トラクタ
【課題】本発明の課題は、車軸から車輪軸へのギヤ伝動経路の中間に中間伝動軸を設けることによって、ギヤの共用化並びに車高を高くするトラクタを提供することにある。
【解決手段】本発明は、ミッションケース3からの伝動を受ける車軸10を架設したアクスルハウジング11と、車軸10から中間伝動軸14を介してギヤ伝動可能な車輪軸12を架設した車輪伝動ケース13を備え、前記ミッションケース3の外側であって伝動上手側から伝動下手側にかけて前記車輪伝動ケース13を下側に向けて配置し、前記車軸10と中間伝動軸14との軸間距離Aは該中間伝動軸14と車輪軸12との軸間距離Bと同一距離に設定してあることを特徴とするトラクタとする。
【解決手段】本発明は、ミッションケース3からの伝動を受ける車軸10を架設したアクスルハウジング11と、車軸10から中間伝動軸14を介してギヤ伝動可能な車輪軸12を架設した車輪伝動ケース13を備え、前記ミッションケース3の外側であって伝動上手側から伝動下手側にかけて前記車輪伝動ケース13を下側に向けて配置し、前記車軸10と中間伝動軸14との軸間距離Aは該中間伝動軸14と車輪軸12との軸間距離Bと同一距離に設定してあることを特徴とするトラクタとする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車高を高くするトラクタに関するものである。特にミッションケースの左右外側において車輪伝動ケースを配置するにあたり、伝動上手側から伝動下手側にかけて車輪伝動ケースを下側に向けて配置する伝動構成に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術として、例えば、特許文献1には、車軸を架設するアクスルハウジングに、車軸から伝動可能な車輪軸を架設した車輪伝動ケースを設け、アクスルハウジングに一体的に設けられた固定ギヤと、前記車輪軸に架設され前記固定ギヤに噛合して車輪伝動ケースを設けて車高を高くする伝動構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平2−258404号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような従来技術に対し、本発明の課題は、車軸から車輪軸へのギヤ伝動経路の中間に中間伝動軸を設けることによって、更なる車高を高くしてギヤの共用化を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は、上記課題を解決すべく次のような技術的手段を講じた。
【0006】
すなわち、請求項1記載の本発明は、ミッションケース(3)からの伝動を受ける車軸(10)を架設したアクスルハウジング(11)と、車軸(10)から中間伝動軸(14)を介してギヤ伝動可能な車輪軸(12)を架設した車輪伝動ケース(13)を備え、前記ミッションケース(3)の外側であって伝動上手側から伝動下手側にかけて前記車輪伝動ケース(13)を下側に向けて配置し、前記車軸(10)と中間伝動軸(14)との軸間距離(A)は該中間伝動軸(14)と車輪軸(12)との軸間距離(B)と同一距離に設定してあることを特徴とするトラクタとする。
【0007】
車軸(10)から車輪軸(12)への伝動は、車軸ギヤ(15)から中間ギヤ(MG1,MG2)を経て最終ギヤ(16)を噛合回転させることによって車輪軸(12)が駆動回転する。
【0008】
車軸(10)と中間伝動軸(14)及び中間伝動軸と車輪軸(12)との軸間距離が同一に設定されているため、車軸ギヤと車高変更ギヤを共用化することができる。また、中間伝動軸(14)の設置により、車高を高くできる。
【0009】
請求項2記載の本発明は、前記車輪伝動ケース(13)は、左右に分割して半ケース(13a),(13b)に構成し、該半ケース(13a),(13b)は同一部品で共用とし、前記中間伝動軸(14)の軸芯であって左右の中心である点(T)を中心として点対称に半ケース(13a),(13b)を配置してあることを特徴とする請求項1記載のトラクタとする。
【0010】
車輪伝動ケース(13)を組み合わせるときには、一方の半ケース(13a)に対して他方の半ケース(13b)を逆さにして組み合わせれば良く、形状の異なる二つの半ケースを製作する必要がなく、部品点数一つで共用化が可能となる。
【0011】
請求項3記載の本発明は、前記車軸(10)に車軸ギヤ(15)を設け、該車軸ギヤ(15)に噛み合う中間ギヤ(MG1)を中間伝動軸(14)に設け、中間ギヤ(MG1)の隣に中間ギヤ(MG2)を設け、該中間ギヤ(MG2)に噛み合う最終ギヤ(16)を車輪軸(12)に設け、前記中間ギヤ(MG1)と中間ギヤ(MG2)は一枚のギヤで構成した請求項2記載のトラクタとする。
【0012】
中間ギヤ(MG1)と中間ギヤ(MG2)は一枚のギヤで構成する。
【発明の効果】
【0013】
請求項1記載の本発明によれば、車軸と中間伝動軸及び中間伝動軸と車輪軸との軸間距離が同一に設定されているため、車軸ギヤと車高変更ギヤを共用化することができる。また、中間伝動軸の設置により、車高をより高くできる。
【0014】
請求項2記載の本発明によれば、請求項1記載の効果に加えて、左右の半ケースを共用化することができて安価に実施することができる。
【0015】
請求項3記載の本発明によれば、中間ギヤ(MG1)と中間ギヤ(MG2)は一枚のギヤで構成することで、部品点数を削減できて安価な構成となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】除草作業機を備えたトラクタの側面図
【図2】同上要部の平面図
【図3】同上要部の縦断背面図
【図4】同上要部の正面図
【図5】同上要部の側面図
【図6】同上要部の正面図
【図7】同上要部の側面図
【図8】3連型除草作業機の背面図
【図9】要部の縦断背面図
【図10】ボンネットの側面図
【図11】開閉ロッドの取付状態を示す斜視図
【図12】ボンネットの正面図
【図13】ヘッドランプの正面図
【図14】同上側面図
【図15】エンジンスロットル調整手段の側面図
【図16】燃料計測装置の斜視図
【図17】同上要部の側面図
【発明を実施するための形態】
【0017】
この発明の実施例を図面に基づき説明する。
【0018】
図1は、トラクタを示し、車体1前部のボンネット2内部にエンジンEを搭載し、このエンジンEの回転動力をミッションケ−ス3内の変速装置に伝え、この変速装置で減速された回転動力を前輪4及び後輪5とに伝えるようにしている。エンジンEの後方に前輪4,4を操舵するステアリングハンドル6が装備され、更に、その後方には運転席7が設置されている。
【0019】
車体側後部には、畝Uと畝Uとの間の溝部に接地して中耕除草する除草作業機8が昇降可能に装備されている。
【0020】
車軸10を架設するアクスルハウジング11は、ミッションケース3後部の左右両側方に突設されていて、ミッションケース内のギヤ伝動機構3Gを介して車軸10を回転駆動する構成になっている。
【0021】
車輪軸12を架設する車輪伝動ケース13は、ミッションケース3の左右外側に設けている。車輪伝動ケース13内には、車軸10と車輪軸12との間に中間伝動軸14が架設され、前記車軸10と中間伝動軸14との軸間距離Aは,該中間伝動軸14と車輪軸12との軸間距離Bと同一軸間距離に設定されている。そして、車軸10から車輪軸12への伝動は、車軸10に固定された車軸ギヤ15から中間ギヤMG1,MG2を経て車輪軸12に固定された最終ギヤ16を噛合回転させることによって車輪軸12が駆動回転されるように連動構成している。かかる構成によると、車軸10と中間伝動軸14及び中間伝動軸14と車輪軸12との軸間距離が同一のため、車軸ギヤ15と最終ギヤ16は同一のギヤを使用することができて共用化が可能となる。また、中間伝動軸14を構成することで、車高をより高くすることができる。
【0022】
また、車輪伝動ケース13は、左右に分割されていて左右半ケース13a,13bからなる構成としてあり、この左右の合せ面を前記中間伝動軸14を中心として対称形状に構成されている。従って、左右の半ケースを合わせる時には、一方側の半ケース13aに対して他方側の半ケース13bを上下逆にして合わせれば良く、左右ケースの共用化が可能となる。この場合、中間伝動軸14の軸芯であって左右の中心である点Tを中心として点対称に半ケース13a,13bを配置している。
【0023】
給油口Kは半ケース13b側に後加工して構成している。この給油口Kは車軸ギヤ15の真上には位置していないので、給油口からのオイル漏れ防止となる。一気にオイルを給油したときに車軸ギヤ15の歯部が抵抗となって漏れるのを防止できる。
【0024】
図9に示すように、給油口K部分については、車輪伝動ケース13を覆うリヤケース19に穴部19aを構成している。半ケース13a,13bには切欠部Qを構成した。切欠部Qがない状態では、ケースの外形形状Pは二点鎖線のようになるが、切欠部Qを構成することで、畝や作物との接触干渉を防止できる。半ケース13a側の切欠部Q部分については、半ケース13aを覆うリヤケース19側にも切欠部19bを構成した。このため、後輪5との距離が長くなり、後輪5が持ち回る泥等の接触を防止できる。
【0025】
中間伝動軸14に設ける中間ギヤMG1,MG2については、一枚のギヤとすることで、部品点数が減って廉価な構成となる。ブレーキアームBは支持ブラケット18で囲っているので、ブレーキアームBの配置に影響はない。
【0026】
半ケース13a,13bの合わせ面は軸に対して垂直なので、加工が容易となっている。
【0027】
更に、ミッションケース3のフロントケース17の左右両側から突設する支持ブラケット18にリヤケース19を装着(ボルトV止め)し、このリヤケース19に車輪伝動ケース13をボルトVで固定している。支持ブラケット18は、フロントケース17に共締め(ボルト止め)してあり、フロントケース17中心に対称形状(図4参照)をなしている。
【0028】
また、車輪伝動ケース13を保持するリヤケース19はリヤフレーム21にボルトなどによって一体的に締付固定した構成としている。また、リヤケース19はコ字型形状をしており、車輪伝動ケース13を上方から覆う構成にしている。
【0029】
図10は、ボンネットを開いた時に支える開閉ロッドの収容例を示すものであるが、その図例における開閉ロッド24は、ボンネット2側に支点Qを設け、ボンネットを閉じた時にその前部裏側に沿わせて収容する構成としている。また、開閉ロッド24がバッテリ25を回避する位置で適度に折りまげを入れた構成としている。また、図11例では、開閉ロッド24の先端をボンネットの前面壁に設けた係合穴26から差し込む構成で、2枚の座金27a,27bがロッドについていて、そのうち手前の座金27aを大径に構成している。
【0030】
図12〜図14例に示すように、左右一体型のヘッドランプ28,28の固定方法として、中央部をC1,C2部材にて二箇所で支え、左右両サイドS1,S2はボンネット2のアッパサイドをスポット溶接したフランジに二箇所で固定するように構成している。
【0031】
耕耘作業時に燃料消費量を抑えるため、旋回時にロータリ作業機を上げと、エンジンの回転数を落すように構成すれば、燃料の消費を抑制することができる。 図15例に示すように、ホルダ30に支軸31回りに揺動する制御アーム32を設け、アクセルレバー33とエンジンスロットルとを結ぶケーブル34を二つに分割して、ケーブル34a,34bを構成し、エンジンスロットル側のケーブル34aを制御アーム32に連結すると共に、アクセルレバー33側のケーブル34bはスプリング35を介して前記制御アーム32に連動連結している。
【0032】
そして、耕耘作業時は、アクセルレバー33をエンジン回転上げスロットルにした状態にまで操作するが、一行程の作業が終わって旋回する時は、例えば、昇降レバー36を作業機上げ方向に操作すると、連動ワイヤ37を介して制御アーム32を作動し、ケーブル34aをスプリング35に抗してスロットル下げ方向に操作する。従って、旋回時にはエンジンはアイドリング状態で回転し、燃料の消費が抑制されることになる。
【0033】
また、他の実施例として、エンジン制御ワイヤとフルターン用モータを連動構成し、フルターン作動時(例えばステアリンハンドルの旋回操作時)にエンジン制御ワイヤが引かれ、エンジン回転数を下げるように構成することもできる。
【0034】
図16、図17例について説明すると、燃料タンク38内には、直線状のレール40と、レールに拘束され、更に該レール上を自由に移動可能な移動ブラケット41と、移動ブラケットに繋がったフロート42を備え、移動ブラケット41には発光部と受光部を有したフォトインタラプタ43を備える。前記レール40は、穴39と穴のあいていない部分が交互に連続したテープ状のプラスチックからなり、フォトインタラプタ43の発光部と受光部との間に設置している。
【0035】
燃料の液面Lは、フォトインタラプタからのパルス信号をAD変換後カウントし、以下の式に従って計算する構成としている。
【0036】
液面L=(穴間の距離R*カウント数)*sinθ
上記のような燃料計測センサによれば、特殊な形状の燃料タンクでも燃料の残量が計測可能となる。
【0037】
また、上記構成において、逐次、算出された液面高さは、不揮発性のメモリ内に保存を行う構成とすることで、エンジンストップ後の再起動時に読み出して初期値として利用することができる。
【符号の説明】
【0038】
3 ミッションケース
10 車軸
11 アクスルハウジング
12 車輪軸
13 車輪伝動ケース
14 中間伝動軸
15 車軸ギヤ
16 最終ギヤ
17 フロントケース
18 支持ブラケット
19 リヤケース
【技術分野】
【0001】
この発明は、車高を高くするトラクタに関するものである。特にミッションケースの左右外側において車輪伝動ケースを配置するにあたり、伝動上手側から伝動下手側にかけて車輪伝動ケースを下側に向けて配置する伝動構成に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術として、例えば、特許文献1には、車軸を架設するアクスルハウジングに、車軸から伝動可能な車輪軸を架設した車輪伝動ケースを設け、アクスルハウジングに一体的に設けられた固定ギヤと、前記車輪軸に架設され前記固定ギヤに噛合して車輪伝動ケースを設けて車高を高くする伝動構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平2−258404号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような従来技術に対し、本発明の課題は、車軸から車輪軸へのギヤ伝動経路の中間に中間伝動軸を設けることによって、更なる車高を高くしてギヤの共用化を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は、上記課題を解決すべく次のような技術的手段を講じた。
【0006】
すなわち、請求項1記載の本発明は、ミッションケース(3)からの伝動を受ける車軸(10)を架設したアクスルハウジング(11)と、車軸(10)から中間伝動軸(14)を介してギヤ伝動可能な車輪軸(12)を架設した車輪伝動ケース(13)を備え、前記ミッションケース(3)の外側であって伝動上手側から伝動下手側にかけて前記車輪伝動ケース(13)を下側に向けて配置し、前記車軸(10)と中間伝動軸(14)との軸間距離(A)は該中間伝動軸(14)と車輪軸(12)との軸間距離(B)と同一距離に設定してあることを特徴とするトラクタとする。
【0007】
車軸(10)から車輪軸(12)への伝動は、車軸ギヤ(15)から中間ギヤ(MG1,MG2)を経て最終ギヤ(16)を噛合回転させることによって車輪軸(12)が駆動回転する。
【0008】
車軸(10)と中間伝動軸(14)及び中間伝動軸と車輪軸(12)との軸間距離が同一に設定されているため、車軸ギヤと車高変更ギヤを共用化することができる。また、中間伝動軸(14)の設置により、車高を高くできる。
【0009】
請求項2記載の本発明は、前記車輪伝動ケース(13)は、左右に分割して半ケース(13a),(13b)に構成し、該半ケース(13a),(13b)は同一部品で共用とし、前記中間伝動軸(14)の軸芯であって左右の中心である点(T)を中心として点対称に半ケース(13a),(13b)を配置してあることを特徴とする請求項1記載のトラクタとする。
【0010】
車輪伝動ケース(13)を組み合わせるときには、一方の半ケース(13a)に対して他方の半ケース(13b)を逆さにして組み合わせれば良く、形状の異なる二つの半ケースを製作する必要がなく、部品点数一つで共用化が可能となる。
【0011】
請求項3記載の本発明は、前記車軸(10)に車軸ギヤ(15)を設け、該車軸ギヤ(15)に噛み合う中間ギヤ(MG1)を中間伝動軸(14)に設け、中間ギヤ(MG1)の隣に中間ギヤ(MG2)を設け、該中間ギヤ(MG2)に噛み合う最終ギヤ(16)を車輪軸(12)に設け、前記中間ギヤ(MG1)と中間ギヤ(MG2)は一枚のギヤで構成した請求項2記載のトラクタとする。
【0012】
中間ギヤ(MG1)と中間ギヤ(MG2)は一枚のギヤで構成する。
【発明の効果】
【0013】
請求項1記載の本発明によれば、車軸と中間伝動軸及び中間伝動軸と車輪軸との軸間距離が同一に設定されているため、車軸ギヤと車高変更ギヤを共用化することができる。また、中間伝動軸の設置により、車高をより高くできる。
【0014】
請求項2記載の本発明によれば、請求項1記載の効果に加えて、左右の半ケースを共用化することができて安価に実施することができる。
【0015】
請求項3記載の本発明によれば、中間ギヤ(MG1)と中間ギヤ(MG2)は一枚のギヤで構成することで、部品点数を削減できて安価な構成となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】除草作業機を備えたトラクタの側面図
【図2】同上要部の平面図
【図3】同上要部の縦断背面図
【図4】同上要部の正面図
【図5】同上要部の側面図
【図6】同上要部の正面図
【図7】同上要部の側面図
【図8】3連型除草作業機の背面図
【図9】要部の縦断背面図
【図10】ボンネットの側面図
【図11】開閉ロッドの取付状態を示す斜視図
【図12】ボンネットの正面図
【図13】ヘッドランプの正面図
【図14】同上側面図
【図15】エンジンスロットル調整手段の側面図
【図16】燃料計測装置の斜視図
【図17】同上要部の側面図
【発明を実施するための形態】
【0017】
この発明の実施例を図面に基づき説明する。
【0018】
図1は、トラクタを示し、車体1前部のボンネット2内部にエンジンEを搭載し、このエンジンEの回転動力をミッションケ−ス3内の変速装置に伝え、この変速装置で減速された回転動力を前輪4及び後輪5とに伝えるようにしている。エンジンEの後方に前輪4,4を操舵するステアリングハンドル6が装備され、更に、その後方には運転席7が設置されている。
【0019】
車体側後部には、畝Uと畝Uとの間の溝部に接地して中耕除草する除草作業機8が昇降可能に装備されている。
【0020】
車軸10を架設するアクスルハウジング11は、ミッションケース3後部の左右両側方に突設されていて、ミッションケース内のギヤ伝動機構3Gを介して車軸10を回転駆動する構成になっている。
【0021】
車輪軸12を架設する車輪伝動ケース13は、ミッションケース3の左右外側に設けている。車輪伝動ケース13内には、車軸10と車輪軸12との間に中間伝動軸14が架設され、前記車軸10と中間伝動軸14との軸間距離Aは,該中間伝動軸14と車輪軸12との軸間距離Bと同一軸間距離に設定されている。そして、車軸10から車輪軸12への伝動は、車軸10に固定された車軸ギヤ15から中間ギヤMG1,MG2を経て車輪軸12に固定された最終ギヤ16を噛合回転させることによって車輪軸12が駆動回転されるように連動構成している。かかる構成によると、車軸10と中間伝動軸14及び中間伝動軸14と車輪軸12との軸間距離が同一のため、車軸ギヤ15と最終ギヤ16は同一のギヤを使用することができて共用化が可能となる。また、中間伝動軸14を構成することで、車高をより高くすることができる。
【0022】
また、車輪伝動ケース13は、左右に分割されていて左右半ケース13a,13bからなる構成としてあり、この左右の合せ面を前記中間伝動軸14を中心として対称形状に構成されている。従って、左右の半ケースを合わせる時には、一方側の半ケース13aに対して他方側の半ケース13bを上下逆にして合わせれば良く、左右ケースの共用化が可能となる。この場合、中間伝動軸14の軸芯であって左右の中心である点Tを中心として点対称に半ケース13a,13bを配置している。
【0023】
給油口Kは半ケース13b側に後加工して構成している。この給油口Kは車軸ギヤ15の真上には位置していないので、給油口からのオイル漏れ防止となる。一気にオイルを給油したときに車軸ギヤ15の歯部が抵抗となって漏れるのを防止できる。
【0024】
図9に示すように、給油口K部分については、車輪伝動ケース13を覆うリヤケース19に穴部19aを構成している。半ケース13a,13bには切欠部Qを構成した。切欠部Qがない状態では、ケースの外形形状Pは二点鎖線のようになるが、切欠部Qを構成することで、畝や作物との接触干渉を防止できる。半ケース13a側の切欠部Q部分については、半ケース13aを覆うリヤケース19側にも切欠部19bを構成した。このため、後輪5との距離が長くなり、後輪5が持ち回る泥等の接触を防止できる。
【0025】
中間伝動軸14に設ける中間ギヤMG1,MG2については、一枚のギヤとすることで、部品点数が減って廉価な構成となる。ブレーキアームBは支持ブラケット18で囲っているので、ブレーキアームBの配置に影響はない。
【0026】
半ケース13a,13bの合わせ面は軸に対して垂直なので、加工が容易となっている。
【0027】
更に、ミッションケース3のフロントケース17の左右両側から突設する支持ブラケット18にリヤケース19を装着(ボルトV止め)し、このリヤケース19に車輪伝動ケース13をボルトVで固定している。支持ブラケット18は、フロントケース17に共締め(ボルト止め)してあり、フロントケース17中心に対称形状(図4参照)をなしている。
【0028】
また、車輪伝動ケース13を保持するリヤケース19はリヤフレーム21にボルトなどによって一体的に締付固定した構成としている。また、リヤケース19はコ字型形状をしており、車輪伝動ケース13を上方から覆う構成にしている。
【0029】
図10は、ボンネットを開いた時に支える開閉ロッドの収容例を示すものであるが、その図例における開閉ロッド24は、ボンネット2側に支点Qを設け、ボンネットを閉じた時にその前部裏側に沿わせて収容する構成としている。また、開閉ロッド24がバッテリ25を回避する位置で適度に折りまげを入れた構成としている。また、図11例では、開閉ロッド24の先端をボンネットの前面壁に設けた係合穴26から差し込む構成で、2枚の座金27a,27bがロッドについていて、そのうち手前の座金27aを大径に構成している。
【0030】
図12〜図14例に示すように、左右一体型のヘッドランプ28,28の固定方法として、中央部をC1,C2部材にて二箇所で支え、左右両サイドS1,S2はボンネット2のアッパサイドをスポット溶接したフランジに二箇所で固定するように構成している。
【0031】
耕耘作業時に燃料消費量を抑えるため、旋回時にロータリ作業機を上げと、エンジンの回転数を落すように構成すれば、燃料の消費を抑制することができる。 図15例に示すように、ホルダ30に支軸31回りに揺動する制御アーム32を設け、アクセルレバー33とエンジンスロットルとを結ぶケーブル34を二つに分割して、ケーブル34a,34bを構成し、エンジンスロットル側のケーブル34aを制御アーム32に連結すると共に、アクセルレバー33側のケーブル34bはスプリング35を介して前記制御アーム32に連動連結している。
【0032】
そして、耕耘作業時は、アクセルレバー33をエンジン回転上げスロットルにした状態にまで操作するが、一行程の作業が終わって旋回する時は、例えば、昇降レバー36を作業機上げ方向に操作すると、連動ワイヤ37を介して制御アーム32を作動し、ケーブル34aをスプリング35に抗してスロットル下げ方向に操作する。従って、旋回時にはエンジンはアイドリング状態で回転し、燃料の消費が抑制されることになる。
【0033】
また、他の実施例として、エンジン制御ワイヤとフルターン用モータを連動構成し、フルターン作動時(例えばステアリンハンドルの旋回操作時)にエンジン制御ワイヤが引かれ、エンジン回転数を下げるように構成することもできる。
【0034】
図16、図17例について説明すると、燃料タンク38内には、直線状のレール40と、レールに拘束され、更に該レール上を自由に移動可能な移動ブラケット41と、移動ブラケットに繋がったフロート42を備え、移動ブラケット41には発光部と受光部を有したフォトインタラプタ43を備える。前記レール40は、穴39と穴のあいていない部分が交互に連続したテープ状のプラスチックからなり、フォトインタラプタ43の発光部と受光部との間に設置している。
【0035】
燃料の液面Lは、フォトインタラプタからのパルス信号をAD変換後カウントし、以下の式に従って計算する構成としている。
【0036】
液面L=(穴間の距離R*カウント数)*sinθ
上記のような燃料計測センサによれば、特殊な形状の燃料タンクでも燃料の残量が計測可能となる。
【0037】
また、上記構成において、逐次、算出された液面高さは、不揮発性のメモリ内に保存を行う構成とすることで、エンジンストップ後の再起動時に読み出して初期値として利用することができる。
【符号の説明】
【0038】
3 ミッションケース
10 車軸
11 アクスルハウジング
12 車輪軸
13 車輪伝動ケース
14 中間伝動軸
15 車軸ギヤ
16 最終ギヤ
17 フロントケース
18 支持ブラケット
19 リヤケース
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミッションケース(3)からの伝動を受ける車軸(10)を架設したアクスルハウジング(11)と、車軸(10)から中間伝動軸(14)を介してギヤ伝動可能な車輪軸(12)を架設した車輪伝動ケース(13)を備え、前記ミッションケース(3)の外側であって伝動上手側から伝動下手側にかけて前記車輪伝動ケース(13)を下側に向けて配置し、前記車軸(10)と中間伝動軸(14)との軸間距離(A)は該中間伝動軸(14)と車輪軸(12)との軸間距離(B)と同一距離に設定してあることを特徴とするトラクタ。
【請求項2】
前記車輪伝動ケース(13)は、左右に分割して半ケース(13a),(13b)に構成し、該半ケース(13a),(13b)は同一部品で共用とし、前記中間伝動軸(14)の軸芯であって左右の中心である点(T)を中心として点対称に半ケース(13a),(13b)を配置してあることを特徴とする請求項1記載のトラクタ。
【請求項3】
前記車軸(10)に車軸ギヤ(15)を設け、該車軸ギヤ(15)に噛み合う中間ギヤ(MG1)を中間伝動軸(14)に設け、中間ギヤ(MG1)の隣に中間ギヤ(MG2)を設け、該中間ギヤ(MG2)に噛み合う最終ギヤ(16)を車輪軸(12)に設け、前記中間ギヤ(MG1)と中間ギヤ(MG2)は一枚のギヤで構成した請求項2記載のトラクタ。
【請求項1】
ミッションケース(3)からの伝動を受ける車軸(10)を架設したアクスルハウジング(11)と、車軸(10)から中間伝動軸(14)を介してギヤ伝動可能な車輪軸(12)を架設した車輪伝動ケース(13)を備え、前記ミッションケース(3)の外側であって伝動上手側から伝動下手側にかけて前記車輪伝動ケース(13)を下側に向けて配置し、前記車軸(10)と中間伝動軸(14)との軸間距離(A)は該中間伝動軸(14)と車輪軸(12)との軸間距離(B)と同一距離に設定してあることを特徴とするトラクタ。
【請求項2】
前記車輪伝動ケース(13)は、左右に分割して半ケース(13a),(13b)に構成し、該半ケース(13a),(13b)は同一部品で共用とし、前記中間伝動軸(14)の軸芯であって左右の中心である点(T)を中心として点対称に半ケース(13a),(13b)を配置してあることを特徴とする請求項1記載のトラクタ。
【請求項3】
前記車軸(10)に車軸ギヤ(15)を設け、該車軸ギヤ(15)に噛み合う中間ギヤ(MG1)を中間伝動軸(14)に設け、中間ギヤ(MG1)の隣に中間ギヤ(MG2)を設け、該中間ギヤ(MG2)に噛み合う最終ギヤ(16)を車輪軸(12)に設け、前記中間ギヤ(MG1)と中間ギヤ(MG2)は一枚のギヤで構成した請求項2記載のトラクタ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2013−87938(P2013−87938A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−232284(P2011−232284)
【出願日】平成23年10月21日(2011.10.21)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月21日(2011.10.21)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
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