トルク検出装置
【課題】本発明は、構造がシンプルでしかも小型化させ易いトルク検出装置を提供する。
【解決手段】トルク検出装置1は、環状のマグネット21と第1の環状のヨーク22と第2の環状のヨーク23と磁気センサ24とで構成され、環状のマグネット21には、周方向にS極とN極とが交互に着磁され、第1のヨーク22は、マグネット21のS極にそれぞれ対峙して環状に配列された歯状の第1の被磁化部22aと、第1の被磁化部22aのそれぞれを連結するように環状に形成された第1の環状プレート22bとを有し、第2のヨーク23は、マグネット21のN極にそれぞれ対峙して環状に配列された歯状の第2の被磁化部23aと、第2の被磁化部23aのそれぞれを連結するように環状に形成され、第1の環状プレート22bに対面して配置された第2の環状プレート23bと、を有し、磁気センサ24は、第1の環状プレート22bと第2の環状プレート23bとの間に配置されている。
【解決手段】トルク検出装置1は、環状のマグネット21と第1の環状のヨーク22と第2の環状のヨーク23と磁気センサ24とで構成され、環状のマグネット21には、周方向にS極とN極とが交互に着磁され、第1のヨーク22は、マグネット21のS極にそれぞれ対峙して環状に配列された歯状の第1の被磁化部22aと、第1の被磁化部22aのそれぞれを連結するように環状に形成された第1の環状プレート22bとを有し、第2のヨーク23は、マグネット21のN極にそれぞれ対峙して環状に配列された歯状の第2の被磁化部23aと、第2の被磁化部23aのそれぞれを連結するように環状に形成され、第1の環状プレート22bに対面して配置された第2の環状プレート23bと、を有し、磁気センサ24は、第1の環状プレート22bと第2の環状プレート23bとの間に配置されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動アシスト自転車などで踏力の検出に利用されるトルク検出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、このような分野の技術として、特開平10−232175号公報がある。この公報に記載された電動アシスト自転車は、メインフレームの前部に前輪及びハンドルを備え、後部には駆動輪となる後輪を備えている。メインフレームの略中央には、上端にサドルを装着したシートチューブが配置され、シートチューブの下端には、ペダル機構を枢支する筒状フレームが設けられている。ペダル機構のクランクは、圧縮バネを介してスプロケットに連結され、このスプロケットは、モータ駆動する後輪のスプロケットにチェーンを介して連結されている。具体的に、圧縮バネは、スプロケットに形成された窓孔内に挿入され、圧縮バネの一端は、クランクの軸部に固定された係合板の押し片に支持され、圧縮バネの他端は、窓孔の端部で支持されている。よって、クランクのペダルを踏むと、その踏力は、圧縮バネを介してスプロケットに伝達される。さらに、ペダル機構には、トルク検出装置が装備されている。トルク検出装置は、スプロケットに形成されると共に、周方向で等間隔に形成された外側検出窓を有する外輪と、係合板に形成されると共に、周方向で等間隔に形成された内側検出窓を有する内輪と、対向して配置された外輪と内輪との間に配置されたマグネットと、内輪を挟んでマグネットに対向して配置された内側ホール素子と、外輪を挟んでマグネットに対向して配置された外側ホール素子と、で構成されている。そして、内輪と外輪に位相のずれが生じたとき、内外2つのホール素子の出力波形にも位相のずれが生じる。出力波形の位相のずれを検出し、トルク検出装置は、位相のずれに応じて補助動力であるモータの制御部に信号を送る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−232175号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前述した従来のトルク検出装置は、内外2つのホール素子と、内外の検出窓とを必要とするので、構造が複雑化して、小型化させ難いといった問題点がある。
【0005】
本発明は、構造がシンプルでしかも小型化させ易いトルク検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、主回転部材と、主回転部材に弾性部材を介して連結された従回転部材と、を有する回転体の主回転部材に加わるトルクを検出するトルク検出装置において、
周方向にS極とN極とが交互に着磁された環状のマグネットと、
マグネットのS極にそれぞれ対峙して環状に配列された第1の被磁化部と、第1の被磁化部のそれぞれを連結するように環状に形成された第1の環状プレートと、を有する第1のヨークと、
マグネットのN極にそれぞれ対峙して環状に配列された第2の被磁化部と、第2の被磁化部のそれぞれを連結するように環状に形成され、第1の環状プレートに対面して配置された第2の環状プレートと、を有する第2のヨークと、
第1の環状プレートと第2の環状プレートとの間に配置されて磁気量を検知する磁気センサと、を備え、
マグネットは、回転体における主回転部材と従回転部材との何れか一方に固定され、第1及び第2のヨーク部材は、回転体における他方に固定され、磁気センサは、非回転部材に固定されることを特徴とする。
【0007】
このトルク検出装置においては、回転体にマグネットと第1のヨークと第2のヨークとが固定され、回転体は、主回転部材と従回転部材とを弾性部材を介して連結されたものであり、主回転部材と従回転部材との位相差を磁気センサで検出する。回転体に加わるトルク変動を検出するにあたって、トルク検出装置が複雑な構造であればあるほど壊れ易くなる。よって、トルク検出装置は、構造がシンプルであることが重要である。特に自転車は小型軽量化が求められているので、トルク検出装置も、小型軽量化されることが望まれる。そこで、このような目的を達成するために、本発明のトルク検出装置は、環状のマグネットと第1の環状のヨークと第2の環状のヨークと磁気センサとで構成され、環状のマグネットには、周方向にS極とN極とが交互に着磁され、第1のヨークは、マグネットのS極にそれぞれ対峙して環状に配列された第1の被磁化部と、第1の被磁化部のそれぞれを連結するように環状に形成された第1の環状プレートとを有し、第2のヨークは、マグネットのN極にそれぞれ対峙して環状に配列された第2の被磁化部と、第2の被磁化部のそれぞれを連結するように環状に形成され、第1の環状プレートに対面して配置された第2の環状プレートと、を有し、磁気センサは、第1の環状プレートと第2の環状プレートとの間に配置されている。従って、本発明のトルク検出装置では、磁気センサ及びマグネットが1個であっても、主回転部材に加わるトルクの変動を確実に検出することができ、これによって、トルク検出装置を、シンプルな構造にでき、しかも小型化させ易い。さらには、回転体の回転速度に拘わらず、トルクの変化を確実に検出することができる。
【0008】
また、マグネットを包囲するように配置されると共に、第1及び第2の被磁化部に当接されて第1及び第2の被磁化部の台座をなす非磁性の環状スペーサを更に備える。
このような構成を採用すると、スペーサによって、第1及び第2のヨークの着座安定化を図ることができる。しかも、第1及び第2の被磁化部とマグネットの表面との間の僅かな隙間を容易に且つ精度良く作り出すことができる。
【0009】
また、第1の被磁化部と第2の被磁化部は、回転体の回転軸線に対して直交して延在する同一平面状に配列されている。
このような構成を採用すると、被磁化部のフラット化を図ることができ、これによって、マグネットと被磁化部とを等間隔で離間させることができるので、均一な磁性を第1及び第2の環状プレート上に作り出すことができる。従って、回転体のどの位置であっても、第1の環状プレートと第2の環状プレートとの間に配置されている磁気センサによって、確実且つ精度良く変動トルクを検出することができる。
【0010】
また、第1及び第2の被磁化部は、回転体の回転軸線に対して略直交する方向で歯状に形成され、第1及び第2の環状プレートの平面部は、第1及び第2の被磁化部に対して略直角に配置されている。
このような構成を採用すると、第1及び第2のヨークの小径化が可能になる。
【0011】
また、第1及び第2の被磁化部は、回転体の回転軸線に対して略直交する方向で歯状に形成され、第1及び第2の環状プレートの平面部は、回転軸線に対して略直角に配置されている。
このような構成を採用すると、第1及び第2のヨークの扁平薄型化が可能になる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、構造がシンプルでしかも小型化させ易い。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係るトルク検出装置の一実施形態を示す分解斜視図である。
【図2】自転車に組み込まれたトルク検出装置を示す平面図である。
【図3】図2の断面図である。
【図4】第1のヨークの平面図である。
【図5】図4の断面図である。
【図6】第2のヨークの平面図である。
【図7】図6の断面図である。
【図8】スペーサの平面図である。
【図9】図8の断面図である。
【図10】マグネットとヨークの関係を示す平面図である。
【図11】マグネットと第1の被磁化部と第2の被磁化部との関係を模式的に示す図である。
【図12】他の変形例に係る第1及び第2のヨークを示す斜視図である。
【図13】図12に示された第1のヨークと第2のヨークとが組み付けられた状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しつつ本発明に係るトルク検出装置の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0015】
図1に示されるトルク検出装置1は、電動および電動アシスト自転車に適用され、電動アシスト自転車は、サドルが取り付けられるメインフレームを有し、このメインフレームの前部には、モータで駆動可能とされる前輪及びハンドルが取り付けられ、後部には後輪が取り付けられている。メインフレームの略中央には、前側のスプロケット11が回転自在に取り付けられ、前側のスプロケット11と後側のスプロケットは、チェーンにより連結され、モータにより、ペダル2の踏力をアシストしている。
【0016】
ペダル2により回転するスプロケット11は、回転体10の一部としてクランク4に連結されている。回転体10は、チェーンに噛合されるスプロケット(従回転部材)11と、クランク4が固定されると共にスプロケット11の中央開口11a内に挿入される円筒状のボス部12aを有する円板(主回転部材)12と、スプロケット11と円板12とを連結する弾性部材としての圧縮コイルバネ13と、からなる。
【0017】
スプロケット11には、中央開口11aを囲むように4個のバネ挿入孔11bが形成されている。円板12には、スプロケット11の平面に対して摺接するフランジ部12bが設けられ、このフランジ部12bには、バネ挿入孔11b内に挿入されるバネ受け部12cが設けられている。そして、圧縮コイルバネ13の一端には、バネ挿入孔11bの端に形成された凸部11cが挿入され、圧縮コイルバネ13の他端には、バネ受け部12cに形成された凸部12dが挿入され、これによって、圧縮コイルバネ13がバネ挿入孔11bから脱落するのを防止している。
【0018】
このような回転体10では、ペダル2の踏力によって円板12が回転し、この円板12の回転力は圧縮コイルバネ13を介してスプロケット11に伝達される。そして、円板12に伝達された踏力のトルク変動を検出するためのトルク検出装置1が回転体10に取り付けられている。
【0019】
トルク検出装置1は、周方向にS極とN極とが交互に着磁された環状のマグネット21(図10参照)と、マグネット21のS極に隙間をもってそれぞれ対峙して環状に配列された歯状の第1の被磁化部22aと、第1の被磁化部22aのそれぞれを連結するように環状に形成された第1の環状プレート22bと、を有する第1のヨーク22と、マグネット21のN極に隙間をもってそれぞれ対峙して環状に配列された歯状の第2の被磁化部23aと、第2の被磁化部23aのそれぞれを連結するように環状に形成され、第1の環状プレート22bに対面して配置された第2の環状プレート23bと、を有する第2のヨーク23と、第1の環状プレート22bと第2の環状プレート23bとの間に配置されて磁気量を検知するホール素子としての磁気センサ24と、を備えている。
【0020】
図1〜図5に示されるように、第1のヨーク22において、第1の被磁化部22aは、回転体10の回転軸線Lに対して略直交する方向で台形の歯状に等間隔で形成されている。第1の環状プレート22bは、各第1の被磁化部22aの基端を連結するように環状に形成され、第1の環状プレート22bの平面部は、第1の被磁化部22aに対して略直角に配置されている。そして、第1の環状プレート22bの基端には、各第1の被磁化部22aの間に切欠き部22cが形成され、この切欠き部22c内に第2のヨーク23の第2の被磁化部23aが隙間をもって挿入されている。
【0021】
図1〜図3及び図6、図7に示されるように、第2のヨーク23において、第2の被磁化部23aは、回転体10の回転軸線Lに対して略直交する方向で台形の歯状に等間隔で形成されている。第2の環状プレート23bは、各第2の被磁化部23aの基端を連結するように環状に形成された環状の拡大部23cに接合されている。そして、第2の環状プレート23bの平面部は、第2の被磁化部23aに対して略直角に配置されていると共に、第1の環状プレート22bの外側に配置されている。
【0022】
各第1及び第2の被磁化部22a,23aは、図8及び図9に示される環状の非磁性(例えばアルミニウム)の環状スペーサ27上に配列される。この環状スペーサ27は、環状のマグネット21を包囲するように配置されると共に、第1及び第2の被磁化部22a,23aに当接されて第1及び第2の被磁化部22a,23aの台座として利用される。スペーサ27の採用によって、第1及び第2のヨーク22,23の着座安定化を図ることができる。しかも、スペーサ27の肉厚は、マグネット21の肉厚より僅かに大きくなっているので、肉厚の差分をもって、第1及び第2の被磁化部22a,23aとマグネット21の表面との間に僅かな隙間を容易に且つ精度良く作り出すことができる。
【0023】
さらに、図10に示されるように、第1の被磁化部22aと第2の被磁化部23aは、スペーサ27によって、回転体10の回転軸線Lに対して直交して延在する同一平面上に配列させられている。そして、各第1の被磁化部22aは、マグネット21のS極に対して隙間をもってそれぞれ対峙させられ、各第2の被磁化部23aは、マグネット21のN極に対して隙間をもってそれぞれ対峙させられ、これによって、第1の環状プレート22bは全周にわたってS極になり、第2の環状プレート23bも全周にわたってN極になる。
【0024】
スペーサ27を採用すると、被磁化部22a,23aのフラット化を容易に図ることができ、これによって、マグネット21と被磁化部22a,23aとを等間隔で離間させることができるので、均一な磁性を第1及び第2の環状プレート22b,23b上に作り出すことができる。従って、回転体10のどの位置であっても、第1の環状プレート22bと第2の環状プレート23bとの間に配置されているホール素子24によって、確実且つ精度良く変動トルクを検出することができる。
【0025】
図1〜図3に示されるように、マグネット21は、接着剤をもって円板12のボス部12aに固定されている。第1及び第2のヨーク22,23は、第1及び第2の被磁化部22a,23aに形成されたビス挿入孔22d,23d(図4及び図6参照)を貫通するビス25,26によって非磁性のスペーサ27に固定され、スペーサ27は、スプロケット11に接着剤をもって固定されている。アルミ等の非磁性体からなるスペーサ27には、位置決め凸部27a(図8及び図9参照)が設けられ、この位置決め凸部27aは、スプロケット11に形成された位置決め凹部11d内に挿入され、スペーサ27の取り付け作業の効率化を図っている。
【0026】
また、第1の環状プレート22bと第2の環状プレート23bとの間に配置されるホール素子24は回路基板28に固定され、この回路基板28は、図示しないチェーンカバー、メインフレーム等の非回転部材に固定される。そして、回路基板28からモータ制御部まで配線されている。
【0027】
図11(a)に示されるように、自転車の定速走行中にあって、各第1の被磁化部22aは、マグネット21のS極に対峙させられ、各第2の被磁化部23aは、マグネット21のN極に対峙させられた状態になっている。この状態からペダル2を踏んで自転車を加速させると、図11(b)に示されるように、マグネット21が矢印A方向に移動する。このとき、ホール素子24を通過する磁界の方向や磁束量に変化が生じ、その変化をホール素子24により電気信号に変換し、この電気信号がモータの制御部に送られ、電気信号に応じてモータの出力を増加させる。なお、自転車の走行開始時においても同様のことが言える。
【0028】
前述したトルク検出装置1においては、回転体10にマグネット21と第1のヨーク22と第2のヨーク23とが固定され、回転体10は、円板(主回転部材)12とスプロケット(従回転部材)11とを圧縮コイルバネ13を介して連結されたものであり、主回転部材12と従回転部材11との位相差を磁気センサとしてのホール素子24で検出する。回転体10に加わるトルク変動を検出するにあたって、トルク検出装置1が複雑な構造であればあるほど壊れ易くなる。よって、トルク検出装置1は、構造がシンプルであることが重要である。さらに、自転車は小型軽量化が求められているので、トルク検出装置1も、小型軽量化されることが望まれる。
【0029】
そこで、このような目的を達成するために、前述したトルク検出装置1は、環状のマグネット21と第1の環状のヨーク22と第2の環状のヨーク23と磁気センサ24とで構成され、環状のマグネット21には、周方向にS極とN極とが交互に着磁され、第1のヨーク22は、マグネット21のS極にそれぞれ対峙して環状に配列された歯状の第1の被磁化部22aと、第1の被磁化部22aのそれぞれを連結するように環状に形成された第1の環状プレート22bとを有し、第2のヨーク23は、マグネット21のN極にそれぞれ対峙して環状に配列された歯状の第2の被磁化部23aと、第2の被磁化部23aのそれぞれを連結するように環状に形成され、第1の環状プレート22bに対面して配置された第2の環状プレート23bと、を有し、磁気センサ24は、第1の環状プレート22bと第2の環状プレート23bとの間に配置されている。
【0030】
従って、トルク検出装置1では、ホール素子24及びマグネット21が1個であっても、円板(主回転部材)12に加わるトルクの変動を確実に検出することができ、これによって、トルク検出装置1を、シンプルな構造にでき、しかも小型化させ易い。さらには、回転体10の回転速度に拘わらず、トルクの変化を確実に検出することができる。
【0031】
本発明は、前述した実施形態に限定されないことは言うまでもない。
【0032】
例えば、図12及び図13に示されるように、第1のヨーク32において、第1の被磁化部32aは、回転体10の回転軸線Lに対して略直交する方向で台形の歯状に形成されている。各第1の被磁化部32aは、環状の連結プレート32cの一端に接合され、この連結プレート32cは、第1の被磁化部32aに対して直角に配置されている。この連結プレート32cの他端には、回転軸線Lに対して略直角をなす第1の環状プレート32bが接合されている。
【0033】
第2のヨーク33において、第2の被磁化部33aは、回転体10の回転軸線Lに対して略直交する方向で台形の歯状に形成されている。各第2の被磁化部33aの基端は、回転軸線Lに対して略直角をなす第2の環状プレート33bが接合されている。このような形状の第1及び第2のヨーク32,33を採用すると、第1及び第2のヨーク32,33の扁平薄型化が可能になる。
【0034】
回転体10のうち、スプロケット(従回転部材)11にマグネット21を固定させ、円板(主回転部材)12に第1及び第2のヨーク22,32,23,33を固定させても、初期の目的を達成することができる。
【0035】
磁気センサとしては、ホール素子でなくともMRセンサであってもよい。
【0036】
本発明に係るトルク検出装置は、電動および電動アシスト自転車以外であっても適用可能である。
【0037】
上記実施形態に係る電動および電動アシスト自転車では、前輪をモータにより駆動可能としたが、後輪をモータにより駆動可能としてもよい。
【符号の説明】
【0038】
1…トルク検出装置 10…回転体 11…スプロケット(従回転部材) 12…円板(主回転部材) 13…圧縮コイルバネ(弾性部材) 21…マグネット 22,32…第1のヨーク 22a,32a…第1の被磁化部 22b,32b…第1の環状プレート 23,33…第2のヨーク 23a,33a…第2の被磁化部 23b,33b…第2の環状プレート 24…ホール素子(磁気センサ) 27…スペーサ L…回転軸線
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動アシスト自転車などで踏力の検出に利用されるトルク検出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、このような分野の技術として、特開平10−232175号公報がある。この公報に記載された電動アシスト自転車は、メインフレームの前部に前輪及びハンドルを備え、後部には駆動輪となる後輪を備えている。メインフレームの略中央には、上端にサドルを装着したシートチューブが配置され、シートチューブの下端には、ペダル機構を枢支する筒状フレームが設けられている。ペダル機構のクランクは、圧縮バネを介してスプロケットに連結され、このスプロケットは、モータ駆動する後輪のスプロケットにチェーンを介して連結されている。具体的に、圧縮バネは、スプロケットに形成された窓孔内に挿入され、圧縮バネの一端は、クランクの軸部に固定された係合板の押し片に支持され、圧縮バネの他端は、窓孔の端部で支持されている。よって、クランクのペダルを踏むと、その踏力は、圧縮バネを介してスプロケットに伝達される。さらに、ペダル機構には、トルク検出装置が装備されている。トルク検出装置は、スプロケットに形成されると共に、周方向で等間隔に形成された外側検出窓を有する外輪と、係合板に形成されると共に、周方向で等間隔に形成された内側検出窓を有する内輪と、対向して配置された外輪と内輪との間に配置されたマグネットと、内輪を挟んでマグネットに対向して配置された内側ホール素子と、外輪を挟んでマグネットに対向して配置された外側ホール素子と、で構成されている。そして、内輪と外輪に位相のずれが生じたとき、内外2つのホール素子の出力波形にも位相のずれが生じる。出力波形の位相のずれを検出し、トルク検出装置は、位相のずれに応じて補助動力であるモータの制御部に信号を送る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−232175号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前述した従来のトルク検出装置は、内外2つのホール素子と、内外の検出窓とを必要とするので、構造が複雑化して、小型化させ難いといった問題点がある。
【0005】
本発明は、構造がシンプルでしかも小型化させ易いトルク検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、主回転部材と、主回転部材に弾性部材を介して連結された従回転部材と、を有する回転体の主回転部材に加わるトルクを検出するトルク検出装置において、
周方向にS極とN極とが交互に着磁された環状のマグネットと、
マグネットのS極にそれぞれ対峙して環状に配列された第1の被磁化部と、第1の被磁化部のそれぞれを連結するように環状に形成された第1の環状プレートと、を有する第1のヨークと、
マグネットのN極にそれぞれ対峙して環状に配列された第2の被磁化部と、第2の被磁化部のそれぞれを連結するように環状に形成され、第1の環状プレートに対面して配置された第2の環状プレートと、を有する第2のヨークと、
第1の環状プレートと第2の環状プレートとの間に配置されて磁気量を検知する磁気センサと、を備え、
マグネットは、回転体における主回転部材と従回転部材との何れか一方に固定され、第1及び第2のヨーク部材は、回転体における他方に固定され、磁気センサは、非回転部材に固定されることを特徴とする。
【0007】
このトルク検出装置においては、回転体にマグネットと第1のヨークと第2のヨークとが固定され、回転体は、主回転部材と従回転部材とを弾性部材を介して連結されたものであり、主回転部材と従回転部材との位相差を磁気センサで検出する。回転体に加わるトルク変動を検出するにあたって、トルク検出装置が複雑な構造であればあるほど壊れ易くなる。よって、トルク検出装置は、構造がシンプルであることが重要である。特に自転車は小型軽量化が求められているので、トルク検出装置も、小型軽量化されることが望まれる。そこで、このような目的を達成するために、本発明のトルク検出装置は、環状のマグネットと第1の環状のヨークと第2の環状のヨークと磁気センサとで構成され、環状のマグネットには、周方向にS極とN極とが交互に着磁され、第1のヨークは、マグネットのS極にそれぞれ対峙して環状に配列された第1の被磁化部と、第1の被磁化部のそれぞれを連結するように環状に形成された第1の環状プレートとを有し、第2のヨークは、マグネットのN極にそれぞれ対峙して環状に配列された第2の被磁化部と、第2の被磁化部のそれぞれを連結するように環状に形成され、第1の環状プレートに対面して配置された第2の環状プレートと、を有し、磁気センサは、第1の環状プレートと第2の環状プレートとの間に配置されている。従って、本発明のトルク検出装置では、磁気センサ及びマグネットが1個であっても、主回転部材に加わるトルクの変動を確実に検出することができ、これによって、トルク検出装置を、シンプルな構造にでき、しかも小型化させ易い。さらには、回転体の回転速度に拘わらず、トルクの変化を確実に検出することができる。
【0008】
また、マグネットを包囲するように配置されると共に、第1及び第2の被磁化部に当接されて第1及び第2の被磁化部の台座をなす非磁性の環状スペーサを更に備える。
このような構成を採用すると、スペーサによって、第1及び第2のヨークの着座安定化を図ることができる。しかも、第1及び第2の被磁化部とマグネットの表面との間の僅かな隙間を容易に且つ精度良く作り出すことができる。
【0009】
また、第1の被磁化部と第2の被磁化部は、回転体の回転軸線に対して直交して延在する同一平面状に配列されている。
このような構成を採用すると、被磁化部のフラット化を図ることができ、これによって、マグネットと被磁化部とを等間隔で離間させることができるので、均一な磁性を第1及び第2の環状プレート上に作り出すことができる。従って、回転体のどの位置であっても、第1の環状プレートと第2の環状プレートとの間に配置されている磁気センサによって、確実且つ精度良く変動トルクを検出することができる。
【0010】
また、第1及び第2の被磁化部は、回転体の回転軸線に対して略直交する方向で歯状に形成され、第1及び第2の環状プレートの平面部は、第1及び第2の被磁化部に対して略直角に配置されている。
このような構成を採用すると、第1及び第2のヨークの小径化が可能になる。
【0011】
また、第1及び第2の被磁化部は、回転体の回転軸線に対して略直交する方向で歯状に形成され、第1及び第2の環状プレートの平面部は、回転軸線に対して略直角に配置されている。
このような構成を採用すると、第1及び第2のヨークの扁平薄型化が可能になる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、構造がシンプルでしかも小型化させ易い。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係るトルク検出装置の一実施形態を示す分解斜視図である。
【図2】自転車に組み込まれたトルク検出装置を示す平面図である。
【図3】図2の断面図である。
【図4】第1のヨークの平面図である。
【図5】図4の断面図である。
【図6】第2のヨークの平面図である。
【図7】図6の断面図である。
【図8】スペーサの平面図である。
【図9】図8の断面図である。
【図10】マグネットとヨークの関係を示す平面図である。
【図11】マグネットと第1の被磁化部と第2の被磁化部との関係を模式的に示す図である。
【図12】他の変形例に係る第1及び第2のヨークを示す斜視図である。
【図13】図12に示された第1のヨークと第2のヨークとが組み付けられた状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しつつ本発明に係るトルク検出装置の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0015】
図1に示されるトルク検出装置1は、電動および電動アシスト自転車に適用され、電動アシスト自転車は、サドルが取り付けられるメインフレームを有し、このメインフレームの前部には、モータで駆動可能とされる前輪及びハンドルが取り付けられ、後部には後輪が取り付けられている。メインフレームの略中央には、前側のスプロケット11が回転自在に取り付けられ、前側のスプロケット11と後側のスプロケットは、チェーンにより連結され、モータにより、ペダル2の踏力をアシストしている。
【0016】
ペダル2により回転するスプロケット11は、回転体10の一部としてクランク4に連結されている。回転体10は、チェーンに噛合されるスプロケット(従回転部材)11と、クランク4が固定されると共にスプロケット11の中央開口11a内に挿入される円筒状のボス部12aを有する円板(主回転部材)12と、スプロケット11と円板12とを連結する弾性部材としての圧縮コイルバネ13と、からなる。
【0017】
スプロケット11には、中央開口11aを囲むように4個のバネ挿入孔11bが形成されている。円板12には、スプロケット11の平面に対して摺接するフランジ部12bが設けられ、このフランジ部12bには、バネ挿入孔11b内に挿入されるバネ受け部12cが設けられている。そして、圧縮コイルバネ13の一端には、バネ挿入孔11bの端に形成された凸部11cが挿入され、圧縮コイルバネ13の他端には、バネ受け部12cに形成された凸部12dが挿入され、これによって、圧縮コイルバネ13がバネ挿入孔11bから脱落するのを防止している。
【0018】
このような回転体10では、ペダル2の踏力によって円板12が回転し、この円板12の回転力は圧縮コイルバネ13を介してスプロケット11に伝達される。そして、円板12に伝達された踏力のトルク変動を検出するためのトルク検出装置1が回転体10に取り付けられている。
【0019】
トルク検出装置1は、周方向にS極とN極とが交互に着磁された環状のマグネット21(図10参照)と、マグネット21のS極に隙間をもってそれぞれ対峙して環状に配列された歯状の第1の被磁化部22aと、第1の被磁化部22aのそれぞれを連結するように環状に形成された第1の環状プレート22bと、を有する第1のヨーク22と、マグネット21のN極に隙間をもってそれぞれ対峙して環状に配列された歯状の第2の被磁化部23aと、第2の被磁化部23aのそれぞれを連結するように環状に形成され、第1の環状プレート22bに対面して配置された第2の環状プレート23bと、を有する第2のヨーク23と、第1の環状プレート22bと第2の環状プレート23bとの間に配置されて磁気量を検知するホール素子としての磁気センサ24と、を備えている。
【0020】
図1〜図5に示されるように、第1のヨーク22において、第1の被磁化部22aは、回転体10の回転軸線Lに対して略直交する方向で台形の歯状に等間隔で形成されている。第1の環状プレート22bは、各第1の被磁化部22aの基端を連結するように環状に形成され、第1の環状プレート22bの平面部は、第1の被磁化部22aに対して略直角に配置されている。そして、第1の環状プレート22bの基端には、各第1の被磁化部22aの間に切欠き部22cが形成され、この切欠き部22c内に第2のヨーク23の第2の被磁化部23aが隙間をもって挿入されている。
【0021】
図1〜図3及び図6、図7に示されるように、第2のヨーク23において、第2の被磁化部23aは、回転体10の回転軸線Lに対して略直交する方向で台形の歯状に等間隔で形成されている。第2の環状プレート23bは、各第2の被磁化部23aの基端を連結するように環状に形成された環状の拡大部23cに接合されている。そして、第2の環状プレート23bの平面部は、第2の被磁化部23aに対して略直角に配置されていると共に、第1の環状プレート22bの外側に配置されている。
【0022】
各第1及び第2の被磁化部22a,23aは、図8及び図9に示される環状の非磁性(例えばアルミニウム)の環状スペーサ27上に配列される。この環状スペーサ27は、環状のマグネット21を包囲するように配置されると共に、第1及び第2の被磁化部22a,23aに当接されて第1及び第2の被磁化部22a,23aの台座として利用される。スペーサ27の採用によって、第1及び第2のヨーク22,23の着座安定化を図ることができる。しかも、スペーサ27の肉厚は、マグネット21の肉厚より僅かに大きくなっているので、肉厚の差分をもって、第1及び第2の被磁化部22a,23aとマグネット21の表面との間に僅かな隙間を容易に且つ精度良く作り出すことができる。
【0023】
さらに、図10に示されるように、第1の被磁化部22aと第2の被磁化部23aは、スペーサ27によって、回転体10の回転軸線Lに対して直交して延在する同一平面上に配列させられている。そして、各第1の被磁化部22aは、マグネット21のS極に対して隙間をもってそれぞれ対峙させられ、各第2の被磁化部23aは、マグネット21のN極に対して隙間をもってそれぞれ対峙させられ、これによって、第1の環状プレート22bは全周にわたってS極になり、第2の環状プレート23bも全周にわたってN極になる。
【0024】
スペーサ27を採用すると、被磁化部22a,23aのフラット化を容易に図ることができ、これによって、マグネット21と被磁化部22a,23aとを等間隔で離間させることができるので、均一な磁性を第1及び第2の環状プレート22b,23b上に作り出すことができる。従って、回転体10のどの位置であっても、第1の環状プレート22bと第2の環状プレート23bとの間に配置されているホール素子24によって、確実且つ精度良く変動トルクを検出することができる。
【0025】
図1〜図3に示されるように、マグネット21は、接着剤をもって円板12のボス部12aに固定されている。第1及び第2のヨーク22,23は、第1及び第2の被磁化部22a,23aに形成されたビス挿入孔22d,23d(図4及び図6参照)を貫通するビス25,26によって非磁性のスペーサ27に固定され、スペーサ27は、スプロケット11に接着剤をもって固定されている。アルミ等の非磁性体からなるスペーサ27には、位置決め凸部27a(図8及び図9参照)が設けられ、この位置決め凸部27aは、スプロケット11に形成された位置決め凹部11d内に挿入され、スペーサ27の取り付け作業の効率化を図っている。
【0026】
また、第1の環状プレート22bと第2の環状プレート23bとの間に配置されるホール素子24は回路基板28に固定され、この回路基板28は、図示しないチェーンカバー、メインフレーム等の非回転部材に固定される。そして、回路基板28からモータ制御部まで配線されている。
【0027】
図11(a)に示されるように、自転車の定速走行中にあって、各第1の被磁化部22aは、マグネット21のS極に対峙させられ、各第2の被磁化部23aは、マグネット21のN極に対峙させられた状態になっている。この状態からペダル2を踏んで自転車を加速させると、図11(b)に示されるように、マグネット21が矢印A方向に移動する。このとき、ホール素子24を通過する磁界の方向や磁束量に変化が生じ、その変化をホール素子24により電気信号に変換し、この電気信号がモータの制御部に送られ、電気信号に応じてモータの出力を増加させる。なお、自転車の走行開始時においても同様のことが言える。
【0028】
前述したトルク検出装置1においては、回転体10にマグネット21と第1のヨーク22と第2のヨーク23とが固定され、回転体10は、円板(主回転部材)12とスプロケット(従回転部材)11とを圧縮コイルバネ13を介して連結されたものであり、主回転部材12と従回転部材11との位相差を磁気センサとしてのホール素子24で検出する。回転体10に加わるトルク変動を検出するにあたって、トルク検出装置1が複雑な構造であればあるほど壊れ易くなる。よって、トルク検出装置1は、構造がシンプルであることが重要である。さらに、自転車は小型軽量化が求められているので、トルク検出装置1も、小型軽量化されることが望まれる。
【0029】
そこで、このような目的を達成するために、前述したトルク検出装置1は、環状のマグネット21と第1の環状のヨーク22と第2の環状のヨーク23と磁気センサ24とで構成され、環状のマグネット21には、周方向にS極とN極とが交互に着磁され、第1のヨーク22は、マグネット21のS極にそれぞれ対峙して環状に配列された歯状の第1の被磁化部22aと、第1の被磁化部22aのそれぞれを連結するように環状に形成された第1の環状プレート22bとを有し、第2のヨーク23は、マグネット21のN極にそれぞれ対峙して環状に配列された歯状の第2の被磁化部23aと、第2の被磁化部23aのそれぞれを連結するように環状に形成され、第1の環状プレート22bに対面して配置された第2の環状プレート23bと、を有し、磁気センサ24は、第1の環状プレート22bと第2の環状プレート23bとの間に配置されている。
【0030】
従って、トルク検出装置1では、ホール素子24及びマグネット21が1個であっても、円板(主回転部材)12に加わるトルクの変動を確実に検出することができ、これによって、トルク検出装置1を、シンプルな構造にでき、しかも小型化させ易い。さらには、回転体10の回転速度に拘わらず、トルクの変化を確実に検出することができる。
【0031】
本発明は、前述した実施形態に限定されないことは言うまでもない。
【0032】
例えば、図12及び図13に示されるように、第1のヨーク32において、第1の被磁化部32aは、回転体10の回転軸線Lに対して略直交する方向で台形の歯状に形成されている。各第1の被磁化部32aは、環状の連結プレート32cの一端に接合され、この連結プレート32cは、第1の被磁化部32aに対して直角に配置されている。この連結プレート32cの他端には、回転軸線Lに対して略直角をなす第1の環状プレート32bが接合されている。
【0033】
第2のヨーク33において、第2の被磁化部33aは、回転体10の回転軸線Lに対して略直交する方向で台形の歯状に形成されている。各第2の被磁化部33aの基端は、回転軸線Lに対して略直角をなす第2の環状プレート33bが接合されている。このような形状の第1及び第2のヨーク32,33を採用すると、第1及び第2のヨーク32,33の扁平薄型化が可能になる。
【0034】
回転体10のうち、スプロケット(従回転部材)11にマグネット21を固定させ、円板(主回転部材)12に第1及び第2のヨーク22,32,23,33を固定させても、初期の目的を達成することができる。
【0035】
磁気センサとしては、ホール素子でなくともMRセンサであってもよい。
【0036】
本発明に係るトルク検出装置は、電動および電動アシスト自転車以外であっても適用可能である。
【0037】
上記実施形態に係る電動および電動アシスト自転車では、前輪をモータにより駆動可能としたが、後輪をモータにより駆動可能としてもよい。
【符号の説明】
【0038】
1…トルク検出装置 10…回転体 11…スプロケット(従回転部材) 12…円板(主回転部材) 13…圧縮コイルバネ(弾性部材) 21…マグネット 22,32…第1のヨーク 22a,32a…第1の被磁化部 22b,32b…第1の環状プレート 23,33…第2のヨーク 23a,33a…第2の被磁化部 23b,33b…第2の環状プレート 24…ホール素子(磁気センサ) 27…スペーサ L…回転軸線
【特許請求の範囲】
【請求項1】
主回転部材と、前記主回転部材に弾性部材を介して連結された従回転部材と、を有する回転体の前記主回転部材に加わるトルクを検出するトルク検出装置において、
周方向にS極とN極とが交互に着磁された環状のマグネットと、
前記マグネットの前記S極にそれぞれ対峙して環状に配列された第1の被磁化部と、前記第1の被磁化部のそれぞれを連結するように環状に形成された第1の環状プレートと、を有する第1のヨークと、
前記マグネットの前記N極にそれぞれ対峙して環状に配列された第2の被磁化部と、前記第2の被磁化部のそれぞれを連結するように環状に形成され、前記第1の環状プレートに対面して配置された第2の環状プレートと、を有する第2のヨークと、
前記第1の環状プレートと前記第2の環状プレートとの間に配置されて磁気量を検知する磁気センサと、を備え、
前記マグネットは、前記回転体における前記主回転部材と前記従回転部材との何れか一方に固定され、前記第1及び第2のヨーク部材は、前記回転体における他方に固定され、前記磁気センサは、非回転部材に固定されることを特徴とするトルク検出装置。
【請求項2】
前記マグネットを包囲するように配置されると共に、前記第1及び第2の被磁化部に当接されて前記第1及び第2の被磁化部の台座をなす非磁性の環状スペーサを更に備えたことを特徴とする請求項1記載のトルク検出装置。
【請求項3】
前記第1の被磁化部と前記第2の被磁化部は、前記回転体の回転軸線に対して直交して延在する同一平面状に配列されていることを特徴とする請求項1又は2記載のトルク検出装置。
【請求項4】
前記第1及び第2の被磁化部は、前記回転体の回転軸線に対して略直交する方向で歯状に形成され、前記第1及び第2の環状プレートの平面部は、前記第1及び第2の被磁化部に対して略直角に配置されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のトルク検出装置。
【請求項5】
前記第1及び第2の被磁化部は、前記回転体の回転軸線に対して略直交する方向で歯状に形成され、前記第1及び第2の環状プレートの平面部は、前記回転軸線に対して略直角に配置されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のトルク検出装置。
【請求項1】
主回転部材と、前記主回転部材に弾性部材を介して連結された従回転部材と、を有する回転体の前記主回転部材に加わるトルクを検出するトルク検出装置において、
周方向にS極とN極とが交互に着磁された環状のマグネットと、
前記マグネットの前記S極にそれぞれ対峙して環状に配列された第1の被磁化部と、前記第1の被磁化部のそれぞれを連結するように環状に形成された第1の環状プレートと、を有する第1のヨークと、
前記マグネットの前記N極にそれぞれ対峙して環状に配列された第2の被磁化部と、前記第2の被磁化部のそれぞれを連結するように環状に形成され、前記第1の環状プレートに対面して配置された第2の環状プレートと、を有する第2のヨークと、
前記第1の環状プレートと前記第2の環状プレートとの間に配置されて磁気量を検知する磁気センサと、を備え、
前記マグネットは、前記回転体における前記主回転部材と前記従回転部材との何れか一方に固定され、前記第1及び第2のヨーク部材は、前記回転体における他方に固定され、前記磁気センサは、非回転部材に固定されることを特徴とするトルク検出装置。
【請求項2】
前記マグネットを包囲するように配置されると共に、前記第1及び第2の被磁化部に当接されて前記第1及び第2の被磁化部の台座をなす非磁性の環状スペーサを更に備えたことを特徴とする請求項1記載のトルク検出装置。
【請求項3】
前記第1の被磁化部と前記第2の被磁化部は、前記回転体の回転軸線に対して直交して延在する同一平面状に配列されていることを特徴とする請求項1又は2記載のトルク検出装置。
【請求項4】
前記第1及び第2の被磁化部は、前記回転体の回転軸線に対して略直交する方向で歯状に形成され、前記第1及び第2の環状プレートの平面部は、前記第1及び第2の被磁化部に対して略直角に配置されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のトルク検出装置。
【請求項5】
前記第1及び第2の被磁化部は、前記回転体の回転軸線に対して略直交する方向で歯状に形成され、前記第1及び第2の環状プレートの平面部は、前記回転軸線に対して略直角に配置されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のトルク検出装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−100999(P2013−100999A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−243750(P2011−243750)
【出願日】平成23年11月7日(2011.11.7)
【出願人】(000001225)日本電産コパル株式会社 (755)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月7日(2011.11.7)
【出願人】(000001225)日本電産コパル株式会社 (755)
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