説明

トータルステーション

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、視準望遠鏡等の視準装置を備えたトータルステーションに関する。
【0002】
【従来の技術】土地等の測量を行うために現在主として用いられている測量機は、光波測距儀と電子セオドライトである。この光波測距儀は、測定対象地点に配置したコーナーキューブに変調光を送光するとともにこのコーナーキューブによって反射された反射光の位相変化を測定することにより、測定対象地点までの距離を測量するものである。また、電子セオドライトは、測定対象地点の方向に向いた視準望遠鏡の水平方向の相対角及び垂直方向の相対角を検出することにより、測定対象地点の水平角及び高度角を測量するものである。トータルステーションは、これらの光波測距儀の機能と電子セオドライトの機能とを一体化するとともに、それぞれの測量結果,即ち測距値及び測角値に対して演算処理を施して各種データを出力できるようにしたものである。
【0003】このトータルステーションでは、測量に際して、視準望遠鏡による測定対象地点の視準が行われる。即ち、視準望遠鏡の光軸は、変調光の送光/受光光軸と同軸又は平行に構成されている。そのため、視準望遠鏡によってコーナーキューブを視準することにより(即ち、視準用望遠鏡自体の向きを微調整して、視準望遠鏡の視野中心にコーナーキューブを合わせることにより)、送光/受光光軸をコーナーキューブに合致させ、光波測距をし得る状態とするのである。また、視準望遠鏡と測点に固定された基準台との間には、両者の水平方向の相対角及び垂直方向の相対角を測角するためのエンコーダが組み込まれている。そのため、視準望遠鏡によってターゲットを視準することにより、視準望遠鏡の方向をターゲットの方向に合致させ、基準台に対するターゲットの水平角及び高度角を測定するのである。
【0004】但し、トータルステーションによると数キロ単位の測距が行われたり秒単位の精度の測角が行われることから、視準望遠鏡の視準は、ごく精密に行われなければならない。そのため、視準に際しては、視準望遠鏡の微調整が必要となる。
【0005】従来のトータルステーションでは、かかる視準望遠鏡の微調整のために、水平方向微調整用の回転つまみ,及び垂直方向微調整用の回転つまみを備えていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、水平方向微調整用の回転つまみと垂直方向用の回転つまみとが別個に設けられていると、それらを個別に操作しなければならない。即ち、斜め方向に微調整する場合には、何れか一方の回転つまみを操作した後に他方の回転つまみを操作するか、両手で2つの回転つまみを各々操作しなければならない。このように、従来のトータルステーションでは、視準望遠鏡の斜め方向への微調整のために2アクションが必要であったので、視準に手間と時間が掛かっていた。
【0007】そこで、本発明の課題は、1個の操作部材を1方向に操作するだけで視準装置を斜め方向に回転させることができ、よって短時間で視準作業を行うことができるトータルステーションを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によるトータルステーションは、上記課題を解決するために、基台に対して任意方向に傾動自在な視準装置を有するトータルステーションにおいて、前記基台に対して第1の軸を介して回転可能に支持されるとともに、当該第1の軸に直交する方向を向いた第2の軸を介して前記視準装置を回転自在に支持する中間部材と、前記第1の軸回りに前記基台に対して前記中間部材を回転駆動する第1回転手段と、前記中間部材と前記第1回転手段との間に介在された第1の摩擦クラッチと、前記第2の軸回りに前記中間部材に対して前記視準装置を回転駆動する第2回転手段と、前記視準装置と前記第2回転手段との間に介在された第2の摩擦クラッチと、前記中間部材に取り付けられ、2次元方向及び動作量を入力する2次元方向指示入力手段と、前記2次元方向指示入力手段によって入力された動作量を前記2次元の方向に夫々対応した直交する2方向成分に分解する分解手段と、この分解手段によって分解された2方向成分に夫々応じて、前記第1回転手段及び前記第2回転手段を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする(請求項1に対応)。
【0009】
【実施例】以下、図面に基づいて、本発明の実施例を説明する。実施例の詳細な説明を行う前に、本発明の各構成要件の概念を説明する。
(視準装置)視準装置は、望遠鏡でも良いし、光学部材を用いない枠そのものであっても良い。望遠鏡とする場合には、光波測距用の送光光軸及び受光光軸と平行な光軸を有する望遠鏡とすることができる(請求項2に対応)。
【0010】(第1回転手段,第2回転手段)第1回転手段及び第2回転手段は、電磁力,磁力,空気圧にて作動するアクチュエータとすることができる。電磁力で作動するアクチュエータとする場合には、サーボモータ,ステップモータ,パルスモータ等のモータとすることができる。
【0011】(第1の軸,第2の軸)前記第1の軸は、前記基台と前記中間部材を鉛直方向に重ねた時に鉛直方向を向く軸とすることができる(請求項3に対応)。また、第1の軸と第2の軸とは互いに直交する方向を向いているが、この「直交」とは、ねじれの位置を含む概念である。即ち、視準装置によって視準する際に、各軸の回転による視野の移動方向が直交していれば良い。
【0012】(2次元方向指示入力手段)2次元方向指示入力手段は、2次元の動作方向と動作量を入力するポインティングデバイスとすることができる(請求項4に対応)。このポインティングデバイスとしては、トラックボール(請求項5に対応)の他に、マウス,ジョイスティック,タブレット(digitizing pad),等を使用しても良い。この2次元方向指示手段は、トータルステーション本体に内蔵されていても良いし、有線又は無線でトータルステーションに接続された外部装置として構成されていても良い。
【0013】(分解手段)分解手段によって分解される直交する2方向成分は、夫々、前記第1の軸及び第2の軸に対応しているように構成されても良い(請求項6に対応)。
【0014】
【実施例1】以下、図面に基づいて本発明の第1実施例を説明する。
<トータルステーションの外形>図1は、トータルステーションの外観を示す正面図である。この図1から明らかなように、トータルステーションは、大きく分けて、視準望遠鏡部1,本体部2,基台部3,及び整準ブロック4から構成されている。
【0015】中間部材としての本体部2は、正面から見て略U字状の外形を有しており、その正面に、2次元位置情報入力部5が着脱自在に取り付けられている。視準望遠鏡部1は、視準装置としての視準望遠鏡,並びに、光波測距を行うための送光装置及び受光装置を、一体に有している。図1では、視準望遠鏡の接眼レンズ1aが手前を向いている状態が示されている。また、視準望遠鏡部1は、軸6によって本体部2のU字状凹部2a内に軸支され、紙面の上下方向に沿って立てた面内で回転可能となっている。
【0016】この軸6の一端には円盤状の透明スケール7aが固着されており、本体部2内にて回転可能となっている。一方、本体部2内には、この透明スケール7a上に描かれたパターンを読み取る検出装置7bが固設されている。これら透明スケール7a及び検出装置7bから垂直方向エンコーダ7が構成されて、視準望遠鏡部1と本体部2との間の相対角度が検出されるのである。
【0017】また、本体部2内には、第2の軸としての軸6を回転させて視準望遠鏡部1の高度角調整を行う第1回転手段としての高度角回転駆動部8が固設されている。この高度角駆動部8は、パルスモータと軸6を回転させるための減速ギヤ列とからなっている。なお、パルスモータと軸6との間には、図示せぬ摩擦クラッチが介在している。従って、視準望遠鏡部1を手で掴んで強制的に回転させることも可能である。
【0018】基台部3は、円柱状の形状を有している。基台部3は、軸6の方向に直交する方向を向いた軸9によって本体部2の底面2bに軸支され、紙面の左右方向に沿って立てた面内で回転可能となっている。
【0019】基台部3内には、第1の軸としての軸9を回転させて本体部2の水平角調整を行う第2回転手段としての水平角回転駆動部10が固設されている。この水平角駆動部10は、パルスモータと軸9を回転させるための減速ギヤ列とからなっている。なお、パルスモータと軸9との間には、図示せぬ摩擦クラッチが介在している。従って、本体部2を手で掴んで強制的に回転させることも可能である。
【0020】なお、基台部3の上面には円盤状のスケール11aが設けられている。一方、本体部2内には、このスケール11a上に描かれたパターンを読み取る検出装置11bが固設されている。これらスケール11a及び検出装置11から水平方向エンコーダ11が構成されて、基台部3と本体部2との間の相対角度が検出されるのである。
【0021】以上の機械構成により、視準望遠鏡部1は、地面に対して固定された基台部3に対してあらゆる方向を向くことができる。この時の視準望遠鏡の方向は、垂直方向エンコーダ7及び水平方向エンコーダ11によって測定される。
【0022】整準ブロック4は、基台部3と同軸の円柱形状を有している。この整準ブロック4には、基台部3との間の間隔を調整するための図示せぬ整準ネジが、その周方向の等角度間隔の3点に設けられている。従って、整準ブロック4と基台部3との間を、相対的にあらゆる方向に傾けることができる。即ち、整準ブロック4がどのような方向に傾いていても、本体部2及び視準望遠鏡部1の水平方向回転面を水平に保つことができる。
【0023】また、2次元方向指示手段としての2次元位置情報入力部5は、回転操作されるトラックボール51の回転方向及び回転量として、2次元位置情報(2次元の方向指示)を入力するポインティングデバイスである。この2次元位置情報入力部5によって入力された2次元位置情報に基づいて、高度角回転駆動部8及び水平角回転駆動部10が駆動されて、視準望遠鏡部1があらゆる方向に調整(回転)されるのである。2次元位置情報入力部5におけるトラックボール51の回転方向と視準望遠鏡部1の調整(回転)方向との関係は、次の通りである。
【0024】即ち、トラックボール51を図1における手前側から奥側へ回転させると、視準望遠鏡部1の対物側が下を向くように、軸6が高度角回転駆動部8によって回転駆動される。反対に、トラックボール51を図1における奥側から手前側へ回転させると、視準望遠鏡部1の対物側が上を向くように、軸6が高度角回転駆動部8によって回転駆動される。また、トラックボール51を図1における右側から左側へ回転させると、視準望遠鏡部1の対物側が左を向くように、軸9が水平角回転駆動部10によって回転駆動される。反対に、トラックボール51を図1における左側から右側へ回転させると、視準望遠鏡部1の対物側が右を向くように、軸9が水平角回転駆動部10によって回転駆動される。
【0025】トラックボール51を斜め方向に回転させると、その回転方向が前後方向の成分(手前側から奥側,又はその逆へ回転する成分)及び左右方向の成分にベクトル分解され、夫々の方向成分の回転量に従って、高度角回転駆動部8及び水平角回転駆動部10が各軸の回転駆動を行う。その結果、視準望遠鏡部1が斜め方向に調整(回転)されるのである。
【0026】この2次元位置情報入力部5の内部構成を、図2のブロック図に示す。図2における鉛直方向パルスカウント部52は、任意の方向に回転するトラックボール51の前後方向の回転成分に応じてパルスを発生するエンコーダである。即ち、この鉛直方向パルスカウント部52は、前後方向成分における回転量及び回転の向きに応じて、この向きを示すパルスを所定個数発生するのである。
【0027】同様に、水平方向パルスカウント部53は、任意の方向に回転するトラックボール51の左右方向の回転成分に応じてパルスを発生するエンコーダである。即ち、この水平方向パルスカウント部53は、水平方向成分における回転量及び回転の向きに応じて、この向きを示すパルスを所定個数発生するのである。
【0028】これら鉛直方向パルスカウント部52及び水平方向パルスカウント部53は、トラックボール51の回転を、夫々の方向成分としてパルスに変換するので、分解手段として機能する。
【0029】鉛直方向パルスカウント部52及び水平方向パルスカウント部53からのパルスを受信する移動量計算部通信部54は、受信したパルスを所定のフォーマットに変換して、ケーブル55(図1参照)を通じて本体部2内の演算処理部に送信する回路である。
【0030】なお、2次元位置情報入力部5と本体部2との間はケーブル55によって接続されているので、2次元位置情報入力部5を本体部2から外して使用することが可能である。
<トータルステーションの内部回路>次に、2次元位置情報入力部5からの2次元位置情報(2次元の方向指示)を受信して高度角回転駆動部8及び水平角回転駆動部10を制御するための回路の構成を、図3のブロック図に基づいて説明する。
【0031】2次元位置情報入力部5から送信された2次元入力情報は、分割部12において、1次元づつのパルス(鉛直方向パルスカウント部52にて発生した前後方向の回転成分を示すパルス,水平方向パルスカウント部53にて発生した左右方向の回転成分を示すパルス)に分離され、夫々演算処理部13に入力される。
【0032】制御手段としての演算処理部13は、トータルステーション全体の制御を行う処置装置であり、光波測距に基づく測距値の算出,垂直方向エンコーダ7からのデータ及び水平方向エンコーダ11からのデータに基づく測角値の算出,これら測距値及び測角値に対するデータ処理,等を実行する。演算処理部13は、また、分割部12によって入力された各次元のパルスの数及びそれが示す向きに従って、各駆動部8,10内パルスモータの駆動量及び駆動の向きを算出し、この駆動量及び駆動の向きに応じた駆動パルスをこれら各駆動部8,10に送出する。
<駆動制御処理>図4は、図3の演算処理部13において各駆動部8,10内パルスモータを駆動するために実行される処理の内容を示すフローチャートである。
【0033】このフローチャートは、トータルステーションに電源を投入することによりスタートする。そして、最初のS01において、トラックボール51が回転したかどうかをチェックする。このチェックは、何れかの回転方向成分を示すパルスが分割部12から入力されているか否かを検知して行う。トラックボール51が全く回転していない場合,即ち、何れの回転方向成分を示すパルスも入力されていない場合には、このチェックを繰り返す。
【0034】これに対して、トラックボール51が回転した場合,即ち、何れかの回転方向成分を示すパルスが入力された場合には、S02において、トラックボールの回転量から水平方向又は/及び垂直方向の回転量を計算する。即ち、前後方向成分を示すパルスの受信個数に第1の定数を掛けることにより、高度角回転駆動部8内のパルスモータの駆動量(鉛直方向回転量)を算出する。この駆動量には、パルスが示す回転の向きに応じて正又は負の極性が与えられる。また、左右方向成分を示すパルスの受信個数に第2の定数を掛けることにより、水平角回転駆動部10内のパルスモータの駆動量(水平方向回転量)を算出する。この駆動量にも、パルスが示す回転の向きに応じて正又は負の極性が与えられる。なお、これら第1の定数及び第2の定数は、それら相互間の比率を保つことを条件に、変更することが可能である。これにより、トラックボール51の回転に対する視準望遠鏡1の調整(回転)のレスポンスを変えることが可能となっている。
【0035】次のS03では、S02にて計算した回転量に基づいて、水平方向又は/及び鉛直方向の回転を行う。即ち、S02にて計算した鉛直方向回転量に応じた駆動パルスを発生し、高度角回転駆動部8に向けて出力する。同時に、水平方向回転量に応じた駆動パルスを発生し、水平角回転駆動部10に向けて出力する。このステップを実行した後、処理をS01に戻し、今回のS02実行後に入力したパルスに対する処理を行う。
<実施例の作用>以上に説明した構成を有する本実施例のトータルステーションの視準動作の手順を、図5のフローチャートに基づいて説明する。なお、この視準動作を始める前提として、作業者は、予め整準ブロック4による整準を行うとともに視準望遠鏡の視度調整及びピント合わせを行って、ターゲット(コーナーキューブ)が明瞭に見え得るようにしておくものとする。
【0036】トータルステーションに電源を投入した後で、作業者は、本体部2を基台部3に対して手動回転させるとともに視準望遠鏡部1を本体部2に対して手動回転させて、視準望遠鏡部1の方向を適宜調整し、視準望遠鏡の視野内にターゲット(コーナーキューブ)を捉える(S11)。
【0037】ターゲット(コーナーキューブ)を視野内に捉えると、作業者はトラックボール51を回転させる。即ち、ターゲット(コーナーキューブ)が視野中央より上に見える時にはトラックボール51を奥側から手前側に回転させ、下に見える時には手前側から奥側に回転させ、右側に見える時には左側から右側に回転させ、左側に見える時には右側から左側に回転させる。また、ターゲット(コーナーキューブ)が視野内で斜めに偏った位置に見える時には、トラックボール51をこの位置に応じて斜め方向に回転させる。即ち、右斜め上に見える場合には、トラックボール51を左奥側から右手前側に向けて回転させ、左斜め上に見える場合には、トラックボール51を右奥側から左手前側に向けて回転させ、左斜め下に見える場合には、トラックボール51を右手前側から左奥側に向けて回転させ、右斜め下に見える場合には、トラックボール51を左手前側から右奥側に向けて回転させる。すると、この回転方向に応じて高度角回転駆動部8及び水平角回転駆動部10が適宜駆動され、視準望遠鏡部1の向きがターゲット(コーナーキューブ)方向に近づく。作業者は、このトラックボール51の回転作業を、視準望遠鏡の視野中央がターゲット(コーナーキューブ)と重なるまで行う(S12)。
【0038】なお、トラックボール51を回転させすぎて、ターゲット(コーナーキューブ)が視野中央を越えてしまった場合は、トラックボール51を逆向きに回転させる。すると、この向きの変化が検出されて、高度角回転駆動部8及び水平角回転駆動部10が逆向きに駆動され、視準望遠鏡部1が元の方向に戻る。
【0039】以上の作業の結果、視準望遠鏡の視野中央がターゲット(コーナーキューブ)と重なると、この視準動作が終了したことになる。このように、本実施例によれば、視準望遠鏡を斜め方向に微調整する場合でも、斜め方向に視準望遠鏡を調整(回転)する指示を、2次元位置情報入力部5によって一動作だけで入力することができる。そして、入力された指示内容は自動的に水平方向成分及び垂直方向成分に分解され、分解された各方向成分に従って各軸6,9が回転駆動される。従って、作業者は、片手の指一本でも視準微調整作業を行うことができる。
【0040】
【発明の効果】以上のように構成した本発明のトータルステーションによると、2次元方向指示入力手段を1方向に操作するだけで視準装置を斜め方向に回転させることができる。よって短時間でトータルステーションの視準作業を完了することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例によるトータルステーションの外観を示す正面図
【図2】 図1の2次元位置情報入力部の内部回路を示すブロック図
【図3】 トータルステーションの内部回路を示すブロック図
【図4】 図3の演算処理部で実行される視準制御処理を示すフローチャート
【図5】 本実施例による視準作業の手順を示すフローチャート
【符号の説明】
1 視準望遠鏡部
2 本体部
3 基台部
5 2次元位置情報入力部
6 軸
8 高度角回転駆動部
9 軸
10 水平角回転駆動部
13 演算処理部
51 トラックボール
52 鉛直方向パルスカウント部
53 水平方向パルスカウント部

【特許請求の範囲】
【請求項1】基台に対して任意方向に傾動自在な視準装置を有するトータルステーションにおいて、前記基台に対して第1の軸を介して回転可能に支持されるとともに、当該第1の軸に直交する方向を向いた第2の軸を介して前記視準装置を回転自在に支持する中間部材と、前記第1の軸回りに前記基台に対して前記中間部材を回転駆動する第1回転手段と、前記中間部材と前記第1回転手段との間に介在された第1の摩擦クラッチと、前記第2の軸回りに前記中間部材に対して前記視準装置を回転駆動する第2回転手段と、前記視準装置と前記第2回転手段との間に介在された第2の摩擦クラッチと、前記中間部材に取り付けられ、2次元方向及び動作量を入力する2次元方向指示入力手段と、前記2次元方向指示入力手段によって入力された動作量を前記2次元の方向に夫々対応した直交する2方向成分に分解する分解手段と、この分解手段によって分解された2方向成分に夫々応じて、前記第1回転手段及び前記第2回転手段を制御する制御手段とを備えたことを特徴とするトータルステーション。
【請求項2】前記視準装置は、光波測距用の送光光軸及び受光光軸と平行な光軸を有する望遠鏡であることを特徴とする請求項1記載のトータルステーション。
【請求項3】前記第1の軸は、前記基台と前記中間部材を鉛直方向に重ねた時に鉛直方向を向く軸であることを特徴とする請求項1記載のトータルステーション。
【請求項4】前記2次元方向指示入力手段は2次元の動作方向と動作量を入力するポインティングデバイスであることを特徴とする請求項1記載のトータルステーション。
【請求項5】前記2次元方向入力手段はトラックボールであることを特徴とする請求項1記載のトータルステーション。
【請求項6】前記直交する2方向成分は、夫々、前記第1の軸及び第2の軸に対応していることを特徴とする請求項1記載のトータルステーション。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図4】
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【特許番号】特許第3517303号(P3517303)
【登録日】平成16年1月30日(2004.1.30)
【発行日】平成16年4月12日(2004.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平7−84364
【出願日】平成7年4月10日(1995.4.10)
【公開番号】特開平8−285575
【公開日】平成8年11月1日(1996.11.1)
【審査請求日】平成13年11月19日(2001.11.19)
【出願人】(000000527)ペンタックス株式会社 (1,878)
【参考文献】
【文献】特開 平7−63557(JP,A)
【文献】特開 平6−288758(JP,A)
【文献】特開 平6−8171(JP,A)
【文献】実開 平6−43915(JP,U)