説明

トレーニング器具

【課題】 従来の振動、衝撃を体感しながら素振り練習ができる素振り練習器具をさらに向上させ、バットでボールを押しているような感触が体感でき、振動、衝撃が手に伝わりづらくすることで、回数を多く素振りができる素振り練習用具を提供する。
【解決手段】 シャフトと、シャフトの先端部に被打撃部材と、シャフトの基端部にはグリップと、グリップを握り素振りをした際に遠心力及び慣性によりシャフトに沿って先端部側に移動する打撃部材とを有し打撃部材が移動して被打撃部材に衝突することにより、衝撃力ならびに打撃音を生じる素振り用練習用具において、打撃部材の軸方向両端の径は両端以外の径より小さくすることと、シャフトの内部には接合部を介しておもりを取り付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、野球、テニス、バドミントン、ゴルフなどで空気抵抗を受けながらボールを押すような素振り練習ができ、また、振動、衝撃を少なくすることで、素振りの回数を増やすことができる素振り用練習用具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
野球、テニス、ゴルフなどにおいて実際に打った時のような衝撃力、打撃音、感触、臨場感を体感できる素振り練習器が考えられていた。
(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】 特開平08−024386号公報
【特許文献2】 特開2005−080912公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1においては、良好な衝撃力、打撃音、感触などを得ることができるものの、打撃部材の長さが短いために、ボールを押すという感触が体感できなかった。
【0004】
また、特許文献2においては、良好な衝撃力、打撃音、感触などを得ることができるものの、素振りによる遠心力及び慣性によって、打撃部材が先端に移動した場合、手元側が重くなるように形成していることで、腕、肘から力を抜くことができヘッドのぶれない安定したスイングはできるが、振動、衝撃があるために数多く素振りをすると、筋力の弱い人は手や腕に負担がかかった。
【0005】
本発明はこの点を考慮し、さらに改良向上させるために、実際にボールを打った時に、バットでボールを押し込んだ時のような感触が体感でき、さらに、素振りの回数を増やせる素振り用練習用具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために請求項1に記載の素振り練習用具は、シャフトと、シャフトの先端部に被打撃部材と、シャフトの基端部にはグリップと、グリップを握り素振りをした際に遠心力及び慣性によりシャフトに沿って先端部側に移動する打撃部材とを有し打撃部材が移動して被打撃部材に衝突することにより、衝撃力ならびに打撃音を生じる素振り用練習用具において、打撃部材の軸方向両端の径は両端以外の径より小さくすることと、シャフトの内部には接合部を介しておもりを取り付けることを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載の素振り練習用具は、シャフトとおもりの接合部は振動、衝撃を吸収する素材で形成することを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載の素振り練習用具は、接合部は1カ所以上とし、接合部以外は、シャフトとおもりは接触しないように形成することを特徴とする。
【0008】
請求項4に記載の素振り練習用具は、おもりは、シャフトの先端部側から基端部側のいずれかの場所に取り付けることを特徴とする。
【0009】
請求項5に記載の素振り練習用具は、前記打撃部材は、木であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
上述した本発明の素振り練習用具は、素振りをすることにより空気の抵抗を受けるように打撃部材を長い形状に形成しており、これにより、素振りの際にボールを打った時のような空気の抵抗により重量感がプラスされ、バットでボールを押しているような感触が体感できるという優れた効果を発揮することができる。
【0010】
また、打撃部材の両端の径を他の部分の径より小さくすることで、素振りをする本人が打撃部材を指で押さえて離すことができるために、ボールを打つ位置となる打点を自分で決めることができるという優れた効果を発揮することができる。
【0011】
また、シャフト内の内壁とおもりの接続部分を振動及び衝撃を吸収する弾性部材で形成することにより、打撃部材が被打撃部材に衝突した際に、おもりに振動、衝撃が伝わりにくくなり、おもりに振動、衝撃が伝わりにくいことにより、おもりが独立した状態を保つことができる。おもりが独立した状態を保つことにより、おもり独自の運動ができ、素振り時に、素振り用練習用具へ働く遠心力と、おもり単体に働く遠心力の2重の相乗効果が現れ、遠心力がさらに強く働きフォロースルーが大きくなるという優れた効果を発揮することができる。
【0012】
また、素振り時に打撃部材が被打撃部材に衝突して振動、衝撃を与えるが、シャフト内のおもりに振動、衝撃が伝わりにくいことにより、おもりが振動により震えることも少なく、よって素振り用練習用具自体の振動も少なくなり数多く素振り練習ができるという優れた効果を発揮することができる。
【0013】
また、打撃部材が木であることにより、特許文献1、2に比較して軽量に形成することができるため、素振りにより打撃部材が被打撃部材に衝突しても振動、衝撃などの負荷が少なく、インパクトから片手で軽く振り抜くことができ、大きなフォロースルーに移行することができるという優れた効果を発揮することができる。
【発明をするための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図1を参照して詳しく説明する。ただし、本実施の形態により、本発明が限定されるものではなく、以下の実施の形態は、本発明の素振り練習用具についての一例として説明するものであり、この説明の内容に限定されるものではない。
【0015】
図1は、本発明の素振り練習用具の斜視図である。本発明の素振り練習用具は、シャフト1、打撃部材2、打撃部材の両端部2′、被打撃部材3、グリップ4から構成される。
【0016】
打撃部材2は空気抵抗を受けやすい形状に形成しており、打撃部材2の全長が長くなるほど空気抵抗を受けやすく、バットでボールを打撃した時のような空気抵抗を得ることができ、素振り時にバットに重さが加わったような抵抗感を得ることができ、ボールをバットで押しているような感触を体感できる。
【0017】
また、打撃部材2の両端部2′の径が小さくなっていることで、打撃部材が被打撃部材に衝突した際に、衝突面積が小さくなることでバットの芯にボールが当たりバットの芯に重さを感じたような感触を得ることができる。
【0018】
図2は、本発明の素振り用練習用具の右側面図である。シャフト1、打撃部材2、両端部2′、被打撃部材3、グリップ4、接合部5、おもり6から構成される。図2のおもり6はシャフトの先端部側に取り付けた一例である。
【0019】
図3は、シャフト1内に接合部5を介しておもり6を取り付けた部分の拡大図である。シャフト1、接合部5、おもり6、空間部7から構成される。接合部5は、振動、衝撃を吸収する弾性体を使用し、空間7を設けながらおもり6に巻き付けるように取りつける。これにより、素振り時に打撃部材2が被打撃部材3に衝突して発生する振動、衝撃を吸収することができ、おもり6に振動、衝撃が伝わらないことで、おもり6が独立した働きをすることができる。おもり6が独立した運動をすることで、本発明の素振り用練習用具の遠心力と、おもり6の独力の遠心力が加算され増幅されてさらに遠心力が強く働き、遠心力が強く働くことで、体の捻転が大きくなり大きなフォロースルーを体得することができる。
【0020】
また、空間7の存在と弾性体を使用した接合部5により、おもり6と本発明の素振り用練習用具は振動、衝撃を共鳴することが少なくなり、よって、本発明の素振り練習用具を握って素振り練習をしても手や腕に伝わる振動、衝撃が少なく素振りの回数を増やすことができる。
【0021】
図4は、本発明の素振り用練習用具の打撃部材2がグリップ4側に位置する斜視図である。シャフト1、打撃部材2、被打撃部材3、グリップ4から構成される。
【0022】
図5は、本発明の素振り練習用具と特許文献1、2の打撃部材の移動距離の比較をしたものである。Aのaは本発明の素振り練習用具の打撃部材の移動距離、Bのbは特許文献1、2の打撃部材の移動距離である。aの移動距離は短く、bの移動距離は長い。打撃部材の移動距離を短くした理由は、可能な限り体の捻転を使って素振りができるようにしたものである。体の捻転を使って素振りをするということは、コンパクトな素振りができるということであり、腕だけで振る手打ちといわれる体の捻転を使わない素振りを回避するためのものである。体の捻転で振ることにより、打球に力が効果的に伝わり力強い打撃が可能になる。
【0023】
図6は、本発明の素振り用練習用具を持って素振りをしている図である。打撃部材の移動距離が短いことから、体の捻転を使って前へ押す出す素振りのトレーニングができる。
【産業上の利用可能性】
【0023】
本発明は、衝撃力ならびに打撃音を生じる素振り用練習用具において、野球用のものを説明しているが、テニスやバドミントンのラケット、ゴルフのクラブなどの形状に形成すし利用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】 本発明の実施形態を示す斜視図
【図2】 本発明の実施形態を示す右側面図
【図3】 本発明の実施形態を示す部分拡大図
【図4】 本発明の実施形態を示す斜視図
【図5】 本発明の実施の形態と特許文献1、2との打撃部材の移動距離を示す右側面図
【図6】 本発明の素振り練習用具を握って素振りをしている上面図
【符号の説明】
【0025】
1 シャフト
2 打撃部材
2′ 打撃部材の両端
3 被打撃部材
4 グリップ
5 接合部
6 おもり
7 空間部
A 本発明の右側面図
B 特許文献1、2の右側面図
a 本発明の打撃部材の移動距離
b 特許文献1、2の打撃部材の移動距離

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャフトと、
前記シャフトの先端部に被打撃部材と、
前記シャフトの基端部にはグリップと、
前記グリップを握り素振りをした際に遠心力及び慣性により前記シャフトに沿って先端部側に移動する打撃部材とを有し、前記打撃部材が移動して前記被打撃部材に衝突することにより、衝撃力ならびに打撃音を生じる素振り用練習用具において、
前記打撃部材の軸方向両端の径は両端以外の径より小さくすることと、前記シャフトの内部には接合部を介しておもりを取り付けることを特徴とする素振り練習用具。
【請求項2】
前記シャフトと前記おもりの前記接合部は振動、衝撃を吸収する素材で形成することを特徴とする請求項1に記載の素振り用練習用具。
【請求項3】
前記接合部は1カ所以上とし、前記接合部以外は、前記シャフトと前記おもりは接触しないように形成することを特徴とする請求項1乃至請求項2に記載の素振り練習用具。
【請求項4】
前記おもりは、前記シャフトの先端部側から基端部側のいずれがの場所に取り付けることを特徴とする請求項1乃至3に記載の素振り練習用具。
【請求項5】
前記打撃部材は、木であることを特徴とする請求項1乃至4に記載の素振り練習用具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−94478(P2010−94478A)
【公開日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−291528(P2008−291528)
【出願日】平成20年10月17日(2008.10.17)
【出願人】(399043417)有限会社内田販売システム (24)
【出願人】(592047663)
【出願人】(597030637)