説明

ドア

【課題】 本発明は、S字フックを安定して掛けておくことのできるドアを提供することにある。
【解決手段】 ドア面1aにフック掛け具2を備えており、フック掛け具2は、左右方向に長い横材3と、横材取付部4とを有し、横材3は、上部3bが上方に向かってドアから離れる方向に傾斜しており、横材取付部4は、横材3をドア面1aから離隔して固定することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドア面にフック掛け具を備えるドアに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ドアの一側面を利用して物を引っ掛けるとき、図5のように、ドア21のドア面21aに横材取付部24で横材23を離隔した状態で取り付け、その横材23にS字フック25のS字上部湾曲部内周側の頂部Pと、S字下部湾曲部外周側のドア面21aに近い部位Qとを当接して掛けるものであった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、一般的な丸棒状あるいは矩形状の横材23にS字フック25を掛けたときには、S字フック25の下部湾曲部がドア面21aから離れる方向に持ち上がって重心が安定せず、このような状態でドア21を開閉したときには、S字フック25が横材23を軸にぐらぐらと大きく回転するとともに、左右に不安定に振られることから、S字フック25が横材23から簡単に脱落する欠点があった。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、S字フックを安定して掛けておくことのできるドアを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、ドア面にフック掛け具を備えており、フック掛け具は、左右方向に長い横材と、横材取付部とを有し、横材は、上部が上方に向かってドアから離れる方向に傾斜しており、横材取付部は、横材をドア面から離隔して固定してあることを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、横材の上部が上方に向けてドア面から離れる方向に傾斜していることから、横材にS字フックを掛けたときに、S字フックの先端が横材に当たらず、しかも、S字フックの重心が最も安定する位置で、S字フックのS字の内周側頂部および外周側中間部が横材から支持されることにより、ドアの開閉のときにS字フックが安定して保持されるので、ドアを開け閉めしてもぐらつかず、S字フックが横材から振り落とされることがない。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本実施によるドアを示す図4中A−A線を断面して一部を拡大した縦断面図である。
【図2】横材端部キャップを示すものであり、(a)は、ドア外周側から見た側面図であり、(b)は、ドア内周側から見た側面図であり、(c)は、背面図である。
【図3】(a)〜(c)は、ドア面にフック掛け具を取り付けるときの手順を示す斜視図である。
【図4】本実施によるドアの全体を示す斜視図である。
【図5】従来のフック掛け具を有するドアを示す一部を拡大した縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、図面に基づいて本実施によるドアを説明する。
本実施によるドアは、図1のように、ドア1の一方側のドア面1aにS字フック10を引っ掛けるためのフック掛け具2が取り付けてあり、フック掛け具2は、図3(a)〜(c)図を参照すれば、横材3と、横材3をドア面1aに取り付ける横材取付部4とからなっている。横材3は、押出形材により形成してあり、その断面形状については、下部3aが縦長略矩形状をなすとともに、上部3bが上方に向かってドア面1aから離れる方向に傾斜している。また、横材3の上端部は、横材3の一方側に向けて略水平に突出する突出片18を有するとともに、横材3上端面には傷防止用の凹凸部16が設けてある。横材取付部4は、ドア面1aに固定するアングル5と、アングル5と横材3とを連結する横材端部キャップ6とからなっている。横材端部キャップ6は、図2(a)〜(c)のように、ドア面1aに寄る側にアングル5を収容する凹陥部7を有するとともに、凹陥部7のドア面1aから離れる側には、横材3の長手側端部が嵌り込む凹状に窪んだ嵌合部8が設けてあり、また、嵌合部8を囲む側壁部17には挿通孔15が設けてある。アングル5は、図3(a)〜(c)を参照すれば、一片5aと他片5bとから略L字型をなしており、一片5aと他片5bの各々には挿通孔が設けてあり、挿通孔にネジ12を挿通してL字の一片5aをドア面1aに固定してあり、L字の他片5bを前述のように横材端部キャップ6の凹陥部7に収容し、さらに、側壁部17に設けてある挿通孔15にネジ12を挿通し、横材3端部に設けてあるタッピングホール13に挿通してネジ止めすることで、横材3をドア面1aに固定している。
【0008】
上記のように本実施によるドア1を形成し、フック掛け具2にS字フック10を掛けたときには、図1のように、横材3の傾斜部(上部)3bを有することで、S字フック10の先端が横材3に当たらずに、S字フック10のS字の上側湾曲部内周側の頂部Pを横材3の傾斜部(上部)3b上端部で保持しながら掛けられるとともに、S字フック10の重心が安定した位置状態(前述した頂部PのみでS字フック10を支えたときに位置する状態)で、S字の下側湾曲部外周側のドア面1aに近い部位Qが横材3の下部3a外周面に当接する。これにより、S字フック10を横材3に安定して掛けられる。そして、上記のように横材3にS字フック10を掛けた状態でドア1を開閉したときには、S字フック10が横材3を軸として回転したり、左右に振られることなく、ドア1の開閉に伴ってぐらつかなくなり、さらに、横材3上端部の水平片17でS字フック10の頂部Pを安定的に保持することで、大きさの異なるS字フック10でも問題なく掛けることができる。
【0009】
ドア面1aへのフック掛け具2の取り付けについては、図3(a)〜(c)のように、まず、二つのアングル5をドア面1aの左右に横材3の長さと同寸法となる間隔をあけた個所にネジ11で固定する。このとき、L字状をなすアングル5の一片5aを当接するとともにネジ11で固定し、他片5bをドア面1aから離れる方向に向けて突出させる。そして、ドア面1aに固定した両アングル5の他片5bを各々横材端部キャップ6の陥凹部7に収容し、アングル5で横材端部キャップ6をドア面1aから支持する。また、両横材端部キャップ6間に横材3を挟むように配設し、横材3の長手側端部を各々横材端部キャップ6の嵌合部8に嵌合する。さらに、両横材端部キャップ6の外周側からネジ12を挿通して横材3のタッピングホール13にねじ込むことで、横材3とアングル5と横材端部キャップ6のすべてがネジ12に挿通されて固定することにより、図4のように、横材3がドア面1aから持ち出された状態でフック掛け具2がドア面1aに取り付けられる。
【符号の説明】
【0010】
1a ドア面
2 フック掛け具
3 横材
3b 傾斜部(上部)
4 横材取付部
10 S字フック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドア面にフック掛け具を備えており、フック掛け具は、左右方向に長い横材と、横材取付部とを有し、横材は、上部が上方に向かってドアから離れる方向に傾斜しており、横材取付部は、横材をドア面から離隔して固定することを特徴とするドア。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−208453(P2011−208453A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−78530(P2010−78530)
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【出願人】(000175560)三協立山アルミ株式会社 (529)
【Fターム(参考)】