説明

テーブル

【課題】本発明は、横方向への直線レイアウトはもちろんのこと円形レイアウトやU字レイアウトなど種々レイアウトを簡単に行うことが可能なテーブルを提供するとともに、複数のテーブルを使用する際にも収納性が高く、未使用時のテーブルを効率よく収納することが可能なテーブルを提供することを課題とする。また、複数のテーブルを並べて配置した際にも隣り合う着座者との距離を適度に確保し、かつ隣り合う天板面を互いに有効活用することが可能なテーブルを提供することを課題とする。
【解決手段】上記課題を解決すべく、本発明の請求項1に記載の発明は、脚と天板とを有するテーブルにおいて、前記天板は平面視において前辺と後辺とが平行であり、少なくとも左右側辺の何れかが、前記前辺に直交する直線辺と、前記後辺に鈍角をもって交わる傾斜辺と、が連続する側辺であることを特徴とする、テーブルである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脚と天板とを有するテーブルに関し、複数のテーブルを種々レイアウトに並べることが可能なテーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ミーティングなどで用いられるテーブルの天板は、個々で使用する場合のみならず複数のテーブルを組み合わせて並べることで種々レイアウトが可能な構成とすべく、略三角形状や台形形状など様々な天板形状が用いられる。
【0003】
例えば、特許文献1に示すように、天板の左右側辺が斜めに切り欠かれた台形形状の天板を有するテーブルは、斜めに切り欠かれた天板の側辺同士を当接させて横方向に複数並べることで、複数のテーブルを略円弧状にレイアウトすることが可能である。また、特許文献2に示すように、天板形状の異なる2種類以上のテーブルを複数組み合わせることにより様々なテーブルレイアウトが可能である。
【0004】
このようなテーブルは、バリエーションに富んだレイアウトが可能となるばかりでなく、テーブルを使用する人数の変化に対しても幅広く対応できるため、例えば、複数人の会議など、使用する目的に応じて柔軟なレイアウトが可能である(特許文献3など)。
【0005】
【特許文献1】特開2003−9955号公報
【特許文献2】特開2004−089451号公報
【特許文献3】特開2004−337494号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1で示すように、台形形状の天板を有するテーブルは、天板の側辺が全辺にわたって斜めに切欠かれており、例えば、横方向に直線レイアウトを試みる場合、直線状に配列するためのガイドとなる直線状の側辺がなく、横方向への直線レイアウトが困難である。また、複数のテーブルを円形状に並べた際に、互いの天板における側辺の全体が当接することから着座者同士の距離が近く、肘がぶつかりやすい足元が触れやすいといった問題があった。
【0007】
他方、特許文献2で示すように、天板形状の異なる2種類のテーブルを組み合わせることで種々レイアウトを構築するテーブルの場合、テーブル収納時において、天板形状の異なるテーブルを効率よく収納することが困難であるばかりでなく、テーブル使用時に希望のレイアウトに配置すべく菱形や台形などの異なる形状の天板を複雑に組み合わせる必要があるため、レイアウトが難しいといった問題がある。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑み、横方向への直線レイアウトはもちろんのこと円形レイアウトやU字レイアウトなど種々レイアウトを簡単に行うことが可能なテーブルを提供するとともに、複数のテーブルを使用する際にも収納性が高く、未使用時のテーブルを効率よく収納することが可能なテーブルを提供することを課題とする。また、複数のテーブルを並べて配置した際にも隣り合う着座者との距離を適度に確保し、かつ隣り合う天板面を互いに有効利用することが可能なテーブルを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決すべく、本発明の請求項1に記載の発明は、脚と天板とを有するテーブルにおいて、前記天板は平面視において前辺と後辺とが平行であり、少なくとも左右側辺の何れかが、前記前辺に直交する直線辺と、前記後辺に鈍角をもって交わる傾斜辺と、が連続する側辺であることを特徴とする、テーブルである。
【0010】
当該構成によれば、横方向への直線レイアウトはもちろんのこと円形レイアウトやU字レイアウトなど、種々レイアウトを簡単に行うことが可能なテーブルを提供することが可能である。また、テーブルを並べて配置した際にも、隣り合う着座者との距離を適度に確保しつつ、隣り合う天板面を互いに有効活用することが可能なテーブルを提供することが可能である。さらには、従来の側辺全体が斜辺からなる台形形状の天板に比べ、側辺が直線辺と傾斜辺とを有することから、天板の面積を大きく損なうことがなく効率よく部材を削減することができるとともに天板の軽量化がはかれる効果がある。
【0011】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1記載のテーブルにおいて、前記左右の両側辺が、前記直線辺と前記傾斜辺とが連続する側辺であり、前記天板が六角形状をなすことを特徴とする。当該構成によれば、横方向への直線レイアウトはもちろんのこと円形レイアウトやU字レイアウトなど、種々レイアウトを簡単に行うことが可能なテーブルを提供することが可能である。
【0012】
また、テーブルを並べて配置した際にも、隣り合う着座者との距離を適度に確保し、かつ、隣り合う天板面を互いに有効活用することが可能なテーブルを提供することが可能である。特に、天板が左右対称の形状をなし、意匠性の高いテーブルを提供することが可能であるばかりでなく、進行方向に対して天板左右の角が落ちているので、移動時に他のモノにぶつける可能性が低くなる効果がある。
【0013】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1乃至2記載のテーブルにおいて、前記傾斜辺は、前記後辺に対して直角+15°の鈍角をもって交わることを特徴とする。当該構成によれば、互いの傾斜辺を当接させて並べることで、隣り合うテーブルとの角度が30°をなすため、4つのテーブルを互いの傾斜辺を合わせて並べる簡単な構成により、左右端のテーブルを90°の角度をもって配置することが可能である。
【0014】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3記載のテーブルにおいて、前記側辺における前記直線辺と前記傾斜辺とが略等しい辺長であることを特徴とする。当該構成によれば、互いの作業時に複数のテーブルを並べ合わせて使用する際にも、傾斜辺と傾斜辺、または傾斜辺と直線辺、さらには直線辺と直線辺の何れの側辺を当接させても、傾斜辺と直線辺とが等しい辺長のため、互いの天板面を無駄なく共有することが可能である。
【0015】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4記載のテーブルにおいて、前記天板は、水平状態と略垂直状態とに回動自在であり、かつ、前記略垂直状態において、複数の前記テーブルを前後方向へと密に重ね合わせることが可能である。
【0016】
当該構成によれば、複数のテーブルを密に重ね合わせて効率よく収納することが可能でありスペースの有効活用が可能である。また、テーブル収納時に、天板を垂直状態に保持した状態でテーブルを移動する際に、天板の傾斜辺が下方に位置するため、移動時における前方の障害物を認識しやすい効果がある。よって、テーブル移動時に、天板を椅子等の障害物にぶつけにくくテーブル収納時の安全性が向上する効果がある。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明のテーブル1が好適に用いられる一例としては、図1に示すように、作業面となる天板10と、当該天板10を支持するための前後の脚21,22からなる脚部20と、を有するテーブルであって、天板10の先端から下方にかけて垂下する、着座者の足元の一部を隠すためのパネル状の幕板30を有するテーブル1である。
【0018】
また、前記天板10を水平または略垂直に回動する図示しない天板回動機構を有し、後述する、テーブル収納時において、天板10を垂直に回動した状態で、複数のテーブル1を前後方向に密に重ね合わせて収納することが可能である。
【0019】
特に、本発明のテーブル1における前記天板は、当該天板の側辺13,14が連続する傾斜辺Sと直線辺Tとを有し、複数のテーブル1の傾斜辺Sと直線辺Tとを選択的に当接させて並べることで扇状(円弧状)や直線状にレイアウトすることが可能である。
【0020】
以下に、本発明のテーブル1の構成について詳述する。
まず、本発明のテーブル1の天板10は、図2(a)に示すように、平面視において、前辺11と後辺12とが平行であり、かつ、左右の側辺13,14が、(角部を除き)前記前辺11と略垂直に交差する直線辺Tと、(角部を除き)前記後辺12と鈍角θをもって交わる傾斜辺Sとが連続して形成される側辺13,14を有する。
【0021】
特に、前記側辺13,14が、直線辺Tと傾斜辺Sとを有することで、後述する、複数のテーブル1を横方向に並べた際に、前記傾斜辺同士Sを当接させて並べることにより、隣り合うテーブル1を横方向に扇状(円弧状)に並べることが可能であり、他方、前記直線辺同士Tを当接させて並べることにより、複数のテーブル1を横方向に直線状に並べることが可能である。
【0022】
次に、本発明のテーブル1は、図2(b)に示すように、当該テーブルの前面視において、前脚21の幅xと後脚22の幅yとが異なり、前脚21の幅xが後脚22の幅yより大である(x>y)。これにより、後述する、天板10を垂直に跳ね上げた状態で、前後方向に複数のテーブル1を密に重ね合わせて収納することが可能である。
【0023】
この場合、天板10を略垂直状態に起立させる必要があるが、本発明のテーブル1は、側面視において、図3(a)に示すように、天板直下に当該天板を回動するためのロックレバー15を有しており、当該ロックレバー15を上方へと持ち上げることにより、天板10の水平状態を維持するためのロックが解除され、天板10を上方向に回動させることが可能な構成である。
【0024】
また、天板10を支持する脚部20は、幕板方に位置する後脚22と、天板の前辺方に位置する前脚21とからなり、特に、前記後脚22は、図3(b)に示すように、幕板30の下方において内方へと屈曲した後、さらに下方にかけて垂下する構成である。
【0025】
これにより、前記後脚22が、前記幕板30の下方において前脚21より内方に位置する構成であり、後述するテーブル収納時において、前脚21の間に後脚22を挿入して、前後のテーブル1を密にネスティングすることが可能である。
【0026】
すなわち、本発明のテーブル収納時において、前記天板の下方に位置するロックレバー15を上方へと回動させることにより、天板の水平状態が解除され、当該天板10を上方へと回動することで、図4(a)に示すように、当該天板10が略垂直状態でロックされる構成である。
【0027】
このとき、図4(b)に示すように、テーブルの正面視において、前後の脚は、前脚21の幅xが、後脚の幅yおよび幕板30の幅より大きく(x>y)、テーブルの前脚間21へと他のテーブルの後脚22および幕板30を挿入することで、図5に示すように、複数のテーブル1,1を互いに密に重ね合わせた状態で収納することが可能である。
【0028】
また、収納時におけるテーブルを移動する際に、テーブルの天板10が略垂直状態に保持されるとともに天板10の傾斜辺Sが下方に位置するため、テーブル移動時における左右前方の視認性が向上する効果があり、移動方向の障害物を早期に発見することが可能である。
【0029】
次に、本発明のテーブル1を複数並べ合わせて種々レイアウトを構築する方法について説明する。
まず、天板10の側辺における前記傾斜辺Sを用いてレイアウトする構成について説明する。例えば、本発明のテーブルは、前記傾斜辺Sと前記後辺12とが直角+15°(すなわち、略105°)の鈍角θをもって交わっており、図6(a)(b)に示すように、中央のテーブル1の左右に、それぞれの傾斜辺Sを当接させてテーブル1を並べた場合、互いのテーブルの開き角θ’が30°となる。
【0030】
このとき、図6(b)に示すように、隣り合うテーブル1の着座者側に略三角形の空域Qが形成されるとともに、隣の着座者との間に適度な距離を形成することが可能である。よって、作業時に互いの肘や脚が当りにくく互いの作業を快適に行うことが可能である。
【0031】
次に、さらに複数のテーブル1を互いの傾斜辺Sを当接させて並べた場合、図7(a)に示すように、複数のテーブル1を略円形にレイアウトすることが可能である。
例えば、前記傾斜辺と前記後辺とが交わる角度が略105°の鈍角θの場合、図7(b)に示すように、12台のテーブルを互いに傾斜辺を当接させた状態で横方向に並べることで略円形のテーブルレイアウトを容易に形成することが可能である。また、この場合も、隣り合う着座者との間に適度な距離を形成することが可能であることはいうまでもない。
【0032】
さらに、本発明のテーブル1は、天板10の左右側辺における傾斜辺Sと直線辺Tとを選択的に当接させることで、例えば、図8に示すように、直線状のレイアウトと円弧状のレイアウトとを選択的に組み合わせて簡単にU字レイアウトを形成することが可能である。特に、傾斜辺Sと傾斜辺S、または傾斜辺Sと直線辺T、さらには直線辺Tと直線辺Tの何れの側辺を当接させても、傾斜辺Sと直線辺Tとが等しい辺長のため、互いの天板面を無駄なく共有することが可能である。
【0033】
このように、本発明のテーブル1は、天板10の左右側辺における傾斜辺Sと直線辺Tとを選択的に当接させることで、種々レイアウトを構築することが可能であり、例えば、図9に示すように、略直方体状(複数のテーブルで4辺を形成し、かつ角部を円弧状に形成するレイアウト)や図示しない三角形状やW形状などにレイアウトすることが可能である。
【0034】
上記例では、テーブル1の左右側辺それぞれに直線辺Tと傾斜辺Sを有する構成を示したが、これに限らず、直線辺Tと傾斜辺Sからなる側辺を少なくとも左右側辺の何れかに有すればよく、この場合も、上記同様の効果を奏することが可能である。また、後辺と傾斜辺とが直角+15°の角度をもって接する例を示したが、これに限らず、例えば、直角+30°の角度をもって当接する構成であってもよく、傾斜辺同士を当接させてテーブルを並べた際に、隣り合うテーブルが60°の角度をもって配置されるため、4つのテーブルを並べることで左右端のテーブルが互いに向かい合うレイアウトを形成することが可能であり、少人数のミーティングなどで好適に使用可能である。
【0035】
以上のように、本発明のテーブル1は、天板10の側辺部分を選択的に当接させることで横方向への直線レイアウトはもちろんのこと円形レイアウトやU字レイアウトなど、種々レイアウトを簡単に行うことが可能なテーブルを提供することが可能である。また、複数のテーブル1を使用する際にも収納性が高く、未使用時の複数テーブル1を効率よく収納することが可能である。さらには、複数のテーブル1を並べて配置した際にも、隣り合う着座者との距離を適度に確保しつつ、隣り合う天板面を互いに有効活用することが可能なテーブル1を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明のテーブルを示す(a)略正面図(b)略背面図である。
【図2】本発明のテーブルを示す(a)平面図(b)正面図である。
【図3】本発明のテーブルを示す(a)側面図(b)背面図である。
【図4】本発明のテーブルの別の状態を示す(a)側面図(b)正面図である。
【図5】本発明のテーブルを重ね合わせた状態を示す斜視図である。
【図6】本発明のテーブルを複数並べた状態を示す(a)平面図(b)斜視図である。
【図7】本発明のテーブルを複数並べた状態を示す(a)平面図(b)斜視図である。
【図8】本発明のテーブルを複数並べた状態の別の例を示す斜視図である。
【図9】本発明のテーブルを複数並べた状態のさらに別の例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0037】
1 テーブル
10 天板
11 前辺
12 後辺
13 側辺(左辺)
14 側辺(右辺)
15 ロックレバー
20 脚部
21 前脚
22 後脚
30 幕板
S 傾斜辺
T 直線辺

【特許請求の範囲】
【請求項1】
脚と天板とを有するテーブルにおいて、前記天板は平面視において前辺と後辺とが平行であり、少なくとも左右側辺の何れかが、前記前辺に直交する直線辺と、前記後辺に鈍角をもって交わる傾斜辺と、が連続する側辺であることを特徴とする、テーブル。
【請求項2】
前記左右の両側辺が、前記直線辺と前記傾斜辺とが連続する側辺であり、前記天板が六角形状をなすことを特徴とする、請求項1記載のテーブル。
【請求項3】
前記傾斜辺は、前記後辺に対して直角+15°の鈍角をもって交わることを特徴とする、請求項1又は2何れかに記載のテーブル。
【請求項4】
前記側辺における前記直線辺と前記傾斜辺とが略等しい辺長であることを特徴とする、請求項1乃至3記載のテーブル。
【請求項5】
前記天板は、水平状態と略垂直状態とに回動自在であり、かつ、前記略垂直状態において、複数の前記テーブルを前後方向へと密に重ね合わせることが可能な、請求項1乃至4記載のテーブル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−187336(P2012−187336A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−54937(P2011−54937)
【出願日】平成23年3月14日(2011.3.14)
【出願人】(000000561)株式会社岡村製作所 (1,415)