デスク装置
【課題】化粧板の着脱が簡単であるとともに、配線収容部へのアクセスが容易であり、製造を簡素化することができ、かつ、該化粧板を使用しない場合においても、天板の下方空間の見映えを良くできるデスク装置を提供する。
【解決手段】上面が作業面とされた天板2と、前記天板を支持するとともに、該天板の下方空間を形成するように互いに離間して配設される複数の脚体3と、前記天板の下方空間に位置する配線収容部6を覆うように、前記脚体同士の間に配設される化粧板7と、前記天板から垂設されて、前記化粧板7を吊支する吊支部8と、を備えた。
【解決手段】上面が作業面とされた天板2と、前記天板を支持するとともに、該天板の下方空間を形成するように互いに離間して配設される複数の脚体3と、前記天板の下方空間に位置する配線収容部6を覆うように、前記脚体同士の間に配設される化粧板7と、前記天板から垂設されて、前記化粧板7を吊支する吊支部8と、を備えた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、什器内部に電子機器等の配線収容部が形成されたデスク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、執務用デスクを用いた業務として、電子機器を用いた業務を行う場合が非常に多くなっている。こうした事情に伴い、デスク装置には、電子機器等の配線を什器内部に収容するための配線収容部が設けられている。
【0003】
この種のデスク装置として、例えば下記特許文献1に示されるような、上面が作業面とされた天板と、前記天板を支持するとともに、該天板の下方空間を形成するように互いに離間して配設される複数の脚体と、前記天板の下方空間に位置する配線収容部を覆うように、前記脚体同士の間に配設される化粧板(幕板)と、を備えたものが知られている。
【0004】
配線収容部は、例えば、天板後部(作業面で作業する作業者から見て天板の奥部)に該天板の厚さ方向に貫通して開口された配線挿通孔を通して、天板上方から下方へと挿通された配線等を収容する空間であり、天板の下方空間における後方部(作業者から見て、天板の下方空間のうち奥部)に配置される。
また、化粧板は、脚体にボルト等により着脱可能に固定されているとともに、配線収容部の配線等を覆っており、該配線等によって天板の下方空間の外観(見映え)が損なわれるようなことを防止している。尚、ここで言う天板の下方空間の見映えとは、天板前部(作業者から見て天板の手前部)側から見た該下方空間における視認可能な部位の外観の良し悪しであり、以下の説明についても同様である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−344573号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前述した従来のデスク装置では、下記の課題があった。
すなわち、この種のデスク装置においては、該デスク装置を使用する団体等の組織変更やレイアウトの変更に伴って、配線作業を行うことが多く、この配線作業の際に、化粧板を着脱する作業が煩雑となっていた。具体的に、化粧板が脚体にボルト等により固定されているため、該化粧板の取り外しや装着が面倒であり、配線収容部へのアクセスが困難であった。
また、化粧板を脚体に装着するためのネジ孔等を加工するため、製造が複雑となっており、製造費用や工数を削減することに改善の余地があった。
【0007】
また、配線収容部に配線等を収容しない場合においては、化粧板を使用しない(デスク装置から取り外しておく)ことがあるが、この場合、脚体に形成された前記ネジ孔等が外部に露出されて、天板の下方空間の見映えが損なわれていた。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、化粧板の着脱が簡単であるとともに、配線収容部へのアクセスが容易であり、製造を簡素化することができ、かつ、該化粧板を使用しない場合においても、天板の下方空間の見映えを良くできるデスク装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このような課題を解決して、前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提案している。
すなわち、本発明のデスク装置は、上面が作業面とされた天板と、前記天板を支持するとともに、該天板の下方空間を形成するように互いに離間して配設される複数の脚体と、前記天板の下方空間に位置する配線収容部を覆うように、前記脚体同士の間に配設される化粧板と、前記天板から垂設されて、前記化粧板を吊支する吊支部と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
本発明のデスク装置によれば、天板から吊支部が垂設されており、該吊支部によって化粧板を吊支するように構成されているので、化粧板の着脱が容易である。
すなわち、従来では、脚体にネジ孔等を形成するとともに、該ネジ孔等にボルト等を螺合する面倒な作業によって化粧板の着脱を行っていたが、本発明によれば、このような面倒な作業は必要なく、化粧板を吊支部に吊るす単純な作業によって、該化粧板を簡単に着脱することができる。
よって、この化粧板に覆われた配線収容部へのアクセスが容易であり、該配線収容部での配線作業等が簡便に行える。
また、従来では、互いに離間する脚体同士の間に化粧板を狭持させるように設けるため、該化粧板の外形が大きくなるとともに重量が重くなり、またこの化粧板の着脱の際、配線収容部のうちアクセス不要な領域まで開口・閉塞させる必要が生じて、配線作業等の作業性に改善の余地があった。
一方、本発明によれば、脚体の位置に係わらず化粧板を配置でき、また脚体同士の間で化粧板を複数に分割して設けることも容易であるから、化粧板の外形を小さくできるとともに軽量化でき、かつ、配線収容部のうち所望の領域に対してのみアクセスすることが可能であり、作業性がよい。
【0011】
また、脚体に前記ネジ孔等を形成する必要がないことから、製造が簡単となり、製造費用や工数を削減することができる。
また、化粧板を装着することによって、天板の下方空間に簡単に配線収容部を区画できるとともに該配線収容部を覆うことができ、構造が簡単で該下方空間の外観(見映え)が良い。
【0012】
一方、配線収容部に配線等を収容しない場合においては、化粧板を使用しない(デスク装置に装着しない)ことが考えられるが、この場合、対応する脚体部分が外部に露出されたとしても、該脚体部分には前記ネジ孔等が形成されていないから、天板の下方空間の見映えが損なわれるようなことがない。
【0013】
このように、本発明によれば、化粧板の着脱が簡単であるとともに、配線収容部へのアクセスが容易であり、製造を簡素化することができ、かつ、該化粧板を使用しない場合においても、天板の下方空間の見映えを良くできるのである。
【0014】
また、本発明のデスク装置において、前記天板における外周縁部に、該天板の厚さ方向に貫通するとともに、前記配線収容部に連通する配線挿通孔が形成されていることとしてもよい。
【0015】
この場合、天板の外周縁部に、配線収容部に連通する配線挿通孔が形成されているので、該天板の作業面に配線等を煩雑に載置するようなことなく、該配線等を取り纏めて配線挿通孔に通すことにより、配線収容部に明瞭に案内でき、配線作業が簡単になるとともに、天板の作業面を有効に使用できる。
尚、前記配線挿通孔を、天板後部(作業面で作業する作業者から見て天板の奥部)に配置した場合には、前述の効果がより顕著に得られることになり、天板上の見映えも良くなることから、好ましい。
【0016】
また、本発明のデスク装置において、前記天板の厚さ方向に突出する凸部と該厚さ方向に窪む凹部とが係合されて、前記化粧板が前記吊支部に吊支されていることとしてもよい。
【0017】
この場合、化粧板に形成された凸部又は/及び凹部と、吊支部に形成された凹部又は/及び凸部とが係合されることによって、化粧板が吊支部に安定して支持されることになる。すなわち、化粧板及び吊支部における凸部と凹部との係合は、互いの凹凸形状を乗り越えない限り解除されないので、化粧板が吊支部から脱落するようなことが防止される。
このように、凹凸形状による簡単な構造を用いて、化粧板を吊支部に安定して装着できる。
また、吊支部に対する化粧板の着脱作業は、凸部と凹部との係合・解除によって簡単に行えるから、該着脱作業が容易である。
【0018】
また、本発明のデスク装置において、前記凸部と前記凹部とが係合された状態で、前記吊支部に対する前記化粧板の上方移動を規制する規制部が設けられることとしてもよい。
【0019】
この場合、規制部が、吊支部に対する化粧板の上方移動を規制するので、化粧板が吊支部に装着された状態から、該化粧板が意図せず上方移動して吊支部から脱落するようなことが防止される。
【0020】
また、本発明のデスク装置において、前記配線収容部には、前記吊支部の下方で前記化粧板を支持する支持部が設けられることとしてもよい。
【0021】
この場合、化粧板は、吊支部に支持されつつ、該吊支部の下方において支持部にも支持されることから、該化粧板の取り付け姿勢が安定し、この化粧板のガタつきや振動等が防止される。
【発明の効果】
【0022】
本発明のデスク装置によれば、化粧板の着脱が簡単であるとともに、配線収容部へのアクセスが容易であり、製造を簡素化することができ、かつ、該化粧板を使用しない場合においても、天板の下方空間の見映えを良くできる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施形態に係るデスク装置を示す正面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るデスク装置を示す上面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るデスク装置を示す部分透過側面図である。
【図4】デスク装置の吊支部を示す正面図である。
【図5】デスク装置の吊支部を示す上面図である。
【図6】デスク装置の吊支部を示す側面図である。
【図7】デスク装置の化粧板を示す背面図である。
【図8】図7のX−X断面を示す図である。
【図9】図7のY−Y断面を示す図である。
【図10】吊支部に対して化粧板を取り付ける手順を説明する図である。
【図11】吊支部に対して化粧板を取り付ける手順を説明する図である。
【図12】吊支部に対して化粧板を取り付ける手順を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の一実施形態に係るデスク装置1について、図1〜図12を参照して説明する。
本実施形態のデスク装置1は、例えば、病院の診察室において診察用デスクとして用いられるものである。
【0025】
図1〜図3に示されるように、デスク装置1は、上面が作業面とされた天板2と、天板2を支持するとともに、該天板2の下方空間を形成するように互いに離間して配設される複数の脚体3と、天板2上に立設されるパネル部材4と、を備えている。
【0026】
天板2は、板状をなしており、その厚さ方向を向く両外面のうち、一面が上面(作業面)とされ、他面が下面となっている。本実施形態では、天板2の厚さ方向が、鉛直方向に沿うように配設されている。図2において、この天板2は、間口方向(図2における左右方向)に長く、奥行き方向(図2における上下方向)に短い矩形板状をなしている。
尚、本明細書においては、天板2の厚さ方向を上下方向(高さ方向)と言い、該厚さ方向に沿う天板2のパネル部材4側を上方、脚体3側を下方と言う。また、天板2の間口方向(ワイド方向)に沿う方向を左右方向と言い、天板2の奥行き方向に沿う方向を前後方向と言う。
【0027】
図3に示される側面視において、天板2後部(図3における右端部。尚、本実施形態で言う後部とは、具体的には後端部を指しており、以下同様)は、壁Wに接近又は当接して配置されている。また、図3に符号5で示されるものは、天板2の外周縁部に形成され、該天板2の厚さ方向に貫通するとともに、後述する配線収容部6に連通する配線挿通孔である。図示の例では、配線挿通孔5は、天板2後部に配置されている。
【0028】
本実施形態では、脚体3は、板状をなしており、天板2の下面を支持するように左右方向に離間して一対設けられている。図3に示される側面視で、脚体3は、コ字状又はC字状に形成されている。また、脚体3の後部は、壁Wに接近又は当接して配置されている。図1において、これら脚体3は、床F上に立設されているとともに、天板2の左右方向の両端部に配置されている。これにより、天板2の下方において脚体3同士の間に位置する空間(天板2の下方空間)のスペースが確保されている。
【0029】
パネル部材4は、画像データや文字データ等の各種情報を表示可能なディスプレイを前面に備えた電子機器を有し、天板2後部に立設されている。図3において、パネル部材4は、天板2の配線挿通孔5上に位置しており、該パネル部材4の配線等は、外部に露出されることなく配線挿通孔5に挿入されている。パネル部材4の後面は、壁Wに接近又は当接して配置されている。
【0030】
そして、このデスク装置1は、天板2の下方空間に位置する配線収容部6を覆うように、脚体3同士の間に配設される化粧板7と、天板2から垂設されて、化粧板7を吊支する吊支部8と、を備えている。
【0031】
図3に示されるように、本実施形態の配線収容部6は、天板2の下方空間における後方部(当該下方空間のうち壁W近傍)に配置されている。また、配線収容部6には、脚体3同士を連結するビーム9と、ビーム9に配設される配線受材10と、が設けられている。
【0032】
図1において、ビーム9は、左右方向に延びる棒状又は筒状をなしており、その両端部が脚体3において天板2の下方空間を向く側面(左右方向の内側を向く面)にそれぞれ連結されている。具体的に、ビーム9は、脚体3における上下方向の中央部よりも下方に位置する部位に連結されている。本実施形態のビーム9は、左右方向に垂直な断面が矩形とされた角筒状であり、例えば、前記断面がコ字状又はC字状をなす一対の板材同士を組み合わせて形成されている。
【0033】
配線受材10は、上方が開口されて左右方向に延びる容器状をなしている(図11(b)等を参照)。図11(b)において、配線受材10は、化粧板7に当接される前板10aと、前板10aの後方に離間された後板10bと、前板10a及び後板10bの下端部同士を繋ぐ底板10cと、を備えている。詳しくは後述するが、配線部材10の前板10aは、吊支部8の下方で化粧板7を支持する支持部となっている。
図1に示されるように、本実施形態では、配線受材10はビーム9に複数設けられており、図示の例では、ビーム9上面に左右方向に間隔をあけて一対配設されている。
これら配線受材10内(及びビーム9上)には、配線等の他、パソコン本体などの電子機器等が配設される。
【0034】
化粧板7は、左右方向及び上下方向に拡がる板状をなしており、その厚さ方向(後述する前板7aの厚さ方向)が前後方向に沿うように配設されている。図1に示されるように、本実施形態では、化粧板7は、左右方向に長く上下方向に短い矩形板状をなしており、天板2の下方空間に左右方向に並んで複数(図示の例では一対)配設されている。
また、吊支部8は、化粧板7に対して複数設けられており、図示の例では、1つの化粧板7に対して一対の吊支部8が設けられている。
【0035】
図3において、化粧板7は、天板2の下方空間を前後に区画するように配設されており、該下方空間のうち、化粧板7の後方に位置する領域が前記配線収容部6とされ、化粧板7の前方に位置する領域が作業者の脚や椅子等の収容スペースとなっている。
【0036】
図1に示されるように、化粧板7は、配線収容部6におけるビーム9、配線受材10及び該配線受材10の上方領域を覆っている一方、該化粧板7の上端部と天板2との間には若干の隙間が形成され、該化粧板7の下端部と床Fとの間にも若干の隙間が形成されている。
化粧板7の上端部と天板2との間の隙間は、作業者等が天板2前方から該天板2の下方空間を見た際に、該隙間を視認できない程度の大きさとなっている。また、化粧板7の下端部と床Fとの間の隙間は、椅子に座った作業者が後方に向けて脚を伸ばしたときに、そのつま先が収容可能な程度の大きさとなっている。
【0037】
図7〜図9に示されるように、化粧板7は、本体部分である前板7aと、前板7aの左右方向の両端部においてそれぞれ折り返された側方折り返し部7bと、前板7aの上端部において折り返された上方折り返し部7cと、前板7aの下端部において折り返された下方折り返し部7dと、を備えている。
【0038】
図7において、前板7aには、その厚さ方向に貫通する通気孔11が複数形成されている。
また、前板7aの後面には、配線受材10の前板(支持部)10aに係合する支持受部12が配設されている。本実施形態では、支持受部12は、左右方向に延びる帯板状をなしており、該支持受部12の全長は、配線受材10における前板10aの左右方向の長さに対応している。
【0039】
支持受部12の上側部分は、前板7aの後面に密着されており、支持受部12の下側部分は、前板7aの後面から離間されているとともに、これらの間には隙間が形成されている。支持受部12の下側部分と前板7aの後面との間の隙間は、配線受材10の前板10aの上端部を差し込み可能(受け入れ可能)な大きさとなっており、具体的には、該前板10aの板厚と同等又は僅かに大きく設定されている。
【0040】
図8において、側方折り返し部7bは、前板7aの側端部から後方(図8における下方)へ向けて折り返された後、さらに左右方向(図8における左右方向)の内側へ向けて折り返されていて、その断面がL字状となっている。
【0041】
図9において、上方折り返し部7cは、前板7aの上端部から後方(図9における右方)へ向けて折り返された上板13と、該上板13の後端部から下方(図9における下方)に向けて折り返された後板14と、該後板14の下端部から前方(図9における左方)へ向けて折り返された下板15と、を備えている。上方折り返し部7cの断面はコ字状となっており、該上方折り返し部7cのうち、後板14及び下板15は、下方に向けて突出する凸部16となっている。また、上板13、後板14、下板15及び前板7aの上端部に囲まれる領域は、上方に向けて窪む凹部17となっている。
すなわち、本実施形態の化粧板7は、凸部16及び凹部17を備えている。
【0042】
また、下方折り返し部7dは、前板7aの下端部から該下端部との間に鈍角を形成するように、後方に向かうに従い漸次下方へ向けて傾斜して折り返された後、この傾斜部分との間に鈍角を形成するように後方に向けて折り返され、さらに上方へ向かって折り返されていて、その断面がJ字状となっている。
【0043】
図4〜図6に示されるように、吊支部8は、該吊支部8の上側部分をなし天板2に取り付けられる取付部8aと、下側部分をなし化粧板7を支持する受け部8bと、を備えている。
【0044】
取付部8aは、本体部分である前板18と、前板18の左右方向の両端部からそれぞれ後方に向けて折り返された側板19と、前板18の上端部から後方に向けて折り返された上板20と、前板18の下端部から後方に向けて折り返された連結板21と、を備えている。
取付部8aは、上下方向に垂直な断面及び左右方向に垂直な断面が、それぞれコ字状となっている(図5及び図6を参照)。
【0045】
図4において、前板18は矩形状をなしており、その中央部(具体的には、中心より若干下側の部位)に取り付けネジ22が螺着されている。取り付けネジ22は、前板18に対して該取り付けネジ22の軸回りに回動可能に、後述する弾性部材23を支持している。取り付けネジ22の軸と連結板21との距離、及び、取り付けネジ22の軸と側板19との距離は、互いに同等となっている。
また、上板20には、上下方向に貫通する貫通孔20aが形成されており、該貫通孔20aを通してネジ部材(不図示)が天板2に螺着されることにより、吊支部8が天板2に固定支持される。
【0046】
図6において、受け部8bは、連結板21の後端部(図6における右端部)から下方(図6における下方)に向けて折り返された後板24と、後板24の下端部から前方(図6における左方)に向けて折り返された下板25と、下板25の前端部から上方(図6における上方)に向けて折り返された係止板26と、を備えている。
受け部8bは、左右方向に垂直な断面が、J字状となっている。
また、後板24の前面には、ゴム板等の弾性材料からなる振動防止部材27が配設されている。図示の例では、振動防止部材27は、後板24の前面を覆うように、矩形板状に形成されている。
【0047】
受け部8bのうち、係止板26は、上方に向けて突出する凸部28となっている。また、係止板26、下板25及び後板24の下端部に囲まれる領域は、下方に向けて窪む凹部29となっている。
すなわち、本実施形態の吊支部8は、凸部28及び凹部29を備えている。
【0048】
そして、図11(b)に示されるように、化粧板7の凸部16と吊支部8の凹部29とが係合され、かつ、化粧板7の凹部17と吊支部8の凸部28とが係合されることにより、化粧板7が吊支部8に吊支されている。具体的には、凸部16と凹部29との係合により、吊支部8に対する化粧板7の下方へ向けた移動及び前後方向へ向けた移動が規制されている。また、凹部17と凸部28との係合により、吊支部8に対する化粧板7の前方への移動が規制されている。尚、凸部28(係止板26)の上端部が、凹部17の上板13に下方から当接されることにより、吊支部8が化粧板7を支持することとしてもよい。この場合、凹部17と凸部28との係合により、吊支部8に対する化粧板7の下方へ向けた移動も規制される。
【0049】
図4〜図6において、弾性部材23は、上端部が取り付けネジ22に支持された回動部23aと、回動部23aの下端部に連結されたストッパー部23bと、を備えている。本実施形態では、弾性部材23は、回動部23aとストッパー部23bとが一体に形成されて、吊支部8に配設されている。
【0050】
回動部23aは、取付部8aに対して弾性部材23が回動されたときに、該取付部8aの隅部(角部)をストッパー部23bが回避可能又は乗り越え可能な程度の弾性を有している(図12(b)を参照)。
【0051】
ストッパー部23bは、概略直方体状をなしており、図4及び図6に示される状態では、その外面のうち取り付けネジ22側を向く一面(上面)が連結板21に接近又は当接配置されている。また、図10(a)に示される状態では、ストッパー部23bの前記一面は、側板19に接近又は当接配置されている。
【0052】
図12(a)(b)に示されるように、化粧板7が吊支部8に吊支された状態で、ストッパー部23bは、その外面のうち取り付けネジ22とは反対側を向く他面(つまり前記一面に背向する面)が化粧板7の上板13に上方から当接している。この状態において、弾性部材23のストッパー部23bは、吊支部8の連結板21と化粧板7の上板13との間に狭まれつつ弾性変形させられているとともに、吊支部8に対して化粧板7を下方に向けて付勢している。
すなわち、化粧板7の凸部16及び凹部17と、吊支部8の凹部29及び凸部28とが係合された状態で、ストッパー部23bは、吊支部8に対する化粧板7の上方移動を規制する規制部となっている。
【0053】
次に、図10〜図12を参照して、化粧板7の装着手順について説明する。
図10(a)(b)に示されるように、まず、吊支部8の弾性部材23を取り付けネジ22の軸回りに回動させることにより、該弾性部材23のストッパー部23bを吊支部8の側板19に対向配置させる。
【0054】
この状態から、図11(a)に示されるように、化粧板7の後板14を吊支部8の振動防止部材27に当接させつつ、化粧板7の前板7aを配線受材10の前板10aに当接させる。
【0055】
次いで、吊支部8に対して化粧板7を下方移動させることにより、図11(b)に示されるように、化粧板7の下板15を吊支部8の下板25に当接させるとともに、化粧板7の支持受部12の下側部分と前板7aとの間の隙間に、配線受材10の前板10aの上端部を挿入させる。
図11(b)において、化粧板7の下板15の前端部は、吊支部8の係止板26に後方から接近又は当接配置されている。また、化粧板7の支持受部12の下側部分と前板7aとの隙間に、配線受材10の前板10aの上端部が係合されることにより、化粧板7が配線受材10に固定支持されているとともに、配線受材10に対する化粧板7の前後方向及び下方への移動が規制されている。
【0056】
次いで、弾性部材23を取り付けネジ22の軸回りに回動させることにより、図12(a)(b)に示されるように、該弾性部材23のストッパー部23bを吊支部8の連結板21に対向配置させるとともに、化粧板7の上板13に上方から当接させる。
【0057】
このように化粧板7を装着した後、例えば、配線収容部6の配線作業を行う必要が生じる等により、該化粧板7を取り外す場合には、前述とは逆の手順で作業を行えばよい。
【0058】
以上説明したように、本実施形態のデスク装置1によれば、天板2から吊支部8が垂設されており、該吊支部8によって化粧板7を吊支するように構成したので、化粧板7の着脱が容易である。
すなわち、従来では、脚体にネジ孔等を形成するとともに、該ネジ孔等にボルト等を螺合する面倒な作業によって化粧板の着脱を行っていたが、本実施形態によれば、このような面倒な作業は必要なく、化粧板7を吊支部8に吊るす単純な作業によって、該化粧板7を簡単に着脱することができる。
よって、この化粧板7に覆われた配線収容部6へのアクセスが容易であり、該配線収容部6での配線作業等が簡便に行える。
また、従来では、互いに離間する脚体同士の間に化粧板を狭持させるように設けるため、該化粧板の外形が大きくなるとともに重量が重くなり、またこの化粧板の着脱の際、配線収容部のうちアクセス不要な領域まで開口・閉塞させる必要が生じて、配線作業等の作業性に改善の余地があった。
一方、本実施形態によれば、脚体3の位置に係わらず化粧板7を配置でき、また脚体3同士の間で化粧板7を複数に分割して設けることも容易である(図1に示される例では、一対の化粧板7が左右方向に隣接して配置されている)から、化粧板7の外形を小さくできるとともに軽量化でき、かつ、配線収容部6のうち所望の領域に対してのみアクセスすることが可能であり、作業性がよい。
具体的に、本実施形態においては、脚体3同士の間に例えば左右方向に隣接して3つ以上の化粧板7を設けることも可能であり、この場合、これら化粧板7のうち左右方向の両端部以外の部位に設けられる化粧板7の配置や形状は、脚体3の位置に特に拘束されない。
【0059】
また、脚体3に前記ネジ孔等を形成する必要がないことから、製造が簡単となり、製造費用や工数を削減することができる。
また、化粧板7を装着することによって、天板2の下方空間に簡単に配線収容部6を区画できるとともに該配線収容部6を覆うことができ、構造が簡単で該下方空間の外観(見映え)が良い。
尚、本実施形態では、化粧板7の上端部と天板2との間の隙間が、天板2前方から作業者等が見て視認されない程度の大きさに設定されており、吊支部8は前記隙間にのみ露出されているから、前記下方空間の見映えが損なわれることはない。
【0060】
一方、配線収容部6に配線等を収容しない場合においては、化粧板7を使用しない(デスク装置1に装着しない)ことが考えられるが、この場合、対応する脚体3部分(脚体3において左右方向の内側を向く側面部分)が天板2の下方空間を通して外部に露出されたとしても、該脚体3部分には前記ネジ孔等が形成されていないから、該下方空間の見映えが損なわれるようなことがない。
【0061】
このように、本実施形態によれば、化粧板7の着脱が簡単であるとともに、配線収容部6へのアクセスが容易であり、製造を簡素化することができ、かつ、該化粧板7を使用しない場合においても、天板2の下方空間の見映えを良くできるのである。
【0062】
また、天板2の外周縁部に、配線収容部6に連通する配線挿通孔5が形成されているので、該天板2の作業面(上面)に配線等を煩雑に載置するようなことなく、該配線等を取り纏めて配線挿通孔5に通すことにより、配線収容部6に明瞭に案内でき、配線作業が簡単になるとともに、天板2の作業面を有効に使用できる。
尚、本実施形態で説明したように、配線挿通孔5を、天板2後部(作業面で作業する作業者から見て天板2の奥部)に配置した場合には、前述の効果がより顕著に得られることになり、天板2上の見映えも良くなることから、好ましい。
【0063】
また、化粧板7に形成された凸部16及び凹部17と、吊支部8に形成された凹部29及び凸部28とが係合されることによって、化粧板7が吊支部8に安定して支持されている。すなわち、化粧板7及び吊支部8における凸部16、28と凹部29、17との係合は、互いの凹凸形状を乗り越えない限り解除されないので、化粧板7が吊支部8から脱落するようなことが防止される。
このように、凹凸形状による簡単な構造を用いて、化粧板7を吊支部8に安定して装着できる。
また、吊支部8に対する化粧板7の着脱作業は、凸部16、28と凹部29、17との係合・解除によって簡単に行えるから、該着脱作業が容易である。
【0064】
また、弾性部材23のストッパー部(規制部)23bが、吊支部8に対する化粧板7の上方移動を規制するので、化粧板7が吊支部8に装着された状態から、該化粧板7が意図せず上方移動して吊支部8から脱落するようなことが防止される。
特に、本実施形態で説明したように、化粧板7の下端部と床Fとの間に作業者の脚のつま先が収容可能な程度の隙間が設けられている場合においては、作業者が意図せずにつま先で化粧板7を押し上げるように付勢してしまうことが考えられる。このような場合であっても、本実施形態の構成によれば、化粧板7が吊支部8から脱落することがない。
【0065】
また、配線収容部6には、吊支部8の下方で化粧板7を支持する配線受材10の前板(支持部)10aが設けられているので、化粧板7は、その上端部が吊支部8に支持されつつ、該吊支部8の下方において該支持部にも支持されることになる。従って、デスク装置1に装着した化粧板7の取り付け姿勢が安定し、この化粧板7のガタつきや振動等が防止される。
【0066】
尚、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0067】
例えば、前述の実施形態では、デスク装置1が、病院の診察用デスクとして用いられることとしたが、これに限定されるものではなく、それ以外の企業、官公庁、学校等の各種団体や個人用のデスク装置1として使用されてもよい。
【0068】
また、天板2上にパネル部材4が立設されているとしたが、パネル部材4は設けられていなくてもよい。また、パネル部材4の代わりに(又はそれ以外に)、天板2の上面にPC等の電子機器が配設されていてもよい。
【0069】
また、天板2の厚さ方向が、鉛直方向に沿うように配設されているとしたが、鉛直方向に対して傾斜して配設されていてもよい。
【0070】
また、天板2、脚体3、化粧板7、吊支部8、ビーム9、配線受材10、支持受部12、弾性部材23及び振動防止部材27の形状や数量は、前述の実施形態で説明したものに限定されない。
【0071】
また、化粧板7が凸部16及び凹部17を備えており、吊支部8が凹部29及び凸部28を備えているとしたが、これに限定されるものではない。すなわち、例えば、凸部16と凹部29との組み合わせのみ、又は、凹部17と凸部28との組み合わせのみであっても構わない。また、例えば、支持受部12及び前板7aの隙間(凹部)と配線受材10の前板10a(凸部)との係合構造を、化粧板7と吊支部8との係合に用いても構わない。
【0072】
また、吊支部8に振動防止部材27が設けられているとしたが、振動防止部材27が設けられていなくてもよい。ただし、前述の実施形態で説明したように振動防止部材27が設けられていることにより、化粧板7のガタつきや振動が防止でき、好ましい。
【0073】
また、弾性部材23は、回動部23aとストッパー部23bとが一体に形成されて、吊支部8に配設されているとしたが、これに限定されるものではない。すなわち、回動部23aとストッパー部23bとは一体に形成されていなくてもよく、また弾性部材23は、吊支部8以外の化粧板7や天板2に設けられていてもよい。また、弾性部材23が、吊支部8、化粧板7及び天板2とは別体として(単体で)設けられていてもよい。また、弾性部材23が、ストッパー部23bのみで構成されていてもよい。
【0074】
また、ストッパー部23bが弾性変形可能であるとしたが、ストッパー部23bは、弾性変形しなくても構わない。ただし、ストッパー部23bが弾性変形可能とされていることにより、化粧板7のガタつきや振動が防止されることから、好ましい。
【0075】
その他、本発明の前述の実施形態及び前記尚書きで説明した構成要素を、適宜組み合わせても構わない。また、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、前述の構成要素を周知の構成要素に置き換えることも可能である。
【符号の説明】
【0076】
1 デスク装置
2 天板
3 脚体
5 配線挿通孔
6 配線収容部
7 化粧板
8 吊支部
10a 前板(支持部)
16、28 凸部
17、29 凹部
23b ストッパー部(規制部)
【技術分野】
【0001】
本発明は、什器内部に電子機器等の配線収容部が形成されたデスク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、執務用デスクを用いた業務として、電子機器を用いた業務を行う場合が非常に多くなっている。こうした事情に伴い、デスク装置には、電子機器等の配線を什器内部に収容するための配線収容部が設けられている。
【0003】
この種のデスク装置として、例えば下記特許文献1に示されるような、上面が作業面とされた天板と、前記天板を支持するとともに、該天板の下方空間を形成するように互いに離間して配設される複数の脚体と、前記天板の下方空間に位置する配線収容部を覆うように、前記脚体同士の間に配設される化粧板(幕板)と、を備えたものが知られている。
【0004】
配線収容部は、例えば、天板後部(作業面で作業する作業者から見て天板の奥部)に該天板の厚さ方向に貫通して開口された配線挿通孔を通して、天板上方から下方へと挿通された配線等を収容する空間であり、天板の下方空間における後方部(作業者から見て、天板の下方空間のうち奥部)に配置される。
また、化粧板は、脚体にボルト等により着脱可能に固定されているとともに、配線収容部の配線等を覆っており、該配線等によって天板の下方空間の外観(見映え)が損なわれるようなことを防止している。尚、ここで言う天板の下方空間の見映えとは、天板前部(作業者から見て天板の手前部)側から見た該下方空間における視認可能な部位の外観の良し悪しであり、以下の説明についても同様である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−344573号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前述した従来のデスク装置では、下記の課題があった。
すなわち、この種のデスク装置においては、該デスク装置を使用する団体等の組織変更やレイアウトの変更に伴って、配線作業を行うことが多く、この配線作業の際に、化粧板を着脱する作業が煩雑となっていた。具体的に、化粧板が脚体にボルト等により固定されているため、該化粧板の取り外しや装着が面倒であり、配線収容部へのアクセスが困難であった。
また、化粧板を脚体に装着するためのネジ孔等を加工するため、製造が複雑となっており、製造費用や工数を削減することに改善の余地があった。
【0007】
また、配線収容部に配線等を収容しない場合においては、化粧板を使用しない(デスク装置から取り外しておく)ことがあるが、この場合、脚体に形成された前記ネジ孔等が外部に露出されて、天板の下方空間の見映えが損なわれていた。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、化粧板の着脱が簡単であるとともに、配線収容部へのアクセスが容易であり、製造を簡素化することができ、かつ、該化粧板を使用しない場合においても、天板の下方空間の見映えを良くできるデスク装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このような課題を解決して、前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提案している。
すなわち、本発明のデスク装置は、上面が作業面とされた天板と、前記天板を支持するとともに、該天板の下方空間を形成するように互いに離間して配設される複数の脚体と、前記天板の下方空間に位置する配線収容部を覆うように、前記脚体同士の間に配設される化粧板と、前記天板から垂設されて、前記化粧板を吊支する吊支部と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
本発明のデスク装置によれば、天板から吊支部が垂設されており、該吊支部によって化粧板を吊支するように構成されているので、化粧板の着脱が容易である。
すなわち、従来では、脚体にネジ孔等を形成するとともに、該ネジ孔等にボルト等を螺合する面倒な作業によって化粧板の着脱を行っていたが、本発明によれば、このような面倒な作業は必要なく、化粧板を吊支部に吊るす単純な作業によって、該化粧板を簡単に着脱することができる。
よって、この化粧板に覆われた配線収容部へのアクセスが容易であり、該配線収容部での配線作業等が簡便に行える。
また、従来では、互いに離間する脚体同士の間に化粧板を狭持させるように設けるため、該化粧板の外形が大きくなるとともに重量が重くなり、またこの化粧板の着脱の際、配線収容部のうちアクセス不要な領域まで開口・閉塞させる必要が生じて、配線作業等の作業性に改善の余地があった。
一方、本発明によれば、脚体の位置に係わらず化粧板を配置でき、また脚体同士の間で化粧板を複数に分割して設けることも容易であるから、化粧板の外形を小さくできるとともに軽量化でき、かつ、配線収容部のうち所望の領域に対してのみアクセスすることが可能であり、作業性がよい。
【0011】
また、脚体に前記ネジ孔等を形成する必要がないことから、製造が簡単となり、製造費用や工数を削減することができる。
また、化粧板を装着することによって、天板の下方空間に簡単に配線収容部を区画できるとともに該配線収容部を覆うことができ、構造が簡単で該下方空間の外観(見映え)が良い。
【0012】
一方、配線収容部に配線等を収容しない場合においては、化粧板を使用しない(デスク装置に装着しない)ことが考えられるが、この場合、対応する脚体部分が外部に露出されたとしても、該脚体部分には前記ネジ孔等が形成されていないから、天板の下方空間の見映えが損なわれるようなことがない。
【0013】
このように、本発明によれば、化粧板の着脱が簡単であるとともに、配線収容部へのアクセスが容易であり、製造を簡素化することができ、かつ、該化粧板を使用しない場合においても、天板の下方空間の見映えを良くできるのである。
【0014】
また、本発明のデスク装置において、前記天板における外周縁部に、該天板の厚さ方向に貫通するとともに、前記配線収容部に連通する配線挿通孔が形成されていることとしてもよい。
【0015】
この場合、天板の外周縁部に、配線収容部に連通する配線挿通孔が形成されているので、該天板の作業面に配線等を煩雑に載置するようなことなく、該配線等を取り纏めて配線挿通孔に通すことにより、配線収容部に明瞭に案内でき、配線作業が簡単になるとともに、天板の作業面を有効に使用できる。
尚、前記配線挿通孔を、天板後部(作業面で作業する作業者から見て天板の奥部)に配置した場合には、前述の効果がより顕著に得られることになり、天板上の見映えも良くなることから、好ましい。
【0016】
また、本発明のデスク装置において、前記天板の厚さ方向に突出する凸部と該厚さ方向に窪む凹部とが係合されて、前記化粧板が前記吊支部に吊支されていることとしてもよい。
【0017】
この場合、化粧板に形成された凸部又は/及び凹部と、吊支部に形成された凹部又は/及び凸部とが係合されることによって、化粧板が吊支部に安定して支持されることになる。すなわち、化粧板及び吊支部における凸部と凹部との係合は、互いの凹凸形状を乗り越えない限り解除されないので、化粧板が吊支部から脱落するようなことが防止される。
このように、凹凸形状による簡単な構造を用いて、化粧板を吊支部に安定して装着できる。
また、吊支部に対する化粧板の着脱作業は、凸部と凹部との係合・解除によって簡単に行えるから、該着脱作業が容易である。
【0018】
また、本発明のデスク装置において、前記凸部と前記凹部とが係合された状態で、前記吊支部に対する前記化粧板の上方移動を規制する規制部が設けられることとしてもよい。
【0019】
この場合、規制部が、吊支部に対する化粧板の上方移動を規制するので、化粧板が吊支部に装着された状態から、該化粧板が意図せず上方移動して吊支部から脱落するようなことが防止される。
【0020】
また、本発明のデスク装置において、前記配線収容部には、前記吊支部の下方で前記化粧板を支持する支持部が設けられることとしてもよい。
【0021】
この場合、化粧板は、吊支部に支持されつつ、該吊支部の下方において支持部にも支持されることから、該化粧板の取り付け姿勢が安定し、この化粧板のガタつきや振動等が防止される。
【発明の効果】
【0022】
本発明のデスク装置によれば、化粧板の着脱が簡単であるとともに、配線収容部へのアクセスが容易であり、製造を簡素化することができ、かつ、該化粧板を使用しない場合においても、天板の下方空間の見映えを良くできる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施形態に係るデスク装置を示す正面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るデスク装置を示す上面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るデスク装置を示す部分透過側面図である。
【図4】デスク装置の吊支部を示す正面図である。
【図5】デスク装置の吊支部を示す上面図である。
【図6】デスク装置の吊支部を示す側面図である。
【図7】デスク装置の化粧板を示す背面図である。
【図8】図7のX−X断面を示す図である。
【図9】図7のY−Y断面を示す図である。
【図10】吊支部に対して化粧板を取り付ける手順を説明する図である。
【図11】吊支部に対して化粧板を取り付ける手順を説明する図である。
【図12】吊支部に対して化粧板を取り付ける手順を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の一実施形態に係るデスク装置1について、図1〜図12を参照して説明する。
本実施形態のデスク装置1は、例えば、病院の診察室において診察用デスクとして用いられるものである。
【0025】
図1〜図3に示されるように、デスク装置1は、上面が作業面とされた天板2と、天板2を支持するとともに、該天板2の下方空間を形成するように互いに離間して配設される複数の脚体3と、天板2上に立設されるパネル部材4と、を備えている。
【0026】
天板2は、板状をなしており、その厚さ方向を向く両外面のうち、一面が上面(作業面)とされ、他面が下面となっている。本実施形態では、天板2の厚さ方向が、鉛直方向に沿うように配設されている。図2において、この天板2は、間口方向(図2における左右方向)に長く、奥行き方向(図2における上下方向)に短い矩形板状をなしている。
尚、本明細書においては、天板2の厚さ方向を上下方向(高さ方向)と言い、該厚さ方向に沿う天板2のパネル部材4側を上方、脚体3側を下方と言う。また、天板2の間口方向(ワイド方向)に沿う方向を左右方向と言い、天板2の奥行き方向に沿う方向を前後方向と言う。
【0027】
図3に示される側面視において、天板2後部(図3における右端部。尚、本実施形態で言う後部とは、具体的には後端部を指しており、以下同様)は、壁Wに接近又は当接して配置されている。また、図3に符号5で示されるものは、天板2の外周縁部に形成され、該天板2の厚さ方向に貫通するとともに、後述する配線収容部6に連通する配線挿通孔である。図示の例では、配線挿通孔5は、天板2後部に配置されている。
【0028】
本実施形態では、脚体3は、板状をなしており、天板2の下面を支持するように左右方向に離間して一対設けられている。図3に示される側面視で、脚体3は、コ字状又はC字状に形成されている。また、脚体3の後部は、壁Wに接近又は当接して配置されている。図1において、これら脚体3は、床F上に立設されているとともに、天板2の左右方向の両端部に配置されている。これにより、天板2の下方において脚体3同士の間に位置する空間(天板2の下方空間)のスペースが確保されている。
【0029】
パネル部材4は、画像データや文字データ等の各種情報を表示可能なディスプレイを前面に備えた電子機器を有し、天板2後部に立設されている。図3において、パネル部材4は、天板2の配線挿通孔5上に位置しており、該パネル部材4の配線等は、外部に露出されることなく配線挿通孔5に挿入されている。パネル部材4の後面は、壁Wに接近又は当接して配置されている。
【0030】
そして、このデスク装置1は、天板2の下方空間に位置する配線収容部6を覆うように、脚体3同士の間に配設される化粧板7と、天板2から垂設されて、化粧板7を吊支する吊支部8と、を備えている。
【0031】
図3に示されるように、本実施形態の配線収容部6は、天板2の下方空間における後方部(当該下方空間のうち壁W近傍)に配置されている。また、配線収容部6には、脚体3同士を連結するビーム9と、ビーム9に配設される配線受材10と、が設けられている。
【0032】
図1において、ビーム9は、左右方向に延びる棒状又は筒状をなしており、その両端部が脚体3において天板2の下方空間を向く側面(左右方向の内側を向く面)にそれぞれ連結されている。具体的に、ビーム9は、脚体3における上下方向の中央部よりも下方に位置する部位に連結されている。本実施形態のビーム9は、左右方向に垂直な断面が矩形とされた角筒状であり、例えば、前記断面がコ字状又はC字状をなす一対の板材同士を組み合わせて形成されている。
【0033】
配線受材10は、上方が開口されて左右方向に延びる容器状をなしている(図11(b)等を参照)。図11(b)において、配線受材10は、化粧板7に当接される前板10aと、前板10aの後方に離間された後板10bと、前板10a及び後板10bの下端部同士を繋ぐ底板10cと、を備えている。詳しくは後述するが、配線部材10の前板10aは、吊支部8の下方で化粧板7を支持する支持部となっている。
図1に示されるように、本実施形態では、配線受材10はビーム9に複数設けられており、図示の例では、ビーム9上面に左右方向に間隔をあけて一対配設されている。
これら配線受材10内(及びビーム9上)には、配線等の他、パソコン本体などの電子機器等が配設される。
【0034】
化粧板7は、左右方向及び上下方向に拡がる板状をなしており、その厚さ方向(後述する前板7aの厚さ方向)が前後方向に沿うように配設されている。図1に示されるように、本実施形態では、化粧板7は、左右方向に長く上下方向に短い矩形板状をなしており、天板2の下方空間に左右方向に並んで複数(図示の例では一対)配設されている。
また、吊支部8は、化粧板7に対して複数設けられており、図示の例では、1つの化粧板7に対して一対の吊支部8が設けられている。
【0035】
図3において、化粧板7は、天板2の下方空間を前後に区画するように配設されており、該下方空間のうち、化粧板7の後方に位置する領域が前記配線収容部6とされ、化粧板7の前方に位置する領域が作業者の脚や椅子等の収容スペースとなっている。
【0036】
図1に示されるように、化粧板7は、配線収容部6におけるビーム9、配線受材10及び該配線受材10の上方領域を覆っている一方、該化粧板7の上端部と天板2との間には若干の隙間が形成され、該化粧板7の下端部と床Fとの間にも若干の隙間が形成されている。
化粧板7の上端部と天板2との間の隙間は、作業者等が天板2前方から該天板2の下方空間を見た際に、該隙間を視認できない程度の大きさとなっている。また、化粧板7の下端部と床Fとの間の隙間は、椅子に座った作業者が後方に向けて脚を伸ばしたときに、そのつま先が収容可能な程度の大きさとなっている。
【0037】
図7〜図9に示されるように、化粧板7は、本体部分である前板7aと、前板7aの左右方向の両端部においてそれぞれ折り返された側方折り返し部7bと、前板7aの上端部において折り返された上方折り返し部7cと、前板7aの下端部において折り返された下方折り返し部7dと、を備えている。
【0038】
図7において、前板7aには、その厚さ方向に貫通する通気孔11が複数形成されている。
また、前板7aの後面には、配線受材10の前板(支持部)10aに係合する支持受部12が配設されている。本実施形態では、支持受部12は、左右方向に延びる帯板状をなしており、該支持受部12の全長は、配線受材10における前板10aの左右方向の長さに対応している。
【0039】
支持受部12の上側部分は、前板7aの後面に密着されており、支持受部12の下側部分は、前板7aの後面から離間されているとともに、これらの間には隙間が形成されている。支持受部12の下側部分と前板7aの後面との間の隙間は、配線受材10の前板10aの上端部を差し込み可能(受け入れ可能)な大きさとなっており、具体的には、該前板10aの板厚と同等又は僅かに大きく設定されている。
【0040】
図8において、側方折り返し部7bは、前板7aの側端部から後方(図8における下方)へ向けて折り返された後、さらに左右方向(図8における左右方向)の内側へ向けて折り返されていて、その断面がL字状となっている。
【0041】
図9において、上方折り返し部7cは、前板7aの上端部から後方(図9における右方)へ向けて折り返された上板13と、該上板13の後端部から下方(図9における下方)に向けて折り返された後板14と、該後板14の下端部から前方(図9における左方)へ向けて折り返された下板15と、を備えている。上方折り返し部7cの断面はコ字状となっており、該上方折り返し部7cのうち、後板14及び下板15は、下方に向けて突出する凸部16となっている。また、上板13、後板14、下板15及び前板7aの上端部に囲まれる領域は、上方に向けて窪む凹部17となっている。
すなわち、本実施形態の化粧板7は、凸部16及び凹部17を備えている。
【0042】
また、下方折り返し部7dは、前板7aの下端部から該下端部との間に鈍角を形成するように、後方に向かうに従い漸次下方へ向けて傾斜して折り返された後、この傾斜部分との間に鈍角を形成するように後方に向けて折り返され、さらに上方へ向かって折り返されていて、その断面がJ字状となっている。
【0043】
図4〜図6に示されるように、吊支部8は、該吊支部8の上側部分をなし天板2に取り付けられる取付部8aと、下側部分をなし化粧板7を支持する受け部8bと、を備えている。
【0044】
取付部8aは、本体部分である前板18と、前板18の左右方向の両端部からそれぞれ後方に向けて折り返された側板19と、前板18の上端部から後方に向けて折り返された上板20と、前板18の下端部から後方に向けて折り返された連結板21と、を備えている。
取付部8aは、上下方向に垂直な断面及び左右方向に垂直な断面が、それぞれコ字状となっている(図5及び図6を参照)。
【0045】
図4において、前板18は矩形状をなしており、その中央部(具体的には、中心より若干下側の部位)に取り付けネジ22が螺着されている。取り付けネジ22は、前板18に対して該取り付けネジ22の軸回りに回動可能に、後述する弾性部材23を支持している。取り付けネジ22の軸と連結板21との距離、及び、取り付けネジ22の軸と側板19との距離は、互いに同等となっている。
また、上板20には、上下方向に貫通する貫通孔20aが形成されており、該貫通孔20aを通してネジ部材(不図示)が天板2に螺着されることにより、吊支部8が天板2に固定支持される。
【0046】
図6において、受け部8bは、連結板21の後端部(図6における右端部)から下方(図6における下方)に向けて折り返された後板24と、後板24の下端部から前方(図6における左方)に向けて折り返された下板25と、下板25の前端部から上方(図6における上方)に向けて折り返された係止板26と、を備えている。
受け部8bは、左右方向に垂直な断面が、J字状となっている。
また、後板24の前面には、ゴム板等の弾性材料からなる振動防止部材27が配設されている。図示の例では、振動防止部材27は、後板24の前面を覆うように、矩形板状に形成されている。
【0047】
受け部8bのうち、係止板26は、上方に向けて突出する凸部28となっている。また、係止板26、下板25及び後板24の下端部に囲まれる領域は、下方に向けて窪む凹部29となっている。
すなわち、本実施形態の吊支部8は、凸部28及び凹部29を備えている。
【0048】
そして、図11(b)に示されるように、化粧板7の凸部16と吊支部8の凹部29とが係合され、かつ、化粧板7の凹部17と吊支部8の凸部28とが係合されることにより、化粧板7が吊支部8に吊支されている。具体的には、凸部16と凹部29との係合により、吊支部8に対する化粧板7の下方へ向けた移動及び前後方向へ向けた移動が規制されている。また、凹部17と凸部28との係合により、吊支部8に対する化粧板7の前方への移動が規制されている。尚、凸部28(係止板26)の上端部が、凹部17の上板13に下方から当接されることにより、吊支部8が化粧板7を支持することとしてもよい。この場合、凹部17と凸部28との係合により、吊支部8に対する化粧板7の下方へ向けた移動も規制される。
【0049】
図4〜図6において、弾性部材23は、上端部が取り付けネジ22に支持された回動部23aと、回動部23aの下端部に連結されたストッパー部23bと、を備えている。本実施形態では、弾性部材23は、回動部23aとストッパー部23bとが一体に形成されて、吊支部8に配設されている。
【0050】
回動部23aは、取付部8aに対して弾性部材23が回動されたときに、該取付部8aの隅部(角部)をストッパー部23bが回避可能又は乗り越え可能な程度の弾性を有している(図12(b)を参照)。
【0051】
ストッパー部23bは、概略直方体状をなしており、図4及び図6に示される状態では、その外面のうち取り付けネジ22側を向く一面(上面)が連結板21に接近又は当接配置されている。また、図10(a)に示される状態では、ストッパー部23bの前記一面は、側板19に接近又は当接配置されている。
【0052】
図12(a)(b)に示されるように、化粧板7が吊支部8に吊支された状態で、ストッパー部23bは、その外面のうち取り付けネジ22とは反対側を向く他面(つまり前記一面に背向する面)が化粧板7の上板13に上方から当接している。この状態において、弾性部材23のストッパー部23bは、吊支部8の連結板21と化粧板7の上板13との間に狭まれつつ弾性変形させられているとともに、吊支部8に対して化粧板7を下方に向けて付勢している。
すなわち、化粧板7の凸部16及び凹部17と、吊支部8の凹部29及び凸部28とが係合された状態で、ストッパー部23bは、吊支部8に対する化粧板7の上方移動を規制する規制部となっている。
【0053】
次に、図10〜図12を参照して、化粧板7の装着手順について説明する。
図10(a)(b)に示されるように、まず、吊支部8の弾性部材23を取り付けネジ22の軸回りに回動させることにより、該弾性部材23のストッパー部23bを吊支部8の側板19に対向配置させる。
【0054】
この状態から、図11(a)に示されるように、化粧板7の後板14を吊支部8の振動防止部材27に当接させつつ、化粧板7の前板7aを配線受材10の前板10aに当接させる。
【0055】
次いで、吊支部8に対して化粧板7を下方移動させることにより、図11(b)に示されるように、化粧板7の下板15を吊支部8の下板25に当接させるとともに、化粧板7の支持受部12の下側部分と前板7aとの間の隙間に、配線受材10の前板10aの上端部を挿入させる。
図11(b)において、化粧板7の下板15の前端部は、吊支部8の係止板26に後方から接近又は当接配置されている。また、化粧板7の支持受部12の下側部分と前板7aとの隙間に、配線受材10の前板10aの上端部が係合されることにより、化粧板7が配線受材10に固定支持されているとともに、配線受材10に対する化粧板7の前後方向及び下方への移動が規制されている。
【0056】
次いで、弾性部材23を取り付けネジ22の軸回りに回動させることにより、図12(a)(b)に示されるように、該弾性部材23のストッパー部23bを吊支部8の連結板21に対向配置させるとともに、化粧板7の上板13に上方から当接させる。
【0057】
このように化粧板7を装着した後、例えば、配線収容部6の配線作業を行う必要が生じる等により、該化粧板7を取り外す場合には、前述とは逆の手順で作業を行えばよい。
【0058】
以上説明したように、本実施形態のデスク装置1によれば、天板2から吊支部8が垂設されており、該吊支部8によって化粧板7を吊支するように構成したので、化粧板7の着脱が容易である。
すなわち、従来では、脚体にネジ孔等を形成するとともに、該ネジ孔等にボルト等を螺合する面倒な作業によって化粧板の着脱を行っていたが、本実施形態によれば、このような面倒な作業は必要なく、化粧板7を吊支部8に吊るす単純な作業によって、該化粧板7を簡単に着脱することができる。
よって、この化粧板7に覆われた配線収容部6へのアクセスが容易であり、該配線収容部6での配線作業等が簡便に行える。
また、従来では、互いに離間する脚体同士の間に化粧板を狭持させるように設けるため、該化粧板の外形が大きくなるとともに重量が重くなり、またこの化粧板の着脱の際、配線収容部のうちアクセス不要な領域まで開口・閉塞させる必要が生じて、配線作業等の作業性に改善の余地があった。
一方、本実施形態によれば、脚体3の位置に係わらず化粧板7を配置でき、また脚体3同士の間で化粧板7を複数に分割して設けることも容易である(図1に示される例では、一対の化粧板7が左右方向に隣接して配置されている)から、化粧板7の外形を小さくできるとともに軽量化でき、かつ、配線収容部6のうち所望の領域に対してのみアクセスすることが可能であり、作業性がよい。
具体的に、本実施形態においては、脚体3同士の間に例えば左右方向に隣接して3つ以上の化粧板7を設けることも可能であり、この場合、これら化粧板7のうち左右方向の両端部以外の部位に設けられる化粧板7の配置や形状は、脚体3の位置に特に拘束されない。
【0059】
また、脚体3に前記ネジ孔等を形成する必要がないことから、製造が簡単となり、製造費用や工数を削減することができる。
また、化粧板7を装着することによって、天板2の下方空間に簡単に配線収容部6を区画できるとともに該配線収容部6を覆うことができ、構造が簡単で該下方空間の外観(見映え)が良い。
尚、本実施形態では、化粧板7の上端部と天板2との間の隙間が、天板2前方から作業者等が見て視認されない程度の大きさに設定されており、吊支部8は前記隙間にのみ露出されているから、前記下方空間の見映えが損なわれることはない。
【0060】
一方、配線収容部6に配線等を収容しない場合においては、化粧板7を使用しない(デスク装置1に装着しない)ことが考えられるが、この場合、対応する脚体3部分(脚体3において左右方向の内側を向く側面部分)が天板2の下方空間を通して外部に露出されたとしても、該脚体3部分には前記ネジ孔等が形成されていないから、該下方空間の見映えが損なわれるようなことがない。
【0061】
このように、本実施形態によれば、化粧板7の着脱が簡単であるとともに、配線収容部6へのアクセスが容易であり、製造を簡素化することができ、かつ、該化粧板7を使用しない場合においても、天板2の下方空間の見映えを良くできるのである。
【0062】
また、天板2の外周縁部に、配線収容部6に連通する配線挿通孔5が形成されているので、該天板2の作業面(上面)に配線等を煩雑に載置するようなことなく、該配線等を取り纏めて配線挿通孔5に通すことにより、配線収容部6に明瞭に案内でき、配線作業が簡単になるとともに、天板2の作業面を有効に使用できる。
尚、本実施形態で説明したように、配線挿通孔5を、天板2後部(作業面で作業する作業者から見て天板2の奥部)に配置した場合には、前述の効果がより顕著に得られることになり、天板2上の見映えも良くなることから、好ましい。
【0063】
また、化粧板7に形成された凸部16及び凹部17と、吊支部8に形成された凹部29及び凸部28とが係合されることによって、化粧板7が吊支部8に安定して支持されている。すなわち、化粧板7及び吊支部8における凸部16、28と凹部29、17との係合は、互いの凹凸形状を乗り越えない限り解除されないので、化粧板7が吊支部8から脱落するようなことが防止される。
このように、凹凸形状による簡単な構造を用いて、化粧板7を吊支部8に安定して装着できる。
また、吊支部8に対する化粧板7の着脱作業は、凸部16、28と凹部29、17との係合・解除によって簡単に行えるから、該着脱作業が容易である。
【0064】
また、弾性部材23のストッパー部(規制部)23bが、吊支部8に対する化粧板7の上方移動を規制するので、化粧板7が吊支部8に装着された状態から、該化粧板7が意図せず上方移動して吊支部8から脱落するようなことが防止される。
特に、本実施形態で説明したように、化粧板7の下端部と床Fとの間に作業者の脚のつま先が収容可能な程度の隙間が設けられている場合においては、作業者が意図せずにつま先で化粧板7を押し上げるように付勢してしまうことが考えられる。このような場合であっても、本実施形態の構成によれば、化粧板7が吊支部8から脱落することがない。
【0065】
また、配線収容部6には、吊支部8の下方で化粧板7を支持する配線受材10の前板(支持部)10aが設けられているので、化粧板7は、その上端部が吊支部8に支持されつつ、該吊支部8の下方において該支持部にも支持されることになる。従って、デスク装置1に装着した化粧板7の取り付け姿勢が安定し、この化粧板7のガタつきや振動等が防止される。
【0066】
尚、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0067】
例えば、前述の実施形態では、デスク装置1が、病院の診察用デスクとして用いられることとしたが、これに限定されるものではなく、それ以外の企業、官公庁、学校等の各種団体や個人用のデスク装置1として使用されてもよい。
【0068】
また、天板2上にパネル部材4が立設されているとしたが、パネル部材4は設けられていなくてもよい。また、パネル部材4の代わりに(又はそれ以外に)、天板2の上面にPC等の電子機器が配設されていてもよい。
【0069】
また、天板2の厚さ方向が、鉛直方向に沿うように配設されているとしたが、鉛直方向に対して傾斜して配設されていてもよい。
【0070】
また、天板2、脚体3、化粧板7、吊支部8、ビーム9、配線受材10、支持受部12、弾性部材23及び振動防止部材27の形状や数量は、前述の実施形態で説明したものに限定されない。
【0071】
また、化粧板7が凸部16及び凹部17を備えており、吊支部8が凹部29及び凸部28を備えているとしたが、これに限定されるものではない。すなわち、例えば、凸部16と凹部29との組み合わせのみ、又は、凹部17と凸部28との組み合わせのみであっても構わない。また、例えば、支持受部12及び前板7aの隙間(凹部)と配線受材10の前板10a(凸部)との係合構造を、化粧板7と吊支部8との係合に用いても構わない。
【0072】
また、吊支部8に振動防止部材27が設けられているとしたが、振動防止部材27が設けられていなくてもよい。ただし、前述の実施形態で説明したように振動防止部材27が設けられていることにより、化粧板7のガタつきや振動が防止でき、好ましい。
【0073】
また、弾性部材23は、回動部23aとストッパー部23bとが一体に形成されて、吊支部8に配設されているとしたが、これに限定されるものではない。すなわち、回動部23aとストッパー部23bとは一体に形成されていなくてもよく、また弾性部材23は、吊支部8以外の化粧板7や天板2に設けられていてもよい。また、弾性部材23が、吊支部8、化粧板7及び天板2とは別体として(単体で)設けられていてもよい。また、弾性部材23が、ストッパー部23bのみで構成されていてもよい。
【0074】
また、ストッパー部23bが弾性変形可能であるとしたが、ストッパー部23bは、弾性変形しなくても構わない。ただし、ストッパー部23bが弾性変形可能とされていることにより、化粧板7のガタつきや振動が防止されることから、好ましい。
【0075】
その他、本発明の前述の実施形態及び前記尚書きで説明した構成要素を、適宜組み合わせても構わない。また、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、前述の構成要素を周知の構成要素に置き換えることも可能である。
【符号の説明】
【0076】
1 デスク装置
2 天板
3 脚体
5 配線挿通孔
6 配線収容部
7 化粧板
8 吊支部
10a 前板(支持部)
16、28 凸部
17、29 凹部
23b ストッパー部(規制部)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面が作業面とされた天板と、
前記天板を支持するとともに、該天板の下方空間を形成するように互いに離間して配設される複数の脚体と、
前記天板の下方空間に位置する配線収容部を覆うように、前記脚体同士の間に配設される化粧板と、
前記天板から垂設されて、前記化粧板を吊支する吊支部と、を備えたことを特徴とするデスク装置。
【請求項2】
請求項1に記載のデスク装置であって、
前記天板における外周縁部に、該天板の厚さ方向に貫通するとともに、前記配線収容部に連通する配線挿通孔が形成されていることを特徴とするデスク装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のデスク装置であって、
前記天板の厚さ方向に突出する凸部と該厚さ方向に窪む凹部とが係合されて、前記化粧板が前記吊支部に吊支されていることを特徴とするデスク装置。
【請求項4】
請求項3に記載のデスク装置であって、
前記凸部と前記凹部とが係合された状態で、前記吊支部に対する前記化粧板の上方移動を規制する規制部が設けられることを特徴とするデスク装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載のデスク装置であって、
前記配線収容部には、前記吊支部の下方で前記化粧板を支持する支持部が設けられることを特徴とするデスク装置。
【請求項1】
上面が作業面とされた天板と、
前記天板を支持するとともに、該天板の下方空間を形成するように互いに離間して配設される複数の脚体と、
前記天板の下方空間に位置する配線収容部を覆うように、前記脚体同士の間に配設される化粧板と、
前記天板から垂設されて、前記化粧板を吊支する吊支部と、を備えたことを特徴とするデスク装置。
【請求項2】
請求項1に記載のデスク装置であって、
前記天板における外周縁部に、該天板の厚さ方向に貫通するとともに、前記配線収容部に連通する配線挿通孔が形成されていることを特徴とするデスク装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のデスク装置であって、
前記天板の厚さ方向に突出する凸部と該厚さ方向に窪む凹部とが係合されて、前記化粧板が前記吊支部に吊支されていることを特徴とするデスク装置。
【請求項4】
請求項3に記載のデスク装置であって、
前記凸部と前記凹部とが係合された状態で、前記吊支部に対する前記化粧板の上方移動を規制する規制部が設けられることを特徴とするデスク装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載のデスク装置であって、
前記配線収容部には、前記吊支部の下方で前記化粧板を支持する支持部が設けられることを特徴とするデスク装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−94274(P2013−94274A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−237716(P2011−237716)
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【出願人】(000000561)株式会社岡村製作所 (1,415)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【出願人】(000000561)株式会社岡村製作所 (1,415)
【Fターム(参考)】
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