説明

データ通信システムおよび直流配電システム

【課題】より短い期間でデータ収集を実現し、データ収集期間以外に通信が使用する時間を確保するデータ通信システムを提供する。
【解決手段】親機が子機へ識別子を含む要求データを送信するとともに、要求データの送信以降に、子機へ要求データを再送信する第1の通信手段と、応答データの正常および異常を判定する判定手段と、を有し、子機が、要求データに記述された識別子を判定する識別判定手段と、識別判定手段からの判定結果に基づいて応答データを親機へ送信する第2の通信手段と、を有し、第1の通信手段がM個(M≦N)の子機に対して要求データを送信するとともに、判定手段がM個の子機に対応する判定を行った以降に、判定手段の判定結果が異常であるL(i)個(但し、iは整数、L(i)≦M)の子機に、第1の通信手段が要求データを再送信するデータ通信システム4。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、親機が子機に対してポーリング方式でデータ収集を行う通信システムおよび直流配電システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
親機にネットワーク接続された子機に対して要求データを送信し、該当する子機が応答データを返信するデータ通信システムが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1にあるようにあらかじめ決められたデータ収集を要求する要求データの送信の開始から受信したデータ収集を要求する要求データに対応する応答データの判定処理の終了までの時間(以下、データ収集期間)を一バッチに相当するデータ収集期間(以下、ポーリング期間)の数倍以上に設定し、親機が子機からの応答を受信できなかった場合に予め設定した回数まで、親機がデータ収集を要求する要求データを再送信する方法が知られている。また、例えば、ネットワークを機器制御などに必要とされるデータ収集以外の目的で使用する要求もあり、この場合、あらかじめ決められたデータ収集期間外で通信を行う必要がある。しかしながら、例えば、子機の台数が増えて大規模なデータ通信ステムになるとデータ収集期間が長くなり、機器制御などの他の目的での通信を行うための期間が確保できないとの問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−366456(株式会社日立国際電気)
【特許文献2】特開2009−153336(パナソニック電工株式会社)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明の目的は、このような通信システムにおいて、データ収集を要求する要求データの適切な送信間隔と適切な再送信回数の再送信によって、データ収集期間をポーリング期間の数倍以上に設定する方法に比べて、より短い期間でデータ収集を実現し、データ収集期間以外に通信が使用する時間を確保するデータ通信システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的を達成するために、本発明では、親機と、親機とネットワーク接続されたN(N≧1)個のそれぞれを識別する識別子を有する子機とが、データの送受信を行うデータ通信システムであって、親機が、子機へ識別子を含むデータ収集を要求する要求データを送信するとともに、データ収集を要求する要求データの送信以降に、子機へデータ収集を要求する要求データを再送信する第1の通信手段と、子機から受信するデータ収集を要求する要求データに対応する応答データの正常および異常を判定する判定手段と、を有し、子機が、識別子を含むデータ収集を要求する要求データに記述された識別子を判定する識別判定手段と、識別判定手段からの判定結果に基づいて、識別子を含むデータ収集を要求する要求データに対応する応答データを親機へ送信する第2の通信手段と、を有し、第1の通信手段がM個(M≧1、M≦N)の子機に対して識別子を含むデータ収集を要求する要求データを送信するとともに、判定手段がM個の子機に対応する判定を行った以降に、判定手段の判定結果が異常であるL(i)個(但し、iは整数、L(i)≦M)の子機に、第1の通信手段がデータ収集を要求する要求データを再送信することを特徴とする。本様態によれば、N台中M台の子機に対してデータ収集を要求する要求データに対応する応答データに基づくデータ収集(ポーリング処理)を行い、子機からのデータ収集を要求する要求データに対応する応答データの正常・異常判定を行い、異常が発生した子機L(i)台に対しては、M回のデータ収集(ポーリング処理)を行った後に、L(i)回のデータ収集を要求する要求データの再送信を行うことが可能となる。従って、データ収集を要求する要求データの適切な送信および再送信期間と適切な再送信回数の再送信によって、短い期間でデータ収集を実現し、データ収集期間以外に通信が使用する時間を確保するデータ通信システムを提供することが可能となる。
【0007】
また、本発明の望ましい様態としては、判定手段は、判定手段がM個の子機に対応する判定を行った以降に、判定手段の判定結果が異常であるL(i)個(1≦i≦K、Kは送信回数の上限を示す1以上の整数)の子機に、第1の通信手段がデータ収集を要求する要求データの再送信を行った子機から受信するデータ収集を要求する要求データに対する応答データの正常および異常を判定し、L(i)個の子機に対する判定を行った以降に、判定手段の判定結果が異常であるL(i+1)個(但し、L(i+1)≦L(i))の子機に、第1の通信手段がデータ収集を要求する要求データを再送信し、判定手段の判定結果が異常であるL(i)個の子機に対する判定を行った以降に、判定手段の判定結果が異常であるL(i+1)個の子機に、第1の通信手段がデータ収集を要求する要求データを再送信する動作を再送信の上限回数K回(但し、K≧1)まで繰り返すことを特徴としても良い。本様態では、i回目の再送信が行われて以降も、i回目に異常と判定された子機に対して、異常判定された子機にL(i+1)回のデータ収集を要求する要求データの再送信を行うことが可能となる。従って、データ収集を要求する要求データの適切な送信期間と適切な再送信回数の再送信によって、短い期間でデータ収集を実現し、データ収集期間以外に通信が使用する時間を確保するデータ通信システムを提供することが可能となる。また、データ収集を要求する要求データを再送信する動作を再送信の上限回数を設定することにより、データ収集期間を設定することが可能となる。
【0008】
また、本発明の望ましい様態としては、判定手段は、子機のそれぞれに対応する識別子毎に、データ収集を要求する要求データに対応する応答データに対する応答データの異常種類毎の異常の発生回数が、子機のそれぞれに対する識別子毎に、データ収集を要求する要求データに対応する応答データに対する応答データの異常種類毎に予め定められた上限設定値Fを超えたときに、異常種類とみなされる子機から受信するデータ収集を要求する要求データに対応する応答データに対して異常と判定しないことにより、第1の通信手段が再送信を行わないことを特徴としても良い。本様態では、子機それぞれに対して、異常種類別の送信回数の最大回数を設定し、これを超えて再送信を行わないことで無駄な再送信を繰り返すことを防ぐことが可能となる。従って、短い期間でデータ収集を実現し、データ収集期間以外に通信が使用する時間を確保するデータ通信システムを提供することが可能となる。
【0009】
また、本発明の望ましい様態としては、子機のそれぞれに対応する識別子毎に、データ収集を要求する要求データに対する応答データの異常種類毎にカウントされ、データ収集を要求する要求データに対する応答データが正常と判定されるまでまたは、親機が子機にデータ収集を要求する要求データを送信する回数である再送信および送信回数の和である最大送信回数設定値E(F≦E)以上となるまでリセットされないそれぞれの子機に対応する異常判定累積回数Gと、上限設定値Fと、に基づいて判定手段がデータ収集を要求する要求データを送信および再送信する回数を決定するものであって、判定手段は、異常判定累積回数Gと最大送信回数設定値Eとが所定の条件を満たす場合に、上限設定値Fを更新し、データ収集を要求する要求データを送信および再送信する回数を決定することを特徴としても良い。従って、短い期間でデータ収集を実現し、データ収集期間以外に通信が使用する時間を確保するデータ通信システムを提供することが可能となる。
【0010】
また、本発明の望ましい様態としては、判定手段は、データ収集を要求する要求データを送信すべき全てのM個の子機がないと判定した場合に、第1の通信手段が判定手段よる判定を行うデータ収集期間が終了したことを示すデータ収集終了データを送信することを特徴としても良い。従って、短い期間でデータ収集を実現し、データ収集期間以外に通信が使用する時間を確保するデータ通信システムを提供することが可能となる。
【0011】
また、本発明の望ましい様態としては、直流電力供給部と、ネットワーク接続された直流電力供給部に接続された直流ブレーカー、直流ブレーカーに並列に接続された親機および子機、および子機に接続された直流機器を有する直流配電システムであって、親機が収集した直流機器からのデータ収集を要求する要求データに対応する応答データに基づく収集データに基づいた直流機器用の制御用データを直流ブレーカーに送信することで、直流ブレーカがデータ収集終了データの受信後に子機に接続された直流機器の制御を行うデータ通信システムを有する直流配電システムとすることを特徴としても良い。子機は動作指示データとデータ収集を要求する要求データとの受信を繰り返すことになり、互いの信号の受信が干渉することがないので、子機に接続された直流機器も結果として、動作指示に基づく制御とデータ収集のための動作が繰り返されるので誤動作発生頻度を低減できる直流配電システムを実現することが可能となる
【発明の効果】
【0012】
短い期間でデータ収集を実現し、データ収集期間以外に通信が使用する時間を確保するデータ通信システムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本実施形態を示す通信システムの概略図
【図2】本実施形態におけるデータ収集の動作概念
【図3】本実施形態の使用状態推移図
【図4】実施形態1のフロー例
【図5】実施形態2のフロー例
【図6】実施形態2のデータ通信遷移の例
【図7】実施形態3のフロー例
【図8】実施形態3のデータ通信遷移の例
【図9】実施形態4のフロー例
【図10】実施形態4のデータ通信遷移の例
【図11】実施形態5のフロー例
【図12】実施形態5のデータ通信遷移の例
【図13】本実施形態の直流配電システムの概略図
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は本実施形態1のデータ通信システム4の概略図を示しており、図示するように本実施形態1は、1個の親機1、N個(Nは1以上、図ではN=6)の子機2、通信ライン3を有しており、親機1と子機2は互いに通信ライン3によって接続されている。
【0015】
ここで、例えば、親機1は通信基地に設置されたサーバー、子機2はサーバーに接続された端末であり、通信ライン3によって電気的に接続されている。但し、通信ライン3は親機1と子機2がネットワーク接続された通信媒体の総称であり、電気的に接続された有線に限るものではなく、通信ライン3は光通信ケーブルであってもよく、通信ケーブルを使用することなく親機1と子機2のそれぞれが送信用アンテナ、受信用アンテナを具備する高周波信号を利用した一般的な無線通信システムであっても良く、親機1および子機2に電力を供給する媒体(図示せず)に電気的な信号を重畳させた電灯線ネットワークシステムであっても良く、その形態は問われないものとする。
【0016】
図2に本実施形態1におけるデータ収集の動作概念をフロー図にて示しており、データ通信システムの動作状況は、親機1は予め通信動作の対象と定められているM台の子機2に対して、親機1が、データ収集を要求する要求データの子機2への送信および、子機2からデータ収集を要求する要求データに対応する応答データを収集するために通信するデータ収集25の動作とデータを収集するための通信をしていない休止26の動作との、主たる2つの動作によって構成される。
【0017】
データ収集25の動作は休止26の動作の終了に引き続き開始され、データ収集25の動作と休止26の動作が繰り返し行われる。
【0018】
通信ライン3の使用状態の推移を時間経過とともに図3に示しており、通信ライン3の使用されている状態をチャートの高い部分で示し、使用されていない状態をチャートの低い部分で示している。データ収集の期間27に続いて休止の期間28が現れ、引き続きデータ収集の期間29の間が現れる。チャートは、その後も同様の動作が繰り返し行われていることを示している。データ収集の期間27、29にはデータを収集するための通信が行われており、休止の期間28ではデータを収集するのための通信は行われていない。つまり、休止の期間28が、ネットワーク上の機器を制御するなどのデータ収集の動作以外の目的でネットワークを使用することが可能な期間であり、データ収集の期間27、29を短くし休止の期間28を長くすることがネットワークの利用効率をあげるために重要である。以降の説明では、主にデータ収集の期間27、29におけるデータ収集25の動作について説明する。
【0019】
続いて、図1の構成要素の詳細について説明する。子機2の内部には識別子21、識別判定手段22、第2の通信手段23を具備している。
【0020】
識別子21は、N個の子機2のそれぞれに異なる値が割り当てられた識別番号であり、子機2の識別を特定することが可能である。図ではN=6の子機に対して識別子21としてA〜Fの記号が付与されている。
【0021】
識別判定手段22は、通信ライン3を介して親機1から送信され、子機2が受信した第1のデータ(以後、データ収集を要求する要求データ31)に含まれる識別子と自身が有する識別子21が対応するかどうかを判定する。
【0022】
つまり、識別判定手段22は、子機2が受信したデータ収集を要求する要求データ31に含まれる識別子と子機2自身が有する識別子21が対応すれば識別判定手段22は対応するとする出力を出力し、対応しなければ対応しないとする出力を出力するものとする。但し、子機2の内部で親機1から送信されたデータ収集を要求する要求データ31に含まれる識別子を変換する場合もあり、この場合は、変換された識別子が子機2自身が有する識別子21と対応するか否かを判定することになる。従って、本実施形態1では、対応するとはあらかじめ決められた法則に従い、親機1から送信されたデータ収集を要求する要求データ31に含まれる識別子と子機2自身が有する識別子21とが対応することを指すものとする。
【0023】
第2の通信手段23は、通信ライン3を介して子機2と接続された親機1へ第2のデータ(以後、データ収集を要求する要求データに対応する応答データ32)を送信する。つまり、識別判定手段22がデータ収集を要求する要求データ31に含まれる識別子と子機2自身が有する識別子21が対応する場合に対応するとする出力に基づいて、第2の通信手段23は親機1へデータ収集を要求する要求データに対応する応答データ32を送信する。つまり、識別判定手段22がデータ収集を要求する要求データ31に含まれる識別子と子機2自身が有する識別子21が対応すると判定した場合に、第2の通信手段は親機1へデータ収集を要求する要求データに対応する応答データ32を送信することになる。
【0024】
親機1の内部には判定手段11と第1の通信手段12を具備している。判定手段11は、子機2から送信されるデータ収集を要求する要求データに対応する応答データ32の正常および異常を判定する。ここで、判定手段11は子機2が送信するデータ収集を要求する要求データに対応する応答データ32が親機1が要求するあらかじめ決められた判定基準を満足した場合に、正常とする出力を出力し、判定基準を満足しない場合に、異常とする出力を出力する。なお、例えば、判定基準を満足しない場合として、データ収集を要求する要求データに対応する応答データ32の一部が存在しない、データ収集を要求する要求データに対応する応答データ32自体が存在しない等が考えられる。なお、判定基準は外部の通信手段を使用し設定しても良く、予め親機1内部にプログラムされていても良く、設定の仕方は問われなものとする。
【0025】
第1の通信手段12は、子機2へ該当子機2自身が有する識別子21に対応するデータ収集を要求する要求データ31を送信するとともに、データ収集を要求する要求データ31の送信以降に、子機2へ、L(i)回(但し、iは整数でバッチ回数を表す)データ収集を要求する要求データ31を再送信する。ここでL(i)はi回目のバッチで、判定手段11がデータ収集を要求する要求データに対応する応答データ32を異常と判定した子機2の個数である。つまり、一回目の送信時には親機1はM個の子機2に対してデータ収集を要求する要求データ31の送信を行い、識別判定手段22がデータ収集を要求する要求データ31に含まれる識別子と子機2自身が有する識別子21が対応する場合に対応する場合、M個の子機2はデータ収集を要求する要求データに対応する応答データ32を親機1に送信し、親機1が有する判定手段11がデータ収集を要求する要求データに対応する応答データ32の正常および異常を判定し、異常と判定された子機2の個数がL(i=1)となる。従って、一回目の再送信(送信を含めた回数は2回目)に送信されるデータ収集を要求する要求データ31を受信する子機2の個数は、L(i=1)となる。すなわち、i回目の送信および再送信の回数における判定手段の結果が異常である子機2の個数がL(i)であり、当該L(i)個の子機2に対して、データ収集を要求する要求データ31の(i+1)回目の送信および再送信が実行される。ここで、バッチは、親機1が子機2へデータ収集を要求する要求データ31の送信群のひとつの塊である。すなわち、M個の子機2へのM回の送信の塊が、一つのバッチであり、最初のバッチであるためi=1となる。通常、一つのバッチでデータ収集を要求する要求データ31を送信する場合は順次送信されるM回の各データ間の送信間隔は一定に設定することが好ましい。また、上述の通りバッチ回数1の送信で異常と判定された子機2の個数はL(1)であり、このL(1)個の子機2へのL(1)回の送信処理の塊が、2回目のバッチとなる。以後、同様に送信および再送信のバッチ回数iの再送信で異常と判定された子機2の個数をL(i)として示され、L(i)回の送信を(i+1)回目の送信および再送信の塊を一つのバッチとする。また、実際の親機1の送信時における送信回数そのものを判定手段11は判定してはいないが、判定手段11がデータ収集を要求する要求データに対応する応答データ32を異常と判定した場合、当該バッチ数に1を足した数を実際の送信および再送信の回数と看做して説明することにする。つまり、親機1の送信自体に異常がある場合は考慮せず説明する。なお、別途、送信および再送信が実際に実行されたことを判定して送信および再送信の回数を算出しても良い。
【0026】
次いで、上記のように構成されたデータ通信システム4によるデータ通信動作について、図4に示すフロー図を参照しながら説明する。なお、本実施形態では、M個の子機2(M≧1、M≦N)に対して、データ通信を行うものとして説明する。なお、データ収集期間は、M個の子機2へのM回の送信を行うポーリング期間とL(i)個の子機2へのL(i)回の再送信を行う再送信期間によって構成され、データ収集を要求する要求データ31の送信および再送信と、データ収集を要求する要求データに対応する応答データ32に対して、判定手段11が正常および異常を判定する期間の終了までを指すことして説明する。
【0027】
親機1はデータ通信を制御するための変数nと変数L(i)を有している。なお、データ収集を要求する要求データ31は親機1に内蔵された記憶部(図示せず)に記憶され、第1の通信手段12から送信されるが、これに限るものではなく、親機1がネットワーク接続する外部の記憶装置(図示せず)に記憶されていても良い。この場合、親機1が適宜、記憶装置からデータ収集を要求する要求データ31を読み出すこととなる。なお、親機1がデータ収集を要求する要求データ31を読み出す期間はデータ収集期間に含めても良く、休止の期間26において、データ収集を要求する要求データ31を親機1が読み出すとしても良い。以降の説明ではデータ収集期間において、データ収集を要求する要求データ31が作成されるものとして説明する。
【0028】
ここで、変数nは送信回数を示すカウンタを示す値であり、変数nの最大値は通信システム4が通信する子機2の個数Mに対応する。変数L(i)は、送信および再送信バッチ回数がi回目の親機1から子機2へのデータ収集を要求する要求データ31の送信処理のなかで、親機1が子機2から正常なデータ収集を要求する要求データに対応する応答データ32を受信できなかった子機2の個数を示す値、つまり、判定手段11が異常と判定した場合であり、親機1がデータ収集を行うポーリング動作開始前はゼロに初期化されており、変数nは、少なくとも一個の子機2に送信および再送信するので、n=1に初期化されており、送信および再送信のバッチ回数はi=1に初期化されている(S101)。つまり、L(i=1)=0、n=1が初期化された状態である。
【0029】
ここで、一回の送信におけるn番目のデータ収集を要求する要求データ31に含まれる識別子ID(n)としてあらわす。つまり、最初に送信するデータ収集を要求する要求データ31は初期化されたn=1として、そこに含まれる識別子ID(1)であり、最後に送信するM番目のデータ収集を要求する要求データ31はn=Mであるから、そこに含まれる識別子ID(M)となる。このようにM回の送信に用いる識別子ID(n)が一意に決まり、そして第1の通信手段12により、識別子21に対応するデータ収集を要求する要求データ31を作成し(S102)、識別子21として上述のID(n)を含むデータ収集を要求する要求データ31を識別子21を有する子機2に向けて送信する(S103)。ここで、データ収集を要求する要求データ31は第1の通信手段12により作成されるとしたが、親機1とネットワーク接続される外部の演算部(図示せず)によって作成されても良い。
【0030】
M台の子機2は、親機1から送信されたデータ収集を要求する要求データ31を受信し、識別判定手段22により自身の識別子21と対応するか否かを判定する(S202)。
【0031】
ここで、識別判定手段22が識別子ID(n)を含むデータ収集を要求する要求データ31に対して、対応した識別子21を有する子機2として判定した子機2が、自身へのデータ収集を要求する要求データ31と判断し、受信したデータ収集を要求する要求データ31の内容を解釈し、対応した測定、演算、生成する演算処理を実行し(図示せず)、データ収集を要求する要求データに対応する応答データ32を作成する応答処理を行う。そして、受信したデータ収集を要求する要求データ31に対応して作成されたデータ収集を要求する要求データに対応する応答データ32を親機1へ送信する(S203)。なお、子機2自身が演算処理を実行するとしたが、これに限るものではなく、子機2に接続された電気機器(図示せず)と子機2とがデータ通信を行い必要とするデータ収集を要求する要求データに対応する応答データ32を電気機器の情報に基づいて演算しても良く、電気機器自身が演算処理をしても良い。
【0032】
ここで、子機2が、例えば、電源装置である場合は、要求されるデータとして入力電圧、出力電圧、入力電力、出力電力などが考えられるが、これに限定するものではない。子機2はデータ収集を要求する要求データ31中の情報から親機1が要求しているデータの種類を特定する。仮に要求されたデータが出力電力である場合、子機2は出力電圧と出力電流を測定し、その積としての出力電力をデータ収集を要求する要求データに対応する応答データ32に記述して送信する。
【0033】
親機1は、判定手段11により、子機2から送信されたデータ収集を要求する要求データに対応する応答データ32が正常であるか異常であるかを判定する(S104)。親機1は、異常と判定されたデータ収集を要求する要求データに対応する応答データ32からは必要としていた情報を得ることができず、再度データの入手を試みることになる。つまり、データ収集を要求する要求データ31を再送信する。
【0034】
但し、判定手段11が、データ収集を要求する要求データに対応する応答データ32を異常と判定した場合、親機1はその直後に再送信を開始することはせずに、親機1が有するカウンタ初期値が0である変数L(i)に1を加算し、正常なデータ収集を要求する要求データに対応する応答データ32を受信できなかった子機2の個数を更新する(S105)。
【0035】
後述する再送信(S111)のため、判定手段11は、異常と判定されたデータ収集を要求する要求データに対応する応答データ32の元となっているデータ収集を要求する要求データ31に含まれている識別子ID(n)を保存する(図示せず)。ここでは識別子ID(n)を保存すると説明したが、送信順番nと送信するデータ収集を要求する要求データ31に含まれる識別子ID(n)が一意に対応する場合、送信番号nだけを保存してもよい。なお、ここでは対応する識別子ID(n)を保存するとして、記録された識別子ReID(L(i))=ID(n)として表す(図示せず)。保存する場所は判定手段11内に限るものではなく、判定手段11外の親機1内部、もしくは、親機1がネットワーク接続する外部の記憶装置に保存されていても良い。
【0036】
つづいてn<Mが成立する場合(S106)、nに1を加算し(S107)、再びS102へ遷移する。以後、変数nを繰り返し数として変数nがMに達するまで、すなわち送信回数がM回になるまで、S102〜S107の繰り返し動作を行い(S106)、識別子がID(1)からID(M)のM個の子機2に対してデータ収集を要求する要求データ31を送信(S103)し、M回のデータ収集を要求する要求データに対応する応答データ32の判定(S104)を行う。
【0037】
このようにM個の子機2に対して識別子21を含むデータ収集を要求する要求データ31を送信するとともに、M個の子機2に対してデータ収集を要求する要求データに対応する応答データ32に対する判定を行った後、判定手段11がデータ収集を要求する要求データに対応する応答データ32を異常と判定した子機2の個数L(i)を判定し(S108)、L(i)=0で異常と判定された子機2がない場合にはS116を遷移しデータ収集を終了する。L(i)>0の時、バッチ回数iに1を加算するとともに、送信回数を示すカウンタnを1にリセットし(S109)、S104の判定、すなわち、判定手段11により、データ収集を要求する要求データに対応する応答データ32が異常であったL(i)個の子機2に対して第1の通信手段12により、識別子21に対応するデータ収集を要求する要求データ31を作成し(S110)、識別子21を有する子機2に向けたデータ収集を要求する要求データ31を再送信する(S111)。ここで、データ収集を要求する要求データ31に含まれる識別子は、上に記したようにReID(n)として記録された識別子が用いられる。
【0038】
L(i)台の子機2は、データ収集を要求する要求データ31を受信し、識別判定手段22により自身の識別子21と対応するか否かを判定する(S202)。
【0039】
該当する識別子ReID(n)を有する子機2が、データ収集を要求する要求データに対応する応答データ32を親機1へ送信する(S203)。
【0040】
以後、変数nをループカウンタとして(S113、S115)、すなわち、nがL(i)に達するまで、識別子がReID(1)〜ReID(L(i))のL(i)個の子機2に対してデータ収集を要求する要求データ31を再送信する(S111)。S113にて変数nを判定し、L(i)に達した場合にS116へ遷移しデータ収集を終了する。なお、説明のため、L(i)としたが、上記説明では、送信および再送信のバッチ回数iの送信で異常と判定された子機2の個数はL(i)であり、一回目の送信も含めた(i+1)回目のバッチで送信される個数がL(i)個であることを意味している。つまり、1回目の再送信(バッチ数2)のとき、再送信される個数はL(i=1)である。また、k回目のバッチで再送信(再送信は(k−1)回目)される子機2の個数は、L(i=(k−1))である。ここで、k回目のバッチの送信および再送信においてL(i=(k−1))個の子機2に対するデータ収集を要求する要求データ31に含まれる識別子を(k−1)回目のバッチで収集された順番である、ReID(1)、ReID(2)、(中略)、ReID(L(i=(k−1))の順に行ってもよいし、他の要因より送信順番を決めても良い。すなわち、他の要因とは、子機2のそれぞれがもつシステム上の優先順位や異常と判定された異常種類の優先順位によって決めても良い。また、データ収集期間27と休止期間28が繰り返される通信システムにおいて、M個の子機2への送信順序ID(1)、ID(2)、中略、ID(M)も固定されたものであるとは限らず、異なるデータ収集期間でおいては、異なる順位でデータ収集を要求する要求データ31を送信しても構わないし、異なる子機2をデータ収集を要求する要求データ31の送信および再送信の対象としても構わない。
【0041】
このように、本実施形態ではN台中M台の子機2に対してデータ収集を要求する要求データに対応する応答データ32に基づくデータ収集(ポーリング)を行い、子機2からのデータ収集を要求する要求データに対応する応答データ32に対して判定手段11が正常および異常判定を行い、異常が発生した子機2のL(i)台に対しては、一回目の送信でM回のデータ収集(ポーリング)を行った後に、L(i)回のデータ収集を要求する要求データ31の再送信を行うことが可能となる。従って、データ収集を要求する要求データ31の適切な送信間隔と適切な再送信回数によって、データ収集間隔をデータ処理期間の数倍以上に設定する方法に比べて、短い期間でデータ収集を実現し、データ収集以外の通信が使用する時間を確保するデータ通信システムを提供することが可能となっている。
【0042】
なお、一回の送信および再送信におけるデータ収集を要求する要求データに対応する応答データ32に対する親機1の判定手段11の結果に異常がなく全て正常である場合は、その時点でデータ収集が終了し、データ収集の期間27が終了することになる。従って、データ収集間隔をデータ処理期間の数倍以上に設定する方法に比べて、短い期間でデータ収集を実現し、データ収集以外の通信が使用する時間を確保するデータ通信システムを提供することが可能となっている。
【0043】
なお、本実施形態では、親機1の一回目の送信後の一回目の再送信について説明したが、一回目の送信において、判定手段11が異常と判定した子機2に対して、再送信回数の繰り返し再送信の上限値を設定して、データ収集期間を設定しても良し、データ収集期間の時間の上限値を設定して良い。この場合、少なくとも、一回目の送信時に正常と判定された子機2に対しては、データ収集を要求する要求データ31の再送信が実施されることはないので、データ収集間隔をデータ処理期間の数倍以上に設定する方法に比べて、短い期間でデータ収集を実現し、データ収集以外の通信が使用する時間を確保するデータ通信システム4を提供することが可能となっている。
【0044】
次に実施形態2の再送信の繰り返し動作について図5のフローを使って説明する。実施形態1と異なるのは以下の動作であるので、実施形態1と同等な動作についての説明は割愛する。なお、本実施形態では、再送信の上限回数K(K≧1)として説明する。
【0045】
親機1はデータ収集を開始し(S301)、まずバッチ回数iを1、nを1にセットし、送信回数を示す変数nとバッチ回数がi回目のデータ収集を要求する要求データ31の送信処理のなかでデータ収集を要求する要求データに対応する応答データ32を判定手段11が異常と判定する子機2の個数である変数L(i)は0にする(S302)。親機1は送信対象のM個の子機2へデータ収集を要求する要求データ31の送信と、データ収集を要求する要求データに対応する応答データ32の受信を行い(S303)、データ収集を要求する要求データに対応する応答データ32の正常および異常の判定を行う(S304)。つぎに、異常と判定された場合は、異常処理を行い(S305)、その度にカウンタL(i)をカウントアップし、異常と判定された子機2の数だけ整数を加える(S306)。ここで、異常処理とは、後述する再送信(S311)のため、判定手段11が、異常と判定されたデータ収集を要求する要求データに対応する応答データ32の元となっているデータ収集を要求する要求データ31に含まれている識別子ID(n)を保存する処理(図示せず)である。ここでは識別子ID(n)を保存すると説明したが、送信順番nと送信するデータ収集を要求する要求データ31に含まれる識別子ID(n)が一意に対応する場合、送信番号nだけを保存してもよい。なお、ここでは対応する識別子ID(n)を保存するとして、記録された識別子ReID(L(i))=ID(n)として表す(図示せず)。保存する場所は判定手段11内に限るものではなく、判定手段11外の親機1内部、もしくは、親機1がネットワーク接続する外部の記憶装置に保存されていても良い。S304にて正常と判定された場合、S307にて正常処理を行う。ここで、正常処理とは、正常と判定された該当子機2の識別子21の情報をもつReID(x)を記録から削除することである(xはReID(x)が該当子機2の識別子21の情報となる整数)。つまり、再送信するデータ収集を要求する要求データ31中の識別子の記録には既に正常と判定された識別子が存在しないので、第1の通信手段12は正常と判定された識別子を有する子機2に対して、以後の再送信においてはデータ収集を要求する要求データ31の送信を実行しないことになる。上記S303からS307またはS306の処理を子機2の個数であるM回繰り返す(S308)。M回の判定の経過後、S309にてL(i)を判定し、L(i)が0の場合は、S320へ遷移しデータ収集31の動作を終了する。S309にてL(i)が0よりも大きい値を取る時、再送信処理のため送信回数を示す変数nを1にリセットし、つまり、再送信の回数を1にリセットし、バッチ数iに1を加算する(S310)。
【0046】
M回の判定の後に、L(i)個の子機2へデータ収集を要求する要求データ31の再送信と、データ収集を要求する要求データに対応する応答データ32の受信を行い(S311)、データ収集を要求する要求データに対応する応答データ32の正常および異常の判定を行う(S312)。つぎに、異常と判定された場合は、異常処理を行い(S313)、その度にカウンタL(i)をカウントアップし、異常と判定された子機2の数だけ整数を加える(S314)。ここで、異常処理とは、繰り返しによる再送信(S311)のため、判定手段11が、異常と判定されたデータ収集を要求する要求データに対応する応答データ32の元となっているデータ収集を要求する要求データ31に含まれている識別子ID(n)を保存する処理(図示せず)である。ここでは識別子ID(n)を保存すると説明したが、送信順番nと送信するデータ収集を要求する要求データ31に含まれる識別子ID(n)が一意に対応する場合、送信番号nだけを保存してもよい。なお、ここでは対応する識別子ID(n)を保存するとして、記録された識別子ReID(L(i))=ID(n)として表す(図示せず)。保存する場所は判定手段11内に限るものではなく、判定手段11外の親機1内部、もしくは、親機1がネットワーク接続する外部の記憶装置に保存されていても良い。S312にて正常と判定された場合、S315にて正常処理を行う。ここで、正常処理とは、正常と判定された該当子機2の識別子21の情報をもつReID(x)を記録から削除することである(xはReID(x)が該当子機2の識別子21の情報となる整数)。つまり、再送信するデータ収集を要求する要求データ31中の識別子の記録には既に正常と判定された識別子が存在しないので、第1の通信手段12は正常と判定された識別子を有する子機2に対して、以後の再送信においてはデータ収集を要求する要求データ31の送信を実行しないことになる。つまり、繰り返しによる再送信(S311)で既に正常と判定された子機2に再送信が行われないように正常と判定された子機2に対して、該当子機2自身が有する識別子21に対応する識別子の情報をデータ収集を要求する要求データ31から削除する。上記S311からS314またはS315の処理を子機2の個数であるL(i)回繰り返す(S316)。
【0047】
データ収集を要求する要求データ31が送信される子機2の数がL(i―1)個であるバッチ回数iが再送信の上限回数K回に達していなければ(S318)、バッチ数iで送信されるL(i−1)個の子機2中のデータ収集を要求する要求データに対応する応答データ32に対して判定手段11が異常と判定した子機2であるL(i)個の子機2に対してバッチ回数(i+1)のデータ収集を要求する要求データ31の送信および再送信を行うため、S309へ進む。以降S309からS318の動作を繰り返す。上述のバッチ回数iが再送信の上限回数K回を超えた場合は、S320へ進み、データ収集を終了する。この場合、最大で上限回数K回の再送信を繰り返すことになるが、少なくとも、i回目のバッチで正常と判定された子機2に対しては、(i+1)回目のバッチで再送信が実施されることはない。つまり、判定手段11がM個の子機2に対応する判定を行った以降に、判定手段11の判定結果が異常であるL(i)個(1≦i≦K)の子機2に、第1の通信手段12がデータ収集を要求する要求データ31の再送信を行った子機2から受信するデータ収集を要求する要求データに対する応答データ32の正常および異常を判定し、L(i)個の子機2に対する判定を行った以降に、判定手段11の判定結果が異常であるL(i+1)個(但し、L(i+1)≦L(i))の子機2に、第1の通信手段がデータ収集を要求する要求データ31を再送信し、以降、判定手段11の判定結果が異常であるL(i)個の子機2に対する判定を行った以降に、判定手段11の判定結果が異常であるL(i+1)個の子機2に、第1の通信手段12がデータ収集を要求する要求データ31を再送信する動作を再送信の上限回数K回(但し、K≧1)まで繰り返すことので再送信の上限回数K回を超えて、既に正常と判定された子機2へのデータ収集を要求する要求データ31の再送信は実行されないので、一回目の送信のM回の判定で異常と判定されたL(i)個の子機2に対してK回の再送信を行う方法に比べて、短い期間でデータ収集を実現し、データ収集以外の通信が使用する時間を確保するデータ通信システムを提供することが可能となっている。
【0048】
次に図6のタイムチャートを使って説明する。この例(N=6、M=5の例)では、親機1は6台の子機A2−1〜子機F2−6の中で5台の子機A2−1から子機E2−5に対応するデータ収集を要求する要求データ44−1から44−5を1バッチとして順次送信している。データ収集期間41の中では、ポーリング期間46にてM回のデータ収集(ポーリング)を行っている。この例では各データ送信間隔が一定間隔のデータ収集を要求する要求データ44―x(xは1から5)の送信動作にて行っているが、この限りではない。なお、この例では再送信の上限回数K=2として説明をおこなう。
【0049】
データ収集期間41に続き、休止期間43を経て、再びデータ収集期間42中のポーリング期間47にてM回のデータ収集を実施している。データ収集期間41にて親機1から子機A2−1へデータ収集を要求する要求データ44−1が送信され、子機B2−2からそのデータ収集を要求する要求データ44−1に対応する応答データ50−1が送信される。同様に子機B〜Eへのデータ収集を要求する要求データおよび、データ収集を要求する要求データに対応する応答データが繰り返し続いている(バッチ数1)。組み合わせは(44−1,50−1)、(44−2,50−2)、(44−3,50−3)、(44−4,50−4)、(44−5,50−5)である。ここで子機B2−2と子機C2−3からのデータ収集を要求する要求データに対応する応答データ50−2と50−3が判定手段11の結果異常である場合を例に挙げて以下に説明する(L(1)=2)。
【0050】
ポーリング期間46の続き、異常のあったデータ収集を要求する要求データに対応する応答データ50−2、50−3の対象である子機B2−2と子機C2−3に対して、親機1はデータ収集を要求する要求データ44−6と44−7を再送信する(バッチ数2)。データ収集を要求する要求データ44−6、44−7に対する応答データ50−6、50−7がともに異常となった場合(L(2)=2)、親機1はデータ収集を要求する要求データ44−8と44−9を再送信する(バッチ回数3)。例では、データ収集を要求する要求データに対応する応答データ50−8が異常となっているが、再送信回数が2(バッチ回数3回)となり、再送信回数の上限値K=2に達したため、以後の再送信は行わず、再送信期間48とデータ収集期間41を終了し休止期間43へ遷移している。1回目の再送信(バッチ数2)が行われて以降も、異常判定されたL(2)=2回のデータ収集を要求する要求データの再送信を行い、結果として再送信回数の上限値K=2回の再送信を行う事が可能となる。また、再送信回数の上限値を規定しているので、判定手段11が異常とする出力を出力し続けても、データ収集期間を終了させることが可能となっている。従って、データ収集を要求する要求データの適切な送信期間と適切な再送信回数の再送信によって、短い期間でデータ収集を実現し、データ収集以外の通信が使用する時間を確保するデータ通信システムを提供することが可能となる。
【0051】
次に実施形態3の上限設定値Fの動作について図7を使って説明する。図7は実施形態1のフローである図4に示されたデータの送信と受信処理P101または、データの再送信と受信処理P102の動作で異なる部分のみを示している。P101またはP102動作以外の動作のうち実施形態1と同等な動作についての説明は割愛する。データの送信と受信処理またはデータの再送信と受信処理を開始する(S401)親機1は、子機2へデータ収集を要求する要求データ31の送信と、データ収集を要求する要求データに対応する応答データ32の受信を行い(S402)、データ収集を要求する要求データに対応する応答データ32の判定を行う(S403)。判定手段11にて異常と判定された場合、S404にて当該異常種類の異常発生回数が上限設定値Fを超えていないと判定された場合、S405にて当該異常種類の異常発生回数に1を加算し、異常処理(S406)へ進む。ここで、異常処理とは、バッチ回数iにおける異常と判定された子機2の個数であるL(i)の更新と再び実行されるS401にて開始されるL(i)個の子機2へのデータ収集を要求する要求データ31への再送信のために、判定手段11にて異常と判定されたデータ収集を要求する要求データに対応する応答データ32の元となっているデータ収集を要求する要求データ31に含まれている識別子ID(n)の情報を保存する処理(図示せず)である。保存する場所は判定手段11内に限るものではなく、判定手段11外の親機1内部、もしくは、親機1がネットワーク接続する外部の記憶装置に保存されていても良い。異常と判定されたS404にて当該異常種類の異常発生回数が上限設定値Fを超えたと判定された場合に異常と判定せずにデータの送信と受信処理またはデータの再送信と受信処理の終了(S408)へ移行する。この実施例では、S404で当該異常種類の異常発生回数が上限設定値Fを超えた場合、単に異常と判定せずにS408へ進むとしたが、当該識別子ID(n)の情報を記録しているReID(x)(xはReID(x)がID(n)を示す整数)を削除する処理を実施しても良いし、当該識別子ID(n)の情報を表示画面などの上位システム(図示せず)に通知する処理を実施しても良い。従って、異常種類および異常発生回数を表示することにより、データ通信システム4の異常状況を把握することが可能となり、例えば、異常種類が全て、子機2が存在しないために応答が得られない異常(以降、タイムアウト異常と呼ぶ)である場合は、そもそも第1の通信手段自体12、あるいは、通信ライン3に異常があるとの推測が可能となり、データ通信システムの補修を適宜行うことも可能となる。正常処理については、実施形態1、2と同様なので、説明は割愛する。とくに、本実施形態3は、再送信を繰り返しても正常なデータ収集を要求する要求データに対応する応答データ32を得ることが困難と判定される場合に有効である。具体的には、上述したタイムアウト異常が考えられる。このように存在しない子機2によるタイムアウトである異常種類に対しては、予め小さい値を最大回数として上限設定値Fを設定することで、存在しない子機2に対する繰り返しのデータ収集を要求する要求データ31の送信を防ぐことが可能となる。このように子機2それぞれに対して、異常種類別の送信回数の上限設定値Fを設定し、これを超えて再送信を行わないことで無駄な再送信の繰り返しを防ぐことが可能となる。従って、短い期間でデータ収集を実現し、データ収集以外の通信が使用する時間を確保するデータ通信システムを提供することが可能となる。また、異常種類毎に送信回数の上限設定値Fを設定するので、必要とする必要なデータ収集を要求する要求データ31に対応する応答データ32を子機2から収集することが可能となっている。例えば、子機2から収集するデータの一部が不要とするデータを含む場合は、不要とするデータに対応する異常種類の上限設定値Fを小さく設定する(例えば、F=2)ことで、無駄な再送信の送信回数の繰り返しを防ぐことが可能となる。
【0052】
次に図8のタイムチャートを使って説明する。この例(N=6、M=5の例)では、親機1は6台の子機A2―1〜子機F2―6の中で5台の子機A2―1から子機E2―5に対して順次データ収集を要求する要求データ52−1から52−5を送信している。データ収集期間41の中では、ポーリング期間46にてM回のデータ収集(ポーリング)を行っている。この例では一定間隔のデータ収集を要求する要求データ52―x(xは1から5)の送信動作にて行っているが、この限りではない。この例では子機Bのタイムアウト異常について定められた再送信および送信回数の上限設定値F=2として説明を行う。
【0053】
データ収集期間41に続き、休止期間43を経て、再びデータ収集期間42中のポーリング期間47にてM回のデータ収集を実施している。データ収集期間41にて親機1から子機A2―1へデータ収集を要求する要求データ52−1が送信され、子機A2−1からそのデータ収集を要求する要求データ52−1に対応する応答データ53−1が送信される。同様に子機B2−2〜E2−5へのデータ収集を要求する要求データとデータ収集を要求する要求データに対応する応答データが繰り返し続いている。組み合わせは(52−1,53−1)、(52−2,53−2)、(52−3,53−3)、(52−4,53−4)、(52−5,53−5)である(バッチ回数1)。ここで、子機B2−2からのデータ収集を要求する要求データに対応する応答データ53―2がタイムアウト異常であり、子機C2−3、子機D2−4からのデータ収集を要求する要求データに対応する応答データ53−3、53−4は、異常と判定されている。異常と判定された子機2の個数は3となる。(L(1)=3)。
【0054】
ポーリング期間46の続き、異常のあったデータ収集を要求する要求データに対応する応答データ32の対象である子機B2―2、子機C2―3、子機D2−4に対して、親機1はデータ収集を要求する要求データ52―6、52―7,52−8を再送信する(バッチ回数2)。子機B2−2へのデータ収集を要求する要求データ52−6に対する応答データ53−6はデータ収集を要求する要求データに対応する応答データの受信がなくタイムアウト異常とみなされるが、子機B2−2のタイムアウト異常としては2回目であり、子機Bのタイムアウト異常について定められた再送信および送信回数の上限設定値F=2に達しており、これを異常と判定しない。データ収集を要求する要求データ52―7,52−8に対する応答データ53−7、53−8はともに異常となり(L(2)=2)、親機1はデータ収集を要求する要求データ52―9と52―10を再送信し(バッチ回数3)、そのデータ収集を要求する要求データに対応する応答データ53−9と53−10がともに正常データと判定されデータ収集期間41を終了している。この場合、子機B2−2のタイムアウト異常の発生回数が再送信および送信回数の上限値Fに達し、異常と判定しない事で少ない送信回数でデータ収集期間を終了している。従って、データ収集を要求するデータ収集を要求する要求データの適切な送信期間と適切な再送信回数の再送信によって、短い期間でデータ収集を実現し、データ収集以外の通信が使用する時間を確保するデータ通信システムを提供することが可能となる。
【0055】
次に実施形態4の上限設定値Fの更新動作について図9を使って説明する。図9は実施形態1のフローである図4に示されたデータの送信と受信処理P101または、データの再送信と受信処理P102の動作で異なる部分を示している。P101またはP102動作以外の動作のうち実施形態1と同等な動作についての説明は割愛する。データの送信と受信処理またはデータの再送信と受信処理を開始する(S501)親機1は、子機2へデータ収集を要求する要求データ31の送信および、データ収集を要求する要求データに対応する応答データ32の受信を行い(S502)、データ収集を要求する要求データに対応する応答データ32の判定を行う(S503)。判定手段11にて異常と判定された場合、S504にて異常判定累積回数Gが予め定められている最大送信回数設定値Eを超えたと判定された場合に上限設定値Fを変更する(S507)。なお、異常判定累積回数Gとは子機2それぞれに対応してカウントされる値で、データ収集を要求する要求データに対応する応答データ32に対応してそれぞれの子機2に対して、判定手段11により異常と判定された回数を累積した値を指すものであり、異常種類に応じて一回の判定で異常と判定された場合は、一回の判定回数に対して異常種類毎に1を加算するものとしてカウントされる値である。なお、異常判定累積回数Gは判定手段11に記憶されていても良く、親機1とネットワーク接続されたサーバー(図示せず)などに記憶されていても良い。ここでは、変更内容として上限設定値Fを半分に減ずることとしているが、この限りではない。但し、上限設定値Fを減ずる変更を行うものとする。つづいて、S508にて当該異常判定累積回数GをG=0へリセットし、異常処理へ遷移する(S506)。
【0056】
ここで、異常処理とは、異常と判定された当該異常種類の異常発生回数と上限設定値Fの比較判定、さらに当該異常種類の異常発生回数が上限設定値Fを超えていないと判定された場合のS405にて当該異常種類の発生回数に1を加算する処理、バッチ回数iにおける累積異常判定回数Gの更新、異常と判定された子機2であるL(i)の更新、再び実行されるS501にて開始されるL(i)個の子機2へのデータ収集を要求する要求データ31への再送信のための判定手段11が異常と判定されたデータ収集を要求する要求データに対応する応答データ32の元となっているデータ収集を要求する要求データ31に含まれている識別子ID(n)の情報を保存する処理(図示せず)である。S504にて異常判定累積回数Gが予め定められている最大送信回数設定値Eを超えていない判定された場合に異常判定累積回数Gに1を加算し、G+1に更新し、異常処理を実行する(S506)。S503のデータ収集を要求する要求データに対応する応答データ32の判定にて当該データ収集を要求する要求データに対応する応答データ32が正常と判定された場合に当該子機2に関するすべての異常判定累積回数GをG=0へリセットする(S509)。このように、子機2のそれぞれに対応する識別子毎に、データ収集を要求する要求データに対する応答データ32の異常種類毎にカウントされ、データ収集を要求する要求データに対する応答データ32が正常と判定されるまで、または、親機1が子機2にデータ収集を要求する要求データ31を送信する回数である再送信および送信回数の和である最大送信回数設定値E(F≦E)以上となるまでリセットされないそれぞれの子機2に対応する異常判定累積回数Gと、上限設定値Fと、に基づいて判定手段11がデータ収集を要求する要求データ31を送信および再送信する回数を決定するものであって、判定手段11は異常判定累積回数Gと前記最大送信回数設定値Eとが所定の条件を満たす場合に、上限設定値Fを更新し、データ収集を要求する要求データ31を送信および再送信する回数を決定するので、特定の子機2の特定の異常種類別の送信回数の上限設定値Fを変更することにより、無駄な再送信を繰り返すことを防ぐことが可能となる。従って、短い期間でデータ収集を実現し、データ収集以外の通信が使用する時間を確保するデータ通信システムを提供することが可能となる。また、異常種類毎に送信回数の上限設定値Fを変更するので、必要とする必要なデータ収集を要求する要求データに対応する応答データ32を子機2から収集することが可能となっている。例えば、子機2から収集するデータの一部が不要とするデータを含む場合は、不要とするデータに対応する異常種類の上限設定値Fを小さい値に変更する(例えば、F=2)ことで、無駄な再送信の送信回数の繰り返しを防ぐことが可能となる。
【0057】
次に図10のタイムチャートを使って説明する。この例(N=6、M=5の例)では、親機1は6台の子機A2―1〜子機F2―6の中で5台の子機A2―1から子機E2―5に対して1バッチとして順次データ収集を要求する要求データ55−1から55−5を送信している。データ収集期間41の中では、ポーリング期間46にてM回のデータ収集(ポーリング)を行っている。この例ではデータ送信間隔が一定間隔のデータ収集を要求する要求データ55―x(xは1から5)の送信動作にて行っているが、この限りではない。この例では子機B2−2のタイムアウト異常について定められた最大送信回数設定値E=5、上限設定値F=4として説明をおこなう。また、この例では子機B2−2のタイムアウト異常に着目して説明を行うが、子機B2−2のタイムアウト異常について定められた異常判定累積回数Gが子機B2−2のタイムアウト異常について定められた最大送信回数設定値Eを超えたと判定された場合に上限設定値Fを半分に減ずることとしている説明する。但し、上限設定値Fの変更の判定基準は、異常判定累積回数Gと最大送信回数設定値Eの関係から予め決めておればよく、この限りではない。同様に上限設定値Fの変更内容も予め決めておればよく、この限りではない。初期値として子機B2−2のタイムアウトの異常種類別の上限設定値F=4かつ異常判定累積回数G=0とする。データ収集期間41の中では、ポーリング期間46にてM回のデータ収集(ポーリング)を行っている。データ収集期間41に続き、休止期間43を経て、再びデータ収集期間42中のポーリング期間47にてM回のデータ収集を実施している。データ収集期間41にて、親機1から子機A2−1へのデータ収集を要求する要求データ55―1と、データ収集を要求する要求データ55―1に対応する応答データ56―1が続き、同様に子機B2−2〜E2−5へのデータ収集を要求する要求データとデータ収集を要求する要求データに対応する応答データが繰り返して続いている。組み合わせは(55−1,56−1)、(55−2,56−2)、(55−3,56−3)、(55−4,56−4)、(55−5,56−5)である(バッチ数1)。データ収集期間41でのM回の判定に於いて、子機B2−2と子機C2−3からのデータ収集を要求する要求データに対応する応答データ56―2と56―3が異常であり(L1=2)、さらに子機B2−2のデータ収集を要求する要求データに対応する応答データ56―2はタイムアウト異常である(1回目。タイムアウト異常に対応するG=1)。ポーリング期間46の続きである、再送信期間48にて、異常のあったデータ収集を要求する要求データに対応する応答データの対象である子機B2―2と子機C2―3に対して、親機1はデータ収集を要求する要求データ55―6と55―7を再送信する(バッチ数2)。データ収集を要求する要求55―6、55―7に対するデータ収集を要求する要求データに対応する応答データ56−6、56−7のうち、子機B2―2からのデータ収集を要求する要求データに対応する応答データ56−6のみが再びタイムアウト異常(2回目。タイムアウト異常に対応するG=2)となり(L2=1)、親機1は子機B2―2へ要求データ55―8を再送信する(バッチ数3)。例では、さらに子機B2―2からのデータ収集を要求する要求データに対応する応答データ56−8がタイムアウト(3回目。タイムアウト異常に対応するG=3)となり、続く再送信(バッチ数4)による子機B2―2からのデータ収集を要求する要求データに対応する応答データ56−9もタイムアウト(4回目。タイムアウト異常に対応するG=4)となる(L3=1)。ここで、再送信回数が3回すなわち、最初の送信と再送信回数の和が4回(タイムアウト異常に対応する送信回数の上限値F=4)に達したため、以後の再送信は行わず、再送信期間48とデータ収集期間41を終了し休止期間43へ遷移している。休止期間43につづくデータ収集期間42の中では、ポーリング期間47にてM回のデータ収集(ポーリング)を行っている。ここで親機1から子機B2―1へのデータ収集を要求する要求データ57―2に対応する応答データ58―2がタイムアウト(累積5回目。タイムアウト異常に対応するG=5。データ収集期間42では1回目。)となる。ここで、子機B2−2からのタイムアウト異常の異常判定累積回数Gが子機B2−2のタイムアウト異常について定められた最大送信回数設定値E=5に達したため、最大送信回数決定の変更条件を満たすので、上述のとおり、子機B2−2のタイムアウトの異常種類別の上限設定値Fを4回から半分の2回に変更する。また、同時に子機B2−1に対する異常判定累積回数Gを0にリセットする。ここで、ポーリング期間47のM回の判定(バッチ数1)に於いて、子機A2−1と子機B2−2と子機C2−3子機D2−4からのデータ収集を要求する要求データに対応する応答データ58―1、58―2、58―3,58−4が異常であり(L1=4)、再送信期間49にて子機A2−1と子機B2−2と子機C2−3子機D2−4へデータ収集を要求する要求データを再送信し(バッチ数2)、それぞれに対応するデータ収集を要求する要求データに対応する応答データ58−6、58−7、58−8、58−9を得る。子機B2−2以外からのデータ収集を要求する要求データに対応する応答データはすべて正常と判定され、さらに子機B2−2のデータ収集を要求する要求データに対応する応答データ55−7はタイムアウト(データ収集期間42で2回目)となり、子機B2−2のタイムアウトの異常種類別の上限設定値F=2となっているため、このデータ収集を要求する要求データに対応する応答データ58−7を異常とは判定せずに、異常と判定されるデータ収集を要求する要求データに対応する応答データの数である子機2の数L2=0となり、再送信期間49ならびにデータ収集期間42を終了する。そして、更に、次ぎの休止期間を経て、次のデータ収集期間において、上限設定値F=2まで、つまり、2回までの送信および再送信を行い、子機B2−1に対する判定手段11がデータ収集を要求する要データに対応する応答56−1データの判定を行う。そして、異常判定累積回数Gが5になるまで、F=2を保ち、異常累積回数が5になった時点で、G=0にリセットされ、同時にFが2の半分の1に設定され、以降は、ポーリング期間のみの送信となり、再送信期間における子機Bへのタイムアウト異常にともなう再送信は実行されない。従って、Fが1となると、再送信期間に於いて当該子機2の当該異常種類に対応する再送信が実施されないので、Fの下限値は2以上であることが好ましい。この場合、子機B2−2のタイムアウト異常の異常判定累積回数Gが最大送信回数設定値Eに達し、異常種類別の上限設定値Fを変更する上述の条件を満たしたことで、子機B2−2のタイムアウト異常の上限設定値Fを変更することで、無駄な再送信を繰り返すことを防ぐことで少ない送信回数でデータ収集期間を終了している。従って、データ収集を要求する要求データの適切な送信期間と適切な再送信回数の再送信によって、短い期間でデータ収集を実現し、データ収集以外の通信が使用する時間を確保するデータ通信システムを提供することが可能となる。なお、上限回数Kと上限設定値Fはひとつのデータ収集期間内における設定値であり、異常判定累積回数Gと最大送信回数設定値Eは複数のデータ収集期間に存在しえる変数、設定値であることに留意されたい。つまり、上限回数Kを超えてデータ収集を要求する要求データ31の再送信は実行されることはないので、ひとつのデータ収集期間の最大期間は上限回数Kで決定される。また、上限設定値Fは異常種類毎に設定されるものであり、F≦Kを満たす必要がある。F≦Kを満たすことにより、ひとつのデータ収集期間内の異常種類毎に再送信回数を決定できることになる。上限設定値自体は更新されるまで同一の値を保持するものの、保持された場合であっても、休止期間後の次のデータ収集期間においては、保持された上限設定値Fによって、異常種類毎に再送信回数が設定される。一方、異常判定累積回数Gと最大送信回数設定値Eは複数のデータ収集期間に存在する場合がある。つまり、必要なデータを確保する場合、ひとつのデータ収集期間内でデータ収集を完了できない場合、複数のデータ収集期間に渡りデータ収集を行う場合がある。この場合であっても、上限設定値Fによって、異常種類毎の再送信回数が決定され、最大送信回数Kによって、ひとつのデータ収集期間の最大期間が決定されるので、休止期間を確保することが可能となっている。そして、休止期間後のデータ収集期間にデータ収集を続行することが可能となっている。また、異常判定累積回数Gと最大送信回数設定値Eが所定の条件を満たす場合は上限設定値Fが小さい値に変更されるので、短い期間でデータ収集を実現し、データ収集以外の通信が使用する時間を確保するデータ通信システムを提供することが可能となる。なお、異常判定累積回数Gと最大送信回数設定値Eを設定しない場合は、上限回数Kと上限設定値Fの設定に伴い、ひとつのデータ収集期間でデータ収集が終了することになる。
【0058】
次に実施形態5のデータ収集終了データの送信動作について図11を使って説明する。実施形態1と異なるのは以下の動作であるので、実施形態1と同等な動作についての説明は割愛する。送信または再送信動作を開始する(S610)親機1は、バッチ回数を示すi=1と初期化する(S611)。引き続き、子機2に対してデータ収集に伴うM回の判定を行う(S612)。その後、異常の判定をした回数L(i)(ただしi=1)を判定し、L(i)=0の時は、データ収集を終了し、S617へ進む。またL(i)>0の場合は、バッチ回数iを更新し(S614)、異常と判定されたデータ収集を要求する要求データに対応する応答データ32を送信した子機2に対してデータ収集に伴うL(i)回の判定を行う(S615)。ここまでの動作は実施形態1と同等である。L(i)回の判定の後、バッチ回数iが再送信の上限回数Kより大きい場合、データ収集を終了し、S617へ進む。S616にてバッチ回数iが再送信の上限回数Kより大きくない場合、L(i)の判定のためS613へ進む。以後、L(i)=0となるか、バッチ回数iが再送信の上限回数Kより大きくなるまで、上述の動作を繰り返す。ここまでの動作は実施形態2と同等である。データ収集が終了し、S617へ進んだ親機1は、ネットワーク上に、データ収集期間が終了したことを示すデータ収集終了データを送信する。この場合、送信先は、データ収集の対象であった子機2でも構わないし、子機2以外のネットワーク上の第3の機器(ここでは図示せず)でも構わない。また、データ収集終了データの送信先は、複数の機器を宛先としたデータでも構わない。
【0059】
このように親機1が有する判定手段11がデータ収集を要求する要求データに対応する応答データ32の異常と判定される判定回数を算出し、異常と判定される判定回数が零になること、もしくは、送信および再送信のバッチ回数iを再送信の上限回数Kと比較することで、送信対象のM個の子機2においてデータ収集を要求する要求データ31を送信すべき子機2がないと判定し、すなわち、デーデ収集の終了を判定し、第1の通信手段がデータ収集が終了したことを示すデータ収集終了データをネットワーク上の機器に伝達することで、休止期間に移行することが可能となりデータ収集以外の通信を効率的に開始することが可能となる。従って、短い期間でデータ収集を実現し、データ収集以外の通信が使用する時間を確保するデータ通信システムを提供することが可能となる。なお、異常判定累積回数Gと最大送信回数設定値Eを設定する場合は、当該条件に基づいて、判定手段11がM個の子機2の全てがデータ収集の終了であることを判定して、第1の通信手段12がデータ収集終了データを送信することになる。
【0060】
次に図12のタイムチャートを使って説明する。この例(N=6、M=5の例)では、親機1は6台の子機A2―1から子機F2―6の中で5台の子機A2―1から子機E2―5に対して1バッチとして順次データ収集を要求する要求データ59−1から59−5までを送信している。データ収集期間41の中では、ポーリング期間46にてM回のデータ収集(ポーリング)を行っている。この例ではデータ送信間隔が一定間隔のデータ収集を要求する要求データ59―x(xは1から5)の送信動作にて行っているが、この限りではない。この例では再送信の上限回数K=3として説明をおこなう。データ収集期間41の中では、ポーリング期間46にてM回のデータ収集(ポーリング)を行っている。データ収集期間41に続き、休止期間43を経て、再びデータ収集期間42中のポーリング期間47にてM回のデータ収集を実施している。データ収集期間41にて、親機1から子機A2―1へのデータ収集を要求する要求データ59―1の次に、データ収集を要求する要求データ59−1対応する応答データ60―1が続き、同様に子機B〜Eへのデータ収集を要求する要求データおよびデータ収集を要求する要求データに対応する応答データが繰り返し続いている。組み合わせは、(59−1,60−1)、(59−2,60−2)、(59−3,60−3)、(59−4,60−4)、(59−5,60−5)である(バッチ数1)。データ収集期間41でのM回の判定に於いて、子機B2−2と子機C2−3からのデータ収集を要求する要求データに対応する応答データ60―2と60―3が異常であるとする(L1=2)。ここで、ポーリング期間46の続きである再送信期間48にて、異常のあったデータ収集を要求する要求データに対応する応答データの対象である子機B2―2と子機C2―3に対して、親機1はデータ収集を要求する要求データ59―6と59―7を再送信する(バッチ数2)。データ収集を要求する要求データ59―6、59―7に対する応答データ60−6、60−7のうち、子機B2―2からのデータ収集を要求する要求データに対応する応答データ60−6のみが再び異常となった場合(L2=1)、親機1は子機B2―2へ要求データ59―8を再送信する(バッチ数3)。例では、さらに子機B2―2からのデータ収集を要求する要求データに対応する応答データ60−8が異常となっている。ここで、再送信回数が3回(再送信回数の上限値K=3)に達したため、以後の再送信は行わず、親機1はネットワークの任意の機器にデータ収集期間41の終了を示すためのデータ収集終了データ59−10を送信し、再送信期間48とデータ収集期間41を終了し休止期間43へ遷移している。休止期間43につづくデータ収集期間42の中でも、同様に、子機B2−2へのデータ収集を要求する要求データ61−6の再送信(バッチ数2)とそれに対応したデータ収集を要求する要求データに対応する応答データ62−6が正常との判断をもってL(2)=0となり、以後の再送信は行わず、親機1はネットワーク上に接続された任意の機器にデータ収集期間42の終了を通知するためのデータ収集終了データ61−7を送信し、再送信期間49の終了を以ってデータ収集期間42を終了する。なお、ここでデータ収集期間の終了を示すとは、M個の子機2が全てデータ収集期間の終了を指すことであり、一個でも子機2がデータ収集期間が終了していない場合は、データ収集期間の終了とはみなさない。例えば、ある子機2に対して休止期間を跨いでデータ収集期間が存続する場合は、データ収集終了データ61−7は送信されずにデータ収集は続行される。よって、親機1の判定手段11がそれぞれの子機2に対応してデータ収集の終了であるかを否かを判定し、M個の子機2の全てがデータ収集の終了であることを判定して、第1の通信手段12がデータ収集終了データ61−7を送信する。このように親機1はデータ収集が終了したことをネットワーク上に接続された任意の機器に伝達することで、データ収集以外の通信を効率的に開始することが可能となる。従って、短い期間でデータ収集を実現し、データ収集以外の通信が使用する時間を確保するデータ通信システムを提供することが可能となる。なお、データ収集期間の終了はネットワーク上の全ての機器に通知することが好ましい。
【0061】
ここで、実施形態5におけるデータ通信システムを直流配電システムに適用した場合について説明する。直流配電システムの概略図を図13に示す。直流配電システム70には直流電力供給部72と直流ブレーカ71が備えられており、直流ブレーカ71に対して、並列に親機1、および、子機2−1から子機2−9のぞれぞれがとが通信線73を介してネットワーク接続されている。特許文献2によれば、直流ブレーカは、送電線によって接続された直流機器(図示せず)に制御データを送信することが知られている。本実施形態では、子機2−x(xは1から9)に直流機器(図示せず)が接続されているものとして以下に説明する。直流ブレーカ71は、親機1が子機2−1から子機2−9に対してデータ収集を行っている期間は、子機2―xに接続された直流機器(図示せず)に動作を指示する動作指示データを送信することができないが、データ収集終了データを受信することにより、データ収集期間の終了後に即時的に直流機器(図示せず)に動作を指示する動作指示データを送信することも可能である。また、親機1のデータ収集を要求する要求データに対応する応答データ32のデータ収集の期間内に親機1が直流ブレーカー71にデータ収集されたデータに基づく制御用データを送信し、直流ブレーカー71が直流機器(図示せず)に制御用データに基づく直流機器(図示せず)の動作を指示する動作指示データを送信するする形態を1形態としてもよい。このように、直流電力供給部72、ネットワーク接続された直流ブレーカー71、親機1、および子機2−1から子機2−9を有する直流配電システム70において、親機1が収集した子機2−1から子機2−9に接続された直流機器(図示せず)のデータに基づいた制御用データを親機1に接続された直流ブレーカー71へ送信することで、直流ブレーカー71は子機2−1から子機2−9に接続された直流機器(図示せず)の制御を行うことが可能となる。親機1からの制御用データを受信した直流ブレーカー71が、親機1がデータ収集を実施ているデータ収集期間中に、直流機器(図示せず)に動作を指示する動作指示データを送信することはデータの衝突の可能性があるために好ましくない。そのため、直流ブレーカ71は、親機1からのデータ収集終了データの受信した後に子機2―xに接続された直流機器(図示せず)に直流機器(図示せず)の動作を指示する動作指示データを送信することが望ましい。また、直流ブレーカー71へ制御用データを送信する親機1は、データ収集期間が終了する前に直流ブレーカ71へ制御用データを送信することが望ましい。このように、データ収集を終了しないデータ収集期間において親機1は子機2−1から子機2−9からデータ収集を要求する要求データに対応する応答データに基づく収集データの受信および、直流ブレーカー71が制御する子機2−xに接続された直流機器(図示せず)の制御用データを送信し、直流ブレーカー71はデータ収集終了データを受信した後に、直流ブレーカー71が制御する直流機器(図示せず)の動作を指示する動作指示データを子機2−xに送信することによって、動作を指示する動作指示データとデータ収集を要求する要求データに対応する応答データに基づく収集データとの送受信が混在するという不具合発生を抑制することが可能となっている。なお、ここで、直流ブレーカ71と制御の対象である直流機器(図示されず)との信号経路は子機2を介する経路以外の信号経路が存在せず、親機1はデータ収集期間の終了を迅速に直流ブレーカ71、子機2−1から子機2−9に伝達することが可能となっているので、直流ブレーカー71は親機1を介さず直流機器(図示せず)の動作指示を行うことが可能となっている。従って、子機2−xに接続された直流機器も結果として、動作指示とデータ収集のための動作が繰り返されるので、直流ブレーカー71および子機2−1に接続された機器の誤動作発生頻度を低減することが可能となっている。また、親機1が子機2−xから収集したデータに基づいて制御用信号データを作成する場合は、データ収集終了データの送信時に多少の遅れ(タイムラグ)を持たせても良いし、あるいは、判定手段11が直流ブレーカー71および子機2−xに制御用データの送信が完了したことを判定した以降に、データ収集終了データを送信しても良い。このようにすれば、データ収集終了データの送信を以って休止期間に移行することが可能となる。そして、休止期間において直流ブレーカー71が子機2−xに直流機器の動作を指示をする動作指示データを送信することが望ましい。結果として、直流機器は休止期間において、子機2−xからの動作指示データに基づいて制御されることになるので、データ収集期間内に制御されることはなく、データ収集期間おけるデータ収集のための動作と休止期間における動作指示に基づく制御とが繰り返されることになる。なお、ここでは直流ブレーカ71が子機2−xに接続された直流機器(図示せず)の動作を指示する動作指示データを送信するとしたが、直流ブレーカ71に限ることはなく、子機2−xの少なくとも1つが動作を指示する動作指示データを送信してもよいし、ネットワークに接続された第3の機器が動作を指示する動作指示データを送信してもよい。なお、子機2が直流機器(図示せず)へ動作を指示する動作指示データを送信する場合は、親機1から直流機器(図示せず)の制御用データおよびデータ収集終了データを受信することで、子機2自体が動作指示データを送信するので、子機2に接続された機器の誤動作発生頻度を低減することが可能となっている。また、直流機器(図示せず)を親機1、子機2−1から子機2−9またはその一部と考えても良いし、親機1または子機2−x(xは1から9)に接続された電子機器(図示せず)と考えてもよく、その形態は特に限定されるものではない。つまり、ネットワーク接続された機器がデータ収集終了データおよび動作指示のデータを繰り返し受信することで、誤動作発生頻度を低減することが可能となっている。
【0062】
本実施形態では直流配電システムについて説明したが、直流配電システムに限るものではなく、様々な電気機器の制御に適用できるものであり、また、実施形態1から4に説明した通信システムを直流配電システムに適用できることはいうまでもない。つまり、親機に接続されたブレーカなどの機器からの直流機器への動作指示と親機に接続された子機に接続された直流機器からのデータ収集とを繰り返すので、子機は動作指示データとデータ収集を要求する要求データとの受信を繰り返すことになり、子機に接続された直流機器も結果として、動作指示に基づく制御とデータ収集のための動作が繰り返され、互いの信号の受信が干渉することがないので誤動作発生頻度を低減できるデータ通信システムおよび直流配電システムを実現することが可能となる。
【符号の説明】
【0063】
1 親機
2 子機
2−1 子機A
2−2 子機B
2−3 子機C
2−4 子機D
2−5 子機E
2−6 子機F
3 通信ライン
4 データ通信システム
11 判定手段
12 第1の通信手段
21 識別子
22 識別判定手段
23 第2の通信手段
25 データ収集
26 休止
27 データ収集の期間
29 データ収集の期間
28 休止の期間
41 データ収集期間
42 データ収集期間
43 休止期間
44−1 45−1 要求データA
44−2 44−6 44−8 要求データB
44−3 44−7 44−9 要求データC
44−4 45−4 要求データD
44−5 45−5 要求データE
45−2 45−6 45−8 要求データB
45−3 45−7 45−9 要求データC
50−1 応答データA
50−2 50−6 50−8 応答データB
50−3 50−7 50−9 応答データC
50−4 応答データD
50−5 応答データE
51−1 52−1 応答データA
51−2 51−6 51−8 応答データB
51−3 51−7 応答データC
51−4 応答データD
51−5 応答データE
59−10 61−7 データ収集終了データ
70 直流配電システム
71 直流ブレーカ
72 直流電力供給部
73 通信線
S101〜S114 親機のデータ処理ステップ
S201〜S203 子機のデータ収集処理ステップ
S301〜S320 親機のデータ処理ステップ
S401〜S408 親機のデータ処理ステップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
親機と、当該親機とネットワーク接続されたN(N≧1)個のそれぞれを識別する識別子を有する子機とが、データの送受信を行うデータ通信システムであって、前記親機が、前記子機へ前記識別子を含むデータ収集を要求する要求データを送信するとともに、前記データ収集を要求する要求データの送信以降に、前記子機へ前記データ収集を要求する要求データを再送信する第1の通信手段と、前記子機から受信する前記データ収集を要求する要求データに対応する応答データの正常および異常を判定する判定手段と、を有し、前記子機が、前記識別子を含むデータ収集を要求する要求データに記述された識別子を判定する識別判定手段と、前記識別判定手段からの判定結果に基づいて、前記識別子を含む前記データ収集を要求する要求データに対応する応答データを前記親機へ送信する第2の通信手段と、を有し、前記第1の通信手段がM個(M≧1、M≦N)の子機に対して前記識別子を含むデータ収集を要求する要求データを送信するとともに、前記判定手段が前記M個の子機に対応する判定を行った以降に、前記判定手段の判定結果が異常であるL(i)個(但し、iは整数、L(i)≦M)の子機に、前記第1の通信手段が前記データ収集を要求する要求データを再送信することを特徴とするデータ通信システム。
【請求項2】
前記判定手段は、前記判定手段が前記M個の子機に対応する判定を行った以降に、前記判定手段の判定結果が異常であるL(i)個(1≦i≦K、Kは送信回数の上限を示す1以上の整数)の子機に、前記第1の通信手段が前記データ収集を要求する要求データの前記再送信を行った子機から受信する前記データ収集を要求する要求データに対する応答データの正常および異常を判定し、前記L(i)個の子機に対する判定を行った以降に、前記判定手段の判定結果が異常であるL(i+1)個(但し、L(i+1)≦L(i))の子機に、前記第1の通信手段が前記データ収集を要求する要求データを再送信し、以降、前記判定手段の判定結果が異常であるL(i)個の子機に対する判定を行った以降に、前記判定手段の判定結果が異常であるL(i+1)個の子機に、前記第1の通信手段が前記データ収集を要求する要求データを再送信する動作を再送信の上限回数K回(但し、K≧1)まで繰り返すことを特徴とする請求項1に記載のデータ通信システム。
【請求項3】
前記判定手段は、前記子機のそれぞれに対応する識別子毎に、前記データ収集を要求する要求データに対応する応答データに対する応答データの異常種類毎の異常の発生回数が、前記子機のそれぞれに対する識別子毎に、前記データ収集を要求する要求データに対応する応答データに対する応答データの異常種類毎に予め定められた上限設定値Fを超えたときに、前記異常種類とみなされる前記子機から受信する前記データ収集を要求する要求データに対応する応答データに対して異常と判定しないことにより、前記第1の通信手段が前記再送信を行わないことを特徴とする請求項1または2の何れか1項に記載のデータ通信システム。
【請求項4】
前記子機のそれぞれに対応する識別子毎に、前記データ収集を要求する要求データに対する応答データの異常種類毎にカウントされ、前記データ収集を要求する要求データに対する応答データが正常と判定されるまでまたは、前記親機が前記子機に前記データ収集を要求する要求データを送信する回数である前記再送信および送信回数の和である最大送信回数設定値E(F≦E)以上となるまでリセットされない前記それぞれの子機に対応する異常判定累積回数Gと、前記上限設定値Fと、に基づいて、前記判定手段が前記データ収集を要求する要求データを送信および再送信する回数を決定するものであって、前記判定手段は、前記異常判定累積回数Gと前記最大送信回数設定値Eとが所定の条件を満たす場合に、前記上限設定値Fを更新し、前記データ収集を要求する要求データを送信および再送信する回数を決定することを特徴とする請求項3に記載のデータ通信システム。
【請求項5】
前記判定手段は、前記データ収集を要求する要求データを送信すべき全てのM個の前記子機がないと判定した場合に、前記第1の通信手段が前記判定手段よる判定を行うデータ収集期間が終了したことを示すデータ収集終了データを送信することを特徴とする請求項1ないし4の何れか1項に記載のデータ通信システム。
【請求項6】
直流電力供給部と、ネットワーク接続された当該直流電力供給部に接続された直流ブレーカー、当該直流ブレーカーに並列に接続された前記親機および前記子機、および前記子機に接続された直流機器を有する直流配電システムであって、前記親機が収集した前記直流機器からのデータ収集を要求する要求データに対応する応答データに基づく収集データに基づいた前記直流機器用の制御用データを前記直流ブレーカーに送信することで、前記直流ブレーカが前記データ収集終了データの受信後に前記子機に接続された前記直流機器の制御を行う請求項5に記載のデータ通信システムを有する直流配電システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−115743(P2013−115743A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−262590(P2011−262590)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000003067)TDK株式会社 (7,238)
【Fターム(参考)】