デジタルカメラ
【課題】より簡易な構成で、構図の変化を検出することが可能なデジタルカメラを提供する。
【解決手段】このデジタルカメラは、シャッタボタンが半押し状態S1にまで押下されたときに、被写体の本撮影用の撮影パラメータを決定して保持する(ステップSP1,SP2)。さらに、デジタルカメラ1は、その後に構図の変化が検出されないときには、決定された撮影パラメータを用いた本撮影動作を行い、構図の変化が検出されたときには、決定された撮影パラメータを用いた本撮影動作を行わない。また、被写体に関する構図の変化の検出(ステップSP6,SP7,SP8)は、CCD撮像素子で連続的に取得された画像をライブビュー画像を用いて行われる。より詳細には、複数の色成分データを用いて検出される。
【解決手段】このデジタルカメラは、シャッタボタンが半押し状態S1にまで押下されたときに、被写体の本撮影用の撮影パラメータを決定して保持する(ステップSP1,SP2)。さらに、デジタルカメラ1は、その後に構図の変化が検出されないときには、決定された撮影パラメータを用いた本撮影動作を行い、構図の変化が検出されたときには、決定された撮影パラメータを用いた本撮影動作を行わない。また、被写体に関する構図の変化の検出(ステップSP6,SP7,SP8)は、CCD撮像素子で連続的に取得された画像をライブビュー画像を用いて行われる。より詳細には、複数の色成分データを用いて検出される。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタルカメラに関する。
【0002】
【従来の技術】
銀塩フィルムを用いたカメラにおいては、動きのある主要被写体を追いかけながらシャッタチャンスの到来を待って撮影する操作として、次のようなものがある。具体的には、まず、主要被写体をフレーミング領域のほぼ中央に捉え、シャッタボタンを半押し状態(以下、状態S1とも称する)にする。このとき、AF動作、AE動作、AWB動作が行われ、その時点で決定された各種の撮影パラメータが一旦固定(ロック)される。そして、カメラをパンニングさせて主要被写体を追いかけつつ、シャッタチャンスの到来とともに、シャッタボタンを全押し状態(以下、状態S2とも称する)にまで押下するのである。
【0003】
撮影時の撮影パラメータとしては、半押し状態S1の際に決定された値をそのまま用いることが可能である。ただし、パンニングによるフレーミング(構図)の変化に伴って背景等が変化するので、より適切な露光量等で撮影された撮影画像を得るためには、構図の変化があるときには撮影パラメータを再度設定し直すことが好ましい。
【0004】
このような撮影パラメータの再設定動作を行う従来技術としては、ぶれ検出センサー(より詳細には角速度計など)を用いて構図の変化を検出し、構図の変化が検出されるときに撮影パラメータを再設定するものが存在する(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−142108号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の特許文献1などに示されるような従来技術においては、パンニング等による構図の変化を検出するために、ぶれ検出センサーを別個に設ける必要がある。したがって、部品点数が増えてしまうという問題がある。
【0007】
そこで、本発明は前記問題点に鑑み、より簡易な構成で、構図の変化を検出することが可能なデジタルカメラを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、デジタルカメラであって、光電変換を用いて被写体の画像を取得する撮像センサと、前記撮像センサで連続的に取得された画像をライブビュー画像として表示する画像表示手段と、前記ライブビュー画像における変化を検出することにより、前記被写体に関する構図の変化を検出する検出手段と、撮影準備動作の開始指令を入力する入力手段と、前記被写体に関する撮影パラメータを決定する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記開始指令に応答して、前記被写体の本撮影用の撮影パラメータを決定して保持し、前記検出手段によって前記開始指令以降に前記構図の変化が検出されないときには、前記撮影パラメータを用いた本撮影動作を行い、前記検出手段によって前記開始指令以降に前記構図の変化が検出されたときには、前記撮影パラメータを用いた本撮影動作を行わない。
【0009】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明に係るデジタルカメラにおいて、前記撮像センサはカラー撮像センサであり、前記検出手段は、前記カラー撮像センサからの信号に基づいて生成される複数の色成分データの変化を検出することによって、前記構図の変化を検出する。
【0010】
また、請求項3の発明は、請求項2の発明に係るデジタルカメラにおいて、前記検出手段は、前記複数の色成分データの変化に加えて、さらに輝度データの変化をも検出することによって、前記構図の変化を検出する。
【0011】
また、請求項4の発明は、請求項2の発明に係るデジタルカメラにおいて、ホワイトバランス処理を行う色処理手段、をさらに備え、前記検出手段は、前記ホワイトバランス処理における補正パラメータを一定に維持した状態のまま取得した前記ライブビュー画像に基づいて、前記構図の変化を検出する。
【0012】
また、請求項5の発明は、請求項2の発明に係るデジタルカメラにおいて、前記ライブビュー画像を区分した所定数の測色ブロックの色成分データを用いてホワイトバランス処理を行う色処理手段、をさらに備え、前記検出手段は、前記所定数の測色ブロックの色成分データを用いて、前記構図の変化を検出する。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0014】
<A.構成>
<概要>
図1、図2及び図3は、本発明の実施形態に係るデジタルカメラ(より詳細にはデジタルスチルカメラ)1の外観構成を示す図であり、図1は正面図、図2は上面図、図3は背面図に相当する。これらの図は必ずしも三角図法に則っているものではなく、デジタルカメラ1の外観を例示することを主眼としている。
【0015】
デジタルカメラ1の正面側には撮影レンズ2が設けられる。この撮影レンズ2はズーム機能を有しており、ズームリング2aを手動操作で回動させることによって撮影倍率の変更を行うことができるように構成される。
【0016】
また、デジタルカメラ1のグリップ部1aの上部にはシャッタボタン(レリーズボタン)9が設けられており、該シャッタボタン9はユーザによる半押し状態(以下、状態S1とも称する)と全押し状態(以下、状態S2とも称する)とを区別して検出可能な2段階押し込みスイッチとなっており、自動合焦モードが設定されている場合には半押し状態S1のときに自動合焦制御を開始し、全押し状態S2のときに記録用画像を撮影するための本撮影動作を開始する。
【0017】
また、デジタルカメラ1の上面には、「撮影モード」と「再生モード」とを切替設定するモード切替え用のダイヤル3が設けられている。撮影モードは被写体の撮影を行って画像データの生成を行うモードである。また、再生モードはメモリカード90に記録された画像データを、デジタルカメラ1の背面側に設けられた液晶表示部(以下、LCDという。)5に再生表示するモードである。
【0018】
具体的には、撮影モードを示す「撮影」が表示された部分を所定の位置(図2の三角印MT)にまで回転移動させることによって、撮影モードに設定することができる。また、再生モードを示す「再生」が表示された部分を所定の位置(図2の三角印MT)にまで回転移動させることによって、再生モードに設定することができる。
【0019】
また、このダイヤル3は、電源のオン操作およびオフ操作を受け付けるためにも用いられる。すなわち、ダイヤル3は電源操作部とも称することができる。具体的には、ダイヤル3の「OFF」が表示されている部分を所定の位置(図2の三角印MT)にまで回転移動させることによって、電源をオフにする操作(電源オフ操作)が行われる。
【0020】
また、デジタルカメラ1の上面には、フラッシュ14が設けられている。ここでは、フラッシュ14として、ポップアップ方式の内蔵フラッシュが示されている。この内蔵フラッシュの発光量は、後述するように、調光センサ15(図5)によって検出される光量に基づいて、全体制御部30(図4)などによって制御される。
【0021】
デジタルカメラ1の背面には、本撮影動作前のライブビュー表示及び記録画像の再生表示等を行うためのLCD5と、電子ビューファインダ(以下、EVFという。)4とが設けられている。このLCD5およびEVF4では、それぞれカラー画像の表示が行われる。なお、以下の説明においてはLCD5およびEVF4がそれぞれ320×240の表示画素数を有する場合を例示する。
【0022】
また、デジタルカメラ1の背面にはメニューボタン6が設けられており、例えば、撮影モード時にメニューボタン6が押下されると、各種撮影条件を設定するための各種メニュー画面がLCD5に表示される。また、デジタルカメラ1の背面には、LCD5における表示カーソルを4方向に移動させるための十字カーソルボタン7U,7D,7L,7R、及び十字カーソルボタンの中央部に設けられる決定ボタン7Cで構成されるコントロールボタン7が設けられる。これらメニューボタン6及びコントロールボタン7を用いて各種撮影パラメータの設定操作が行われる。各種撮影パラメータの設定状態はデジタルカメラ1の上面側に配置されるデータパネル8に表示される。また、デジタルカメラ1の背面には、ライブビュー表示時にLCD5に表示される表示内容(特に撮影情報の表示状態)を切り替えるための切替ボタン13が設けられている。
【0023】
なお、撮影パラメータは、合焦制御用パラメータ(AF用パラメータ)、露出制御用パラメータ(AE用パラメータ)、ホワイトバランス制御用パラメータ(AWB用パラメータ)、およびフラッシュ制御用パラメータなどを含む。このうち、露出制御用パラメータは、測光パターン(を表す番号)、シャッタスピード、および絞り値等を含み、ホワイトバランス制御用パラメータは、ホワイトバランスゲイン等を含む。さらに、フラッシュ制御用パラメータは、調光エリア(を表す番号)等を含む。また、露出制御用パラメータ(AE用パラメータ)およびフラッシュ制御用パラメータを総称して、測光用パラメータとも称するものとする。
【0024】
さらに、デジタルカメラ1の側面には、デジタルカメラ1の設定状態に関する操作を行うためのファンクション操作部11が設けられている。このファンクション操作部11は、中央部に設けられたファンクションボタン11aと、回動可能なように設けられたファンクションダイヤル11bとを備えて構成される。また、ファンクション操作部11の下部には、合焦モードを自動合焦モードと手動合焦モードとで切り替えるための合焦モード切替ボタン12が設けられている。
【0025】
また、デジタルカメラ1の側面には、挿抜自在(着脱自在)な記録媒体であるメモリカード90の挿入装着部が設けられており、本撮影によって得られる画像データはこの挿入装着部にセットされるメモリカード90に記録される。
【0026】
次に、デジタルカメラ1の内部構成について説明する。図4は、デジタルカメラ1の内部機能を示すブロック図である。
【0027】
撮影レンズ2はレンズ駆動部41によって駆動され、CCD撮像素子(撮像センサ)20に結像される像の合焦状態を変化させるように構成される。自動合焦(オートフォーカス)設定時には全体制御部30において周知の山登り方式によって撮影レンズ2のレンズ駆動量が決定され、このレンズ駆動量に基づいて撮影レンズ2が駆動されるのに対し、手動合焦(マニュアルフォーカス)設定時にはユーザによるコントロールボタン7の操作量に応じてレンズ駆動量が決定され、このレンズ駆動量に基づいて撮影レンズ2が駆動される。
【0028】
CCD撮像素子20は被写体像を撮影して電子的な画像信号を生成する撮像手段として機能するものであり、例えば2560×1920個の画素を有し、撮影レンズ2によって結像された被写体の光像を、画素毎にR(赤),G(緑),B(青)の色成分の画像信号(各画素で受光された画素信号の信号列からなる信号)に光電変換して出力する。すなわち、CCD撮像素子20は、光電変換を用いて被写体のカラー画像を取得するカラー撮像センサである。タイミングジェネレータ42は、CCD撮像素子20の駆動を制御するための各種のタイミングパルスを生成するものである。
【0029】
CCD撮像素子20から得られる画像信号は信号処理回路21に与えられ、信号処理回路21において画像信号(アナログ信号)に対して所定のアナログ信号処理が施される。信号処理回路21は相関二重サンプリング回路(CDS)とオートゲインコントロール回路(AGC)とを有しており、相関二重サンプリング回路により画像信号のノイズ低減処理を行い、オートゲインコントロール回路でゲインを調整することにより画像信号のレベル調整を行う。
【0030】
A/D変換器22は、画像信号の各画素信号を12ビットのデジタル信号に変換するものである。A/D変換器22は、全体制御部30から入力されるA/D変換用のクロックに基づいて各画素信号(アナログ信号)を12ビットのデジタル信号に変換する。変換後のデジタル信号は、画像データとして一時的に画像メモリ44に格納される。そして、画像メモリ44に保存された画像データに対して、次述するWB回路23、γ補正回路24、色補正部25、解像度変換部26、圧縮・伸張部46などによる各処理が施される。また、各処理後の画像データは、各処理の内容に応じて、再度画像メモリ44に再格納されるか、あるいは、別の処理部に対して転送される。
【0031】
WB(ホワイトバランス)回路23は、R,G,Bの各色成分のレベル変換を行うものである。WB回路23は、全体制御部30で記憶されるレベル変換テーブルを用いてR,G,Bの各色成分のレベルを変換する。なお、レベル変換テーブルの各色成分のパラメータ(特性の傾き)は全体制御部30により、オートまたはマニュアルで、撮影画像毎に設定される。γ補正回路24は、画素データの階調を補正するものである。
【0032】
色補正部25は、γ補正回路24から入力される画像データに対し、ユーザから設定された色補正に関するパラメータに基づいて色補正処理を行う。
【0033】
解像度変換部26は、CCD撮像素子20から得られる画像データに対して所定の解像度変換を行うものである。
【0034】
例えばライブビュー表示時には、CCD撮像素子20で連続的に撮像された画像がライブビュー画像としてLCD5などにおいて表示される。このライブビュー表示時には、CCD撮像素子20から取得される画像データに対して、解像度変換部16が所定の解像度変換を施し、LCD5の表示画素数に適合した画像サイズの画像データ(320×240画素)、すなわちライブビュー画像を生成する。また、自動合焦時には、ライブビュー表示時とは異なり、AF評価領域に対応する画像成分の抽出が行われる。なお、本撮影時には解像度変換部26は解像度変換処理を行うことなく、色補正部25から得られる画像データをそのまま全体制御部30に出力する。そして本撮影時に得られる画像データは全体制御部30を介して画像メモリ44に格納されることになる。
【0035】
ライブビュー表示時には、解像度変換部26によって所定の解像度変換が施された画像データは、全体制御部30を介して画像合成部43に与えられ、LCD5及びEVF4に対してライブビュー画像の表示が行われるとともに、測光演算部28にも与えられ、自動露出(AE)制御用の評価値が算出される。これに対し、自動合焦制御時には、全体制御部30から指定されるAF評価領域に対応する画像成分が抽出され、その画像成分の画像データがAF評価値演算部27に与えられ、自動合焦(AF)制御用の評価値が算出される。
【0036】
AF評価値演算部27はユーザによってシャッタボタン9が半押し状態とされた場合に機能し、コントラスト方式の自動合焦制御を行うための評価値演算動作が行われる。ここでは、AF評価領域に対応する画像成分について水平方向に隣接する2画素間での差分絶対値の総和がAF用評価値として算出される。そしてAF評価値演算部27において算出されるAF用評価値は全体制御部30へと出力され、自動合焦制御が実現される。
【0037】
測光演算部28は、解像度変換部26から出力される画像データを複数のブロックに分割し、各ブロックの代表輝度値に基づいてAE用評価値を算出する。そして測光演算部28において算出されるAE用評価値は全体制御部30へと出力され、全体制御部30における自動露光制御に用いられる。また、この測光演算部28は、測色演算部としての機能をも有している。具体的には、ホワイトバランス制御用パラメータ(詳細にはホワイトバランスゲイン(WBゲイン)など)を決定する機能を有している。決定された各パラメータは、全体制御部30およびWB回路23によって用いられ、画像データに対するホワイトバランス制御が行われる。
【0038】
被写体移動量演算部29は、後述するように、CCD撮像素子20からの複数の色成分データの変化を検出することによって、被写体の移動量を検出し、構図の変化を検出する。複数の色成分データとしては、たとえば、RGB色空間で表現された3つの画像データ、すなわち、赤色成分の画像データ(「赤色成分データ」とも称する)、緑色成分の画像データ(「緑色成分データ」とも称する)、および青色成分の画像データ(「青色成分データ」とも称する)を用いることができる。また、複数の色成分データに加えて、輝度データをも用いるようにしてもよい。輝度データは、RGB色空間からYCrCb色空間への表色系変換により算出される輝度成分値Yとして得ることができる。この表色系変換処理は、色補正部25によって行われる。
【0039】
画像メモリ44は、本撮影時にCCD撮像素子20で取得され、上記の画像処理が施された画像データを一時的に記憶するメモリである。画像メモリ44は、例えば数フレーム分の記憶容量を有している。そして本撮影後に画像のアフタービュー等が行われる場合には、画像メモリ44から画像合成部43に画像データが与えられ、撮影画像を確認するための画像表示が行われる。また、撮影後にユーザからの消去指示がない場合には、画像メモリ44からメモリカード90に対して画像データが転送され、画像データの記録保存が行われる。
【0040】
カードインタフェース(カードI/F)47は、デジタルカメラ1側面の挿入装着部に対して装着されるメモリカード90への画像データの書込み及び読出しを行うためのインタフェースである。メモリカード90に対する画像データの読み書き時には、圧縮・伸張部46において例えばJPEG方式で画像データの圧縮処理又は伸張処理が行われる。また、外部接続インタフェース(外部接続I/F)48は通信ケーブル等を介して外部コンピュータ91と通信可能にするためのインタフェースであり、例えばUSB規格に準拠した通信用インタフェース等で実現される。これらカードI/F47、外部接続I/F48を介して、メモリカード90や外部コンピュータ91にセットされるCD−ROM等の記録媒体に記録される制御プログラムを、全体制御部30のRAM30a又はROM30b内に取り込むことができる。そして全体制御部30においてそのプログラムが実行されることにより、各種機能が実現される。
【0041】
操作部45は、上述したダイヤル3、メニューボタン6、コントロールボタン7、シャッタボタン9、ファンクション操作部11、合焦モード切替ボタン12、切替ボタン13等を含む操作部であり、ユーザがデジタルカメラ1の設定状態を変更操作する際や撮影操作を行う際等に用いられる。
【0042】
また、リアルタイムクロック49は、いわゆる時計部である。リアルタイムクロック49の計時機能により、デジタルカメラ1は現在時刻を認識することができる。
【0043】
さらに、デジタルカメラ1は電池51を駆動源としている。電池51としては、例えば直列接続された4本の単三形乾電池を用いることができる。そして、電池51からデジタルカメラ1内の各処理部への電力供給は、電力制御部52によって制御される。
【0044】
全体制御部30は内部にRAM30a及びROM30bを備えたマイクロコンピュータによって構成され、マイクロコンピュータが所定のプログラムを実行することにより、上記各部を統括的に制御する制御手段として機能する。なお、ROM30bは電気的にデータの書き換えが可能な不揮発性メモリである。
【0045】
撮影モード時において、全体制御部30はCCD撮像素子20を駆動する駆動方式をタイミングジェネレータに指令する。特に、ユーザがシャッタボタン9を操作していないときには、全体制御部30はライブビュー画像を取得するためにCCD撮像素子20での撮影動作を繰り返すようにタイミングジェネレータに指令する。これによってCCD撮像素子20ではライブビュー表示用の撮影画像(ライブビュー画像)が取得される。
【0046】
<測光、測色、調光>
図5は、デジタルカメラ1の内部構成を示す図である。デジタルカメラ1は、撮影レンズ2(より詳細にはレンズ群2c,2d)と絞り16と調光センサ15とリレー光学系17とビームスプリッタ18と空間ローパスフィルタ19とCCD撮像素子20とをカメラ内部空間に備えている。
【0047】
レンズ群2cを通過した光は、絞り16によって光量調整され、レンズ群2dを通過してビームスプリッタ18に入射する。
【0048】
ビームスプリッタ18は、赤外カットフィルタとしての機能をも有しており、レンズ群2dからの透過光のうち赤外成分が、ビームスプリッタ18の内部に設けられた面18fにおいて反射される。この反射光は、図5に示すように下方に進路を変更し、ビームスプリッタ18の外部との境界面で再度反射して進路を変更した後、リレー光学系17を通過して、調光センサ15に入射する。後述するように、この調光センサ15に入射した光に基づいて、フラッシュ調光制御が行われる。具体的には、調光センサ15での受光量の積算値が所定値に到達した時点で、フラッシュ発光を停止することによって被写体の明るさを適切なものとすることができる。
【0049】
一方、レンズ群2dからの透過光のうち赤外成分以外の成分は、面18fを通過した後、高周波成分を除去する空間ローパスフィルタ19をさらに通過してCCD撮像素子20に入射する。このCCD撮像素子20に入射した光は、可視領域成分を含む成分を含んでおり、光電変換によって電気信号に変換され、その後の各種の処理によって画像データに変換される。
【0050】
この実施形態においては、測光制御および測色制御は、CCD撮像素子20からの画像データを用いて行われ、フラッシュの調光制御は調光センサ15からの出力信号を用いて行われる。
【0051】
まず、測色制御および測色制御について説明する。
【0052】
図6は、測光制御に用いられる測光ブロック(「AE評価用ブロック」とも称する)を示す図である。ここでは、所定の画素数(たとえば、320画素×240画素)を有するライブビュー画像を所定の大きさに区分したブロックを測光ブロックとして用いるものとする。なお、これらの測光ブロックは、後述するように、WB回路23による測色制御(オートホワイトバランス制御)で用いられるホワイトバランス制御用パラメータを決定するための評価用ブロックでもあるため、測色ブロック(ないし「AWB評価用ブロック」)と称することもできる。
【0053】
ライブビュー画像は、CCD撮像素子20(図5)に入射した後に、信号処理回路21,A/D変換器22、WB回路23、γ補正回路24、色補正部25、解像度変換部26による各処理が施されて、所定の大きさのライブビュー画像として取得される。ここでは、一例として、320画素×240画素の画素数を有するライブビュー画像を例示する。各測光ブロックは、このライブビュー画像を横方向に20個、縦方向に15個に区分することにより得られる。すなわち、ライブビュー画像は、合計300(=20×15)個の測光ブロックで構成され、各測光ブロックは、それぞれ、16画素(横方向)×16画素(縦方向)のサイズを有している。なお、この測光ブロックに関するデータは、所定の記憶部(画像メモリ44、RAM30aなど)に格納される。
【0054】
また、ライブビュー画像は、複数の色成分データを有している。より具体的には、ライブビュー画像は、赤色(R)成分データ、緑色(G)成分データ、青色(B)成分データの3つの色成分データを有している。また、ここでは、色補正部25が表色系変換処理を行うことによって、輝度(Y)成分データも得られているものとする。そして、これらの4つの成分データは、それぞれ、ライブビュー画像の所定の画素数(たとえば、320画素×240画素)を有している。
【0055】
そして、4つの成分データのうち輝度成分データ(Y成分データ)を用いて測光制御が行われ、3つの色成分データを用いて測色制御が行われる。また、後述するように、これらの4つの成分データは、被写体移動量演算にも用いられる。
【0056】
測光制御(AE制御)としては種々の方式のものが存在するが、たとえば中央重点測光方式を採用すればよい。この中央重点測光方式によれば、主被写体の位置に応じて、その重点部分が異なる複数の測光パターンのいずれか(たとえば図17あるいは図18の測光パターン)を用いることが可能であるため、より正確な露出制御が可能になる。
【0057】
また、測色制御として適宜の方式のものを採用することによって、3つの色成分データを用いて、画面全体にわたるホワイトバランス(WB)が適正となるようにホワイトバランスゲインを決定することができる。
【0058】
つぎに、フラッシュ調光制御について説明する。図7は、調光センサ15を示す図である。
【0059】
図7に示すように、調光センサ15は、5×5個(合計25個)のセンサユニットUTを有している。図7においては、各センサユニットUTとCCD撮像素子20との対応関係が示されている。実線は、各センサユニットUTの実際の配置を示しており、破線はCCD撮像素子20における各測光ブロック(AE評価用ブロック)の仮想的な対応位置を示している。破線で囲まれる1つの矩形領域は、それぞれ、1つの測光ブロックに対応している。
【0060】
調光センサ15の各センサユニットUTは、ビームスプリッタ18で分離された赤外成分を検出することによって、画像内での所定部分に対応する位置におけるフラッシュ光の受光量を測定することができる。
【0061】
また、全体制御部30は、主要被写体の位置に応じて調光エリアを選択して決定する。そして、全体制御部30は、フラッシュの発光を開始した後、複数のセンサユニットUTのうち選択された調光エリアに対応するセンサユニットUTでのフラッシュ受光量を積算し、その積算値が所定の基準値に到達した時点でフラッシュ発光を終了する。このようにしてフラッシュ調光制御が行われる。
【0062】
なお、図8は、上述したような、有効画素数、ライブビュー画像における画素数、測光ブロック個数(測色ブロック個数)、調光ブロック個数の関係をまとめて示す図である。図8に示すように、CCD撮像素子20は、2560画素(横方向)×1920画素(縦方向)の有効画素を有しており、解像度変換等により320画素(横方向)×240画素(縦方向)のサイズのライブビュー画像が作成される。そして、このライブビュー画像は、20個(横方向)×15個(縦方向)の測光ブロックに区分される。一方、調光センサ15は、5個(横方向)×5個(縦方向)の数のセンサユニットUTで構成されている。
【0063】
<構図変化の検出>
つぎに、構図変化の検出について説明する。図9および図10は、構図の変化を示す図である。ここでは、海岸沿いの砂浜を歩いている人物を、パンニングしながら撮影する場合を想定している。歩いている人物が主要被写体である。
【0064】
図9に示すように、撮影者は、まず、人物を画面の中央に捉えた状態とし、シャッタボタンを半押し状態(以下、状態S1とも称する)にする。この半押し状態S1は、操作者によって撮影準備動作の開始指令が与えられた状態であると表現することができる。この開始指令に応答して、AF動作、AE動作、AWB動作が行われ、その時点で決定された各種の撮影パラメータが一旦固定(ロック)される。なお、このとき、ライブビュー画像FR1が取得される。
【0065】
その後、歩いていく人物をパンニングしながら追いかけた後、シャッタボタン9を全押し状態S2にすれば、本撮影を行うことができる。図10は、このようなパンニング中のライブビュー画像FR2を示している。パンニングによる構図の変化に伴って、各画像FR1,FR2における中心線は、位置CL1から位置CL2へと移動している。
【0066】
ここで、上述したように、撮影時の撮影パラメータとしては、半押し状態S1の際に決定された値をそのまま用いることが可能である。ただし、パンニング等によるフレーミング(構図)の変化に伴って背景等が変化するので、より適切な露光量等で撮影された撮影画像を得るため、構図の変化があるときには撮影パラメータを再度設定し直すことが好ましい。
【0067】
そこで、この実施形態においては、CCD撮像素子20を用いて連続的に撮像されたライブビュー画像の変化を検出することによって、シャッタボタン9が半押し状態S1にされた後(言い換えれば、撮影準備動作の開始指令後)における構図の変化(より詳細には構図の変化の有無)を検出する。そして、構図の変化が検出された場合には、測光制御を再度やり直すことによって、その決定された撮影パラメータを用いた本撮影動作を行わないようにする。これにより、構図の変化の検出結果を反映させて、より高画質の画像を撮影することが可能になる。一方、構図の変化が検出されないときには、その決定された撮影パラメータを用いた本撮影動作を行えばよい。
【0068】
具体的には、移動前後の2つのライブビュー画像(たとえば画像FR1,FR2)を比較することによって、構図の変化を検出することができる。より具体的には、後述するように、ライブビュー画像における被写体位置の変化は、2枚のライブビュー画像の相関を求めることによって検出される。
【0069】
また、これらの2つの画像の比較は、ライブビュー画像に関する画像データのうち、複数(ここでは3つ)の色成分データを用いて行うことが好ましい。ここでは、赤色成分データ、緑色成分データ、および青色成分データを用いるものとする。
【0070】
図11〜図13は、図9のライブビュー画像FR1の3つの色成分のそれぞれに対応する図である。また、図示していないが、デジタルカメラ1は、図10のライブビュー画像FR2の3つの色成分のそれぞれに対応する画像を同様に取得することができる。
【0071】
これに対して、輝度成分データ(単に輝度データとも称する)だけを用いて、2つの画像間における構図の変化を検出することも可能である。図14は、図9のライブビュー画像FR1の輝度データを示す図である。
【0072】
しかしながら、この輝度データだけを用いて、2つの画像間における構図の変化を検出する場合よりも、複数の色成分データを用いて2つの画像間における構図の変化を検出する方が、検出精度を向上させることができる。これは次のような事情による。
【0073】
仮に、図14に示すような輝度データのみを用いて2つの画像データを比較するとすれば、主要被写体と背景被写体との輝度差が少ないため、構図の変化を正確に検出できない場合もあり得る。あるいは、画面内における輝度の特異点(たとえば太陽光からの直射光が撮影されたような高輝度部分)の有無が相違する2つの画像データを比較する場合には、輝度についての相関演算(後述)によっても被写体の移動量を誤検出してしまうことがある。
【0074】
一方、図11から図13に示す例では、3つの色成分データのうち青色成分データ(図13)によれば、主要被写体である「人物」の画素レベルと背景の「空」の画素レベルとの差が大きくなっており、両者は区別されやすくなっている。また、背景の「山」と「空」とが区別されやすくなっている状態でもある。したがって、このとき青色成分データについて2つの画像データを比較することによれば、より正確に構図の変化を検出することが可能である。また、画面内の特異点の有無が相違する2つの画像を用いる場合であっても、このような青色成分データを用いれば特異点の影響を緩和することができる。
【0075】
なお、上記においては、青色成分データを用いることにより最も移動量を正確に検出することができる場合を例示しているが、いずれの成分データを用いることが良いかは被写体に依存し一定ではない。しかしながら、いずれかの成分データによる移動量の検出結果が正確な結果となる可能性が高くなるため、単一の成分データ(たとえば輝度成分データ)だけでなく、複数の成分データ(たとえば複数の色成分データ)を用いることによって、構図変化の有無の検出をより正確に行うことが可能になる。
【0076】
また、複数の色成分データに加えて、輝度データをも用いるようにしてもよい。より多くの成分データを用いることによれば、移動量の検出精度を向上させることが可能である。以下では、3つの色成分データに加え輝度データをも用いて、構図の変化を検出する場合について説明する。
【0077】
具体的には、各測色ブロック(言い換えれば、測光ブロック)の色成分データを用いて、2つの画像の相関度を求める。なお、この測色ブロックは、WB回路23でのホワイトバランス処理にも用いられるものである。言い換えれば、測色ブロックは、ホワイトバランス処理と相関演算処理とで共用(ないし兼用)されるものであるといえる。
【0078】
より詳細には、次の数1〜数4によって相関係数CRn,CGn,CBn,CYnを求める。
【0079】
【数1】
【0080】
【数2】
【0081】
【数3】
【0082】
【数4】
【0083】
これらの数式を用いて、ライブビュー画像として異なる時点で取得される2つの画像FRm,FRnを比較する。たとえば、m=n−1として、第(n−1)フレームの画像および第nフレームの画像を比較してもよい。あるいは、m=n−3として、所定の複数フレーム間隔(ここでは3フレーム間隔)で取得される2つの画像(すなわち、第(n−3)フレームの画像および第nフレームの画像)を比較してもよい。さらには、m=n−6あるいはm=n−10などとしてもよい。このように、2つの画像は、異なる時点で取得されたライブビュー画像であればよい。
【0084】
なお、各値Rm(i,j),Gm(i,j),Bm(i,j),Ym(i,j)は、各成分データの測光ブロック(i,j)(ただし、iは縦方向の位置を示し、jは横方向の位置を示す)の代表値を示している。この代表値としては、各測光ブロック内の画素の画素値の合計値あるいは平均値等を用いることができる。各値Rn(i−x,j−y)等についても同様である。また、各相関係数CRn,CGn,CBn,CYnは、移動変位(x,y)に関する関数である。
【0085】
つぎに、各相関係数CRn,CGn,CBn,CYnを最小にする移動変位(x,y)を、それぞれ、変位(Rnx,Rny),(Gnx,Gny),(Bnx,Bny),(Ynx,Yny)として求める。各変位(Rnx,Rny),(Gnx,Gny),(Bnx,Bny),(Ynx,Yny)は、それぞれ、各成分データから算出された移動量を示している。
【0086】
理想的には、実際の移動変位(rx,ry)を数1〜数4に代入すれば、各相関係数CRn,CGn,CBn,CYnは、ゼロとなる。このように、各相関係数CRn,CGn,CBn,CYnをそれぞれ最小にする移動変位(x,y)が、各成分データに基づき求められる移動量であることが理解できる。ただし、ノイズの影響等により構図変化が存在しない場合でも通常はゼロにはならない。そこで、ノイズの影響を排除するため、各相関係数が所定のレベルに到達していない場合には、構図の変化が存在しないとみなすようにしてもよい。より詳細には、ノイズの影響を排除するための所定の閾値よりも各相関係数が小さいときには、当該相関係数に対応して求められた移動変位は無効とみなすようにしてもよい。
【0087】
この後、さらにこれら4つの移動量(Rnx,Rny),(Gnx,Gny),(Bnx,Bny),(Ynx,Yny)を用いて、構図変化の移動量を決定する。この決定動作には様々な手法を用いることができる。
【0088】
たとえば、4つの移動量(Rnx,Rny),(Gnx,Gny),(Bnx,Bny),(Ynx,Yny)のうち、その大きさが最大のものを被写体の移動量(Mnx,Mny)として決定することができる。対応位置が大きく離れているにもかかわらず、2枚の画像の相関度が高い(具体的には、相関係数が比較的小さい)ということ、すなわち一致の度合いが高いということは、被写体の移動量(言い換えれば、構図変化における移動量)を正確に表している可能性が高いと考えられるからである。
【0089】
その後、構図変化の有無を最終的に判定する。
【0090】
以上のようにして、被写体の移動量、言い換えれば構図の変化の有無を決定することができる。
【0091】
なお、図9および図10においては、背景被写体が変化するとともに、主要被写体の位置も変化する場合について例示しているが、背景被写体のみが変化する場合についても同様の動作によって、構図の変化を検出することができる。
【0092】
<撮影パラメータの再設定>
また、上述したように、構図の変化が有ったと判定された場合には、測光制御を再度やり直した後に、本撮影時の撮影パラメータの再設定を行う。具体的には、決定された移動量(Mnx,Mny)に基づいて、測光パターンおよび調光エリアを変更する。図17は変更前の測光パターンおよび調光エリアを示す図であり、図18は変更後の測光パターンおよび調光エリアを示す図である。図18は、移動量(x,y)が(4,0)として決定された場合を例示している。図17および図18においては、測光パターンとして重点測光パターンを用いる場合が示されている。
【0093】
図17に示すように、変更前の測光パターンにおいては、主被写体が画面の中央に存在するとして、画面の中央位置の測光ブロックが最も大きな重み付け係数で重み付けされ、画面の周辺部の測光ブロックが比較的小さな重み付け係数で重み付けされている。たとえば、中央の領域A1およびその周辺領域A2,A3の重み付け係数は、それぞれ、10,5,1として定められる。
【0094】
また、調光制御は、画面の中央に対応するセンサユニットUTからの出力のみに応じて調光を行うものとして定められる。言い換えれば、調光エリアは、画面の中央に対応する位置の矩形領域D1となる。
【0095】
一方、図18に示すように、変更後の測光パターンにおいては、移動量に応じてその重点部分が移動している。より詳細には、図17と比較すると判るように、領域A1の中心位置は、算出された移動量に応じて右側に移動しており、領域A2の中心位置も、その算出された移動方向(すなわち右側)に移動している。また、調光制御は、中央のセンサユニットUTの右隣のセンサユニットUTからの出力のみに応じて調光を行うものとして定められる。言い換えれば、調光エリアは、画面中央の右隣の位置に対応する矩形領域D2となる。
【0096】
以上のように、構図の変化が有ったと判定された場合には、測光用パラメータ(露出制御用パラメータおよびフラッシュ制御用パラメータ)を変更することができる。特に、図9および図10に示すように、フレーム内において、パンニングによる背景被写体の位置変化だけでなく、主要被写体自体の移動等による主要被写体の位置変化が存在する場合においても、その構図変化における変化量(移動量)を検出し、その変化量に応じた測光用パラメータ(測光パターン等)を採用して、測光制御およびフラッシュ調光制御等の最適化を図ることが可能である。なお、この場合、構図変化における変化量(ないし被写体の移動量)は、主要被写体の移動量と背景被写体の移動量とを総合的に評価した値として算出されることになる。
【0097】
<B.動作>
つぎに、図19および図20を参照しつつ、デジタルカメラ1における制御動作について詳細に説明する。ここではフラッシュ発光を伴う撮影を行う場合を例示する。また、以下の各動作は、全体制御部30の制御下において実行される。
【0098】
図19および図20は、シャッタボタン9が半押し状態S1にまで押下された後のサブルーチン処理を示す図である。このサブルーチンは、メインルーチンから適宜のタイミングで呼び出されて実行される。
【0099】
まず、ステップSP1においては、シャッタボタン9が半押し状態S1にされたことに応答して、測距動作、測光動作、測色動作が行われる。すなわち、自動合焦制御(AF制御)、自動露光制御(AE制御)、自動ホワイトバランス制御(AWB制御)が行われる。各制御動作は、シャッタボタン9が半押し状態S1にされる直前ないし直後に撮像された1枚ないし複数枚のライブビュー画像(たとえば画像FR1を含む複数の画像)に基づいて行われる。各制御動作によって、被写体が合焦状態にされるとともに、画像の露光状態およびホワイトバランスが適切に調整される。
【0100】
ステップSP2においては、AFロック、AEロック、WBゲインロックが行われる。これにより、ステップSP1で調整された各撮影パラメータ(具体的には、合焦制御用パラメータ、露出制御用パラメータ(測光パターン、シャッタスピード、絞り値)、およびホワイトバランス制御用パラメータ)が決定され、その値で固定される。また、フラッシュ制御用パラメータである調光エリアが5×5の複数のエリアのうちの中央のエリアに設定される。
【0101】
このように、撮影動作の開始指令に応答して、デジタルカメラ1は、測距動作および測光動作等を行い、被写体の本撮影用の撮影パラメータを決定して保持する。
【0102】
次のステップSP3においては、半押し状態S1が解除されたか否かを判定する。半押し状態S1が解除されている場合には、ステップSP4に進む。ステップSP4では、AFロック、AEロック、WBゲインロック、調光エリア設定をそれぞれ解除し、サブルーチンを終了してメインルーチンに戻る。一方、半押し状態S1が解除されていない場合には、ステップSP5に進む。ステップSP5以降では、構図変化を検出する処理を含む各種の処理が行われる。
【0103】
まず、ステップSP5では、次のライブビュー画像(たとえば画像FR2)が撮像される。なお、操作者は、2枚の画像FR1,FR2の撮影間隔(ステップSP1からステップSP5に至る期間)においても、動く被写体を追いかけるなどの撮影動作(たとえばパンニングを伴う撮影動作)を行い続けている。言い換えれば、画像FR2は、画像FR1と比較して、構図変化が生じている可能性を有している。
【0104】
そして、ステップSP6では、各変位(Rnx,Rny),(Gnx,Gny),(Bnx,Bny),(Ynx,Yny)を求める。上述したように、各変位(ベクトル量)は、それぞれ、各相関係数CRn,CGn,CBn,CYnを最小にする移動変位(x,y)であり、被写体の移動量として、各成分データから算出されるものである。
【0105】
さらに、ステップSP7では、これらの変位(Rnx,Rny),(Gnx,Gny),(Bnx,Bny),(Ynx,Yny)のうちの最大変位(Mnx,Mny)を求める。より詳細には、各変位ベクトルの大きさ(ノルム)が最大となる変位べクトルが最大変位(Mnx,Mny)として算出される。
【0106】
そして、ステップSP8では、全体制御部30は、この最大変位の大きさが所定の閾値Ath(たとえば2ブロック)以上であるという条件を満たすか否かを判定する。すなわち、この条件を用いて、構図変化の有無が最終的に判定される。なお、閾値Athの値は、ブロックの分割数、2枚の比較対象画像の撮像時間間隔などに応じて、適宜の値に定めればよい。
【0107】
全体制御部30は、この条件が満たされない場合には、構図の変化が検出されない(あるいは有効な検出結果が得られない)と判定してステップSP3へ戻り同様の動作を繰り返す。この条件を満たさないということ、すなわち、最大変位(Mnx,Mny)の大きさが所定の閾値Athよりも小さいということは、その検出結果がノイズの影響を受けている可能性が高いと考えられるからである。
【0108】
一方、全体制御部30は、この条件が満たされる場合には、被写体が確かに移動した、すなわち、構図の変化が検出された(且つこの検出結果が有効である)と判定して、ステップSP9に進む。このとき、最大変位(Mnx,Mny)は、被写体の移動量を表しているものとみなされる。ステップSP9,SP10では、撮影パラメータの再設定動作が行われる。
【0109】
ステップSP9では、AEロックを解除するとともに、調光エリア設定を解除する。一方、AFロックは維持され、WBゲインロックも維持される。
【0110】
また、ステップSP10では、ステップSP7で検出された移動量に応じて、測光パターンおよび調光エリアを変更する。
【0111】
たとえば、構図(被写体)が横方向に4ブロック、縦方向にゼロブロック移動したと判定される場合(すなわち、移動量が(4,0)である場合)には、図17に示すような測光パターンおよび調光エリアから、図18に示すような測光パターンおよび調光エリアへと変更される。ただし、この時点では、測光パターン等を変更するだけであり、測光パターン変更に伴う再測光動作は未だ行われない。再測光動作は、シャッタボタン9が全押し状態S2にまで押下された後のステップSP12において行われる。
【0112】
その後、ステップSP11においてシャッタボタン9が全押し状態S2にまで押下されるまで、同様の動作が繰り返される。また、ステップSP3,SP5に戻った場合には、ステップSP5で新たなライブビュー画像を取得し、その新たなライブビュー画像を所定フレーム数前に取得されていたライブビュー画像と比較して、ステップSP6,SP7,SP8などの各処理を行う。
【0113】
そして、シャッタボタン9が全押し状態S2にまで押下された時点でステップSP12に進む。ステップSP12以降においては、本撮影動作が行われる。
【0114】
ステップSP12においては、測光動作を再度行い、再設定された測光パターンを用いて得られた測光値に基づいて、所定のプログラムラインに基づき、シャッタスピードおよび絞り値を決定する。すなわち、AE制御を行う。
【0115】
その後、ステップSP13において、露光動作が開始される。
【0116】
この露光動作においては、フラッシュ調光制御が行われる。具体的には、フラッシュの発光が開始(ステップSP14)されると、調光センサ15でフラッシュ発光量が検出され、フラッシュ発光量が積算される。このとき、ステップSP10で決定された調光エリアに対応するセンサーユニットUTでの受光量が用いられる。ステップSP17では、フラッシュ発光量の積算値が所定の基準値にまで到達したか否かが判定され、未だ到達していない場合にはステップSP15に戻り同様の動作が繰り返される。そして、フラッシュ発光量の積算値が所定の基準値にまで到達したと判定されると、フラッシュ発光が終了される(ステップSP18)。
【0117】
その後、所定の露光時間が経過したか否かが判定され(ステップSP19)、露光時間が経過したと判定されると露光が終了し、CCD撮像素子20から電気信号が読み出される(ステップSP20)。その後、読み出された電気信号に対して所定の画像処理が施されることにより画像データが作成され、作成された画像データがメモリカード90(記録媒体)に記録される(ステップSP21)。
【0118】
以上のように、この実施形態のデジタルカメラ1によれば、構図の変化が検出されないときには、撮影準備動作の開始指令に応答して決定された撮影パラメータを用いた本撮影動作を行い、構図の変化が検出されたときには、その決定された撮影パラメータを用いた本撮影動作を行わない。したがって、構図の変化の検出結果を反映させて、より高画質の画像を撮影することが可能になる。また、CCD撮像素子20で連続的に取得されたライブビュー画像(より詳細には複数のライブビュー画像のうちの2枚のライブビュー画像)における変化を検出することによって、撮影準備動作の開始指令後における構図の変化を検出することができるので、構図変化検出用に別個のセンサーを設ける必要がなく、より簡易に構図の変化を検出することができる。
【0119】
また、カラー撮像センサからの複数の色成分データの変化を検出することによって構図の変化を検出しているので、単一の輝度データの変化のみを検出する場合に比べて、より正確に構図の変化を検出することが可能になる。
【0120】
さらに、複数の色成分データの変化に加えて、さらに輝度データの変化をも検出することによって構図の変化を検出しているので、より正確に構図の変化を検出することが可能になる。
【0121】
また、上記ステップSP9においてホワイトバランスゲインを変更しないので、その後に再度、ステップSP5〜ステップSP8の移動量検出動作を行う際に、ホワイトバランスの変更の影響を受けにくい。言い換えれば、被写体移動量演算部29は、ホワイトバランス処理における補正パラメータ(ホワイトバランスゲイン)を一定に維持した状態のまま取得した2枚のライブビュー画像に基づいて、構図の変化を検出することになる。したがって、より精度良く構図の変化を検出することが可能になる。
【0122】
同様に、測光パターン変更(ステップSP10)に伴う再測光動作は、シャッタボタン9が全押し状態S2にまで押下された後のステップSP12まで行われないため、ステップSP5〜ステップSP8の移動量検出動作を行う際に、輝度の変更の影響を受けにくいので、より精度良く構図の変化を検出することが可能になる。
【0123】
さらに、被写体移動量演算部29は、ホワイトバランス処理にも用いられる所定数の測色ブロック(測光ブロック)の色成分データを用いて、構図の変化を検出するので、構図変化検出のために専用の測色センサを別個に設ける必要がなく、より簡易に構図変化を検出することができる。
【0124】
また、構図の変化が検出されたときには、測光パターンを表すパラメータが再設定されるので、より高画質の画像を撮影することが可能になる。同様に、構図の変化が検出されたときには、調光エリアを表すパラメータが再設定されるので、より高画質の画像を撮影することが可能になる。
【0125】
<C.その他>
以上、この発明の実施の形態について説明したが、この発明は上記説明した内容のものに限定されるものではない。
【0126】
たとえば、上記実施形態においては、構図の変化が検出されたときには、撮影パラメータの再設定動作(詳細には再測光動作等)が行われる場合を例示してるが、これに限定されない。構図の変化が検出されたときには、撮影パラメータを用いた本撮影動作が行われなければよい。たとえば、構図の変化が検出されたときには本撮影自体を禁止するようにしてもよい。
【0127】
より詳細には、シャッタボタン9が全押し状態S2にまで押し込まれたとしてもその状態S2を撮影開始の指令として認識しないようにしてもよいし、あるいは、シャッタボタン9を全押し状態S2にまで押し込めないようにシャッタボタン9に対して機構的なロックをかけてもよい。その場合、操作者がシャッタボタン9の押下力を弱めシャッタボタン9が基準位置(通常の位置)まで戻り半押し状態S1および全押し状態S2が解除された場合には、この撮影禁止状態を解除すればよい。これにより、シャッタボタン9が再び半押し状態S1に押下されたことに応答して、上記と同様の動作を行うことが可能になる。
【0128】
また、上記実施形態においては、複数の色成分データとしては、RGB色空間で表現された3つの色成分データ(すなわち、赤色成分データ、緑色成分データ、および青色成分データ)を用いる場合について例示したがこれに限定されない。たとえば、複数の色成分データとして、RGB色空間からYCrCb色空間への表色系変換後の複数の色成分の画像データを用いるようにしてもよい。具体的には、図15、図16に示されるような2つの色成分データ、すなわち、色差Cr成分の画像データと色差Cb成分の画像データとを用いてもよい。あるいは、これら全ての6つの成分データ、すなわち、赤色成分データ、緑色成分データ、青色成分データ、輝度成分データ、色差Cr成分データ、および色差Cb成分データを用いてもよい。なお、より正確に被写体移動量を算出するためには、より多くの成分データを用いることが好ましい。
【0129】
あるいは、輝度データと少なくとも1つの色成分データとを用いて、被写体の移動量を算出し、構図の変化を検出するようにしてもよい。たとえば、輝度データと色差Cb成分データとを用いて、被写体の移動量を算出し、構図の変化を検出するようにしてもよい。これによっても、単一の輝度データの変化のみを検出する場合に比べて、より正確に構図の変化を検出することが可能になる。
【0130】
さらに、上記実施形態においては、ライブビュー画像内の全ての測光ブロックを演算対象とする場合を例示したが、これに限定されない。たとえば、ライブビュー画像内の一部の測光ブロックのみを演算対象として演算した結果を用いて、移動量を決定するようにしてもよい。
【0131】
また、上記実施形態においては、4つの移動量(Rnx,Rny),(Gnx,Gny),(Bnx,Bny),(Ynx,Yny)のうち最大変位(Mnx,Mny)を用いて、被写体の移動量を決定する場合を例示したが、これに限定されない。
【0132】
たとえば、4つの移動量(Rnx,Rny),(Gnx,Gny),(Bnx,Bny),(Ynx,Yny)に関する平均値を被写体の移動量として決定しても良いし、4つの移動量における中央値(メディアン)を被写体の移動量として決定しても良い。
【0133】
あるいは、4つの相関係数CRn,CGn,CBn,CYn自体の最小値に対応する移動量を、被写体の移動量として決定するようにしてもよい。この場合、上述したように、ノイズの影響を排除するため、特定成分の相関係数の最小値が所定の閾値よりも小さいときには、その特定成分を無効とみなし、その特定成分を除外し、残余の成分に基づいて移動変位を決定するようにしてもよい。
【0134】
なお、上述した具体的実施形態には以下の構成を有する発明が含まれている。
【0135】
(1)請求項2に記載のデジタルカメラにおいて、
前記撮影パラメータは、本撮影時の露出制御用の測光パターンを表すパラメータを含み、
前記制御手段は、前記構図の変化が検出されたときには、前記測光パターンを表すパラメータを再設定することを特徴とするデジタルカメラ。これによれば、構図の変化が検出されたときには、測光パターンを表すパラメータが再設定されるので、より高画質の画像を撮影することが可能になる。
【0136】
(2)請求項2に記載のデジタルカメラにおいて、
前記撮影パラメータは、本撮影時の調光エリアを表すパラメータを含み、
前記制御手段は、前記構図の変化が検出されたときには、前記調光エリアを表すパラメータを再設定することを特徴とするデジタルカメラ。これによれば、構図の変化が検出されたときには、調光エリアを表すパラメータが再設定されるので、より高画質の画像を撮影することが可能になる。
【0137】
(3)請求項1に記載のデジタルカメラにおいて、
前記撮像センサはカラー撮像センサであり、
前記検出手段は、前記カラー撮像センサからの信号に基づいて生成される、輝度データおよび少なくとも1つの色成分データの変化を検出することによって、前記構図の変化を検出することを特徴とするデジタルカメラ。これによれば、輝度データの変化と少なくとも1つの色成分データの変化とを検出することによって構図の変化を検出するので、単一の輝度データの変化のみを検出する場合に比べて、より正確に構図の変化を検出することが可能になる。
【0138】
【発明の効果】
以上のように、請求項1ないし請求項5に記載の発明によれば、構図の変化が検出されないときには、撮影準備動作の開始指令に応答して決定された撮影パラメータを用いた本撮影動作を行い、構図の変化が検出されたときには、その決定された撮影パラメータを用いた本撮影動作を行わないので、構図の変化の検出結果を反映させて、より高画質の画像を撮影することが可能になる。また、撮像センサで連続的に取得されたライブビュー画像の変化を検出することによって、撮影準備動作の開始指令後における構図の変化を検出することができるので、構図変化検出用に別個のセンサーを設ける必要がなく、より簡易に構図の変化を検出することができる。
【0139】
特に、請求項2に記載の発明によれば、カラー撮像センサからの複数の色成分データの変化を検出することによって構図の変化を検出するので、単一の輝度データの変化のみを検出する場合に比べて、より正確に構図の変化を検出することが可能になる。
【0140】
また、請求項3に記載の発明によれば、複数の色成分データの変化に加えて、さらに輝度データの変化をも検出することによって、構図の変化を検出するので、より正確に構図の変化を検出することが可能になる。
【0141】
さらに、請求項4に記載の発明によれば、ホワイトバランス処理における補正パラメータを一定に維持した状態のまま取得したライブビュー画像に基づいて、構図の変化を検出するので、より正確に色成分データの変化を検出することができる。
【0142】
また、請求項5に記載の発明によれば、検出手段は、ホワイトバランス処理にも用いられる所定数の測色ブロックの色成分データを用いて、構図の変化を検出するので、構図変化検出のために専用の測色センサを別個に設ける必要がなく、より簡易に構図変化を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】デジタルカメラの外観構成を示す正面図である。
【図2】デジタルカメラの外観構成を示す上面図である。
【図3】デジタルカメラの外観構成を示す背面図である。
【図4】デジタルカメラの内部機能を示すブロック図である。
【図5】デジタルカメラの内部構成を示す図である。
【図6】測光ブロックを示す図である。
【図7】調光センサおよび調光エリアを示す図である。
【図8】ライブビュー画像における画素数、測光ブロック個数、調光ブロック個数等の関係をまとめて示す図である。
【図9】構図の変化前のライブビュー画像を示す図である。
【図10】構図の変化後のライブビュー画像を示す図である。
【図11】赤色成分データを示す図である。
【図12】緑色成分データを示す図である。
【図13】青色成分データを示す図である。
【図14】輝度成分データを示す図である。
【図15】色差信号Cr成分データを示す図である。
【図16】色差信号Cb成分データを示す図である。
【図17】変更前の測光パターンおよび調光エリアを示す図である。
【図18】変更後の測光パターンおよび調光エリアを示す図である。
【図19】デジタルカメラの動作を示すフローチャートである。
【図20】デジタルカメラの動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 デジタルカメラ
2 撮影レンズ
9 シャッタボタン
14 フラッシュ
15 調光センサ
17 リレー光学系
18 ビームスプリッタ
19 空間ローパスフィルタ
20 CCD撮像素子
44 画像メモリ
90 メモリカード
FR1,FR2 ライブビュー画像
UT センサユニット
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタルカメラに関する。
【0002】
【従来の技術】
銀塩フィルムを用いたカメラにおいては、動きのある主要被写体を追いかけながらシャッタチャンスの到来を待って撮影する操作として、次のようなものがある。具体的には、まず、主要被写体をフレーミング領域のほぼ中央に捉え、シャッタボタンを半押し状態(以下、状態S1とも称する)にする。このとき、AF動作、AE動作、AWB動作が行われ、その時点で決定された各種の撮影パラメータが一旦固定(ロック)される。そして、カメラをパンニングさせて主要被写体を追いかけつつ、シャッタチャンスの到来とともに、シャッタボタンを全押し状態(以下、状態S2とも称する)にまで押下するのである。
【0003】
撮影時の撮影パラメータとしては、半押し状態S1の際に決定された値をそのまま用いることが可能である。ただし、パンニングによるフレーミング(構図)の変化に伴って背景等が変化するので、より適切な露光量等で撮影された撮影画像を得るためには、構図の変化があるときには撮影パラメータを再度設定し直すことが好ましい。
【0004】
このような撮影パラメータの再設定動作を行う従来技術としては、ぶれ検出センサー(より詳細には角速度計など)を用いて構図の変化を検出し、構図の変化が検出されるときに撮影パラメータを再設定するものが存在する(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−142108号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の特許文献1などに示されるような従来技術においては、パンニング等による構図の変化を検出するために、ぶれ検出センサーを別個に設ける必要がある。したがって、部品点数が増えてしまうという問題がある。
【0007】
そこで、本発明は前記問題点に鑑み、より簡易な構成で、構図の変化を検出することが可能なデジタルカメラを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、デジタルカメラであって、光電変換を用いて被写体の画像を取得する撮像センサと、前記撮像センサで連続的に取得された画像をライブビュー画像として表示する画像表示手段と、前記ライブビュー画像における変化を検出することにより、前記被写体に関する構図の変化を検出する検出手段と、撮影準備動作の開始指令を入力する入力手段と、前記被写体に関する撮影パラメータを決定する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記開始指令に応答して、前記被写体の本撮影用の撮影パラメータを決定して保持し、前記検出手段によって前記開始指令以降に前記構図の変化が検出されないときには、前記撮影パラメータを用いた本撮影動作を行い、前記検出手段によって前記開始指令以降に前記構図の変化が検出されたときには、前記撮影パラメータを用いた本撮影動作を行わない。
【0009】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明に係るデジタルカメラにおいて、前記撮像センサはカラー撮像センサであり、前記検出手段は、前記カラー撮像センサからの信号に基づいて生成される複数の色成分データの変化を検出することによって、前記構図の変化を検出する。
【0010】
また、請求項3の発明は、請求項2の発明に係るデジタルカメラにおいて、前記検出手段は、前記複数の色成分データの変化に加えて、さらに輝度データの変化をも検出することによって、前記構図の変化を検出する。
【0011】
また、請求項4の発明は、請求項2の発明に係るデジタルカメラにおいて、ホワイトバランス処理を行う色処理手段、をさらに備え、前記検出手段は、前記ホワイトバランス処理における補正パラメータを一定に維持した状態のまま取得した前記ライブビュー画像に基づいて、前記構図の変化を検出する。
【0012】
また、請求項5の発明は、請求項2の発明に係るデジタルカメラにおいて、前記ライブビュー画像を区分した所定数の測色ブロックの色成分データを用いてホワイトバランス処理を行う色処理手段、をさらに備え、前記検出手段は、前記所定数の測色ブロックの色成分データを用いて、前記構図の変化を検出する。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0014】
<A.構成>
<概要>
図1、図2及び図3は、本発明の実施形態に係るデジタルカメラ(より詳細にはデジタルスチルカメラ)1の外観構成を示す図であり、図1は正面図、図2は上面図、図3は背面図に相当する。これらの図は必ずしも三角図法に則っているものではなく、デジタルカメラ1の外観を例示することを主眼としている。
【0015】
デジタルカメラ1の正面側には撮影レンズ2が設けられる。この撮影レンズ2はズーム機能を有しており、ズームリング2aを手動操作で回動させることによって撮影倍率の変更を行うことができるように構成される。
【0016】
また、デジタルカメラ1のグリップ部1aの上部にはシャッタボタン(レリーズボタン)9が設けられており、該シャッタボタン9はユーザによる半押し状態(以下、状態S1とも称する)と全押し状態(以下、状態S2とも称する)とを区別して検出可能な2段階押し込みスイッチとなっており、自動合焦モードが設定されている場合には半押し状態S1のときに自動合焦制御を開始し、全押し状態S2のときに記録用画像を撮影するための本撮影動作を開始する。
【0017】
また、デジタルカメラ1の上面には、「撮影モード」と「再生モード」とを切替設定するモード切替え用のダイヤル3が設けられている。撮影モードは被写体の撮影を行って画像データの生成を行うモードである。また、再生モードはメモリカード90に記録された画像データを、デジタルカメラ1の背面側に設けられた液晶表示部(以下、LCDという。)5に再生表示するモードである。
【0018】
具体的には、撮影モードを示す「撮影」が表示された部分を所定の位置(図2の三角印MT)にまで回転移動させることによって、撮影モードに設定することができる。また、再生モードを示す「再生」が表示された部分を所定の位置(図2の三角印MT)にまで回転移動させることによって、再生モードに設定することができる。
【0019】
また、このダイヤル3は、電源のオン操作およびオフ操作を受け付けるためにも用いられる。すなわち、ダイヤル3は電源操作部とも称することができる。具体的には、ダイヤル3の「OFF」が表示されている部分を所定の位置(図2の三角印MT)にまで回転移動させることによって、電源をオフにする操作(電源オフ操作)が行われる。
【0020】
また、デジタルカメラ1の上面には、フラッシュ14が設けられている。ここでは、フラッシュ14として、ポップアップ方式の内蔵フラッシュが示されている。この内蔵フラッシュの発光量は、後述するように、調光センサ15(図5)によって検出される光量に基づいて、全体制御部30(図4)などによって制御される。
【0021】
デジタルカメラ1の背面には、本撮影動作前のライブビュー表示及び記録画像の再生表示等を行うためのLCD5と、電子ビューファインダ(以下、EVFという。)4とが設けられている。このLCD5およびEVF4では、それぞれカラー画像の表示が行われる。なお、以下の説明においてはLCD5およびEVF4がそれぞれ320×240の表示画素数を有する場合を例示する。
【0022】
また、デジタルカメラ1の背面にはメニューボタン6が設けられており、例えば、撮影モード時にメニューボタン6が押下されると、各種撮影条件を設定するための各種メニュー画面がLCD5に表示される。また、デジタルカメラ1の背面には、LCD5における表示カーソルを4方向に移動させるための十字カーソルボタン7U,7D,7L,7R、及び十字カーソルボタンの中央部に設けられる決定ボタン7Cで構成されるコントロールボタン7が設けられる。これらメニューボタン6及びコントロールボタン7を用いて各種撮影パラメータの設定操作が行われる。各種撮影パラメータの設定状態はデジタルカメラ1の上面側に配置されるデータパネル8に表示される。また、デジタルカメラ1の背面には、ライブビュー表示時にLCD5に表示される表示内容(特に撮影情報の表示状態)を切り替えるための切替ボタン13が設けられている。
【0023】
なお、撮影パラメータは、合焦制御用パラメータ(AF用パラメータ)、露出制御用パラメータ(AE用パラメータ)、ホワイトバランス制御用パラメータ(AWB用パラメータ)、およびフラッシュ制御用パラメータなどを含む。このうち、露出制御用パラメータは、測光パターン(を表す番号)、シャッタスピード、および絞り値等を含み、ホワイトバランス制御用パラメータは、ホワイトバランスゲイン等を含む。さらに、フラッシュ制御用パラメータは、調光エリア(を表す番号)等を含む。また、露出制御用パラメータ(AE用パラメータ)およびフラッシュ制御用パラメータを総称して、測光用パラメータとも称するものとする。
【0024】
さらに、デジタルカメラ1の側面には、デジタルカメラ1の設定状態に関する操作を行うためのファンクション操作部11が設けられている。このファンクション操作部11は、中央部に設けられたファンクションボタン11aと、回動可能なように設けられたファンクションダイヤル11bとを備えて構成される。また、ファンクション操作部11の下部には、合焦モードを自動合焦モードと手動合焦モードとで切り替えるための合焦モード切替ボタン12が設けられている。
【0025】
また、デジタルカメラ1の側面には、挿抜自在(着脱自在)な記録媒体であるメモリカード90の挿入装着部が設けられており、本撮影によって得られる画像データはこの挿入装着部にセットされるメモリカード90に記録される。
【0026】
次に、デジタルカメラ1の内部構成について説明する。図4は、デジタルカメラ1の内部機能を示すブロック図である。
【0027】
撮影レンズ2はレンズ駆動部41によって駆動され、CCD撮像素子(撮像センサ)20に結像される像の合焦状態を変化させるように構成される。自動合焦(オートフォーカス)設定時には全体制御部30において周知の山登り方式によって撮影レンズ2のレンズ駆動量が決定され、このレンズ駆動量に基づいて撮影レンズ2が駆動されるのに対し、手動合焦(マニュアルフォーカス)設定時にはユーザによるコントロールボタン7の操作量に応じてレンズ駆動量が決定され、このレンズ駆動量に基づいて撮影レンズ2が駆動される。
【0028】
CCD撮像素子20は被写体像を撮影して電子的な画像信号を生成する撮像手段として機能するものであり、例えば2560×1920個の画素を有し、撮影レンズ2によって結像された被写体の光像を、画素毎にR(赤),G(緑),B(青)の色成分の画像信号(各画素で受光された画素信号の信号列からなる信号)に光電変換して出力する。すなわち、CCD撮像素子20は、光電変換を用いて被写体のカラー画像を取得するカラー撮像センサである。タイミングジェネレータ42は、CCD撮像素子20の駆動を制御するための各種のタイミングパルスを生成するものである。
【0029】
CCD撮像素子20から得られる画像信号は信号処理回路21に与えられ、信号処理回路21において画像信号(アナログ信号)に対して所定のアナログ信号処理が施される。信号処理回路21は相関二重サンプリング回路(CDS)とオートゲインコントロール回路(AGC)とを有しており、相関二重サンプリング回路により画像信号のノイズ低減処理を行い、オートゲインコントロール回路でゲインを調整することにより画像信号のレベル調整を行う。
【0030】
A/D変換器22は、画像信号の各画素信号を12ビットのデジタル信号に変換するものである。A/D変換器22は、全体制御部30から入力されるA/D変換用のクロックに基づいて各画素信号(アナログ信号)を12ビットのデジタル信号に変換する。変換後のデジタル信号は、画像データとして一時的に画像メモリ44に格納される。そして、画像メモリ44に保存された画像データに対して、次述するWB回路23、γ補正回路24、色補正部25、解像度変換部26、圧縮・伸張部46などによる各処理が施される。また、各処理後の画像データは、各処理の内容に応じて、再度画像メモリ44に再格納されるか、あるいは、別の処理部に対して転送される。
【0031】
WB(ホワイトバランス)回路23は、R,G,Bの各色成分のレベル変換を行うものである。WB回路23は、全体制御部30で記憶されるレベル変換テーブルを用いてR,G,Bの各色成分のレベルを変換する。なお、レベル変換テーブルの各色成分のパラメータ(特性の傾き)は全体制御部30により、オートまたはマニュアルで、撮影画像毎に設定される。γ補正回路24は、画素データの階調を補正するものである。
【0032】
色補正部25は、γ補正回路24から入力される画像データに対し、ユーザから設定された色補正に関するパラメータに基づいて色補正処理を行う。
【0033】
解像度変換部26は、CCD撮像素子20から得られる画像データに対して所定の解像度変換を行うものである。
【0034】
例えばライブビュー表示時には、CCD撮像素子20で連続的に撮像された画像がライブビュー画像としてLCD5などにおいて表示される。このライブビュー表示時には、CCD撮像素子20から取得される画像データに対して、解像度変換部16が所定の解像度変換を施し、LCD5の表示画素数に適合した画像サイズの画像データ(320×240画素)、すなわちライブビュー画像を生成する。また、自動合焦時には、ライブビュー表示時とは異なり、AF評価領域に対応する画像成分の抽出が行われる。なお、本撮影時には解像度変換部26は解像度変換処理を行うことなく、色補正部25から得られる画像データをそのまま全体制御部30に出力する。そして本撮影時に得られる画像データは全体制御部30を介して画像メモリ44に格納されることになる。
【0035】
ライブビュー表示時には、解像度変換部26によって所定の解像度変換が施された画像データは、全体制御部30を介して画像合成部43に与えられ、LCD5及びEVF4に対してライブビュー画像の表示が行われるとともに、測光演算部28にも与えられ、自動露出(AE)制御用の評価値が算出される。これに対し、自動合焦制御時には、全体制御部30から指定されるAF評価領域に対応する画像成分が抽出され、その画像成分の画像データがAF評価値演算部27に与えられ、自動合焦(AF)制御用の評価値が算出される。
【0036】
AF評価値演算部27はユーザによってシャッタボタン9が半押し状態とされた場合に機能し、コントラスト方式の自動合焦制御を行うための評価値演算動作が行われる。ここでは、AF評価領域に対応する画像成分について水平方向に隣接する2画素間での差分絶対値の総和がAF用評価値として算出される。そしてAF評価値演算部27において算出されるAF用評価値は全体制御部30へと出力され、自動合焦制御が実現される。
【0037】
測光演算部28は、解像度変換部26から出力される画像データを複数のブロックに分割し、各ブロックの代表輝度値に基づいてAE用評価値を算出する。そして測光演算部28において算出されるAE用評価値は全体制御部30へと出力され、全体制御部30における自動露光制御に用いられる。また、この測光演算部28は、測色演算部としての機能をも有している。具体的には、ホワイトバランス制御用パラメータ(詳細にはホワイトバランスゲイン(WBゲイン)など)を決定する機能を有している。決定された各パラメータは、全体制御部30およびWB回路23によって用いられ、画像データに対するホワイトバランス制御が行われる。
【0038】
被写体移動量演算部29は、後述するように、CCD撮像素子20からの複数の色成分データの変化を検出することによって、被写体の移動量を検出し、構図の変化を検出する。複数の色成分データとしては、たとえば、RGB色空間で表現された3つの画像データ、すなわち、赤色成分の画像データ(「赤色成分データ」とも称する)、緑色成分の画像データ(「緑色成分データ」とも称する)、および青色成分の画像データ(「青色成分データ」とも称する)を用いることができる。また、複数の色成分データに加えて、輝度データをも用いるようにしてもよい。輝度データは、RGB色空間からYCrCb色空間への表色系変換により算出される輝度成分値Yとして得ることができる。この表色系変換処理は、色補正部25によって行われる。
【0039】
画像メモリ44は、本撮影時にCCD撮像素子20で取得され、上記の画像処理が施された画像データを一時的に記憶するメモリである。画像メモリ44は、例えば数フレーム分の記憶容量を有している。そして本撮影後に画像のアフタービュー等が行われる場合には、画像メモリ44から画像合成部43に画像データが与えられ、撮影画像を確認するための画像表示が行われる。また、撮影後にユーザからの消去指示がない場合には、画像メモリ44からメモリカード90に対して画像データが転送され、画像データの記録保存が行われる。
【0040】
カードインタフェース(カードI/F)47は、デジタルカメラ1側面の挿入装着部に対して装着されるメモリカード90への画像データの書込み及び読出しを行うためのインタフェースである。メモリカード90に対する画像データの読み書き時には、圧縮・伸張部46において例えばJPEG方式で画像データの圧縮処理又は伸張処理が行われる。また、外部接続インタフェース(外部接続I/F)48は通信ケーブル等を介して外部コンピュータ91と通信可能にするためのインタフェースであり、例えばUSB規格に準拠した通信用インタフェース等で実現される。これらカードI/F47、外部接続I/F48を介して、メモリカード90や外部コンピュータ91にセットされるCD−ROM等の記録媒体に記録される制御プログラムを、全体制御部30のRAM30a又はROM30b内に取り込むことができる。そして全体制御部30においてそのプログラムが実行されることにより、各種機能が実現される。
【0041】
操作部45は、上述したダイヤル3、メニューボタン6、コントロールボタン7、シャッタボタン9、ファンクション操作部11、合焦モード切替ボタン12、切替ボタン13等を含む操作部であり、ユーザがデジタルカメラ1の設定状態を変更操作する際や撮影操作を行う際等に用いられる。
【0042】
また、リアルタイムクロック49は、いわゆる時計部である。リアルタイムクロック49の計時機能により、デジタルカメラ1は現在時刻を認識することができる。
【0043】
さらに、デジタルカメラ1は電池51を駆動源としている。電池51としては、例えば直列接続された4本の単三形乾電池を用いることができる。そして、電池51からデジタルカメラ1内の各処理部への電力供給は、電力制御部52によって制御される。
【0044】
全体制御部30は内部にRAM30a及びROM30bを備えたマイクロコンピュータによって構成され、マイクロコンピュータが所定のプログラムを実行することにより、上記各部を統括的に制御する制御手段として機能する。なお、ROM30bは電気的にデータの書き換えが可能な不揮発性メモリである。
【0045】
撮影モード時において、全体制御部30はCCD撮像素子20を駆動する駆動方式をタイミングジェネレータに指令する。特に、ユーザがシャッタボタン9を操作していないときには、全体制御部30はライブビュー画像を取得するためにCCD撮像素子20での撮影動作を繰り返すようにタイミングジェネレータに指令する。これによってCCD撮像素子20ではライブビュー表示用の撮影画像(ライブビュー画像)が取得される。
【0046】
<測光、測色、調光>
図5は、デジタルカメラ1の内部構成を示す図である。デジタルカメラ1は、撮影レンズ2(より詳細にはレンズ群2c,2d)と絞り16と調光センサ15とリレー光学系17とビームスプリッタ18と空間ローパスフィルタ19とCCD撮像素子20とをカメラ内部空間に備えている。
【0047】
レンズ群2cを通過した光は、絞り16によって光量調整され、レンズ群2dを通過してビームスプリッタ18に入射する。
【0048】
ビームスプリッタ18は、赤外カットフィルタとしての機能をも有しており、レンズ群2dからの透過光のうち赤外成分が、ビームスプリッタ18の内部に設けられた面18fにおいて反射される。この反射光は、図5に示すように下方に進路を変更し、ビームスプリッタ18の外部との境界面で再度反射して進路を変更した後、リレー光学系17を通過して、調光センサ15に入射する。後述するように、この調光センサ15に入射した光に基づいて、フラッシュ調光制御が行われる。具体的には、調光センサ15での受光量の積算値が所定値に到達した時点で、フラッシュ発光を停止することによって被写体の明るさを適切なものとすることができる。
【0049】
一方、レンズ群2dからの透過光のうち赤外成分以外の成分は、面18fを通過した後、高周波成分を除去する空間ローパスフィルタ19をさらに通過してCCD撮像素子20に入射する。このCCD撮像素子20に入射した光は、可視領域成分を含む成分を含んでおり、光電変換によって電気信号に変換され、その後の各種の処理によって画像データに変換される。
【0050】
この実施形態においては、測光制御および測色制御は、CCD撮像素子20からの画像データを用いて行われ、フラッシュの調光制御は調光センサ15からの出力信号を用いて行われる。
【0051】
まず、測色制御および測色制御について説明する。
【0052】
図6は、測光制御に用いられる測光ブロック(「AE評価用ブロック」とも称する)を示す図である。ここでは、所定の画素数(たとえば、320画素×240画素)を有するライブビュー画像を所定の大きさに区分したブロックを測光ブロックとして用いるものとする。なお、これらの測光ブロックは、後述するように、WB回路23による測色制御(オートホワイトバランス制御)で用いられるホワイトバランス制御用パラメータを決定するための評価用ブロックでもあるため、測色ブロック(ないし「AWB評価用ブロック」)と称することもできる。
【0053】
ライブビュー画像は、CCD撮像素子20(図5)に入射した後に、信号処理回路21,A/D変換器22、WB回路23、γ補正回路24、色補正部25、解像度変換部26による各処理が施されて、所定の大きさのライブビュー画像として取得される。ここでは、一例として、320画素×240画素の画素数を有するライブビュー画像を例示する。各測光ブロックは、このライブビュー画像を横方向に20個、縦方向に15個に区分することにより得られる。すなわち、ライブビュー画像は、合計300(=20×15)個の測光ブロックで構成され、各測光ブロックは、それぞれ、16画素(横方向)×16画素(縦方向)のサイズを有している。なお、この測光ブロックに関するデータは、所定の記憶部(画像メモリ44、RAM30aなど)に格納される。
【0054】
また、ライブビュー画像は、複数の色成分データを有している。より具体的には、ライブビュー画像は、赤色(R)成分データ、緑色(G)成分データ、青色(B)成分データの3つの色成分データを有している。また、ここでは、色補正部25が表色系変換処理を行うことによって、輝度(Y)成分データも得られているものとする。そして、これらの4つの成分データは、それぞれ、ライブビュー画像の所定の画素数(たとえば、320画素×240画素)を有している。
【0055】
そして、4つの成分データのうち輝度成分データ(Y成分データ)を用いて測光制御が行われ、3つの色成分データを用いて測色制御が行われる。また、後述するように、これらの4つの成分データは、被写体移動量演算にも用いられる。
【0056】
測光制御(AE制御)としては種々の方式のものが存在するが、たとえば中央重点測光方式を採用すればよい。この中央重点測光方式によれば、主被写体の位置に応じて、その重点部分が異なる複数の測光パターンのいずれか(たとえば図17あるいは図18の測光パターン)を用いることが可能であるため、より正確な露出制御が可能になる。
【0057】
また、測色制御として適宜の方式のものを採用することによって、3つの色成分データを用いて、画面全体にわたるホワイトバランス(WB)が適正となるようにホワイトバランスゲインを決定することができる。
【0058】
つぎに、フラッシュ調光制御について説明する。図7は、調光センサ15を示す図である。
【0059】
図7に示すように、調光センサ15は、5×5個(合計25個)のセンサユニットUTを有している。図7においては、各センサユニットUTとCCD撮像素子20との対応関係が示されている。実線は、各センサユニットUTの実際の配置を示しており、破線はCCD撮像素子20における各測光ブロック(AE評価用ブロック)の仮想的な対応位置を示している。破線で囲まれる1つの矩形領域は、それぞれ、1つの測光ブロックに対応している。
【0060】
調光センサ15の各センサユニットUTは、ビームスプリッタ18で分離された赤外成分を検出することによって、画像内での所定部分に対応する位置におけるフラッシュ光の受光量を測定することができる。
【0061】
また、全体制御部30は、主要被写体の位置に応じて調光エリアを選択して決定する。そして、全体制御部30は、フラッシュの発光を開始した後、複数のセンサユニットUTのうち選択された調光エリアに対応するセンサユニットUTでのフラッシュ受光量を積算し、その積算値が所定の基準値に到達した時点でフラッシュ発光を終了する。このようにしてフラッシュ調光制御が行われる。
【0062】
なお、図8は、上述したような、有効画素数、ライブビュー画像における画素数、測光ブロック個数(測色ブロック個数)、調光ブロック個数の関係をまとめて示す図である。図8に示すように、CCD撮像素子20は、2560画素(横方向)×1920画素(縦方向)の有効画素を有しており、解像度変換等により320画素(横方向)×240画素(縦方向)のサイズのライブビュー画像が作成される。そして、このライブビュー画像は、20個(横方向)×15個(縦方向)の測光ブロックに区分される。一方、調光センサ15は、5個(横方向)×5個(縦方向)の数のセンサユニットUTで構成されている。
【0063】
<構図変化の検出>
つぎに、構図変化の検出について説明する。図9および図10は、構図の変化を示す図である。ここでは、海岸沿いの砂浜を歩いている人物を、パンニングしながら撮影する場合を想定している。歩いている人物が主要被写体である。
【0064】
図9に示すように、撮影者は、まず、人物を画面の中央に捉えた状態とし、シャッタボタンを半押し状態(以下、状態S1とも称する)にする。この半押し状態S1は、操作者によって撮影準備動作の開始指令が与えられた状態であると表現することができる。この開始指令に応答して、AF動作、AE動作、AWB動作が行われ、その時点で決定された各種の撮影パラメータが一旦固定(ロック)される。なお、このとき、ライブビュー画像FR1が取得される。
【0065】
その後、歩いていく人物をパンニングしながら追いかけた後、シャッタボタン9を全押し状態S2にすれば、本撮影を行うことができる。図10は、このようなパンニング中のライブビュー画像FR2を示している。パンニングによる構図の変化に伴って、各画像FR1,FR2における中心線は、位置CL1から位置CL2へと移動している。
【0066】
ここで、上述したように、撮影時の撮影パラメータとしては、半押し状態S1の際に決定された値をそのまま用いることが可能である。ただし、パンニング等によるフレーミング(構図)の変化に伴って背景等が変化するので、より適切な露光量等で撮影された撮影画像を得るため、構図の変化があるときには撮影パラメータを再度設定し直すことが好ましい。
【0067】
そこで、この実施形態においては、CCD撮像素子20を用いて連続的に撮像されたライブビュー画像の変化を検出することによって、シャッタボタン9が半押し状態S1にされた後(言い換えれば、撮影準備動作の開始指令後)における構図の変化(より詳細には構図の変化の有無)を検出する。そして、構図の変化が検出された場合には、測光制御を再度やり直すことによって、その決定された撮影パラメータを用いた本撮影動作を行わないようにする。これにより、構図の変化の検出結果を反映させて、より高画質の画像を撮影することが可能になる。一方、構図の変化が検出されないときには、その決定された撮影パラメータを用いた本撮影動作を行えばよい。
【0068】
具体的には、移動前後の2つのライブビュー画像(たとえば画像FR1,FR2)を比較することによって、構図の変化を検出することができる。より具体的には、後述するように、ライブビュー画像における被写体位置の変化は、2枚のライブビュー画像の相関を求めることによって検出される。
【0069】
また、これらの2つの画像の比較は、ライブビュー画像に関する画像データのうち、複数(ここでは3つ)の色成分データを用いて行うことが好ましい。ここでは、赤色成分データ、緑色成分データ、および青色成分データを用いるものとする。
【0070】
図11〜図13は、図9のライブビュー画像FR1の3つの色成分のそれぞれに対応する図である。また、図示していないが、デジタルカメラ1は、図10のライブビュー画像FR2の3つの色成分のそれぞれに対応する画像を同様に取得することができる。
【0071】
これに対して、輝度成分データ(単に輝度データとも称する)だけを用いて、2つの画像間における構図の変化を検出することも可能である。図14は、図9のライブビュー画像FR1の輝度データを示す図である。
【0072】
しかしながら、この輝度データだけを用いて、2つの画像間における構図の変化を検出する場合よりも、複数の色成分データを用いて2つの画像間における構図の変化を検出する方が、検出精度を向上させることができる。これは次のような事情による。
【0073】
仮に、図14に示すような輝度データのみを用いて2つの画像データを比較するとすれば、主要被写体と背景被写体との輝度差が少ないため、構図の変化を正確に検出できない場合もあり得る。あるいは、画面内における輝度の特異点(たとえば太陽光からの直射光が撮影されたような高輝度部分)の有無が相違する2つの画像データを比較する場合には、輝度についての相関演算(後述)によっても被写体の移動量を誤検出してしまうことがある。
【0074】
一方、図11から図13に示す例では、3つの色成分データのうち青色成分データ(図13)によれば、主要被写体である「人物」の画素レベルと背景の「空」の画素レベルとの差が大きくなっており、両者は区別されやすくなっている。また、背景の「山」と「空」とが区別されやすくなっている状態でもある。したがって、このとき青色成分データについて2つの画像データを比較することによれば、より正確に構図の変化を検出することが可能である。また、画面内の特異点の有無が相違する2つの画像を用いる場合であっても、このような青色成分データを用いれば特異点の影響を緩和することができる。
【0075】
なお、上記においては、青色成分データを用いることにより最も移動量を正確に検出することができる場合を例示しているが、いずれの成分データを用いることが良いかは被写体に依存し一定ではない。しかしながら、いずれかの成分データによる移動量の検出結果が正確な結果となる可能性が高くなるため、単一の成分データ(たとえば輝度成分データ)だけでなく、複数の成分データ(たとえば複数の色成分データ)を用いることによって、構図変化の有無の検出をより正確に行うことが可能になる。
【0076】
また、複数の色成分データに加えて、輝度データをも用いるようにしてもよい。より多くの成分データを用いることによれば、移動量の検出精度を向上させることが可能である。以下では、3つの色成分データに加え輝度データをも用いて、構図の変化を検出する場合について説明する。
【0077】
具体的には、各測色ブロック(言い換えれば、測光ブロック)の色成分データを用いて、2つの画像の相関度を求める。なお、この測色ブロックは、WB回路23でのホワイトバランス処理にも用いられるものである。言い換えれば、測色ブロックは、ホワイトバランス処理と相関演算処理とで共用(ないし兼用)されるものであるといえる。
【0078】
より詳細には、次の数1〜数4によって相関係数CRn,CGn,CBn,CYnを求める。
【0079】
【数1】
【0080】
【数2】
【0081】
【数3】
【0082】
【数4】
【0083】
これらの数式を用いて、ライブビュー画像として異なる時点で取得される2つの画像FRm,FRnを比較する。たとえば、m=n−1として、第(n−1)フレームの画像および第nフレームの画像を比較してもよい。あるいは、m=n−3として、所定の複数フレーム間隔(ここでは3フレーム間隔)で取得される2つの画像(すなわち、第(n−3)フレームの画像および第nフレームの画像)を比較してもよい。さらには、m=n−6あるいはm=n−10などとしてもよい。このように、2つの画像は、異なる時点で取得されたライブビュー画像であればよい。
【0084】
なお、各値Rm(i,j),Gm(i,j),Bm(i,j),Ym(i,j)は、各成分データの測光ブロック(i,j)(ただし、iは縦方向の位置を示し、jは横方向の位置を示す)の代表値を示している。この代表値としては、各測光ブロック内の画素の画素値の合計値あるいは平均値等を用いることができる。各値Rn(i−x,j−y)等についても同様である。また、各相関係数CRn,CGn,CBn,CYnは、移動変位(x,y)に関する関数である。
【0085】
つぎに、各相関係数CRn,CGn,CBn,CYnを最小にする移動変位(x,y)を、それぞれ、変位(Rnx,Rny),(Gnx,Gny),(Bnx,Bny),(Ynx,Yny)として求める。各変位(Rnx,Rny),(Gnx,Gny),(Bnx,Bny),(Ynx,Yny)は、それぞれ、各成分データから算出された移動量を示している。
【0086】
理想的には、実際の移動変位(rx,ry)を数1〜数4に代入すれば、各相関係数CRn,CGn,CBn,CYnは、ゼロとなる。このように、各相関係数CRn,CGn,CBn,CYnをそれぞれ最小にする移動変位(x,y)が、各成分データに基づき求められる移動量であることが理解できる。ただし、ノイズの影響等により構図変化が存在しない場合でも通常はゼロにはならない。そこで、ノイズの影響を排除するため、各相関係数が所定のレベルに到達していない場合には、構図の変化が存在しないとみなすようにしてもよい。より詳細には、ノイズの影響を排除するための所定の閾値よりも各相関係数が小さいときには、当該相関係数に対応して求められた移動変位は無効とみなすようにしてもよい。
【0087】
この後、さらにこれら4つの移動量(Rnx,Rny),(Gnx,Gny),(Bnx,Bny),(Ynx,Yny)を用いて、構図変化の移動量を決定する。この決定動作には様々な手法を用いることができる。
【0088】
たとえば、4つの移動量(Rnx,Rny),(Gnx,Gny),(Bnx,Bny),(Ynx,Yny)のうち、その大きさが最大のものを被写体の移動量(Mnx,Mny)として決定することができる。対応位置が大きく離れているにもかかわらず、2枚の画像の相関度が高い(具体的には、相関係数が比較的小さい)ということ、すなわち一致の度合いが高いということは、被写体の移動量(言い換えれば、構図変化における移動量)を正確に表している可能性が高いと考えられるからである。
【0089】
その後、構図変化の有無を最終的に判定する。
【0090】
以上のようにして、被写体の移動量、言い換えれば構図の変化の有無を決定することができる。
【0091】
なお、図9および図10においては、背景被写体が変化するとともに、主要被写体の位置も変化する場合について例示しているが、背景被写体のみが変化する場合についても同様の動作によって、構図の変化を検出することができる。
【0092】
<撮影パラメータの再設定>
また、上述したように、構図の変化が有ったと判定された場合には、測光制御を再度やり直した後に、本撮影時の撮影パラメータの再設定を行う。具体的には、決定された移動量(Mnx,Mny)に基づいて、測光パターンおよび調光エリアを変更する。図17は変更前の測光パターンおよび調光エリアを示す図であり、図18は変更後の測光パターンおよび調光エリアを示す図である。図18は、移動量(x,y)が(4,0)として決定された場合を例示している。図17および図18においては、測光パターンとして重点測光パターンを用いる場合が示されている。
【0093】
図17に示すように、変更前の測光パターンにおいては、主被写体が画面の中央に存在するとして、画面の中央位置の測光ブロックが最も大きな重み付け係数で重み付けされ、画面の周辺部の測光ブロックが比較的小さな重み付け係数で重み付けされている。たとえば、中央の領域A1およびその周辺領域A2,A3の重み付け係数は、それぞれ、10,5,1として定められる。
【0094】
また、調光制御は、画面の中央に対応するセンサユニットUTからの出力のみに応じて調光を行うものとして定められる。言い換えれば、調光エリアは、画面の中央に対応する位置の矩形領域D1となる。
【0095】
一方、図18に示すように、変更後の測光パターンにおいては、移動量に応じてその重点部分が移動している。より詳細には、図17と比較すると判るように、領域A1の中心位置は、算出された移動量に応じて右側に移動しており、領域A2の中心位置も、その算出された移動方向(すなわち右側)に移動している。また、調光制御は、中央のセンサユニットUTの右隣のセンサユニットUTからの出力のみに応じて調光を行うものとして定められる。言い換えれば、調光エリアは、画面中央の右隣の位置に対応する矩形領域D2となる。
【0096】
以上のように、構図の変化が有ったと判定された場合には、測光用パラメータ(露出制御用パラメータおよびフラッシュ制御用パラメータ)を変更することができる。特に、図9および図10に示すように、フレーム内において、パンニングによる背景被写体の位置変化だけでなく、主要被写体自体の移動等による主要被写体の位置変化が存在する場合においても、その構図変化における変化量(移動量)を検出し、その変化量に応じた測光用パラメータ(測光パターン等)を採用して、測光制御およびフラッシュ調光制御等の最適化を図ることが可能である。なお、この場合、構図変化における変化量(ないし被写体の移動量)は、主要被写体の移動量と背景被写体の移動量とを総合的に評価した値として算出されることになる。
【0097】
<B.動作>
つぎに、図19および図20を参照しつつ、デジタルカメラ1における制御動作について詳細に説明する。ここではフラッシュ発光を伴う撮影を行う場合を例示する。また、以下の各動作は、全体制御部30の制御下において実行される。
【0098】
図19および図20は、シャッタボタン9が半押し状態S1にまで押下された後のサブルーチン処理を示す図である。このサブルーチンは、メインルーチンから適宜のタイミングで呼び出されて実行される。
【0099】
まず、ステップSP1においては、シャッタボタン9が半押し状態S1にされたことに応答して、測距動作、測光動作、測色動作が行われる。すなわち、自動合焦制御(AF制御)、自動露光制御(AE制御)、自動ホワイトバランス制御(AWB制御)が行われる。各制御動作は、シャッタボタン9が半押し状態S1にされる直前ないし直後に撮像された1枚ないし複数枚のライブビュー画像(たとえば画像FR1を含む複数の画像)に基づいて行われる。各制御動作によって、被写体が合焦状態にされるとともに、画像の露光状態およびホワイトバランスが適切に調整される。
【0100】
ステップSP2においては、AFロック、AEロック、WBゲインロックが行われる。これにより、ステップSP1で調整された各撮影パラメータ(具体的には、合焦制御用パラメータ、露出制御用パラメータ(測光パターン、シャッタスピード、絞り値)、およびホワイトバランス制御用パラメータ)が決定され、その値で固定される。また、フラッシュ制御用パラメータである調光エリアが5×5の複数のエリアのうちの中央のエリアに設定される。
【0101】
このように、撮影動作の開始指令に応答して、デジタルカメラ1は、測距動作および測光動作等を行い、被写体の本撮影用の撮影パラメータを決定して保持する。
【0102】
次のステップSP3においては、半押し状態S1が解除されたか否かを判定する。半押し状態S1が解除されている場合には、ステップSP4に進む。ステップSP4では、AFロック、AEロック、WBゲインロック、調光エリア設定をそれぞれ解除し、サブルーチンを終了してメインルーチンに戻る。一方、半押し状態S1が解除されていない場合には、ステップSP5に進む。ステップSP5以降では、構図変化を検出する処理を含む各種の処理が行われる。
【0103】
まず、ステップSP5では、次のライブビュー画像(たとえば画像FR2)が撮像される。なお、操作者は、2枚の画像FR1,FR2の撮影間隔(ステップSP1からステップSP5に至る期間)においても、動く被写体を追いかけるなどの撮影動作(たとえばパンニングを伴う撮影動作)を行い続けている。言い換えれば、画像FR2は、画像FR1と比較して、構図変化が生じている可能性を有している。
【0104】
そして、ステップSP6では、各変位(Rnx,Rny),(Gnx,Gny),(Bnx,Bny),(Ynx,Yny)を求める。上述したように、各変位(ベクトル量)は、それぞれ、各相関係数CRn,CGn,CBn,CYnを最小にする移動変位(x,y)であり、被写体の移動量として、各成分データから算出されるものである。
【0105】
さらに、ステップSP7では、これらの変位(Rnx,Rny),(Gnx,Gny),(Bnx,Bny),(Ynx,Yny)のうちの最大変位(Mnx,Mny)を求める。より詳細には、各変位ベクトルの大きさ(ノルム)が最大となる変位べクトルが最大変位(Mnx,Mny)として算出される。
【0106】
そして、ステップSP8では、全体制御部30は、この最大変位の大きさが所定の閾値Ath(たとえば2ブロック)以上であるという条件を満たすか否かを判定する。すなわち、この条件を用いて、構図変化の有無が最終的に判定される。なお、閾値Athの値は、ブロックの分割数、2枚の比較対象画像の撮像時間間隔などに応じて、適宜の値に定めればよい。
【0107】
全体制御部30は、この条件が満たされない場合には、構図の変化が検出されない(あるいは有効な検出結果が得られない)と判定してステップSP3へ戻り同様の動作を繰り返す。この条件を満たさないということ、すなわち、最大変位(Mnx,Mny)の大きさが所定の閾値Athよりも小さいということは、その検出結果がノイズの影響を受けている可能性が高いと考えられるからである。
【0108】
一方、全体制御部30は、この条件が満たされる場合には、被写体が確かに移動した、すなわち、構図の変化が検出された(且つこの検出結果が有効である)と判定して、ステップSP9に進む。このとき、最大変位(Mnx,Mny)は、被写体の移動量を表しているものとみなされる。ステップSP9,SP10では、撮影パラメータの再設定動作が行われる。
【0109】
ステップSP9では、AEロックを解除するとともに、調光エリア設定を解除する。一方、AFロックは維持され、WBゲインロックも維持される。
【0110】
また、ステップSP10では、ステップSP7で検出された移動量に応じて、測光パターンおよび調光エリアを変更する。
【0111】
たとえば、構図(被写体)が横方向に4ブロック、縦方向にゼロブロック移動したと判定される場合(すなわち、移動量が(4,0)である場合)には、図17に示すような測光パターンおよび調光エリアから、図18に示すような測光パターンおよび調光エリアへと変更される。ただし、この時点では、測光パターン等を変更するだけであり、測光パターン変更に伴う再測光動作は未だ行われない。再測光動作は、シャッタボタン9が全押し状態S2にまで押下された後のステップSP12において行われる。
【0112】
その後、ステップSP11においてシャッタボタン9が全押し状態S2にまで押下されるまで、同様の動作が繰り返される。また、ステップSP3,SP5に戻った場合には、ステップSP5で新たなライブビュー画像を取得し、その新たなライブビュー画像を所定フレーム数前に取得されていたライブビュー画像と比較して、ステップSP6,SP7,SP8などの各処理を行う。
【0113】
そして、シャッタボタン9が全押し状態S2にまで押下された時点でステップSP12に進む。ステップSP12以降においては、本撮影動作が行われる。
【0114】
ステップSP12においては、測光動作を再度行い、再設定された測光パターンを用いて得られた測光値に基づいて、所定のプログラムラインに基づき、シャッタスピードおよび絞り値を決定する。すなわち、AE制御を行う。
【0115】
その後、ステップSP13において、露光動作が開始される。
【0116】
この露光動作においては、フラッシュ調光制御が行われる。具体的には、フラッシュの発光が開始(ステップSP14)されると、調光センサ15でフラッシュ発光量が検出され、フラッシュ発光量が積算される。このとき、ステップSP10で決定された調光エリアに対応するセンサーユニットUTでの受光量が用いられる。ステップSP17では、フラッシュ発光量の積算値が所定の基準値にまで到達したか否かが判定され、未だ到達していない場合にはステップSP15に戻り同様の動作が繰り返される。そして、フラッシュ発光量の積算値が所定の基準値にまで到達したと判定されると、フラッシュ発光が終了される(ステップSP18)。
【0117】
その後、所定の露光時間が経過したか否かが判定され(ステップSP19)、露光時間が経過したと判定されると露光が終了し、CCD撮像素子20から電気信号が読み出される(ステップSP20)。その後、読み出された電気信号に対して所定の画像処理が施されることにより画像データが作成され、作成された画像データがメモリカード90(記録媒体)に記録される(ステップSP21)。
【0118】
以上のように、この実施形態のデジタルカメラ1によれば、構図の変化が検出されないときには、撮影準備動作の開始指令に応答して決定された撮影パラメータを用いた本撮影動作を行い、構図の変化が検出されたときには、その決定された撮影パラメータを用いた本撮影動作を行わない。したがって、構図の変化の検出結果を反映させて、より高画質の画像を撮影することが可能になる。また、CCD撮像素子20で連続的に取得されたライブビュー画像(より詳細には複数のライブビュー画像のうちの2枚のライブビュー画像)における変化を検出することによって、撮影準備動作の開始指令後における構図の変化を検出することができるので、構図変化検出用に別個のセンサーを設ける必要がなく、より簡易に構図の変化を検出することができる。
【0119】
また、カラー撮像センサからの複数の色成分データの変化を検出することによって構図の変化を検出しているので、単一の輝度データの変化のみを検出する場合に比べて、より正確に構図の変化を検出することが可能になる。
【0120】
さらに、複数の色成分データの変化に加えて、さらに輝度データの変化をも検出することによって構図の変化を検出しているので、より正確に構図の変化を検出することが可能になる。
【0121】
また、上記ステップSP9においてホワイトバランスゲインを変更しないので、その後に再度、ステップSP5〜ステップSP8の移動量検出動作を行う際に、ホワイトバランスの変更の影響を受けにくい。言い換えれば、被写体移動量演算部29は、ホワイトバランス処理における補正パラメータ(ホワイトバランスゲイン)を一定に維持した状態のまま取得した2枚のライブビュー画像に基づいて、構図の変化を検出することになる。したがって、より精度良く構図の変化を検出することが可能になる。
【0122】
同様に、測光パターン変更(ステップSP10)に伴う再測光動作は、シャッタボタン9が全押し状態S2にまで押下された後のステップSP12まで行われないため、ステップSP5〜ステップSP8の移動量検出動作を行う際に、輝度の変更の影響を受けにくいので、より精度良く構図の変化を検出することが可能になる。
【0123】
さらに、被写体移動量演算部29は、ホワイトバランス処理にも用いられる所定数の測色ブロック(測光ブロック)の色成分データを用いて、構図の変化を検出するので、構図変化検出のために専用の測色センサを別個に設ける必要がなく、より簡易に構図変化を検出することができる。
【0124】
また、構図の変化が検出されたときには、測光パターンを表すパラメータが再設定されるので、より高画質の画像を撮影することが可能になる。同様に、構図の変化が検出されたときには、調光エリアを表すパラメータが再設定されるので、より高画質の画像を撮影することが可能になる。
【0125】
<C.その他>
以上、この発明の実施の形態について説明したが、この発明は上記説明した内容のものに限定されるものではない。
【0126】
たとえば、上記実施形態においては、構図の変化が検出されたときには、撮影パラメータの再設定動作(詳細には再測光動作等)が行われる場合を例示してるが、これに限定されない。構図の変化が検出されたときには、撮影パラメータを用いた本撮影動作が行われなければよい。たとえば、構図の変化が検出されたときには本撮影自体を禁止するようにしてもよい。
【0127】
より詳細には、シャッタボタン9が全押し状態S2にまで押し込まれたとしてもその状態S2を撮影開始の指令として認識しないようにしてもよいし、あるいは、シャッタボタン9を全押し状態S2にまで押し込めないようにシャッタボタン9に対して機構的なロックをかけてもよい。その場合、操作者がシャッタボタン9の押下力を弱めシャッタボタン9が基準位置(通常の位置)まで戻り半押し状態S1および全押し状態S2が解除された場合には、この撮影禁止状態を解除すればよい。これにより、シャッタボタン9が再び半押し状態S1に押下されたことに応答して、上記と同様の動作を行うことが可能になる。
【0128】
また、上記実施形態においては、複数の色成分データとしては、RGB色空間で表現された3つの色成分データ(すなわち、赤色成分データ、緑色成分データ、および青色成分データ)を用いる場合について例示したがこれに限定されない。たとえば、複数の色成分データとして、RGB色空間からYCrCb色空間への表色系変換後の複数の色成分の画像データを用いるようにしてもよい。具体的には、図15、図16に示されるような2つの色成分データ、すなわち、色差Cr成分の画像データと色差Cb成分の画像データとを用いてもよい。あるいは、これら全ての6つの成分データ、すなわち、赤色成分データ、緑色成分データ、青色成分データ、輝度成分データ、色差Cr成分データ、および色差Cb成分データを用いてもよい。なお、より正確に被写体移動量を算出するためには、より多くの成分データを用いることが好ましい。
【0129】
あるいは、輝度データと少なくとも1つの色成分データとを用いて、被写体の移動量を算出し、構図の変化を検出するようにしてもよい。たとえば、輝度データと色差Cb成分データとを用いて、被写体の移動量を算出し、構図の変化を検出するようにしてもよい。これによっても、単一の輝度データの変化のみを検出する場合に比べて、より正確に構図の変化を検出することが可能になる。
【0130】
さらに、上記実施形態においては、ライブビュー画像内の全ての測光ブロックを演算対象とする場合を例示したが、これに限定されない。たとえば、ライブビュー画像内の一部の測光ブロックのみを演算対象として演算した結果を用いて、移動量を決定するようにしてもよい。
【0131】
また、上記実施形態においては、4つの移動量(Rnx,Rny),(Gnx,Gny),(Bnx,Bny),(Ynx,Yny)のうち最大変位(Mnx,Mny)を用いて、被写体の移動量を決定する場合を例示したが、これに限定されない。
【0132】
たとえば、4つの移動量(Rnx,Rny),(Gnx,Gny),(Bnx,Bny),(Ynx,Yny)に関する平均値を被写体の移動量として決定しても良いし、4つの移動量における中央値(メディアン)を被写体の移動量として決定しても良い。
【0133】
あるいは、4つの相関係数CRn,CGn,CBn,CYn自体の最小値に対応する移動量を、被写体の移動量として決定するようにしてもよい。この場合、上述したように、ノイズの影響を排除するため、特定成分の相関係数の最小値が所定の閾値よりも小さいときには、その特定成分を無効とみなし、その特定成分を除外し、残余の成分に基づいて移動変位を決定するようにしてもよい。
【0134】
なお、上述した具体的実施形態には以下の構成を有する発明が含まれている。
【0135】
(1)請求項2に記載のデジタルカメラにおいて、
前記撮影パラメータは、本撮影時の露出制御用の測光パターンを表すパラメータを含み、
前記制御手段は、前記構図の変化が検出されたときには、前記測光パターンを表すパラメータを再設定することを特徴とするデジタルカメラ。これによれば、構図の変化が検出されたときには、測光パターンを表すパラメータが再設定されるので、より高画質の画像を撮影することが可能になる。
【0136】
(2)請求項2に記載のデジタルカメラにおいて、
前記撮影パラメータは、本撮影時の調光エリアを表すパラメータを含み、
前記制御手段は、前記構図の変化が検出されたときには、前記調光エリアを表すパラメータを再設定することを特徴とするデジタルカメラ。これによれば、構図の変化が検出されたときには、調光エリアを表すパラメータが再設定されるので、より高画質の画像を撮影することが可能になる。
【0137】
(3)請求項1に記載のデジタルカメラにおいて、
前記撮像センサはカラー撮像センサであり、
前記検出手段は、前記カラー撮像センサからの信号に基づいて生成される、輝度データおよび少なくとも1つの色成分データの変化を検出することによって、前記構図の変化を検出することを特徴とするデジタルカメラ。これによれば、輝度データの変化と少なくとも1つの色成分データの変化とを検出することによって構図の変化を検出するので、単一の輝度データの変化のみを検出する場合に比べて、より正確に構図の変化を検出することが可能になる。
【0138】
【発明の効果】
以上のように、請求項1ないし請求項5に記載の発明によれば、構図の変化が検出されないときには、撮影準備動作の開始指令に応答して決定された撮影パラメータを用いた本撮影動作を行い、構図の変化が検出されたときには、その決定された撮影パラメータを用いた本撮影動作を行わないので、構図の変化の検出結果を反映させて、より高画質の画像を撮影することが可能になる。また、撮像センサで連続的に取得されたライブビュー画像の変化を検出することによって、撮影準備動作の開始指令後における構図の変化を検出することができるので、構図変化検出用に別個のセンサーを設ける必要がなく、より簡易に構図の変化を検出することができる。
【0139】
特に、請求項2に記載の発明によれば、カラー撮像センサからの複数の色成分データの変化を検出することによって構図の変化を検出するので、単一の輝度データの変化のみを検出する場合に比べて、より正確に構図の変化を検出することが可能になる。
【0140】
また、請求項3に記載の発明によれば、複数の色成分データの変化に加えて、さらに輝度データの変化をも検出することによって、構図の変化を検出するので、より正確に構図の変化を検出することが可能になる。
【0141】
さらに、請求項4に記載の発明によれば、ホワイトバランス処理における補正パラメータを一定に維持した状態のまま取得したライブビュー画像に基づいて、構図の変化を検出するので、より正確に色成分データの変化を検出することができる。
【0142】
また、請求項5に記載の発明によれば、検出手段は、ホワイトバランス処理にも用いられる所定数の測色ブロックの色成分データを用いて、構図の変化を検出するので、構図変化検出のために専用の測色センサを別個に設ける必要がなく、より簡易に構図変化を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】デジタルカメラの外観構成を示す正面図である。
【図2】デジタルカメラの外観構成を示す上面図である。
【図3】デジタルカメラの外観構成を示す背面図である。
【図4】デジタルカメラの内部機能を示すブロック図である。
【図5】デジタルカメラの内部構成を示す図である。
【図6】測光ブロックを示す図である。
【図7】調光センサおよび調光エリアを示す図である。
【図8】ライブビュー画像における画素数、測光ブロック個数、調光ブロック個数等の関係をまとめて示す図である。
【図9】構図の変化前のライブビュー画像を示す図である。
【図10】構図の変化後のライブビュー画像を示す図である。
【図11】赤色成分データを示す図である。
【図12】緑色成分データを示す図である。
【図13】青色成分データを示す図である。
【図14】輝度成分データを示す図である。
【図15】色差信号Cr成分データを示す図である。
【図16】色差信号Cb成分データを示す図である。
【図17】変更前の測光パターンおよび調光エリアを示す図である。
【図18】変更後の測光パターンおよび調光エリアを示す図である。
【図19】デジタルカメラの動作を示すフローチャートである。
【図20】デジタルカメラの動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 デジタルカメラ
2 撮影レンズ
9 シャッタボタン
14 フラッシュ
15 調光センサ
17 リレー光学系
18 ビームスプリッタ
19 空間ローパスフィルタ
20 CCD撮像素子
44 画像メモリ
90 メモリカード
FR1,FR2 ライブビュー画像
UT センサユニット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタルカメラであって、
光電変換を用いて被写体の画像を取得する撮像センサと、
前記撮像センサで連続的に取得された画像をライブビュー画像として表示する画像表示手段と、
前記ライブビュー画像における変化を検出することにより、前記被写体に関する構図の変化を検出する検出手段と、
撮影準備動作の開始指令を入力する入力手段と、
前記被写体に関する撮影パラメータを決定する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、
前記開始指令に応答して、前記被写体の本撮影用の撮影パラメータを決定して保持し、
前記検出手段によって前記開始指令以降に前記構図の変化が検出されないときには、前記撮影パラメータを用いた本撮影動作を行い、
前記検出手段によって前記開始指令以降に前記構図の変化が検出されたときには、前記撮影パラメータを用いた本撮影動作を行わないことを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項2】
請求項1に記載のデジタルカメラにおいて、
前記撮像センサはカラー撮像センサであり、
前記検出手段は、前記カラー撮像センサからの信号に基づいて生成される複数の色成分データの変化を検出することによって、前記構図の変化を検出することを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項3】
請求項2に記載のデジタルカメラにおいて、
前記検出手段は、前記複数の色成分データの変化に加えて、さらに輝度データの変化をも検出することによって、前記構図の変化を検出することを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項4】
請求項2に記載のデジタルカメラにおいて、
ホワイトバランス処理を行う色処理手段、
をさらに備え、
前記検出手段は、前記ホワイトバランス処理における補正パラメータを一定に維持した状態のまま取得した前記ライブビュー画像に基づいて、前記構図の変化を検出することを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項5】
請求項2に記載のデジタルカメラにおいて、
前記ライブビュー画像を区分した所定数の測色ブロックの色成分データを用いてホワイトバランス処理を行う色処理手段、
をさらに備え、
前記検出手段は、前記所定数の測色ブロックの色成分データを用いて、前記構図の変化を検出することを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項1】
デジタルカメラであって、
光電変換を用いて被写体の画像を取得する撮像センサと、
前記撮像センサで連続的に取得された画像をライブビュー画像として表示する画像表示手段と、
前記ライブビュー画像における変化を検出することにより、前記被写体に関する構図の変化を検出する検出手段と、
撮影準備動作の開始指令を入力する入力手段と、
前記被写体に関する撮影パラメータを決定する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、
前記開始指令に応答して、前記被写体の本撮影用の撮影パラメータを決定して保持し、
前記検出手段によって前記開始指令以降に前記構図の変化が検出されないときには、前記撮影パラメータを用いた本撮影動作を行い、
前記検出手段によって前記開始指令以降に前記構図の変化が検出されたときには、前記撮影パラメータを用いた本撮影動作を行わないことを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項2】
請求項1に記載のデジタルカメラにおいて、
前記撮像センサはカラー撮像センサであり、
前記検出手段は、前記カラー撮像センサからの信号に基づいて生成される複数の色成分データの変化を検出することによって、前記構図の変化を検出することを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項3】
請求項2に記載のデジタルカメラにおいて、
前記検出手段は、前記複数の色成分データの変化に加えて、さらに輝度データの変化をも検出することによって、前記構図の変化を検出することを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項4】
請求項2に記載のデジタルカメラにおいて、
ホワイトバランス処理を行う色処理手段、
をさらに備え、
前記検出手段は、前記ホワイトバランス処理における補正パラメータを一定に維持した状態のまま取得した前記ライブビュー画像に基づいて、前記構図の変化を検出することを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項5】
請求項2に記載のデジタルカメラにおいて、
前記ライブビュー画像を区分した所定数の測色ブロックの色成分データを用いてホワイトバランス処理を行う色処理手段、
をさらに備え、
前記検出手段は、前記所定数の測色ブロックの色成分データを用いて、前記構図の変化を検出することを特徴とするデジタルカメラ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2004−173151(P2004−173151A)
【公開日】平成16年6月17日(2004.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2002−339146(P2002−339146)
【出願日】平成14年11月22日(2002.11.22)
【出願人】(000006079)ミノルタ株式会社 (155)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成16年6月17日(2004.6.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成14年11月22日(2002.11.22)
【出願人】(000006079)ミノルタ株式会社 (155)
【Fターム(参考)】
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