説明

チリング式冷凍システム

【課題】冷却負荷が変動してもエネルギー効率が低下するのを抑制すること。
【解決手段】熱源側回路(2)は、中段冷凍機(23)および低段冷凍機(33)と、PGタンク(41,42)の高段冷水に連通する高段入口管(2b)と、PGタンク(41,42)の低段冷水に連通する低段出口管(2e)とを備えている。そして熱源側回路(2)には、高段入口管(2b)および低段出口管(2e)の間において冷凍機(23,33)が互いに直列に接続される状態と上記複数の冷凍機(23,33)が互いに並列に接続される状態とに切り換わるように冷却水の流路を切り換えるための第1、第2中段開閉弁(24,26)と第1、第2低段開閉弁(34,36)が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の冷凍機を有するチリング式冷凍システムに関し、特に、省エネ対策に係るものである。
【背景技術】
【0002】
ビールの製造工程において貯酒タンクや醗酵タンク等を冷却するための冷却システムが例えば特許文献1に開示されている。また、冷却システムとして、冷凍機で冷却した冷却液を貯留タンクに供給し、そのタンクから冷却液が負荷側へ供給されるいわゆるチリング式のものが例えば特許文献2に開示されている。
【特許文献1】特開2002−206845号公報
【特許文献2】特開2007−137070号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記特許文献1の冷却システムとして上記特許文献2のものを用い、さらに冷凍機を複数備えた場合、以下のような問題があった。冷却システムにおいて、例えば冷却液が複数段階で冷却されるように複数の冷凍機を直列に設けた場合、冷却負荷が小さいときに各冷凍機のエネルギー効率が低下するという問題があった。ビール工場では、ビールの製造量が多くなる夏場などは冷却負荷が大きくなり、ビールの製造量が少なくなる冬場や非操業時は冷却負荷が小さくなる。各冷凍機の定格能力は冷却負荷のピークに合わして設計される。また冷凍機は、定格能力時に運転効率が最適となる。したがって、冷却負荷が小さくなると、各冷凍機が受け持つ冷却能力が小さくなり運転効率が低下してしまう。その結果、システム全体のエネルギー効率が低下してしまう。
【0004】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ビール工場用のチリング式冷凍システムにおいて、ビールの製造量の増減等によって冷却負荷が大きく変動してもシステム全体のエネルギー効率の低下を抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の発明は、冷却液タンク(41,42)と、該冷却液タンク(41,42)の冷却液を負荷側との間で循環させる利用側回路(3)と、冷凍サイクルを行う複数の冷凍機(23,33)を有し且つ該冷凍機(23,33)との間で上記冷却液タンク(41,42)の冷却液を循環させて上記冷凍機(23,33)で冷却させるポンプ(22,32)を有する熱源側回路(2)とを備えたチリング式冷凍システムを前提としている。そして、上記熱源側回路(2)は、上記冷却液タンク(41,42)の第1温度帯の冷却液に連通する入口流路(2b)と、上記冷却液タンク(41,42)の上記第1温度帯よりも低い第2温度帯の冷却液に連通する出口流路(2e)とを備えると共に、上記入口流路(2b)および出口流路(2e)の間において上記複数の冷凍機(23,33)が互いに直列に接続される状態と上記複数の冷凍機(23,33)が互いに並列に接続される状態とに切り換えるための冷却液の流路切換手段(24,26,34,36)を備えているものである。
【0006】
上記の発明では、例えばビールの製造量が多くなる夏場などで負荷側の負荷が大きいとき、冷凍機(23,33)が直列に接続される。この場合、入口流路(2b)から第1温度帯の冷却液が複数の冷凍機(23,33)で段階的に冷却される。そして、第2温度帯となった冷却液が出口流路(2e)から冷却液タンク(41,42)に流入する。また、例えばビールの製造量が少ない冬場などで負荷側の負荷が小さいとき、冷凍機(23,33)が並列に接続される。この場合、入口流路(2b)から第1温度帯の冷却液がそれぞれの冷凍機(23,33)へ流れて冷却される。そして、第2温度帯となった冷却液が出口流路(2e)から冷却液タンク(41,42)に流入する。
【0007】
第2の発明は、上記第1の発明において、上記熱源側回路(2)は、上記冷凍機(23,33)の入口と出口とに繋がるバイパス管(81)と、該バイパス管(81)に設けられる開閉弁(82)とを備え、上記ポンプ(22,32)の起動時に上記開閉弁(82)を全開にするように構成されているものである。
【0008】
上記の発明では、ポンプ(22,32)の起動時、即ち運転開始時において、バイパス管(81)の開閉弁(82)が開く。そのため、冷凍機(23,33)を通過した冷却液は冷却液タンク(41,42)には流れずバイパス管(81)を通って冷凍機(23,33)の下流に戻る。
【0009】
第3の発明は、上記第2の発明において、上記熱源側回路(2)は、上記ポンプ(22,32)の起動時に該ポンプ(22,32)の流量を定格流量よりも低くするように構成されているものである。
【0010】
上記の発明では、ポンプ(22,32)の起動時において、バイパス管(81)の開閉弁(82)が開くと共に、ポンプ(22,32)の流量が定格流量よりも減少される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、熱源側回路(2)において、冷却液タンク(41,42)からの入口流路(2b)と冷却液タンク(41,42)への出口流路(2e)との間で複数の冷凍機(23,33)が直列に接続される状態と並列に接続される状態とに切り換え可能にした。この構成では、負荷が大きいときは複数の冷凍機(23,33)を直列に接続し、負荷が小さいときは複数の冷凍機(23,33)を並列に接続することにより、各冷凍機(23,33)が受け持つ冷却負荷をほぼ同じにすることができる。したがって、熱負荷が大きいときも小さいときも、各冷凍機(23,33)の冷却能力を変更させずに運転することができる。これにより、常に、冷凍サイクルのCOP(成績係数)が最適となる冷却能力で冷凍機(16,23,33)を運転することができる。その結果、冷凍システム(1)のエネルギー効率を向上させることができ、省エネ化を図ることができる。
【0012】
また、第2の発明によれば、ポンプ(22,32)の起動時において冷凍機(23,33)から出た冷却液を冷却液タンク(41,42)に流さずに冷凍機(23,33)の入口側にバイパスさせるようにした。これにより、起動時には冷凍機(23,33)の冷却能力が直ぐには発揮されないため冷却液が冷凍機(23,33)から殆ど冷却されずに出てくるが、その冷却液が冷却液タンク(41,42)に流入するのを防止できる。そのため、冷却液タンク(41,42)において冷却液の温度が上昇するいわゆる熱ロスを回避することができる。したがって、エネルギー効率を向上させることができる。
【0013】
さらに、第3の発明によれば、ポンプ(22,32)の起動時にポンプ(22,32)の流量を定格流量よりも少なくするので、冷凍機(23,33)の冷却能力が発揮されていない状態においてポンプ(22,32)の動力が無駄に嵩むのを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【0015】
本実施形態のチリング式冷凍システム(1)(以下、単に冷凍システム(1)という。)は、ビール製造工場における各種製造用機器や空調機に冷却液を供給し該製造機の冷却と工場内の空調を行うものである。本実施形態では、上記冷却液として冷却水を供給している。
【0016】
図1に示すように、上記冷凍システム(1)は、熱源側回路(2)と、利用側回路(3)と、PGタンク(41,42)を備えている。
【0017】
上記PGタンク(41,42)は、冷水が貯留されるものであり、高段PGタンク(41)と低段PGタンク(42)と連絡管(43)とを備えている。低段PGタンク(42)は、高段PGタンク(41)の下方に配置されている。そして、高段PGタンク(41)の底部と低段PGタンク(42)の頂部とが連絡管(43)によって連通している。高段PGタンク(41)および低段PGタンク(42)は、何れもいわゆる成層タンクにより構成されている。つまり、PGタンク(41,42)は、高段PGタンク(41)の頂部に高温度帯の冷水(以下、高段冷水という。)が貯留され、高段PGタンク(41)の底部および低段PGタンク(42)の頂部に中温度帯の冷水(以下、中段冷水という。)が貯留され、低段PGタンク(42)の底部に低温度帯の冷水(以下、低段冷水という。)が貯留されている。
【0018】
上記熱源側回路(2)は、それぞれPGタンク(41,42)に接続される高段入口管(2b)と中段出口管(2c)と中段入口管(2d)と低段出口管(2e)とを備えている。高段入口管(2b)は、高段PGタンク(41)の頂部から高段冷水が流入する。中段出口管(2c)は、高段PGタンク(41)の底部に中段冷水が流出する。中段入口管(2d)は、低段PGタンク(42)の頂部から中段冷水が流入する。低段出口管(2e)は、低段PGタンク(42)の底部に低段冷水が流出する。
【0019】
また、上記熱源側回路(2)は、高段熱源系統(10)と、中段熱源系統(20)と、低段熱源系統(30)とを備えている。
【0020】
上記高段熱源系統(10)は、流入端に熱交換器(12)が設けられた第1高段配管(14)と、該第1高段配管(14)の途中に接続される第2高段配管(18)とを備えている。第1高段配管(14)の流出端は高段PGタンク(41)の頂部に接続され、第2高段配管(18)の流出端は中段出口管(2c)に接続されている。
【0021】
上記第1高段配管(14)には、上流側から順に、上述した熱交換器(12)と、第1高段ポンプ(13)と、第2高段ポンプ(15)と、高段冷凍機(16)と、第1高段開閉弁(17)が設けられている。上記第2高段配管(18)には、第2高段開閉弁(19)が設けられている。なお、第2高段配管(18)の流入端は第1高段配管(14)の高段冷凍機(16)と第1高段開閉弁(17)の間に接続されている。熱交換器(12)は、PGタンク(41,42)からの冷水が後述する利用側回路(3)の高段負荷系統(50)の原水と熱交換するように構成されている。高段冷凍機(16)は、図示しないが、スクリュー圧縮機や膨張機構、熱交換器を有し蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う冷媒回路を備えている。また、この高段冷凍機(16)は、熱交換器がプレート型やシェルアンドチューブ型のものである。なお、後述する中段冷凍機(23)や低段冷凍機(33)も、高段冷凍機(16)と同様の構成である。高段冷凍機(16)では、高段ポンプ(13,15)によって送られた高温の冷水が冷媒と熱交換して冷却される。そして、高段熱源系統(10)では、高段冷凍機(16)で冷却された高温の冷水が第1および第2開閉弁(17,19)の切り換えによって高段PGタンク(41)の頂部または底部に流入する。
【0022】
また、上記第1高段配管(14)と高段PGタンク(41)の頂部との間には、高段出入口管(2a)が接続されている。この高段出入口管(2a)は、第1および第2高段ポンプ(13,15)の運転容量によって、第1高段配管(14)から高温の冷水が高段PGタンク(41)へ流れたり高段PGタンク(41)の水が第1高段配管(14)に流れる。
【0023】
上記中段熱源系統(20)は、高段入口管(2b)と低段出口管(2e)との間に互いに並列接続される2つの第1中段配管(21)と、該各第1中段配管(21)の途中に接続される第2中段配管(25)とを備えている。各第2中段配管(25)の流出端は、中段出口管(2c)に接続されている。各第1中段配管(21)には、上流側から順に、中段ポンプ(22)と中段冷凍機(23)と第1中段開閉弁(24)が設けられている。第2中段配管(25)には、第2中段開閉弁(26)が設けられている。なお、第2中段配管(25)の流入端は第1中段配管(21)の中段冷凍機(23)と第1中段開閉弁(24)の間に接続されている。中段冷凍機(23)では、中段ポンプ(22)によって送られた水が冷媒と熱交換して冷却される。そして、中段熱源系統(20)では、中段冷凍機(23)で冷却された水が第1および第2開閉弁(24,26)の切り換えによって高段PGタンク(41)の底部または低段PGタンク(42)の底部に流入する。
【0024】
上記低段熱源系統(30)は、高段入口管(2b)と低段出口管(2e)との間に互いに並列接続される2つの第1低段配管(31)と、該各第1低段配管(31)の途中に接続される第2低段配管(35)とを備えている。各第2低段配管(35)の流入端は、中段入口管(2d)に接続されている。各第1中段配管(21)には、上流側から順に、第1低段開閉弁(34)と低段ポンプ(32)と低段冷凍機(33)が設けられている。第2低段配管(35)には、第2低段開閉弁(36)が設けられている。なお、第1低段配管(31)の流出端は第1低段配管(31)の第1低段開閉弁(34)と低段ポンプ(32)の間に接続されている。この低段熱源系統(30)では、第1および第2開閉弁(34,36)の切り換えによって、高段PGタンク(41)の高段冷水または低段PGタンク(42)の中段冷水が低段冷凍機(33)に送られる。そして、低段冷凍機(33)では、低段ポンプ(32)によって送られた水が冷媒と熱交換して冷却される。
【0025】
一方、上記利用側回路(20)は、それぞれPGタンク(41,42)に接続される高段出口管(3a)と中段出入口管(3b)と低段入口管(3c)とを備えている。高段出口管(3a)は、高段PGタンク(41)の頂部に高段冷水が流出する。中段出入口管(3b)は、低段PGタンク(42)の頂部に対して中段冷水が流出入する。低段入口管(3c)は、低段PGタンク(42)の底部から低段冷水が流入する。
【0026】
また、上記利用側回路(3)は、高段負荷系統(50)と、中段負荷系統(60)と、低段負荷系統(70)とを備えている。
【0027】
上記高段負荷系統(50)は、高段主管(51)と、原料水タンク(55)を有する原水管(11)とを備えている。高段主管(51)の流入端側は3つの分岐管(52,53,54)に分岐している。第1分岐管(52)は低段PGタンク(42)の底部に接続され、第2分岐管(53)は高段PGタンク(41)の底部寄りに接続され、第3分岐管(54)は高段PGタンク(41)の頂部寄りに接続されている。各分岐管(52,53,54)には調整弁(56)が設けられている。この調整弁(56)は開度変更によって流量が調整可能に構成されている。なお、後述する各調整弁も同様の構成である。また、高段主管(51)の流出端は、熱交換器(12)を介して第1高段配管(14)に接続されている。一方、原水管(11)は原料水タンク(55)の上流側で熱交換器(12)に接続されている。熱交換器(12)では、上述したように、高段主管(51)から流入した冷水が原水管(11)の原水と熱交換して高温の冷水となり、原水が冷却される。原水管(11)では、原料水タンク(55)の流出端が例えば麦汁の処理機に繋がっており、原料水タンク(55)の原料水が供給されて処理機が冷却される。
【0028】
上記中段負荷系統(60)は、高段出口管(3a)と低段入口管(3c)との間に互いに並列接続される2つの第1中段配管(61)と、該各第1中段配管(61)の途中に接続される第2中段配管(64)とを備えている。各第2中段配管(64)の流入端は、中段出入口管(3b)に接続されている。各第1中段配管(61)には、上流側から順に、第1中段調整弁(63)と中段ポンプ(62)が設けられている。そして、一方の第1中段配管(61)は中段ポンプ(62)の下流側に「醗酵タンク」が接続され、他方の第1中段配管(61)は中段ポンプ(62)の下流に「空調機」が接続されている。各第2中段配管(64)には第2中段調整弁(65)が設けられている。なお、第2中段配管(64)の流出端は第1中段配管(61)の第1中段調整弁(63)と中段ポンプ(62)の間に接続されている。「醗酵タンク」では中段ポンプ(62)から送られた冷水によってタンクが冷却され、「空調機」では中段ポンプ(62)から送られた冷水によって空気が冷却され工場内へ供給される。
【0029】
上記低段負荷系統(70)は、中段出入口管(3b)と低段入口管(3c)との間に接続される低段配管(71)を備えている。この低段配管(71)には、低段ポンプ(72)が設けられている。そして、低段配管(71)は低段ポンプ(72)の下流に「貯酒タンク」が接続されている。「貯酒タンク」では低段ポンプ(72)から送られた冷水によってタンクが冷却される。なお、本実施形態では、麦汁の処理機、醗酵タンク(空調機)、貯酒タンクの順に冷却設定温度が低くなっており、それぞれ高段負荷機器、中段負荷機器、低段負荷機器に相当する。
【0030】
また、上記高段PGタンク(41)および低段PGタンク(42)には、それぞれタンク内の冷水の温度を検出する5つの温度センサ(S1〜S5,S11〜S15)が設けられている。つまり、高段PGタンク(41)および低段PGタンク(42)において、頂部側から順に第1温度センサ(S1,S11)、第2温度センサ(S2,S12)、第3温度センサ(S3,S13)、第4温度センサ(S4,S14)、第5温度センサ(S5,S15)が所定高さに設けられている。
【0031】
また、本実施形態の冷凍システム(1)は、制御手段であるコントローラ(90)を備えている。コントローラ(90)は、熱源側回路(2)の各ポンプ(13,14,22,32)や各冷凍機(16,23,33)の運転制御や、利用側回路(3)の各ポンプ(62,70)の運転制御および各調整弁(56,63,65)の開度制御を行う。また、コントローラ(90)は、熱源側回路(2)の各開閉弁(17,19,24,26,34,36)の切換制御を行うことによって、各種運転モード(第1運転モード〜第4運転モード)を切り換えるように構成されている。この運転モードの切換動作の詳細については後述する。
【0032】
−運転動作−
次に、この冷凍システム(1)の運転モード並びにその運転モードの切換動作について、図2〜図8を参照しながら詳細に説明する。上記冷凍システム(1)は、主なモードとして第1運転モード〜第4運転モードを実行可能に構成されている。
【0033】
〈各運転モードの動作〉
先ず、「第1運転モード」は図2に示すような運転動作となる。この「第1運転モード」では、高段熱源系統(10)と中段熱源系統(20)と低段熱源系統(30)が運転される。つまり、各熱源系統(10,20,30)のポンプ(13,14,22,32)と冷凍機(16,23,33)が駆動される。そして、この運転モードでは、熱源側回路(2)において第1高段開閉弁(17)と第2中段開閉弁(26)と第2低段開閉弁(36)が開放され、それ以外の開閉弁(19,24,34)が閉じられる。また、この運転モードでは、高段負荷機器(麦汁の処理機)、中段負荷機器(醗酵タンク、空調機)および低段負荷機器(貯酒タンク)の全てが運転している状態であり、利用側回路(3)によって冷水が各負荷機器へ供給される。
【0034】
具体的に、利用側回路(3)では、低段PGタンク(42)の底部の低段冷水(例えば、−3℃)が低段入口管(3c)を通って中段負荷系統(60)および低段負荷系統(70)へそれぞれ流れる。これにより、中段負荷機器および低段負荷機器が所定温度に冷却される。ここで、中段負荷系統(60)では、第1中段配管(61)に流入した低段冷水が貯酒タンクを通過して第2中段配管(64)に流入した冷水とミキシングされる。したがって、醗酵タンクや空調機には低段冷水よりも高温の冷水が供給される。この冷水の供給温度は、第1中段調整弁(63)および第2中段調整弁(65)の開度を変更することによって調節される。その供給温度を低温にしたい場合は、例えば第2中段調整弁(65)の開度を小さくし第1中段調整弁(63)の開度を大きくする。この場合、貯酒タンクから低段PGタンク(42)の頂部に流入する冷水量が増加する。逆に、供給温度を高温にしたい場合は、例えば第2中段調整弁(65)の開度を大きくし第1中段調整弁(63)の開度を小さくする。この場合、貯酒タンクから低段PGタンク(42)の頂部に流入する冷水量が減少する。醗酵タンク(空調機)を通過した冷水は、高段PGタンク(41)の頂部に流入する。また、高段負荷系統(50)の高段主管(51)では、各分岐管(52,53,54)に流入した各温度帯の冷水がミキシングされる。これにより、低段冷水よりも高温の冷水となる。ミキシングされた高段主管(51)の冷水は、さらに熱交換器(12)で原水(例えば、夏場では30℃)と熱交換してさらに高温の冷水(例えば、26℃)となり第1高段配管(14)へ流れる。一方、熱交換器(12)で冷却された原水は原料水タンク(55)を介して麦汁の処理機へ供給される。この原水の供給温度は、各分岐管(52,53,54)の調整弁(56)の開度を変更することによって調節される。その供給温度を低温にしたい場合は、例えば第1分岐管(52)の調整弁(56)を開き勝手にし第2および第3分岐管(53,54)の調整弁(56)を閉まり勝手にする。逆に、供給温度を高温にしたい場合は、例えば第1分岐管(52)の調整弁(56)を閉まり勝手にし第2および第3分岐管(53,54)の調整弁(56)を開き勝手にする。
【0035】
一方、熱源側回路(2)の高段熱源系統(10)では、第1高段配管(14)へ流れた高温の冷水(26℃)が高段出入口管(2a)からの高段冷水とミキシングされて例えば9℃となる。ミキシング後の冷水は、高段冷凍機(16)で所定温度(例えば、5℃)まで冷却された後、高段PGタンク(41)の頂部に流入する。
【0036】
熱源側回路(2)の中段熱源系統(20)では、高段PGタンク(41)の頂部の高段冷水(例えば、3℃)が各第1中段配管(21)に流れる。この高段冷水は、中段冷凍機(23)で所定温度(例えば、0℃)まで冷却された後、高段PGタンク(41)の底部に流入する。
【0037】
熱源側回路(2)の低段熱源系統(30)では、低段PGタンク(42)の頂部の中段冷水(例えば、0℃)が各第2低段配管(35)に流れる。この中段冷水は、低段冷凍機(33)で所定温度(例えば、−3℃)まで冷却された後、低段PGタンク(42)の底部に流入する。この冷凍システム(1)では、低段PGタンク(42)の底部に流入する冷水の温度、即ち低段PGタンク(42)の底部から利用側回路(3)の低段入口管(3c)に流出する冷水の温度を所定温度(−3℃)に維持するようにしている。
【0038】
このように、「第1運転モード」では、比較的高い温度の冷水が高段冷凍機(16)で冷却されて高段冷水となり、その高段冷水が中段冷凍機(23)で冷却されて中段冷水となり、その中段冷水が低段冷凍機(33)で冷却されて所定温度の低段冷水となる。つまり、この「第1運転モード」では、高温の冷水を高段冷凍機(16)、中段冷凍機(23)および低段冷凍機(33)で3段階に冷却することによって所定温度の低段冷水としている。さらに言えば、この「第1運転モード」は、第1高段配管(14)と低段出口管(2e)の間において高段冷凍機(16)、中段冷凍機(23)および低段冷凍機(33)の3種類の冷凍機が互いに直列的に接続されて運転されるものである。
【0039】
次に、「第2運転モード」は図3に示すような運転動作となる。この運転モードは、上記第1運転モードの状態において麦汁の処理機(高段負荷機器)が停止しているときのモードである。この運転モードでは、高段熱源系統(10)が停止した状態となる。つまり、高段負荷系統(50)ではPGタンク(41,42)の冷水は流れず、高段熱源系統(10)の高段ポンプ(13,14)および高段冷凍機(16)が停止される。したがって、この「第2運転モード」では、高段冷水が中段冷凍機(23)で冷却されて中段冷水となり、その中段冷水が低段冷凍機(33)で冷却されて低段冷水となる。つまり、この「第2運転モード」では、高段入口管(2b)と低段出口管(2e)の間において中段冷凍機(23)および低段冷凍機(33)の2種類の冷凍機が互いに直列的に接続され、高段冷水を2段階に冷却することによって所定温度の低段冷水にしている。その他の運転動作は「第1運転モード」と同様である。
【0040】
次に、「第3運転モード」は図4に示すような運転動作となる。この運転モードでは、上記「第1運転モード」と同様に、高段熱源系統(10)と中段熱源系統(20)と低段熱源系統(30)の3種類全ての冷凍機が運転される。ところが、この運転モードでは、熱源側回路(2)において第2高段開閉弁(19)と第1中段開閉弁(24)と第2低段開閉弁(36)が開放され、それ以外の開閉弁(17,26,36)が閉じられる。なお、利用側回路(3)における動作は上記「第1運転モード」と同様である。この「第3運転モード」は、例えば冬場などに行われるモードであり、上記「第1運転モード」時と比べて、原水の温度が比較的低く、中段負荷機器(醗酵タンク、空調機)や低段負荷機器(貯酒タンク)の負荷が比較的小さい場合に行われる。
【0041】
具体的に、「第3運転モード」では、高段熱源系統(10)において高段冷凍機(16)で冷却された冷水が高段PGタンク(41)の底部に流入する。また、中段熱源系統(20)においては、高段PGタンク(41)の高段冷水が中段冷凍機(23)で所定温度(−3℃)まで冷却されて低段PGタンク(42)の底部に流入する。低段熱源系統(30)においては、中段熱源系統(20)と同様に、高段PGタンク(41)の高段冷水が低段冷凍機(33)で所定温度(−3℃)まで冷却されて低段PGタンク(42)の底部に流入する。
【0042】
このように、「第3運転モード」では、第1高段配管(14)の高温の冷水が高段冷凍機(16)で冷却されて中段冷水となる一方、高段冷水が中段冷凍機(23)および低段冷凍機(33)で冷却されて所定温度の低段冷水となる。つまり、この運転モードでは、高段入口管(2b)と低段出口管(2e)の間において中段冷凍機(23)および低段冷凍機(33)が互いに並列的に接続されている。この運転モードでは、原水の温度が比較的低いため、即ち原水と中段冷水との温度差が小さいため、第1高段配管(14)の高温の冷水を高段冷凍機(16)のみで中段冷水まで冷却することができる。また、中段負荷機器や低段負荷機器の負荷が小さいため、利用側回路(3)から高段PGタンク(41)の頂部に流入する冷水の温度は比較的低い。そうすると、低段冷水は所定温度(−3℃)のまま維持されるため、その低段冷水と高段冷水との温度差が小さくなる。したがって、高段冷水を中段冷凍機(23)および低段冷凍機(33)で1段階冷却するだけで所定温度の低段冷水にすることができる。
【0043】
次に、「第4運転モード」は図5に示すような運転動作となる。この運転モードは、上記第3運転モードにおいて麦汁の処理機が停止され高段熱源系統(10)が停止された状態となる。つまり、高段負荷系統(50)ではPGタンク(41,42)の冷水は流れず、高段熱源系統(10)の高段ポンプ(13,14)および高段冷凍機(16)が停止される。したがって、この「第4運転モード」でも、上述したように高段冷水を中段冷凍機(23)および低段冷凍機(33)で1段階冷却して所定温度の低段冷水にしている。その他の運転動作は「第3運転モード」と同様である。
【0044】
〈運転モードの切換動作〉
本実施形態では、コントローラ(90)が図6〜図8のフローチャートに基づいて上述した運転モードを切り換える。
【0045】
図6に示すように、先ずコントローラ(90)は、「第1運転モード」かそれ以外の運転モードかを選定する。具体的に、ステップST1において、高段負荷側の運転信号(高段負荷機器の運転信号)の有無が判断される。例えば、高段負荷機器(麦汁の処理機)が運転される場合は、その運転信号がコントローラ(90)に送信されてステップST2へ移行し「第1運転モード」が選定され実行される。また、高段負荷機器(麦汁の処理機)が停止状態の場合は、運転信号がコントローラ(90)に送信されないためステップST3へ移行しそれ以外の「第2、第3、第4運転モード」が選定される。
【0046】
次に、コントローラ(90)は、「第2、第3、第4運転モード」を選定すると図7に示すように「第2、第3運転モード」か「第4運転モード」かを選定する。具体的には、第1効果待タイマT-21がタイムアップすると(ステップST11)、ステップST12へ移行する。そして、高段PGタンク(41)の第4温度センサ(S4)と第5温度センサ(S5)の検出温度の何れもが設定温度以上であると(ステップST12)、第1継続タイマT-22がカウントを開始する。そして、第1継続タイマT-22がタイムアップすると(ステップST13)、第2運転モードまたは第3運転モードが選定され実行される(ステップST14)。一方では、第2効果待タイマT-31がタイムアップすると(ステップST15)、ステップST16へ移行する。そして、高段PGタンク(41)の第4温度センサ(S4)と第5温度センサ(S5)の検出温度の何れもが設定温度以下であると(ステップST16)、第2継続タイマT-32がカウントを開始する。そして、第2継続タイマT-32がタイムアップすると(ステップST17)、第4運転モードが選定され実行される(ステップST18)。
【0047】
さらに、コントローラ(90)は、図8に示すように、各運転モードにおいて中段冷凍機(23)の運転台数や低段冷凍機(33)の運転台数をそれぞれ切り換える。具体的には、第1効果待タイマT-1がタイムアップすると(ステップST21)、ステップST22へ移行する。そして、中段冷凍機(23)の運転台数の場合は高段PGタンク(41)の第4温度センサ(S4)と第5温度センサ(S5)の検出温度の何れもが、低段冷凍機(33)の運転台数の場合は低段PGタンク(42)の第4温度センサ(S14)と第5温度センサ(S15)の検出温度の何れもが設定温度以上であると(ステップST22)、第1継続タイマT-2がカウントを開始する。そして、第1継続タイマT-2がタイムアップすると(ステップST23)、中段冷凍機(23)や低段冷凍機(33)の運転台数が増加される(ステップST24)。一方、第2効果待タイマT-11がタイムアップすると(ステップST25)、ステップST26へ移行する。そして、中段冷凍機(23)の運転台数の場合は高段PGタンク(41)の第1温度センサ(S1)と第2温度センサ(S2)の検出温度の何れもが、低段冷凍機(33)の運転台数の場合は低段PGタンク(42)の第1温度センサ(S11)と第2温度センサ(S12)の検出温度の何れもが設定温度以下であると(ステップST26)、第2継続タイマT-12がカウントを開始する。そして、第2継続タイマT-12がタイムアップすると(ステップST27)、中段冷凍機(23)や低段冷凍機(33)の運転台数が減少される(ステップST28)。
【0048】
−実施形態の効果−
本実施形態によれば、例えば夏場など熱負荷が大きいときは、第1運転モードや第2運転モードのように各冷凍機(16,23,33)を直列に接続し、原水の冷却に使用された高温の冷水(即ち、第1高段配管(14)の高温の冷水)または高段冷水を段階的に冷却して所定温度の低段冷水をつくるようにした。また、例えば冬場や非操業時など熱負荷が小さいときは、第3運転モードや第4運転モードのように中段冷凍機(23)および低段冷凍機(33)を並列に接続し、高段冷水を1段階冷却して所定温度の低段冷水をつくるようにした。つまり、本実施形態では、原水の冷却に使用された高温の冷水または高段冷水と低段冷水との温度差が大きいときは各冷凍機(16,23,33)を直列に接続して段階的に冷却し、原水の冷却に使用された高温の冷水または高段冷水と低段冷水との温度差が小さいときは各冷凍機(16,23,33)を並列に接続して冷却の段階数を減らすようにした。そのため、所定温度の低段冷水をつくるに当たって、各冷凍機(16,23,33)が受け持つ冷却負荷を何れの運転モードにおいてもほぼ同じにすることができる。したがって、熱負荷が大きいときも小さいときも、各冷凍機(16,23,33)の冷却能力を変更させずに運転することができる。これにより、常に、冷凍サイクルのCOP(成績係数)が最適となる冷却能力で冷凍機(16,23,33)を運転することができる。その結果、冷凍システム(1)のエネルギー効率を向上させることができ、省エネ化を図ることができる。
【0049】
−実施形態の変形例−
本変形例は、図9および図10に示すように、上記実施形態の各熱源系統(10,20,30)にバイパス管(81)を設けるようにしたものである。ここでは、どの熱源系統(10,20,30)も同様の構成であるため、代表して中段熱源系統(20)について説明する。
【0050】
上記中段熱源系統(20)のバイパス管(81)は、第1中段配管(21)における中段ポンプ(22)の上流側と中段冷凍機(23)の下流側とに接続されている。バイパス管(81)には、流量が調整可能なバイパス調整弁(82)が設けられている。また、第1中段配管(21)において、中段冷凍機(23)とその下流側のバイパス管(81)との間には温度センサ(83)が設けられている。この温度センサ(83)は、中段冷凍機(23)を通過した冷水の温度を検出する。この構成では、バイパス調整弁(82)を閉じると、中段冷凍機(23)を通過した冷水の全量が上述したようにPGタンク(41,42)へ向かって流れる(図10に示す状態)。また、バイパス調整弁(82)を開くと、中段冷凍機(23)を通過した冷水の全量(図9に示す状態)または一部がバイパス管(81)を通って中段ポンプ(22)に吸入される。バイパス管(81)を流れる冷水の量は、バイパス調整弁(82)の開度調節によって変更される。
【0051】
そして、本変形例では、運転開始時即ち各冷凍機(16,23,33)および各ポンプ(14,22,32)の起動時には図11に示すような制御がコントローラ(90)によって行われる。運転開始直後においては、冷凍機(16,23,33)は所定の冷却能力に達していない。つまり、冷凍機(16,23,33)は起動しても直ぐには所定の冷却能力が発揮されない。したがって、この状態では、水が冷凍機(16,23,33)で殆ど冷却されずにPGタンク(41,42)に流入することとなる。そうすると、PGタンク(41,42)内の冷水温度が上昇してしまい、いわゆる熱ロスが生じる。その結果、冷凍システム(1)のエネルギー効率が低下してしまう。そこで、本変形例では、冷凍機(16,23,33)およびポンプ(14,22,32)の起動時において、バイパス調整弁(82)の開度が全開に設定される。さらに、ポンプ(14,22,32)はインバータ制御によって定格流量よりも低い流量(例えば、定格流量の50%の流量)に設定される。これにより、冷凍機(16,23,33)を通過した水はPGタンク(41,42)へは流れない。そして、冷凍機(16,23,33)の冷却能力が上昇し始めると、それに従って温度センサ(83)の検出温度が低下し始める。そうすると、その検出温度の低下に従って、バイパス調整弁(82)の開度が絞られる。そして、温度センサ(83)の検出温度が設定値に達するまでにバイパス調整弁(82)は全閉となる。これにより、ある程度冷却された冷水をPGタンク(41,42)に供給することができる。一方、ポンプ(14,22,32)は、温度センサ(83)の検出温度が設定値よりも高い所定温度まで低下すると、徐々に流量が増大され、温度センサ(83)の検出温度が設定値に達した時点で定格流量になるように制御される。このように、冷凍機(16,23,33)の出口冷水温度が低下するに従って、バイパス調整弁(82)の開度が絞られ、且つ、ポンプ(14,22,32)の流量を増大される。これにより、PGタンク(41,42)における熱ロスを回避しながら、冷凍機(16,23,33)を出た水をバイパスさせることによるエネルギーロスをできるだけ減少させることができる。その結果、一層の省エネ化を図ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
以上説明したように、本発明は、ビール工場の製造機等を冷却するチリング式冷凍システムとして有用である。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】実施形態に係るチリング式冷凍システムの全体構成を示す配管系統図である。
【図2】第1運転モードの動作を示す配管系統図である。
【図3】第2運転モードの動作を示す配管系統図である。
【図4】第3運転モードの動作を示す配管系統図である。
【図5】第4運転モードの動作を示す配管系統図である。
【図6】コントローラの制御動作を示すフローチャートである。
【図7】コントローラの制御動作を示すフローチャートである。
【図8】コントローラの制御動作を示すフローチャートである。
【図9】実施形態の変形例に係るバイパス管を示す配管図である。
【図10】実施形態の変形例に係るバイパス管を示す配管図である。
【図11】実施形態の変形例に係るコントローラの起動制御を説明するための図である。
【符号の説明】
【0054】
1 チリング式冷凍システム
2 熱源側回路
3 利用側回路
2b 高段入口管(入口流路)
2e 低段出口管(出口流路)
22 中段ポンプ(ポンプ)
23 中段冷凍機(冷凍機)
24 第1中段開閉弁(流路切換手段)
26 第2中段開閉弁(流路切換手段)
32 低段ポンプ(ポンプ)
33 低段冷凍機(冷凍機)
34 第1低段開閉弁(流路切換手段)
36 第2低段開閉弁(流路切換手段)
41 高段PGタンク(冷却液タンク)
42 低段PGタンク(冷却液タンク)
81 バイパス管
82 バイパス調整弁(開閉弁)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷却液タンク(41,42)と、該冷却液タンク(41,42)の冷却液を負荷側との間で循環させる利用側回路(3)と、冷凍サイクルを行う複数の冷凍機(23,33)を有し且つ該冷凍機(23,33)との間で上記冷却液タンク(41,42)の冷却液を循環させて上記冷凍機(23,33)で冷却させるポンプ(22,32)を有する熱源側回路(2)とを備えたビール工場用のチリング式冷凍システムであって、
上記熱源側回路(2)は、上記冷却液タンク(41,42)の第1温度帯の冷却液に連通する入口流路(2b)と、上記冷却液タンク(41,42)の上記第1温度帯よりも低い第2温度帯の冷却液に連通する出口流路(2e)とを備えると共に、上記入口流路(2b)および出口流路(2e)の間において上記複数の冷凍機(23,33)が互いに直列に接続される状態と上記複数の冷凍機(23,33)が互いに並列に接続される状態とに切り換えるための冷却液の流路切換手段(24,26,34,36)を備えている
ことを特徴とするチリング式冷凍システム。
【請求項2】
請求項1において、
上記熱源側回路(2)は、上記冷凍機(23,33)の入口と出口とに繋がるバイパス管(81)と、該バイパス管(81)に設けられる開閉弁(82)とを備え、上記ポンプ(22,32)の起動時に上記開閉弁(82)を全開にするように構成されている
ことを特徴とするチリング式冷凍システム。
【請求項3】
請求項2において、
上記熱源側回路(2)は、上記ポンプ(22,32)の起動時に該ポンプ(22,32)の流量を定格流量よりも低くするように構成されている
ことを特徴とするチリング式冷凍システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−190517(P2010−190517A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−36847(P2009−36847)
【出願日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)
【出願人】(000000055)アサヒビール株式会社 (535)
【Fターム(参考)】