チューブ容器

【課題】粘度が高く流動性の悪い内容物であっても、チューブ容器から全て取り出し、使い切ることができるようにする。
【解決手段】チューブ容器の口部10と胴部11とを溶着し、肩部を無くす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調味ペースト等粘度の高いペースト状の内容物を充填するチューブ容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のチューブ容器は、特許文献1に記載されているとおり、練り歯磨きや、練りワサビ等の粘体状食品等を充填包装するもので、積層シートによって成形されている筒状体からなる胴部と、該胴部の一方の端部に対してコンプレッション成形によって形成した熱可塑性合成樹脂製の頭部、すなわち、口部と該肩部に連接している口部とからなる熱可塑性樹脂製の頭部とで形成されている。チュ−ブ容器は、外層、中間層、および内層とからなる積層材を製造し、これを丸めてその重合部分を溶着して筒状の容器胴部を形成し、連接する円錐台形状の肩部と、該肩部に連接する口部等を形成し、更に、該口部にキャップ等を着脱自在に係合して構成されている。すなわち、従来のチューブ容器は図4のように、口部と肩部よりなる頭部と胴部とよりなる本体と、ヒンジキャップ、回転キャップ等の蓋部とからなる。チューブ本体がこのような肩部を有する構造となる理由は、口部と胴部をつなぎ合わせるため、内容物を最後まで絞り出すよう傾斜を付けることで内容物を蓋部へ落としやすくするため、蓋の径を胴部径よりも小さくするため等が挙げられる。
【0003】
しかしながら、調味ペースト(固型油脂と調味料等の混合物)等粘度が高く、流動性の悪いペースト状の内容物を、このような肩部を有するチューブ容器に充填した場合、どうしても肩部に内容物が残留してしまう。また、口部の径が小さいため、スプーンを入れて内容物を掻き出すこともできない。内容物の残留は、不経済である上、使用後廃棄する際に廃棄物分別上の問題にもなる。
【0004】
肩部での内容物の残留を防ぐため、肩部を柔軟性の高い樹脂にすることで、肩部を潰して内容物を全て絞り出すことができるにする方法(特許文献1)や、練りワサビ用のラミネートチューブの肩部に切れ目又は凹部を設ける方法が知られているが、これらの方法では、調味ペーストのように粘度が高く、流動性の悪いペースト状の内容物の場合、内容物を全て絞り出すのは難しいといった課題が残っている。また、肩部の樹脂を薄肉にして絞り出しやすくしようとした場合、肩部等チューブに成形不良が発生し、歩留まりが悪くなる恐れがある。また、成形ができたとしてもキャップを締める際に肩部の樹脂がねじれてしまい、使用性が悪くなるのに加え、密封性の確保も困難となる。
【0005】
特許文献2、3には肩部のないチューブ容器が開示されているが、これらのチューブ容器では、ヘッド部の中央基板と胴部との溶着部付近が実質的には肩部となるため、溶着部付近に残留する内容物を全て出し切ることはできない。また、ヘッド部の中央基盤が胴部に溶着されているため、キャップを外すことができず、スプーンを入れて内容物を掻き出すこともできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−203394号公報
【特許文献2】特開2001−122295号公報
【特許文献3】特開2001−122296号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、調味ペースト等粘度が高く流動性の悪いペースト状の内容物であっても、内容物を全て使い切ることのできるチューブ容器を提供すること目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、チューブ容器の口部と胴部とを溶着し、肩部を無くし、口部の径をスプーンの入る大きさにすることにより、粘度が高く流動性の悪い内容物であっても、全て容器から取り出し、使い切ることができることを見いだし、このような知見に基づいて本発明を完成するに至った。即ち、本発明は以下の発明を包含する。
(1)下端部が閉塞されている筒状又は角柱状の容器胴部と口部とからなるチュ−ブ容器であって、胴部上端部と口部下端部とが隙間なく溶着されていることを特徴とするチュ−ブ容器。
(2)口部の最大径が2〜10cmである(1)記載の容器。
【発明の効果】
【0009】
本発明によると、調味ペーストのような粘度が高く流動性の悪い内容物であっても、チューブ容器の胴部を押し絞ることにより内容物を絞り出すことができる上、スプーン等により内容物を掻き出すこともできるので、内容物を全て容器から取り出し、使い切ることができるチューブ容器を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明のチュ−ブ容器の構成の一例を示す概略的半断面図である。
【図2】本発明のチューブ容器の構成の一例を示す口部下端部と胴部上端部の概略的断面図である。
【図3】本発明のチューブ容器に用いる蓋の一例を示す説明図である。
【図4】従来の一般的なチューブ容器の構成の一例を示す概略的半断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明のチュ−ブ容器は、下端部が閉塞されている筒状又は角柱状の容器胴部(図1
の11)と口部(図1の10)とからなるチュ−ブ容器であり、胴部上端部と口部下端部とが肩部を介すことなく、隙間なく溶着されていることを特徴とする。口部の大きさは、スプーン等を用いてチューブ容器内の残留物を掻き出すことができるよう、スプーンの入る大きさである必要があり、口部の最大径は2〜10cmであり、好ましくは2〜5cmである。
【0012】
容器胴部を構成する材料は、通常のラミネートチユーブと同じものを使用できる。外層としては、ラミネ−トチュ−ブ容器を構成する基本材料となるものであり、機械的、化学的、物理的、その他等の諸物性に優れて強度を有し、特に耐熱性、耐候性、耐溶剤性、耐薬品性等の諸堅牢性に富む、かつ柔軟性に富む樹脂のフィルムないしシ−トを使用することができ、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリエチレンナフタレ−ト等のポリエステル系樹脂、ナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、その他等の樹脂のフィルムないしシ−トを使用することができる。その厚さとしては、数μm〜100μm位、好ましくは、約10μm〜60μm位が望ましい。中間層としては、酸素等に対するガスバリア−性を有する樹脂のフィルム、あるいは水蒸気バリア−性を有する樹脂のフィルム等を任意に使用することができる。ガスバリア−性を有する樹脂のフィルムとしては、例えば、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリビニルアルコ−ル系樹脂、エチレン−ビニルアルコール系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物、フッ素系樹脂、ポリアクリルニトリル系樹脂等の樹脂のフィルムないしシ−トを使用することができる。また、水蒸気バリア−性を有する樹脂のフィルムとしては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂のフィルムないしシ−トを使用することができる。その厚さとしては、数μm〜100μm位、好ましくは、5μm〜30μm位が望ましい。また、中間層としてのガスバリア−性、あるいは水蒸気バリア−性を有する基材フィルムとしては、例えば、アルミニウム箔、あるいはアルミニウム等の金属の蒸着膜を有する樹脂のフィルム、更には、無機酸化物の蒸着膜を有する樹脂のフィルム等を使用することもできる。上記において、樹脂のフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリエチレンナフタレ−ト等のポリエステル系樹脂、ポリビニルアルコ−ル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、ポリアミド系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、その他等の各種の樹脂のフィルムを使用することができる。その厚さとしては、数μm〜100μm位、好ましくは9μm〜50μm位が望ましい。内層としては、積層材を丸めてその重合端部を溶着して筒状胴体部を製造することから、加熱により溶融して相互に融着することができる樹脂のフィルムないしシ−トを使用することができる。具体的には、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマ−樹脂、エチレン−アクリル酸エステルまたは−メタクリル酸エステル共重合体、エチレン−アクリル酸または−メタクリル酸共重合体、メチルペンテン系樹脂、ポリブテン系樹脂、シングルサイト触媒により重合したエチレン−α−オレフィン共重合体、その他等の樹脂のフィルムないしシ−トを使用することができる。あるいはポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂の酸変性物等も使用することができる。その厚さとしては、数μm〜100μm位、好ましくは5μm〜50μm位が望ましい。
【0013】
胴部は、上記の積層されたフィルムに印刷を行った後、チューブ容器として適当な大きさに裁断し、筒状又は角柱状にして下端部を溶着して閉塞することにより得ることができる。尚、内容物の絞り出し易さ、外観上の理由より、胴部の上端部の幅(図1の13)は胴部下端部(図1の14)の幅の80〜120%の範囲にあることが好ましく、90〜110%がより好ましく、同じ幅であることがさらに好ましい。
【0014】
口部は、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等の高温の樹脂を金型に流し込み圧縮成形、コンプレッション成形することにより得ることができる。蓋を回転式キャップとする場合、ネジ形状の金型を用いて、ネジ形状を形成する。
【0015】
胴部の上端部と口部の下端部を隙間の生じないように溶着する。具体的には、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等の高温の樹脂をコンプレッション成形用の金型(回転キャップの場合はネジ金型)に流し込み、固定した筒状の胴部を押し込むことで、口部(ネジ部)を成形するのと同時に口部(ネジ部)と胴体を圧着させる。または、コンプレッション成形によって事前に口部(ネジ部)のみを成形した後に、筒状の胴部を口部下端部の内面又は外面に巻き付け、熱溶着、高周波溶着、超音波溶着等の方法で溶着させる。
【0016】
すなわち、図1(a)、図2(a)のように、胴部上端部(図2の25)を口部下端部(図2の24)の内面に隙間なく溶着させる。あるいは、図1(b)、図2(b)のように、胴部上端部を口部下端部の外面に隙間なく溶着させる。いずれの場合でもスプーンにより内容物を掻き出すことができるが、図2の(a)のように、口部の内面に、胴部の厚さに相当する凹部(図2の23)を形成することにより、口部と胴部の内面がストレートになり、凹凸、段差がなくなるため、残留物をより取り出し易くなる。
【0017】
蓋については、回転キャップ、打栓式キャップ、ヒンジキャップ等いずれの蓋でもよいが、回転キャップのような着脱可能な蓋が好ましい。図3のように、口部の径より小さい注出口(図3の31)を蓋に設けた場合、基板(図3の32)が実質的な肩部となってしまい内容物が残留しやすくなるが、着脱可能な蓋であれば、蓋を取り外した後、スプーン等を用いて残留物を全て取り出すことができる。すなわち、口部の径よりも径の小さな注出口であっても、内容物を全て取り出すことができるので、着脱可能な蓋が好ましい。
【符号の説明】
【0018】
10 チューブ容器口部
11 チューブ容器胴部
12 チューブ容器ネジ部
13 チューブ容器胴部上端部幅
14 チューブ容器胴部下端部幅
15 チューブ容器蓋部
21 チューブ容器口部
22 チューブ容器胴部
23 チューブ容器口部下端部凹部と胴部上端部の溶着部
24 チューブ容器口部下端部
25 チューブ容器胴部上端部
31 蓋注出口
32 蓋基板
41 従来のチューブ容器頭部
42 従来のチューブ容器口部
43 従来のチューブ容器肩部
44 従来のチューブ容器胴部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下端部が閉塞されている筒状又は角柱状の容器胴部と口部とからなるチュ−ブ容器であって、胴部上端部と口部下端部とが隙間なく溶着されていることを特徴とするチュ−ブ容器。
【請求項2】
口部の最大径が2〜10cmである請求項1記載の容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−107698(P2013−107698A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−256594(P2011−256594)
【出願日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【出願人】(000000066)味の素株式会社 (887)
【Fターム(参考)】