トビナワ及びトビナワに用いる重量部材
【課題】従来よりも跳びやすいトビナワを提供する。
【解決手段】 ロープ2と、ロープ2の端部に設けられるグリップ3と、ロープ2の中途部に設けられる重量部4とを備え、重量部4は、ロープ2の長手方向の中間位置から所定の離間距離Xをおいてロープに設けられており、重量部4の離間距離Xは、ロープ2の全長をLとしたとき、0.15m以上、0.30L以下である。
【解決手段】 ロープ2と、ロープ2の端部に設けられるグリップ3と、ロープ2の中途部に設けられる重量部4とを備え、重量部4は、ロープ2の長手方向の中間位置から所定の離間距離Xをおいてロープに設けられており、重量部4の離間距離Xは、ロープ2の全長をLとしたとき、0.15m以上、0.30L以下である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、跳びやすさを向上させたトビナワ及びこれに用いる重量部材に関する。
【背景技術】
【0002】
トビナワ(跳び縄)を用いた運動(縄跳び)は、遊びとして、またはトレーニング、健康維持・促進といった種々の目的で幅広く利用されている。この縄跳び運動は、一定時間跳び続けることによってその効果を発揮することができる(トビナワの例として特許文献1参照)。
【0003】
一般に、トビナワは、図12に示すように、所定長さを有するロープ101とロープ101の各端部に設けられるグリップ102を有している。このトビナワを用いた縄跳びの動作は、使用者が両手でそれぞれのグリップ102を握り、このロープ101を回して、ロープ101の中間位置103を頂点として曲がっている部分を飛び越すことによって行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−185035号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のトビナワでは、ロープ101を回したときに、ロープ101の中間位置103を頂点として曲がっている部分は、その間隔(幅)が中間位置103に向かうにつれて徐々に狭くなる(図12参照)。これは、ロープ101を回す際に、ロープ101の中間位置103に最も大きな遠心力が作用するためであるが、このように、ロープ101の中間位置103の付近において曲がっている部分の間隔が狭くなると、これを跳び越す際にロープ101に足が掛かり易くなり、例えば初級者等にとっては縄跳び運動を続けることが難しいものである。
【0006】
この観点から、縄跳び運動を行い易くするためには、使用者が飛び越すロープの部分の幅がより広くなることが望ましい。
【0007】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、従来よりも跳びやすいトビナワ及びこのトビナワに用いる重量部材を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るトビナワは、上記の課題を解決するためのものであって、ロープと、ロープの端部に設けられるグリップと、ロープの中途部に設けられる重量部とを備え、重量部は、ロープの長手方向の中間位置から所定の離間距離Xをおいてロープに設けられており、重量部の離間距離Xは、ロープの全長をLとしたとき、0.15m以上、0.30L以下であることを特徴とする。
【0009】
かかる構成によれば、ロープの中間位置から離れた位置に重量部を設けることによって、重量部に作用する遠心力が増大する。これにより、中間位置に作用する遠心力を相対的に小さくでき、さらに、重量部に作用する遠心力によって、この重量部が設けられている位置のロープの幅が相対的に広くなる。これによって、トビナワは、使用者が跳び越すロープ部分の幅が広くなり、跳びやすくなる。
【0010】
また、本発明に係るトビナワは、前記重量部が、ロープに対して着脱自在な構成とされていてもよい。
【0011】
かかる構成によれば、重量部の位置を変更することで、使用環境や使用者の身体等の使用条件に応じて、トビナワの最適な使用が可能になる。
【0012】
また、本発明に係るトビナワは、前記重量部が、ロープに対して一体に形成される構成を採用できる。
【0013】
かかる構成によれば、トビナワの部品点数を低減でき製造効率を向上させることができる。
【0014】
また、本発明に係るトビナワは、前記重量部の質量をYとし、ロープの1m当たりの質量をMとしたとき、0<Y≦0.58Mとされている構成を採用できる。
【0015】
かかる構成によれば、重量の増加による使用者の疲労等を可及的に低減できるようになる。
【0016】
また、本発明は、トビナワのロープの所定位置に着脱自在に設けられる重量部材であって、ロープの所定位置に固定するための固定手段を有することを特徴とする。
【0017】
かかる構成によれば、この重量部材をロープの所定位置に取り付けることによって、ロープの中間位置に作用している遠心力を、この中間位置と重量部材とで分担できるようになる。これにより、中間位置に作用する遠心力を相対的に低減でき、さらに、重量部材に作用する遠心力によって、この重量部材が設けられている位置のロープの幅が相対的に広くなる。これによって、トビナワは、使用者が跳び越すロープ部分の幅が広くなり、跳びやすくなる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、トビナワを従来よりも跳びやすくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係るトビナワの一実施形態を示す側面図である。
【図2】(a)は、ロープに取り付けられていない状態における重量部の平面図、(b)は、重量部の同じく側面図を示す。
【図3】(a)〜(c)は、ロープに取り付けられていない状態における重量部の他の例を示す側面図である。
【図4】ロープに取り付けられていない状態における重量部の他の例を示す断面図である。
【図5】(a)、(b)は、重量部の他の例を示す側面図である。
【図6】(a)、(b)は、本発明の効果を確認するための比較例、実施例の条件を示す。
【図7】トビナワの実施例1を例示する側面図である。
【図8】トビナワの実施例2を例示する側面図である。
【図9】トビナワの比較例3を例示する側面図である。
【図10】(a)、(b)は、本発明の効果を確認するための試験結果を示す。
【図11】(a)、(b)は、本発明の効果を確認するための試験結果を示す。
【図12】従来のトビナワを示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。図1、図2は、本発明に係るトビナワの一実施形態を示す。
【0021】
図1に示すように、トビナワ1は、ロープ2と、ロープ2の各端部に設けられるグリップ3と、ロープ2の中途部に設けられる重量部(錘部材)4とを備える。
【0022】
ロープ2は、ゴム又は熱可塑性エラストマーその他の種々の材料(例えばポリウレタン、PVC、ポリ塩化ビニリデン、縄等)によって、所定の太さ(例えば直径が2mm〜10mm程度)及び所定の長さ(例えば1.5〜3m程度)に形成される。ロープ2の断面は円形に構成されるが、これに限らず、楕円、多角形その他の種々の断面形状であってもよい。
【0023】
グリップ3は、一端部がロープ2を挿入できるように開口するとともに、他端部が閉塞して形成された筒状に構成されている。グリップ3の内部は、ロープ2の余長部分を収納することができる。グリップ3の一端部には、ロープ2がグリップ3から抜けはずれないように掛止するとともに、ロープ2の回転に追従して回転可能な回転子(図示略)が設けられている。ロープ2は、その端部の余長部分がグリップ3内に収納されるとともに、その中途部で回転子に掛止されている。
【0024】
このグリップ3は、例えば、ポロプロピレン、ポリエチレン、ABS、ポリアセタール、ポリアミド、AES、SBS、PC等の樹脂や木材その他の種々の材料によって形成される。
【0025】
重量部4は、図2に示すように、薄板(薄膜)状の金属(例えば鉛等)によってロープ2の所定位置に着脱自在な重量部材として構成されている。この重量部4は、一方の面に接着シール等の固定手段5が設けられている。これによって、重量部4は、ロープ2の所定位置に巻き付けられるとともに、固定手段5による接着によってロープ2に固定される。固定手段5としては、ロープ2とは別体の粘着テープを採用できる。この場合、ロープ2の所定位置に重量部4を巻き付けた後に、粘着テープを用いて重量部4をロープ2に固定することができる。
【0026】
重量部4は、図1に示すロープ2の中間位置Oから所定の離間距離Xをおいてロープ2に設けられている。また、重量部4は、ロープ2の中間位置Oを挟んで、所定の離間距離Xをおいた2箇所に設けられている。すなわち、2つの重量部4のうち、一方の重量部4の前記中間位置Oからの離間距離Xと、他方の重量部4の前記中間位置Oからの離間距離Xとが等しくなるように設定されている。
【0027】
また、重量部4の前記中間位置Oからの離間距離Xは、中間位置Oから0.15m以上(X≧0.15m)であることが望ましい。これは、人の足の幅が約0.1m程度であることから、これよりも大きく設定することが望ましいことによる。また、この離間距離Xは、ロープ2の全長をLとしたとき、0.30L以下(X≦0.30L)であることが望ましい。より望ましくは、離間距離Xは、0.10L以上0.26L以下(0.1L≦X≦0.26L)である。なお、ロープ2の全長Lとは、図1に示す一方のグリップ3の端部3aから他方のグリップ3の端部3aまでのロープ2の長さをいう。すなわち、ロープ2の全長Lとは、グリップ3に収納されるロープ2の余長部分の長さを除いた長さである。
【0028】
また、重量部4の質量Yは、ロープ2の1m当たりの質量をMとしたとき、0.58M以下となる(Y≦0.58M)ことが望ましい。ここで、ロープ2の1m当たりの質量Mとは、重量部4及びグリップ3がロープ2に取り付けられていない場合におけるロープ2の元の質量を、ロープ2の元の長さで除した値である。また、ロープ2の元の長さとは、ロープ2にグリップ3が取り付けられていない場合におけるロープ2の長さをいう。換言すれば、ロープ2の元の長さとは、グリップ3に収納されるロープ2の余長部分の長さと、前記ロープの全長Lとの和である。例えば、ロープ2の全長Lが2.5mであり、2つのグリップ3に収納される余長部分(各0.05m)の和が0.1mである場合、ロープの元の長さは、2.6mである。
【0029】
図3は、重量部4の他の例を示す。図3(a)に示すように、重量部4は、直線状の筒形状に構成されたものでもよい。この例では、ロープ2の端部を重量部4の内側に挿通するとともに、重量部4をロープ2の長手方向にスライドさせて、紐、クリップ、粘着テープ等の固定手段5によってロープ2の所定位置に重量部4を固定することができる。
【0030】
また、図3(b)に示すように、筒形状に構成された重量部4の長手方向に溝部(切れ込み)7を形成したものを採用できる。この例では、重量部4は、例えば樹脂、金属等の材料によって弾性変形可能に構成されている。重量部4は、溝部7を押し広げてロープ2を内側に入れるとともに、紐、クリップ、粘着テープ等の固定手段5によってロープ2の所定位置に重量部4を固定することができる。
【0031】
また、図3(c)に示すように、重量部4は、その中途部8が曲げられた状態(屈曲形状)の筒状に構成されてもよい。この例では、重量部4の中途部8が曲がっているので、その内部に挿通されたロープ2は、重量部4の形状に応じて変形した状態となる。これにより、この例における重量部4は、ロープ2に対する位置やその質量の他、使用者が跳びやすくなるように、ロープ2の中途部が所定の方向に向くように案内することができる。
【0032】
図4は、重量部4の他の例を示す。この例による重量部4は、本体10と、本体10に保持されるとともにこの重量部4を所定位置で固定するための固定手段5とを有する。
【0033】
本体10は、中空状に構成されるとともに、ロープ2を挿通するための挿通孔(以下「第1挿通孔」という)11と、固定手段5の一部を挿通するための挿通孔(以下「第2挿通孔」という)12とを有する。本体10には、2つの第1挿通孔11と、2つの第2挿通孔12が形成されている。2つの第1挿通孔11は、それぞれの中心が同一直線上に位置するように一致して形成されている。また、2つの第2挿通孔12は、それぞれの中心が同一直線上に位置するように一致して形成されている。各第1挿通孔11の中心を通る直線と、各第2挿通孔12の中心を通る直線とは、直交するように設定されている。
【0034】
固定手段5は、第1固定部材21と、第2固定部材22と、第1固定部材21及び第2固定部材22を相対的に付勢する付勢部材23とを備える。第1固定部材21は、その中途部が本体10の2つの第2挿通孔12の一方に挿通されている。また、第2固定部材22は、その中途部が本体10の他方の第2挿通孔12に挿通されている。
【0035】
第1固定部材21は、一端部が閉塞されるとともに他端部が開口する円筒形状に構成されている。この第1固定部材21の中途部には、ロープ2が挿通される2つの円形の挿通孔(以下「第3挿通孔」という)13が形成されている。2つの第3挿通孔13は、それぞれの中心が同一直線上に位置するように半径方向において一致して形成されている。
【0036】
第1固定部材21は、本体10の第2挿通孔12に挿通されることにより、閉塞されている端部が本体10外に突出している。
【0037】
第1固定部材21の中途部には、この第1固定部材21が本体10から抜けはずれないように掛止する掛止部(以下「第1掛止部」という)26が設けられている。第1掛止部26は、第1固定部材21の中途部の外径を第2挿通孔12の径よりも大きくすることによって構成される。
【0038】
第2固定部材22は、一端部が閉塞されるとともに他端部が開口する円筒形状に構成されている。この第2固定部材22の中途部には、ロープ2が挿通される2つの円形の挿通孔(以下「第4挿通孔」という)14が形成されている。2つの第4挿通孔14は、それぞれの中心が同一直線上に位置するように半径方向において一致して形成されている。
【0039】
第2固定部材22の外径は、第1固定部材21の内径よりも小さく設定されている。これにより、第2固定部材22は、第1固定部材21の内部に挿通可能に構成される。この第2固定部材22は、本体10の第2挿通孔12に挿通されることにより、閉塞されている端部が本体10外に突出している。さらに、第2固定部材22において開口している端部は、第1固定部材21の内部に挿通されている。
【0040】
第2固定部材22の中途部には、この第2固定部材22が本体10から抜けはずれないように掛止する掛止部(以下「第2掛止部」という)27が形成されている。第2掛止部27は、第2固定部材22の外面から突出する円板状の突起部として構成される。この第2掛止部27の外径は、第2挿通孔12の径よりも大きく設定されている。
【0041】
付勢部材23は、本体10内において、第1固定部材21と第2固定部材22との間に設けられている。より具体的には、付勢部材23は、コイルバネ(例えば圧縮ばね)であり、その一端部が第1固定部材21の開口している端部の端面21aに当接し、その他端部が第2固定部材22の第2掛止部27に当接している。これにより、第1固定部材21と第2固定部材22とは、互いに離れるように、そして、本体10外に向かう方向に付勢されている。
【0042】
図4に示すように、ロープ2に取り付けられていない重量部4は、第1挿通孔11、第3挿通孔13、及び第4挿通孔14が一直線上に位置せずにずれた状態となっている。この状態から重量部4をロープ2に取り付けるには、まず、本体10から外方に突出している第1固定部材21の端部及び第2固定部材22の端部を本体10内に向かうように押圧する。このとき、第1固定部材21と第2固定部材22は、付勢部材23によって外方に向かうように付勢されているので、この付勢力よりも大きな力で第1固定部材21と第2固定部材22を押圧する必要がある。
【0043】
第1固定部材21と第2固定部材22とを本体10の内側に向かって移動させると、本体10の第1挿通孔11と、第1固定部材21の第3挿通孔13と、第2固定部材22の第4挿通孔14とが一致する。この状態において、第1固定部材21の端部と第2固定部材22の端部を押圧したままで、一方の第1挿通孔11からロープ2の端部を挿通する。さらに、このロープ2の端部を第3挿通孔13、第4挿通孔14に挿通し、最後に他方の第1挿通孔11に挿通することで、ロープ2は本体10に挿通される。
【0044】
この状態から第1固定部材21の端部と第2固定部材22の端部の押圧を解除すると、第1固定部材21と第2固定部材22は、付勢部材23によって、再び本体10外に向かうように付勢される。このとき、第1固定部材21と第2固定部材22は、互いに離れるように、反対方向へと移動しようとするが、第3挿通孔13と第4挿通孔14にロープ2が挿通されていることから、この第3挿通孔13の縁部及び第4挿通孔14の縁部がロープ2に当接する。
【0045】
この状態において、ロープ2は、付勢部材23の付勢力によって、第3挿通孔13の縁部と、第4挿通孔14の縁部とによって挟まれた状態で保持される。この保持力によって、ロープ2に対して移動しないように所定位置で重量部4を固定することができるようになる。また、第1固定部材21の端部と第2固定部材22の端部を再度押圧して、第1挿通孔11、第3挿通孔13、第4挿通孔14を一致させることで、重量部4をロープ2の長手方向に移動させることが可能になる。
【0046】
図5は、重量部4の他の例を示す。図2〜図4に例示した重量部4は、ロープ2に対して着脱自在に構成されていたが、この例では、ロープ2と一体に形成されている。図5(a)に示すように、重量部4は、ロープ2の所定位置の部分を他の部分よりも大径にすることによって形成される。この例では、重量部4は、ロープ2の他の部分の径よりも大きな直径を有する球状に形成されている。
【0047】
また、図5(b)に示す例では、重量部4は、ロープ2の所定位置において内部に埋設されている。この場合、重量部4は、例えば、ロープ2の材料よりも比重の大きな材料(例えば、樹脂、金属等)によって構成されることが望ましい。
【0048】
本発明の効果を確認するために、トビナワ1の比較例及び実施例を用意して比較試験を行った。図6〜図11にその条件及び結果を示す。
【0049】
この試験では、まず、第1の試験として、重量部4の位置、すなわち、ロープ2の中間位置Oからの重量部4の離間距離Xを変化させて、その効果を確認した。この第1の試験における条件を図6(a)に示す。なお、この試験において、ロープ2は、全長Lが2.5mであり、元の長さが2.6mのものを使用している。
【0050】
図6(a)に示すように、比較例として、重量部4を備えていないものと重量部4を備えたものを用意した。比較例1、2は、重量部4を備えておらず、ロープ2の直径及び質量が異なるもの(ロープ2の元の質量が35.5g、42.6g)である。比較例3は、重量部4がロープ2の中間位置Oの近傍位置(図9において符号「A」で示す位置)に重量部4が設けられたものである。
【0051】
図6(a)に示す実施例1は、ロープ2の元の質量が35.5gであり、重量部4の質量Yが4gである。この実施例1において、ロープ2の中間位置Oからの重量部4の離間距離Xは、0.25mである。なお、この実施例1において、重量部4が設けられている位置を「B」としている。
【0052】
また、図6(a)に示す実施例2では、ロープ2の元の質量が35.5gであり、重量部4の質量Yが4gである。この実施例2において、ロープ2の中間位置Oからの重量部4の離間距離Xは、0.65mである。なお、この実施例2において、重量部4が設けられている位置を「C」としている。
【0053】
この試験において、重量部4の位置に対応するように、B、Cの位置にマーカ31を取りつけ、マーカ31間の間隔(B−B、C−C)を測定した。各比較例1〜3においても、B、Cの位置にマーカ31を取り付け、マーカ31の間隔(B−B、C−C)を測定している。同様に、この実施例1に対応して、比較例1、比較例2においても、「B」の位置にそれぞれ1つのマーカ31を取り付け(図示略)、比較例3においては、「A」の位置にそれぞれ1つのマーカ31を取り付けている(図9参照)。
【0054】
上記のような条件の比較例及び実施例について、被験者によって所定の縄跳び運動をしたときの結果を図10に示す。図10(a)は、各比較例1〜3及び実施例1、2について、Bの位置(2箇所)に2つのマーカ31を設置するとともに、マーカ31間の距離を測定した結果である。また、図10(b)は、各比較例1〜3及び実施例1、2について、Cの位置(2箇所)に2つのマーカ31を設置するとともに、マーカ31間の距離を測定した結果である。
【0055】
図10(a)に示すように、ロープ2の中間位置Oからの離間距離Xが0.25mのマーカ(B−Bの位置)において、比較例1〜3のマーカ31の間隔がいずれも0.3m未満であるのに対し、実施例1、2のマーカ31の間隔は、0.35mを越えることが判った。
【0056】
図10(b)に示すように、ロープ2の中間位置Oからの離間距離Xが0.65mのマーカ(C−Cの位置)において、比較例1、2のマーカ31の間隔が、0.5mを若干越えており、比較例3のマーカ31の間隔が0.5m未満であったのに対し、実施例1では、0.6mに近く、さらに実施例2では、0.7mに近い値になることが判った。
【0057】
以上のように、実施例1、2は、2つの重量部4を設けることにより、この重量部4の間隔が比較例よりも大きくなることから、使用者の足にロープ2が引っ掛かり難くなり、使用者にとって縄跳び運動を行い易くなると考えられる。ロープ2の中間位置Oからの重量部4の離間距離Xは、0.15m以上0.75m(0.30L)以下(0.75÷2.5=0.30)であることが望ましいと考えられるが、上記の実験結果から、離間距離Xは、0.25m以上0.65m以下、換言すれば、0.10L(0.25÷2.5=0.1)以上0.26L(0.65÷2.5=0.26)以下の範囲がより好ましい。
【0058】
なお、本発明の効果は、ロープ2の各重量部4が設けられる部位の遠心力を変化させる事により、回旋中のロープ2の形状を変化させる事により実現させるものである。遠心力は回転半径からの距離に比例して大きくなるため、ロープ2の中間位置Oよりも、回転半径が小さい手元(グリップ3の近傍位置)の方が遠心力は小さくなる。よって、グリップ3の近傍位置に重量部4での質量増加は効果が小さいと考えられる。また、重量部4の位置を変更した第1の試験において、比較例1から実施例1の変化量(差)に比べて、実施例1から実施例2の変化(差)が非常に小さくなったことから(図10(a)参照)、重量部4の付与位置が手元に近づくほど効果が小さくなることが実験するまでもなく明白であるといえる。
【0059】
次に、この試験では、第2の試験として、重量部4の質量を変化させたときの効果を確認した。この第2の試験における実施例3〜6の条件を図6(b)に示す。
【0060】
また、トビナワ1の実施例3は、図6(b)に示すように、ロープ2の元の質量が35.5gであり、1m当たりのロープ2の質量Mは、13.7g(35.5(g)÷2.6(m))である。この実施例3は、ロープ2の所定の2箇所の位置にそれぞれ2gの重量部4を設けたものである。また、この実施例3では、1つの重量部4の質量Y(2g)は、1m当たりのロープ2の質量Mとの関係において、0.15M(2÷13.7≒0.15)に設定されている。
【0061】
実施例4は、図6(b)に示すように、ロープ2の元の質量が35.5gであり、1m当たりのロープ2の質量Mは、13.7g(35.5(g)÷2.6(m))である。この実施例4は、ロープ2の所定の2箇所の位置にそれぞれ4gの重量部4を設けたものである。また、この実施例4では、1つの重量部4の質量Y(4g)は、1m当たりのロープ2の質量Mとの関係において、0.29M(4÷13.7≒0.29)に設定されている。
【0062】
実施例5は、図6(b)に示すように、ロープ2の元の質量が35.5gであり、1m当たりのロープ2の質量Mは、13.7g(35.5(g)÷2.6(m))である。この実施例5は、ロープ2の所定の2箇所の位置にそれぞれ6gの重量部4を設けたものである。また、この実施例5では、1つの重量部4の質量Y(6g)は、1m当たりのロープ2の質量Mとの関係において、0.44M(6÷13.7≒0.44)に設定されている。
【0063】
実施例6は、図6(b)に示すように、ロープ2の元の質量が35.5gであり、1m当たりのロープ2の質量Mは、13.7g(35.5(g)÷2.6(m))である。この実施例6は、ロープ2のBの位置(X=0.25m)の2箇所にそれぞれ8gの重量部4を設けたものである。また、この実施例6では、1つの重量部4の質量(8g)は、1m当たりのロープ2の質量Mとの関係において、0.58M(8÷13.7≒0.58)に設定されている。
【0064】
なお、この第2の試験においては、上記の実施例3〜6と上述した第1の試験における比較例1(B、Cの位置にマーカのみを取り付けたもの)との比較を行っている。
【0065】
上記のような条件の比較例及び実施例について、被験者によって所定の縄跳び運動をしたときの結果を図11に示す。図11(a)は、比較例1及び実施例3〜6について、Bの位置(2箇所)に2つのマーカ31を設置するとともに、マーカ31間の距離を測定した結果である。また、図11(b)は、比較例1及び実施例3〜6について、Cの位置(2箇所)に2つのマーカ31を設置するとともに、マーカ31間の距離を測定した結果である。
【0066】
図11(a)に示すように、ロープ2の中間位置Oからの離間距離Xが0.25mのマーカ(B−Bの位置)において、比較例3のマーカ31の間隔は、0.3m未満であるのに対し、第3実施例のマーカ31の間隔は、0.3mを越えるものであった。さらに、実施例4では、マーカ31の間隔は、0.35mを越えており、実施例5、6においては、マーカ31の間隔が0.4mに近くなることが判った。
【0067】
図11(b)に示すように、ロープ2の中間位置Oからの離間距離Xが0.65mのマーカ(C−Cの位置)において、比較例のマーカ31の間隔が、0.5mを若干越えている程度であるのに対し、実施例3では、マーカ31の間隔が0.55mに近くなった。さらに、実施例4では、マーカ31の間隔が0.6mに近く、実施例5、6においては、マーカ31の間隔が0.6mを越えることが判った。
【0068】
以上のように、重量部4の質量を実施例3〜6の順に大きくしていくことで、マーカ31間の間隔も大きくなっていくことが判る。また、実施例5と実施例6とを比較すると、マーカ31間の間隔が大きく変化していないことが判る。重量部4の質量Y(g)は、ロープ2の1m当たりの質量をM(g)としたとき、0<Y≦0.58Mである(実施例6に対応)ことが望ましいと考えられるが、上記の結果から、0<Y≦0.44Mの範囲(実施例5に対応)がより好ましく、0.15M≦Y≦0.44Mがさらに好ましい。
【0069】
なお、本発明に係るトビナワ及びトビナワに設けられる重量部(重量部材)は、上記の実施形態に限らず、種々の変更・変形が可能である。
【0070】
例えば、種々の重量部4の例を示したが、これに限定されず、例えば、粘度の高い粘土をロープ2の所定位置に設けたり、粘着テープをロープ2の所定位置に巻き付けたりして、重量部4を構成するようにしてもよい。また、筒状に構成された重量部4を例示したが、金属や樹脂等の材料によって弾性変形可能な螺旋状部材を重量部4として採用してもよい。この場合、螺旋の直径をロープ2の直径よりも小さくしておき、螺旋の内側にロープ2を挿通したときに、螺旋状部材が弾性変形とともに拡径することにより、ロープ2の所定位置に重量部4を固定することが可能になる。この例では、重量部4は、弾性変形可能な螺旋形状にすることによって、ロープ2に対する固定手段を備えることとなる。
【符号の説明】
【0071】
1…トビナワ、2…ロープ、3…グリップ、4…重量部(重量部材)、5…固定手段、7…溝部、8…重量部の中途部、10…重量部の本体、11…第1挿通孔、12…第2挿通孔、13…第3挿通孔、14…第4挿通孔、21…第1固定部材、22…第2固定部材、23…付勢部材、26…第1掛止部、27…第2掛止部、31…マーカ、O…ロープの中間位置、101…ロープ、102…グリップ、103…ロープの中間位置
【技術分野】
【0001】
本発明は、跳びやすさを向上させたトビナワ及びこれに用いる重量部材に関する。
【背景技術】
【0002】
トビナワ(跳び縄)を用いた運動(縄跳び)は、遊びとして、またはトレーニング、健康維持・促進といった種々の目的で幅広く利用されている。この縄跳び運動は、一定時間跳び続けることによってその効果を発揮することができる(トビナワの例として特許文献1参照)。
【0003】
一般に、トビナワは、図12に示すように、所定長さを有するロープ101とロープ101の各端部に設けられるグリップ102を有している。このトビナワを用いた縄跳びの動作は、使用者が両手でそれぞれのグリップ102を握り、このロープ101を回して、ロープ101の中間位置103を頂点として曲がっている部分を飛び越すことによって行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−185035号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のトビナワでは、ロープ101を回したときに、ロープ101の中間位置103を頂点として曲がっている部分は、その間隔(幅)が中間位置103に向かうにつれて徐々に狭くなる(図12参照)。これは、ロープ101を回す際に、ロープ101の中間位置103に最も大きな遠心力が作用するためであるが、このように、ロープ101の中間位置103の付近において曲がっている部分の間隔が狭くなると、これを跳び越す際にロープ101に足が掛かり易くなり、例えば初級者等にとっては縄跳び運動を続けることが難しいものである。
【0006】
この観点から、縄跳び運動を行い易くするためには、使用者が飛び越すロープの部分の幅がより広くなることが望ましい。
【0007】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、従来よりも跳びやすいトビナワ及びこのトビナワに用いる重量部材を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るトビナワは、上記の課題を解決するためのものであって、ロープと、ロープの端部に設けられるグリップと、ロープの中途部に設けられる重量部とを備え、重量部は、ロープの長手方向の中間位置から所定の離間距離Xをおいてロープに設けられており、重量部の離間距離Xは、ロープの全長をLとしたとき、0.15m以上、0.30L以下であることを特徴とする。
【0009】
かかる構成によれば、ロープの中間位置から離れた位置に重量部を設けることによって、重量部に作用する遠心力が増大する。これにより、中間位置に作用する遠心力を相対的に小さくでき、さらに、重量部に作用する遠心力によって、この重量部が設けられている位置のロープの幅が相対的に広くなる。これによって、トビナワは、使用者が跳び越すロープ部分の幅が広くなり、跳びやすくなる。
【0010】
また、本発明に係るトビナワは、前記重量部が、ロープに対して着脱自在な構成とされていてもよい。
【0011】
かかる構成によれば、重量部の位置を変更することで、使用環境や使用者の身体等の使用条件に応じて、トビナワの最適な使用が可能になる。
【0012】
また、本発明に係るトビナワは、前記重量部が、ロープに対して一体に形成される構成を採用できる。
【0013】
かかる構成によれば、トビナワの部品点数を低減でき製造効率を向上させることができる。
【0014】
また、本発明に係るトビナワは、前記重量部の質量をYとし、ロープの1m当たりの質量をMとしたとき、0<Y≦0.58Mとされている構成を採用できる。
【0015】
かかる構成によれば、重量の増加による使用者の疲労等を可及的に低減できるようになる。
【0016】
また、本発明は、トビナワのロープの所定位置に着脱自在に設けられる重量部材であって、ロープの所定位置に固定するための固定手段を有することを特徴とする。
【0017】
かかる構成によれば、この重量部材をロープの所定位置に取り付けることによって、ロープの中間位置に作用している遠心力を、この中間位置と重量部材とで分担できるようになる。これにより、中間位置に作用する遠心力を相対的に低減でき、さらに、重量部材に作用する遠心力によって、この重量部材が設けられている位置のロープの幅が相対的に広くなる。これによって、トビナワは、使用者が跳び越すロープ部分の幅が広くなり、跳びやすくなる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、トビナワを従来よりも跳びやすくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係るトビナワの一実施形態を示す側面図である。
【図2】(a)は、ロープに取り付けられていない状態における重量部の平面図、(b)は、重量部の同じく側面図を示す。
【図3】(a)〜(c)は、ロープに取り付けられていない状態における重量部の他の例を示す側面図である。
【図4】ロープに取り付けられていない状態における重量部の他の例を示す断面図である。
【図5】(a)、(b)は、重量部の他の例を示す側面図である。
【図6】(a)、(b)は、本発明の効果を確認するための比較例、実施例の条件を示す。
【図7】トビナワの実施例1を例示する側面図である。
【図8】トビナワの実施例2を例示する側面図である。
【図9】トビナワの比較例3を例示する側面図である。
【図10】(a)、(b)は、本発明の効果を確認するための試験結果を示す。
【図11】(a)、(b)は、本発明の効果を確認するための試験結果を示す。
【図12】従来のトビナワを示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。図1、図2は、本発明に係るトビナワの一実施形態を示す。
【0021】
図1に示すように、トビナワ1は、ロープ2と、ロープ2の各端部に設けられるグリップ3と、ロープ2の中途部に設けられる重量部(錘部材)4とを備える。
【0022】
ロープ2は、ゴム又は熱可塑性エラストマーその他の種々の材料(例えばポリウレタン、PVC、ポリ塩化ビニリデン、縄等)によって、所定の太さ(例えば直径が2mm〜10mm程度)及び所定の長さ(例えば1.5〜3m程度)に形成される。ロープ2の断面は円形に構成されるが、これに限らず、楕円、多角形その他の種々の断面形状であってもよい。
【0023】
グリップ3は、一端部がロープ2を挿入できるように開口するとともに、他端部が閉塞して形成された筒状に構成されている。グリップ3の内部は、ロープ2の余長部分を収納することができる。グリップ3の一端部には、ロープ2がグリップ3から抜けはずれないように掛止するとともに、ロープ2の回転に追従して回転可能な回転子(図示略)が設けられている。ロープ2は、その端部の余長部分がグリップ3内に収納されるとともに、その中途部で回転子に掛止されている。
【0024】
このグリップ3は、例えば、ポロプロピレン、ポリエチレン、ABS、ポリアセタール、ポリアミド、AES、SBS、PC等の樹脂や木材その他の種々の材料によって形成される。
【0025】
重量部4は、図2に示すように、薄板(薄膜)状の金属(例えば鉛等)によってロープ2の所定位置に着脱自在な重量部材として構成されている。この重量部4は、一方の面に接着シール等の固定手段5が設けられている。これによって、重量部4は、ロープ2の所定位置に巻き付けられるとともに、固定手段5による接着によってロープ2に固定される。固定手段5としては、ロープ2とは別体の粘着テープを採用できる。この場合、ロープ2の所定位置に重量部4を巻き付けた後に、粘着テープを用いて重量部4をロープ2に固定することができる。
【0026】
重量部4は、図1に示すロープ2の中間位置Oから所定の離間距離Xをおいてロープ2に設けられている。また、重量部4は、ロープ2の中間位置Oを挟んで、所定の離間距離Xをおいた2箇所に設けられている。すなわち、2つの重量部4のうち、一方の重量部4の前記中間位置Oからの離間距離Xと、他方の重量部4の前記中間位置Oからの離間距離Xとが等しくなるように設定されている。
【0027】
また、重量部4の前記中間位置Oからの離間距離Xは、中間位置Oから0.15m以上(X≧0.15m)であることが望ましい。これは、人の足の幅が約0.1m程度であることから、これよりも大きく設定することが望ましいことによる。また、この離間距離Xは、ロープ2の全長をLとしたとき、0.30L以下(X≦0.30L)であることが望ましい。より望ましくは、離間距離Xは、0.10L以上0.26L以下(0.1L≦X≦0.26L)である。なお、ロープ2の全長Lとは、図1に示す一方のグリップ3の端部3aから他方のグリップ3の端部3aまでのロープ2の長さをいう。すなわち、ロープ2の全長Lとは、グリップ3に収納されるロープ2の余長部分の長さを除いた長さである。
【0028】
また、重量部4の質量Yは、ロープ2の1m当たりの質量をMとしたとき、0.58M以下となる(Y≦0.58M)ことが望ましい。ここで、ロープ2の1m当たりの質量Mとは、重量部4及びグリップ3がロープ2に取り付けられていない場合におけるロープ2の元の質量を、ロープ2の元の長さで除した値である。また、ロープ2の元の長さとは、ロープ2にグリップ3が取り付けられていない場合におけるロープ2の長さをいう。換言すれば、ロープ2の元の長さとは、グリップ3に収納されるロープ2の余長部分の長さと、前記ロープの全長Lとの和である。例えば、ロープ2の全長Lが2.5mであり、2つのグリップ3に収納される余長部分(各0.05m)の和が0.1mである場合、ロープの元の長さは、2.6mである。
【0029】
図3は、重量部4の他の例を示す。図3(a)に示すように、重量部4は、直線状の筒形状に構成されたものでもよい。この例では、ロープ2の端部を重量部4の内側に挿通するとともに、重量部4をロープ2の長手方向にスライドさせて、紐、クリップ、粘着テープ等の固定手段5によってロープ2の所定位置に重量部4を固定することができる。
【0030】
また、図3(b)に示すように、筒形状に構成された重量部4の長手方向に溝部(切れ込み)7を形成したものを採用できる。この例では、重量部4は、例えば樹脂、金属等の材料によって弾性変形可能に構成されている。重量部4は、溝部7を押し広げてロープ2を内側に入れるとともに、紐、クリップ、粘着テープ等の固定手段5によってロープ2の所定位置に重量部4を固定することができる。
【0031】
また、図3(c)に示すように、重量部4は、その中途部8が曲げられた状態(屈曲形状)の筒状に構成されてもよい。この例では、重量部4の中途部8が曲がっているので、その内部に挿通されたロープ2は、重量部4の形状に応じて変形した状態となる。これにより、この例における重量部4は、ロープ2に対する位置やその質量の他、使用者が跳びやすくなるように、ロープ2の中途部が所定の方向に向くように案内することができる。
【0032】
図4は、重量部4の他の例を示す。この例による重量部4は、本体10と、本体10に保持されるとともにこの重量部4を所定位置で固定するための固定手段5とを有する。
【0033】
本体10は、中空状に構成されるとともに、ロープ2を挿通するための挿通孔(以下「第1挿通孔」という)11と、固定手段5の一部を挿通するための挿通孔(以下「第2挿通孔」という)12とを有する。本体10には、2つの第1挿通孔11と、2つの第2挿通孔12が形成されている。2つの第1挿通孔11は、それぞれの中心が同一直線上に位置するように一致して形成されている。また、2つの第2挿通孔12は、それぞれの中心が同一直線上に位置するように一致して形成されている。各第1挿通孔11の中心を通る直線と、各第2挿通孔12の中心を通る直線とは、直交するように設定されている。
【0034】
固定手段5は、第1固定部材21と、第2固定部材22と、第1固定部材21及び第2固定部材22を相対的に付勢する付勢部材23とを備える。第1固定部材21は、その中途部が本体10の2つの第2挿通孔12の一方に挿通されている。また、第2固定部材22は、その中途部が本体10の他方の第2挿通孔12に挿通されている。
【0035】
第1固定部材21は、一端部が閉塞されるとともに他端部が開口する円筒形状に構成されている。この第1固定部材21の中途部には、ロープ2が挿通される2つの円形の挿通孔(以下「第3挿通孔」という)13が形成されている。2つの第3挿通孔13は、それぞれの中心が同一直線上に位置するように半径方向において一致して形成されている。
【0036】
第1固定部材21は、本体10の第2挿通孔12に挿通されることにより、閉塞されている端部が本体10外に突出している。
【0037】
第1固定部材21の中途部には、この第1固定部材21が本体10から抜けはずれないように掛止する掛止部(以下「第1掛止部」という)26が設けられている。第1掛止部26は、第1固定部材21の中途部の外径を第2挿通孔12の径よりも大きくすることによって構成される。
【0038】
第2固定部材22は、一端部が閉塞されるとともに他端部が開口する円筒形状に構成されている。この第2固定部材22の中途部には、ロープ2が挿通される2つの円形の挿通孔(以下「第4挿通孔」という)14が形成されている。2つの第4挿通孔14は、それぞれの中心が同一直線上に位置するように半径方向において一致して形成されている。
【0039】
第2固定部材22の外径は、第1固定部材21の内径よりも小さく設定されている。これにより、第2固定部材22は、第1固定部材21の内部に挿通可能に構成される。この第2固定部材22は、本体10の第2挿通孔12に挿通されることにより、閉塞されている端部が本体10外に突出している。さらに、第2固定部材22において開口している端部は、第1固定部材21の内部に挿通されている。
【0040】
第2固定部材22の中途部には、この第2固定部材22が本体10から抜けはずれないように掛止する掛止部(以下「第2掛止部」という)27が形成されている。第2掛止部27は、第2固定部材22の外面から突出する円板状の突起部として構成される。この第2掛止部27の外径は、第2挿通孔12の径よりも大きく設定されている。
【0041】
付勢部材23は、本体10内において、第1固定部材21と第2固定部材22との間に設けられている。より具体的には、付勢部材23は、コイルバネ(例えば圧縮ばね)であり、その一端部が第1固定部材21の開口している端部の端面21aに当接し、その他端部が第2固定部材22の第2掛止部27に当接している。これにより、第1固定部材21と第2固定部材22とは、互いに離れるように、そして、本体10外に向かう方向に付勢されている。
【0042】
図4に示すように、ロープ2に取り付けられていない重量部4は、第1挿通孔11、第3挿通孔13、及び第4挿通孔14が一直線上に位置せずにずれた状態となっている。この状態から重量部4をロープ2に取り付けるには、まず、本体10から外方に突出している第1固定部材21の端部及び第2固定部材22の端部を本体10内に向かうように押圧する。このとき、第1固定部材21と第2固定部材22は、付勢部材23によって外方に向かうように付勢されているので、この付勢力よりも大きな力で第1固定部材21と第2固定部材22を押圧する必要がある。
【0043】
第1固定部材21と第2固定部材22とを本体10の内側に向かって移動させると、本体10の第1挿通孔11と、第1固定部材21の第3挿通孔13と、第2固定部材22の第4挿通孔14とが一致する。この状態において、第1固定部材21の端部と第2固定部材22の端部を押圧したままで、一方の第1挿通孔11からロープ2の端部を挿通する。さらに、このロープ2の端部を第3挿通孔13、第4挿通孔14に挿通し、最後に他方の第1挿通孔11に挿通することで、ロープ2は本体10に挿通される。
【0044】
この状態から第1固定部材21の端部と第2固定部材22の端部の押圧を解除すると、第1固定部材21と第2固定部材22は、付勢部材23によって、再び本体10外に向かうように付勢される。このとき、第1固定部材21と第2固定部材22は、互いに離れるように、反対方向へと移動しようとするが、第3挿通孔13と第4挿通孔14にロープ2が挿通されていることから、この第3挿通孔13の縁部及び第4挿通孔14の縁部がロープ2に当接する。
【0045】
この状態において、ロープ2は、付勢部材23の付勢力によって、第3挿通孔13の縁部と、第4挿通孔14の縁部とによって挟まれた状態で保持される。この保持力によって、ロープ2に対して移動しないように所定位置で重量部4を固定することができるようになる。また、第1固定部材21の端部と第2固定部材22の端部を再度押圧して、第1挿通孔11、第3挿通孔13、第4挿通孔14を一致させることで、重量部4をロープ2の長手方向に移動させることが可能になる。
【0046】
図5は、重量部4の他の例を示す。図2〜図4に例示した重量部4は、ロープ2に対して着脱自在に構成されていたが、この例では、ロープ2と一体に形成されている。図5(a)に示すように、重量部4は、ロープ2の所定位置の部分を他の部分よりも大径にすることによって形成される。この例では、重量部4は、ロープ2の他の部分の径よりも大きな直径を有する球状に形成されている。
【0047】
また、図5(b)に示す例では、重量部4は、ロープ2の所定位置において内部に埋設されている。この場合、重量部4は、例えば、ロープ2の材料よりも比重の大きな材料(例えば、樹脂、金属等)によって構成されることが望ましい。
【0048】
本発明の効果を確認するために、トビナワ1の比較例及び実施例を用意して比較試験を行った。図6〜図11にその条件及び結果を示す。
【0049】
この試験では、まず、第1の試験として、重量部4の位置、すなわち、ロープ2の中間位置Oからの重量部4の離間距離Xを変化させて、その効果を確認した。この第1の試験における条件を図6(a)に示す。なお、この試験において、ロープ2は、全長Lが2.5mであり、元の長さが2.6mのものを使用している。
【0050】
図6(a)に示すように、比較例として、重量部4を備えていないものと重量部4を備えたものを用意した。比較例1、2は、重量部4を備えておらず、ロープ2の直径及び質量が異なるもの(ロープ2の元の質量が35.5g、42.6g)である。比較例3は、重量部4がロープ2の中間位置Oの近傍位置(図9において符号「A」で示す位置)に重量部4が設けられたものである。
【0051】
図6(a)に示す実施例1は、ロープ2の元の質量が35.5gであり、重量部4の質量Yが4gである。この実施例1において、ロープ2の中間位置Oからの重量部4の離間距離Xは、0.25mである。なお、この実施例1において、重量部4が設けられている位置を「B」としている。
【0052】
また、図6(a)に示す実施例2では、ロープ2の元の質量が35.5gであり、重量部4の質量Yが4gである。この実施例2において、ロープ2の中間位置Oからの重量部4の離間距離Xは、0.65mである。なお、この実施例2において、重量部4が設けられている位置を「C」としている。
【0053】
この試験において、重量部4の位置に対応するように、B、Cの位置にマーカ31を取りつけ、マーカ31間の間隔(B−B、C−C)を測定した。各比較例1〜3においても、B、Cの位置にマーカ31を取り付け、マーカ31の間隔(B−B、C−C)を測定している。同様に、この実施例1に対応して、比較例1、比較例2においても、「B」の位置にそれぞれ1つのマーカ31を取り付け(図示略)、比較例3においては、「A」の位置にそれぞれ1つのマーカ31を取り付けている(図9参照)。
【0054】
上記のような条件の比較例及び実施例について、被験者によって所定の縄跳び運動をしたときの結果を図10に示す。図10(a)は、各比較例1〜3及び実施例1、2について、Bの位置(2箇所)に2つのマーカ31を設置するとともに、マーカ31間の距離を測定した結果である。また、図10(b)は、各比較例1〜3及び実施例1、2について、Cの位置(2箇所)に2つのマーカ31を設置するとともに、マーカ31間の距離を測定した結果である。
【0055】
図10(a)に示すように、ロープ2の中間位置Oからの離間距離Xが0.25mのマーカ(B−Bの位置)において、比較例1〜3のマーカ31の間隔がいずれも0.3m未満であるのに対し、実施例1、2のマーカ31の間隔は、0.35mを越えることが判った。
【0056】
図10(b)に示すように、ロープ2の中間位置Oからの離間距離Xが0.65mのマーカ(C−Cの位置)において、比較例1、2のマーカ31の間隔が、0.5mを若干越えており、比較例3のマーカ31の間隔が0.5m未満であったのに対し、実施例1では、0.6mに近く、さらに実施例2では、0.7mに近い値になることが判った。
【0057】
以上のように、実施例1、2は、2つの重量部4を設けることにより、この重量部4の間隔が比較例よりも大きくなることから、使用者の足にロープ2が引っ掛かり難くなり、使用者にとって縄跳び運動を行い易くなると考えられる。ロープ2の中間位置Oからの重量部4の離間距離Xは、0.15m以上0.75m(0.30L)以下(0.75÷2.5=0.30)であることが望ましいと考えられるが、上記の実験結果から、離間距離Xは、0.25m以上0.65m以下、換言すれば、0.10L(0.25÷2.5=0.1)以上0.26L(0.65÷2.5=0.26)以下の範囲がより好ましい。
【0058】
なお、本発明の効果は、ロープ2の各重量部4が設けられる部位の遠心力を変化させる事により、回旋中のロープ2の形状を変化させる事により実現させるものである。遠心力は回転半径からの距離に比例して大きくなるため、ロープ2の中間位置Oよりも、回転半径が小さい手元(グリップ3の近傍位置)の方が遠心力は小さくなる。よって、グリップ3の近傍位置に重量部4での質量増加は効果が小さいと考えられる。また、重量部4の位置を変更した第1の試験において、比較例1から実施例1の変化量(差)に比べて、実施例1から実施例2の変化(差)が非常に小さくなったことから(図10(a)参照)、重量部4の付与位置が手元に近づくほど効果が小さくなることが実験するまでもなく明白であるといえる。
【0059】
次に、この試験では、第2の試験として、重量部4の質量を変化させたときの効果を確認した。この第2の試験における実施例3〜6の条件を図6(b)に示す。
【0060】
また、トビナワ1の実施例3は、図6(b)に示すように、ロープ2の元の質量が35.5gであり、1m当たりのロープ2の質量Mは、13.7g(35.5(g)÷2.6(m))である。この実施例3は、ロープ2の所定の2箇所の位置にそれぞれ2gの重量部4を設けたものである。また、この実施例3では、1つの重量部4の質量Y(2g)は、1m当たりのロープ2の質量Mとの関係において、0.15M(2÷13.7≒0.15)に設定されている。
【0061】
実施例4は、図6(b)に示すように、ロープ2の元の質量が35.5gであり、1m当たりのロープ2の質量Mは、13.7g(35.5(g)÷2.6(m))である。この実施例4は、ロープ2の所定の2箇所の位置にそれぞれ4gの重量部4を設けたものである。また、この実施例4では、1つの重量部4の質量Y(4g)は、1m当たりのロープ2の質量Mとの関係において、0.29M(4÷13.7≒0.29)に設定されている。
【0062】
実施例5は、図6(b)に示すように、ロープ2の元の質量が35.5gであり、1m当たりのロープ2の質量Mは、13.7g(35.5(g)÷2.6(m))である。この実施例5は、ロープ2の所定の2箇所の位置にそれぞれ6gの重量部4を設けたものである。また、この実施例5では、1つの重量部4の質量Y(6g)は、1m当たりのロープ2の質量Mとの関係において、0.44M(6÷13.7≒0.44)に設定されている。
【0063】
実施例6は、図6(b)に示すように、ロープ2の元の質量が35.5gであり、1m当たりのロープ2の質量Mは、13.7g(35.5(g)÷2.6(m))である。この実施例6は、ロープ2のBの位置(X=0.25m)の2箇所にそれぞれ8gの重量部4を設けたものである。また、この実施例6では、1つの重量部4の質量(8g)は、1m当たりのロープ2の質量Mとの関係において、0.58M(8÷13.7≒0.58)に設定されている。
【0064】
なお、この第2の試験においては、上記の実施例3〜6と上述した第1の試験における比較例1(B、Cの位置にマーカのみを取り付けたもの)との比較を行っている。
【0065】
上記のような条件の比較例及び実施例について、被験者によって所定の縄跳び運動をしたときの結果を図11に示す。図11(a)は、比較例1及び実施例3〜6について、Bの位置(2箇所)に2つのマーカ31を設置するとともに、マーカ31間の距離を測定した結果である。また、図11(b)は、比較例1及び実施例3〜6について、Cの位置(2箇所)に2つのマーカ31を設置するとともに、マーカ31間の距離を測定した結果である。
【0066】
図11(a)に示すように、ロープ2の中間位置Oからの離間距離Xが0.25mのマーカ(B−Bの位置)において、比較例3のマーカ31の間隔は、0.3m未満であるのに対し、第3実施例のマーカ31の間隔は、0.3mを越えるものであった。さらに、実施例4では、マーカ31の間隔は、0.35mを越えており、実施例5、6においては、マーカ31の間隔が0.4mに近くなることが判った。
【0067】
図11(b)に示すように、ロープ2の中間位置Oからの離間距離Xが0.65mのマーカ(C−Cの位置)において、比較例のマーカ31の間隔が、0.5mを若干越えている程度であるのに対し、実施例3では、マーカ31の間隔が0.55mに近くなった。さらに、実施例4では、マーカ31の間隔が0.6mに近く、実施例5、6においては、マーカ31の間隔が0.6mを越えることが判った。
【0068】
以上のように、重量部4の質量を実施例3〜6の順に大きくしていくことで、マーカ31間の間隔も大きくなっていくことが判る。また、実施例5と実施例6とを比較すると、マーカ31間の間隔が大きく変化していないことが判る。重量部4の質量Y(g)は、ロープ2の1m当たりの質量をM(g)としたとき、0<Y≦0.58Mである(実施例6に対応)ことが望ましいと考えられるが、上記の結果から、0<Y≦0.44Mの範囲(実施例5に対応)がより好ましく、0.15M≦Y≦0.44Mがさらに好ましい。
【0069】
なお、本発明に係るトビナワ及びトビナワに設けられる重量部(重量部材)は、上記の実施形態に限らず、種々の変更・変形が可能である。
【0070】
例えば、種々の重量部4の例を示したが、これに限定されず、例えば、粘度の高い粘土をロープ2の所定位置に設けたり、粘着テープをロープ2の所定位置に巻き付けたりして、重量部4を構成するようにしてもよい。また、筒状に構成された重量部4を例示したが、金属や樹脂等の材料によって弾性変形可能な螺旋状部材を重量部4として採用してもよい。この場合、螺旋の直径をロープ2の直径よりも小さくしておき、螺旋の内側にロープ2を挿通したときに、螺旋状部材が弾性変形とともに拡径することにより、ロープ2の所定位置に重量部4を固定することが可能になる。この例では、重量部4は、弾性変形可能な螺旋形状にすることによって、ロープ2に対する固定手段を備えることとなる。
【符号の説明】
【0071】
1…トビナワ、2…ロープ、3…グリップ、4…重量部(重量部材)、5…固定手段、7…溝部、8…重量部の中途部、10…重量部の本体、11…第1挿通孔、12…第2挿通孔、13…第3挿通孔、14…第4挿通孔、21…第1固定部材、22…第2固定部材、23…付勢部材、26…第1掛止部、27…第2掛止部、31…マーカ、O…ロープの中間位置、101…ロープ、102…グリップ、103…ロープの中間位置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロープと、ロープの端部に設けられるグリップと、ロープの中途部に設けられる重量部とを備え、重量部は、ロープの長手方向の中間位置から所定の離間距離Xをおいてロープに設けられており、重量部の離間距離Xは、ロープの全長をLとしたとき、0.15m以上、0.30L以下であることを特徴とするトビナワ。
【請求項2】
前記重量部は、ロープに対して着脱自在に構成されてなる請求項1に記載のトビナワ。
【請求項3】
前記重量部は、ロープに対して一体に形成されてなる請求項1に記載のトビナワ。
【請求項4】
前記重量部の質量をYとし、ロープの1m当たりの質量をMとしたとき、0<Y≦0.58Mとされている請求項1から3のいずれか1項に記載のトビナワ。
【請求項5】
トビナワのロープの所定位置に着脱自在に設けられる重量部材であって、ロープの所定位置に固定するための固定手段を有することを特徴とする重量部材。
【請求項1】
ロープと、ロープの端部に設けられるグリップと、ロープの中途部に設けられる重量部とを備え、重量部は、ロープの長手方向の中間位置から所定の離間距離Xをおいてロープに設けられており、重量部の離間距離Xは、ロープの全長をLとしたとき、0.15m以上、0.30L以下であることを特徴とするトビナワ。
【請求項2】
前記重量部は、ロープに対して着脱自在に構成されてなる請求項1に記載のトビナワ。
【請求項3】
前記重量部は、ロープに対して一体に形成されてなる請求項1に記載のトビナワ。
【請求項4】
前記重量部の質量をYとし、ロープの1m当たりの質量をMとしたとき、0<Y≦0.58Mとされている請求項1から3のいずれか1項に記載のトビナワ。
【請求項5】
トビナワのロープの所定位置に着脱自在に設けられる重量部材であって、ロープの所定位置に固定するための固定手段を有することを特徴とする重量部材。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
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【図4】
【図5】
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【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−213486(P2012−213486A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−80346(P2011−80346)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000000310)株式会社アシックス (57)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000000310)株式会社アシックス (57)
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