説明

トゥソックス用パッケージ

【課題】トゥソックスを流通乃至販売する場合に、その商品形体や材質などを判りやすくして、商品選びの容易化を図り、購買意欲を高めさせるようにする。
【解決手段】トゥソックス2を保持する型片3とこれに連結された表装片4とを有していると共にこれら両片3,4との連結部に折り目部5が形成されており、型片3には折り目部5から遠い方の端部にトゥ差し部12が形成され、表装片には型片との折り合わせ時に外へ向く面に広告面20が形成されており、両片の折り合わせ時には型片のトゥ差し部が表装片よりも突出するように表装片よりも型片が長く形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トゥソックス用パッケージに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ハイヒール等の靴を履くときにはつま先だけを覆う形体をしたトゥソックスを使用することがある。このトゥソックスを流通乃至販売するには、トゥソックスをコンパクトに折り畳んだ状態にして透明の小袋に詰め、小袋の口を封鎖したうえで商品棚へ並べるといった方法を採っていた。
なお、トゥソックス以外の通常のソックスを流通乃至販売する場合には、紙等で形成されたパッケージを採用することがあった(例えば、特許文献1等参照)。この種のパッケージは、二つ折りしたソックスを胴巻き状に取り囲むような状態にするもので、吊り下げ用のフック部が付属されていた。
【特許文献1】実公昭57−27334号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
トゥソックスを小袋へ詰めてしまうと、小袋の外からはトゥソックスを広げた状態が判らないため、つま先へ着用した状態を想像することも困難となり、商品を選ぶうえで非常に不便であった。また、微妙な色合いを知ることも困難であると共に、肌触り感や伸縮性を直接、手に触れて判別することもできないという欠点もあった。
殊に、トゥソックスには踵へ引っ掛けるためのヒール紐が設けられたものも商品化されているが、このヒール紐の有無や形体なども小袋の外からでは判りにくいということがあった。
【0004】
なお、商品形体との兼ね合いで小袋自体、かなり小さめのものとなってしまうため、この小袋に商品説明や着用イメージの写真を表示することはそもそも困難であり、販売時に吊り下げるためのフック部を設けるといったことも困難であった。これらの事情は、例えトゥソックス以外の通常のソックス用に開発されたパッケージ(特許文献1等)を参考にしても、これをトゥソックス用パッケージを開発するヒントにはできないことの根拠でもある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、トゥソックスを流通乃至販売する場合に、その商品形体や材質などを判りやすくして、商品選びの容易化を図り、購買意欲を高めさせるようにしたトゥソックス用パッケージを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するために、本発明は次の手段を講じた。
即ち、本発明に係るトゥソックス用パッケージは、トゥソックスを保持する型片とこの型片に連結された表装片とを有していると共にこれら型片と表装片との連結部に対してこれら両片を折り合わせ可能にする折り目部が形成されている。
そして型片には、折り目部から遠い方の端部にトゥソックスをトゥ部形状に整形保持するトゥ差し部が形成され、表装片には、型片との折り合わせ時に外へ向く面に広告面が形成されている。
【0006】
また両片の折り合わせ時には、型片のトゥ差し部が表装片よりも突出するように表装片よりも型片が長く形成されている。
このような構成であることから、型片のトゥ差し部へトゥソックスを被せることで、トゥソックスを足のつま先に履かせたような疑似形状(つま先に沿った半円形状)に整形保持できる。この状態で型片と表装片とを折り合わせるようにすると、トゥソックスのトゥ部形状(つま先に沿った半円形状)だけを露出させつつそれ以外を表装片で隠すようにできる。表装片は外に向く面が広告面となっているため、このままの状態でトゥソックスを販売等に向けて展示することができる。
【0007】
従って、トゥソックスを流通乃至販売する場合に、商品形体や材質などを判りやすくすることができ、もって商品選びを容易にし購買意欲を高めさせることができる。また、トゥソックスをわざわざ袋型の包装材へ詰める必要がないため、商品選びをする者はトゥソックスの色合い、肌触り感、伸縮性等を直接、見たり手で触れたりして確かめることができる。
表装片は、型片との折り合わせ時に、当該型片におけるトゥ差し部の両脇縁を覆い隠すように型片の少なくともトゥ差し部よりも幅広に形成しておくのが好適である。
【0008】
このようにすることで、型片と表装片とを折り合わせた状態として、型片のトゥ差し部に被せたトゥソックスの両側部が表装片の両側部から見えない(はみ出さない)ようにすることができるので、表装片の広告面によって生じる美観が損なわれることがなく、展示状態として好ましいと言える。
型片及び表装片の折り目部近傍には、両片の折り合わせ時にこれら両片間で合致して表裏貫通するフック孔を設けておくとよい。
このようにすると、フック孔を展示ラック等のフックへ引っ掛けるようにしてこのパッケージを吊り下げることができる。この吊り下げ状態としたとき、型片のトゥ差し部に被せたトゥソックスは下向きとなり、その上部側に表装片による広告面が位置付けられるようになるので、パッケージ全体としてスマートな展示状態が得られる。
【0009】
また、展示ラック等のフックがフック孔へ引っ掛けられている状態として、このフックが型片と表装片との折り合わせ状態を保持させる作用(かすがい的な作用)を生じるようになり、展示状態のなかで型片と表装片とが無理矢理開かれたり、パッケージ中の商品(即ち、トゥソックス)が汚損や破損等されることを防止できる利点もある。
表装片には、型片との折り合わせ時に型片を抱き込むように折り返し可能となる開封ツマミ片を設けるとよい。
このようにすると、この開封ツマミ片を利用して型片と表装片との折り合わせ状態をしっかりと結合させることができる。また型片と表装片との折り合わせ状態を解くうえでこの開封ツマミ片を把持して軽快で且つ迅速な折り合わせ解除(即ち、パッケージを開封して中の商品であるトゥソックスを取り出す行為)ができるようになる。
【0010】
型片には、トゥ差し部へ保持したトゥソックスのヒール紐を、張りを持たせた状態に引っ掛け保持させるための紐掛け部を設けることができる。
このような紐掛け部はトゥソックスがヒール紐を具備する場合の対応であって、このヒール紐の仕舞い処理(パッケージからヒール紐がはみ出したりぶらぶらしたりせず且つ綺麗に見える処理)が好適に行えるようになる。
本発明に係るトゥソックス用パッケージは、複数足のトゥソックスをパッケージする構成とすることも可能である。
【0011】
すなわち、表装片の脇方に隣接する状態で背装片が連結されていると共にこれら背装片と表装片との連結部に対してこれら両片を折り合わせ可能にする折り目部が形成されており、背装片には、表装片に連結された型片と並行するようにして補助型片が連結されていると共にこれら背装片と補助型片との連結部に対してこれら両片を折り合わせ可能にする折り目部が形成されており、補助型片には折り目部から遠い方の端部にトゥソックスをトゥ部形状に整形保持するトゥ差し部が形成され、背装片には背装片との折り合わせ時に外へ向く面に背部広告面が形成されているものとする。
【0012】
このように型片とは別に補助型片をも具備させることで、複数足のトゥソックスをパッケージさせることができるのである。なお、背装片の背部広告面は、トゥソックスのサイズや材質、取扱方法、製造会社名などの製品情報を記載するのに使用してもよい。
この場合、表装片と型片とを折り合わせ且つ背装片と補助型片とを折り合わせた状態で更に表装片と背装片とを折り合わせたとき、補助型片のトゥ差し部が型片のトゥ差し部を超えて更に突出するように、背装片からの補助型片の連結長さを決めておくとよい。
このようにすると、型片によって整形保持させるトゥソックスと、補助型片によって整形保持させるトゥソックスとを、互いに位置ズレさせた状態(階段状にずらした状態)で展示させることができる。そのため、これを見る者に対し、一目で複数足のトゥソックスがパッケージされていることを理解させることができる。また各トゥソックスとして異なる色を組み合わせることでパッケージ全体としての見栄えを向上させることも可能となり、購買意欲を高めさせるうえで有益となる。
【0013】
なお、上記した背装片を省略することも可能である。すなわち、表装片の脇方に隣接する状態で補助型片が連結されていると共にこれら補助型片と表装片との連結部に対してこれら両片を折り合わせ可能にする折り目部が形成されており、補助型片には、表装片との折り合わせ時に表装片におけるフック孔から遠い方の端部側で当該表装片よりも突出してトゥソックスをトゥ部形状に整形保持するトゥ差し部が形成されているものとする。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係るトゥソックス用パッケージでは、トゥソックスを流通乃至販売する場合に、商品形体や材質などを判りやすくすることができ、もって商品選びを容易にし購買意欲を高めさせることができるできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき説明する。
図1乃至図6は、本発明に係るトゥソックス用パッケージ1の第1実施形態を示したものであって、図1はパッケージ1の使用状態(トゥソックス2をパッケージした状態)を示した正面図であり、図2はパッケージ1の展開図(トゥソックス2は省略している)である。
また図3は図2に示したパッケージ1における折り畳み手順の1及び2を示した斜視図であり、図4は折り畳み手順の3及び4を示した斜視図であり、図5は折り畳み手順の1〜4を示した平面図である。更に、図6は展開状態のパッケージ1に対してトゥソックス2を装填する状況を説明した正面図である。
【0016】
なお、本第1実施形態のパッケージ1は、複数足(図例では2足)のトゥソックス2をパッケージできるようになったものを示している。またトゥソックス2は、図6から明かなように、半円形の伸縮生地を2枚重ね合わせるようにしつつ、それらの外周円部を縫製して袋状に形成された袋部2aと、この袋部2aの両端を結ぶように連結された伸縮性のヒール紐2bとを有したものとしてある。袋部2aで足のつま先を覆うようにしこの状態でヒール紐2bを踵側へ引っ掛けるようにして着用することになる。
図2に示すように、このパッケージ1は、トゥソックス2を保持する型片3と、この型片3に連結された表装片4とを有しており、これら型片3と表装片4との連結部には、これら両片3,4を折り合わせ可能にする折り目部5が形成されている。
【0017】
またこのパッケージ1は、表装片4の脇方に隣接する状態で連結された背装片6と、この背装片6に対し、表装片4に連結された型片3と並行するようにして連結された補助型片7とを有している。表装片4と背装片6との連結部にはこれら両片4,6を折り合わせ可能にする折り目部8が形成され、背装片6と補助型片7との連結部にはこれら両片6,7を折り合わせ可能にする折り目部9が形成されている。
なお、これら型片3、表装片4、背装片6、補助型片7は、紙、樹脂含浸紙、樹脂コーティング紙、樹脂フィルムのラミネート紙、樹脂シート、又は樹脂板、その他によって形成されたもので、全てが一体的に連結されたもの(1枚の素材から形成されたもの)、或いは別体のパーツ片を接着などして連結されたものとして形成することができる。
【0018】
型片3には、表装片4との折り目部5から遠い方の端部に、トゥソックス2をトゥ部形状に整形保持するトゥ差し部12が形成されており、またこのトゥ差し部12から折り目部5に向けて所定だけ離れた位置に紐掛け部13が設けられている。
トゥ差し部12は、トゥソックス2の袋部2aを綺麗に広げた状態で展示できるようにしたもので、例えば半円形等として形成されている。そのためこのトゥ差し部12へトゥソックス2を被せることで、トゥソックス2を足のつま先に履かせたような疑似形状(つま先に沿った形状)に整形保持できる。
【0019】
紐掛け部13は、トゥ差し部12へ保持させたトゥソックス2のヒール紐2bを引っ掛け保持させるためのものである。そのためこの紐掛け部13にヒール紐2bを引っ掛けておけば、ヒール紐2bは張りを持った状態を保持するようになり、パッケージ1からはみ出したりぶらぶらしたりしない。またヒール紐2bが直線的で整然となる外観を呈するようになるので体裁が良い(図6参照)。
本第1実施形態では、互いに所定間隔をおいて離れた2箇所に小穴14が設けられ、これら両小穴14が、トゥ差し部12から表装片4との折り目部5へ向かう方向で鍋形の断面を呈するような切欠線15により繋がれており、この切欠線15の内側に小片16が形成される構造としてある。この小片16を切り起こすようにすることで、紐掛け部13が形成されるのである。
【0020】
表装片4は、折り目部5を境として型片3と折り合わせたときに外へ向く面(型片3とは反対側を向く面)に、広告面20が形成されている。この表装片4は、上記した型片3との相関として、それらの大きさ(幅及び長さ)が決められている。
すなわち、型片3と表装片4との折り合わせ時に、型片3のトゥ差し部12が表装片4よりも突出するように表装片4よりも型片3が長く形成されている(図3(B)及び図5(B)参照)。更に言えば、型片3のトゥ差し部12へトゥソックス2の袋部2aを被せた状態にしたうえで型片3と表装片4とを折り合わせたとき、トゥソックス2の袋部2aにおけるトゥ部形状(つま先に沿った半円形状)だけが表装片4の先端部から突出するように、型片3の長さL1と表装片4の長さL2が決められている(L1>L2)。
【0021】
また、この折り合わせ時に型片3におけるトゥ差し部12の両脇縁が表装片4によって覆い隠されるように、型片3における少なくともトゥ差し部12の幅W1よりも表装片4の幅W2の方が幅広になるように両片3,4の幅が決められている(W1<W2)。従ってトゥソックス2は、表装片4の先端部から突出するトゥ部形状(つま先に沿った半円形状)以外、全てが表装片4によって隠れるようになる(図1参照)。そのため、このままの状態でトゥソックス2を販売等に向けて展示することができるのである。
すなわち、型片3と表装片4との折り合わせ時にあって、トゥソックス2は袋部2aとヒール紐2bとの連結部分やヒール紐2b全体といった部分(これらの部分は商品としてのトゥソックス2においてそれほどアピールする必要のない部分である)が表装片4によって覆い隠されるようになり、表装部4によって生じる美観が損なわれることがなく、展示状態として好ましいと言える。
【0022】
また、上記したように表装片4は外に向く面(型片3から見れば当該型片3の上に重ねられる方の面と言える)が広告面20となっているので、このパッケージ1を見る者は、外観性に優れた広告面20を見ながら、商品としてのトゥソックス2につき、重要視されるデザインや機能性の必要不可欠な部分だけを重点的に観察することができることになる。必要に応じて、この広告面20にヒール紐2bを含めたトゥソックス2の全体形体や着用写真などを印刷しておくこともできる。
なお本第1実施形態では、型片3において、折り目部5から紐掛け部13が設けられている周辺までは表装片4の幅W2と同じ幅寸法として、そこから先方を上記した幅W1へと幅狭化させてある。これにより、型片3は可及的に幅広の領域が広くなり、折り目部5や紐掛け部13の強度アップに有益に作用するものとなっている。
【0023】
具体的には幅W1=85mm、W2=95mm、L1=180mm、L2=150mmとした。L1,L2については、トゥソックス2の大きさに支配されるところが強く、小型化にはある程度の妥当な寸法が制限されるが、大型化には特に制限はなく、表装片4に形成する広告面20のアピール度合いや手に持った感触、商品流通上の各種事情などを考慮して適宜選択可能である。また表装片4の形状についても図例では長方形としているが、他の形状を採用することが任意に選択可能となっている。
型片3の折り目部5近傍にはフック孔23が設けられている。同様に、表装片4の折り目部5近傍にはフック孔24が設けられている。型片3に設けられたフック孔23と表装片4に設けられたフック孔24とは、型片3と表装片4との折り合わせ時に、これら両片3,4間で合致して表裏貫通するようになっている。
【0024】
このようなことから、フック孔23,24を展示ラック等のフック(図示略)へ引っ掛けるようにしてこのパッケージ1を吊り下げることができる。パッケージ1をこのような吊り下げ状態としたとき、型片3のトゥ差し部12に被せたトゥソックス2は下向きとなり、その上部側に表装片4による広告面20が位置付けられるようになるので、パッケージ1の全体としてスマートな展示状態が得られることになる。
また、展示ラック等のフック(図示略)がフック孔23,24へ引っ掛けられている状態として、このフックが型片3と表装片4との折り合わせた状態を保持させる作用(かすがい的な作用)を生じるようになり、展示状態のなかで型片3と表装片4とが無理矢理開かれたり、パッケージ1中の商品(即ち、トゥソックス2)が汚損や破損等されることを防止できる利点もある。
【0025】
本第1実施形態のフック孔23,24は、折り目部5を介してL字状に連通する溝状のものとしてあるため、型片3と表装片4とを折り合わせたときにはこれらフック孔23,24の一端側が上方へ開通した形状となる。そのため、展示ラック等のフック(図示略)に対し、このパッケージ1を引っ掛けたり取り外したりすることが容易にできることになる。ただ、フック孔23,24はこのような溝状とすることが限定されるものではなく、丸孔や角穴などとして形成することも可能である。
一方、背装片6は、型片3と表装片4とが折り目部5を境として折り合わされているときにあって、表装片4との折り目部8を境に、型片3をその外側から抱き込むようにして表装片4と折り合わされる(図4(A)及び図5(C)参照)。この背装片6の幅W3は、表装片4の幅W2と同じとされている(W3=W2)。なお、背装片6の長さL3は表装片4の長さL2を超えなければ特に決められていない。
【0026】
背装片6には、表装片4との折り合わせ時に外へ向く面に背部広告面27が形成されている。この背部広告面27は、トゥソックス2のサイズや材質、取扱方法、製造会社名などの製品情報を記載するのに使用すればよい。
補助型片7は、背装片6が表装片4と折り合わされる前に、予め、折り目部9を境として背装片6と折り合わされるもので、その折り合わせの向きは、表装片4と背装片6との折り合わせ時にこれら両片4,6の間に補助型片7が挟み込まれるような向きとされている(図3(B)及び図5(B)参照)。
【0027】
この補助型片7には折り目部9から遠い方の端部に、トゥソックス2をトゥ部形状に整形保持するトゥ差し部28が形成されており、またこのトゥ差し部28から折り目部9に向けて所定だけ離れた位置に紐掛け部29が設けられている。
トゥ差し部28は、上記した型片3のトゥ差し部12と実質的に同じもので、トゥソックス2の袋部2aを綺麗に広げた状態で展示できるように、例えば半円形等として形成されている。そのためこのトゥ差し部28へトゥソックス2を被せることで、トゥソックス2を足のつま先に履かせたような疑似形状(つま先に沿った形状)に整形保持できる。
【0028】
紐掛け部29は、上記した型片3の紐掛け部13と実質的に同じもので、トゥ差し部29へ保持させたトゥソックス2のヒール紐2bを引っ掛け保持させるようになっている。そのためこの紐掛け部29にヒール紐2bを引っ掛けておけば、ヒール紐2bは張りを持った状態を保持するようになり、パッケージ1からはみ出したりぶらぶらしたりしない。またヒール紐2bが直線的で整然となる外観を呈するようになるので体裁が良い(図6参照)。
本第1実施形態では、互いに所定間隔をおいて離れた2箇所に小穴30が設けられ、これら両小穴30が、トゥ差し部28から背装片6との折り目部9へ向かう方向で鍋形の断面を呈するような切欠線31により繋がれており、この切欠線31の内側に小片32が形成される構造としてある。この小片32を切り起こすようにすることで、紐掛け部29が形成されるのである。
【0029】
補助型片7は、折り目部5を境として表装片4と型片3とを折り合わせ、且つ、折り目部9を境として背装片6と補助型片7とを折り合わせた状態で、更に折り目部8を境として表装片4と背装片6とを折り合わせたときに(図4(A)参照)、これら全ての片3,4,6との相関として、その大きさ(幅及び長さ)が決められている。
すなわち、補助型片7のトゥ差し部28が型片3のトゥ差し部12を超えて更に突出するように、背装片6からの補助型片7の連結長さL4が決められている。
具体的には、表装片4の長さ方向に対して背装片6と補助型片7との折り目部9が位置付けられる距離L5を約80mmとしたとき、L4=150mmとした。すなわち、表装片4から型片3のトゥ差し部12が突出する長さ(L1−L2=30mm)に比べて、表装片4から補助型片7のトゥ差し部が突出する長さ(L4−L5=70mm)の方が長くなり(40mm)、この分が、補助型片7のトゥ差し部12から型片3のトゥ差し部12が突出する長さということになる(L4−L5>L1−L2)。
【0030】
そのため、型片3によって整形保持させるトゥソックス2と、補助型片7によって整形保持させるトゥソックス2とを、互いに位置ズレさせた状態(階段状にずらした状態)で展示させることができ、これを見る者に対し、一目で複数足のトゥソックス2がパッケージされていることを理解させることができる(図1参照)。また各トゥソックス2として異なる色を組み合わせることでパッケージ全体としての見栄えを向上させることも可能となり、購買意欲を高めさせるうえで有益となる。
また、この折り合わせ時に補助型片7におけるトゥ差し部28の両脇縁が表装片4によって覆い隠されるように、補助型片7における少なくともトゥ差し部28の幅W4よりも表装片4の幅W2の方が幅広になっている(W4<W2)。具体的には幅W4=89mmとした。
【0031】
従って補助型片7によって保持されるトゥソックス2は、型片3のトゥ差し部12から突出するトゥ部形状(つま先に沿った半円形状)以外、全てが型片3によって隠れるようになる。そのため、このままの状態でトゥソックス2を販売等に向けて展示することができるのである。
ところで、本第1実施形態では、表装片4に対し、型片3との折り合わせ時に型片3を抱き込むように折り返し可能となる開封ツマミ片35が設けられている(図4(B)及び図5(D)参照)。この開封ツマミ片35の大きさや形状、位置付けなどは特に限定されるものではない。
【0032】
この開封ツマミ片35は、折り目部5を境として表装片4と型片3とを折り合わせ、且つ、折り目部9を境として背装片6と補助型片7とを折り合わせ、更に折り目部8を境として表装片4と背装片6とを折り合わせた後に、接着剤、両面テープ、ホットメルト、超音波接着など、適宜方法により背装片6の背部広告面27に接着させるようにする。
このようにすることで、型片3と表装片4との折り合わせ状態をはじめとして、背装片6と補助型片7との折り合わせ状態、表装片4と背装片6との折り合わせ状態を、全て一気に、且つしっかりと結合させることができる。またこれらの折り合わせ状態を解くうえで、この開封ツマミ片35を把持して軽快で且つ迅速な折り合わせ解除(即ち、パッケージ1を開封して中の商品であるトゥソックス2を取り出す行為)ができるようになる。
【0033】
図2から明かなように、表装片4の広告面20、背装片6の背部広告面27、開封ツマミ片35において背装片6を抱き込むようにしたときの外側面は、いずれもこれら各片4,6,35を展開させた状態下で同一面に揃っている。そのため、これら各片4,6,35に対する印刷、或いはコーティングやラッピング等の表面処理は、素材の片面に一気に施すことができるものであり、製造上のコストダウンや製造能率向上に好適となる。
以上の説明から明かなように、トゥソックス2を流通乃至販売する場合に本発明に係るパッケージ1を採用することで、トゥソックス2としての商品形体や材質などを判りやすくすることができ、もって商品選びを容易にし購買意欲を高めさせることができる。
【0034】
図7は、本発明に係るトゥソックス用パッケージ1の第2実施形態について、その展開状態を示している。この第2実施形態のパッケージ1では、表装片4の脇方に隣接する状態で背装片6が連結されているが、この背装片6に対して補助型片7は設けられていない点で上記第1実施形態と異なっている。
すなわち、トゥソックス2は型片3のトゥ差し部12に対してのみ、保持させることができるので、パッケージ1全体として一つのトゥソックス2を流通、展示、販売させるのに適した実施形態である。その他の構成、作用効果は第1実施形態と略同様である。
【0035】
図8は、本発明に係るトゥソックス用パッケージ1の第3実施形態について、その展開状態を示している。この第3実施形態のパッケージ1では、表装片4の脇方に隣接する状態で、直接、補助型片7が連結されている(即ち、背装片6を具備していない)点で上記第1実施形態と異なっている。
なお、表装片4と補助型片7との連結部には、これら両片4,7を折り合わせ可能にするための折り目部40が形成されている。補助型片7にトゥ差し部28や紐掛け部29が設けられていることをはじめとして、その他の構成や作用効果は第1実施形態と略同様である。
【0036】
ところで、本発明は、上記各実施形態に限定されるものではなく、実施の形態に応じて適宜変更可能である。
例えば、トゥソックス2は必ずしもヒール紐2bを具備しているとは限らないので、ヒール紐2bを具備しないトゥソックス2を対象とする場合には、紐掛け部13は省略することができる。また袋部2aについても、その形状として必ずしも半円形に形成されているとは限らないので、型片3や補助型片7におけるトゥ差し部12,は、個々のトゥソックス2についてその袋部2aの形状に即した形状に形成すればよい。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明に係るトゥソックス用パッケージの第1実施形態についてその使用状態(トゥソックスをパッケージした状態)を示した正面図である。
【図2】第1実施形態のパッケージ(トゥソックスは省略)を示す展開図である。
【図3】(A)は図2に示したパッケージにおける折り畳み手順の1を示した斜視図であり(B)はその2を示した斜視図である。
【図4】(A)は図2に示したパッケージにおける折り畳み手順の3を示した斜視図であり(B)はその4を示した斜視図である。
【図5】図3及び図4で説明した折り畳み手順の1〜4を示した平面図であって図5(A)は図3(A)に相当し図5(B)は図3(B)に相当し図5(C)は図4(A)に相当し図5(D)は図4(B)に相当している。
【図6】展開状態のパッケージに対してトゥソックスを被せる状況を説明した正面図である。
【図7】本発明に係るトゥソックス用パッケージの第2実施形態を示した展開図である。
【図8】本発明に係るトゥソックス用パッケージの第3実施形態を示した展開図である。
【符号の説明】
【0038】
1 パッケージ
2 トゥソックス
2b ヒール紐
3 型片
4 表装片
5 型片と表装片との折り目部
6 背装片
7 補助型片
8 背装片と表装片との折り目部
9 背装片と補助型片との折り目部
12 型片のトゥ差し部
13 紐掛け部
20 広告面
23 型片のフック孔
24 表装片のフック孔
27 背部広告面
28 補助型片のトゥ差し部
35 開封ツマミ片
40 補助型片と表装片との折り目部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トゥソックス(2)を保持する型片(3)とこの型片(3)に連結された表装片(4)とを有していると共にこれら型片(3)と表装片(4)との連結部に対してこれら両片(3,4)を折り合わせ可能にする折り目部(5)が形成されており、
型片(3)には折り目部(5)から遠い方の端部にトゥソックス(2)をトゥ部形状に整形保持するトゥ差し部(12)が形成され、
表装片(4)には型片(3)との折り合わせ時に外へ向く面に広告面(20)が形成されており、
両片(3,4)の折り合わせ時には型片(3)のトゥ差し部(12)が表装片(4)よりも突出するように表装片(4)よりも型片(3)が長く形成されている
ことを特徴とするトゥソックス用パッケージ。
【請求項2】
前記表装片(4)は、型片(3)との折り合わせ時に当該型片(3)におけるトゥ差し部(12)の両脇縁を覆い隠すように型片(3)の少なくともトゥ差し部(12)よりも幅広に形成されていることを特徴とする請求項1記載のトゥソックス用パッケージ。
【請求項3】
前記型片(3)及び表装片(4)の折り目部(5)近傍には、両片(3,4)の折り合わせ時にこれら両片(3,4)間で合致して表裏貫通するフック孔(23,24)が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のトゥソックス用パッケージ。
【請求項4】
前記表装片(4)には、型片(3)との折り合わせ時に型片(3)を抱き込むように折り返し可能とされた開封ツマミ片(35)が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のトゥソックス用パッケージ。
【請求項5】
前記型片(3)には、トゥ差し部(12)へ保持したトゥソックス(2)のヒール紐(2b)を張りを持たせた状態に引っ掛け保持させる紐掛け部(13)が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のトゥソックス用パッケージ。
【請求項6】
前記表装片(4)の脇方に隣接する状態で背装片(6)が連結されていると共にこれら背装片(6)と表装片(4)との連結部に対してこれら両片(4,6)を折り合わせ可能にする折り目部(8)が形成されており、
背装片(6)には、表装片(4)に連結された型片(3)と並行するようにして補助型片(7)が連結されていると共にこれら背装片(6)と補助型片(7)との連結部に対してこれら両片(6,7)を折り合わせ可能にする折り目部(9)が形成されており、
補助型片(7)には折り目部(9)から遠い方の端部にトゥソックス(2)をトゥ部形状に整形保持するトゥ差し部(28)が形成され、
背装片(6)には表装片(4)との折り合わせ時に外へ向く面に背部広告面(27)が形成されている
ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のトゥソックス用パッケージ。
【請求項7】
前記表装片(4)と型片(3)とを折り合わせ且つ背装片(6)と補助型片(7)とを折り合わせた状態で更に表装片(4)と背装片(6)とを折り合わせたとき、補助型片(7)のトゥ差し部(28)が型片(3)のトゥ差し部(12)を超えて更に突出するように背装片(6)からの補助型片(7)の連結長さが決められていることを特徴とする請求項6記載のトゥソックス用パッケージ。
【請求項8】
前記表装片(4)の脇方に隣接する状態で補助型片(7)が連結されていると共にこれら補助型片(7)と表装片(4)との連結部に対してこれら両片(4,7)を折り合わせ可能にする折り目部(40)が形成されており、
補助型片(7)には、表装片(4)との折り合わせ時に当該表装片(4)におけるフック孔(24)から遠い方の端部側で当該表装片(4)よりも突出してトゥソックス(2)をトゥ部形状に整形保持するトゥ差し部(28)が形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のトゥソックス用パッケージ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−143580(P2008−143580A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−334640(P2006−334640)
【出願日】平成18年12月12日(2006.12.12)
【出願人】(000001339)グンゼ株式会社 (919)
【Fターム(参考)】