デジタルカメラ
【課題】 撮影者のイメージする画質の撮影画像が得られるようにする。
【解決手段】 デジタルカメラは夕焼けモードが設定可能になっている。夕焼けモードでは撮像部3で取り込まれた画像信号は所定の画像処理の後、画像メモリ209に記憶される。サムネイル画像作成部219及びプレビュー画像作成部220は画像メモリ209から画像データを読出し、特性の異なる調整値でWB調整を行って色合いの異なる複数の見本画像を作成し、LCD表示部10にマトリックス表示する。撮影者はスイッチ群215の所定のスイッチを操作して所望の見本画像を選択することができ、見本画像が選択されると、サムネイル画像作成部219は画像メモリ209から画像データを読出し、選択された見本画像と同一の特性値でWB調整を行った後、メモリカード18に記録する。複数の見本画像を表示し、この見本画像に基づき所望の画像処理を選択できるようにした。
【解決手段】 デジタルカメラは夕焼けモードが設定可能になっている。夕焼けモードでは撮像部3で取り込まれた画像信号は所定の画像処理の後、画像メモリ209に記憶される。サムネイル画像作成部219及びプレビュー画像作成部220は画像メモリ209から画像データを読出し、特性の異なる調整値でWB調整を行って色合いの異なる複数の見本画像を作成し、LCD表示部10にマトリックス表示する。撮影者はスイッチ群215の所定のスイッチを操作して所望の見本画像を選択することができ、見本画像が選択されると、サムネイル画像作成部219は画像メモリ209から画像データを読出し、選択された見本画像と同一の特性値でWB調整を行った後、メモリカード18に記録する。複数の見本画像を表示し、この見本画像に基づき所望の画像処理を選択できるようにした。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被写体光像を画像信号に光電変換して取り込み、この画像信号に所定の画像処理を施した後、記録媒体に記録するデジタルカメラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、デジタルカメラにおいては、カメラ本体にLCD(Liquid Crystal Display)表示部を備え、記録媒体から記録された複数枚の撮影画像を読み出し、これらの撮影画像をサムネイル画像に加工した後、マトリックス状に配列してLCD表示部にインデックス表示するものが知られている。
【0003】また、パーソナルコンピュータによる画像処理においては、スキャナ等の画像読取装置から取り込まれた画像に複数種類のγ特性、色調特性等を用いて画像処理を施し、階調特性や彩度特性の異なる複数枚の画像を作成し、これらの画像をマトリックス状に配列してCRT(Cathode Ray Tube)やLCD等の表示装置に表示するものが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、デジタルカメラにおける写真撮影において、例えば夕焼けシーンの撮影のような場合には撮影者のイメージする写真の仕上がりは撮影者によって異なるので、撮影画像の画像処理に一定の幅を持たせ、その中で撮影者が所望の画像処理を選択できるようにした方がデジタルカメラの操作性が向上し、便利である。この場合、撮影画像に対して仕上がり具合の異なる複数のサムネイル画像による見本画像をカメラ本体に設けたLCD表示部にマトリックス表示し、撮影者が仕上がり状態をモニタしつつ画像処理を選択できると、より好ましい。
【0005】しかし、従来のデジタルカメラにおいては、CCD(Charge Coupled Device)等の撮像素子で取り込まれた画像信号にホワイトバランス調整、階調調整、彩度調整、輪郭補正等の種々の画質に関する画像処理が施された後、メモリカード等の記録媒体に記録されるようになっているが、一般にホワイトバランス調整等の各画像処理は、予め設定された所定の特性に基づいて行われ、撮影画像の画像処理はカメラ内で自動的に処理されるようになっている。
【0006】上記のように、コンピュータの画像処理においては、取り込んだ画像の画質に関する補正処理を決定するために仕上がり具合の異なる複数の画像をモニタ表示する技術は知られているが、デジタルカメラにおいてはかかる技術は提案されていない。上述のLCD表示部を有し、このLCD表示部に複数のサムネイル画像をマトリックス表示するデジタルカメラにおいても記録媒体に記録された複数枚の撮影画像をインデックス表示するにすぎず、撮影画像の画像処理を選択するため仕上がり具合の異なる複数の画質見本画像をモニタ表示するものではない。
【0007】本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、撮影画像に対して画像処理の異なる複数の見本画像を表示させ、この表示画像の中から所望の画像処理方法を選択可能にすることで、撮影者の撮影イメージに合致した撮影画像が得られるデジタルカメラを提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、被写体光像を画像信号に光電変換して取り込む撮像手段と、画像を表示する表示手段と、上記撮像手段で取り込まれた画像信号を一時、記憶する第1の記憶手段と、上記第1の記憶手段から上記画像信号を読み出し、予め設定された複数個の特性値でそれぞれ画像処理を行い、画質の異なる複数枚の画質見本画像を作成する見本画像作成手段と、上記見本画像作成手段で作成された複数枚の画質見本画像を上記表示手段に表示する表示制御手段と、上記表示手段に表示された複数枚の画質見本画像の内、いずれか1の画質見本画像を選択する画像選択手段と、上記第1の記憶手段から上記画像信号を読み出し、上記画像選択手段で選択された画質見本画像と同一の特性値で画像処理を行う画像処理手段と、上記画像処理手段で画像処理が行われた画像信号を保存する第2の記憶手段とを備えているものである(請求項1)。
【0009】上記構成によれば、撮像手段で取り込まれた画像信号は、第1の記憶手段に一時、記憶される。第1の記憶手段に記憶された画像信号は読み出され、予め設定された複数個の特性値でそれぞれ画像処理が行われて画質の異なる複数枚の画質見本画像が作成され、これらの画質見本画像はマトリックス状に配列されて表示手段に表示される。そして、表示手段に表示された画質見本画像からいずれか1の画質見本画像が撮影者により画像選択手段で選択されると、第1の記憶手段から画像信号が読み出され、選択された画質見本画像と同一の特性値で画像処理が行われた後、その画像信号が第2の記憶手段に保存される。
【0010】また、本発明は、上記デジタルカメラにおいて、予め設定された所定の撮影モードが設定可能になされ、この撮影モードが設定されたとき、見本画像作成手段、表示制御手段及び画像処理手段の各手段での処理を可能にするものである(請求項2)。
【0011】上記構成によれば、所定の撮影モードが設定され、その撮影モードで写真撮影が行われると、撮像手段で取り込まれた画像信号に基づいて画質の異なる複数枚の画質見本画像が作成され、これらの画質見本画像はマトリックス状に配列されて表示手段に表示される。そして、表示手段に表示された画質見本画像からいずれか1の画質見本画像が撮影者により画像選択手段で選択されると、画像信号に対して選択された画質見本画像と同一の特性値で画像処理が行われた後、その画像信号が第2の記憶手段に保存される。
【0012】一方、所定の撮影モードが設定されていない状態で、写真撮影が行われると、撮像手段で取り込まれた画像信号に基づく画質の異なる複数枚の画質見本画像の作成及び当該画質見本画像の表示は行われにない。従って、撮像手段で取り込まれた画像信号は、予め設定された所定の特性値で画像処理が行われた後、第2の記憶手段に保存される。
【0013】また、本発明は、上記デジタルカメラにおいて、撮影モードは夕焼けシーンを撮影対象とする夕焼けモードであり、見本画像作成手段で行われる画像処理は、ホワイトバランス調整処理である(請求項2)。
【0014】上記構成によれば、夕焼けモードにおいて、撮像手段で画像が撮影されると、その画像を予め設定された互いに異なる複数のホワイトバランス調整値で画像処理した複数枚の画質見本画像が作成され、表示手段にマトリックス状にモニタ表示される。例えば標準的な色バランスの画像のほか、赤味の強い画像や橙色の強い画像のように色バランスの崩れた複数の画質サムネイ見本画像がモニタ表示される。そして、このサ画質見本画像のうち、いずれか1の画質見本画像が選択されると、撮影画像はその見本画像と同一の色バランスにホワイトバランス調整されて第2の記憶手段に保存される。例えば赤っぽい画質見本画像が選択されると、撮影画像は赤っぽい色バランスの画質に仕上げられる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明に係るデジタルカメラについて、図を用いて説明する。図1は、本発明に係るデジタルカメラの正面図、図2は、同デジタルカメラの背面図である。また、図3,図4は、それぞれ同デジタルカメラの上面図、底面図である。
【0016】デジタルカメラ1は、箱型のカメラ本体部2と直方体状の撮像部3とから構成されている。撮像部3は、正面から見てカメラ本体部2の右側面に着脱可能、かつ、この右側面と平行な面内に回動可能に装着されている。また、撮像部3は、専用の接続ケーブルを介してカメラ本体部2に接続することもできるようになっている。なお、本実施の形態では、撮像部3をカメラ本体部2の右側面に取り付けているが、カメラ本体部2の左側面に取り付けるようにしてもよい。
【0017】撮像部3は、図1、図2の設定位置(以下、この位置を回転基準位置という。)を基準としてカメラ本体部2の側面内で略±(90+α)°の範囲で回動することができるようになっている。撮像部3は、マクロズームからなる撮影レンズ及びCCD(Charge Coupled Device)等の光電変換素子からなる撮像装置を有し、被写体の光学像を画像信号(CCDの各画素で光電変換された電荷信号により構成される画像信号)に変換して取り込むものである。
【0018】一方、カメラ本体部2は、LCD(Liquid Crystal Display)からなる表示部10(図2参照)、メモリカード18(図6参照)の装着部及びパーソナルコンピュータが外部接続される接続端子13(図2参照)を有し、主として上記撮像部3で取り込まれた画像信号に所定の信号処理を施した後、LCD表示部10への表示、メモリカード18への記録、パーソナルコンピュータへの転送等の処理を行なうものである。
【0019】撮像部3は、カメラ本体部2の高さ方向の長さ寸法と略同一の長さ寸法を有し、かつ、カメラ本体部2の幅寸法と略同一の寸法を有する縦長直方体状の撮像部本体3Aを備え、この撮像部本体3Aの一方側面には撮像部3をカメラ本体部2に装着するための装着部3Bが突設されている。
【0020】撮像部本体3Aの内部には、図5に示すように、マクロズームレンズ301が配設され、このマクロズームレンズ301の後方位置の適所にCCDカラーエリアセンサ303を備えた撮像回路302が設けられている。また、撮像部3内の適所にフラッシュ光の被写体からの反射光を受光する調光センサ305を備えた調光回路304が設けられている。調光センサ305は、装着部3Bの前端面の適所に配置されている(図3参照)。
【0021】一方、撮像部本体3Aの外部には、図2に示すように、カメラ本体部2の背面と平行な側面(撮像部3を回転基準位置から+90°回転させたとき、上側となる側面)にマクロズームレンズ301のズーム比の変更及びズームとマクロとの切換を行なうためのズームレバー306が設けられ、このズームレバー306より右斜め前方位置に、撮像部3のカメラ本体部2からの離脱を可能にするロック解除レバー307が設けられている。
【0022】ズームレバー306は、横方向(撮像部3の光軸に対して垂直方向)にスライド可能なレバーで、このズームレバー306をズーム位置PZで横方向に左右にスライドさせてマクロズームレンズ301のズーム比が変更される。また、ズームレバー306をズーム位置PZを越えて右方向にスライドさせ、マクロ位置PMに設定すると、マクロズームレンズ301がマクロレンズに切り換えられる。マクロ位置PMでは、被写体におよそ50cmまで近接して撮影することができる。
【0023】カメラ本体部2の前面には、図1に示すように、左端部の適所にグリップ部4が設けられ、右端部の上部適所にフラッシュ5が設けられている。また、カメラ本体部2の背面には、図2に示すように、左端部の略中央に撮影画像のモニタ表示(ビューファインダーに相当)及び記録画像の再生表示等を行なうためのLCD表示部10が設けられている。また、LCD表示部10の上方位置にフラッシュ発光に関するFLモード設定スイッチ11と、後述する複数の撮影モードを選択的に設定するための撮影モード設定スイッチ16とが設けられ、LCD表示部10の下方位置に、メモリカード18に記録される画像データの圧縮率Kを切換設定するための圧縮率設定スイッチ12とパーソナルコンピュータが外部接続される接続端子13とが設けられている。FLモード設定スイッチ11及び撮影モード設定スイッチ16は、プッシュスイッチからなり、圧縮率設定スイッチ12は、2接点のスライドスイッチからなる。
【0024】デジタルカメラ1は、下記表1に示すように、予め設定された10種類の撮影モードが選択的に設定可能になされ、撮影画像は設定された撮影モードに応じた所定の画像処理がなされるようになっている。撮影モード設定スイッチ16を押すと、現在設定されている撮影モードがLCD表示部10に表示され、撮影モード設定スイッチ16を押す毎にその表示が(1)〜(10)の順にサイクリックに切り換わり、所望の撮影モードをLCD表示部10に表示させることでその撮影モードを設定することができるようになっている。
【0025】
【表1】
【0026】なお、表1の各撮影モードは、(1)標準モード;標準的な画質が得られる撮影モード(2)ポートレートモード;人物等の肖像写真に対して適正な画質が得られる撮影モード(3)風景モード;自然や人工的な風景を被写体とした風景写真に対して適正な画質が得られる撮影モード(4)夜景モード;夜の景色を背景に撮影される夜景写真に対して適正な画質が得られる撮影モード(5)スローシンクロモード;オープンフラッシュで撮影される画像に対して適正な画質が得られる撮影モード(6)夕焼けモード;夕焼けシーンで撮影された画像に対して適正な画質が得られる撮影モード(7)マクロモード;接写される写真に対して適正な画質が得られる撮影モード(8)グレースケールモード;撮影画像をモノクロ画像に仕上げる撮影モード(9)セピアモード;撮影画像をセピア色若しくは赤褐色の調色に仕上げる撮影モード(10)ソラリゼーションモード;撮影画像をソラリゼーション画像に仕上げるモードの内容を有している。
【0027】また、同表1の各処理は、(a)エッジ強調処理;撮影画像の周波数特性を変更することによりエッジ部分の強調若しくは高周波ノイズの低減を行う処理(b)低輝度時の信号増幅処理;露出制御可能な範囲を超える低輝度シーンにおいて、露出不足を画像信号(アナログ信号)の増幅処理で補償する処理(c)階調処理;γ補正によりコントラストを調整する処理(d)彩度処理;撮影画像の彩度の強調若しくは色相回転を行う処理(e)WB処理;ホワイトバランスを調整することにより撮影画像の全体的な色バランスを調整する処理の内容を有している。
【0028】なお、上記(a)〜(e)に関する具体的な画像処理については後述する。また、備考欄の説明は、マクロズームレンズ301の焦点位置を無限遠の位置に固定して撮影することを意味し、夜景モードでは夜景の雰囲気を生かすためにフラッシュ発光を禁止して撮影することを表し、スローシンクロモードでは、フラッシュ撮影を前提とするのでフラッシュを強制発光して撮影することを表している。
【0029】また、デジタルカメラ1は、フラッシュ発光に関するモードとして被写体輝度に応じて自動的にフラッシュ5を発光させる「自動発光モード」、被写体輝度に関係なくフラッシュ5を強制的に発光させる「強制発光モード」及びフラッシュ5の発光を禁止する「発光禁止モード」が設けられ、FLモード設定スイッチ11を押す毎に「自動発光」、「強制発光」及び「発光禁止」の各モードがサイクリックに切り換わり、いずれかのモードが選択設定されるようになっている。なお、撮影モードとして夜景モード及びスローシンクロモードが設定された場合は、FLモード設定スイッチ11によるモード設定は無視され、夜景モードでは「発光禁止モード」が、また、スローシンクロモードでは「強制発光モード」がそれぞれ自動設定される。
【0030】また、デジタルカメラ1は、1/8と1/20の2種類の圧縮率Kが選択設定可能になされ、例えば圧縮率設定スイッチ12を右にスライドすると、圧縮率K=1/8が設定され、左にスライドすると、圧縮率K=1/20が設定される。なお、本実施の形態では、2種類の圧縮率Kが選択設定できるようにしているが、3種類以上の圧縮率Kを選択設定できるようにしてもよい。
【0031】更に、カメラ本体部2の背面の右端上部には、「記録モード」と「再生モード」とを切換設定する記録/再生モード設定スイッチ14が設けられ、この記録/再生モード設定スイッチ14の左側にメイン電源投入用のメインスイッチ17が設けられている。記録モードは、写真撮影を行なうモードであり、再生モードは、メモリカード18に記録された撮影画像をLCD表示部10に再生表示するモードである。記録/再生モード設定スイッチ14も2接点のスライドスイッチからなり、例えば右にスライドすると、再生モードが設定され、左にスライドすると、記録モードが設定される。また、メインスイッチ17は、プッシュスイッチからなり、オン状態でスイッチが押されると、デジタルカメラ1の電源が投入され、オフ状態でスイッチが押されると、その電源投入が解除される。
【0032】また、カメラ本体部2の上面には、図3に示すように、略中央に夕焼けモードでの撮影の際に画像処理(ホワイトバランス調整処理)を選択する一方、記録画像を再生する際にコマ送りをするためのスイッチ6,7が設けられている。また、背面側からみてスイッチ7の左側にメモリカード18に記録された画像を消去するための消去スイッチ8が設けられ、スイッチ6の右上にシャッタボタン9が設けられている。
【0033】本デジタルカメラ1は、後述するように夕焼けモードにおいては、撮影画像に対して予め設定された複数種類のホワイトバランス調整(WB調整)を行い、これらのWB調整の異なる複数のサムネイル画像をLCD表示部10にモニタ表示して撮影者が所望のWB調整値を選択できるようになっている。
【0034】夕焼けモードでの撮影の際のスイッチ6,7による画像処理の選択とは、LCD表示部10にモニタ表示されたサムネイル画像を視認しつつ、スイッチ6,7を操作して所望のWB調整がなされたサムネイル画像をカーソル指定することである。このサムネイル画像の指定方法については後述する。
【0035】一方、再生の際のスイッチ6,7による記録画像のコマ送りとは、再生モードではLCD表示部10にメモリカード18に記録された画像がコマ番号とともに表示されるようになっており、LCD表示部10に表示されたコマ画像を昇順方向(撮影順の方向)若しくは降順方向(撮影順と逆の方向)に変更指示することである。
【0036】スイッチ6は、WB調整値の選択においては、LCD表示部10に表示されたサムネイル画像の番号を増大し、コマ番号の変更においては、コマ番号が増大する方向にコマ送りするためのスイッチ(以下、UPスイッチという。)であり、スイッチ7は、WB調整値の選択においては、LCD表示部10に表示されたサムネイル画像の番号を減少し、コマ番号の変更においては、コマ番号が減少する方向にコマ送りするためのスイッチ(以下、DOWNスイッチという。)である。
【0037】なお、LCD表示部10にタッチパネルスイッチを設け、このタッチパネルスイッチによりLCD表示部10に表示されたサムネイル画像を選択するようにしてもよい。
【0038】また、カメラ本体部2の底面には、図6に示すように、電源電池Eの電池装填室とメモリカード18のカード装填室とが設けられ、両装填室の装填口は、クラムシェルタイプの蓋15により閉塞されるようになっている。
【0039】図7は、デジタルカメラ1の制御系のブロック構成図である。同図において、図1〜図6に示した部材と同一部材には同一の番号を付している。
【0040】撮像部3内のマクロズームレンズ301には開口量が固定された絞り部材(固定絞り)が設けられている。また、信号処理回路308及びタイミングジェネレータ(T・G)309は、上記撮像回路302の構成要素である。CCDエリアセンサ303(以下、CCD303と略称する。)は、CCDカラーエリアセンサからなる撮像素子で、マクロズームレンズ301により結像された被写体の光像を、R(赤),G(緑),B(青)の色成分の画像信号(各画素で受光された画素信号の信号列からなる信号)に光電変換して出力する。タイミングジェネレータ309は、CCD303の駆動を制御するための各種のタイミングパルスを生成するものである。
【0041】撮像部3における露出制御は、絞りが固定絞りとなっているので、CCD303の露光量、すなわち、シャッタスピードに相当するCCD303の電荷蓄積時間を調節して行なわれる。被写体輝度が低輝度時に適切なシャッタスピードが設定できない場合は、CCD303から出力される画像信号のレベル調整を行なうことにより露光不足による不適正露出が補正される。すなわち、低輝度時は、シャッタスピードとゲイン調整とを組み合わせて露出制御が行なわれる(表1の低輝度時の信号増幅処理を参照)。画像信号のレベル調整は、後述する信号処理回路308内のAGC回路308bのゲイン調整において行なわれる。
【0042】タイミングジェネレータ309は、カメラ本体部2から送信される基準クロックに基づきCCD303の駆動制御信号を生成するものである。タイミングジェネレータ309は、例えば積分開始/終了(露出開始/終了)のタイミング信号、各画素の受光信号の読出制御信号(水平同期信号,垂直同期信号,転送信号等)等のクロック信号を生成し、CCD303に出力する。
【0043】信号処理回路308は、CCD303から出力される画像信号(アナログ信号)に所定のアナログ信号処理を施すものである。信号処理回路308は、CDS(相関二重サンプリング)回路308aとAGC(オートゲインコントロール)回路308bとを有し、CDS回路308aにより画像信号のノイズの低減を行ない、AGC回路308bのゲインを調整することにより画像信号のレベル調整を行なう。
【0044】なお、AGC回路308aのゲインは、本体制御部201により自動設定されるが、表1に示したように、撮影モードが夜景モード又はスローシンクロモードの場合は、信号処理回路308でのゲイン調整は禁止され、CCD303の電荷蓄積時間のみで露出制御が行われる。夜景モード及びスローシンクロモードでは被写体輝度がかなり低いので、CCD303の電荷蓄積時間が長くなり、CCD303から出力される画像信号に含まれる暗ノイズが増加することになる。夜景モード及びスローシンクロモードでもCCD303からの画像信号をAGC回路308bで増幅すると、増幅された暗ノイズの影響を受けて画質の低下を招くおそれがあるので、これら両モードが設定されたときは、敢えてAGC回路308bによるゲイン調整を禁止するようにしている。
【0045】調光回路304は、フラッシュ撮影におけるフラッシュ5の発光量を本体制御部201により設定された所定の発光量に制御するものである。フラッシュ撮影においては、露出開始と同時に被写体からのフラッシュ光の反射光が調光センサ305により受光され、この受光量が所定の発光量に達すると、調光回路304からカメラ本体部2内に設けられたFL制御回路214に発光停止信号STPが出力される。FL制御回路214は、この発光停止信号STPに応答してフラッシュ5の発光を強制的に停止し、これによりフラッシュ5の発光量が所定の発光量に制御される。
【0046】スイッチ群310は、マクロズームレンズ301のズームレバー306の設定位置や撮像部3の撮像方向の設定位置を検出するスイッチ群である。
【0047】カメラ本体部2内において、基準クロック発生回路202は基準クロックを発生する回路であり、タイミング制御回路203はタイミングジェネレータ309に対するクロックCLK1及びA/D変換器205に対するクロックCLK2を生成する回路である。基準クロック発生回路202及びタイミング制御回路203の駆動は、本体制御部201により制御される。
【0048】RTC204は、撮影日時を管理するための時計回路である。RTC204はメインの電源電池とは異なる電源電池(図略)で駆動されるようになっている。
【0049】A/D変換器205は、撮像部3から入力された画像信号の各画素信号を10ビットのデジタル信号に変換するものである。A/D変換器205は、タイミング制御回路203から入力されるA/D変換用のクロックCLK2に基づいて各画素信号(アナログ信号)を10ビットのデジタル信号に変換する。
【0050】黒レベル補正回路206は、A/D変換された画素信号(以下、画素データという。)の黒レベルを基準の黒レベルに補正するものである。また、WB回路207は、γ補正後にホワイトバランスも合わせて調整されるように、R,G,Bの各色成分の画素データのレベル変換を行なうものである。表1におけるWB処理はWB回路207で行われる。WB回路207は、本体制御部201から入力される、例えば図9に示す特性を有するレベル変換テーブルを用いてR,G,Bの各色成分の画素データのレベルを変換する。
【0051】なお、表1の標準処理の場合は、レベル変換テーブルの各色成分の変換係数(特性の傾き)は、本体制御部201により撮影画像毎に設定される。一方、夜景モード及びスローシンクロモードが設定されている場合は、被写体からの反射光は殆どがフラッシュ5からのフラッシュ光であるから、R,Bの各色成分の画像データのレベルが当該フラッシュ光の色温度に合致する所定のレベルに変換されるようなフラッシュ光専用のレベル変換テーブルがWB回路207に設定される。従って、同表1の「FL用WB」は、フラッシュ光に対する専用のWB処理を行うことを表している。
【0052】また、夕焼けモードにおいては、撮影画像は通常、夕焼けシーンの画像と考えられるから、この場合も夕焼けの赤味を強調するため、ホワイトバランスが赤っぽい色に崩れるように所定のWB調整値(例えばB/G=1,R/G=K(>1))が設定される。尤も、撮影者のイメージしている夕焼けシーンに近い雰囲気が表現できるように、予め複数のWB調整値が用意され、撮影者は、これらのWB調整値の中から所望のWB調整値を選択設定できるようになっている。従って、同表1の「固定値処理」は、ホワイトバランスを赤味がかった色に崩すような所定のWB調整値であって、撮影者が選択した所定のWB調整値で処理することを表している。
【0053】γ補正回路208は、画素データのγ特性を補正するものである。表1における階調処理はγ補正回路208で行われる。γ補正回路208は、図10に示すように、γ特性の異なる5種類のγ補正テーブルを有し、設定された撮影モードに応じて所定のγ補正テーブルにより画素データのγ補正を行なう。なお、このγ補正処理において、10ビットの画素データは、8ビット(256階調)の画素データに変換される。γ補正処理前の画像データを10ビットデータとしているのは、非線形性の強いγ特性でγ補正を行なった場合の画質劣化を防止するためである。
【0054】また、R,G,Bの各色成分の画像データはWB回路207で所定のレベル変換が行なわれており、これらの画像データをそれぞれγ補正テーブルでγ補正する。
【0055】図10において、特性■は、γ=0.45のγ特性であり、撮像画像をLCD表示部10(γ=2.2のγ特性を有する)に表示する際の画像処理に適用されるものである。LCD表示部10は、ビューフィンダーとしての機能を有し、デジタルカメラ1がレリーズの待機状態にあるときは、ビデオカメラと同様にCCD303により1/30(秒)毎に被写体が撮像され、この撮像画像が順次、LCD表示部10にモニタ表示されるようになっている。かかるモニタ表示における撮像画像の画像処理においては、特性■によりγ補正を行い、モニタ画像の画質が好適となるようにしている。
【0056】また、特性■は、γ=0.55のγ特性であり、標準的な撮影シーンの撮影画像をメモリカード18に記録する際の画像処理に適用されるものである。表1においては、「標準処理」において適用される。本デジタルカメラ1は、パーソナルコンピュータ19が外部接続可能になされ、メモリカード18に記録された撮像画像は、通常、パーソナルコンピュータ19を介してモニタ(γ=1.8のγ特性を有する)に再生表示されると考えられるから、レリーズによりメモリカード18への記録が指示された撮像画像については、特性■によりγ補正を行い、モニタに再生された画像の画質が好適となるようにしている。
【0057】また、特性■は、特性■よりもγ値を小さくしたものであり、撮像画像を特性■,■でγ補正した場合よりも再生画像の画質は軟調となり、コントラストの弱いソフトな画像となるが、ハイライト部分の描写性が高い画像となる。このため特性■は、ポートレートモードで撮影される画像に対して適用される(表1の階調処理の「軟調」参照)。
【0058】また、特性■は、γ特性の入力レベルを「高(明)」「中」,「低(暗)」の3つの領域に分けた場合、「中」レベル領域から「高」レベル領域を特性■,■よりも圧縮して「低」レベル領域におけるγの傾斜を特性■より大きくしたものである。撮像画像を特性■でγ補正した場合は、特性■,■でγ補正した場合よりも再生画像の画質は硬調となり、コントラストの強い画像となるが、暗部の引き締まった画像となる。このため、特性■は、風景モード、夜景モード、スローシンクロモード及びマクロモードで撮影される画像に適用される(表1の階調処理の「硬調」参照)。
【0059】また、特性■は、特性■と略同一の特性を有しているが、「中」レベル領域の所定の入力レベルV以上でγ係数を負にしたものである。この特性■では、所定の入力レベルV以上で階調特性が反転し、ソラリゼーション画像が得られるので、ソラリゼーションモードに適用される。
【0060】図7に戻り、画像メモリ209は、γ補正回路208から出力される画素データを記憶するメモリである。画像メモリ209は、1フレーム分の記憶容量を有している。すなわち、画像メモリ209は、CCD303がn行m列の画素を有している場合、n×m画素分の画素データの記憶容量を有し、図11に示すように、各画素データG(i,j)(i=1,2…n、1,2,…m)が対応する画素位置(i,j)に記憶されるようになっている。
【0061】VRAM210は、LCD表示部10に再生表示される画像データのバッファメモリである。VRAM210は、LCD表示部10の画素数に対応した画像データの記憶容量を有している。
【0062】撮影待機状態においては、撮像部3により1/30(秒)毎に撮像された画像の各画素データがA/D変換器205〜γ補正回路208により所定の信号処理を施された後、画像メモリ209に記憶されるとともに、本体制御部201を介してVRAM210に転送され、LCD表示部10に表示される。これにより撮影者はLCD表示部10に表示された画像により被写体像を視認することができる。また、再生モードにおいては、メモリカード18から読み出された画像が本体制御部201で所定の信号処理が施された後、VRAM210に転送され、LCD表示部10に再生表示される。
【0063】スイッチ群211は、UPスイッチ6、DOWNスイッチ7、消去スイッチ8、FLモード設定スイッチ11、圧縮率設定スイッチ12、記録/再生モード設定スイッチ14に及び撮影モード設定スイッチ16に相当するスイッチである。
【0064】カードI/F212は、メモリカード18への画像データの書込み及び画像データの読出しを行なうためのインターフィースである。また、通信用I/F213は、パーソナルコンピュータ19を通信可能に外部接続するための、例えばRS−232C規格に準拠したインターフェースである。
【0065】FL制御回路214は、フラッシュ5の発光を制御する回路である。FL制御回路214は、本体制御部201の制御信号に基づきフラッシュ5の発光の有無、発光量及び発光タイミング等を制御し、調光回路304から入力される発光停止信号STPに基づきフラッシュ5の発光量を制御する。
【0066】本体制御部201は、マイクロコンピュータからなり、上述した撮像部3内及びカメラ本体部2内の各部材の駆動を有機的に制御してデジタルカメラ1の撮影動作を統括制御するものである。
【0067】また、本体制御部201は、露出制御値(シャッタスピード)を設定するための輝度判定部215とシャッタスピード(SS)設定部216とを備えている。輝度判定部215は、撮影待機状態において、CCD303により1/30(秒)毎に取り込まれる画像を利用して被写体の明るさを判定するものである。すなわち、輝度判定部215は、画像メモリ209に更新的に記憶される画像データを用いて被写体の明るさを判定するものである。
【0068】輝度判定部215は、図11に示すように、画像メモリ209の記憶エリアを9個のブロックB(1),B(2),…B(9)に分割し、各ブロックB(r)(r=1,2,…9)に含まれるG(緑)の色成分の画素データGG(k,h)を用いて各ブロックB(r)を代表する輝度データBV(r)を算出する。
【0069】シャッタスピード設定部216は、輝度判定部215による被写体の明るさの判定結果に基づいてシャッタスピードTv(CCD303の積分時間)を設定するものである。シャッタスピード設定部216は、予め複数のシャッタスピードTvが設定されたテーブルを有している。
【0070】シャッタスピードTvは、カメラ起動時に所定の値(例えば1/128(秒))に初期設定され、撮影待機状態において、シャッタスピード設定部216は、輝度判定部215による被写体の明るさの判定結果に応じて初期値から高速側若しくは低速側に1段ずつ変更設定する。
【0071】この結果、最初、1/128(秒)のシャッタスピードTvで撮像された画像に基づき判定された被写体の明るさが、例えば明る過ぎるときは、シャッタスピードを1段分高速にして次の画像が撮像され、再度、この画像に基づき被写体の明るさが判定される。そして、この判定結果が、例えば未だ明る過ぎるときは、シャッタスピードTvを更に1段分高速にして次の画像が撮像され、以下、被写体の明るさ判定とシャッタスピードTvの再設定とが交互に繰り返されてある時間経過後には適切なシャッタスピードTvが設定される。
【0072】また、本体制御部201は、撮影モード設定スイッチ16で設定された撮影モードに応じて撮影画像に所定の周波数処理を行う周波数処理部217と所定の彩度処理を行う彩度処理部218とを備えている。周波数処理部217は、デジタルフィルタにより撮影画像の周波数特性を変化させて画質の補正を行なうもので、この補正処理は、設定された撮影モードに応じて表1の「エッジ強調処理」に相当する処理を行う。
【0073】図8は、周波数処理部217の回路構成の一実施の形態を示すブロック図である。
【0074】同図に示すように、周波数処理部217は、Y信号生成回路217A、C信号生成回路217B、LPF回路217C、HPF回路217D、コアリング回路217E、加算器217F,217G及び出力回路217H,217Iから構成され、入力されたR,G,Bの色成分の画像信号を輝度信号Yとクロマ信号Cとに変換する一方、輝度信号Yに、後述する所定の周波数処理を施して2種類の輝度信号Y1,Y2を生成し、輝度信号Y1とクロマ信号Cとからなる第1の画像信号と輝度信号Y2とクロマ信号Cとからなる第2の画像信号とを出力する。
【0075】輝度信号Y1とクロマ信号Cからなる第1の画像信号は、撮像画像の高周波成分を増加してエッジ部分を強調したものである。本実施の形態では、HPF217Dのフィルタ特性を変更することによりエッジ強調を「標準的なエッジ強調」と「強めのエッジ強調」の2段階で行えるようになっている。標準モード、夕焼けモード、グレースケールモード、セピアモード及びソラリゼーションモードの撮影モードが設定されているときは、周波数処理部217から標準的なエッジ強調処理が行われた第1の画像信号が出力され、風景モード及びマクロモードの撮影モードが設定されているときは、周波数処理部217から強めのエッジ強調処理が行われた第1の画像信号が出力される。風景モード及びマクロモードで強めのエッジ強調を行うのは、風景写真では画像のピントが甘く感じられるので、輪郭をより強調して明瞭な画像とするものであり、マクロモードでは接写の目的を考慮し、可能な限り主被写体の細部を明瞭に表現するものである。
【0076】一方、輝度信号Y2とクロマ信号Cとからなる第2の画像信号は、撮像画像の高周波成分に含まれるノイズ成分を除去したものである。ポートレートモード、夜景モード及びスローシンクロモードの撮影モードが設定されているときは、周波数処理部217からノイズ除去処理がなされた第2の画像信号が出力される。ポートレートモードでは、撮影画像(ポートレート写真)をソフトフォーカスで人肌の調子が滑らかな画質に仕上げるため、通常のエッジ強調は行わず、高周波ノイズ成分を除去することで輪郭部分をソフトに表現するようにしている。また、夜景モードやスローシンクロモードでは、CCD301の電荷積分時間が長くなるのに応じて暗ノイズが増加するので、暗ノイズの低減策としてノイズ除去処理を行うようにしている。
【0077】Y信号生成回路217Aは、R,G,Bの色成分の画像信号から輝度信号Yを生成する回路であり、C信号生成回路217Bは、R,G,Bの色成分の画像信号から色信号Cを生成する回路である。Y信号生成回路217Aは、R,G,Bの各色成分を所定の比率で加算合成して輝度信号Y(=Kr・R+Kg・G+Kb・B、Kr,Kg,Kbは係数)を算出する。また、C信号生成回路217Bは、R,G,Bの各色成分を用いて輝度信号Yを算出するとともに、この輝度信号YとR,Bの各色成分との色差信号(R−Y),(B−Y)を算出し、これらの色差信号(R−Y),(B−Y)を色信号Cとして出力する。
【0078】Y信号生成回路217Aから出力される輝度信号Yは、LPF回路217C、HPF217D及び加算器217Gに入力され、C信号生成回路217Bから出力される色信号Cは、出力回路217H,217Iに入力される。
【0079】LPF回路217Cは、輝度信号の低周波成分を抽出するデジタルローパスフィルタであり、HPH217Dは、輝度信号の高周波成分を抽出するデジタルハイパスフィルタである。LPF回路217Cは、例えば図12に示すフィルタ係数を有するデジタルローパスフィルタであり、HPF回路217Dは、標準的なエッジ処理用と強めのエッジ処理用の2種類のフィルタ係数を有するデジタルハイパスフィルタである。強めのエッジ処理用のフィルタ係数は、例えば図13に示すようになっている。
【0080】また、コアリング回路217Eは、HFP回路217Dにより抽出された輝度信号Yの高周波成分のうち、予め設定された所定レベル以下の成分を除去する回路である。すなわち、高周波成分の内の一定の低レベル成分を除去することにより、高周波成分に含まれるノイズ成分を除去する回路である。コアリング回路217Eは、図14に示すレベル変換特性を有し、HPF回路217Dから入力された輝度信号YのレベルVを当該レベル変換特性でレベル変換して出力する。図14から明らかなように、−V2≦V≦+V1の輝度信号Yは全てレベルが「0」になるので、コアリング回路217Eからはこのレベル範囲にあるノイズ成分が除去された高周波成分が出力される。
【0081】LPF回路217Cから出力される輝度信号Yの低周波成分は、加算器217Gに入力され、HPF回路217Dから出力される輝度信号Yの高周波成分は、コアリング回路217E及び加算器217Fに入力される。また、コアリング回路217Eから出力されるコアリング処理後の輝度信号Yの高周波成分は、加算器217Gに入力される。
【0082】加算器217Fでは輝度信号Yとこの輝度信号Yの高周波成分とが加算混合されて輝度信号Y1が生成され、この輝度信号Y1は出力回路217Iに入力される。輝度信号Y1は元の撮像画像に高周波成分を混合して画像の高周波成分が増加されているので、出力回路217Iからはエッジ部分が強調された画像信号が出力される。また、加算器217Gでは輝度信号Yの低周波成分とコアリング処理がなされた高周波成分とが加算混合されて輝度信号Y2が生成され、この輝度信号Y2は出力回路217Hに入力される。輝度信号Y2は元の撮像画像の低周波成分とノイズ成分を除去した高周波成分とを混合して画像の高周波成分を低減するとともに、高周波ノイズを除去しているので、出力回路217Hからは軟調、かつ、滑らかな調子の画像信号が出力される。
【0083】そして、出力回路217H,217Iからの画像信号の出力は、撮影モード設定スイッチ16で設定された撮影モードの設定信号により制御され、出力回路後段の撮影モード設定信号により制御されるセレクタによりいずれか一方の出力回路217H,217Iから画像信号が出力される。すなわち、ポートレートモード、夜景モード及びスローシンクロモードの撮影モードが設定されていると、出力回路217Hから軟調かつ滑らかな調子の画像信号が出力され、これ以外の撮影モードが設定されていると、出力回路217Iからエッジが強調された画像信号が出力される(表1参照)。
【0084】彩度処理部218は、画像メモリ209に格納されているR,G,Bの各色成分の画像信号と周波数処理部217から出力される輝度信号Yとを用いて撮影モードに応じた彩度強調、色相回転、モノクロ処理等の色に関する所定の処理を行うものである。この処理は、表1の「彩度処理」に相当するものである。
【0085】彩度処理部218は、周波数処理部217から出力される色差信号(R−Y),(B−Y)を用いて、下記演算式(1)により彩度強調、色相回転、モノクロ処理化等の演算処理を行う。
【0086】
【数1】
【0087】上記(1)式において、a〜fは変数で、これらの値を調整することにより色差信号(R−Y)′,(R−Y)′の彩度が調整される。表1における「通常の強調」、「派手目の強調」は、(a,b,c,d,e,f)の変数を適宜、調整することにより行われる。例えばaの値を大きくすることにより赤色が強調され、dの値を大きくすることにより青色が強調される。なお、この場合は、補正項(e,f)の値は、通常、(0,0)である。
【0088】また、グレースケールモードにおける「彩度の除去処理」は色味をなくする処理であるので、(a,b,c,d,e,f)=(0,0,0,0,0,0)として(1)式を演算することにより行われる。また、セピアモードにおける「固定値処理」は、撮影画像の色相をセピア色若しくは赤褐色の所定の色相に固定する処理であるので、(a,b,c,d,e,f)=(0,0,0,0,E,F)として(1)式を演算することにより行われる。このとき、(E,F)は、予め設定されたセピア色若しくは赤褐色に相当する色差信号(固定値)に設定され、(1)式を演算することにより色差信号(R−Y)′=E、(B−Y)′=Fとなる。
【0089】また、本体制御部201は、夕焼けモードにおいて、図15に示すように、WB調整具合の異なる複数のサムネイル画像SG1〜SG9(画質調整見本の画像)をLCD表示部10にマトリックス表示するべく当該サムネイル画像SG1〜SG9を作成するサムネイル画像作成部219とこのサムネイル画像作成部219で作成された複数のサムネイル画像SG1〜SG9をマトリックス状に配列して表示画像(以下、この画像をプレビュー画像という。)を作成するプレビュー画像作成部220とを備えている。
【0090】サムネイル画像作成部219は、図略のレベル調整回路とWB調整回路とを有し、夕焼けモードが設定されているとき、画像メモリ209から所定の画素ピッチで画像データを粗くサンプリングしてサムネイル画像を作成するとともに、このサムネイル画像に所定のレベル調整及びWB調整を施して夕焼け画像の色の調子の異なるサムネイル画像を作成する。本実施の形態では、夕焼け画像の色の調子として9種類の異なる調子が用意されており、サムネイル画像作成部219は、画像メモリ209から9回、画像データを粗くサンプリングしてサムネイル画像SG1〜SG9を9枚作成し、各サムネイル画像SG1〜SG9に下記表2に示すレベル調整及びWB調整の処理を行い、順次、プレビュー画像作成部220に出力する。
【0091】また、サムネイル画像作成部219は、撮影者により記録すべき撮影画像のレベル調整及びWB調整の調整値が選択されると、画像メモリ209から全画像データを読み出し、その画像データに設定された調整値に基づきレベル調整及びWB調整を施して、周波数処理部217に出力する。
【0092】プレビュー画像作成部220は、サムネイル画像作成部219から順次、入力されるサムネイル画像SG1〜SG9をVRAM210の所定の記憶領域に転送することによりプレビュー画像を作成する。すなわち、VRAM210の記憶領域においてサムネイル画像SG1〜SG9を所定のマトリックス(本実施の形態では、9×9の配列)に配列した画像が作成されるように、各サムネイル画像SG1〜SG9は順次、VRAM210に転送され、LCD表示部10に表示される。
【0093】
【表2】
【0094】WB調整において、R/Gを1.0より大きくしていくと、赤味が強い画像となる。一方、B/Gを1.0より小さくしていくと、黄味が強い画像(青味が弱い画像)となる。従って、表2において、サムネイル画像SG1,SG4は赤味の強い見本画像を示し、サムネイル画像SG3,SG6は、黄味の強い見本画像を示している。また、R/Gを1.0より大きくし、B/Gを1.0より小さくすると、橙色がかった画像となるので、サムネイル画像SG2、SG5は橙色の強い見本画像を示している。また、サムネイル画像SG7,SG8は、サムネイル画像SG2の全体的な明るさを抑えたものであり、サムネイル画像SG9は、サムネイル画像SG5の全体的な明るさを抑えたものである。従って、サムネイル画像SG7〜SG9では、黄昏時の橙色の夕焼けを強調したような画像が得られる。
【0095】夕焼けモードでは、撮影が行われると、まず、LCD表示部10に、図15に示すサムネイル画像SG1〜SG9による夕焼け強調処理の見本画像が表示される。図15において、サムネイル画像SG1の二重線表示は、当該サムネイル画像SG1がWB調整及びレベル調整の調整値として初期選択されていることを示している。撮影者がこの見本画像で画像の仕上がりを確認し、UPスイッチ6及びDOWNスイッチ7を操作してLCD表示部10に表示されたサムネイル画像SG1〜SG9のいずれかを選択すると、メモリカード18に記録すべき撮影画像のWB調整及びレベル調整の調整値が設定される。なお、UPスイッチ6及びDOWNスイッチ7を操作する毎に選択表示(二重線表示)がサムネイル画像SG1から昇順若しくは降順に順次、移動し、UPスイッチ6及びDOWNスイッチ7を同時に操作することで、当該選択表示されたサムネイル画像の選択が確定される。
【0096】そして、WB調整及びレベル調整の調整値が設定されると、画像メモリ209から撮影画像の全画像データがサムネイル画像作成部219に読み出され、設定された調整値でWB調整及びレベル調整が行われた後、周波数処理部217に出力される。
【0097】なお、本実施の形態では、見本画像を見易くするため、サムネイル画像で見本画像を作成し、これらのサムネイル画像をLCD表示10にマトリックス状に一括表示するようにしたが、画質の違いを見やすくするためサムネイル画像の大きさを大きくして、複数枚に分割してマトリックス表示させるようにしてもよく、画質の異なる見本画像をコマ送りの要領で1枚ずつをLCD表示部10に表示させるようにしてもよい。
【0098】また、本体制御部201は、撮影画像を記録する際に画像記録用の圧縮画像を生成する記録画像生成部221とメモリカード18に記録された画像をLCD表示部10に再生するために、再生画像を生成する再生画像生成部222とを備えている。
【0099】本体制御部201は、記録モードにおいて、シャッタボタン9により撮影が指示されると、撮影指示後に画像メモリ209に取り込まれた画像データに対して所定の画像処理を施した後、画像記録用の圧縮画像を生成し、撮影画像に関するインデックス情報(コマ番号、露出値、シャッタスピード、圧縮率K等の情報)とともにメモリカード18に記憶する。
【0100】記録画像生成部221は、周波数処理部217及び彩度処理部218で画像処理が行われた撮影画像に2次元DCT変換、ハフマン符号化等のJPEG(Joint Photographic Coding Experts Group)方式による所定の圧縮処理を施して圧縮率設定スイッチ12で設定された圧縮率Kの圧縮画像の画像データを生成し、この画像データをメモリカード18に記録する。
【0101】また、再生画像生成部222は、メモリカード18から画像データを読み出してLCD表示部10に再生表示すべき撮影画像を生成する。メモリカード18に記録された画像はモニタ用のγ係数(=0.55)でγ補正されているので、この記録画像をそのままLCD表示部10に再生すると、上記γ係数とLCD表示用のγ係数(=0.45)との不整合によりコントラストの強い堅調の画質となるため、再生画像生成部222は、記録画像の再生用の画像を生成する際、再生画像のγ特性を再補正する。すなわち、再生画像生成部222は、メモリカード18から読み出された圧縮画像の画像データを伸長して表示用の画像データを生成し、この画像データにγ=0.82のγ特性でγ補正を施した後、順次、VRAM210に転送して記録画像のLCD表示部10への再生表示を行なう。
【0102】次に、デジタルカメラ1の記録モードにおける撮影制御について説明する。まず、夕焼けモード以外の撮影モードが設定された場合の撮影制御について、図16,図17に示すフローチャートに従って説明する。
【0103】撮影制御は、主としてビューファインダ処理、露出制御及び画像処理から構成されている。ビューファインダ処理は、LCD表示部10に被写体像を表示して撮影内容を視認できるようにする処理である。ビューファインダ処理においては、好適なシャッタスピードの調整も行なわれる。
【0104】記録/再生モード設定モード14により記録モードが設定されると、制御部204で撮影モード設定スイッチ16により設定されている撮影モードが判別され、当該撮影モードに対応する画像処理の各種パラメータが対応する処理部に初期設定される。このパラメータは、上述したAGC回路308b、WB回路207及びγ補正回路208の各回路並びに周波数処理部217及び彩度処理部218の各処理部に対する必要な処理パラメータである。
【0105】この後、まず、シャッタスピードTvが初期値(1/128(秒))に設定され(#2)、γ=0.45のγ特性(図10の特性■)が設定された後(#4)、CCD303による露光が開始される(#6)。そして、所定の露光時間(Tv=1/128(秒))が経過すると(#8でYES)、CCD303で撮像された画像信号が読み出され(#10)、信号処理回路308、A/D変換器205〜γ補正回路208により所定の画像処理が行なわれた後(#12)、画像メモリ209に記憶される(#14)。画像メモリ209に記憶された画像データは、直ちに、VRAM210に読み出され、LCD表示部10にモニタ表示される(#16)。
【0106】続いて、撮像画像の輝度データが算出され(#18)、この輝度データに基づいてシャッタスピードTvが適正か否かが判別される(#20)。輝度データは、撮像画像を9個のブロックB(1)〜B(9)に分割し(図11参照)、各ブロックB(i)(i=1,2,…9)毎に、そのブロックB(i)に含まれるG(緑)の色成分の画素データの平均値BV(i)を算出したものである。そして、9個の輝度データBV(1)〜BV(9)をそれぞれ所定のハイレベルの閾値BVH及びローレベルの閾値BVLと比較して撮像画像が全体的に明るすぎる(露光オーバーである)か、撮像画像が全体的に暗すぎる(露光アンダーである)か、あるいは適正であるかが判別される。
【0107】撮像画像が全体的に明るすぎるか、暗すぎる場合は、シャッタスピードTvが不適正と判断され(#20でNO)、撮影画像の明暗に状態に応じてシャッタスピードTvを変更して(#22)、再度、シャッタスピードTvの適否を判定するべくステップ#6に戻る。すなわち、撮像画像が全体的に明るすぎる(露光オーバーである)場合は、シャッタスピードTvが1段小さい値に変更され、撮像画像が全体的に暗すぎる(露光アンダーである)場合は、シャッタスピードTvが1段大きい値に変更されて、ステップ#6に戻る。
【0108】そして、ステップ#6〜#22のループを繰り返し、シャッタスピードTvが適正値に設定されると(#20でYES)、続いて、この間に撮影モードの変更が行われたか否かが判別され(#24)、撮影モードが変更されていると(#24でYES)、変更後の撮影モードに対応する画像処理の各種パラメータが対応する処理部に変更設定される(#26)。一方、撮影モードが変更されていなければ(#22でNO)、ステップ#24はスキップされる。
【0109】続いて、シャッタボタン9が押され、レリーズスイッチがオンされたか否かが判別され(#28)、レリーズスイッチがオンされていなかったら(#28でNO)、ステップ#2に戻り、レリーズ待機状態となる(#6〜#28のループ)。
【0110】CCD303では、1/30(秒)毎にフレーム画像が取り込まれるので、各フレーム画像毎に上記ステップ#6〜#28の処理が行なわれ、シャッタスピードTvを初期値から1段ずつ増大若しくは減少してビューファインダ処理と同時にシャッタスピードTvの調整が行われる。なお、ステップ#6〜#28のループ処理によりシャッタスピードTvが更新的に大きい値に変更され、1/30(秒)を越えるときは、ステップ#22でのシャッタスピードTvは1/30(秒)に固定され、信号処理回路308内のAGC回路308bのゲイン調整が行われる。尤も、撮影モードが夜景モード又はスローシンクロモードに設定されている場合は、AGC回路308bのゲイン調整は禁止される。
【0111】レリーズ待機状態において、シャッタボタン9が押され、レリーズスイッチがオンされると(#28でYES)、所定のシャッタスピードTvが設定された後(#30)、露出制御が行なわれる(#32,#34)。そして、所定の露光時間Tvが経過し、露光が終了すると(#34でYES)、CCD303から画像信号が読み出され(#36)、信号処理回路308、A/D変換器205〜γ補正回路208、周波数処理部217及び彩度処理部218により設定された撮影モードに応じた所定の画像処理が行なわれる(#38)。
【0112】ここに撮影モードに応じた所定の画像処理とは、上記表1に示す撮影モードに対応した画像処理である。なお、各撮影モードにおける特徴的な画像処理は以下のようになっている。
【0113】(1)標準モード標準モードは、撮影画像を標準的な画質に仕上げるモードであるので、各処理は、標準値で処理される。そして、他の撮影モードは、この標準モードでの処理を基準に相対的に処理内容の強弱が設定されている。
【0114】(2)ポートレートモードポートレートモードは主として人物の肖像写真を作成するモードで、撮影画像には主として主人公の人物がソフトな感じで美しく見えるような画質が要求されるので、標準モードに対して周波数処理によるエッジ強調とγ補正により階調補正とが異なる。ポートレートモードでは、コントラストの弱いγ特性でγ補正を行うことにより人物の髪の毛の質感が損なわれないようにするとともに、撮影画像の低周波成分とノイズ除去が行われた高周波成分とを加算混合するように周波数特性を変更することで、人物の肌の部分が軟調かつ滑らかな調子に仕上げられる。
【0115】(3)風景モード風景モードは主として風景写真を作成するモードで、被写体が遠方にあるので、無限遠に焦点を合わせて撮影される。また、CCD301の解像度により遠景の撮影画像の鮮明度が相対的に低下するので、標準モードに比してより鮮明な画質となるように画像処理が行われる。風景モードでは、コントラストの強いγ特性でγ補正を行うとともに、元の撮影画像に当該撮影画像の高周波成分を足し合わせて高周波成分を強調するように周波数特性を変更することで、撮影画像が明瞭かつ鮮明になるように仕上げられる。また、彩度も派手目に強調することで風景写真の色の鮮やかさが高められる。
【0116】(4)夜景モード夜景モードは主として夜景や夜景を背景にした人物等を撮影するモードで、カメラの露出制御範囲を超える程、被写体輝度が低い撮影シーンを撮影対象とするものである。このような撮影シーンでは影画面内での暗い部分の占める割合が大きく、しかも夜景モードでは夜景の雰囲気を損なわないようにフラッシュ発光が禁止されるので、暗い部分のコントラストが潰れてのっぺりとして感じになり易く、暗い部分の画質低下が顕著となる。従って、夜景モードでは、コントラストの強いγ特性でγ補正を行うことで暗い部分のコントラストを生かすとともに、撮影画像の低周波成分とノイズ除去が行われた高周波成分とを加算混合するように周波数特性を変更することで暗ノイズの高周波成分を除去し、暗い部分の画質低下が抑制される。また、彩度を派手目に強調することで夜景写真の鮮明度が高められる。
【0117】(5)スローシンクロモードスローシンクロモードは、スローシャッタに設定してフラッシュ撮影を行うモードで、夜景モードとはフラッシュ発光の有無の点のみが異なる。このため、画像処理では、夜景モードの場合と同様の処理が行われる。
【0118】(6)マクロモードマクロモードは、例えば花や昆虫等の主たる被写体を接写するモードである。マクロモードでは撮影画像を鮮明かつ明瞭にして主たる被写体が活き活きと表現されることが望まれる。このような画質要求は、風景モードにおける画質要求と類似しているので、マクロモードでも彩度処理を除いて風景モードと同様の画像処理がなされる。マクロモードでは、彩度を強調し過ぎると、却って主たる被写体の色が不自然となるので、彩度処理では通常の強調処理が行われる。
【0119】(7)グレースケールモードグレースケールモードは、カラー画像をモノクロ表現するモードである。このため、グレースケールモードでは、彩度処理で撮影画像の色成分を除去する点を除いて標準モードと同様の画像処理が行われる。
【0120】(8)セピアモードセピアモードは、撮影画像の色をセピア色若しくは赤褐色の特定色に調色するモードである。カラー画像の色を変化させる点でグレースケールモードと類似し、セピアモードでは彩度処理で撮影画像の色をセピア色若しくは赤褐色の特定色に調色する点でグレースケールモードと相違する。
【0121】(9)ソラリゼーションモードソラリゼーションモードは、撮影画像をソラリゼーション画像に変更するモードである。ソラリゼーション画像はγ特性のハイレベル領域における反転特性を利用した特殊効果画像であるから、階調調整を除いて標準モードと同様の画像処理が行われる。
【0122】なお、上記実施の形態では、風景モード及びマクロモードでは標準モードよりエッジ強調を強くしているが、これらのモードも標準モードと同様の標準的なエッジ強調を行うようにして処理の簡素化を図るようにしてもよい。
【0123】図17に戻り、ステップ#38で所定の画像処理が行われると、記録画像生成部221で記録用の所定の画像データが生成され(#40)、この画像データはメモリカード18に転送されて撮像画像の記録が行なわれる(#42)。そして、画像データのメモリカード18への記録により撮影動作は終了し、次の撮影を行なうべく、ステップ#2に戻る。
【0124】次に、夕焼けモードの撮影モードが設定された場合の撮影制御について、図18に示すフローチャートに従って説明する。
【0125】夕焼けモードは、夕焼けシーンを撮影対象とする撮影モードである。夕焼けモードでは、赤味がかったホワイトバランス調整を行うとともに、赤系統の色相を強調するように彩度調整を行うことで、夕焼けの雰囲気が醸成される。夕焼けモードは複数ののWB調整値で画像処理が行われた画像見本から撮影者のイメージする画質が得られるWB調整値が選択可能になっている点で他の撮影モードと異なる。
【0126】従って、夕焼けモードでは、図16,図17のフローチャートにおいて、ステップ#38を図18に示すステップ#38-1〜#38-11の処理に置き換えた処理が行われる。そこで、以下の説明では、図18に示す処理についてのみ補足的に説明する。
【0127】夕焼けモードにおいて、CCD303で撮影が行われ、CCD303から画像信号が読み出されると(#36)、その画像信号は信号処理部308で所定のノイズ低減処理とレベル調整処理とが行われた後、カメラ本体部2に入力される。そして、カメラ本体部2に入力された画像信号は、A/D変換器205〜γ補正回路208でプレ画像処理が行われた後、画像メモリ209に記憶される(#38-1,#38-2)。すなわち、画像信号はA/D変換器でデジタル信号に変換された後、黒レベル補正回路206で黒レベルのレベル調整が行われ、WB回路207で予め設定された標準的なWB調整値(例えばR/G=1,B/G=1)でホワイトバランス調整が行われる。更に画像データは、γ補正回路208で標準的なγ特性(図10の■参照)でγ補正が行われた後、画像メモリ209に一時、記憶される。
【0128】続いて、画像メモリ209から画像データを粗くサンプリングしてサムネイル画像が作成され、このサムネイル画像に上記表2のNo.1のWB調整値及びレベル調整値で色調整が行われて画質見本としてのサムネイル画像GS1が生成される(#38-3)。このサムネイル画像GS1は画質見本用のプビュー画像を作成するべくVRAM210の所定の記憶領域に転送される(#38-4)。
【0129】続いて、プレビュー画像の作成が終了したか否かが判別される(#38-5)。今回は、1番目のサムネイル画像SG1のみが作成されたので(#38-5でNO)、ステップ#38-3に戻り、2番目のサムネイル画像SG2の作成が行われる。そして、No.9のサムネイル画像SG9の作成が行われ、このサムネイル画像SG9がVRAM210に転送されると(#38-5でYES)、プレビュー画像の作成は終了し、LCD表示部10にはプレビュー画像が表示される(#38-6、図15参照)。
【0130】続いて、LCD表示部10に表示されたプレビュー画像から撮影者により所望のサムネイル画像SGi(i=1,2,…9)の選択が確定すると(#38-7)、画像メモリ209から全ての画像データが読み出され(#38-8)、選択されたサムネイル画像SGiに施されたWB調整及びレベル調整と同一の調整値でWB調整及びレベル調整が行われる(#38-9)。例えばNo.1のサムネイル画像SG1が選択されていると、画像データはR/G=m1,B/G=1となるように(すなわち赤味を強めるように)ホワイトバランスが再調整される。
【0131】続いて、WB再調整後の画像データは、周波数処理により標準的なエッジ強調処理が行われるとともに、彩度調整処理により赤系統の色が強調された後(#38-10,#38-11)、圧縮処理がなされてメモリカード18に記録される(#40,#42)。
【0132】上記のように、夕焼けモードにおいては、複数のWB調整値で夕焼けシーンの雰囲気の異なる見本画像を作成してLCD表示部10にマトリックス表示し、これらの見本画像から撮影者が所望の見本画像を選択することにより最終的な記録すべき撮影画像のWB調整値を決定できるようにしたので、撮影者のイメージしている夕焼け写真を得ることができる。
【0133】なお、上記実施の形態では、γ補正後の撮影画像を画像メモリ209に一時、記憶させるようにしているが、図7において、画像メモリ209をA/D変換器205の後段若しくは黒レベル補正回路206の後段に配置し、夕焼けモードにおける各見本画像のWB調整及び記録用の撮影画像のWB調整をWB回路207で行うにしてもよい。この場合は、本体制御部201内のサムネイル画像作成部219及びプレビュー画像作成部220は省略でき、本体制御部201は、画素メモリ209からの画像データの読出し、WB回路207及びγ補正回路208の画像処理及びγ補正回路208からの画像データのVRAM210への転送を制御することで、サムネイル画像の作成及びプレビュー画像のLCD表示部10への表示を行う。
【0134】また、上記実施の形態では、複数の撮影モードを選択的に設定可能にするとともに、撮影画像に対して選択された撮影モードに対応した画像処理を行うデジタルカメラ1において、夕焼けモードのように、撮影者によってイメージする夕焼けシーンが異なるモードにおいて、複数の画質調整値を用意しておき、この中から撮影者が所望の調整値を選択するようにしているが、より簡素な構成として複数の撮影モードを選択可能にしてない場合でも複数の画質調整値を用意しておき、撮影者が画質調整値を選択可能にしてもよい。
【0135】例えばγ補正回路208のγ特性を複数本用意し、写真撮影が行われると、γ補正の異なる複数のサムネイル画像(すなわち、コントラスト調整の異なる複数のサムネイル画像)をLCD表示部10にマトリックス表示させ、撮影者によりこれらの見本画像から所望のγ特性が選択されると、そのγ特性で撮影画像のγ補正を行ってメモリカード18に記録させるようにしてもよい。この方法では、撮影画像に対してコントラストの異なる複数の見本画像が表示され、その見本画像から撮影者は所望のコントラストを選択することができるようになる。
【0136】同様の考え方で、周波数処理部217におけるエッジ強調処理及びノイズ除去処理の仕上がり具合や彩度調整部218における彩度強調及び色回転の仕上がり具合等を複数個用意し、写真撮影が行われると、周波数調整や彩度調整の仕上がり具合の異なる複数の見本画像をLCD表示部10にマトリックス表示して撮影者がこれらの見本画像から所望の周波数調整値や彩度調整値を選択できるようにしてもよい。
【0137】そして、このように撮影モードを設けないで、撮影者による画質選択を可能にする場合は、カメラの操作性を考慮して撮影者が画質選択をできるモードとできないモードとを設定可能にし、画質選択可能なモードが設定されたときにのみ、上述の画質の見本画像の表示及びその見本画像の選択を可能にするようにするとよい。
【0138】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、撮影画像に基づき互いに異なる複数の特性値で画像処理を行って複数枚の画質見本画像を作成し、その画質見本画像を表手段に表示して撮影者により所望の画質見本画像を選択可能にするとともに、画質見本画像が選択されると、撮影画像をその画質見本画像と同一の特性値で画像処理するようにしたので、撮影者のイメージする画質の撮影画像を得ることができる。
【0139】また、所定の撮影モードを選択的に設定可能にし、当該撮影モードが設定されているとき、撮影画像から複数の画質見本画像を作成するとともに、その画質見本画像を表示させ、撮影者が所望の画質見本画像を選択できるようにしたので、例えば風景写真、ポートレート写真、夕焼け写真等の撮影対象や撮影目的に応じて好適な画像処理がなされる撮影モードが選択可能になされている場合、その撮影モードの特徴的な画像処理(例えばコントラストや彩度強調等の処理)に対して撮影者の画質イメージを反映することができ、当該撮影モードにおいてより好適な画質の撮影画像を得ることができる。
【0140】特に、夕焼けモードを設定可能にし、この撮影モードで撮影されたときは、画質見本画像をモニタして所望のホワイトバランス調整値を設定できるようにしたので、撮影者の意図するイメージの夕焼け画像を容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るデジタルカメラの正面図である。
【図2】本発明に係るデジタルカメラの背面図である。
【図3】本発明に係るデジタルカメラの上面図である。
【図4】本発明に係るデジタルカメラの底面図である。
【図5】撮像部内の概略構造を示す図である。
【図6】電源電池及びメモリカードの蓋を開放した状態を示す正面図である。
【図7】本発明に係るデジタルカメラのブロック構成図である。
【図8】周波数処理部の回路構成を示すブロック図である。
【図9】レベル変換テーブルの特性を示す図である。
【図10】γ補正テーブルのγ特性を示す図である。
【図11】画像メモリの各画素データの記憶位置を示す図である。
【図12】デジタルローパスフィルタの一実施の形態を示す図である。
【図13】デジタルハイパスフィルタの一実施の形態を示す図である。
【図14】コアリング処理におけるレベル変換特性を示す図である。
【図15】LCD表示部にマトリックス表示された複数のサムネイル画像の一実施の形態を示す図である。
【図16】記録モードにおける撮影制御を示すフローチャートである。
【図17】記録モードにおける撮影制御を示すフローチャートである。
【図18】夕焼けモード特有の撮影制御を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 デジタルカメラ
2 カメラ本体部
201 本体制御部(表示制御手段)
202 基準クロック発生回路
203 タイミング制御回路
204 RTC
205 A/D変換器
206 黒レベル補正回路
207 WB回路
208 γ補正回路
209 画像メモリ(第1の記憶手段)
210 VRAM
211 スイッチ群
212 カードI/F
213 通信用I/F
214 FL制御回路
215 輝度判定部
216 シャッタスピード設定部
217 周波数処理部
218 彩度処理部
219 サムネイル画像作成部(見本画像作成手段,画像処理手段)
220 プレビュー画像作成部
221 記録画像生成部
222 再生画像生成部
3 撮像部
301 マクロズームレンズ
302 撮像回路
303 CCDエリアセンサ(撮像手段)
304 調光回路
305 調光センサ
308 信号処理回路
309 タイミングジェネレータ
310 スイッチ群
4 グリップ部
5 フラッシュ
6 UPスイッチ(画像選択手段)
7 DOWNスイッチ(画像選択手段)
8 消去スイッチ
9 シャッタボタン
10 LCD表示部(表示手段)
11 FLモード設定スイッチ
12 圧縮率設定スイッチ
13 接続端子
14 記録/再生モード設定スイッチ
15 蓋
16 撮影モード設定スイッチ
17 メインスイッチ
18 メモリカード(第2の記憶手段)
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被写体光像を画像信号に光電変換して取り込み、この画像信号に所定の画像処理を施した後、記録媒体に記録するデジタルカメラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、デジタルカメラにおいては、カメラ本体にLCD(Liquid Crystal Display)表示部を備え、記録媒体から記録された複数枚の撮影画像を読み出し、これらの撮影画像をサムネイル画像に加工した後、マトリックス状に配列してLCD表示部にインデックス表示するものが知られている。
【0003】また、パーソナルコンピュータによる画像処理においては、スキャナ等の画像読取装置から取り込まれた画像に複数種類のγ特性、色調特性等を用いて画像処理を施し、階調特性や彩度特性の異なる複数枚の画像を作成し、これらの画像をマトリックス状に配列してCRT(Cathode Ray Tube)やLCD等の表示装置に表示するものが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、デジタルカメラにおける写真撮影において、例えば夕焼けシーンの撮影のような場合には撮影者のイメージする写真の仕上がりは撮影者によって異なるので、撮影画像の画像処理に一定の幅を持たせ、その中で撮影者が所望の画像処理を選択できるようにした方がデジタルカメラの操作性が向上し、便利である。この場合、撮影画像に対して仕上がり具合の異なる複数のサムネイル画像による見本画像をカメラ本体に設けたLCD表示部にマトリックス表示し、撮影者が仕上がり状態をモニタしつつ画像処理を選択できると、より好ましい。
【0005】しかし、従来のデジタルカメラにおいては、CCD(Charge Coupled Device)等の撮像素子で取り込まれた画像信号にホワイトバランス調整、階調調整、彩度調整、輪郭補正等の種々の画質に関する画像処理が施された後、メモリカード等の記録媒体に記録されるようになっているが、一般にホワイトバランス調整等の各画像処理は、予め設定された所定の特性に基づいて行われ、撮影画像の画像処理はカメラ内で自動的に処理されるようになっている。
【0006】上記のように、コンピュータの画像処理においては、取り込んだ画像の画質に関する補正処理を決定するために仕上がり具合の異なる複数の画像をモニタ表示する技術は知られているが、デジタルカメラにおいてはかかる技術は提案されていない。上述のLCD表示部を有し、このLCD表示部に複数のサムネイル画像をマトリックス表示するデジタルカメラにおいても記録媒体に記録された複数枚の撮影画像をインデックス表示するにすぎず、撮影画像の画像処理を選択するため仕上がり具合の異なる複数の画質見本画像をモニタ表示するものではない。
【0007】本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、撮影画像に対して画像処理の異なる複数の見本画像を表示させ、この表示画像の中から所望の画像処理方法を選択可能にすることで、撮影者の撮影イメージに合致した撮影画像が得られるデジタルカメラを提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、被写体光像を画像信号に光電変換して取り込む撮像手段と、画像を表示する表示手段と、上記撮像手段で取り込まれた画像信号を一時、記憶する第1の記憶手段と、上記第1の記憶手段から上記画像信号を読み出し、予め設定された複数個の特性値でそれぞれ画像処理を行い、画質の異なる複数枚の画質見本画像を作成する見本画像作成手段と、上記見本画像作成手段で作成された複数枚の画質見本画像を上記表示手段に表示する表示制御手段と、上記表示手段に表示された複数枚の画質見本画像の内、いずれか1の画質見本画像を選択する画像選択手段と、上記第1の記憶手段から上記画像信号を読み出し、上記画像選択手段で選択された画質見本画像と同一の特性値で画像処理を行う画像処理手段と、上記画像処理手段で画像処理が行われた画像信号を保存する第2の記憶手段とを備えているものである(請求項1)。
【0009】上記構成によれば、撮像手段で取り込まれた画像信号は、第1の記憶手段に一時、記憶される。第1の記憶手段に記憶された画像信号は読み出され、予め設定された複数個の特性値でそれぞれ画像処理が行われて画質の異なる複数枚の画質見本画像が作成され、これらの画質見本画像はマトリックス状に配列されて表示手段に表示される。そして、表示手段に表示された画質見本画像からいずれか1の画質見本画像が撮影者により画像選択手段で選択されると、第1の記憶手段から画像信号が読み出され、選択された画質見本画像と同一の特性値で画像処理が行われた後、その画像信号が第2の記憶手段に保存される。
【0010】また、本発明は、上記デジタルカメラにおいて、予め設定された所定の撮影モードが設定可能になされ、この撮影モードが設定されたとき、見本画像作成手段、表示制御手段及び画像処理手段の各手段での処理を可能にするものである(請求項2)。
【0011】上記構成によれば、所定の撮影モードが設定され、その撮影モードで写真撮影が行われると、撮像手段で取り込まれた画像信号に基づいて画質の異なる複数枚の画質見本画像が作成され、これらの画質見本画像はマトリックス状に配列されて表示手段に表示される。そして、表示手段に表示された画質見本画像からいずれか1の画質見本画像が撮影者により画像選択手段で選択されると、画像信号に対して選択された画質見本画像と同一の特性値で画像処理が行われた後、その画像信号が第2の記憶手段に保存される。
【0012】一方、所定の撮影モードが設定されていない状態で、写真撮影が行われると、撮像手段で取り込まれた画像信号に基づく画質の異なる複数枚の画質見本画像の作成及び当該画質見本画像の表示は行われにない。従って、撮像手段で取り込まれた画像信号は、予め設定された所定の特性値で画像処理が行われた後、第2の記憶手段に保存される。
【0013】また、本発明は、上記デジタルカメラにおいて、撮影モードは夕焼けシーンを撮影対象とする夕焼けモードであり、見本画像作成手段で行われる画像処理は、ホワイトバランス調整処理である(請求項2)。
【0014】上記構成によれば、夕焼けモードにおいて、撮像手段で画像が撮影されると、その画像を予め設定された互いに異なる複数のホワイトバランス調整値で画像処理した複数枚の画質見本画像が作成され、表示手段にマトリックス状にモニタ表示される。例えば標準的な色バランスの画像のほか、赤味の強い画像や橙色の強い画像のように色バランスの崩れた複数の画質サムネイ見本画像がモニタ表示される。そして、このサ画質見本画像のうち、いずれか1の画質見本画像が選択されると、撮影画像はその見本画像と同一の色バランスにホワイトバランス調整されて第2の記憶手段に保存される。例えば赤っぽい画質見本画像が選択されると、撮影画像は赤っぽい色バランスの画質に仕上げられる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明に係るデジタルカメラについて、図を用いて説明する。図1は、本発明に係るデジタルカメラの正面図、図2は、同デジタルカメラの背面図である。また、図3,図4は、それぞれ同デジタルカメラの上面図、底面図である。
【0016】デジタルカメラ1は、箱型のカメラ本体部2と直方体状の撮像部3とから構成されている。撮像部3は、正面から見てカメラ本体部2の右側面に着脱可能、かつ、この右側面と平行な面内に回動可能に装着されている。また、撮像部3は、専用の接続ケーブルを介してカメラ本体部2に接続することもできるようになっている。なお、本実施の形態では、撮像部3をカメラ本体部2の右側面に取り付けているが、カメラ本体部2の左側面に取り付けるようにしてもよい。
【0017】撮像部3は、図1、図2の設定位置(以下、この位置を回転基準位置という。)を基準としてカメラ本体部2の側面内で略±(90+α)°の範囲で回動することができるようになっている。撮像部3は、マクロズームからなる撮影レンズ及びCCD(Charge Coupled Device)等の光電変換素子からなる撮像装置を有し、被写体の光学像を画像信号(CCDの各画素で光電変換された電荷信号により構成される画像信号)に変換して取り込むものである。
【0018】一方、カメラ本体部2は、LCD(Liquid Crystal Display)からなる表示部10(図2参照)、メモリカード18(図6参照)の装着部及びパーソナルコンピュータが外部接続される接続端子13(図2参照)を有し、主として上記撮像部3で取り込まれた画像信号に所定の信号処理を施した後、LCD表示部10への表示、メモリカード18への記録、パーソナルコンピュータへの転送等の処理を行なうものである。
【0019】撮像部3は、カメラ本体部2の高さ方向の長さ寸法と略同一の長さ寸法を有し、かつ、カメラ本体部2の幅寸法と略同一の寸法を有する縦長直方体状の撮像部本体3Aを備え、この撮像部本体3Aの一方側面には撮像部3をカメラ本体部2に装着するための装着部3Bが突設されている。
【0020】撮像部本体3Aの内部には、図5に示すように、マクロズームレンズ301が配設され、このマクロズームレンズ301の後方位置の適所にCCDカラーエリアセンサ303を備えた撮像回路302が設けられている。また、撮像部3内の適所にフラッシュ光の被写体からの反射光を受光する調光センサ305を備えた調光回路304が設けられている。調光センサ305は、装着部3Bの前端面の適所に配置されている(図3参照)。
【0021】一方、撮像部本体3Aの外部には、図2に示すように、カメラ本体部2の背面と平行な側面(撮像部3を回転基準位置から+90°回転させたとき、上側となる側面)にマクロズームレンズ301のズーム比の変更及びズームとマクロとの切換を行なうためのズームレバー306が設けられ、このズームレバー306より右斜め前方位置に、撮像部3のカメラ本体部2からの離脱を可能にするロック解除レバー307が設けられている。
【0022】ズームレバー306は、横方向(撮像部3の光軸に対して垂直方向)にスライド可能なレバーで、このズームレバー306をズーム位置PZで横方向に左右にスライドさせてマクロズームレンズ301のズーム比が変更される。また、ズームレバー306をズーム位置PZを越えて右方向にスライドさせ、マクロ位置PMに設定すると、マクロズームレンズ301がマクロレンズに切り換えられる。マクロ位置PMでは、被写体におよそ50cmまで近接して撮影することができる。
【0023】カメラ本体部2の前面には、図1に示すように、左端部の適所にグリップ部4が設けられ、右端部の上部適所にフラッシュ5が設けられている。また、カメラ本体部2の背面には、図2に示すように、左端部の略中央に撮影画像のモニタ表示(ビューファインダーに相当)及び記録画像の再生表示等を行なうためのLCD表示部10が設けられている。また、LCD表示部10の上方位置にフラッシュ発光に関するFLモード設定スイッチ11と、後述する複数の撮影モードを選択的に設定するための撮影モード設定スイッチ16とが設けられ、LCD表示部10の下方位置に、メモリカード18に記録される画像データの圧縮率Kを切換設定するための圧縮率設定スイッチ12とパーソナルコンピュータが外部接続される接続端子13とが設けられている。FLモード設定スイッチ11及び撮影モード設定スイッチ16は、プッシュスイッチからなり、圧縮率設定スイッチ12は、2接点のスライドスイッチからなる。
【0024】デジタルカメラ1は、下記表1に示すように、予め設定された10種類の撮影モードが選択的に設定可能になされ、撮影画像は設定された撮影モードに応じた所定の画像処理がなされるようになっている。撮影モード設定スイッチ16を押すと、現在設定されている撮影モードがLCD表示部10に表示され、撮影モード設定スイッチ16を押す毎にその表示が(1)〜(10)の順にサイクリックに切り換わり、所望の撮影モードをLCD表示部10に表示させることでその撮影モードを設定することができるようになっている。
【0025】
【表1】
【0026】なお、表1の各撮影モードは、(1)標準モード;標準的な画質が得られる撮影モード(2)ポートレートモード;人物等の肖像写真に対して適正な画質が得られる撮影モード(3)風景モード;自然や人工的な風景を被写体とした風景写真に対して適正な画質が得られる撮影モード(4)夜景モード;夜の景色を背景に撮影される夜景写真に対して適正な画質が得られる撮影モード(5)スローシンクロモード;オープンフラッシュで撮影される画像に対して適正な画質が得られる撮影モード(6)夕焼けモード;夕焼けシーンで撮影された画像に対して適正な画質が得られる撮影モード(7)マクロモード;接写される写真に対して適正な画質が得られる撮影モード(8)グレースケールモード;撮影画像をモノクロ画像に仕上げる撮影モード(9)セピアモード;撮影画像をセピア色若しくは赤褐色の調色に仕上げる撮影モード(10)ソラリゼーションモード;撮影画像をソラリゼーション画像に仕上げるモードの内容を有している。
【0027】また、同表1の各処理は、(a)エッジ強調処理;撮影画像の周波数特性を変更することによりエッジ部分の強調若しくは高周波ノイズの低減を行う処理(b)低輝度時の信号増幅処理;露出制御可能な範囲を超える低輝度シーンにおいて、露出不足を画像信号(アナログ信号)の増幅処理で補償する処理(c)階調処理;γ補正によりコントラストを調整する処理(d)彩度処理;撮影画像の彩度の強調若しくは色相回転を行う処理(e)WB処理;ホワイトバランスを調整することにより撮影画像の全体的な色バランスを調整する処理の内容を有している。
【0028】なお、上記(a)〜(e)に関する具体的な画像処理については後述する。また、備考欄の説明は、マクロズームレンズ301の焦点位置を無限遠の位置に固定して撮影することを意味し、夜景モードでは夜景の雰囲気を生かすためにフラッシュ発光を禁止して撮影することを表し、スローシンクロモードでは、フラッシュ撮影を前提とするのでフラッシュを強制発光して撮影することを表している。
【0029】また、デジタルカメラ1は、フラッシュ発光に関するモードとして被写体輝度に応じて自動的にフラッシュ5を発光させる「自動発光モード」、被写体輝度に関係なくフラッシュ5を強制的に発光させる「強制発光モード」及びフラッシュ5の発光を禁止する「発光禁止モード」が設けられ、FLモード設定スイッチ11を押す毎に「自動発光」、「強制発光」及び「発光禁止」の各モードがサイクリックに切り換わり、いずれかのモードが選択設定されるようになっている。なお、撮影モードとして夜景モード及びスローシンクロモードが設定された場合は、FLモード設定スイッチ11によるモード設定は無視され、夜景モードでは「発光禁止モード」が、また、スローシンクロモードでは「強制発光モード」がそれぞれ自動設定される。
【0030】また、デジタルカメラ1は、1/8と1/20の2種類の圧縮率Kが選択設定可能になされ、例えば圧縮率設定スイッチ12を右にスライドすると、圧縮率K=1/8が設定され、左にスライドすると、圧縮率K=1/20が設定される。なお、本実施の形態では、2種類の圧縮率Kが選択設定できるようにしているが、3種類以上の圧縮率Kを選択設定できるようにしてもよい。
【0031】更に、カメラ本体部2の背面の右端上部には、「記録モード」と「再生モード」とを切換設定する記録/再生モード設定スイッチ14が設けられ、この記録/再生モード設定スイッチ14の左側にメイン電源投入用のメインスイッチ17が設けられている。記録モードは、写真撮影を行なうモードであり、再生モードは、メモリカード18に記録された撮影画像をLCD表示部10に再生表示するモードである。記録/再生モード設定スイッチ14も2接点のスライドスイッチからなり、例えば右にスライドすると、再生モードが設定され、左にスライドすると、記録モードが設定される。また、メインスイッチ17は、プッシュスイッチからなり、オン状態でスイッチが押されると、デジタルカメラ1の電源が投入され、オフ状態でスイッチが押されると、その電源投入が解除される。
【0032】また、カメラ本体部2の上面には、図3に示すように、略中央に夕焼けモードでの撮影の際に画像処理(ホワイトバランス調整処理)を選択する一方、記録画像を再生する際にコマ送りをするためのスイッチ6,7が設けられている。また、背面側からみてスイッチ7の左側にメモリカード18に記録された画像を消去するための消去スイッチ8が設けられ、スイッチ6の右上にシャッタボタン9が設けられている。
【0033】本デジタルカメラ1は、後述するように夕焼けモードにおいては、撮影画像に対して予め設定された複数種類のホワイトバランス調整(WB調整)を行い、これらのWB調整の異なる複数のサムネイル画像をLCD表示部10にモニタ表示して撮影者が所望のWB調整値を選択できるようになっている。
【0034】夕焼けモードでの撮影の際のスイッチ6,7による画像処理の選択とは、LCD表示部10にモニタ表示されたサムネイル画像を視認しつつ、スイッチ6,7を操作して所望のWB調整がなされたサムネイル画像をカーソル指定することである。このサムネイル画像の指定方法については後述する。
【0035】一方、再生の際のスイッチ6,7による記録画像のコマ送りとは、再生モードではLCD表示部10にメモリカード18に記録された画像がコマ番号とともに表示されるようになっており、LCD表示部10に表示されたコマ画像を昇順方向(撮影順の方向)若しくは降順方向(撮影順と逆の方向)に変更指示することである。
【0036】スイッチ6は、WB調整値の選択においては、LCD表示部10に表示されたサムネイル画像の番号を増大し、コマ番号の変更においては、コマ番号が増大する方向にコマ送りするためのスイッチ(以下、UPスイッチという。)であり、スイッチ7は、WB調整値の選択においては、LCD表示部10に表示されたサムネイル画像の番号を減少し、コマ番号の変更においては、コマ番号が減少する方向にコマ送りするためのスイッチ(以下、DOWNスイッチという。)である。
【0037】なお、LCD表示部10にタッチパネルスイッチを設け、このタッチパネルスイッチによりLCD表示部10に表示されたサムネイル画像を選択するようにしてもよい。
【0038】また、カメラ本体部2の底面には、図6に示すように、電源電池Eの電池装填室とメモリカード18のカード装填室とが設けられ、両装填室の装填口は、クラムシェルタイプの蓋15により閉塞されるようになっている。
【0039】図7は、デジタルカメラ1の制御系のブロック構成図である。同図において、図1〜図6に示した部材と同一部材には同一の番号を付している。
【0040】撮像部3内のマクロズームレンズ301には開口量が固定された絞り部材(固定絞り)が設けられている。また、信号処理回路308及びタイミングジェネレータ(T・G)309は、上記撮像回路302の構成要素である。CCDエリアセンサ303(以下、CCD303と略称する。)は、CCDカラーエリアセンサからなる撮像素子で、マクロズームレンズ301により結像された被写体の光像を、R(赤),G(緑),B(青)の色成分の画像信号(各画素で受光された画素信号の信号列からなる信号)に光電変換して出力する。タイミングジェネレータ309は、CCD303の駆動を制御するための各種のタイミングパルスを生成するものである。
【0041】撮像部3における露出制御は、絞りが固定絞りとなっているので、CCD303の露光量、すなわち、シャッタスピードに相当するCCD303の電荷蓄積時間を調節して行なわれる。被写体輝度が低輝度時に適切なシャッタスピードが設定できない場合は、CCD303から出力される画像信号のレベル調整を行なうことにより露光不足による不適正露出が補正される。すなわち、低輝度時は、シャッタスピードとゲイン調整とを組み合わせて露出制御が行なわれる(表1の低輝度時の信号増幅処理を参照)。画像信号のレベル調整は、後述する信号処理回路308内のAGC回路308bのゲイン調整において行なわれる。
【0042】タイミングジェネレータ309は、カメラ本体部2から送信される基準クロックに基づきCCD303の駆動制御信号を生成するものである。タイミングジェネレータ309は、例えば積分開始/終了(露出開始/終了)のタイミング信号、各画素の受光信号の読出制御信号(水平同期信号,垂直同期信号,転送信号等)等のクロック信号を生成し、CCD303に出力する。
【0043】信号処理回路308は、CCD303から出力される画像信号(アナログ信号)に所定のアナログ信号処理を施すものである。信号処理回路308は、CDS(相関二重サンプリング)回路308aとAGC(オートゲインコントロール)回路308bとを有し、CDS回路308aにより画像信号のノイズの低減を行ない、AGC回路308bのゲインを調整することにより画像信号のレベル調整を行なう。
【0044】なお、AGC回路308aのゲインは、本体制御部201により自動設定されるが、表1に示したように、撮影モードが夜景モード又はスローシンクロモードの場合は、信号処理回路308でのゲイン調整は禁止され、CCD303の電荷蓄積時間のみで露出制御が行われる。夜景モード及びスローシンクロモードでは被写体輝度がかなり低いので、CCD303の電荷蓄積時間が長くなり、CCD303から出力される画像信号に含まれる暗ノイズが増加することになる。夜景モード及びスローシンクロモードでもCCD303からの画像信号をAGC回路308bで増幅すると、増幅された暗ノイズの影響を受けて画質の低下を招くおそれがあるので、これら両モードが設定されたときは、敢えてAGC回路308bによるゲイン調整を禁止するようにしている。
【0045】調光回路304は、フラッシュ撮影におけるフラッシュ5の発光量を本体制御部201により設定された所定の発光量に制御するものである。フラッシュ撮影においては、露出開始と同時に被写体からのフラッシュ光の反射光が調光センサ305により受光され、この受光量が所定の発光量に達すると、調光回路304からカメラ本体部2内に設けられたFL制御回路214に発光停止信号STPが出力される。FL制御回路214は、この発光停止信号STPに応答してフラッシュ5の発光を強制的に停止し、これによりフラッシュ5の発光量が所定の発光量に制御される。
【0046】スイッチ群310は、マクロズームレンズ301のズームレバー306の設定位置や撮像部3の撮像方向の設定位置を検出するスイッチ群である。
【0047】カメラ本体部2内において、基準クロック発生回路202は基準クロックを発生する回路であり、タイミング制御回路203はタイミングジェネレータ309に対するクロックCLK1及びA/D変換器205に対するクロックCLK2を生成する回路である。基準クロック発生回路202及びタイミング制御回路203の駆動は、本体制御部201により制御される。
【0048】RTC204は、撮影日時を管理するための時計回路である。RTC204はメインの電源電池とは異なる電源電池(図略)で駆動されるようになっている。
【0049】A/D変換器205は、撮像部3から入力された画像信号の各画素信号を10ビットのデジタル信号に変換するものである。A/D変換器205は、タイミング制御回路203から入力されるA/D変換用のクロックCLK2に基づいて各画素信号(アナログ信号)を10ビットのデジタル信号に変換する。
【0050】黒レベル補正回路206は、A/D変換された画素信号(以下、画素データという。)の黒レベルを基準の黒レベルに補正するものである。また、WB回路207は、γ補正後にホワイトバランスも合わせて調整されるように、R,G,Bの各色成分の画素データのレベル変換を行なうものである。表1におけるWB処理はWB回路207で行われる。WB回路207は、本体制御部201から入力される、例えば図9に示す特性を有するレベル変換テーブルを用いてR,G,Bの各色成分の画素データのレベルを変換する。
【0051】なお、表1の標準処理の場合は、レベル変換テーブルの各色成分の変換係数(特性の傾き)は、本体制御部201により撮影画像毎に設定される。一方、夜景モード及びスローシンクロモードが設定されている場合は、被写体からの反射光は殆どがフラッシュ5からのフラッシュ光であるから、R,Bの各色成分の画像データのレベルが当該フラッシュ光の色温度に合致する所定のレベルに変換されるようなフラッシュ光専用のレベル変換テーブルがWB回路207に設定される。従って、同表1の「FL用WB」は、フラッシュ光に対する専用のWB処理を行うことを表している。
【0052】また、夕焼けモードにおいては、撮影画像は通常、夕焼けシーンの画像と考えられるから、この場合も夕焼けの赤味を強調するため、ホワイトバランスが赤っぽい色に崩れるように所定のWB調整値(例えばB/G=1,R/G=K(>1))が設定される。尤も、撮影者のイメージしている夕焼けシーンに近い雰囲気が表現できるように、予め複数のWB調整値が用意され、撮影者は、これらのWB調整値の中から所望のWB調整値を選択設定できるようになっている。従って、同表1の「固定値処理」は、ホワイトバランスを赤味がかった色に崩すような所定のWB調整値であって、撮影者が選択した所定のWB調整値で処理することを表している。
【0053】γ補正回路208は、画素データのγ特性を補正するものである。表1における階調処理はγ補正回路208で行われる。γ補正回路208は、図10に示すように、γ特性の異なる5種類のγ補正テーブルを有し、設定された撮影モードに応じて所定のγ補正テーブルにより画素データのγ補正を行なう。なお、このγ補正処理において、10ビットの画素データは、8ビット(256階調)の画素データに変換される。γ補正処理前の画像データを10ビットデータとしているのは、非線形性の強いγ特性でγ補正を行なった場合の画質劣化を防止するためである。
【0054】また、R,G,Bの各色成分の画像データはWB回路207で所定のレベル変換が行なわれており、これらの画像データをそれぞれγ補正テーブルでγ補正する。
【0055】図10において、特性
【0056】また、特性
【0057】また、特性
【0058】また、特性
【0059】また、特性
【0060】図7に戻り、画像メモリ209は、γ補正回路208から出力される画素データを記憶するメモリである。画像メモリ209は、1フレーム分の記憶容量を有している。すなわち、画像メモリ209は、CCD303がn行m列の画素を有している場合、n×m画素分の画素データの記憶容量を有し、図11に示すように、各画素データG(i,j)(i=1,2…n、1,2,…m)が対応する画素位置(i,j)に記憶されるようになっている。
【0061】VRAM210は、LCD表示部10に再生表示される画像データのバッファメモリである。VRAM210は、LCD表示部10の画素数に対応した画像データの記憶容量を有している。
【0062】撮影待機状態においては、撮像部3により1/30(秒)毎に撮像された画像の各画素データがA/D変換器205〜γ補正回路208により所定の信号処理を施された後、画像メモリ209に記憶されるとともに、本体制御部201を介してVRAM210に転送され、LCD表示部10に表示される。これにより撮影者はLCD表示部10に表示された画像により被写体像を視認することができる。また、再生モードにおいては、メモリカード18から読み出された画像が本体制御部201で所定の信号処理が施された後、VRAM210に転送され、LCD表示部10に再生表示される。
【0063】スイッチ群211は、UPスイッチ6、DOWNスイッチ7、消去スイッチ8、FLモード設定スイッチ11、圧縮率設定スイッチ12、記録/再生モード設定スイッチ14に及び撮影モード設定スイッチ16に相当するスイッチである。
【0064】カードI/F212は、メモリカード18への画像データの書込み及び画像データの読出しを行なうためのインターフィースである。また、通信用I/F213は、パーソナルコンピュータ19を通信可能に外部接続するための、例えばRS−232C規格に準拠したインターフェースである。
【0065】FL制御回路214は、フラッシュ5の発光を制御する回路である。FL制御回路214は、本体制御部201の制御信号に基づきフラッシュ5の発光の有無、発光量及び発光タイミング等を制御し、調光回路304から入力される発光停止信号STPに基づきフラッシュ5の発光量を制御する。
【0066】本体制御部201は、マイクロコンピュータからなり、上述した撮像部3内及びカメラ本体部2内の各部材の駆動を有機的に制御してデジタルカメラ1の撮影動作を統括制御するものである。
【0067】また、本体制御部201は、露出制御値(シャッタスピード)を設定するための輝度判定部215とシャッタスピード(SS)設定部216とを備えている。輝度判定部215は、撮影待機状態において、CCD303により1/30(秒)毎に取り込まれる画像を利用して被写体の明るさを判定するものである。すなわち、輝度判定部215は、画像メモリ209に更新的に記憶される画像データを用いて被写体の明るさを判定するものである。
【0068】輝度判定部215は、図11に示すように、画像メモリ209の記憶エリアを9個のブロックB(1),B(2),…B(9)に分割し、各ブロックB(r)(r=1,2,…9)に含まれるG(緑)の色成分の画素データGG(k,h)を用いて各ブロックB(r)を代表する輝度データBV(r)を算出する。
【0069】シャッタスピード設定部216は、輝度判定部215による被写体の明るさの判定結果に基づいてシャッタスピードTv(CCD303の積分時間)を設定するものである。シャッタスピード設定部216は、予め複数のシャッタスピードTvが設定されたテーブルを有している。
【0070】シャッタスピードTvは、カメラ起動時に所定の値(例えば1/128(秒))に初期設定され、撮影待機状態において、シャッタスピード設定部216は、輝度判定部215による被写体の明るさの判定結果に応じて初期値から高速側若しくは低速側に1段ずつ変更設定する。
【0071】この結果、最初、1/128(秒)のシャッタスピードTvで撮像された画像に基づき判定された被写体の明るさが、例えば明る過ぎるときは、シャッタスピードを1段分高速にして次の画像が撮像され、再度、この画像に基づき被写体の明るさが判定される。そして、この判定結果が、例えば未だ明る過ぎるときは、シャッタスピードTvを更に1段分高速にして次の画像が撮像され、以下、被写体の明るさ判定とシャッタスピードTvの再設定とが交互に繰り返されてある時間経過後には適切なシャッタスピードTvが設定される。
【0072】また、本体制御部201は、撮影モード設定スイッチ16で設定された撮影モードに応じて撮影画像に所定の周波数処理を行う周波数処理部217と所定の彩度処理を行う彩度処理部218とを備えている。周波数処理部217は、デジタルフィルタにより撮影画像の周波数特性を変化させて画質の補正を行なうもので、この補正処理は、設定された撮影モードに応じて表1の「エッジ強調処理」に相当する処理を行う。
【0073】図8は、周波数処理部217の回路構成の一実施の形態を示すブロック図である。
【0074】同図に示すように、周波数処理部217は、Y信号生成回路217A、C信号生成回路217B、LPF回路217C、HPF回路217D、コアリング回路217E、加算器217F,217G及び出力回路217H,217Iから構成され、入力されたR,G,Bの色成分の画像信号を輝度信号Yとクロマ信号Cとに変換する一方、輝度信号Yに、後述する所定の周波数処理を施して2種類の輝度信号Y1,Y2を生成し、輝度信号Y1とクロマ信号Cとからなる第1の画像信号と輝度信号Y2とクロマ信号Cとからなる第2の画像信号とを出力する。
【0075】輝度信号Y1とクロマ信号Cからなる第1の画像信号は、撮像画像の高周波成分を増加してエッジ部分を強調したものである。本実施の形態では、HPF217Dのフィルタ特性を変更することによりエッジ強調を「標準的なエッジ強調」と「強めのエッジ強調」の2段階で行えるようになっている。標準モード、夕焼けモード、グレースケールモード、セピアモード及びソラリゼーションモードの撮影モードが設定されているときは、周波数処理部217から標準的なエッジ強調処理が行われた第1の画像信号が出力され、風景モード及びマクロモードの撮影モードが設定されているときは、周波数処理部217から強めのエッジ強調処理が行われた第1の画像信号が出力される。風景モード及びマクロモードで強めのエッジ強調を行うのは、風景写真では画像のピントが甘く感じられるので、輪郭をより強調して明瞭な画像とするものであり、マクロモードでは接写の目的を考慮し、可能な限り主被写体の細部を明瞭に表現するものである。
【0076】一方、輝度信号Y2とクロマ信号Cとからなる第2の画像信号は、撮像画像の高周波成分に含まれるノイズ成分を除去したものである。ポートレートモード、夜景モード及びスローシンクロモードの撮影モードが設定されているときは、周波数処理部217からノイズ除去処理がなされた第2の画像信号が出力される。ポートレートモードでは、撮影画像(ポートレート写真)をソフトフォーカスで人肌の調子が滑らかな画質に仕上げるため、通常のエッジ強調は行わず、高周波ノイズ成分を除去することで輪郭部分をソフトに表現するようにしている。また、夜景モードやスローシンクロモードでは、CCD301の電荷積分時間が長くなるのに応じて暗ノイズが増加するので、暗ノイズの低減策としてノイズ除去処理を行うようにしている。
【0077】Y信号生成回路217Aは、R,G,Bの色成分の画像信号から輝度信号Yを生成する回路であり、C信号生成回路217Bは、R,G,Bの色成分の画像信号から色信号Cを生成する回路である。Y信号生成回路217Aは、R,G,Bの各色成分を所定の比率で加算合成して輝度信号Y(=Kr・R+Kg・G+Kb・B、Kr,Kg,Kbは係数)を算出する。また、C信号生成回路217Bは、R,G,Bの各色成分を用いて輝度信号Yを算出するとともに、この輝度信号YとR,Bの各色成分との色差信号(R−Y),(B−Y)を算出し、これらの色差信号(R−Y),(B−Y)を色信号Cとして出力する。
【0078】Y信号生成回路217Aから出力される輝度信号Yは、LPF回路217C、HPF217D及び加算器217Gに入力され、C信号生成回路217Bから出力される色信号Cは、出力回路217H,217Iに入力される。
【0079】LPF回路217Cは、輝度信号の低周波成分を抽出するデジタルローパスフィルタであり、HPH217Dは、輝度信号の高周波成分を抽出するデジタルハイパスフィルタである。LPF回路217Cは、例えば図12に示すフィルタ係数を有するデジタルローパスフィルタであり、HPF回路217Dは、標準的なエッジ処理用と強めのエッジ処理用の2種類のフィルタ係数を有するデジタルハイパスフィルタである。強めのエッジ処理用のフィルタ係数は、例えば図13に示すようになっている。
【0080】また、コアリング回路217Eは、HFP回路217Dにより抽出された輝度信号Yの高周波成分のうち、予め設定された所定レベル以下の成分を除去する回路である。すなわち、高周波成分の内の一定の低レベル成分を除去することにより、高周波成分に含まれるノイズ成分を除去する回路である。コアリング回路217Eは、図14に示すレベル変換特性を有し、HPF回路217Dから入力された輝度信号YのレベルVを当該レベル変換特性でレベル変換して出力する。図14から明らかなように、−V2≦V≦+V1の輝度信号Yは全てレベルが「0」になるので、コアリング回路217Eからはこのレベル範囲にあるノイズ成分が除去された高周波成分が出力される。
【0081】LPF回路217Cから出力される輝度信号Yの低周波成分は、加算器217Gに入力され、HPF回路217Dから出力される輝度信号Yの高周波成分は、コアリング回路217E及び加算器217Fに入力される。また、コアリング回路217Eから出力されるコアリング処理後の輝度信号Yの高周波成分は、加算器217Gに入力される。
【0082】加算器217Fでは輝度信号Yとこの輝度信号Yの高周波成分とが加算混合されて輝度信号Y1が生成され、この輝度信号Y1は出力回路217Iに入力される。輝度信号Y1は元の撮像画像に高周波成分を混合して画像の高周波成分が増加されているので、出力回路217Iからはエッジ部分が強調された画像信号が出力される。また、加算器217Gでは輝度信号Yの低周波成分とコアリング処理がなされた高周波成分とが加算混合されて輝度信号Y2が生成され、この輝度信号Y2は出力回路217Hに入力される。輝度信号Y2は元の撮像画像の低周波成分とノイズ成分を除去した高周波成分とを混合して画像の高周波成分を低減するとともに、高周波ノイズを除去しているので、出力回路217Hからは軟調、かつ、滑らかな調子の画像信号が出力される。
【0083】そして、出力回路217H,217Iからの画像信号の出力は、撮影モード設定スイッチ16で設定された撮影モードの設定信号により制御され、出力回路後段の撮影モード設定信号により制御されるセレクタによりいずれか一方の出力回路217H,217Iから画像信号が出力される。すなわち、ポートレートモード、夜景モード及びスローシンクロモードの撮影モードが設定されていると、出力回路217Hから軟調かつ滑らかな調子の画像信号が出力され、これ以外の撮影モードが設定されていると、出力回路217Iからエッジが強調された画像信号が出力される(表1参照)。
【0084】彩度処理部218は、画像メモリ209に格納されているR,G,Bの各色成分の画像信号と周波数処理部217から出力される輝度信号Yとを用いて撮影モードに応じた彩度強調、色相回転、モノクロ処理等の色に関する所定の処理を行うものである。この処理は、表1の「彩度処理」に相当するものである。
【0085】彩度処理部218は、周波数処理部217から出力される色差信号(R−Y),(B−Y)を用いて、下記演算式(1)により彩度強調、色相回転、モノクロ処理化等の演算処理を行う。
【0086】
【数1】
【0087】上記(1)式において、a〜fは変数で、これらの値を調整することにより色差信号(R−Y)′,(R−Y)′の彩度が調整される。表1における「通常の強調」、「派手目の強調」は、(a,b,c,d,e,f)の変数を適宜、調整することにより行われる。例えばaの値を大きくすることにより赤色が強調され、dの値を大きくすることにより青色が強調される。なお、この場合は、補正項(e,f)の値は、通常、(0,0)である。
【0088】また、グレースケールモードにおける「彩度の除去処理」は色味をなくする処理であるので、(a,b,c,d,e,f)=(0,0,0,0,0,0)として(1)式を演算することにより行われる。また、セピアモードにおける「固定値処理」は、撮影画像の色相をセピア色若しくは赤褐色の所定の色相に固定する処理であるので、(a,b,c,d,e,f)=(0,0,0,0,E,F)として(1)式を演算することにより行われる。このとき、(E,F)は、予め設定されたセピア色若しくは赤褐色に相当する色差信号(固定値)に設定され、(1)式を演算することにより色差信号(R−Y)′=E、(B−Y)′=Fとなる。
【0089】また、本体制御部201は、夕焼けモードにおいて、図15に示すように、WB調整具合の異なる複数のサムネイル画像SG1〜SG9(画質調整見本の画像)をLCD表示部10にマトリックス表示するべく当該サムネイル画像SG1〜SG9を作成するサムネイル画像作成部219とこのサムネイル画像作成部219で作成された複数のサムネイル画像SG1〜SG9をマトリックス状に配列して表示画像(以下、この画像をプレビュー画像という。)を作成するプレビュー画像作成部220とを備えている。
【0090】サムネイル画像作成部219は、図略のレベル調整回路とWB調整回路とを有し、夕焼けモードが設定されているとき、画像メモリ209から所定の画素ピッチで画像データを粗くサンプリングしてサムネイル画像を作成するとともに、このサムネイル画像に所定のレベル調整及びWB調整を施して夕焼け画像の色の調子の異なるサムネイル画像を作成する。本実施の形態では、夕焼け画像の色の調子として9種類の異なる調子が用意されており、サムネイル画像作成部219は、画像メモリ209から9回、画像データを粗くサンプリングしてサムネイル画像SG1〜SG9を9枚作成し、各サムネイル画像SG1〜SG9に下記表2に示すレベル調整及びWB調整の処理を行い、順次、プレビュー画像作成部220に出力する。
【0091】また、サムネイル画像作成部219は、撮影者により記録すべき撮影画像のレベル調整及びWB調整の調整値が選択されると、画像メモリ209から全画像データを読み出し、その画像データに設定された調整値に基づきレベル調整及びWB調整を施して、周波数処理部217に出力する。
【0092】プレビュー画像作成部220は、サムネイル画像作成部219から順次、入力されるサムネイル画像SG1〜SG9をVRAM210の所定の記憶領域に転送することによりプレビュー画像を作成する。すなわち、VRAM210の記憶領域においてサムネイル画像SG1〜SG9を所定のマトリックス(本実施の形態では、9×9の配列)に配列した画像が作成されるように、各サムネイル画像SG1〜SG9は順次、VRAM210に転送され、LCD表示部10に表示される。
【0093】
【表2】
【0094】WB調整において、R/Gを1.0より大きくしていくと、赤味が強い画像となる。一方、B/Gを1.0より小さくしていくと、黄味が強い画像(青味が弱い画像)となる。従って、表2において、サムネイル画像SG1,SG4は赤味の強い見本画像を示し、サムネイル画像SG3,SG6は、黄味の強い見本画像を示している。また、R/Gを1.0より大きくし、B/Gを1.0より小さくすると、橙色がかった画像となるので、サムネイル画像SG2、SG5は橙色の強い見本画像を示している。また、サムネイル画像SG7,SG8は、サムネイル画像SG2の全体的な明るさを抑えたものであり、サムネイル画像SG9は、サムネイル画像SG5の全体的な明るさを抑えたものである。従って、サムネイル画像SG7〜SG9では、黄昏時の橙色の夕焼けを強調したような画像が得られる。
【0095】夕焼けモードでは、撮影が行われると、まず、LCD表示部10に、図15に示すサムネイル画像SG1〜SG9による夕焼け強調処理の見本画像が表示される。図15において、サムネイル画像SG1の二重線表示は、当該サムネイル画像SG1がWB調整及びレベル調整の調整値として初期選択されていることを示している。撮影者がこの見本画像で画像の仕上がりを確認し、UPスイッチ6及びDOWNスイッチ7を操作してLCD表示部10に表示されたサムネイル画像SG1〜SG9のいずれかを選択すると、メモリカード18に記録すべき撮影画像のWB調整及びレベル調整の調整値が設定される。なお、UPスイッチ6及びDOWNスイッチ7を操作する毎に選択表示(二重線表示)がサムネイル画像SG1から昇順若しくは降順に順次、移動し、UPスイッチ6及びDOWNスイッチ7を同時に操作することで、当該選択表示されたサムネイル画像の選択が確定される。
【0096】そして、WB調整及びレベル調整の調整値が設定されると、画像メモリ209から撮影画像の全画像データがサムネイル画像作成部219に読み出され、設定された調整値でWB調整及びレベル調整が行われた後、周波数処理部217に出力される。
【0097】なお、本実施の形態では、見本画像を見易くするため、サムネイル画像で見本画像を作成し、これらのサムネイル画像をLCD表示10にマトリックス状に一括表示するようにしたが、画質の違いを見やすくするためサムネイル画像の大きさを大きくして、複数枚に分割してマトリックス表示させるようにしてもよく、画質の異なる見本画像をコマ送りの要領で1枚ずつをLCD表示部10に表示させるようにしてもよい。
【0098】また、本体制御部201は、撮影画像を記録する際に画像記録用の圧縮画像を生成する記録画像生成部221とメモリカード18に記録された画像をLCD表示部10に再生するために、再生画像を生成する再生画像生成部222とを備えている。
【0099】本体制御部201は、記録モードにおいて、シャッタボタン9により撮影が指示されると、撮影指示後に画像メモリ209に取り込まれた画像データに対して所定の画像処理を施した後、画像記録用の圧縮画像を生成し、撮影画像に関するインデックス情報(コマ番号、露出値、シャッタスピード、圧縮率K等の情報)とともにメモリカード18に記憶する。
【0100】記録画像生成部221は、周波数処理部217及び彩度処理部218で画像処理が行われた撮影画像に2次元DCT変換、ハフマン符号化等のJPEG(Joint Photographic Coding Experts Group)方式による所定の圧縮処理を施して圧縮率設定スイッチ12で設定された圧縮率Kの圧縮画像の画像データを生成し、この画像データをメモリカード18に記録する。
【0101】また、再生画像生成部222は、メモリカード18から画像データを読み出してLCD表示部10に再生表示すべき撮影画像を生成する。メモリカード18に記録された画像はモニタ用のγ係数(=0.55)でγ補正されているので、この記録画像をそのままLCD表示部10に再生すると、上記γ係数とLCD表示用のγ係数(=0.45)との不整合によりコントラストの強い堅調の画質となるため、再生画像生成部222は、記録画像の再生用の画像を生成する際、再生画像のγ特性を再補正する。すなわち、再生画像生成部222は、メモリカード18から読み出された圧縮画像の画像データを伸長して表示用の画像データを生成し、この画像データにγ=0.82のγ特性でγ補正を施した後、順次、VRAM210に転送して記録画像のLCD表示部10への再生表示を行なう。
【0102】次に、デジタルカメラ1の記録モードにおける撮影制御について説明する。まず、夕焼けモード以外の撮影モードが設定された場合の撮影制御について、図16,図17に示すフローチャートに従って説明する。
【0103】撮影制御は、主としてビューファインダ処理、露出制御及び画像処理から構成されている。ビューファインダ処理は、LCD表示部10に被写体像を表示して撮影内容を視認できるようにする処理である。ビューファインダ処理においては、好適なシャッタスピードの調整も行なわれる。
【0104】記録/再生モード設定モード14により記録モードが設定されると、制御部204で撮影モード設定スイッチ16により設定されている撮影モードが判別され、当該撮影モードに対応する画像処理の各種パラメータが対応する処理部に初期設定される。このパラメータは、上述したAGC回路308b、WB回路207及びγ補正回路208の各回路並びに周波数処理部217及び彩度処理部218の各処理部に対する必要な処理パラメータである。
【0105】この後、まず、シャッタスピードTvが初期値(1/128(秒))に設定され(#2)、γ=0.45のγ特性(図10の特性
【0106】続いて、撮像画像の輝度データが算出され(#18)、この輝度データに基づいてシャッタスピードTvが適正か否かが判別される(#20)。輝度データは、撮像画像を9個のブロックB(1)〜B(9)に分割し(図11参照)、各ブロックB(i)(i=1,2,…9)毎に、そのブロックB(i)に含まれるG(緑)の色成分の画素データの平均値BV(i)を算出したものである。そして、9個の輝度データBV(1)〜BV(9)をそれぞれ所定のハイレベルの閾値BVH及びローレベルの閾値BVLと比較して撮像画像が全体的に明るすぎる(露光オーバーである)か、撮像画像が全体的に暗すぎる(露光アンダーである)か、あるいは適正であるかが判別される。
【0107】撮像画像が全体的に明るすぎるか、暗すぎる場合は、シャッタスピードTvが不適正と判断され(#20でNO)、撮影画像の明暗に状態に応じてシャッタスピードTvを変更して(#22)、再度、シャッタスピードTvの適否を判定するべくステップ#6に戻る。すなわち、撮像画像が全体的に明るすぎる(露光オーバーである)場合は、シャッタスピードTvが1段小さい値に変更され、撮像画像が全体的に暗すぎる(露光アンダーである)場合は、シャッタスピードTvが1段大きい値に変更されて、ステップ#6に戻る。
【0108】そして、ステップ#6〜#22のループを繰り返し、シャッタスピードTvが適正値に設定されると(#20でYES)、続いて、この間に撮影モードの変更が行われたか否かが判別され(#24)、撮影モードが変更されていると(#24でYES)、変更後の撮影モードに対応する画像処理の各種パラメータが対応する処理部に変更設定される(#26)。一方、撮影モードが変更されていなければ(#22でNO)、ステップ#24はスキップされる。
【0109】続いて、シャッタボタン9が押され、レリーズスイッチがオンされたか否かが判別され(#28)、レリーズスイッチがオンされていなかったら(#28でNO)、ステップ#2に戻り、レリーズ待機状態となる(#6〜#28のループ)。
【0110】CCD303では、1/30(秒)毎にフレーム画像が取り込まれるので、各フレーム画像毎に上記ステップ#6〜#28の処理が行なわれ、シャッタスピードTvを初期値から1段ずつ増大若しくは減少してビューファインダ処理と同時にシャッタスピードTvの調整が行われる。なお、ステップ#6〜#28のループ処理によりシャッタスピードTvが更新的に大きい値に変更され、1/30(秒)を越えるときは、ステップ#22でのシャッタスピードTvは1/30(秒)に固定され、信号処理回路308内のAGC回路308bのゲイン調整が行われる。尤も、撮影モードが夜景モード又はスローシンクロモードに設定されている場合は、AGC回路308bのゲイン調整は禁止される。
【0111】レリーズ待機状態において、シャッタボタン9が押され、レリーズスイッチがオンされると(#28でYES)、所定のシャッタスピードTvが設定された後(#30)、露出制御が行なわれる(#32,#34)。そして、所定の露光時間Tvが経過し、露光が終了すると(#34でYES)、CCD303から画像信号が読み出され(#36)、信号処理回路308、A/D変換器205〜γ補正回路208、周波数処理部217及び彩度処理部218により設定された撮影モードに応じた所定の画像処理が行なわれる(#38)。
【0112】ここに撮影モードに応じた所定の画像処理とは、上記表1に示す撮影モードに対応した画像処理である。なお、各撮影モードにおける特徴的な画像処理は以下のようになっている。
【0113】(1)標準モード標準モードは、撮影画像を標準的な画質に仕上げるモードであるので、各処理は、標準値で処理される。そして、他の撮影モードは、この標準モードでの処理を基準に相対的に処理内容の強弱が設定されている。
【0114】(2)ポートレートモードポートレートモードは主として人物の肖像写真を作成するモードで、撮影画像には主として主人公の人物がソフトな感じで美しく見えるような画質が要求されるので、標準モードに対して周波数処理によるエッジ強調とγ補正により階調補正とが異なる。ポートレートモードでは、コントラストの弱いγ特性でγ補正を行うことにより人物の髪の毛の質感が損なわれないようにするとともに、撮影画像の低周波成分とノイズ除去が行われた高周波成分とを加算混合するように周波数特性を変更することで、人物の肌の部分が軟調かつ滑らかな調子に仕上げられる。
【0115】(3)風景モード風景モードは主として風景写真を作成するモードで、被写体が遠方にあるので、無限遠に焦点を合わせて撮影される。また、CCD301の解像度により遠景の撮影画像の鮮明度が相対的に低下するので、標準モードに比してより鮮明な画質となるように画像処理が行われる。風景モードでは、コントラストの強いγ特性でγ補正を行うとともに、元の撮影画像に当該撮影画像の高周波成分を足し合わせて高周波成分を強調するように周波数特性を変更することで、撮影画像が明瞭かつ鮮明になるように仕上げられる。また、彩度も派手目に強調することで風景写真の色の鮮やかさが高められる。
【0116】(4)夜景モード夜景モードは主として夜景や夜景を背景にした人物等を撮影するモードで、カメラの露出制御範囲を超える程、被写体輝度が低い撮影シーンを撮影対象とするものである。このような撮影シーンでは影画面内での暗い部分の占める割合が大きく、しかも夜景モードでは夜景の雰囲気を損なわないようにフラッシュ発光が禁止されるので、暗い部分のコントラストが潰れてのっぺりとして感じになり易く、暗い部分の画質低下が顕著となる。従って、夜景モードでは、コントラストの強いγ特性でγ補正を行うことで暗い部分のコントラストを生かすとともに、撮影画像の低周波成分とノイズ除去が行われた高周波成分とを加算混合するように周波数特性を変更することで暗ノイズの高周波成分を除去し、暗い部分の画質低下が抑制される。また、彩度を派手目に強調することで夜景写真の鮮明度が高められる。
【0117】(5)スローシンクロモードスローシンクロモードは、スローシャッタに設定してフラッシュ撮影を行うモードで、夜景モードとはフラッシュ発光の有無の点のみが異なる。このため、画像処理では、夜景モードの場合と同様の処理が行われる。
【0118】(6)マクロモードマクロモードは、例えば花や昆虫等の主たる被写体を接写するモードである。マクロモードでは撮影画像を鮮明かつ明瞭にして主たる被写体が活き活きと表現されることが望まれる。このような画質要求は、風景モードにおける画質要求と類似しているので、マクロモードでも彩度処理を除いて風景モードと同様の画像処理がなされる。マクロモードでは、彩度を強調し過ぎると、却って主たる被写体の色が不自然となるので、彩度処理では通常の強調処理が行われる。
【0119】(7)グレースケールモードグレースケールモードは、カラー画像をモノクロ表現するモードである。このため、グレースケールモードでは、彩度処理で撮影画像の色成分を除去する点を除いて標準モードと同様の画像処理が行われる。
【0120】(8)セピアモードセピアモードは、撮影画像の色をセピア色若しくは赤褐色の特定色に調色するモードである。カラー画像の色を変化させる点でグレースケールモードと類似し、セピアモードでは彩度処理で撮影画像の色をセピア色若しくは赤褐色の特定色に調色する点でグレースケールモードと相違する。
【0121】(9)ソラリゼーションモードソラリゼーションモードは、撮影画像をソラリゼーション画像に変更するモードである。ソラリゼーション画像はγ特性のハイレベル領域における反転特性を利用した特殊効果画像であるから、階調調整を除いて標準モードと同様の画像処理が行われる。
【0122】なお、上記実施の形態では、風景モード及びマクロモードでは標準モードよりエッジ強調を強くしているが、これらのモードも標準モードと同様の標準的なエッジ強調を行うようにして処理の簡素化を図るようにしてもよい。
【0123】図17に戻り、ステップ#38で所定の画像処理が行われると、記録画像生成部221で記録用の所定の画像データが生成され(#40)、この画像データはメモリカード18に転送されて撮像画像の記録が行なわれる(#42)。そして、画像データのメモリカード18への記録により撮影動作は終了し、次の撮影を行なうべく、ステップ#2に戻る。
【0124】次に、夕焼けモードの撮影モードが設定された場合の撮影制御について、図18に示すフローチャートに従って説明する。
【0125】夕焼けモードは、夕焼けシーンを撮影対象とする撮影モードである。夕焼けモードでは、赤味がかったホワイトバランス調整を行うとともに、赤系統の色相を強調するように彩度調整を行うことで、夕焼けの雰囲気が醸成される。夕焼けモードは複数ののWB調整値で画像処理が行われた画像見本から撮影者のイメージする画質が得られるWB調整値が選択可能になっている点で他の撮影モードと異なる。
【0126】従って、夕焼けモードでは、図16,図17のフローチャートにおいて、ステップ#38を図18に示すステップ#38-1〜#38-11の処理に置き換えた処理が行われる。そこで、以下の説明では、図18に示す処理についてのみ補足的に説明する。
【0127】夕焼けモードにおいて、CCD303で撮影が行われ、CCD303から画像信号が読み出されると(#36)、その画像信号は信号処理部308で所定のノイズ低減処理とレベル調整処理とが行われた後、カメラ本体部2に入力される。そして、カメラ本体部2に入力された画像信号は、A/D変換器205〜γ補正回路208でプレ画像処理が行われた後、画像メモリ209に記憶される(#38-1,#38-2)。すなわち、画像信号はA/D変換器でデジタル信号に変換された後、黒レベル補正回路206で黒レベルのレベル調整が行われ、WB回路207で予め設定された標準的なWB調整値(例えばR/G=1,B/G=1)でホワイトバランス調整が行われる。更に画像データは、γ補正回路208で標準的なγ特性(図10の
【0128】続いて、画像メモリ209から画像データを粗くサンプリングしてサムネイル画像が作成され、このサムネイル画像に上記表2のNo.1のWB調整値及びレベル調整値で色調整が行われて画質見本としてのサムネイル画像GS1が生成される(#38-3)。このサムネイル画像GS1は画質見本用のプビュー画像を作成するべくVRAM210の所定の記憶領域に転送される(#38-4)。
【0129】続いて、プレビュー画像の作成が終了したか否かが判別される(#38-5)。今回は、1番目のサムネイル画像SG1のみが作成されたので(#38-5でNO)、ステップ#38-3に戻り、2番目のサムネイル画像SG2の作成が行われる。そして、No.9のサムネイル画像SG9の作成が行われ、このサムネイル画像SG9がVRAM210に転送されると(#38-5でYES)、プレビュー画像の作成は終了し、LCD表示部10にはプレビュー画像が表示される(#38-6、図15参照)。
【0130】続いて、LCD表示部10に表示されたプレビュー画像から撮影者により所望のサムネイル画像SGi(i=1,2,…9)の選択が確定すると(#38-7)、画像メモリ209から全ての画像データが読み出され(#38-8)、選択されたサムネイル画像SGiに施されたWB調整及びレベル調整と同一の調整値でWB調整及びレベル調整が行われる(#38-9)。例えばNo.1のサムネイル画像SG1が選択されていると、画像データはR/G=m1,B/G=1となるように(すなわち赤味を強めるように)ホワイトバランスが再調整される。
【0131】続いて、WB再調整後の画像データは、周波数処理により標準的なエッジ強調処理が行われるとともに、彩度調整処理により赤系統の色が強調された後(#38-10,#38-11)、圧縮処理がなされてメモリカード18に記録される(#40,#42)。
【0132】上記のように、夕焼けモードにおいては、複数のWB調整値で夕焼けシーンの雰囲気の異なる見本画像を作成してLCD表示部10にマトリックス表示し、これらの見本画像から撮影者が所望の見本画像を選択することにより最終的な記録すべき撮影画像のWB調整値を決定できるようにしたので、撮影者のイメージしている夕焼け写真を得ることができる。
【0133】なお、上記実施の形態では、γ補正後の撮影画像を画像メモリ209に一時、記憶させるようにしているが、図7において、画像メモリ209をA/D変換器205の後段若しくは黒レベル補正回路206の後段に配置し、夕焼けモードにおける各見本画像のWB調整及び記録用の撮影画像のWB調整をWB回路207で行うにしてもよい。この場合は、本体制御部201内のサムネイル画像作成部219及びプレビュー画像作成部220は省略でき、本体制御部201は、画素メモリ209からの画像データの読出し、WB回路207及びγ補正回路208の画像処理及びγ補正回路208からの画像データのVRAM210への転送を制御することで、サムネイル画像の作成及びプレビュー画像のLCD表示部10への表示を行う。
【0134】また、上記実施の形態では、複数の撮影モードを選択的に設定可能にするとともに、撮影画像に対して選択された撮影モードに対応した画像処理を行うデジタルカメラ1において、夕焼けモードのように、撮影者によってイメージする夕焼けシーンが異なるモードにおいて、複数の画質調整値を用意しておき、この中から撮影者が所望の調整値を選択するようにしているが、より簡素な構成として複数の撮影モードを選択可能にしてない場合でも複数の画質調整値を用意しておき、撮影者が画質調整値を選択可能にしてもよい。
【0135】例えばγ補正回路208のγ特性を複数本用意し、写真撮影が行われると、γ補正の異なる複数のサムネイル画像(すなわち、コントラスト調整の異なる複数のサムネイル画像)をLCD表示部10にマトリックス表示させ、撮影者によりこれらの見本画像から所望のγ特性が選択されると、そのγ特性で撮影画像のγ補正を行ってメモリカード18に記録させるようにしてもよい。この方法では、撮影画像に対してコントラストの異なる複数の見本画像が表示され、その見本画像から撮影者は所望のコントラストを選択することができるようになる。
【0136】同様の考え方で、周波数処理部217におけるエッジ強調処理及びノイズ除去処理の仕上がり具合や彩度調整部218における彩度強調及び色回転の仕上がり具合等を複数個用意し、写真撮影が行われると、周波数調整や彩度調整の仕上がり具合の異なる複数の見本画像をLCD表示部10にマトリックス表示して撮影者がこれらの見本画像から所望の周波数調整値や彩度調整値を選択できるようにしてもよい。
【0137】そして、このように撮影モードを設けないで、撮影者による画質選択を可能にする場合は、カメラの操作性を考慮して撮影者が画質選択をできるモードとできないモードとを設定可能にし、画質選択可能なモードが設定されたときにのみ、上述の画質の見本画像の表示及びその見本画像の選択を可能にするようにするとよい。
【0138】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、撮影画像に基づき互いに異なる複数の特性値で画像処理を行って複数枚の画質見本画像を作成し、その画質見本画像を表手段に表示して撮影者により所望の画質見本画像を選択可能にするとともに、画質見本画像が選択されると、撮影画像をその画質見本画像と同一の特性値で画像処理するようにしたので、撮影者のイメージする画質の撮影画像を得ることができる。
【0139】また、所定の撮影モードを選択的に設定可能にし、当該撮影モードが設定されているとき、撮影画像から複数の画質見本画像を作成するとともに、その画質見本画像を表示させ、撮影者が所望の画質見本画像を選択できるようにしたので、例えば風景写真、ポートレート写真、夕焼け写真等の撮影対象や撮影目的に応じて好適な画像処理がなされる撮影モードが選択可能になされている場合、その撮影モードの特徴的な画像処理(例えばコントラストや彩度強調等の処理)に対して撮影者の画質イメージを反映することができ、当該撮影モードにおいてより好適な画質の撮影画像を得ることができる。
【0140】特に、夕焼けモードを設定可能にし、この撮影モードで撮影されたときは、画質見本画像をモニタして所望のホワイトバランス調整値を設定できるようにしたので、撮影者の意図するイメージの夕焼け画像を容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るデジタルカメラの正面図である。
【図2】本発明に係るデジタルカメラの背面図である。
【図3】本発明に係るデジタルカメラの上面図である。
【図4】本発明に係るデジタルカメラの底面図である。
【図5】撮像部内の概略構造を示す図である。
【図6】電源電池及びメモリカードの蓋を開放した状態を示す正面図である。
【図7】本発明に係るデジタルカメラのブロック構成図である。
【図8】周波数処理部の回路構成を示すブロック図である。
【図9】レベル変換テーブルの特性を示す図である。
【図10】γ補正テーブルのγ特性を示す図である。
【図11】画像メモリの各画素データの記憶位置を示す図である。
【図12】デジタルローパスフィルタの一実施の形態を示す図である。
【図13】デジタルハイパスフィルタの一実施の形態を示す図である。
【図14】コアリング処理におけるレベル変換特性を示す図である。
【図15】LCD表示部にマトリックス表示された複数のサムネイル画像の一実施の形態を示す図である。
【図16】記録モードにおける撮影制御を示すフローチャートである。
【図17】記録モードにおける撮影制御を示すフローチャートである。
【図18】夕焼けモード特有の撮影制御を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 デジタルカメラ
2 カメラ本体部
201 本体制御部(表示制御手段)
202 基準クロック発生回路
203 タイミング制御回路
204 RTC
205 A/D変換器
206 黒レベル補正回路
207 WB回路
208 γ補正回路
209 画像メモリ(第1の記憶手段)
210 VRAM
211 スイッチ群
212 カードI/F
213 通信用I/F
214 FL制御回路
215 輝度判定部
216 シャッタスピード設定部
217 周波数処理部
218 彩度処理部
219 サムネイル画像作成部(見本画像作成手段,画像処理手段)
220 プレビュー画像作成部
221 記録画像生成部
222 再生画像生成部
3 撮像部
301 マクロズームレンズ
302 撮像回路
303 CCDエリアセンサ(撮像手段)
304 調光回路
305 調光センサ
308 信号処理回路
309 タイミングジェネレータ
310 スイッチ群
4 グリップ部
5 フラッシュ
6 UPスイッチ(画像選択手段)
7 DOWNスイッチ(画像選択手段)
8 消去スイッチ
9 シャッタボタン
10 LCD表示部(表示手段)
11 FLモード設定スイッチ
12 圧縮率設定スイッチ
13 接続端子
14 記録/再生モード設定スイッチ
15 蓋
16 撮影モード設定スイッチ
17 メインスイッチ
18 メモリカード(第2の記憶手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】 被写体光像を画像信号に光電変換して取り込む撮像手段と、画像を表示する表示手段と、上記撮像手段で取り込まれた画像信号を一時、記憶する第1の記憶手段と、上記第1の記憶手段から上記画像信号を読み出し、予め設定された複数個の特性値でそれぞれ画像処理を行い、画質の異なる複数枚の画質見本画像を作成する見本画像作成手段と、上記見本画像作成手段で作成された複数枚の画質見本画像を上記表示手段に表示する表示制御手段と、上記表示手段に表示された複数枚の画質見本画像の内、いずれか1の画質見本画像を選択する画像選択手段と、上記第1の記憶手段から上記画像信号を読み出し、上記画像選択手段で選択された画質見本画像と同一の特性値で画像処理を行う画像処理手段と、上記画像処理手段で画像処理が行われた画像信号を保存する第2の記憶手段とを備えていることを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項2】 請求項1記載のデジタルカメラにおいて、予め設定された所定の撮影モードが設定可能になされ、この撮影モードが設定されたとき、見本画像作成手段、表示制御手段及び画像処理手段の各手段での処理を可能にすることを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項3】 請求項2記載のデジタルカメラにおいて、撮影モードは夕焼けシーンを撮影対象とする夕焼けモードであり、見本画像作成手段で行われる画像処理は、ホワイトバランス調整処理であることを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項1】 被写体光像を画像信号に光電変換して取り込む撮像手段と、画像を表示する表示手段と、上記撮像手段で取り込まれた画像信号を一時、記憶する第1の記憶手段と、上記第1の記憶手段から上記画像信号を読み出し、予め設定された複数個の特性値でそれぞれ画像処理を行い、画質の異なる複数枚の画質見本画像を作成する見本画像作成手段と、上記見本画像作成手段で作成された複数枚の画質見本画像を上記表示手段に表示する表示制御手段と、上記表示手段に表示された複数枚の画質見本画像の内、いずれか1の画質見本画像を選択する画像選択手段と、上記第1の記憶手段から上記画像信号を読み出し、上記画像選択手段で選択された画質見本画像と同一の特性値で画像処理を行う画像処理手段と、上記画像処理手段で画像処理が行われた画像信号を保存する第2の記憶手段とを備えていることを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項2】 請求項1記載のデジタルカメラにおいて、予め設定された所定の撮影モードが設定可能になされ、この撮影モードが設定されたとき、見本画像作成手段、表示制御手段及び画像処理手段の各手段での処理を可能にすることを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項3】 請求項2記載のデジタルカメラにおいて、撮影モードは夕焼けシーンを撮影対象とする夕焼けモードであり、見本画像作成手段で行われる画像処理は、ホワイトバランス調整処理であることを特徴とするデジタルカメラ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図12】
【図13】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図11】
【図10】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
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【図4】
【図12】
【図13】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図11】
【図10】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開平11−298848
【公開日】平成11年(1999)10月29日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平10−101604
【出願日】平成10年(1998)4月13日
【出願人】(000006079)ミノルタ株式会社 (155)
【公開日】平成11年(1999)10月29日
【国際特許分類】
【出願日】平成10年(1998)4月13日
【出願人】(000006079)ミノルタ株式会社 (155)
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