説明

ディスペンサ、ならびにディスペンサに関する機能的操作およびタイミング制御の改良

容器を含むディスペンシング・ユニットに電源を印加するステップと、電源を印加したことに応答してスタートアップ手順を実行するステップとを含む、ディスペンシング・ユニットを操作する方法。スタートアップ手順は、容器から流体を排出するアクティブ化シーケンスを実行することを含む。本方法は、スタートアップ手順の後に、ロックアウト期間を提供することなく、アクティブモード手順を実行するステップをさらに含む。アクティブモード手順は、ディスペンシング・ユニットに関連付けられたモーションセンサをアクティブ化すること、モーションセンサがモーションを検知したときに容器から流体を排出するアクティブ化シーケンスを実行すること、および移行手順を実行することを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
該当なし
【0002】
連邦政府資金援助研究開発に関する参照
該当なし
【0003】
シーケンスリスト
該当なし
【0004】
本開示は、容器から揮発性物質を排出するためのディスペンサと、そのディスペンサを操作するための方法に関する。
【背景技術】
【0005】
香水、脱臭剤、殺虫剤、昆虫駆除剤などのような揮発性物質を拡散させるために、拡散デバイスまたはディスペンサが使用される。多くのそのようなデバイスは、揮発性物質を拡散させるためには外気の流れのみを必要とする受動的拡散デバイスである一方、他のデバイスは、能動的拡散デバイスである。能動的拡散デバイスには様々な形態があるが、揮発性物質の拡散を補助するためにファンおよび/またはヒーターを含むものや、エアゾール容器のバルブステムを作動させてその中に含有された揮発性物質を拡散させるものがあり、さらに、超音波トランスデューサを利用して液体揮発性物質を液滴化して当該デバイスから放出させるものや、上記のまたは任意の他の既知のタイプの能動的拡散デバイスの任意の組合せもある。そのようなデバイスの様々な例は、Helfらの米国特許出願第11/401,572号、Belandらの米国特許出願第11/801,554号、Helfらの米国特許出願第11/893,456号、Helfらの米国特許出願第11/893,476号、Helfらの米国特許出願第11/893,489号、Helfらの米国特許出願第11/893,532号、Sipinskiらの米国特許出願第12/080,336号、Sipinskiらの米国特許出願第12/157,705号、Pedrottiらの米国特許第6,917,754号、Schwarzの米国特許第7,540,473号に見ることができ、これらの特許出願および特許の全体は、参照として本明細書に組み込まれる。さらに、いくつかの能動的拡散デバイスは、空間でのモーション(motion)および光を検知するためのセンサを含み、そのようなデバイスは、センサからの信号に応答して、揮発性物質を放出する。
【0006】
センサを備えた初期の拡散デバイスは、悪臭を除去するための香水や脱臭剤を放出して化粧室のような場所で使用され、あらかじめ規定された操作方法にしたがって動作するように開発された。しかしながら、拡散デバイスを他の環境、たとえば、居間、事務所、工場フロア、屋外区域などで使用すべき必要性が生じたときには、化粧室で使用するために開発された先行技術のデバイスは、新しい環境で利用するために必要な多様性を欠いていることが分かった。その結果、ユーザ体験を向上させることができ、ユーザが、様々な環境における芳香剤の拡散を制御することができるようにするためのディスペンサが必要になった。本開示は、そのようなニーズに対処するための解決策に関する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許出願第11/401,572号
【特許文献2】米国特許出願第11/801,554号
【特許文献3】米国特許出願第11/893,456号
【特許文献4】米国特許出願第11/893,476号
【特許文献5】米国特許出願第11/893,489号
【特許文献6】米国特許出願第11/893,532号
【特許文献7】米国特許出願第12/080,336号
【特許文献8】米国特許出願第12/157,705号
【特許文献9】米国特許第6,917,754号
【特許文献10】米国特許第7,540,473号
【特許文献11】米国特許出願第11/725,402号
【発明の概要】
【0008】
1つの実施形態によれば、ディスペンシング・ユニット(dispensing unit)を操作する方法は、容器を含むディスペンシング・ユニットに電源を印加するステップと、電源を印加したことに応答してスタートアップ手順を実行するステップとを含む。スタートアップ手順は、容器から流体(fluid)を排出(discharge)するアクティブ化シーケンス(activation sequence)を実行することを含む。本方法は、スタートアップ手順の後に、ロックアウト期間を提供することなく、アクティブモード手順を実行するステップをさらに含む。アクティブモード手順は、ディスペンシング・ユニットに関連付けられたモーションセンサをアクティブ化すること、モーションセンサがモーションを検知したときに容器から流体を排出するアクティブ化シーケンスを実行すること、および移行(transition)手順を実行することを含む。
【0009】
別の実施形態によれば、ディスペンシング・ユニットは、容器および電源を収納するように適合されたハウジングと、ハウジングに関連付けられたモーションセンサ、入力デバイス、およびコントローラを含む。コントローラは、電源がコントローラに印加されたことに応答してスタートアップ手順を実行するように構成される。スタートアップ手順は、容器から流体を排出するアクティブ化シーケンスを実行することを含む。コントローラは、スタートアップ手順の後に、ロックアウト期間を提供することなく、アクティブモード手順を実行するようにさらに構成される。アクティブモード手順は、モーションセンサをアクティブ化すること、モーションセンサがモーションを検知したときに、容器から流体を排出するアクティブ化シーケンスを実行すること、および移行手順を実行することを含む。
【0010】
さらなる実施形態によれば、ディスペンシング・ユニットを操作する方法は、容器を含むディスペンシング・ユニットに電源を印加するステップと、電源を印加したことに応答してスタートアップ手順を実行するステップとを含む。スタートアップ手順は、約5秒のスリープ期間を提供すること、およびスリープ期間が経過した直後に、容器から流体を排出するアクティブ化シーケンスを実行することを含む。本方法は、スタートアップ手順の後にアクティブモード手順を実行するステップをさらに含む。アクティブモード手順は、ディスペンシング・ユニットに関連付けられたモーションセンサをアクティブ化すること、モーションセンサがモーションを検知したときに、容器から流体を排出するアクティブ化シーケンスを実行すること、および移行手順を実行することを含む。移行手順は、モーションセンサが非アクティブ化されているタイムアウト期間を提供すること、タイムアウト期間中に1つまたは複数の自動アクティブ化シーケンスを実行すること、およびタイムアウト期間の経過後に後続のアクティブモード手順を実行することを含む。
【0011】
以下の詳細な説明を考慮すると、本発明の他の態様および利点が明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】ディスペンサの1つの実施形態のブロック図である。
【図2】別の実施形態によるディスペンサの等角図である。
【図3】図1および/または図2のディスペンサによって実行され得るプログラミングを示すフローチャートである。
【図4】図3のプログラミングの別の実施形態を示すフローチャートであり、スタートアップ手順のさらなる詳細が含まれている。
【図5】図1および/または図2のディスペンサのアクティブモード手順中に実行され得るプログラミングを示すフローチャートである。
【図6】図5のアクティブモード手順の別の実施形態を示すフローチャートである。
【図7】図5のアクティブモード手順のさらなる実施形態を示すフローチャートである。
【図8】図5のアクティブモード手順のさらに別の実施形態を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、マイクロプロセッサ22と、電源24と、モータ26と、センサ28と、スイッチ、ダイヤル、キーパッド、プッシュボタンなどのような1つまたは複数の入力デバイス30と、光源32(たとえば、発光ダイオード(「LED」)とを含むデバイス20を示す。電源24は、マイクロプロセッサ22および他の構成要素に電力を供給し、マイクロプロセッサ22は、他の構成要素にさらに結合され、それらの動作を制御するためのプログラミングを実行する。1つの実施形態では、マイクロプロセッサ22は、アメリカ合衆国、95131、カリフォルニア州サンホセ、オーチャードパークウェイ2325のAtmel Corporationによって製造されるようなATtiny13Vベースのマイクロコントローラであってもよい。ただし、当業者に知られている任意のタイプのマイクロコントローラを、本出願の実施形態ともに使用し得ることが企図される。
【0014】
図2に、エアゾール容器42の含有物を拡散させるためのディスペンサ40として実装される、図1のデバイス20の一実施形態を示す。ディスペンサ40は、Carpenterらの米国特許出願第11/725,402号に記載されたデバイスのうちの1つとしてもよく、当該米国特許出願の全体は、参照として本明細書に組み込まれる。ディスペンサ40は、エアゾール容器42およびバッテリー46を収納するように適合されたハウジング44を含む。加えて、ディスペンサ40は、セレクタスイッチ30aと、プッシュボタン30bと、アクチュエータアーム(actuator arm)52とを含む。ディスペンサ40は、また、回路と、マイクロプロセッサ22と、モータ26と、LED32と、センサ28とを含み、それらはハウジング44内に設けられ、図1に全体的に示されている。
【0015】
マイクロプロセッサ22は、アクチュエータアーム52を作動させるために、噴霧動作中、モータ26を制御し、それにより、エアゾール容器42のバルブステム(valve stem)54が押下されて、エアゾール容器42から含有物を拡散する。マイクロプロセッサ22は、スイッチ30a、プッシュボタン30b、タイマー、またはセンサ28によって発生された信号に応答して、噴霧動作を開始するためのプログラミングを含む。タイマーは、マイクロプロセッサ22に実装してもよく、または別個の構成要素として実装してもよい。たとえば、1つの実施形態では、マイクロプロセッサ22は、時限式の自動アクチュエーションモード(timed automatic actuation mode)でディスペンサ40を制御するためのプログラミングを含み、ディスペンサ40は、指定された時間の間隔、たとえば、30分ごとに噴霧動作を実行する。あるいは、前述の実施形態とあわせて、マイクロプロセッサ22は、センサ28、セレクタスイッチ30aおよび/またはプッシュボタン30bからの信号に応答して噴霧動作を実行するようにプログラムされてもよい。
【0016】
単に例示を目的として、ディスペンサ40の動作の1つの具体的な実施形態について、その特殊性とともに説明する。図2を再び参照すると、本実施形態では、セレクタスイッチ30aは、ディスペンサ40をオンおよびオフし、時限モード、感知モード、時限/感知混合モード、ならびにその他のユーザ選択可能な、またはあらかじめプログラムされた機能モードおよびタイミング・シーケンスを含み得る、様々な動作モードから選択されて使用される。LED32は、ディスペンサ40がオンであり、正常な状態で動作していることを表示し、および/またはディスペンサ40が噴霧動作を実行しようとしているという警告を与えるために、閃光(flash)を発するように、継続的に通電され、または通電されて非通電(de−energized)となる。エアゾール容器42を手動で作動させるために、プッシュボタン30bが設けられ、ディスペンサ40がオフのときを除いて、いつでも噴霧動作を生じさせるために、プッシュボタン30bをユーザが押下することができる。プッシュボタン30bにより、ユーザは、手動でデバイス40の自動作動を無効とする(override)ことができるようになる。本実施形態のセンサ28は、モーションを検知するために使用することができるフォトセル光センサ(photocell light sensor)である。ただし、任意の他のタイプのモーション検知器を、たとえば、受動赤外線または焦電モーションセンサ、赤外線反射モーションセンサ、超音波モーションセンサ、あるいはレーダまたはマイクロ波無線モーションセンサを用いてもよい。さらに、センサ28は、任意の他のタイプの既知のセンサ、たとえば、熱センサまたは臭気センサと置換しても、それらと組み合わせて使用してもよい。
【0017】
図3を参照すると、ディスペンサ40を制御するためのマイクロプロセッサ22によって実装されるプログラミングは、セレクタスイッチ30aをオン位置に切り替えたときに、あるいは、セレクタスイッチ30aが設けられていない場合には、新しいバッテリー46がデバイス40に挿入されたときに、リセット/スタートアップブロック60において開始する。ブロック60の後、制御はブロック62に進み、スタートアップ手順が実行され、その後、制御は、いかなるロックアウト期間もなしにブロック64に直接進み、本明細書でさらに詳細に後述されるように、アクティブモード手順が実行される。
【0018】
図4は、スタートアップ手順62の1つの実施形態によるさらなる詳細を提供するプログラミングを示し、制御はブロック70で開始して、たとえば、LED32に通電することによって、ディスペンサ40がオンであるという表示が提供される。次に、制御は遅延ブロック72に進み、制御は、所定の時間期間、たとえば、約5秒にわたって一時停止する。遅延ブロック72に続いて、制御はブロック74に進み、アクティブ化シーケンスが差し迫っているという警告または通知が発行される。本実施形態では、警告は、LED32の閃光または点滅であり、マイクロプロセッサ22は、短い時間の期間内に、たとえば、3秒以内に3回以上、LED32に通電して非通電となる。ただし、他の実施形態では、警告は、可視的な警告、可聴的な警告、触覚的な警告、臭覚的な警告、または当業者には明らかであろう任意の他の警告の任意の組合せとすることができる。ブロック74に続いて、プログラミングは、アクティブ化シーケンスを実行する。本実施形態では、アクティブ化シーケンスは、ブロック76、78および80を含む噴霧動作である。より詳細には、噴霧動作は、ブロック76で始まり、エアゾール容器42のバルブステム54を押下して開位置にするように、アクチュエータアーム52を下向きに動かすために、モータ26に通電する。モータ26は、ブロック78において、非通電となる。その後、押下されていない閉位置まで動かす際にバルブステム54を補助するために、ブロック80において反対方向にアクチュエータアーム52を動かすように、モータ26に通電する。1つの実施形態では、ブロック76の間、約1秒にわたってモータ26に通電し、ブロック78の間、約150ミリ秒にわたって、モータ26が非通電となり、ブロック80の間、約400ミリ秒にわたってモータ26に通電する。本実施形態のアクティブ化シーケンスの修正形態は、当業者には明らかとなるように、同じまたは異なる複数のステップの任意のシーケンスを含むことができる。
【0019】
遅延ブロック72を再び参照すると、アクティブ化警告およびアクティブ化シーケンスが実行される前に、約5秒以下の比較的短い遅延が生じる。この実施形態では、遅延が短いことにより、ユーザは、ディスペンサ40が適切に機能していることを、たとえば、構成要素のすべてが、適切に結合され、機能していること、および容器42の含有物が枯渇していないことを迅速に判断することができるようになる。したがって、ユーザが、ディスペンサが適切に機能していることを確認できるようになるまでに、より長い期間にわたって待たなければならない他のディスペンサよりも優れた、ディスペンサ40との改善されたユーザインタラクションが提供される。
【0020】
図5は、アクティブモード手順64中に実行されるプログラミングの一実施形態を示す。ブロック90において、ディスペンサ40は、ディスペンサ40がアクティブモードであるという表示を提供するために、LED32をオンにする。その後、制御は決定ブロック92に進み、プログラミングは、モーションが検知されるかどうかを判断するために、センサ28をアクティブ化する。モーションが検知されない場合、制御はブロック90に戻り、続いて、再びブロック92に進む。しかしながら、モーションが検知された場合には、制御はブロック94に進んで、アクティブ化シーケンスを実行するが、このアクティブ化シーケンスは、図4に関して上述したアクティブ化シーケンスと同じでも、またはそれとは異なってもよい。アクティブ化シーケンスが実行された後、制御はブロック96に進んで、ユーザ選択可能なまたはあらかじめプログラムされた移行手順を実行し、その後、制御はブロック90にループバック(loop back)する。
【0021】
図6〜図8は、図5のブロック96の移行手順の様々な非限定的な実施形態の詳細を提供する。図6では、移行手順は、ロックアウトモードを行うブロック100および102を含み、センサ28が非アクティブ化され、ディスペンサは、モーションの検知に応答して、アクティブ化シーケンスを実行しないようにする。ただし、プッシュボタン30bが押下された場合には、依然として、アクティブ化シーケンスを実行することができる。決定ブロック102は、ロックアウトモード中に経過した時間が、ある特定のロックアウト期間Xに達したかどうかを判断する。ロックアウト期間Xが経過した場合、制御はブロック90〜94に進んで、モーションに応答して、アクティブ化シーケンスを実行すべきかどうかを判断する。ロックアウト期間Xが経過していない場合、制御は、ブロック100のロックアウトモードにループバックする。1つの実施形態では、ユーザは、ロックアウト期間Xの長さを選択するために、スイッチ30aのような入力デバイスを使用することができる。たとえば、ユーザは、様々な大きさの部屋またはユーザの好みに対応させて、5分、20分、30分、60分などに及ぶ様々なロックアウト期間を選択することができる。異なる実施形態では、ロックアウト期間は、あらかじめプログラムされた期間とすることができる。
【0022】
図7では、移行手順は、ブロック110〜116を含む。より詳細には、ブロック110において、制御は、上述のようなロックアウトモードを実装する。しかしながら、本実施形態では、制御は、ロックアウト期間中に、1つまたは複数の自動アクティブ化シーケンスを実行する。たとえば、決定ブロック112は、ロックアウトモード中の経過時間が、時間Xに等しいかどうかを判断し、時間Xに等しい場合には、制御はブロック114に進んで、アクティブ化シーケンスを実行する。ブロック114の後、制御はブロック110に戻り、続いて、ブロック112に進む。経過時間がXに等しくないとブロック112が判断した場合には、制御はブロック116に進み、経過時間が、本実施形態において総ロックアウト期間を表すYに等しいかどうかが判断される。経過時間が総ロックアウト期間Yに達していない場合、制御はブロック110に進み、ロックアウト期間Yが経過した場合には、制御はブロック90に戻る。1つの実施形態では、ユーザは、総ロックアウト期間の長さ、ロックアウト期間中の自動アクティブ化シーケンスの回数、および(1つまたは複数の)自動アクティブ化シーケンスが実行される時間を選択するために、スイッチ30aのような入力デバイスを使用することができる。1つの例では、ユーザは、30分のロックアウト期間と、15分でロックアウト期間に入る単一の自動アクティブ化シーケンスとを選択する。別の例では、ユーザは、60分のロックアウト期間と、20分でロックアウト期間に入る第1の自動アクティブ化シーケンスおよび40分でロックアウト期間に入る第2の自動アクティブ化シーケンスとを選択する。さらなる例では、ユーザは、40分のロックアウト期間と、10分でロックアウト期間に入る単一のアクティブ化シーケンスとを選択する。異なる実施形態では、総ロックアウト期間、自動アクティブ化シーケンスの回数、および自動アクティブ化シーケンスが実行される時間のうちの1つまたは複数を、あらかじめプログラムすることができる。
【0023】
図8では、移行手順は、ブロック130〜138を含む。より詳細には、ブロック92においてモーションが検知されない場合、制御は、上述のように、ブロック90に戻る。しかしながら、ブロック92においてモーションが検知された場合には、制御はブロック130に進み、モーションが検知され、アクティブ化または噴射シーケンスが実行された回数を判断する。モーションが検知され、アクティブ化シーケンスが実行された回数がX回の場合、制御はブロック132に進み、別のアクティブ化シーケンスが実行され、その後、制御は、ブロック136および決定ブロック138のロックアウトモードに進む。決定ブロック138は、上述のように、ロックアウト期間が経過したかどうかを判断する。ブロック130を再び参照すると、モーションが検知され、アクティブ化シーケンスが実行された回数がX回でない場合、制御はブロック132に進み、アクティブ化シーケンスが実行され、その後、制御はブロック90に戻る。本実施形態では、制御は、第2の、または後続のモーション検知/アクティブ化シーケンスが実行されるまで、ロックアウトモードを実行しない。ユーザは、ロックアウトモードに入る前に実行されるべきモーション検知/アクティブ化シーケンスの回数を選択するために、スイッチ30aのような入力デバイスを使用することができる。たとえば、ユーザは、第2、第3、第4などのモーション検知/アクティブ化シーケンスが実行された後にのみ、制御がロックアウトモードを実行するように、スイッチ30aを設定することができる。他の実施形態では、ロックアウトモードに入る前に実行されるべきモーション検知/アクティブ化シーケンスの回数は、あらかじめプログラムされる。
【0024】
図3〜図8に関して記載される実施形態では、プログラミングは、スタートアップ手順の後に、いかなるロックアウト期間もなしにアクティブモードを実行し、それにより、ユーザは、ロックアウト期間の経過を待つことなく、アクティブモードの動作に基づいて、センサを実行することができるようになる。したがって、ユーザは、ディスペンサの起動後すぐに、センサの適切な動作を確認することができる。たとえば、スタートアップ手順が実行された後、ユーザは、アクティブ化シーケンスをトリガさせるためにセンサの前で手を振ることによって、センサを即座に試験することができる。さらに、ユーザは、センサから様々な距離で、および/または様々な速度/振幅で手を振ることによって、センサの感度を即座に試験することができる。その結果、ユーザは、室内におけるディスペンサの好ましい配置を、迅速に、かつ簡便に判断することができる。
【0025】
本開示の趣旨から逸脱することなく、上記実施形態に対して様々な修正を行うことができる。たとえば、ユーザは、モーションが感知されるたびに実行されるアクティブ化シーケンスの回数を、たとえば、モーションが検知されるたびに、1回、2回、または3回アクティブ化するように調節するために、スイッチ30aを使用することができる。別の例によれば、ユーザは、スタートアップ手順とアクティブモードの間のロックアウト期間を、たとえば、0〜20分まで調節するために、スイッチ30aを使用することができる。さらに、前述された実施形態の各々の個々の特徴の可能な異なる組み合わせおよび様々な組合せをすべて含む本開示の他の実施形態は、本明細書に具体的に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本明細書に記載されたディスペンサにより、有利にも、ユーザが、異なる室内状態、環境状態、および個人の趣向に適応するように調節することができる方法で容器の含有物を雰囲気中に噴霧することができるようになる。
【0027】
当業者には、前述の説明を鑑みると、本発明の数多くの修正形態が明らかになろう。したがって、本明細書は、単に例示として解釈されるべきであり、当業者が本発明を実施および使用できるようにすること、ならびに本発明を実施する最良の形態を教示することを目的として、提示されるものである。添付の特許請求の範囲に含まれるすべての修正形態に関する排他的権利が保持される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスペンシング・ユニットを操作する方法であって、
容器を含むディスペンシング・ユニットに電源を印加するステップと、
前記電源を印加したことに応答してスタートアップ手順を実行するステップであって、前記スタートアップ手順が、前記容器から流体を排出するアクティブ化シーケンスを実行することを含む、スタートアップ手順を実行するステップと、
前記スタートアップ手順の後に、ロックアウト期間を提供することなく、アクティブモード手順を実行するステップであって、前記アクティブモード手順が、前記ディスペンシング・ユニットに関連付けられたモーションセンサをアクティブ化すること、前記モーションセンサがモーションを検知したときに前記容器から前記流体を排出するアクティブ化シーケンスを実行すること、および移行手順を実行することを含む、アクティブモード手順を実行するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記移行手順を実行する前記ステップが、前記モーションセンサが非アクティブ化されているロックアウト期間を提供すること、および前記ロックアウト期間の経過後に後続のアクティブモード手順を実行することを含み、前記ロックアウト期間の長さがユーザによって選択可能である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記移行手順を実行する前記ステップが、前記モーションセンサが非アクティブ化されているタイムアウト期間を提供すること、前記タイムアウト期間中に1つまたは複数の自動アクティブ化シーケンスを実行すること、前記タイムアウト期間の経過後に後続のアクティブモード手順を実行することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
ユーザが、前記タイムアウト期間の長さ、前記タイムアウト期間中の自動アクティブ化シーケンスの回数、および前記タイムアウト期間中の前記1つまたは複数の自動アクティブ化シーケンスのタイミングのうちの1つまたは複数を選択することができる、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記移行手順を実行する前記ステップが、前記モーションセンサが後続のモーションを検知したことに応答して後続のアクティブ化シーケンスを実行すること、および1つまたは複数の後続のアクティブ化シーケンスを実行した後にのみ、前記モーションセンサが非アクティブ化されているタイムアウト期間を提供することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
ユーザが、前記タイムアウト期間を提供する前に実行されるべき後続のアクティブ化シーケンスの回数を選択することができる、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記移行手順を実行する前記ステップが、モーションが感知されるたびに1つまたは複数のアクティブ化シーケンスを実行することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
ユーザが、モーションが感知されるたびに実行されるアクティブ化シーケンスの回数を選択することができる、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記スタートアップ手順を実行する前記ステップが、前記ディスペンシング・ユニットが適切に機能しているという表示を提供するステップ、約5秒持続するスリープ期間を提供するステップ、前記アクティブ化シーケンスを実行するところであるという表示を提供するステップ、および前記アクティブ化シーケンスを実行するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
容器および電源を収納するように適合されたハウジングと、
前記ハウジングと関連付けられたモーションセンサ、入力デバイス、およびコントローラと
を備えるディスペンシング・ユニットであって、
前記コントローラが、前記電源を前記コントローラに印加したことに応答してスタートアップ手順を実行するように構成され、前記スタートアップ手順が、前記容器から流体を排出するアクティブ化シーケンスを実行することを含み、
前記コントローラが、前記スタートアップ手順の後に、ロックアウト期間を提供することなく、アクティブモード手順を実行するようにさらに構成され、前記アクティブモード手順が、前記モーションセンサをアクティブ化すること、前記モーションセンサがモーションを検知したときに、前記容器から前記流体を排出するアクティブ化シーケンスを実行すること、および移行手順を実行することを含む、
ディスペンシング・ユニット。
【請求項11】
前記移行手順が、前記モーションセンサが非アクティブ化されているロックアウト期間を提供すること、および前記ロックアウト期間の経過後に後続のアクティブモード手順を実行することを含み、前記ロックアウト期間の長さが、ユーザによって選択可能である、請求項10に記載のディスペンシング・ユニット。
【請求項12】
前記移行手順が、前記モーションセンサが非アクティブ化されるタイムアウト期間を提供すること、前記タイムアウト期間中に1つまたは複数の自動アクティブ化シーケンスを実行すること、および前記タイムアウト期間の経過後に後続のアクティブモード手順を実行することを含む、請求項10に記載のディスペンシング・ユニット。
【請求項13】
ユーザが、前記タイムアウト期間の長さ、前記タイムアウト期間中の自動アクティブ化シーケンスの回数、および前記タイムアウト期間中の前記1つまたは複数の自動アクティブ化シーケンスのタイミングのうちの1つまたは複数を選択するために、前記入力デバイスを利用することができる、請求項12に記載のディスペンシング・ユニット。
【請求項14】
前記移行手順が、前記モーションセンサが後続のモーションを検知したことに応答して後続のアクティブ化シーケンスを実行すること、および1つまたは複数の後続のアクティブ化シーケンスが実行された後にのみ、前記モーションセンサが非アクティブ化されているタイムアウト期間を提供することを含む、請求項10に記載のディスペンシング・ユニット。
【請求項15】
ユーザが、前記タイムアウト期間を提供する前に実行されるべき後続のアクティブ化シーケンスの回数を選択するために、前記入力デバイスを利用することができる、請求項14に記載のディスペンシング・ユニット。
【請求項16】
前記移行手順が、モーションが感知されるたびに1つまたは複数のアクティブ化シーケンスを実行することを含む、請求項10に記載のディスペンシング・ユニット。
【請求項17】
ユーザが、モーションが感知されるたびに実行されるアクティブ化シーケンスを選択するために、前記入力デバイスを利用することができる、請求項16に記載のディスペンシング・ユニット。
【請求項18】
前記スタートアップ手順が、前記ディスペンシング・ユニットが適切に機能しているという表示を提供すること、約5秒のスリープ期間を提供すること、アクティブ化シーケンスを実行するところであるという表示を提供すること、およびアクティブ化シーケンスを実行することをさらに含む、請求項10に記載のディスペンシング・ユニット。
【請求項19】
ディスペンシング・ユニットを操作する方法であって、
容器を含むディスペンシング・ユニットに電源を印加するステップと、
前記電源を印加したことに応答してスタートアップ手順を実行するステップであって、前記スタートアップ手順が、約5秒のスリープ期間を提供すること、および前記スリープ期間が経過した直後に、前記容器から流体を排出するアクティブ化シーケンスを実行することを含む、スタートアップ手順を実行するステップと、
前記スタートアップ手順の後にアクティブモード手順を実行するステップであって、前記アクティブモード手順が、前記ディスペンシング・ユニットに関連付けられたモーションセンサをアクティブ化すること、前記モーションセンサがモーションを検知したときに、前記容器から前記流体を排出するアクティブ化シーケンスを実行すること、および移行手順を実行することを含む、アクティブモード手順を実行するステップと
を含み、
前記移行手順が、前記モーションセンサが非アクティブ化されているタイムアウト期間を提供すること、前記タイムアウト期間中に1つまたは複数の自動アクティブ化シーケンスを実行すること、および前記タイムアウト期間の経過後に後続のアクティブモード手順を実行することを含む、
方法。
【請求項20】
前記アクティブモード手順が、前記スタートアップ手順の後に、前記タイムアウト期間なしに実行され、前記ユーザが、前記タイムアウト期間の長さ、前記タイムアウト期間中の自動アクティブ化シーケンスの回数、前記タイムアウト期間中の前記1つまたは複数の自動アクティブ化シーケンスのタイミングのうちの1つまたは複数を選択することができる、請求項19に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2013−509292(P2013−509292A)
【公表日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−536788(P2012−536788)
【出願日】平成22年10月26日(2010.10.26)
【国際出願番号】PCT/US2010/002835
【国際公開番号】WO2011/056199
【国際公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【出願人】(500106743)エス.シー. ジョンソン アンド サン、インコーポレイテッド (168)
【Fターム(参考)】