説明

ディスポーザ

【課題】蓋に発光体が設けられており、ディスポーザの作動状況を発光表示したり、ディスポーザ内部を蓋に設けた紫外線発光体から紫外線照射したりすることができるディスポーザを提供する。
【解決手段】ディスポーザ1は、上部に設けられた取付筒2と、この取付筒2にジョイントパッキン3を介して連なるケース4と、取付筒2の内側の投入口に着脱された蓋5とを有する。蓋5を装着し、ディスポーザ用スイッチをONとすると、1次コイル11に交流が流れ、2次コイル12に誘導電流が生じ、可視光LED6及びUVLED7が点灯する。上面側のLED6が点灯することにより、ディスポーザ1に通電中であることが視認される。UVLED7が点灯すると、紫外線がディスポーザ1内に照射され、ディスポーザ1内が殺菌されると共に、光触媒作用により活性酸素が発生し、付着有機物が酸化分解される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はシンクに取り付けられ、生ゴミを解砕又は脱水するディスポーザ(生ゴミ処理機)に関する。
【背景技術】
【0002】
上部の投入口から内部に投入された生ゴミを細かく解砕して排水管へ流すようにしたディスポーザは、インペラをモータで回転させ、ケース内面とインペラとの間で生ゴミを摩砕したり、あるいはインペラの遠心力によって生ゴミをケース内面に叩き付けたりすることによって生ゴミを解砕するようにしている。
【0003】
このディスポーザは、水で濡れることが多く、しかも調理屑や食用油などの有機物と接することから、ヌメリ等の汚れが付き易い。このヌメリ等の発生防止のために、投入口に装着された蓋や、ディスポーザ内部に向けて紫外線を照射するように紫外線LEDを設けることが特開2001−112855号の図1に記載されている。
【0004】
特開平11−76852号の0030段落には、ディスポーザの内面に酸化チタン等の光触媒の被膜を設け、カビ、ヌメリ、悪臭発生を防止することが記載されている。
【特許文献1】特開2001−112855号
【特許文献2】特開平11−76852号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、蓋に発光体が設けられており、ディスポーザの作動状況を発光表示したり、ディスポーザ内部を蓋に設けた紫外線発光体から紫外線照射したりすることができるディスポーザを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1のディスポーザは、生ゴミ投入口に蓋が着脱自在に装着されたディスポーザにおいて、該蓋に発光体を設けると共に、該投入口側に設けた1次コイルと、該蓋に設けた2次コイルとによって該発光体に給電するよう構成したことを特徴とするものである。
【0007】
請求項2のディスポーザは、請求項1において、前記発光体は、蓋の下面側に設けられ、ディスポーザ内に向けて紫外線を照射する紫外線発光体であることを特徴とするものである。
【0008】
請求項3のディスポーザは、請求項1又は2において、前記発光体は、蓋の上面側に設けられた可視光の発光体であることを特徴とするものである。
【0009】
請求項4のディスポーザは、請求項1ないし3のいずれか1項において、該投入口の一部に1次コイルが設けられ、蓋の一部に、該1次コイルに対峙可能な2次コイルが設けられていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明のディスポーザにあっては、蓋に発光体が設けられており、投入口側の1次コイルと蓋の2次コイルとの電磁誘導によって発光体に給電して発光させることができる。
【0011】
従って、請求項2のように紫外線発光体を蓋の下面側に設け、ディスポーザ内部に紫外線を照射することが可能となる。
【0012】
また、請求項3のように、蓋の上面側に可視光の発光体を設け、例えばディスポーザに通電されていることを発光表示したりすることができる。
【0013】
請求項4のように、1次コイル及び2次コイルを局所的に設けた場合には、蓋を投入口に装着し、且つ1次コイルと2次コイルとが対峙する場合のみ発光体を発光させ、1次コイルと2次コイルとが対峙しないときには発光体を発光させないようにすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。図1は実施の形態に係るディスポーザの上方からの断面斜視図、図2は図1のディスポーザの下方からの断面斜視図である。
【0015】
このディスポーザ1は、上部に設けられた取付筒2と、この取付筒2にジョイントパッキン3を介して連なるケース4と、取付筒2の内側の投入口に着脱された蓋5とを有する。
【0016】
蓋5の上縁には、外向きにフランジ部5aが設けられ、該フランジ部5aが取付筒2の内孔縁部に係止される。蓋5の上面には、直径方向に延在する土手状の摘み部5bが設けられており、この摘み部5bの両側が凹所5cとなっている。この凹所5cの底面には、水をディスポーザ1内に流し落とすための孔5dが設けられている。ディスポーザ1内には、図示を省略したインペラ及びその回転装置が設置されている。
【0017】
この実施の形態では、この蓋5の上面に可視光発光用LED6が複数個設けられ、下面に紫外線発光用UVLED7が複数個設けられている。LED6は摘み部5bの上面に複数個、間隔をおいて設けられているが、該LED6の配置位置及び個数はこれに限定されない。
【0018】
取付筒2には、該取付筒2を周回するように1次コイル11が設けられている。蓋5には、外周部に沿って該蓋5を周回するように、且つ該蓋5が投入口に装着された状態で1次コイル11に対峙する高さに2次コイル12が設けられている。図示は省略するが、蓋5には、この2次コイル12からの電流をLED6に導くための配線が設けられている。また、蓋5の下面と、ジョイントパッキン3及びケース4の内面には、それぞれ光触媒の被膜が設けられている。
【0019】
このディスポーザ1によって調理屑等の生ゴミを細かく切断するには、蓋5を開け、投入口から生ゴミをディスポーザ1内に投入した後、蓋5を装着し、ディスポーザ用スイッチ(図示略)をON操作する。また、シンクに設けられた水栓を開栓し、ディスポーザ1内に孔5cを介して水を流し込む。これにより、該ディスポーザ1内で細かく切断された生ゴミは排水管へ排出される。
【0020】
この実施の形態では、上記の蓋5を装着し、ディスポーザ用スイッチをONとすると、1次コイル11に交流が流れ、2次コイル12に誘導電流が生じ、可視光LED6及びUVLED7が点灯する。上面側のLED6が点灯することにより、ディスポーザ1に通電中であることが視認される。また、UVLED7が点灯すると、紫外線がディスポーザ1内に照射され、ディスポーザ1内が殺菌されると共に、光触媒作用により活性酸素が発生し、付着有機物が酸化分解される。この結果、蓋5の下面やジョイントパッキン3及びケース4の内面にヌメリ等の汚れが付着することが防止される。
【0021】
図3は別の実施の形態に係るディスポーザの上方からの断面斜視図である。
【0022】
この実施の形態では、取付筒2の周方向の1箇所に1次コイル13が設けられており、蓋5の側周面の1箇所に2次コイル(図示略)が設けられている。これらの1次コイル13と2次コイルとが対峙するように蓋5を投入口に装着したときだけLED6,7が点灯可能である。従って、例えば紫外線照射が不要であるときには1次コイル13及び2次コイルが対峙しないように蓋5の向きを選定することにより、UVLED7を消灯状態とすることができる。UVLED7が消灯していることは、可視光LED6が消灯してることから視覚的に認識することができる。
【0023】
図4は、ディスポーザからの排水が導入される厨芥処理装置の斜視図である。この厨芥処理装置30は、透明な外装箱31と、該外装箱31内に設けられた固液分離部32及び乾燥部33とを有する。
【0024】
固液分離部32へは、前記ディスポーザからの排水が排水管34を介して導入される。スクリーンコンベヤ35によってこの排水中の固形分が引き上げられ、槽36内に投入される。このスクリーンコンベヤ35及び槽36には光触媒のコーティングが施されている。自然光が外装箱31を通って照射されることにより、紫外線殺菌と光触媒作用が生じ、殺菌や有機物が分解され、悪臭が軽減される。自然光の代わりに、又は自然光と共に紫外線を照射する紫外線ランプやUVLED等を設けてもよい。
【0025】
なお、この実施の形態では、排水管34は透明であり、この排水管34の内面にも光触媒のコーティングが施されている。また、排水管34のうち建物内に配置された部分には、排水管34に向って紫外線を照射するUVLEDなどの紫外線光源が配置されている。このため、排水管34の内部においても、紫外線殺菌と光触媒作用が生じる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】実施の形態に係るディスポーザの上方からの断面斜視図である。
【図2】図1のディスポーザの下方からの断面斜視図である。
【図3】別の実施の形態に係るディスポーザの上方からの断面斜視図である。
【図4】ディスポーザからの排水が導入される厨芥処理装置の斜視図である。
【符号の説明】
【0027】
1 ディスポーザ
2 取付筒
3 ジョイントパッキン
4 ケース
5 蓋
6 可視光LED
7 UVLED
11,13 1次コイル
12 2次コイル
30 厨芥処理装置
35 スクリーンコンベヤ
36 槽

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生ゴミ投入口に蓋が着脱自在に装着されたディスポーザにおいて、
該蓋に発光体を設けると共に、
該投入口側に設けた1次コイルと、該蓋に設けた2次コイルとによって該発光体に給電するよう構成したことを特徴とするディスポーザ。
【請求項2】
請求項1において、前記発光体は、蓋の下面側に設けられ、ディスポーザ内に向けて紫外線を照射する紫外線発光体であることを特徴とするディスポーザ。
【請求項3】
請求項1又は2において、前記発光体は、蓋の上面側に設けられた可視光の発光体であることを特徴とするディスポーザ。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項において、該投入口の一部に1次コイルが設けられ、蓋の一部に、該1次コイルに対峙可能な2次コイルが設けられていることを特徴とするディスポーザ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−289215(P2006−289215A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−111125(P2005−111125)
【出願日】平成17年4月7日(2005.4.7)
【出願人】(000000479)株式会社INAX (1,429)
【Fターム(参考)】