説明

ドライコーティング材

【課題】本発明の目的は、連続鋳造用タンディッシュの受鋼前の施工体の崩壊や欠損を防ぐことができ、水素ピックアップによる溶鋼汚染を極力低減することができるドライコーティング材を提供することにある。
【解決手段】本発明のドライコーティング材は、マグネシア質骨材を主成分とする骨材、粉末フェノールレジン0.5〜5質量%、酸化硼素、硼酸及びアルカリ金属硼酸塩からなる群から選択された1種または2種以上0.5〜5質量%とを配合してなることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は連続鋳造用タンディッシュの内張り母材の表面被覆材に関し、更に詳しくはドライコーティング材に関する。
【背景技術】
【0002】
鋼の連続鋳造用タンディッシュにおいては、内張り母材面の補修や、内張り母材による溶鋼の汚染を防ぎ、また、タンディッシュ使用後の残鋼の耐火物母材への付着を防止するために、セラミックス製ボード、吹き付け材、コテ塗り材等の耐火物が使用されてきた。例えば、特許文献1には、塩基性骨材に、結合剤として珪酸アルカリ、結合剤の硬化剤、有機質ファイバーを添加混練してなる連続鋳造タンディッシュ内張りコーティング用吹付材が開示されている。ここで、セラミックス製ボードの施工には、タンディッシュ中に入って作業しなければならない、接合部に溶鋼が侵入して地金取りが困難になるという問題点があったが、特許文献1に開示されているような水を使用した吹き付け施工によってそれらの問題点が改善され、現在、タンディッシュ用コーティング材の施工方法としては水を使用した吹き付け施工が主流となっている。コーティング用吹付材を施工したタンディッシュは溶鋼を受ける前に1250〜1400℃に加熱・脱水される。しかしながら、特許文献1に開示されているような連続鋳造タンディッシュ内張りコーティング用吹付材は、水を使って吹き付け施工するものであり、施工時に添加される水分に含まれる水素[H]が、製造される鋼の品質に悪影響を与える(水素ピックアップ)という問題点が発生する場合があった。なお、上述のように加熱・脱水をしても施工時に添加された水分の一部はタンディッシュ母材耐火物中に残留し、タンディッシュ中に溶鋼が入った際、溶鋼と水蒸気が反応して水素[H]が溶鋼中に取り込まれることとなる。
【0003】
それに対し、水を使用しない乾式の施工方法として、例えば特許文献2には、マグネシア、アルミナ、カルシア、シリカ、ジルコニア及びその組み合わせよりなる群から選ばれた耐火物骨材材料であり、フェノール樹脂の低温結合剤を約1.0から約5.0質量%と、約40.0%未満の量のナトリウムを有すると共にリン酸塩を含む化合物、アルカリ金属のケイ酸塩化合物と金属粉末との混合物よりなる群から選ばれた少なくとも1つの中間温度結合剤を約0.5から約10.0%(その結果、前記リン酸塩を含む化合物と前記ケイ酸塩を含む化合物のうち少なくとも1つが存在し、1つの前記の中間温度結合剤が組成物内に10.0質量%を越えて存在しない)とを含み、全体で100.0質量%とした組成物の残りが前記耐火物骨材材料であることを特徴とする乾式の耐火物として用いられる耐火物用組成物が開示されている。この耐火物用組成物は、タンディッシュ母材の表面側に中子等により空間を設け、その空間に振動によって流し込み、その後、約150℃〜550℃の温度に一旦加熱してフェノール樹脂を硬化させ、さらにその後、受鋼前に1250〜1400℃に加熱するというものである。受鋼前の低温域ではフェノール樹脂が結合材として働き、フェノール樹脂が中間温度域以上で分解した後、中間温度結合材によって熱間強度を維持しようとするものである。しかしながら、リン酸塩を含む化合物は、十分な熱間強度を提供できるものの溶鋼を汚染するという問題点があった。また、アルカリ金属のケイ酸塩は、溶鋼汚染はないものの十分な熱間強度を提供することができず、第一の加熱から第二の加熱への移動中の振動で施工体が崩落するなどのトラブルが発生することがある。また、金属粉末も十分な熱間強度を提供できないという問題点があった。
【0004】
また、特許文献3には、骨材と結合材とを含有してなるタンディッシュ用表面被覆材において、粒度調整された骨材90〜99.5%重量部に、結合材として含水珪酸塩、含水リン酸ナトリウム、含水硫酸マグネシウムを0.5重量%以上10重量%未満を添加してなることを特徴とするタンディッシュ用表面被覆材が開示されている。このタンディッシュ用表面被覆材は、特許文献2の改良発明であり、低温結合材であるフェノールレジンに含有される水素[H]が、水素ピックアップの原因となるとしてフェノールレジンの使用を止め、結合材として含水珪酸塩等を使用するものである。特許文献3のタンディッシュ用表面被覆材では、確かに水素ピックアップは小さくなるものの、熱間強度が著しく低く、施工体の崩壊や脱落が発生するという問題があった。
【0005】
更に、特許文献4には、耐火性原料と結合剤としての珪酸塩及び/またはフェノール樹脂を含むと共に、融点50〜120℃の有機質硬化付与剤を、前記耐火性原料100質量部に対し0.05〜5質量部添加してなる乾式タンディッシュコーティング材が開示されている。特許文献4によれば、有機質硬化付与剤が加熱乾燥または予熱の際に速やかに揮発して施工体内に均一な微細気孔を形成し、結合剤として珪酸塩の水和物を使用した場合には、この水和物から発生する水蒸気が微細気孔から施工体外で容易に逸散し、ボイリング現象を生ずることがなく、また、結合剤としてフェノール樹脂を使用した場合には、有機質硬化付与剤による微細気孔の形成で、フェノール樹脂の揮発成分の揮発が促進され、施工体の硬化促進が図られ、早期の強度付与によって施工体の倒壊防止効果が得られるとしている。しかしながら、結合剤として珪酸塩を使用する場合には、高温域での十分な熱間強度が得られないという問題点があった。
【0006】
また、特許文献5には、単糖類及び/または二糖類よりなる糖を2〜10質量%、ガラス類を0.1〜2質量%を含み、残部が耐火性粉体を主体とする乾式コーティング材が開示されている。また、特許文献5によれば、フェノールレジンや多糖類を使用したものは1000℃加熱後の残炭が多く、カーボンピックアップの懸念があるため、残炭の少ない単糖類または二糖類の使用が好ましいとしている。しかし、中間温度域での熱間強度が十分でなく、施工体が崩れるという問題が生ずることがある。これは、単糖類や二糖類等の糖では分解が早すぎ、この温度域でのガラス類の添加では熱間強度の発現が十分でなかったことによるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開昭59−57969号公報
【特許文献2】特表平5−505589号公報
【特許文献3】特開2000−176612号公報
【特許文献4】特開2006−7317号公報
【特許文献5】特開2010−137279号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、本発明の目的は、連続鋳造用タンディッシュの受鋼前の施工体の崩壊や欠損を防ぐことができ、水素ピックアップによる溶鋼汚染を極力低減することができるドライコーティング材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のドライコーティング材は、マグネシア質骨材を主成分とする骨材、粉末フェノールレジン0.5〜5質量%、酸化硼素、硼酸及びアルカリ金属硼酸塩からなる群から選択された1種または2種以上0.5〜5質量%とを配合してなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、受鋼前の施工体の崩壊や欠損を防ぐことができ、水素ピックアップによる溶鋼汚染を低減することができる連続鋳造用タンディッシュ用のドライコーティング材を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明者らは、連続鋳造用タンディッシュ用のマグネシア質ドライコーティング材の低温結合材と中間温度結合材について、その最適な材質について鋭意検討した結果、以下の知見を得た:
低温結合材は、粉末フェノールレジンが最適である。粉末フェノールレジンは比較的安価でコスト面でも優れる。また、結合強度が高いために、少量添加で十分な強度を得ることができる。水素ピックアップを完全に防ぐことはできないものの、水素ピックアップ量は水を使って施工したコーティング材に比べて格段に少なくなり、更に、粉末フェノールレジンは少量添加ですむため、水素ピックアップ量を低減できる。このため、水素ピックアップ量は実操業上問題のないレベルまで低減することが可能となる。
なお、ドライコーティング材に液体フェノールレジンを使用すると骨材粒子表面へのレジンの付着が良くなり、添加量が少なくてすむという利点があり、液体フェノールレジンを粉末フェノールレジンと併用することも検討した。しかし、通常、コーティング材は耐火物工場で製造後、フレコンバッグに入れ実機での使用まで保管するが、この保管の際、積み重ねなどによって圧力がかかった場合、粒子同士が互いに固着し、流動性が失われるため、液体フェノールレジンの併用は好ましくない。
【0012】
次に、中間温度結合材としては、硼酸(HBO)あるいは酸化硼素(B)が好適である。硼酸は、加熱により順次メタ硼酸を経て300℃付近でBとなる。Bの融点は450℃である。粉末フェノールレジンの分解は300〜600℃で起るが、その途中でBは液相を生じ、マグネシア粒子の液相焼結を促進させる。このため、粉末フェノールレジンと組み合わせることで中間温度域での強度低下を抑制でき、高い熱間強度を持つことが可能となる。また、硼酸は、1000℃以上の高温域では、マグネシアと反応して硼酸マグネシウム(2MgO・B及び3MgO・B)を生成する。これらの化合物の融点は1300℃より高いため、タンディッシュの内張り母材とドライコーティング材との焼き付きを抑制することができる。なお、中間温度結合材として、低融点物質であるアルカリ金属硼酸塩を使用することもできる。
【0013】
以下、本発明のドライコーティング材を更に説明する。
本発明のドライコーティング材は、マグネシア質骨材を主成分とする骨材と、粉末フェノールレジンと、酸化硼素、硼酸及びアルカリ金属硼酸塩からなる群から選択された1種または2種以上とを配合してなるものである。
【0014】
本発明のドライコーティング材の骨材は、マグネシア質骨材を主成分(50質量%以上)とするものである。マグネシア質骨材を50質量%以上とすることで、後述する酸化硼素との反応を有効に作用させることができる。骨材には、マグネシア質骨材の他にアルミナ質骨材、カルシア質骨材、シリカ質骨材及びジルコニア質骨材からなる群から選択される1種または2種以上の骨材が含まれていても差し支えない。骨材の粒度は、通常用いられている骨材の粒度範囲にあれば特に限定されるものではないが、最大粒度がほぼ3mm以下で、1mmより大きい粒子が5〜20質量%、好ましくは8〜15質量%、1mm〜75μmの粒子が40〜70質量%、好ましくは45〜60質量%、75μm未満の粒子が15〜45質量%、好ましくは20〜40質量%の範囲内であることが、使用上または取り扱い上最も好ましい。
【0015】
上述のように、本発明のドライコーティング材では、低温結合材として、粉末フェノールレジンを使用する。粉末フェノールレジンは、特には限定されるものではないが、粉末フェノールレジンはノボラックが一般的である。ノボラック型フェノールレジンを使用する場合、結合材としてヘキサミンを併用することもできる。また、粉末フェノールレジンとしてレゾール型フェノールレジンを使用することも可能である。なお、粉末フェノールレジンの融点は、60〜120℃であれば特には限定されない。粉末フェノールレジンの添加量は、0.5〜5質量%、好ましくは2〜4質量%の範囲内である。粉末フェノールレジンの添加量が0.5質量%未満であると、十分な低温強度が得られないために好ましくなく、また、5質量%を超えると、水素ピックアップ量が大きくなり好ましくない。なお、粉末フェノールレジンの粒度は、1mm以下、好ましくは75μm以下であることが好ましい。粉末フェノールレジンの粒度が1mmを超えると、粉末フェノールレジンが偏在して十分な低温強度が得られことがあるために好ましくない。
【0016】
本発明のドライコーティング材では、中間温度結合材として、酸化硼素、硼酸及びアルカリ金属硼酸塩からなる群から選択される1種または2種以上の成分使用する。これらの成分の添加量は、0.5〜5質量%、好ましくは0.8〜3質量%の範囲内である。中間温度結合材の添加量が0.5質量%未満では十分な中間温度域での熱間強度が十分ではなく、施工したコーティング材の崩壊などが発生するため好ましくない。また、5質量%を超えると、母材とコーティング材が焼き付きやすくなるために好ましくない。
【0017】
なお、硼酸には、オルト硼酸(HBO)、次硼酸(H)、メタ硼酸(HBO)があり、オルト硼酸を加熱すると順次水を失い、メタ硼酸を経て約300℃で酸化硼素(B)になる。なお、酸化硼素は、無水硼酸と呼ばれることもある。本発明では、硼酸として、オルト硼酸、次硼酸、メタ硼酸を使用することができる。また、アルカリ金属硼酸塩としては、Li、Na、Kの硼酸塩及びその水和物を試用することができる。これらの中でも、特に、酸化硼素及び/または硼酸を使用することが好ましい。酸化硼素の融点は、450℃である。低温結合材として使用される粉末フェノールレジンの分解は300〜600℃で起るが、その途中で酸化硼素は450℃で液相となり、骨材として配合されるマグネシア粒子の液相焼結を促進させる。このため、粉末フェノールレジンと併用することで中間温度域での強度低下を抑制できる。また、酸化硼素(B)は、1000℃以上の高温では、骨材として配合されるマグネシアと反応して硼酸マグネシウム(2MgO・B及び3MgO・B)を生成する。これらの化合物の融点は1300℃より高いため、ドライコーティング材とタンディッシュの内張り母材との焼き付きを抑制することができる。また、アルカリ金属硼酸塩も低融点で、比較的低温度で液相を生成するため、低温から強度を発現させることができる。
【0018】
本発明のドライコーティング材組成には、必要によって他に、有機短繊維、有機湿潤剤等を添加することもできる。
有機短繊維を骨材100質量部に対して0.5質量部以下の量で添加することによって施工体の熱膨張応力を緩和させることができる。有機短繊維の具体例としては、ビニロン繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、セルロース、綿屑などが挙げられる。
また、有機湿潤剤を添加することにより、発塵を防止することができる。有機湿潤剤の具体例としては、石炭・石油系オイル、植物オイル、動物オイルなどが挙げられる。添加量は、骨材100質量部に対して0.05〜0.5質量部、好ましくは0.1〜0.3質量部の範囲内である。
【0019】
本発明のドライコーティング材は、耐火物が新規に内張りされた連続鋳造用タンディッシュ、あるいは使用後のタンディッシュに対して施工することができる。使用後のタンディッシュに対しては残留コーティング材を除去した後、施工する。施工の際には、施工した耐火物との間に適切な隙間を生むような中子を入れ、その隙間に本発明のドライコーティング材を投入する。投入の際には、中子等に振動を与え流動性を向上させると共に、充填性を向上させることができる。なお、コーティング材の厚さは特には限定されるものではないが、10〜100mm、好ましくは15〜40mm程度である。その後、約150〜550℃、好ましくは200〜350℃の温度に一旦加熱して粉末フェノールレジンを硬化させる。加熱の方法は特には限定されないが、ドライコーティング材の施工体が150℃以上の温度になるようにすることが好ましい。さらにその後、受鋼前に1200〜1400℃、好ましくは1250〜1350℃に加熱する。
【実施例】
【0020】
以下、本発明のドライコーティング材を実施例により更に具体的に説明する。なお、実施例は本発明の一例であって本発明をなんら制限するものでない。
以下の表1に記載する配合割合にて、本発明品のドライコーティング材を、表2に記載する配合割合にて、比較品のコーティング材を調製した。
【0021】
【表1】

【0022】
なお、マグネシアクリンカーは、1mm〜75μmの粒子55質量%、75μm未満の粒子32質量%を有するものである。
また、粉末フェノールレジンは、ノボラック型フェノールレジンであり、融点85℃、平均粒径20μm以下の粒子よりなるものである。
【0023】
【表2】

【0024】
また、得られた本発明品並びに比較品の諸特性を下記のようにして評価した。得られた結果を表1並びに2に併記する:
低温強度(150℃)は、本発明品並びに比較品のドライコーティング材を粉末状態で40×40×160mmの金型に投入し、一定の振動をかけて充填した後、150℃で5時間加熱し硬化させて得たサンプルを用いて、スパン120mmの3点曲げ試験を行った結果である。なお、加熱温度を150℃としたのは、実機施工した際に中子の中で加熱硬化させるのに好ましいとした温度で十分な強度が発現するか、否かを判定するためである。3点曲げ試験のデータから、◎は、強度大、○は、強度やや小、△は、強度小、×は、強度ほとんど無し、をそれぞれ表す;
中間温度強度(1250℃)は、上記と同様に作成した40×40×160mmの試験片を用いて、酸化雰囲気での1250℃での熱間強度を測定した結果である。実機において、硬化したドライコーティング材の施工体はおよそ1250〜1400℃に加熱された後、タンディッシュの操業上、振動などの機械的な力を受ける。その際に崩壊などが起こるかどうか調べるために、1250℃での熱間強度により判定した。◎は、強度大、○は、強度やや小、△は、強度小、×は、強度ほとんど無し、をそれぞれ表す。
Pピックアップは、実機使用した際のタンディッシュにおける溶鋼中へのP(リン)のピックアップ量から、ほとんど、または全くないものを○、多少ある物を×とした。
水素ピックアップは測定値を示した。1ppm以下であれば概ね許容範囲と考えられる。
さらに母材との焼き付きは、母材としてアルミナ・シリカ質耐火物が内張りされているタンディッシュ実機に、厚さ15mmでコーティング材を被覆し、実機使用後の目視観察から行い、以下のように判定した。◎は、-焼き付きが全くない、○は、少し焼き付き傾向がある、△は、焼き付き頻度が高い、×は、著しく焼き付いた、をそれぞれ表す。
【0025】
本発明品は、いずれも低温での十分な強度と、中間温度域での熱間強度を持ち、Pや水素のピックアップも許容範囲内にあり、タンディッシュの内張り母材との焼き付きの少ない高性能のドライコーティング材であることが判る。
一方、比較品1〜4は、低温結合材にフェノールレジンを用い、中間温度結合材に硼酸を用いた例であるが、その使用範囲が本発明の範囲外のものであるため十分な特性が得られなかった。また、比較品5は、中間温度結合材にリン酸塩を用いているためPのピックアップが発生し、比較品6は、無水珪酸ナトリウムを用いたため十分な熱間強度が得られなかった。更に、比較品7は、十分な低温および熱間強度が得られなかった。また、比較品8は、十分な熱間強度が得られなかった。また、比較品9は、十分な低温強度が得られなかった。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明のドライコーティング材は、連続鋳造用タンディッシュの内張り母材の補修等に好適に使用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マグネシア質骨材を主成分とする骨材、粉末フェノールレジン0.5〜5質量%、酸化硼素、硼酸及びアルカリ金属硼酸塩からなる群から選択された1種または2種以上0.5〜5質量%を配合してなることを特徴とするドライコーティング材。
【請求項2】
更に、有機短繊維及び/または有機湿潤剤を配合する、請求項1記載のドライコーティング材。

【公開番号】特開2013−39597(P2013−39597A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−178336(P2011−178336)
【出願日】平成23年8月17日(2011.8.17)
【出願人】(000001971)品川リフラクトリーズ株式会社 (112)
【Fターム(参考)】