順に搬入搬出して現像処理するように構成されている。
前記乾燥部6では現像処理され印画紙を乾燥し、乾燥した印画紙は後述する搬送手段によって上方向に搬送されて、図1に示した印画紙排出部8のトレイに排出されるように構成されている。
【0012】
前記搬送手段の内部構成を、図2を参照して説明する。
図2においては、駆動源をステッピングモータで構成した搬送手段7を例にとって説明する。他の搬送手段も同様の構成であるので、その説明は省略する。
710はコントロール基板であり、制御プログラムに従って動作するCPUを備え、該CPUの出力ポートP1、P2、・・・からはステッピングモータを制御するためのパルス列信号S1、S2、・・・・が出力される。
721はドライバ基板であり、前記パルス列信号S1に基づいてステッピングモータ731を制御する。このステッピングモータ731は搬送ローラを駆動して、印画紙を所定の速度で所定量だけ搬送する。
C11は前記コントローラ基板710上に配設されたチェック回路であり、前記パルス列信号S1で点滅するチェック用LED(D1)と、直流電圧としての電源Vddで連続点灯する比較用LED(D2)とが隣接して配設されている。
C12は前記ドライバ基板721上に配設されたチェック回路であり、前記コントロール基板710から信号ケーブルを介して入力されるパルス列信号S1で点滅するチェック用LED(D1)と、直流電圧としての電源Vddで連続点灯する比較用LED(D2)とが隣接して配設されている。
【0013】
以上のように、コントロール基板710とドライバ基板721にチェック回路C11、C12がそれぞれ配設されているので、各チェック回路のチェック用LED(D1)と比較用LED(D2)をチェックすることで、異常発生個所を絞り込むことができる。
例えば、チェック回路C11において、前記チェック用LED(D1)が完全消灯(0%点灯)、もしくは比較用LED(D2)と同等の明るさで連続点灯(100%点灯)している場合には、当該個所のパルス列信号S1が異常であると確認でき、コントロール基板710が異常であると判断できる。また、前記チェック用LED(D1)弱く(例えば比較用LED(D2)と比較して50%程度の明るさで)点灯しているように見えるときには、少なくとも当該個所のパルス列信号S1が正常であって、当該個所まで、即ち、コントロール基板710は正常であると判断できるのである。
【0014】
このようにして、各チェック回路のチェック用LEDの明るさを比較用LEDと比較することによって、異常個所を、計測器を用いることなく簡単に絞り込むことができるのである。
【実施例1】
【0015】
本発明の実施例を図3を参照して、チェック手順を含めて説明する。図3においては、上述した搬送手段7のチェック回路部分を具体的な回路図で示したものである。
コントロール基板710のCPUの各出力ポートP1、P2・・・からは各ステッピングモータを制御するためのパルス列信号S1、S2・・・がそれぞれバッファを通して出力される。
ドライバ基板721からは、前記出力ポートP1から出力されるパルス列信号S1に基づいてステッピングモータ731の各相を順次励磁するための駆動電流が所定のタイミングで出力される。
ステッピングモータ731は前記ドライバ基板721で駆動制御される。
上記同様に、前記CPUの出力ポートP2からはドライバ基板722へパルス列信号S2が出力され、ステッピングモータ732が駆動制御される。
その他の出力ポートについても同様であるため、その図示と説明を省略する。
【0016】
前記出力ポートP1から出力されるパルス列信号S1は、前記ドライバ基板721へ出力されるとともに、分岐されてバッファを介してチェック回路C11へ入力される。
前記チェック回路C11においては、入力されたパルス列信号S1は2つの抵抗が直列接続されてなる分圧回路Rによって分圧されて、トランジスタQのベースへ入力される。このトランジスタQのエミッタはアースされている。
【0017】
D1はチェック用LEDであり、コレクタと電源Vddとの間に直列抵抗を介して接続されている。従って、ベース電圧が、前記パルス列信号S1のピーク電圧未満の所定のしきい値を超えるとオンされて前記チェック用LED(D1)は点灯し、前記しきい値を超えないときにはオフされて前記チェック用LED(D1)は消灯する。そこで、前記ベースに前記パルス列信号S1が入力されると、前記チェック用LED(D1)は点滅することになる。しかし、前記パルス列信号S1の周期は短いため前記チェック用LED(D1)は高速で点滅することになり、サービスマン等の人間の目には弱く点灯しているように見える。例えば、前記パルス列信号S1のデューティ比を50%とすると、前記チェック用LED(D1)は点灯時間と消灯時間が同じ時間となって高速で点滅することになり、サービスマン等の人間の目には連続点灯の約50%程度の明るさで点灯しているように見える。
【0018】
一方、前記パルス列信号S1が前記CPUから出力されずに、前記しきい値を超えない状態が継続する場合では前記チェック用LED(D1)は完全消灯(0%点灯)し、前記しきい値以上の状態が継続する場合では前記チェック用LED(D1)は連続点灯(100%点灯)する。
従って、前記チェック用LED(D1)が完全消灯(0%点灯)、もしくは連続点灯(100%点灯)している場合には、当該個所のパルス列信号S1が異常であると確認でき、弱く(例えば50%程度の明るさで)点灯しているように見えるときには、少なくとも前記CPUからパルス列信号S1が出力されていると確認できる。
【0019】
D2は比較用LEDであり、アースと電源Vddとの間に直列抵抗を介して接続されている。従って、前記電源Vddが供給されている限り、前記比較用用LED(D2)は連続点灯(100%点灯)する。
なお、前記パルス列信号S1が正常であるときの前記チェック用LED(D1)の明るさが、連続点灯(100%点灯)している前記比較用用LED(D2)と比較して、確実に区別できるように、前記デューティ比、直列抵抗の値等を設定するとよい。
【0020】
なお、前記コントロール基板710およびドライバ基板721、722は、請求項1の装置もしくは請求項2のプリント基板に相当する構成である。
【0021】
前述したようなチェック回路C11を設けることにより、チェック用LED(D1)を比較用LED(D2)と比較して、チェック用LED(D1)の明るさが比較用LED(D2)より暗く点灯している場合には、当該個所のパルス列信号は正常であると確認し、チェック用LED(D1)が完全消灯、もしくは比較用LED(D2)と同じ明るさで点灯している場合には、当該個所のパルス列信号は異常であると確認することができる。
従って、当該個所のパルス列信号が正常であるならば、当該個所の動作は取り敢えず正常であると仮定して、他の個所のチェック回路C12、C21、C22・・・の点灯状態を確認すればよく、当該個所のパルス列信号が異常であるならば、当該個所に何らかのトラブルが発生していると仮定できるので、当該個所の基板(この場合にはコントロール基板710)のみ、正常なものと交換してみる。
【0022】
以下に、具体的な事例を想定してサービスマンの作業を、本発明による場合と、従来の場合と比較してみる。
具体的な事例として、ステッピングモータ732が異常の場合を想定する。
本発明によるチェック回路を備えている場合には、先ず、コントローラ基板710の出力ポートP2のチェック回路C21をチェックする。このチェック回路C21のチェック用LEDが、比較用LEDの半分程度の明るさで点灯している場合には、この出力ポートP2からはパルス列信号が正常に出力されている判断して、ドライバ基板722のチェック回路C22をチェックする。
チェック用LEDが完全消灯しているか、比較用LEDと同じ程度の明るさで点灯している場合には、この出力ポートP2からはパルス列信号が正常には出力されていないと判断して、このコントローラ基板710を正常なものと交換する。
【0023】
前記出力ポートP2が正常である場合、ドライバ基板722上のチェック回路C22をチェックし、このチェック回路C22のチェック用LEDが、比較用LEDの半分程度の明るさで点灯している場合には、このドライバ基板722までの信号ケーブルは正常であると判断し、このドライバ基板722もしくはステッピングモータ732を正常なものと交換する。
チェック用LEDが完全消灯しているか、比較用LEDと同じ程度の明るさで点灯している場合には、このドライバ基板722までの信号伝送経路に異常があると判断し、信号ケーブルを正常なものと交換する。
【0024】
以上の作業例では、コントローラ基板からチェックしたが、逆に、ドライバ基板から先にチェックしてもよい。この場合には、ドライバ基板722のチェック回路C22のチェック用LEDが比較用LEDの半分程度の明るさで点灯している場合には、ここまでは正常であると判断でき、このドライバ基板722かステッピングモータ732が異常であると判断できる。
チェック用LEDが完全消灯しているか、比較用LEDと同じ程度の明るさで点灯している場合には、コントローラ基板710もしくは信号伝送路が異常であると判断して、コントローラ基板710のチェック回路C21をチェックする。
このチェック回路C21のチェック用LEDが、比較用LEDの半分程度の明るさで点灯している場合には、この出力ポートP2からはパルス列信号が正常に出力されている判断して、信号伝送回路が異常であると判断して、信号ケーブルを正常なものと交換してみる。
チェック用LEDが完全消灯しているか、比較用LEDと同じ程度の明るさで点灯している場合には、この出力ポートP2からはパルス列信号が正常には出力されていないと判断して、このコントローラ基板710を正常なものと交換する。
なお、前記チェック回路の回路構成は、図示したものに限定されるものではなく、ロジックIC等の種々の回路構成を採用することができる。
【0025】
このようにして、格別の測定器を用いなくても、どの部分が正常であって、どの部分が異常であるかを一目するだけで絞り込むことができるので、基板の交換修理等のメンテナンス作業が極めて効率よく短時間で行えるという効果が得られる。
【0026】
一方、本発明によるチェック回路を備えていない従来例の場合の作業を便宜上図2の符号を用いて説明する。
この場合、先ず、コントローラ基板710を交換してみる。それでも正常に動作しなければ、コントローラ基板710を元に戻して、信号ケーブルを交換してみる。それでも正常に動作しなければ、信号ケーブルを元に戻してドライバ基板722を交換してみる。それでも正常に動作しなければ、ドライバ基板722を元に戻してステッピングモータ732を交換してみる。
このように、基板は部品を交換したり、元に戻したりという面倒な作業を何回も行う必要があるので、作業効率が極めて悪く、時間もかかるという欠点がある。
しかも、交換不要な基板まで交換したままにしたりして、部品代が無駄になるという欠点もある。
【実施例2】
【0027】
次に、本発明にかかるチェック治具の実施例を図4を参照して説明する。
図4において、
9はチェック治具であり、チェック対象の装置から直流電圧を取り込む第1クリップ911と、チェック対象の装置のアースと接続する第2クリップ912と、チェック対象の装置のチェックポイントからパルス列信号を取り込む手段としてのプローブ913と、前記パルス列信号で点滅するチェック用LED(D1)と、前記直流電圧で連続点灯する比較用LED(D2)とを備え、これらの部品が、例えば、図5に示したようなペン状のケース900に収納されている。
前記チェック用LEDと比較用LEDとは図示したように前記ケース900の側面に隣接して配設されている。
【0028】
前記プローブ913から入力されたパルス列信号Sは2つの抵抗が直列接続されてなる分圧回路Rによって分圧されて、トランジスタQのベースへ入力される。このトランジスタQのエミッタはアースされている。そして、チェック用LED(D1)は、コレクタと電源Vddとの間に直列抵抗を介して接続されている。
従って、図3の場合と同様に、前記パルス列信号Sが入力されると前記チェック用LED(D1)は高速で点滅することになり、サービスマン等の人間の目には弱く点灯しているように見える。
このときのチェック用LEDの明るさを比較用LEDの明るさと比較することによって、その時点で入力されているパルス列信号Sが正常であるか否かをチェックすることができるのである。
従って、本チェック治具9のプローブ913を、チェック対象の装置の基板等のしかるべきチェックポイントに順番に当てることによって、当該個所におけるパルス列信号が正常であるか否かをチェックし、異常である場合には、そのチェックポイントより前段の部分にトラブルが発生していると判断することができるのである。このようにして、オシロスコープ等の計測器が無くても、トラブルの発生個所を効率よく短時間で絞り込むことができるのである。
なお、前記チェック用LEDを駆動する回路構成は、図示したものに限定されるものではなく、ロジックIC等の種々の回路構成を採用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明のチェック回路やチェック治具は、写真処理機器だけでなく、クロック信号等のパルス列信号を用いた種々の回路や装置のトラブル発生個所の絞り込みに広く応用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明にかかるチェック回路の実施の形態を備えた写真処理機器の構成を示した構成図である。
【図2】前記写真処理機器の要部のチェック回路回りのブロック図である。
【図3】前記チェック回路回りの実施例1の回路図である。
【図4】本発明にかかるチェック治具の実施例の回路図である。
【図5】前記チェック治具の実施例の斜視図である。
【符号の説明】
【0031】
710 装置、プリント基板、コントロール基板
721 装置、プリント基板、ドライバ基板
731 ステッピングモータ
C11、C12、C21、C22 チェック回路
D1 チェック用LED(D1)
D2 比較用LED(D2)
Vdd 直流電圧、電源
S1、S2 パルス列信号
9 チェック治具
900 ケース
911 取り込み手段、第1クリップ
913 取り込み手段、プローブ
D1 チェック用LED
D2 比較用LED

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流電圧と連続したパルス列信号とに基づいて動作が制御される装置の状態をチェックするチェック回路において、
前記装置に、前記パルス列信号で点滅するチェック用LEDと、前記直流電圧で連続点灯する比較用LEDとを隣接して配設して構成したことを特徴とするチェック回路。
【請求項2】
直流電圧と連続したパルス列信号とに基づいてステッピングモータを制御するプリント基板の状態をチェックするチェック回路において、
前記プリント基板に、前記パルス列信号で点滅するチェック用LEDと、前記直流電圧で連続点灯する比較用LEDとを隣接して配設して構成したことを特徴とするチェック回路。
【請求項3】
チェック対象の装置から直流電圧と連続したパルス列信号とを取り込む手段と、
前記パルス列信号で点滅するチェック用LEDと、
前記直流電圧で連続点灯する比較用LEDとを備えるとともに、
前記チェック用LEDと比較用LEDとが隣接して配設されていることを特徴とするチェック治具。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate